特許第5771648号(P5771648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771648
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】多層セラミック回路基板及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20150813BHJP
   H05K 3/10 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   H05K3/46 H
   H05K3/46 N
   H05K3/10 E
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-141241(P2013-141241)
(22)【出願日】2013年7月5日
(62)【分割の表示】特願2010-135398(P2010-135398)の分割
【原出願日】2010年6月14日
(65)【公開番号】特開2013-191899(P2013-191899A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2013年8月2日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0003167
(32)【優先日】2010年1月13日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】張 明 勳
(72)【発明者】
【氏名】金 鎭 完
(72)【発明者】
【氏名】李 大 衡
(72)【発明者】
【氏名】洪 奇 杓
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−250996(JP,A)
【文献】 特開2000−299560(JP,A)
【文献】 特開2003−124397(JP,A)
【文献】 特開2003−100802(JP,A)
【文献】 特開昭56−006497(JP,A)
【文献】 特開平01−095588(JP,A)
【文献】 特開2005−093945(JP,A)
【文献】 特開昭63−000194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミックグリーンシートを設ける段階と、
前記複数のセラミックグリーンシートのうち少なくとも1つのセラミックグリーンシートに所望のライン形状の溝部と前記溝部に連結されたビアホールを形成する段階と、
前記ビアホールを導電性物質で充填して導電性ビアを形成する段階と、
前記溝部を導電性物質で充填して前記導電性ビアに連結された回路ラインを形成する段階と、
前記複数のセラミックグリーンシートを積層してセラミックグリーンシートの積層体を形成する段階と、
前記セラミックグリーンシートの積層体を焼結する段階とを含み、
前記導電性ビアの上端は、前記溝部に配置された回路ラインの底面より高く形成され、前記ビア及び回路ラインを含むセラミックグリーンシートのうち少なくとも1つが前記セラミックグリーンシートの積層体の積層の間に配置されるように前記積層体を形成し、
前記導電性ビアの上端は、前記ビアホールと隣接した前記溝部の領域にかかるように形成され、
前記溝部の領域に位置した前記導電性ビアの上端部分は、前記溝部に向かって傾斜した形状を有し、
前記傾斜した形状を有する導電性ビアの上端部分の少なくとも一部は、前記回路ラインと重畳した領域を有し、
前記回路ラインを形成する段階は、スキージを利用したスクリーン印刷工程により行う多層セラミック回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記溝部を形成する段階は、
前記少なくとも1つのセラミックグリーンシート上にレーザービームを照射して前記ライン形状の溝部を形成する段階であることを特徴とする請求項1に記載の多層セラミック回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記溝部は、前記少なくとも1つのセラミックグリーンシートの厚さに対して10〜70%に該当する深さで形成されることを特徴とする請求項1に記載の多層セラミック回路基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項の何れか1項に記載の方法により製造された多層セラミック回路基板。
【請求項5】
請求項により製造された多層セラミック回路基板を含むプローブカード。
【請求項6】
複数のセラミック層が積層して成るセラミック積層体と、
前記複数のセラミック層に形成された回路ライン及び導電性ビアから成る層間回路部を含み、
前記回路ラインのうち少なくとも1つは前記セラミック層に形成された溝部に充填した導電性物質で形成され、前記少なくとも1つの回路ラインは前記導電性ビアに連結され、
前記導電性ビアの上端は、前記溝部に配置された回路ラインの底面より高く形成され、前記回路ライン及び導電性ビアを含むセラミックグリーンシートのうち少なくとも1つは前記セラミック積層体の積層の間に配置され
前記導電性ビアの上端は、前記導電性ビアと隣接した前記溝部の領域にかかるように形成され、
前記溝部の領域に位置した前記導電性ビアの上端部分は、前記溝部に向かって傾斜した形状を有し、
前記傾斜した形状を有する導電性ビアの上端部分の少なくとも一部は、前記回路ラインと重畳する領域を有する多層セラミック回路基板。
【請求項7】
前記溝部は、前記少なくとも1つのセラミック層の厚さに対して10〜70%に該当する深さで形成されることを特徴とする請求項に記載の多層セラミック回路基板。
【請求項8】
請求項6または請求項に記載の多層セラミック回路基板を含むプローブカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層セラミック回路基板の製造方法に関するもので、特に、微細な回路ラインの不良発生を防止することができる多層セラミック回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子部品が次第に小型化される傾向に伴い、電子部品の精密化、微細なパターン化及び薄膜化を通じた小型モジュール及び基板が開発されている。
【0003】
しかし、通常使用される印刷回路基板(Printed Circuit Board、PCB)を小型化された電子部品に用いた場合は、サイズの小型化に限界があり、高周波領域における信号損失及び高温高湿時の信頼性が低下するという短所がある。
【0004】
このような短所を克服するために、印刷回路基板(PCB)ではない、セラミックを利用した基板の使用が試されている。このようなセラミック基板としては、主にガラス成分が含有された低温同時焼成セラミック(Low Temperature Co−fired Ceramics:LTCC)基板が使用される。
【0005】
このような低温同時焼成セラミック基板の製造工程は、セラミック組成物を含んだスラリーを利用して複数のセラミックグリーンシートを設ける段階から始まる。各セラミックグリーンシートに層間回路を構成する回路パターンを形成してから、上記セラミックグリーンシートを積層し焼成して所望の多層セラミック回路基板を製造することができる。ここで、複数のセラミックグリーンシートに形成される層間回路は導電性ビア及び回路ラインを含む。
【0006】
従来では、複数のセラミックグリーンシートに回路パターンを形成するために、先ずセラミックグリーンシートのそれぞれの適正位置にレーザー加工等を利用してビアホールを形成し、ビアホール内に金属物質を充填させて導電性ビアを形成し、このようなスクリーン印刷工程により所望の回路ラインも共に形成する。
【0007】
しかし、従来の回路パターンを形成する方式は、各セラミックグリーンシート上に形成された回路パターン、特に、回路ラインによりセラミックグリーンシートの界面において段差が生じ、これを複数の層で積層すると、特定の部分が突出し、均一な厚さを有する多層セラミック回路基板を製造するのに、問題に成りかねる。
【0008】
特に、最近では、プローブカード(probe card)に使用される基板として低温同時焼成セラミック回路基板を使用することができる。このようなセラミック回路基板は適正な焼成温度(例えば、200℃〜1,000℃の温度)で、金属物質である回路ラインとセラミック基板が同時に焼成されて製造される。このような同時焼成過程において、導電性ペーストを塗布し一定の幅を形成した回路ラインが収縮し、部分的にラインが切れるという不良が発生しやすい。
このような様相は基板のサイズが小さくなるか、または基板が高集積化されるほど、回路ラインの幅が徐々に狭くなるため、さらに酷くなる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−66637号公報
【特許文献2】特開平5−206318号公報
【特許文献3】特開2005−93945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述の問題点を解決するためのもので、その一目的は、セラミックグリーンシート上に回路ラインを形成しようとする位置に溝部を加工し、回路ラインの幅を正確に制御することができる多層セラミック回路基板の製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、上記製造方法により製造された多層セラミック回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の技術的課題を実現するために、本発明の一側面は、複数のセラミックグリーンシートを設ける段階と、上記複数のセラミックグリーンシートのうち少なくとも1つのセラミックグリーンシートに所望のライン形状の溝部と上記溝部に連結されたビアホールを形成する段階と、上記ビアホールを導電性物質で充填して導電性ビアを形成する段階と、上記溝部を導電性物質で充填して上記導電性ビアに連結された回路ラインを形成する段階と、上記複数のセラミックグリーンシートを積層しセラミックグリーンシートの積層体を形成する段階と、上記セラミックグリーンシートの積層体を焼結する段階を含む多層セラミック回路基板の製造方法を提供する。
【0013】
上記導電性ビアの上端は、上記ビアホールと隣接した上記溝部の領域にかかるように形成されることが好ましい。この場合、上記溝部の領域に位置した上記導電性ビアの上端部分は、上記溝部に向かって傾斜した形状を有することができる。
【0014】
上記導電性ビアの上端部分の少なくとも一部は、上記回路ラインと重畳した領域を有することが好ましい。
【0015】
上記溝部を形成する段階は、上記少なくとも1つのセラミックグリーンシート上にレーザービームを照射して上記ライン形状の溝部を形成する段階であることが好ましい。
【0016】
上記溝部は、上記少なくとも1つのセラミックグリーンシートの厚さに対して10〜70%に該当する深さで形成されることが好ましい。
【0017】
特定の実施形態における上記回路ラインを形成する段階は、スキージを利用したスクリーン印刷工程により行うことができる。
【0018】
本発明による製造方法は、プローブ回路基板の製造方法に有用に利用することができる。
【0019】
本発明の他の側面は、複数のセラミック層が積層して成るセラミック積層体と、上記複数のセラミック層に形成された回路ライン及び導電性ビアから成る層間回路部を含み、上記回路ラインのうち少なくとも1つは上記セラミック層に形成された溝部に充填した導電性物質で形成され、上記少なくとも1つの回路ラインは上記導電性ビアに連結されたことを特徴とする多層セラミック回路基板を提供する。
【0020】
上記導電性ビアの上端は、上記導電性ビアと隣接した上記溝部の領域にかかるように形成されることが好ましい。この場合、上記溝部の領域に位置した上記導電性ビアの上端部分は上記溝部に向かって傾斜した形状を有する。
【0021】
上記導電性ビアの上端部分の少なくとも一部は、上記回路ラインと重畳する領域を有することが好ましい。
【0022】
上記回路ラインは、その回路ラインが形成されたセラミック層に形成された導電性ビアと連結されることが好ましい。
【0023】
上記溝部は、上記少なくとも1つのセラミック層の厚さに対して10〜70%に該当する深さで形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、焼結時に印刷された回路ラインの幅が部分的に減少して発生するオープン不良を効果的に防止することができる。また、多層セラミック回路基板に提供しようとする回路ラインの幅を100μm以下の微細な水準でも精密に制御することができる上、スキージがセラミックグリーンシートの上面と接するスクリーン印刷工程でも回路ラインの厚さも溝部の深さを利用し適切に保障することができる。
【0025】
特に、導電性ラインとビアが連結される、いわゆる“ネック(neck)”部分において、ライン印刷時にビアが充填された部分と段差による不完全な印刷によるオープンを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による多層セラミック回路基板の製造方法のうち回路パターンの形成過程の一例を説明するための工程別の断面図である。
図2】本発明による多層セラミック回路基板の製造方法のうち回路パターンの形成過程の一例を説明するための工程別の断面図である。
図3】本発明による多層セラミック回路基板の製造方法のうち回路パターンの形成過程の一例を説明するための工程別の断面図である。
図4図3に図示された導電性ビアと回路ラインの連結部を拡大して図示した概略図である。
図5a】本発明による多層セラミック回路基板の製造方法の一例を説明するための工程の断面図である。
図5b】本発明による多層セラミック回路基板の製造方法の一例を説明するための工程の断面図である。
図5c】本発明による多層セラミック回路基板の製造方法の一例を説明するための工程の断面図である。
図6】本発明の一実施例により製造された多層セラミック回路基板の断面を撮影した光学顕微鏡の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0028】
図1から図3は、本発明による多層セラミック回路基板の製造方法のうち回路パターンの形成過程の一例を説明するための各工程別の断面図である。
【0029】
本発明に採用される回路パターンの形成工程は、セラミックグリーンシートに所望のライン形状の溝部を形成する工程から始まる。
【0030】
図1(a)に図示されたように、上記セラミックグリーンシート11に所望のライン形状の溝部Lを形成する。図1(a)に図示された溝部Lのライン形状は所望の回路ラインに対応する形状で形成される。即ち、上記溝部Lの幅と位置により上記セラミックグリーンシート11に具現しようとする回路ラインの線幅と位置は定義される。
【0031】
上記溝部の形成工程は、インプリンティング工程のように所望の形状が得られるように圧力を加える方式で形成されることができ、セラミックグリーンシート11上にレーザービームを照射する工程を利用して所望の溝部を形成することが好ましい。
【0032】
本実施形態のように、上記セラミックグリーンシート11は上記溝部Lの両端に連結されたビアホールVを含むことができる。上記ビアホールVは回路ラインに連結される層間通電構造である導電性ビアを形成するためのホールである。上記ビアホールVは通常のビアパンチング工程により形成されることができる。
【0033】
図1(a)のX−X線方向の断面図である図1(b)に図示されたように、本実施形態において回路ラインを形成するために採用された溝部Lは、上記セラミックグリーンシート11上に所定の深さを有するように形成される。
【0034】
このように、溝部Lの深さにより所望の回路ラインの厚さが安定的に具現できるため、ラインのオープン不良を画期的に減少させることができる。
【0035】
上記溝部Lは、上記少なくとも1つのセラミックグリーンシート11の厚さに対して10〜70%に該当する深さで形成されることが好ましい。
【0036】
10%未満であれば、所望の回路ラインの十分な厚さを確保することが困難であり、70%を超えると、溝部の形成時に不良が発生する確率が高くなるためである。
【0037】
次いで、図2(a)及び図2(b)に図示されたように、ビアホールVを導電性物質で充填し導電性ビア14を形成することができる。
【0038】
本ビアホールVの充填工程は、ラインのための溝部Lの充填工程に先立って行われる。
図2(a)のX−X線方向の断面図である図2(b)に図示されたように、Agペーストのような導電性物質でビアホールVを充填させることができる。上記ビアホールVの形成位置が溝部L内に位置し、そのビアホールVに充填された導電性物質も上記溝部L内で緩やかな上面を有するように形成されることができる。
【0039】
本実施形態とは異なり、該セラミックグリーンシート11にラインのための溝部Lのみが形成された場合は、本ビアホールの充填工程なしにラインのための溝部Lの充填工程を行うことができる。
【0040】
次に、図3(a)及び図3(b)に図示されたように、セラミックグリーンシート11に形成された溝部Lに導電性物質を充填して回路ライン15を形成する。
【0041】
本回路ラインの形成工程は、スクリーン印刷工程により行われることができる。
【0042】
本実施形態では、スキージ(squeegee)を利用してスクリーンメッシュをセラミックグリーンシートの上面に加圧する場合、セラミックグリーンシート11の上面にスクリーンが接するように密着させても溝部Lでは回路ライン15の厚さを保障する間隔(即ち、溝部の深さ)が保障され、所望の厚さを有するように回路ライン15をより精密に
形成することができる。
【0043】
本工程では、形成される回路ライン15は溝部によりその形成位置が正確に定義されるため、導電性ビア14と正確に連結される上、ビアホールとの連結性を安定的に保障することができる。
【0044】
より具体的に説明すると、図3に図示された導電性ビアと回路ラインの連結部を拡大した概略図である図4に図示されたように、ビアホールVに充填された導電性物質の上端部はラインのための溝部Lに一部がかかるように形成されることができる。即ち、ビアホールの上部のうち、上記溝部と連結された部分は開放されているため、充填された導電性物質は隣接した溝部の領域に位置することができる。このような隣接した溝部の領域に存在するビアホールの導電性物質は続いて形成される導電性ラインとの連結をより安定的に実現することができる。
【0045】
このような側面において、図4に図示されたように、上記導電性ビアの上端部のうち溝部の領域に位置した部分が溝部に向かって傾斜した形状を有することが好ましく、続いて形成される回路ラインと部分的に重畳するように形成されてもよい。このように、導電性ビア14の上端の段差が緩やかになるため、安定的な連結性を確保することができる。
【0046】
本発明による多層セラミック回路基板のための複数のセラミックグリーンシートのうち少なくとも1つは、前の実施例により製造されたセラミックグリーンシート11を使用することができる。
【0047】
本発明の他の側面は上述のセラミックグリーンシートを利用した多層セラミック回路基板の製造方法を提供することができる。本実施形態に例示の多層セラミック回路基板は、多様な電子装置モジュールの回路基板のみではなく、複雑な層間回路を有するプローブカードのための基板にも有益に適用できる。
【0048】
本発明による多層セラミック回路基板の製造方法の一例として、図5aから図5cに図示された工程の断面図を参照して説明する。
【0049】
図5aを参照すると、複数のセラミックグリーンシート51a−51fを積層してセラミックグリーンシートの積層体51を設ける。上記各セラミックグリーンシート51a−51fは層間回路を構成するそれぞれの回路ライン55と導電性ビア54を有する。
【0050】
上記セラミックグリーンシート51a−51fは、図1から図3に図示されたセラミックグリーンシートの製造方法により製造されたセラミックグリーンシートを利用することができる。即ち、各セラミックグリーンシート51a−51fに形成された回路ライン55は全て溝部を備え、導電性物質が充填された形態であることができる。最終的に所望の回路基板の構造により、上記セラミックグリーンシート51a−51fの下面には外部端子のためのパターン56が形成されることができる。
【0051】
次いで、上記セラミックグリーンシートの積層体51を焼結する。本焼結工程は無収縮工程により行われることができる。具体的に、図5bに図示されたように、上記セラミックグリーンシートの積層体の上下面に難焼結性拘束層61を配置して水平方向の収縮を抑えながら図5cに図示された焼結されたセラミックグリーンシートの積層体51を得ることができる。
【0052】
本発明による多層セラミック回路基板は、焼結される過程において回路ラインの幅が部分的に減少することを防止し、回路ラインの線幅を安定的に具現することができる。図6(a)及び図6(b)には微細な回路ラインを形成した例が図示されている。約50μmの微細な回路ラインを約25μmの深さの溝部を設け、導電性物質を充填して形成した例が図示されている。このように、溝部を利用することで、微細な幅(100μm以下)の回路ラインを精密に制御することができる上、その形成位置を正確に調節することができる。
【0053】
また、溝部の形成位置に導電性ビアホールを配置することで導電性ラインとビアが連結される、いわゆる“ネック(neck)”部分においてライン印刷時にビアが充填された部分と段差による不完全な印刷によるオープンを効果的に防止することができる。
【0054】
ここで、本実施例の多層セラミック回路基板及び製造方法は、例えば、複数のセラミックグリーンシートを設ける段階、所望のライン形状の溝部とビアホールを形成する段階等の各段階は駆動制御部(図示せず)の駆動により行われるものである。各段階の段階順等のプログラム(命令)が記憶されたメモリ(図示せず)からCPU(図示せず)は、プログラムを読み出して制御信号を当該駆動制御部(図示せず)等に送信することにより各段階が実行される。
【0055】
本発明は上述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の請求の範囲により限定し、請求の範囲に記載の本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な形態の置換、変形及び変更が可能であるということは当技術分野の通常の知識を有する者には自明である。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6