【実施例】
【0062】
6 実施例
培養容器内の生物学的試料の容量の決定のための方法を開発した。本明細書で説明するこの方法は、血液培養物中の血液の容量を決定するためのBACTEC(登録商標)血液培養システム(Becton Dickenson Diagnostic Instrument Systems、Sparks、Maryland)でのこの方法の使用を例示する。BACTEC(登録商標)血液培養システムは、蛍光センサを用いて、培養試薬内に配置されたセンサから10分間隔で収集された一連の補正蛍光信号データによって試薬内の代謝活性の変化を監視する。この例に用いるデータは、内部接種培養研究で使用したBACTEC(登録商標)装置から収集するか、またはこのシステムの臨床評価の際に収集した。データは、容器の識別(連続番号および受託番号による)、接種の日付の記録、および試料中の血液の量を含むデータベースに格納し収蔵した。続いて、分析のために本発明のデータトランスフォーメーションを適用した。
【0063】
データトランスフォーメーションは、血液培養物の初期の生物学的状態48と呼ばれる特定の出力(システムに入れた際の初期状態)に対する容器信号の初期の正規化で開始し、すべての後続データ(後続する時間間隔における生物学的状態)を、その初期信号(これらの分析において100パーセントに標準化した)のパーセンテージとして表した。このシステムでデータを収集したため、データポイントは、この初期信号のパーセンテージとして蓄積された。初期信号のパーセンテージとして表すこれらの各データポイントは、正規化相対値(NR)値であった。
【0064】
計算した次の値は、経時変化するためNR値の一次導関数であった。この値が、変化レート(RT)値62である。これらの分析に用いる基準RT値は、70分の周期制限を用いる。どのRT値62も、その計算前の70分に亘る蛍光信号のパーセント変化レートを表す。
【0065】
計算した次の値は、平均レートトランスフォーメーション(ART)値であった。ART値66は、すでに計算した前の7つのRT値50の平均として計算し、RT値50の平滑化関数として役割を果たす。
【0066】
血液容量を決定するために計算したパラメータの例が、
図4、
図5、および
図6に示されている。大腸菌(Escherichia coli)培養物を、量的判定基準(正規化相対値50、レートトランスフォーメーション値62、および平均相対トランスフォーメーション値66)を用いて分析した。培養物は、対象からのヒト血液3mlを含み、大腸菌(E.coli(55CFU))の懸濁液で接種し、BACTEC(登録商標)9000装置内に入れた。識別子4942は、
図4、
図5、および
図6で報告されている培養物の一意な識別子であり、この培養物のデータを研究開発BACTEC(登録商標)データベースにリンクするために用いることができる。
図4は、経時的な正規化相対値のプロットを示している。容器を装置内に入れ、容器の平衡に関連した温度の影響を、概ね最初の1時間観察した。最初の1時間の間に、信号が安定し、バックグラウンドが初期の信号の94パーセントから95パーセントに上昇するのが観察された(このレートは、血液の活性によるものであった)。正規化相対プロット(
図4)では、増殖は、8時間後に最初に視認でき、15時間後まで続き、最終値のNR値は126に近づいた。経時的な
図4のレートトランスフォーメーション値62の平均変化レートに基づいた経時的な平均相対トランスフォーメーション値66のプロットが
図5に示されている。各平均相対トランスフォーメーション(ART)値66は、平均変化レートの尺度であり、この培養物の最大ARTは、培養して12.8時間後に1158に達した。これは、1時間の期間に亘るこの培養物の平均最大到達センサ変化レートを示す。
図6は、正規化相対値50の二次導関数のプロットであり、経時レート変化を示している。これは、以下の重大な点:最初の加速点602(0からの移動)、加速がその最大(0点を交差)に達する最大加速点604(最大)、減速の最大点(最小)606、および増殖曲線の終点608(レート変化が0に戻る)を示す図示的説明である。
【0067】
血液培養システム11での上記に特定されたトランスフォーメーションの適用により、容器をシステム11に入れてから最初の2時間から5時間後に容器内で代謝的に何が起きているかを早期に調べることが可能となる。有利なことに、
図7および
図8に例示されているように、平均相対トランスフォーメーション値の代表値は、試験試料中の血液の容量に相関し得る。示すデータは、Aerobic添加改変培地の外部評価から得た広範なデータセットから生成した。
図7および
図8を作成するために使用した計算は、プロトコールにおける2.5時間以上かつプロトコールにおける5時間以下の期間に対する平均相対トランスフォーメーション値66のみを考慮することを含む。0.5未満および100よりも大きいこの時間枠における平均相対トランスフォーメーション値66は廃棄した。ART血液値(本明細書では、選択平均相対トランスフォーメーション値の代表値として定義)は、残りの平均相対トランスフォーメーション値66の代表値と見なした。このデータは、測定した血液の容量に一致するセットで平均した(複数のビンを用いてこれらのセットを2mlの血液容量の範囲に分け、場合によっては、分析のためにこれらのビンを分けた)。次いで、ART血液平均値(
図7)およびART血液中央値(
図8)を、ART血液値(平均値および中央値)と血液の容量との間の98.1%の相関性を実証する回帰線と共に、対応する血液の容量値に対してプロットした。有利なことに、この血液容量測定法は、研究室のスタッフに必要なフィードバックを提供するために臨床研究室で利用して、スタッフが品質管理を行うのを助け、血液培養システム11の使用を最適にすることができる。
【0068】
7 引用文献
本明細書で引用したすべての参照文献は、個々の発行物または特許もしくは特許文献が、すべての目的のために参照によりその全容が本明細書に組み込まれた場合と同程度まで、すべての目的のために参照によりその全容が本明細書に組み込まれるものとする。
【0069】
8 変更
本発明の多くの変更および変形は、当業者には明らかなように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく可能である。本明細書に記載した特定の実施形態は、単なる例にすぎず、本発明は、添付の特許請求の範囲の文言によってのみ限定され、このような特許請求の範囲にあらゆる等価物が含まれるものとする。
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
1. 容器内の血液培養物中の血液の量を決定する方法であって、
(A)第1の時点と第2の時点との間の異なる時点で行われた、前記容器内の前記血液培養物の生物学的状態の複数の測定における個々の測定のそれぞれに対して、(i)前記個々の測定と(ii)初期の時点で測定された前記血液培養物の初期の生物学的状態との間で正規化相対値を計算し、これにより複数の正規化相対値を得るステップと、
(B)前記第1の時点と前記第2の時点との間の複数の時点の個々の所定の一定間隔に対して、前記複数の時点の個々の所定の一定間隔における前記生物学的状態の測定に対する正規化相対値の一次導関数を決定し、これにより複数のレートトランスフォーメーション値を得るステップであって、前記複数のレートトランスフォーメーション値は、レートトランスフォーメーション値の複数のセットを含み、前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれは、前記第1の時点と前記第2の時点との間の連続した時点の異なるセットに対する、ステップと、
(C)前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれに対して、前記レートトランスフォーメーション値の個々のセットにおける各レートトランスフォーメーション値の代表値として平均相対トランスフォーメーション値を計算し、これにより複数の平均相対トランスフォーメーション値を計算するステップと、
(D)前記容器内の前記血液培養物中の前記血液の量を、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の代表値に基づいて決定するステップと
を含み、
ここで、前記容器は、前記血液培養物と流体的に連通したセンサ組成物を含み、前記センサ組成物は、CO
2に曝露されると特性の変化を示し、前記センサ組成物の存在は、前記血液培養物にとって非破壊的であり、前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を:
初期の時点でのセンサの出力を測定して、それによって前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を決定するステップ、および異なる時点でのセンサの出力を測定し、前記出力を使用して正規化相対値を計算するステップ、を含む方法によって測定することを特徴とする、方法。
2. 前記決定するステップ(D)は、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を血液の量にマッチさせるルックアップテーブルと比較し、これにより前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を決定するステップを含むことを特徴とする1.に記載の方法。
3. (E)前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を、ユーザーインターフェイスデバイス、モニタ、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータ可読メモリ、またはローカルもしくはリモートコンピュータシステムに出力するステップ;または前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を表示するステップ
をさらに含むことを特徴とする1.に記載の方法。
4. 前記第1の時点は、前記初期の時点から1時間以上後であり、前記第2の時点は、前記初期の時点から4時間以上後であることを特徴とする1.に記載の方法。
5. 前記第1の時点は、前記初期の時点から1.5時間から3時間後であり、前記第2の時点は、前記初期の時点から4.5時間から5.5時間後であることを特徴とする1.に記載の方法。
6. 前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の代表値は、
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおける各レートトランスフォーメーション値の幾何平均、
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の算術平均、
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の中央値、または、
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の最頻値
を含むことを特徴とする1.に記載の方法。
7. 前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値は、
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の幾何平均、
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の算術平均、
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の中央値、または
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の最頻値
を含むことを特徴とする1.に記載の方法。
8. 前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定における前記血液培養物の測定はそれぞれ、前記第1の時点と前記第2の時点との間で周期的な時間間隔で行われることを特徴とする1.に記載の方法。
9. 前記周期的な時間間隔は、1分から20分の間のある量の時間であることを特徴とする8.に記載の方法。
10. 前記周期的な時間間隔は、5分から15分の間のある量の時間であることを特徴とする8.に記載の方法。
11. 第1の閾値よりも低いまたは第2の閾値よりも高い、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値における各平均相対トランスフォーメーション値が、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を計算する前に、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値から排除され、かつ
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値から排除された各平均相対トランスフォーメーション値は、前記比較するステップ(D)で用いた前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値に影響を与えないことを特徴とする1.に記載の方法。
12. 前記測定は、前記血液培養物に接触しているCO
2センサの蛍光出力、発光出力、および比色分析出力のうちの1つを監視することによって行われることを特徴とする1.に記載の方法。
13. 前記容器内の前記血液培養物の前記生物学的状態の10回から50,000回の測定が、前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定において、あることを特徴とする1.に記載の方法。
14. 前記容器内の前記血液培養物の前記生物学的状態の100回から10,000回の測定が、前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定において、あることを特徴とする1.に記載の方法。
15. 前記容器内の前記血液培養物の前記生物学的状態の150回から5,000回の測定が、前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定において、あることを特徴とする1.に記載の方法。
16. ステップ(B)の複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれは、前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間ウィンドウにおける時点に対する各レートトランスフォーメーション値からなり、前記時間ウィンドウは、20分から10時間の期間であることを特徴とする1.に記載の方法。
17. ステップ(B)の複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれは、前記容器内の前記血液培養物の生物学的状態が測定された、前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間ウィンドウにおけるすべての時点に対するレートトランスフォーメーション値からなり、前記時間ウィンドウの時間は、20分から2時間の期間であることを特徴とする1.に記載の方法。
18. ステップ(B)の複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれは、前記容器内の前記血液培養物の生物学的状態が測定された、前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間ウィンドウにおけるすべての時点に対するレートトランスフォーメーション値からなり、前記時間ウィンドウの時間は、30分から90分の期間であることを特徴とする1.に記載の方法。
19. 前記複数のレートトランスフォーメーション値におけるレートトランスフォーメーション値の各セットは、4から20の連続したレートトランスフォーメーション値からなることを特徴とする1.に記載の方法。
20. 前記複数のレートトランスフォーメーション値におけるレートトランスフォーメーション値の各セットは、5から15の連続したレートトランスフォーメーション値からなることを特徴とする1.に記載の方法。
21. 前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の中には、5から500の平均相対トランスフォーメーション値が存在することを特徴とする1.に記載の方法。
22. 前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の中には、20から100の平均相対トランスフォーメーション値が存在することを特徴とする1.に記載の方法。
23. 前記血液培養物の血液の量は、1mlから40mlであることを特徴とする1.に記載の方法。
24. 前記血液培養物の血液の量は、2mlから10mlであることを特徴とする1.に記載の方法。
25. 前記化合物は、トリス−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンルテニウム(II)塩、トリス−2,2’−ビピリジルルテニウム(II)塩、9,10−ジフェニルアントラセン、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物であり、前記化合物は蛍光の変化がないかどうかを監視されることを特徴とする12.に記載の方法。
26. プロセッサおよび前記プロセッサに接続されたメモリを備え、容器内の血液培養物中の血液の量を決定する血液量決定装置であって、前記メモリは、
血液量決定モジュールであって、
(i)第1の時点と第2の時点との間の異なる時点で行われる、前記容器内の前記血液培養物の生物学的状態の複数の測定における個々の測定のそれぞれに対して、(i)前記個々の測定と(ii)前記血液培養物の初期の生物学的状態との間で、正規化相対値を計算し、これにより複数の正規化相対値を得るステップに対する電子的に符号化された命令と、
(ii)前記第1の時点と前記第2の時点との間の前記複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれに対して、前記複数の時点の個々の所定の一定間隔における前記生物学的状態の測定に対する正規化相対値の一次導関数を決定し、これにより複数のレートトランスフォーメーション値を得るステップに対する電子的に符号化された命令であって、前記複数のレートトランスフォーメーション値は、レートトランスフォーメーション値の複数のセットを含み、前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれは、前記第1の時点と前記第2の時点との間の連続した時点の異なるセットに対する、電子的に符号化された命令と、
(iii)前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれに対して、前記レートトランスフォーメーション値の個々のセットにおける各レートトランスフォーメーション値の代表値として平均相対トランスフォーメーション値を計算し、これにより複数の平均相対トランスフォーメーション値を計算するステップに対する電子的に符号化された命令と、
(iv)前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の代表値に基づいて前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を決定するステップに対する電子的に符号化された命令と
を含む、血液量決定モジュールを備え、
前記容器は、前記血液培養物と流体的に連通したセンサ組成物を含み、前記センサ組成物は、CO
2に曝露されると特性の変化を示し、前記センサ組成物の存在は、前記血液培養物にとって非破壊的であり、前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を:
初期の時点でのセンサの出力を測定して、それによって前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を決定するステップ、および異なる時点でのセンサの出力を測定し、前記出力を使用して正規化相対値を計算するステップ、を含む方法によって測定することを特徴とする血液量決定装置。
27. 前記メモリは、
(i)複数の平均相対トランスフォーメーション値の代表値に対する値の第1のセットと(ii)血液の量のセットとの間のマッチを含むルックアップテーブルであって、前記値の第1のセットにおける複数の平均相対トランスフォーメーション値の代表値に対する各値に対して、対応する血液の量が前記血液の量のセットの中に存在する、ルックアップテーブルをさらに備えており、
前記決定するステップに対する命令(iv)は、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を血液の量にマッチさせるルックアップテーブルと比較し、これにより前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を決定するステップに対する命令
をさらに含むことを特徴とする26.に記載の血液量決定装置。
28. コンピュータによって実行可能な、容器内の血液培養物中の血液の量を決定するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムは、
血液量決定モジュールであって、
(i)第1の時点と第2の時点との間の異なる時点で測定された前記容器内の前記血液培養物中の生物学的状態の複数の測定値における個々の測定値に対して、(i)前記個々の測定値と(ii)前記血液培養物の初期の生物学的状態との間で正規化相対値を計算し、これにより複数の正規化相対値を得るステップに対する電子的に符号化された命令と、
(ii)前記第1の時点と前記第2の時点との間の複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれに対して、前記複数の時点の個々の所定の一定間隔における前記生物学的状態の測定に対する正規化相対値の一次導関数を決定し、これにより複数のレートトランスフォーメーション値を得るステップに対する電子的に符号化された命令であって、前記複数のレートトランスフォーメーション値は、レートトランスフォーメーション値の複数のセットを含み、前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれは、前記第1の時点と前記第2の時点との間の連続した時点の異なるセットに対する、命令と、
(iii)前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれに対して、前記レートトランスフォーメーション値の個々のセットにおける各レートトランスフォーメーション値の代表値として平均相対トランスフォーメーション値を計算し、これにより複数の平均相対トランスフォーメーション値を計算するステップに対する電子的に符号化された命令と、
(iv)前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の代表値に基づいて決定するステップに対する電子的に符号化された命令と
を含む、血液量決定モジュールを備え、
前記容器は、前記血液培養物と流体的に連通したセンサ組成物を含み、前記センサ組成物は、CO
2に曝露されると特性の測定可能な変化を示し、前記センサ組成物の存在は、前記血液培養物にとって非破壊的であり、前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を:
初期の時点でのセンサの出力を測定して、それによって前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を決定するステップ、および異なる時点でのセンサの出力を測定し、前記出力を使用して正規化相対値を計算するステップ、を含む方法によって測定することを特徴とするコンピュータ可読媒体。
29. 前記コンピュータプログラムは、
(A)(i)複数の平均相対トランスフォーメーション値の代表値に対する値の第1のセットと(ii)血液の量のセットとの間のマッチを含むルックアップテーブルであって、前記値の第1のセットにおける複数の平均相対トランスフォーメーション値の代表値に対する各値に対して、対応する血液の量が前記血液の量のセットの中に存在する、ルックアップテーブルをさらに備えており、
前記決定するステップに対する電子的に符号化された命令(iv)は、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を血液の量にマッチさせるルックアップテーブルと比較し、これにより前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を決定するステップに対する命令をさらに含むことを特徴とする28.に記載のコンピュータ可読媒体。
30. 容器内の血液培養物中の血液の量を決定する方法であって、
(A)前記容器内の前記血液培養物の複数の測定を得るステップであり、前記複数の測定における各測定を、第1の時点と第2の時点との間の異なる時点で行う、ステップと、
(B)前記第1の時点と前記第2の時点との間における複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれに対して、前記複数の時点の個々の所定の一定間隔における生物学的状態の測定の一次導関数を決定し、これにより複数のレートトランスフォーメーション値を得るステップであって、前記複数のレートトランスフォーメーション値は、レートトランスフォーメーション値の複数のセットを含み、前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれは、前記第1の時点と前記第2の時点との間の連続した時点の異なるセットに対する、ステップと、
(C)前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の個々のセットのそれぞれに対して、前記レートトランスフォーメーション値の個々のセットにおける各レートトランスフォーメーション値の代表値として平均相対トランスフォーメーション値を計算し、これにより複数の平均相対トランスフォーメーション値を計算するステップと、
(D)前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値に基づいて決定するステップと
を含み、
前記容器は、前記血液培養物と流体的に連通したセンサ組成物を含み、前記センサは、CO
2に曝露されると特性の測定可能な変化を示す組成物を含み、前記センサ組成物の存在は、前記血液培養物にとって非破壊的であり、前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を:
初期の時点での前記センサの出力を測定して、それによって前記血液培養物の前記初期の生物学的状態を決定するステップ、および異なる時点での前記センサの出力を測定し、前記出力を使用して正規化相対値を計算するステップ、を含む方法によって測定することを特徴とする、方法。
31. 前記決定するステップ(D)は、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を血液の量にマッチさせるルックアップテーブルと比較し、これにより前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を決定するステップを含むことを特徴とする30.に記載の方法。
32. (E)前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を、ユーザーインターフェイスデバイス、モニタ、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータ可読メモリ、またはローカルもしくはリモートコンピュータシステムに出力するステップ;または前記容器内の前記血液培養物中の血液の量を表示するステップ
をさらに含むことを特徴とする30.に記載の方法。
33. 前記第1の時点は、前記初期の時点から1時間以上後であり、前記第2の時点は、前記初期の時点から4時間以上後であることを特徴とする30.に記載の方法。
34. 前記第1の時点は、前記初期の時点から1.5時間から3時間後であり、前記第2の時点は、前記初期の時点から4.5時間から5.5時間後であることを特徴とする30.に記載の方法。
35. 前記レートトランスフォーメーション値の複数のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の代表値は、
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおける各レートトランスフォーメーション値の幾何平均、
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の算術平均、
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の中央値、または
前記レートトランスフォーメーション値の第1のセットにおけるレートトランスフォーメーション値の最頻値
を含むことを特徴とする30.に記載の方法。
36.
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値は、
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の幾何平均、
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の算術平均、
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の中央値、または
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の最頻値
を含むことを特徴とする30.に記載の方法。
37. 前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定における前記血液培養物の測定は、前記第1の時点と前記第2の時点との間の周期的な時間間隔で行うことを特徴とする30.に記載の方法。
38. 前記周期的な時間間隔は、1分から20分の量の時間であることを特徴とする37.に記載の方法。
39. 前記周期的な時間間隔は、5分から15分の量の時間であることを特徴とする37.に記載の方法。
40. 第1の閾値よりも低いまたは第2の閾値よりも高い、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値における各平均相対トランスフォーメーション値が、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値を計算する前に、前記複数の平均相対トランスフォーメーション値から排除され、かつ
前記複数の平均相対トランスフォーメーション値から排除された各平均相対トランスフォーメーション値は、前記比較するステップ(D)で用いた前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の前記代表値に影響を与えないことを特徴とする30.に記載の方法。
41. 前記血液培養物の前記初期の生物学的状態は、前記血液培養物に接触しているセンサの蛍光出力によって決定されることを特徴とする30.に記載の方法。
42. 前記センサの蛍光出力の量は、CO
2濃度の影響を受けることを特徴とする41.に記載の方法。
43. 前記容器内の前記血液培養物の前記生物学的状態の10回から50,000回の測定が、前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定において、あることを特徴とする30.に記載の方法。
44. 前記容器内の前記血液培養物の前記生物学的状態の100回から10,000回の測定が、前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定において、あることを特徴とする30.に記載の方法。
45. 前記容器内の前記血液培養物の前記生物学的状態の150回から5,000回の測定が、前記血液培養物の前記生物学的状態の前記複数の測定において、あることを特徴とする30.に記載の方法。
46. 前記ステップ(B)の複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれは、前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間ウィンドウにおける時点に対する各レートトランスフォーメーション値からなり、前記時間ウィンドウは、20分から10時間の期間であることを特徴とする30.に記載の方法。
47. 前記ステップ(B)の複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれは、前記容器内の前記血液培養物の生物学的状態を測定した前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間ウィンドウにおけるすべての時点に対するレートトランスフォーメーション値からなり、前記時間ウィンドウの時間は、20分から2時間の期間であることを特徴とする30.に記載の方法。
48. 前記ステップ(B)の複数の時点の個々の所定の一定間隔のそれぞれは、前記容器内の前記血液培養物の生物学的状態を測定した前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間ウィンドウにおけるすべての時点に対するレートトランスフォーメーション値からなり、前記時間ウィンドウの時間は、30分から90分の期間であることを特徴とする30.に記載の方法。
49. 前記複数のレートトランスフォーメーション値におけるレートトランスフォーメーション値の各セットは、4から20の連続したレートトランスフォーメーション値からなることを特徴とする30.に記載の方法。
50. 前記複数のレートトランスフォーメーション値におけるレートトランスフォーメーション値の各セットは、5から15の連続したレートトランスフォーメーション値からなることを特徴とする30.に記載の方法。
51. 前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の中には、5から500の平均相対トランスフォーメーション値が存在することを特徴とする30.に記載の方法。
52. 前記複数の平均相対トランスフォーメーション値の中には、20から100の平均相対トランスフォーメーション値が存在することを特徴とする30.に記載の方法。
53. 前記血液培養物中の血液の量は、1mlから40mlであることを特徴とする30.に記載の方法。
54. 前記血液培養物中の血液の量は、2mlから10mlであることを特徴とする30.に記載の方法。