特許第5771667号(P5771667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5771667押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具及び押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771667
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具及び押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具
(51)【国際特許分類】
   E01H 5/02 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
   E01H5/02
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-235067(P2013-235067)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2015-94166(P2015-94166A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2014年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】507221210
【氏名又は名称】有限会社 佐藤住研
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勉
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 実開平6−63622(JP,U)
【文献】 実公昭48−5232(JP,Y1)
【文献】 特開平8−209651(JP,A)
【文献】 特開2005−290800(JP,A)
【文献】 特開2010−43504(JP,A)
【文献】 特開2012−46920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 5/02
E01H 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雪掬い部と枠状の把手部とで構成され、前記雪掬い部の基端側に所定間隔を置いて先端が該雪掬い部に連設される少なくとも2本の取付部材が設けられ、前記把手部を押動することで前記雪掬い部を滑動させ該雪掬い部に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具であって、前記取付部材の先端寄り前面側に架け渡しされる雪こぼれ防止板と、この雪こぼれ防止板を前記取付部材に取り付けるための取付具とから成り、前記取付具は、前記取付部材に連設される第一連設部と、前記雪こぼれ防止板に連設される第二連設部とを有し、前記第一連設部と前記第二連設部とは屈曲可能な屈曲部を介して連設され前記雪こぼれ防止板は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具。
【請求項2】
雪掬い部と該雪掬い部の基端側左右位置に先端が連設される枠状の把手部とで構成され、前記把手部を押動することで前記雪掬い部を滑動させ該雪掬い部に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具であって、前記把手部の先端寄り前面側に架け渡しされる雪こぼれ防止板と、この雪こぼれ防止板を前記把手部に取り付けるための取付具とから成り、前記取付具は、前記把手部に連設される第一連設部と、前記雪こぼれ防止板に連設される第二連設部とを有し、前記第一連設部と前記第二連設部とは屈曲可能な屈曲部を介して連設され前記雪こぼれ防止板は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記屈曲部は、屈曲可能な可撓性を有する部材で構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記第一連設部は、前記取付部材若しくは前記把手部に折り返し連設し得る帯状部と、前記取付部材若しくは前記把手部に折り返し連設することで重合した前記帯状部の端部同士に貫挿止着する止着部材とで構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具。
【請求項5】
請求項4記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記帯状部の端部夫々には長さ方向に複数の止着孔が設けられていることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具。
【請求項6】
請求項4,5いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記帯状部は摩擦係数の高いゴム製であることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具。
【請求項7】
雪掬い部と枠状の把手部とで構成され、前記雪掬い部の基端側に所定間隔を置いて先端が該雪掬い部に連設される少なくとも2本の取付部材が設けられ、前記把手部を押動することで前記雪掬い部を滑動させ該雪掬い部に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具の前記取付部材の先端寄り前面側に雪こぼれ防止板を架け渡し状態で取り付けるための取付具であって、前記取付部材に連設される第一連設部と、前記雪こぼれ防止板に連設される第二連設部とを有し、前記第一連設部と前記第二連設部とは屈曲可能な屈曲部を介して連設され前記雪こぼれ防止板は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具。
【請求項8】
雪掬い部と該雪掬い部の基端側左右位置に先端が連設される枠状の把手部とで構成され、前記把手部を押動することで前記雪掬い部を滑動させ該雪掬い部に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具の前記把手部の先端寄り前面側に雪こぼれ防止板を架け渡し状態で取り付けるための取付具であって、前記把手部の先端部に連設される第一連設部と、前記雪こぼれ防止板に連設される第二連設部とを有し、前記第一連設部と前記第二連設部とは屈曲可能な屈曲部を介して連設され前記雪こぼれ防止板は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具。
【請求項9】
請求項7,8いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記屈曲部は、屈曲可能な可撓性を有する部材で構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具。
【請求項10】
請求項7〜9いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記第一連設部は、前記取付部材若しくは前記把手部に折り返し連設し得る帯状部と、前記取付部材若しくは前記把手部に折り返し連設することで重合した前記帯状部の端部同士に貫挿止着する止着部材とで構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具。
【請求項11】
請求項10記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記帯状部の端部夫々には長さ方向に複数の止着孔が設けられていることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具。
【請求項12】
請求項10,11いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記帯状部は摩擦係数の高いゴム製であることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具及び押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、雪掬い部と、この雪掬い部の基端側左右位置に先端が連設される枠状の把手部とで構成され、この把手部を押動することで前記雪掬い部を滑動させて該雪掬い部に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具が提案されており、雪掬い部に載せた雪を持ち上げることで除雪する手持ち搬送式除雪具(スコップ)に比して多量の雪を搬送することができる。
【0003】
ところが、押動搬送式除雪具は、雪掬い部に多量の雪(雪掬い部の側周壁を超える量の雪)を載せて搬送する際など、特に柔らかい雪であった場合には、この雪掬い部に載せた雪が枠状の把手部を通過して後方へこぼれてしまうという問題点がある。
【0004】
そこで、従来においても、例えば実用新案登録第3108877号のような押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具(以下、従来例という。)が提案されている。
【0005】
この従来例は、枠状の把手部にネット体が架け渡された構成であり、この把手部の間隙をネット体で閉塞することにより枠状の把手部を雪が通過してこぼれることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3108877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、押動搬送式除雪具は、例えば雪掬い部を除雪対象となる雪(例えば屋根や駐車場などに積もった雪)に刺入する場合、雪掬い部の基端縁部を足で踏み込んで行うが、従来例の場合、ネット体がある為、雪掬い部の基端縁部を足で踏み込むことができず、使いにくい、という問題点がある。即ち、仮に雪掬い部の基端縁部に対する足の踏み込みが可能となるよう、従来例のネット体を雪掬い部の基端縁部から足の厚み巾よりも大きく離した上方位置に取り付けた場合、雪こぼれは防止できなくなってしまう。
【0008】
本発明は、前述した問題を解消するもので、従来にない作用効果を発揮する画期的な押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具及び押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
雪掬い部1と枠状の把手部2とで構成され、前記雪掬い部1の基端側に所定間隔を置いて先端が該雪掬い部1に連設される少なくとも2本の取付部材8が設けられ、前記把手部2を押動することで前記雪掬い部1を滑動させ該雪掬い部1に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具Dに取り付けられる雪こぼれ防止具であって、前記取付部材8の先端寄り前面側に架け渡しされる雪こぼれ防止板3と、この雪こぼれ防止板3を前記取付部材8に取り付けるための取付具4とから成り、前記取付具4は、前記取付部材8に連設される第一連設部4Aと、前記雪こぼれ防止板3に連設される第二連設部4Bとを有し、前記第一連設部4Aと前記第二連設部4Bとは屈曲可能な屈曲部4Cを介して連設され前記雪こぼれ防止板3は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具に係るものである。
【0011】
また、雪掬い部1と該雪掬い部1の基端側左右位置に先端が連設される枠状の把手部2とで構成され、前記把手部2を押動することで前記雪掬い部1を滑動させ該雪掬い部1に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具Dに取り付けられる雪こぼれ防止具であって、前記把手部2の先端寄り前面側に架け渡しされる雪こぼれ防止板3と、この雪こぼれ防止板3を前記把手部2に取り付けるための取付具4とから成り、前記取付具4は、前記把手部2に連設される第一連設部4Aと、前記雪こぼれ防止板3に連設される第二連設部4Bとを有し、前記第一連設部4Aと前記第二連設部4Bとは屈曲可能な屈曲部4Cを介して連設され前記雪こぼれ防止板3は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具に係るものである。
【0012】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記屈曲部4Cは、屈曲可能な可撓性を有する部材で構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具に係るものである。
【0013】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記第一連設部4Aは、前記取付部材8若しくは前記把手部2に折り返し連設し得る帯状部5Aと、前記取付部材8若しくは前記把手部2に折り返し連設することで重合した前記帯状部5Aの端部同士に貫挿止着する止着部材6とで構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具に係るものである。
【0014】
また、請求項4記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記帯状部5Aの端部夫々には長さ方向に複数の止着孔5aが設けられていることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具に係るものである。
【0015】
また、請求項4,5いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具において、前記帯状部5Aは摩擦係数の高いゴム製であることを特徴とする押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具に係るものである。
【0016】
また、雪掬い部1と枠状の把手部2とで構成され、前記雪掬い部1の基端側に所定間隔を置いて先端が該雪掬い部1に連設される少なくとも2本の取付部材8が設けられ、前記把手部2を押動することで前記雪掬い部1を滑動させ該雪掬い部1に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具Dの前記取付部材8の先端寄り前面側に雪こぼれ防止板3を架け渡し状態で取り付けるための取付具であって、前記取付部材8に連設される第一連設部4Aと、前記雪こぼれ防止板3に連設される第二連設部4Bとを有し、前記第一連設部4Aと前記第二連設部4Bとは屈曲可能な屈曲部4Cを介して連設され前記雪こぼれ防止板3は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具に係るものである。
【0017】
また、雪掬い部1と該雪掬い部1の基端側左右位置に先端が連設される枠状の把手部2とで構成され、前記把手部2を押動することで前記雪掬い部1を滑動させ該雪掬い部1に載せた雪を搬送する押動搬送式除雪具Dの前記把手部2の先端寄り前面側に雪こぼれ防止板3を架け渡し状態で取り付けるための取付具であって、前記把手部2の先端部に連設される第一連設部4Aと、前記雪こぼれ防止板3に連設される第二連設部4Bとを有し、前記第一連設部4Aと前記第二連設部4Bとは屈曲可能な屈曲部4Cを介して連設され前記雪こぼれ防止板3は常態から前方へ傾動することを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具に係るものである。
【0018】
また、請求項7,8いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記屈曲部4Cは、屈曲可能な可撓性を有する部材で構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具に係るものである。
【0019】
また、請求項7〜9いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記第一連設部4Aは、前記取付部材8若しくは前記把手部2に折り返し連設し得る帯状部5Aと、前記取付部材8若しくは前記把手部2に折り返し連設することで重合した前記帯状部5Aの端部同士に貫挿止着する止着部材6とで構成されていることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具に係るものである。
【0020】
また、請求項10記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記帯状部5Aの端部夫々には長さ方向に複数の止着孔5aが設けられていることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具に係るものである。
【0021】
また、請求項10,11いずれか1項に記載の押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具において、前記帯状部5Aは摩擦係数の高いゴム製であることを特徴とする押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具に係るものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述のように構成したから、取付部材若しくは把手部に取り付けた雪こぼれ防止板により、雪掬い部に載せた雪が取付部材若しくは把手部を通過して後方へこぼれてしまうことを防止することができ、しかも、この雪こぼれ防止板は前方へ傾動するから、雪掬い部の基端縁部を足で踏み込むことができ、押動搬送式除雪具本来の使用に支障を来すことがないなど、従来にない作用効果を発揮する画期的な押動搬送式除雪具に取り付けられる雪こぼれ防止具及び押動搬送式除雪具に雪こぼれ防止板を取り付けるための取付具となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施例を示す斜視図である。
図2】本実施例を示す拡大斜視図である。
図3】本実施例の要部を説明する断面図である。
図4】本実施例の使用状態説明図である。
図5】本実施例の使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0025】
押動搬送式除雪具Dに雪こぼれ防止板3を取り付ける場合、例えば、取付具4の第一連設部4Aを押動搬送式除雪具Dの取付部材8若しくは把手部2に連結するとともに、取付具4の第二連設部4Bを雪こぼれ防止板3に連結し、この雪こぼれ防止板3を取付部材8若しくは把手部2の先端寄り前面側に架け渡し状態とする。
【0026】
この状態で、雪こぼれ防止板3は、取付部材8若しくは把手部2よりも後方への移動が阻止されているが、取付具4の屈曲部4Cが屈曲することで前方への傾動(擺動)は可能となる。
【0027】
即ち、雪掬い部1の基端縁部を踏み込む足により雪こぼれ防止板3は後方から押されることで前方へ傾動(擺動)するから、この雪こぼれ防止板3が邪魔にならず雪掬い部1の基端縁部に対する足の踏み込みを行うことができ、この足の踏み込みを解除すると、雪こぼれ防止板3は後方へ復帰動(擺動)して常態に戻り(取付部材8若しくは把手部2に架け渡し状態となり)、雪掬い部1に載せた雪が通過するのを阻止する壁として機能する。
【0028】
この構成から、雪掬い部1の基端縁部と雪こぼれ防止板3との隙間を可及的に無くすことができるため、取り付けた雪こぼれ防止板3により、雪掬い部1に載せた雪が取付部材8若しくは把手部2を通過して後方へこぼれてしまうことを可及的に防止することができ、しかも、この雪こぼれ防止板を取り付けた状態においても雪掬い部の基端縁部を足で踏み込むことができるため押動搬送式除雪具本来の使用に支障を来すことがない。
【実施例】
【0029】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0030】
本実施例は、先端部が開口したバケット状の雪掬い部1と、横材2bの左右に縦材2aを突設したコ字枠状の把手部2とで構成され、雪掬い部1の基端側左右位置に所定間隔を置いて先端が該雪掬い部1に連設される2本の取付部材8が設けられ、把手部2を押動することで雪掬い部1を滑動させ該雪掬い部1に載せた雪Sを搬送する押動搬送式除雪具Dに取り付けられる雪こぼれ防止具である。
【0031】
尚、本実施例では、押動搬送式除雪具Dとして、図1に図示したようにコ字枠状の把手部2の先端は雪掬い部1の中央側左右位置に連設され、一端が雪掬い部1の基端側左右位置に連設され他端がコ字枠状の把手部2に連設される補強材(架設棒材)としての2本の取付部材8を有するタイプの押動搬送式除雪具Dを採用したが、前述した補強材はなくコ字枠状の把手部2の先端が雪掬い部1の基端側左右位置に連設されるタイプのものでも良く、この場合、把手部2の先端部位が後述する取付具4を介して雪こぼれ防止板3を取り付けるための部位となる。
【0032】
具体的には、雪こぼれ防止具は、左右の取付部材8夫々の先端寄り前面側に架け渡しされる雪こぼれ防止板3と、この雪こぼれ防止板3を取付部材8に取り付けるための一対の取付具4とで構成されている。
【0033】
雪こぼれ防止板3は、図1,2に図示したように適宜な金属製の部材で形成した方形板状体であり、左右の取付部材8同士の間隔に合わせて巾寸法が設定される。
【0034】
また、雪こぼれ防止板3の上端縁部の左右位置には図示省略の孔が形成されており、この孔は、後述する取付具4に係る第二連設部4Bの止着孔と合致させて止着部材7を介して連設するためのものである。
【0035】
尚、雪こぼれ防止板3は合成樹脂製や木製でも良く、また、雪こぼれ防止板3の表面に雪が滑り易い滑面処理(コーティング)を施しても良い。
【0036】
取付具4は、取付部材8に着脱自在に連設される第一連設部4Aと、雪こぼれ防止板3に着脱自在に連設される第二連設部4Bとを有し、第一連設部4Aと第二連設部4Bとは屈曲可能な屈曲部4Cを介して連設されている。
【0037】
具体的には、取付具4は、図1,2に図示したように適宜な可撓性を有して摩擦係数の高い合成樹脂製の部材(ゴム部材)で一体成形した正面視T字状の基体5を有し、この基体5の横長帯状部5Aは第一連設部4Aを構成し、この帯状部5Aの中央位置に直交連設する縦長帯状部5Bは第二連設部4及び屈曲部4Cを構成する。
【0038】
第一連設部4Aは、図2に図示したように取付部材8に折り返し連設し得る帯状部5Aと、取付部材8に折り返し連設することで重合した帯状部5Aの左右端部同士に貫挿止着し得る止着部材6(ボルト6a,ナット6b)とで構成されている。
【0039】
また、横長帯状部5Aの左右端部夫々には長さ方向に複数(2個)の止着孔5aが貫通状態に設けられている。
【0040】
従って、種々提案される取付部材8の径の太さに応じて止着孔5aを選択して連結し得ることになる。
【0041】
第二連設部4Bは、図2に図示したように縦長帯状部5Bの下端部に止着孔(図示省略)が貫通状態に設けられ、この止着孔を雪こぼれ板3に形成される孔と合致させた状態において止着部材7を介して連設するように構成されている。
【0042】
屈曲部4Cは、図2に図示したように縦長帯状部5Bの上端部にして横長帯状部5Aとの連設部位で構成され、適度な可撓性を有するため板厚方向に屈曲自在となる。
【0043】
尚、取付具4の素材は合成樹脂製に限らず金属製でも良く、また、屈曲部4Cのみを合成樹脂製とし第一連設部4A及び第二連設部4Bを金属製若しくは硬質合成樹脂製としても良く、屈曲可能な構造としては素材の変形による構造に限らず、ヒンジ構造(枢着構造)としても良い。
【0044】
本実施例は上述のように構成したから、押動搬送式除雪具Dに雪こぼれ防止板3を取り付ける場合、取付具4の第一連設部4Aを押動搬送式除雪具Dの取付部材8に連結するとともに、取付具4の第二連設部4Bを雪こぼれ防止板3に連結し、この雪こぼれ防止板3を左右の取付部材8夫々の前面側に架け渡し状態とする。尚、本実施例では、雪こぼれ防止板3に対する第二連設部4の連結は、押動搬送式除雪具Dの取付部材8に第一連設部4Aを連結する前に行っているが、後でも良い。
【0045】
この状態で、雪こぼれ防止板3は、左右の取付部材8よりも後方への傾動(擺動)が阻止されているが、取付具4の屈曲部4Cが屈曲することで前方への傾動(擺動)は可能となる。
【0046】
即ち、雪掬い部1の基端縁部を踏み込む足により雪こぼれ防止板3は後方から押されることで前方へ傾動(擺動)するから、この雪こぼれ防止板3が邪魔にならず雪掬い部1の基端縁部に対する足の踏み込みを行うことができ、この足の踏み込みを解除すると、雪こぼれ防止板3は後方へ復帰動(擺動)して常態(取付部材8に架け渡し状態となり)、雪掬い部1に載せた雪Sが通過するのを阻止する壁として機能する。
【0047】
よって、本実施例によれば、雪掬い部1の基端縁部と雪こぼれ防止板3との隙間を可及的に無くすことができるため、取り付けた雪こぼれ防止板3により、雪掬い部1に載せた雪Sが取付部材8(把手部2)を通過して後方へこぼれてしまうことを可及的に防止することができ、しかも、この雪こぼれ防止板3を取り付けた状態においても雪掬い部1の基端縁部を足で踏み込むことができるため押動搬送式除雪具D本来の使用に支障を来すことがない。
【0048】
また、本実施例は、屈曲部4Cは、屈曲可能な可撓性を有する部材で構成されているから、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0049】
また、本実施例は、第一連設部4Aは、取付部材8に折り返し連設し得る帯状部5Aと、取付部材8に折り返し連設することで重合した帯状部5Aの左右端部同士に貫挿止着し得る止着部材6とで構成されているから、取付部材8に対する連結が簡易且つ迅速に行えることになる。
【0050】
また、本実施例は、帯状部5Aの左右端部夫々には長さ方向に複数の止着孔5aが設けられているから、取付部材8の径に応じて確実に連結することができる。
【0051】
また、本実施例は、帯状部5Aは摩擦係数の高いゴム製であるから、取付部材8に滑りにくく且つ形状フィットして良好な取付状態が得られる。
【0052】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0053】
D 押動搬送式除雪具
1 雪掬い部
2 把手部
3 雪こぼれ防止板
4 取付具
4A 第一連設部
4B 第二連設部
4C 屈曲部
5a 止着孔
5A 帯状部
8 取付部材
図1
図2
図3
図4
図5