(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771684
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】刈払機のための多機能刈払用回転ヘッドおよびこのような多機能刈払用回転ヘッドを備えた携帯型機器
(51)【国際特許分類】
A01D 34/73 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
A01D34/73 A
【請求項の数】26
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-505516(P2013-505516)
(86)(22)【出願日】2011年4月18日
(65)【公表番号】特表2013-524803(P2013-524803A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】FR2011000233
(87)【国際公開番号】WO2011131860
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2013年10月30日
(31)【優先権主張番号】10/01689
(32)【優先日】2010年4月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512271033
【氏名又は名称】ペランク(ソシエテ アノニム)
【氏名又は名称原語表記】PELLENC(SOCIETE ANONYME)
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ペランク,ロジェ
【審査官】
居島 一仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−274937(JP,A)
【文献】
実開平02−012220(JP,U)
【文献】
実開平04−016523(JP,U)
【文献】
米国特許第04790071(US,A)
【文献】
米国特許第06298642(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0029483(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/68
A01D 34/73
A01D 34/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈払機用の多機能刈払用回転ヘッド(1)およびこのような多機能刈払用回転ヘッドを備えた携帯型機器において、
少なくとも二つの部分(1A−1B)、すなわち上部部分とその基部に組立てられた下部部分とで構成される回転する外側ケースを含み、該外側ケース内には、制限された振幅で軸心方向に並進運動できる状態で一つ以上の刈払用要素または一つ以上の刈払用工具(3、5)の支持体(2)が収納されており、この支持体と一体化した形で回転駆動する軸心方向シャフト(6)が支持体を貫通しており、その上部部分は、携帯型刈払機をその原動機と結合させることができるように配置されており、前記一つ以上の刈払用要素または一つ以上の刈払用工具の支持体が、前記軸心方向駆動シャフト上に制限された振幅で軸心方向に移動できる状態で取付けられており、前記一つ以上の刈払用要素または一つ以上の刈払用工具の支持体には、刈払用要素または刈払用工具を選択的に取付けるための二つの段、すなわち:
− 刈払用ワイヤーストランド(3)を取付けるように配置された第一段と、
− 互換性ある刈払用回転刃(5)を取付けるように配置された第二段と、
が具備されていることを特徴とする、多機能刈払用回転ヘッドおよび携帯型機器。
【請求項2】
− 上の前記第一段が、刈払用ワイヤーストランド(3)を取付けるように配置されていることと、
− 下の前記第二段が、互換性ある刈払用回転刃(5)を取外し可能な形で取付けるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能刈払用回転ヘッド(1)。
【請求項3】
前記外側ケースと前記一つ以上の刈払用要素または一つ以上の刈払用工具の支持体とに対して相対的反対の方向の軸心方向運動を同時に印加することで、
− 選択された一つ以上の刈払用要素のタイプに対応する段が、前記一つ以上の刈払用要素(3、5)の位置づけまたは取出しを可能にする位置へ装着される;または、
− 該一つ以上の刈払用要素が、選択された複数の刈払用要素(5)のタイプに対応する前記支持体の段上に固定される;
ような形に適応された、選択された一つ以上の刈払用要素(3、5)の固定または分離用手段(8)を含む、請求項1または請求項2に記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項4】
外側ケース(1)ならびに一つ以上の刈払用要素または一つ以上の刈払用工具(3、5)の支持体(2)は、前記外側ケースとその内部に収納された前記支持体とに対する収束的な軸心方向運動の同時印加が、前記一つ以上の刈払用要素の位置づけまたは取出しを可能にする位置への選択された一つ以上の刈払用要素のタイプに対応する段への装着を可能にするために使用され、一方前記外側ケースと前記支持体とに対する発散的な軸心方向運動の同時印加が、選択された刈払用要素のタイプに対応する支持体の段上での前記一つ以上の刈払用要素の自動的固定を可能にするような形で、配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の多機能回転刈払用回転ヘッド。
【請求項5】
外側ケース(1)と一つ以上の刈払用要素または一つ以上の刈払用工具(3、5)の支持体(2)とについての相対的収束的な軸心方向運動が、弾性付勢手段(7)の作用下で自動的に得られ、こうして、刈払用回転ヘッド内に位置づけされた後の刈払用要素または刈払用工具の自動的固定が可能になることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項6】
弾性付勢手段が、外側ケースの上部間仕切り(4)と一つ以上の刈払用要素または一つ以上の刈払用工具の内部支持体(2)との間に間置され圧縮作用を及ぼすバネ(7)により構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の多機能回転刈払用回転ヘッド。
【請求項7】
一つ以上の刈払用要素または刈払用工具の支持体の上部段は、互いに対しておよび刈払用回転ヘッドの回転軸心に対して平行な平面内で旋回できる状態で取付けられた挟持用カム(9)を有する締結機構の支持体と回転的に一体化され外側ケースの側壁(1D)内に設けた開口部(1C)を貫通して刈払用回転ヘッドの外側ケースの内部に係合された刈払用ストランド(3)を締結する機構(8、9、10)を含んでおり、この刈払用要素または刈払用工具の支持体が刈払用回転ヘッドの外側ケース内で制限された振幅で軸心方向並進運動できる状態で取付けられており、この外側ケースと締結機構の支持体(2)は相補的に配置されており、こうして、前記外側ケースと前記支持体とに対する収束的な軸心方向運動の同時印加は、刈払用回転ヘッドの内部での刈払用ストランド(3)の導入、摺動または位置づけを許可するような形で挟持用カムを持ち上げることを可能にするために使用され、一方前記外側ケースと前記支持体とに対する発散的な軸心方向運動の同時印加は、刈払用回転ヘッド内で刈払用ストランドを活動位置に固定するよう前記カムを再度低下させることを可能にしていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項8】
締結機構(8)が、外側ケースの開口部(1C)の正面で刈払用回転ヘッドの回転軸心の両側で平行に配置された刈払用ストランド(3)の案内用および位置づけ用の通路(2H)を二本含んでおり、これらの通路の各々の入口部分が露出され、この露出部分と対面して旋回カム(9)が取付けられており、このカムは、前記露出部分の方向にその挟持用表面を押し当てるためのバネ(10)の作用を受け、こうして位置づけ用通路内に係合した刈払用ストランドをこの通路の底部に対し強く圧迫し、こうして前記刈払用ストランドを確実に固定しており、外側ケース内には、該外側ケースの上部間仕切り(4)と一体化されカム(9)を押し戻し旋回させることを可能にするスラストフィンガー(12)が備わり、こうして、外側ケースと締結機構の支持体が前記外側ケースの上部間仕切りと締結機構の支持体の上部面を接近させるための収束的圧迫力を受けた場合に、刈払用ストランド上のこのカムの圧迫を除去するようになっていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項9】
刈払用回転刃(5)が外側ケースの上部部分(1A)と下部部分(1B)との間に挿入されており、
− 刈払用要素または刈払用工具の支持体の下部段が、刈払用回転刃の支持体(2)により構成され、この刈払用回転刃の支持体と刈払用回転刃(5)には、この刈払用回転刃の位置づけ用および回転的結合用の相補的手段(2C、5C、6D)が具備されており、これらの手段は、前記外側ケースと前記刈払用回転刃の支持体とに対する相対的収束的な軸心方向運動の手作業による同時印加によってそれらの活動位置から分離されることができること;
− 駆動シャフトの遠位部分上に刈払用回転刃を軸心方向に固定する相補的手段;
− 刈払用回転刃が刈払用回転刃の支持体上に位置づけされた場合に、前記刈払用回転刃の支持体と刈払用回転刃を自動的に結合させる手段;
を特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項10】
刈払用回転刃の中央部分が、
− 一方では、駆動軸(6)の通過のための中央開口部(5A)、前記中央開口部の両側に配置された二つの結合用開口部(5F)、湾曲した外縁部(13A)を有する二つの切抜き部(13)と;
− 他方では、回転シャフトの遠位部分上でロック位置まで刈払用回転刃を圧入することを可能にする中実部分と;
を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項11】
刈払用回転刃の支持体(2)および刈払用回転刃の中央部分が、刈払用回転刃の支持体と刈払用回転刃とについての相対的収束的な軸心方向運動とそれに続く刈払用回転刃の回転運動による前記刈払用回転刃の支持体上への前記刈払用回転刃の装着を可能にするような形で配置され、刈払用回転刃の除去は逆の運動により行なわれることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の多機能回転刈払用ヘッド。
【請求項12】
刈払用回転刃の支持体に対する刈払用回転刃の位置づけ用および結合用手段が、一方では、前記刈払用回転刃の支持体内に設けられた軸心方向開口部の両側で前記刈払用回転刃の支持体の下側面に配置された二つの結合用スタッド(14)を含み、かつ他方では、駆動シャフト(6)の遠位部分が中に係合される刈払用回転刃の軸心方向開口部(5B)の両側に作られた二つの開口部を含んでいることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項13】
内部の刈払用回転刃の支持体(2)と外側ケース(1A)の回転的結合が、ケースの上部間仕切りの内部面と一体化され刈払用ヘッドの回転軸心に対し平行にこの刈払用ヘッドの内部に向かって配向されている駆動用フィンガー(11)を用いて実行され、これらの駆動用フィンガーが、刈払用回転刃の支持体(2)内に設けられた溝(R)の中に摺動できる状態で係合されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項14】
結合用溝(R)が、刈払用回転刃の支持体(2)の相対する少なくとも二つの側に設けられていることを特徴とする、請求項13に記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項15】
駆動シャフト(6)が、刈払用回転刃の支持体(2)内に設けられた軸心方向通路(2A)を貫通し、駆動シャフトの横断部分と前記軸心方向通路が、前記支持体の回転駆動を可能にするように適合された相補的断面形状(2A、6D)を形成することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項16】
前記刈払用回転ヘッドが、駆動シャフト(6)の貫通部分上における刈払用回転刃の支持体の軸心方向並進運動の振幅を制限するための手段(20)を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項17】
刈払用回転ヘッドが、駆動シャフト(6)上に刈払用回転刃の支持体を固定する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の多機能回転刈払用ヘッド。
【請求項18】
駆動シャフト(6)上の刈払用回転刃(5)の軸心方向固定を可能にする手段は、一方では刈払用回転刃が提示する軸心方向開口部(5A)そして他方では駆動シャフトの遠位部分(6A)がその端部から離れたところに有する環状溝(6C)を含んでおり、前記駆動シャフトの端部部分は、前記環状溝から出発して、直径方向反対側にある二つの長手方向雌型切込み(6D)の備わった円形形状を形成し、一方刈払用回転刃の軸心方向開口部は、前記端部部分の断面形状の形状と同一の雄型形状(5C)を形成していることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項19】
ケースの上部部分の下縁部と刈払用回転刃に、位置づけ用相補的手段が具備されていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一つに記載の多機能回転刈払用ヘッド。
【請求項20】
外側ケースと刈払用回転刃との位置づけ用相補的手段が、一方では弓形外縁部により画定され、刈払用回転刃が形成する開口部の直径方向アラインメントの両側でそこから等距離のところに配置されたスリット(13)を二本、そして他方では前記上部部分の基部に備わった直径方向に相対する案内用および停止用突出部(33)を含むことを特徴とする請求項19に記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項21】
外側ケースの側壁の下位部分と下部部分の円形上部部分には、相補的保持用手段(15、16、17、18)が備わっており、これらの手段の組立てには、二つの部材間の相対的な軸心方向運動とそれに続く保持用手段の相補的装置の嵌合を可能にする制限された振幅の回転運動のみが必要であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項22】
外側ケース(1A)と下部部分(1B)の保持用手段が、一方では、外側ケースの円筒形側壁の内部表面の円形下縁部付近でこの下縁部に沿って、直径方向に相対する丸味のついた肩部(16)を少なくとも二つ、そして他方では、下部部分の軸心に対し平行に延在し、この軸心の方向に配向されたロック用ツメまたは突起(15A)を備えた自由端部を有する直径方向に相対するラッチ突片(15)を少なくとも二つ含むことを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項23】
各肩部(16)の端部の一つに配置され、下部部分を組立て位置に設置する際にロック用ツメまたは突起(15A)の回転運動を制限するストッパー(16A)を含むことを特徴とする、請求項22に記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項24】
ツメの縁部およびツメの丸味のついた肩部には、外側ケースの複数部分の組立ての際に、回転運動の終りでロックする相補的手段が備わっていることを特徴とする、請求項22または請求項23に記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項25】
外側ケースの上部部分上に下部部分をロックするための相補的手段が、肩部(16)の上部面が提示するピン(17)と、組立て用回転運動の終りでこのロック用ピンが自動的に係合するツメ外縁部内に具備されたノッチ(18)とによって構成されていることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか一つに記載の多機能刈払用回転ヘッド。
【請求項26】
草刈機またはボーダートリマーまたはブラッシュカッターまたは動力鎌またはヘッジトリマーなどの携帯型刈払機において、請求項1〜25のいずれか一つに記載のとおりに製作された刈払用ストランドまたは刈払用回転刃を選択的に使用する多機能刈払用回転ヘッドが装備されていることを特徴とする、携帯型刈払機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能刈払用回転ヘッドに関する。本発明は、より詳細には、草刈機またはトリマーなどとも呼ばれるボーダートリマー、ブラッシュカッターまたは動力鎌、ヘッジトリマーまたはそれに類するものなどの携帯型刈払機を目的としている。
【背景技術】
【0002】
概して、強度の低い芝や草を切断することをその通常の機能とする機器を、ボーダートリマーまたはトリマーという名称の下に分類するのが一般的である。この用途に使用される刈払用回転ヘッドは一般に、プラスチック材料の可撓性ワイヤーストランド、例えば「ナイロン」ワイヤーストランドでその刈払用要素が構成されている種類のものである。一方で、すでに木質化した植物(小さな茂み、木や低木の再生、丈の高い草、垣根…)の刈払をその通常の機能とする機器は、むしろブラッシュカッター、ヘッジトリマーと呼ばれ、それらの刈払用回転ヘッドは金属製または硬質プラスチック材料製の回転刃を使用している。一例としては、可撓性の刈払用ワイヤーストランドで構成される刈払用要素を使用する刈払用回転ヘッドの考えられるさまざまな配置について記述している文書、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8が指摘される。金属製刈払用回転刃を使用する刈払用回転ヘッドの例は、例えば特許文献9中に記載されている。
【0003】
これらの刈払用回転ヘッドは、前記刈払用回転ヘッドの回転駆動用原動機の制御用および案内用のU字形ハンドルすなわち折り返し型ハンドルならびに運搬用ハーネスの固定用のリングが装備された柄の遠位端部に取り付けられる。
【0004】
現在市場で入手可能な携帯型刈払機は、唯一のタイプの刈払手段のみを使用するように構想されているか、または多目的性を得ようとして一部の機械では、これらのタイプの刈払用要素の各々のために互換性ある回転ヘッドのうちの特定の一つ(ワイヤー用のもの、金属回転刃用のものなど)が具備されている。
【0005】
一つのタイプから別のタイプへ移行したい場合には、一方のタイプの支持体全体またはその一部分を分解してその代りにもう一つのタイプの支持体全体またはその一部分を装着する必要がある。これら二つのタイプの支持体は、分解と一つまたは複数の工具の使用を必要とする。この状況にはなおも次のような欠点がある。
− ユーザーに対して、分解作業(多くの場合左ネジ)の訓練の必要性/刈払用工具の支持体の分解と再取付け作業、したがって、つねに手元においておかなくてはならない刈払用工具の使用が必要となることという欠点。
− 時間の浪費や怪我のおそれ、分解および再取付けの際の部品の喪失という欠点。
【0006】
刈込みまたは下草刈作業を実行すべき表面の状況を理由として、ユーザーは、柔らかい草(例えば木を取囲む表面または、壁または小路または植込みの縁などの硬質の障害物の近くにある表面)の刈払用にワイヤー式機器を、そして丈が高く硬い草の中または木本植物(イバラ、シダ植物など)の中あるいは雑木林の中での下草刈のため、またはヘッジトリミングまたは低木の除去作業のためには回転刃付き機器を購入せざるを得なくなることが多い。この状況は、刈払用機材の購入および供用開始にかかる費用の増大をもたらすと考えられている。
【0007】
特定の刈払作業専用の上述の種類の機器が有する欠点を補正するために特許文献9の中で、草および低木の組合せ刈払のための二重作用の低木ブラッシュカッター用工具において、低木の下草刈用レーキの回転ヘッド上に連結する目的をもつ中央穴が備わった矩形形状の回転刃と、それ自体ナイロンまたは他の丈夫なプラスチック材料製の小さいワイヤーを挿入する目的をもつ円筒形の一対の横断穴を備えた適切な器材で構成される工具が提案された。この工具は、回転刃の取付けおよび分解作業を回避しながら草および低木を同時に切断することを可能にし、同様にこれらの草および低木の有効な崩壊も可能にする。
【0008】
この工具は、それが草および小さな樹木も同時に切断して、切断された部分を粉砕することができるとしても、硬質の障害物の近くで作業することが求められるボーダートリマーまたは草刈機に装備できないかぎりにおいて、多目的のものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ボーダートリマーまたはブラッシュカッターといった種類の携帯型刈払機における上記に強調した欠点の数々を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
記述されている例によると、本発明に係る刈払用回転ヘッドが特に傑出していることは、少なくとも二つの部分すなわち上部部分とその基部に組立てられた下部部分とで構成される回転する外側ケースを含み、この外側ケース内には、制限された振幅で軸心方向に並進運動できる状態で刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体が収納されており、この支持体と一体化した形で回転駆動する軸心方向シャフトが支持体を貫通しており、その上部部分は、携帯型刈払機をその原動機と結合させることができるように配置されており、前記刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体が、前記軸心方向駆動シャフト上に制限された振幅で軸心方向に移動できる状態で取付けられており、前記刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体には、刈払用要素または刈払用工具を選択的に取付けるための二つの段、すなわち:
− 刈払用ワイヤーストランドを取付けるように配置された第一段と、
− 互換性ある刈払用回転刃を取付けるように配置された第二段と
が具備されているという点である。
【0011】
好ましい一実施形態によると、前記刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体には、これらを選択的取り付けのための二つの段、すなわち:
− 刈払用ワイヤーストランドを取付けるように配置されている第一の上部段;
− 互換性ある刈払用回転刃を取付けるように配置されている第二の下部段;
が具備されている。
【0012】
刈払用回転ヘッドは、前記外側ケースと前記刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体とに対して相対的に反対の方向の軸心方向運動を同時に印加することで、選択された刈払用要素(単数または複数)のタイプに対応する段が、前記刈払用要素の位置づけまたは取出しを可能にする位置へ装着される、またはこの刈払用要素(単数または複数)が、選択された複数の刈払用要素のタイプに対応する前記支持体の段上に固定されるような形に適応される、選択された刈払用要素(単数または複数)の固定または分離用手段を含んでいる。
【0013】
好ましいまたは有利な一実施形態によると、外側ケースならびに刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体は、前記外側ケースとその内部に収納された前記支持体とに対する収束的な軸心方向運動の同時印加が、前記刈払用要素(単数または複数)の位置づけまたは取出しを可能にする位置への選択された刈払用要素(単数または複数)のタイプに対応する段の装着を可能にするために使用され、一方前記外側ケースと前記支持体とに対する発散的な軸心方向運動の同時印加が、選択された刈払用要素タイプに対応する支持体の段上での前記刈払用要素の自動的固定を可能にするような形で、配置されている。
【0014】
別の特徴的配置の一つによると、外側ケースと刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体とについての相対的収束的な軸心方向運動は、弾性復元手段の作用下で自動的に得られ、こうして、刈払用回転ヘッド内に位置づけされた後の刈払用要素または刈払用工具の自動的固定が可能になる。
【0015】
好ましい一実施形態によると、弾性付勢手段は、外側ケースの内部間仕切りと内部の刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体との間に間置され圧縮作用を及ぼすバネにより構成されている。
【0016】
別の特徴的配置の一つによると、刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体の上部段は、互いにおよび刈払用回転ヘッドの回転軸心に対して平行な平面内で旋回できる状態で取付けられた挟持用カムを有する締結機構の支持体と回転的に一体化され外側ケースの側壁内に設けたオリフィスを貫通して刈払用回転ヘッドの外側ケースの内部に係合された刈払用ストランドを締結する機構を含んでおり、この刈払用要素または刈払用工具の支持体は刈払用回転ヘッドの外側ケース内で制限された振幅で軸心方向並進運動できる状態で取付けられており、この外側ケースと締結機構の支持体は相補的に配置されており、こうして、前記外側ケースと前記支持体とに対する収束的な軸心方向運動の同時印加は、刈払用回転ヘッドの内部での刈払用ストランドの導入、摺動または位置づけを許容するような形で挟持用カムを持ち上げることを可能にするために使用され、一方前記外側ケースと前記支持体とに対する発散的な軸心方向運動の同時印加は、刈払用回転ヘッド内で刈払用ストランドを活動位置に固定するよう前記カムを再度低下させることを可能にしている。
【0017】
別の特徴的配置の一つによると締結機構は、外側ケースの開口部の正面で刈払用回転ヘッドの回転軸心の両側で平行に配置された刈払用ストランドの案内用および位置づけ用の通路を二本含んでおり、これらの通路の各々の入口部分は露出され、この露出部分と対面して旋回カムが取付けられており、このカムは、前記露出部分の方向にその挟持用表面を押し当てるためのバネの作用を受け、こうして位置づけ用通路内に係合した刈払用ストランドをこの通路の底部に対し強く圧迫し、こうして前記刈払用ストランドを確実に固定しており、外側ケース内には、該外側ケースの上部間仕切りと一体化されカムを押し戻し旋回させることを可能にするスラストフィンガーが備わり、こうして、外側ケースと締結機構の支持体が前記外側ケースの上部間仕切りと締結機構の支持体の上部面を接近させるための収束的圧迫力を受けた場合に、刈払用ストランド上のこのカムの圧迫を除去するようになっている。
【0018】
別の特徴的配置の一つによると、刈払用回転刃は、外側ケースの上部と下部部分との間に取外し可能な形で挿入されている。表示されている有利な実施形態によると:
− 刈払用要素または刈払用工具の支持体の下部段は、回転刃の支持体により構成され、この回転刃の支持体と刈払用回転刃には、この回転刃の位置づけ用および回転的結合用の相補的手段が具備されており、これらの手段は、前記外側ケースと前記回転刃の支持体とに対する相対的収束的な軸心方向運動の手作業による同時印加によってそれらの活動位置から分離されることができ;
− 相補的手段は駆動シャフトの遠位部分上に刈払用回転刃を軸心方向に固定し;
− 回転刃が回転刃の支持体上に位置づけされた場合に、結合手段が前記回転刃の支持体と回転刃との自動的回転リンクを可能にする。
【0019】
別の特徴的配置の一つによると、回転刃の中央部分は、
− 一方では、駆動軸の通過のための中央開口部、前記中央軸の両側に配置された二つの結合用オリフィス、湾曲した外縁部を有する二つの切抜き部と;
− 他方では、回転シャフトの遠位部分上でロック位置まで回転刃を圧入することを可能にする中実部分と;
を有する。
【0020】
別の有利実施形態の一つによると、回転刃の支持体および回転刃の中央部分は、回転刃の支持体と回転刃とについての相対的収束的な軸心方向運動とそれに続く回転刃の回転運動による前記回転刃の支持体上への前記回転刃の装着を可能にするような形で配置され、回転刃の除去は逆の運動により行なわれる。
【0021】
別の一実施形態によると、回転刃の支持体に対する刈払用回転刃の位置づけ用および結合用手段は、一方では、前記回転刃の支持体内に設けられた軸心方向開口部の両側で前記回転刃の支持体の下側面に配置された二つの結合用スタッドを含み、かつ他方では、駆動シャフトの遠位部分が中に係合される回転刃の軸心方向開口部の両側に作られた二つのオリフィスを含んでいる。
【0022】
別の有利な実施形態の一つによると、内部の回転刃の支持体と外側ケースの回転的結合は、外側ケースの上部間仕切りの内部面と一体化され刈払用回転ヘッドの回転軸心に対し平行にこの刈払用回転ヘッドの内部に向かって配向されている駆動用フィンガーを用いて実行され、これらの駆動用フィンガーは、回転刃の支持体内に設けられた溝の中に摺動できる状態で係合されている。
【0023】
別の実施形態の一つによると、結合用溝は、回転刃の支持体の少なくとも二つの相対する側に設けられている。
【0024】
別の特徴的配置の一つによると駆動シャフトは、回転刃の支持体内に設けられた軸心方向通路を貫通し、シャフトの横断部分と前記軸心方向通路は、前記支持体の回転駆動を可能にするように適合された相補的断面形状を形成する。
【0025】
好ましい一実施形態によると、前記刈払用回転ヘッドは、駆動シャフトの貫通部分上における回転刃の支持体の軸心方向並進運動の振幅を制限するための手段を有する。
【0026】
別の特徴的配置の一つによると、刈払用回転ヘッドは、駆動シャフト上で回転刃の支持体を固定する手段を含む。
【0027】
好ましい一実施形態によると、駆動シャフト上の刈払用回転刃の軸心方向固定を可能にする手段は、一方では刈払用回転刃が形成する軸心方向開口部そして他方では駆動シャフトの遠位部分がその端部から離れたところに有する環状溝を含んでおり、前記駆動シャフトの端部部分は、前記溝から出発して、直径方向反対側にある二つの長手方向雌型切込みの備わった円形形状を形成し、一方刈払用回転刃の軸心方向開口部は、前記端部部分の断面形状の形状と同一の雄型形状を形成している。
【0028】
別の特徴的配置の一つによると、外側ケースの上部部分の下縁部と刈払用回転刃には、位置づけ用相補的手段が具備されている。
【0029】
好ましい一実施形態によると、外側ケースと刈払用回転刃との位置づけ用相補的手段は、一方では弓形外縁部により画定され、回転刃が形成する開口部の直径方向アラインメントの両側でそこから等距離のところに配置された二本のスリットを、そして他方では前記上部部分の基部に備わった直径方向に相対する案内用および停止用突出部を含んでいる。
【0030】
別の特徴的配置の一つによると、外側ケースの側壁の下位部分とスライドカップの円形上部部分には、相補的保持用手段が備わっており、これらの手段の組立てには、二つの部材の相対的な軸心方向運動とそれに続く保持用手段の相補的装置の嵌合を可能にする制限された振幅の回転運動のみが必要である。
【0031】
別の特徴的配置の一つによると、外側ケースとカップの保持用手段は、一方では、外側ケースの円筒形側壁の内部表面の円形下縁部付近でこの下縁部に沿って、少なくとも二つの直径方向に相対する丸味のついた肩部を、そして他方では、スライドカップの軸心に対し平行に延在し、この軸心の方向に配向されたロック用ツメまたは突起を備えた自由端部を有する直径方向に相対する少なくとも二つのラッチ突片を含んでいる。
【0032】
好ましくは、刈払用回転ヘッドは、各肩部の端部の一つに配置され、スライドカップを組立て位置に装着する際にロック用ツメまたは突起の回転運動を制限するストッパーを含んでいる。
【0033】
別の有利な配置の一つによると、ツメの縁部およびツメの丸味のついた肩部には、外側ケースの複数部分の組立ての際に、回転運動の終りでロックする相補的手段が備わっている。
【0034】
好ましい一実施形態によると、外側ケースの上部部分上に下部部分をロックするための相補的手段は、肩部の上部面が提示するピンと、組立て用回転運動の終りでこのロック用ピンが自動的に係合するツメ外縁部内に具備されたノッチとによって構成されている。
【0035】
本発明に係わる草刈機、またはボーダートリマー、またはブラッシュカッター、または動力鎌、またはヘッジトリマーなどの携帯型刈払機が傑出し有利なことは、実行すべき作業に応じて上述の特徴を有する刈払用の可撓性ワイヤーストランドまたは刈払用回転刃を使用する刈払用回転ヘッドが装備されているという点である。
【0036】
上述のおよびさらに他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面からさらに明確になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】可撓性の刈払用ワイヤーストランドを備え刈払用回転刃が装備されることができる、本発明に係る刈払用回転ヘッドの斜視図である。
【
図1B】刈払用回転刃を備え可撓性の刈払用ワイヤーストランドが装備されることができる、本発明に係る刈払用回転ヘッドの斜視図である。
【
図2】スライドカップを除いた、本発明に係る互換性ある刈払用回転刃が装備された刈払用回転ヘッドの斜視図である。
【
図3Aa】ロック解除位置にある、刈払用ワイヤーストランドの備わった刈払用回転ヘッドの正面図である。
【
図3Ab】ロック位置にある、刈払用回転刃の備わった刈払用回転ヘッドの正面図である。
【
図3E】
図3BaのラインR−Rで切断した下側断面図である(ロック解除位置)。なお、上記
図3Aa〜3Eは、可動型の刈払用要素または刈払用工具の支持体の上部段を構成する締結機構が、挟持用カムの収納および前記機構内へのワイヤーの導入を可能にする上位位置に移動させられるときの、外側ケース内の刈払用ワイヤーストランドの位置づけ段階を示している。
【
図4A】外側ケースの上部部分の下部面上またはそれに対して金属製回転刃を手作業で装着する最初の段階を示す斜視図である。
【
図4B】
図4Aで刈払用回転刃およびスライドカップの取出し後の下面図である。
【
図4C】
図4Aでスライドカップを除いた外面の分解組立図である。
【
図6A】金属製回転刃の位置づけの第二段階を示す、
図3Aと同様の斜視図である。
【
図8A】金属製回転刃の位置づけの第三段階を示す斜視図である。
【
図10A】ロック位置にある金属製回転刃の位置づけの第四段階を示す斜視図である。
【
図12A】スライドカップが固定解除された状態にある、ロック位置のワイヤーストランドが装備された刈払用回転ヘッドを示す正面図である。
【
図12B】固定位置にある金属製回転刃が装備された刈払用回転ヘッドを示す正面図である。
【
図13A】スライドカップが固定解除位置にある、
図12AのラインM−Mで切断した断面図である。
【
図13B】スライドカップが固定位置にある、
図12BのラインM−Mで切断した断面図である。
【
図15A】スライドカップが固定解除位置にある、
図12AのラインM−Mで切断した断面図である。
【
図15B】スライドカップが固定位置にある、
図12BのラインM−Mで切断した断面図である。
【
図17】本発明に係る金属製回転刃を用いる刈払用回転ヘッドが装備された草刈機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明に係る多目的刈払用回転ヘッドの有利ではあるが非限定的なものである実施例を説明するために、前記の各図が参照される。
【0039】
以下の説明文および特許請求の範囲内の説明において、本発明の記述を容易にする目的で、「上位」、「下位」、「上部」、「下部」、「側方」、「上部段」、「下部段」などの用語は、前記の刈払用回転ヘッドの軸心がそれに沿って配向されている作業中の刈払用回転ヘッドの位置を基準にして使用されている。したがって、これらの用語および表現に限定的な意味は全くない。
【0040】
刈払用回転ヘッド1は、少なくとも二つの部分1Aおよび1B、すなわち上部部分1Aとその基部に組立てられた下部部分1Bとで構成される回転する外側ケースを含み、この外側ケース内には、制限された振幅で軸心方向に並進運動できる状態で刈払用要素(単数または複数)(
図1Aおよび1B)または刈払用工具(単数または複数)3、5の支持体2が収納されており、この支持体をそれと一体化した形で回転駆動する軸心方向シャフト6が貫通しており、その上部部分は、携帯型刈払機をその原動機と結合させることができるように配置されており、前記刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体2は、前記軸心方向駆動シャフト6上に制限された振幅で軸心方向に移動できる状態で取付けられており、前記刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)の支持体には、刈払用要素または刈払用工具を選択的に取付けるための二つの段、すなわち:
− 刈払用ワイヤーストランド3(
図Aa〜3F)を取付けるように配置された第1の上部段と、
− 互換性ある刈払用回転刃5(
図4A〜10C)を取外し可能な形で取付けるように配置された第二の下部段と、
が具備されている。
【0041】
刈払用回転ヘッドは、前記外側ケース1Aと前記刈払用要素または刈払用工具の支持体2とに対して相対的に反対方向の軸心方向運動を同時に印加することで、
− 選択された刈払用要素3または5に対応する段が、前記刈払用要素の位置づけまたは取出しを可能にする位置へ装着される;または、
− この刈払用要素が、選択された刈払用要素のタイプに対応する前記支持体の段上に固定される;
ような形で適応された、選択された刈払用要素(単数または複数)3または5の固定または分離用手段を含んでいる。
【0042】
この実施例によると、外側ケース1Aならびに刈払用要素または刈払用工具の支持体2は、該外側ケースとその内部に収納された前記支持体とに対する収束的な軸心方向運動の同時印加が、前記刈払用要素の位置づけまたは取出しを可能にする位置への選択された刈払用要素3、5に対応する段への装着を可能にするために使用され、一方前記外側ケースと前記支持体とに対する発散的な軸心方向運動の同時印加が、選択された刈払用要素タイプに対応する支持体の段上での自動的固定を可能にするような形で、配置されている。
【0043】
外側ケース1Aと刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具(単数または複数)3、5の支持体2とについての相対的収束的な軸心方向運動は、弾性付勢手段7の作用下で自動的に得られ、こうして、刈払用回転ヘッド内に位置づけされた後の刈払用要素または刈払用工具の自動的固定が可能になる。
【0044】
弾性付勢手段は、外側ケースの内部間仕切り4と内部刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具3、5の支持体2との間に間置され圧縮作用を及ぼすバネ7により構成されている。
【0045】
以下では、本件出願人により同日に提出された別個の特許出願の対象となった刈払用要素の支持体(2)の上部段の考えられる非限定的配置例について記述する。
【0046】
刈払用要素(単数または複数)または刈払用工具の上部段は、互いにおよび刈払用回転ヘッドの回転軸心に対して平行な平面内で旋回できる状態で取付けられた挟持用カム9を有する締結機構の支持体と回転的に一体化され外側ケースの側壁1D内に設けたオリフィス1Cを貫通して刈払用回転ヘッドの外側ケース1Aの内部に係合された刈払用ストランドを締結する機構8を含んでおり、この刈払用要素または刈払用工具の支持体は刈払用回転ヘッドの外側ケース内で制限された振幅で軸心方向の並進運動できる状態で取付けられており、この外側ケース1Aと締結機構の支持体2は相補的に配置されており、こうして、前記外側ケースと前記支持体とに対する収束的な軸心方向運動の同時印加(
図3Ba、矢印F1)は、刈払用回転ヘッドの内部での刈払用ストランド3の導入、摺動または位置づけを許可するような形で挟持用カムを持ち上げることを可能にするために使用され、一方前記外側ケースと前記支持体とに対する発散的な軸心方向運動の同時印加(
図3Bb、矢印F2)は、刈払用回転ヘッド内で刈払用ストランドを活動位置に固定するよう前記カムを再度低下させることを可能にしている。
【0047】
締結機構は、外側ケースの開口部1Cの正面で刈払用回転ヘッドの回転軸である駆動シャフト6の両側で平行に配置された刈払用ストランド3の案内用および位置づけ用の通路2Hを二本含んでおり、これらの通路の各々の入口部分が露出され、この露出部分と対面して旋回カム9が取付けられており、このカムは、前記露出部分の方向にその挟持用表面を押し当てるためのバネ10の作用を受け、こうして位置づけ用通路内に係合した刈払用ストランドをこの通路の底部に対し強く圧迫し、こうして前記刈払用ストランドを確実に固定している。外側ケース内には、該外側ケースの上部間仕切り4と一体化されカムを押し戻し旋回させることを可能にするスラストフィンガー12が備わり、こうして、外側ケースと締結機構の支持体が前記外側ケースの上部間仕切りと締結機構の支持体の上部面を接近させるための収束的圧迫力を受けた場合に、刈払用ストランド3上のこのカムの圧迫を除去するようになっている。
【0048】
以下では、本件出願人により同日に提出された別の特許出願の対象となった、互換性ある刈払用回転刃5の取付を可能にする刈払用回転ヘッドの下部段の考えられる非限定的配置例について記述する。
【0049】
この実施形態によると、刈払用回転刃5は外側ケースの上部部分1Aおよび下部部分1Bの間に挿入されている。
【0050】
より厳密に言うと、
− 刈払用要素または刈払用工具5の支持体の下部段は、回転刃の支持体2により構成され、この回転刃の支持体と刈払用回転刃5には、この回転刃の位置づけ用および回転的結合用の相補的手段が具備されており、これらの手段は、前記外側ケースと前記回転刃の支持体とに対する相対的収束的な軸心方向運動の手作業による同時印加によってそれらの活動位置から分離されることができる。
− 回転刃の中央部分は、
− 一方では、駆動シャフト6の通過のための中央開口部5B、前記中央開口部の両側に配置された二つの結合用オリフィス5F、湾曲した外縁部13Aを有する二つの切抜き部13と;
− 他方では、回転シャフトの遠位部分上でロック位置まで回転刃を圧入することを可能にする中実部分5Eと;
を有している。
【0051】
回転刃の支持体および回転刃5の中央部分は、回転刃の支持体と回転刃とついての相対的収束的な軸心方向運動とそれに続く回転刃の回転運動による前記回転刃の支持体2上への前記回転刃の装着を可能にするような形で配置され、回転刃の除去は逆の運動により行なわれる。
【0052】
回転刃の支持体に対する刈払用回転刃の位置づけ用および結合用手段は、一方では、前記回転刃の支持体内に設けられた軸心方向通路24の下部開口部の両側で前記回転刃の支持体の下側面に配置された二つの結合用スタッド14を含み、かつ他方では、駆動シャフト6の遠位部分6Aが中に係合される回転刃の軸心方向開口部5Bの両側に作られた二つのオリフィス5Fを含んでいる。
【0053】
別の好ましい一実施形態によると、内部の回転刃の支持体2と外側ケース1Aの回転的結合は、外側ケースの上部間仕切り4の内部面と一体化され刈払用回転ヘッドの回転軸心に対し平行にこの刈払用回転ヘッドの内部に向かって配向されている駆動用フィンガー11を用いて実行され、これらの駆動用フィンガー11は、回転刃の支持体内に設けられた溝Rの中に摺動できる状態で係合されている。
【0054】
結合用溝Rは、回転刃の支持体の相対する少なくとも二つの側に設けられている。
【0055】
別の配置によると、駆動シャフト6は、回転刃の支持体2内に設けられた軸心方向通路24を貫通し、シャフトの貫通部分と前記軸心方向通路は、前記支持体2の回転駆動を可能にするように適合された相補的断面形状2C、6Dを形成している。
【0056】
好ましい一実施形態によると、前記刈払用回転ヘッドは、駆動シャフト6の貫通部分上における回転刃の支持体5の軸心方向並進運動の振幅を制限するための手段を有している。これらの手段は、例えば駆動シャフト6に備わった環状切込み6Cの中に係合させられる二つのサークリップ17を含む。刈払用回転ヘッドは、駆動シャフト上に回転刃の支持体を固定する手段を含んでいる。
【0057】
好ましい一実施形態によると、駆動シャフト6上の刈払用回転刃5の軸心方向固定を可能にする手段は、一方では刈払用回転刃が提示する軸心方向開口部5Bそして他方では駆動シャフトの遠位部分6Aがその端部から離れたところに有する環状溝6Cを含んでおり、前記駆動シャフトの端部部分は、前記溝から出発して、直径方向反対側にある二つの長手方向雌型切込み6Dの備わった円形形状を形成し、一方刈払用回転刃の軸心方向開口部5Bは、前記端部部分の断面形状の形状と同一の雄型形状5Cを形成している。
【0058】
別の配置によると、外側ケースの上部部分1Aの下縁部21と刈払用回転刃5には、位置づけ用相補的手段13〜33が具備されている。
【0059】
外側ケース1と刈払用回転刃5との位置づけ用相補的手段は、一方では弓形外縁部13Aにより画定され、回転刃5が形成する開口部5Fの直径方向アラインメントの両側でそこから等距離のところに配置された二本のスリット13を、そして他方では外側ケースの上部部分4の基部に備わった直径方向に相対する案内用および停止用突出部33を含んでいる。
【0060】
別の特徴的配置によると、外側ケースの側壁1Dの一部分とスライドカップの円形上部部分には、相補的保持用手段15、16が備わっており、これらの手段の組立てには、二つの部材間の相対的な軸心方向運動とそれに続く保持用手段の相補的装置の嵌合を可能にする制限された振幅の回転運動のみが必要である。
【0061】
別の配置によると、外側ケース1Aとカップ1Bの保持用手段は、一方では、外側ケースの円筒形側壁1Dの内部表面の円形下縁部付近でこの下縁部に沿って、直径方向に相対する丸味のついた肩部16を少なくとも二つ、そして他方では、スライドカップの軸に対し平行に延在し、この軸の方向に配向されたロック用ツメまたは突起15Aを備えた自由端部を有する直径方向に相対するラッチ突片15を少なくとも二つ含んでいる。
【0062】
好ましくは、刈払用回転ヘッドは、各肩部16の端部の一つに配置され、スライドカップを組立て位置に設置する際にロック用ツメまたは突起15Aの回転運動を制限するストッパー16Aを含んでいる。
【0063】
別の有利な配置によると、ツメ15の縁部およびストッパー16の丸味のついた肩部には、外側ケースの複数部分の組立ての際に、回転運動の終りでロックする相補的手段が備わっている。
【0064】
また、ある好ましい態様によると 外側ケースの上部部分上に下部部分をロックするための相補的手段は、肩部16の上部面に配置されたピン17と、組立て用回転運動の終りでこのロック用ピンが自動的に係合するツメ外縁部15A内に具備されたノッチ18とによって構成されている。
【0065】
刈払用回転ヘッド上への互換性ある可動の回転刃5の装着および分解は、刈払用回転ヘッド上への刈払用回転刃の装着を考慮に入れた上述の説明を読めば充分に理解される:すなわち
− 回転運動によってスライドカップ1Bをひき出して、肩部16とロック用突片15を分離する;直径方向に相対する二つの窪み28を有する半球形外部面がこの操作を容易にする;
− 回転刃5を駆動シャフト3の端部に置く(前記端部と回転刃5の軸心方向開口部5Bの相補的断面形状を理由として、唯一の位置のみが可能である);この位置で、刈払用回転刃は、回転刃の支持体2のスタッド14に接している;
− 前記回転刃5が溝6Cのレベルに来るまで、回転刃の支持体の駆動用スタッド14に接している刈払用回転刃5上に手で穏やかに圧力を加えることによって、刈払用回転刃5の支持体と外側ケース1に対し収束的接近運動を伝達し;回転刃の支持体2の駆動用スタッド14が、回転刃の中実部分5Eに対し密着し結合用オリフィス5Fから90°離隔した状態にあることを目視する。実際には、回転刃5を押すことで得られるこの収束的接近運動は、バネ7の拮抗作用に対抗して回転刃の支持体2を移動させる効果を有する。
− 回転刃に対しおよそ90°の回転運動を伝達する。この作用の間、回転刃は、外側ケース1Aの基部と一体化した心出し用突出部33が中で摺動する弓形スリット13によって案内される。この回転運動の終りで、
− 一方では、刈払用回転刃5の軸心方向開口部5B内に突出した雄型の刈払用要素すなわちローブは、駆動シャフト6の環状溝6Cの壁の間に係合された状態にあり、
− 他方では、結合用スタッド14はバネ7の作用下で結合用オリフィス5F内に自動的に進入し、回転刃の支持体2は、駆動軸心が保持用サークリップ20に接するまで圧縮バネ7の作用下で駆動シャフト6に沿って軸心方向に移動する。
【0066】
回転刃5のこの回転作用の際に回転刃の支持体2を固定位置に容易に維持できるようにするため、前記回転刃の支持体2には、その上部面上に、二つのだぼ29が備わっており、このだぼは、前記回転刃の支持体が上向きに移動する際に、外側ケース1の上部間仕切り4に具備された二つの穴30内に係合して、原動機37のカバーとして役立つ刈払用回転ヘッド1の固定支持体32内に設けられたオリフィス31内に係合し、こうしてこの作用中の前記回転刃の支持体2の回転は回避される。
【0067】
− 軸心方向運動そして外側ケース1との関係におけるその後の前記スライドカップ1Bの回転によりスライドカップ1Bは所定の場所に戻される。
【0068】
回転刃5の取出しを行なうためには:
スライドカップ1Bを除去し、次に回転刃の支持体2の結合用スタッド14を押して、これらのスタッドを回転刃5のオリフィス5Fから抜出し、前記回転刃5を約90°回転させなければならない。
【0069】
駆動用スタッドは、再び、駆動シャフト6の相補的断面形状の正面で刈払用回転刃5とローブ5Aの下に存在し、これにより刈払用回転刃5は、圧縮バネ7が作用を及ぼす回転刃の支持体2の作用下で前記駆動軸心から解放されるまで、駆動シャフト6の遠位部分の方向に移動することができる。
【0070】
本発明は、また、先に説明された特徴を有する刈払用回転ヘッドの備わった、またはそれが装備される可能性のある例えば草刈機、ボーダートリマー、ブラッシュカッター、ヘッジトリマーなどの携帯型刈払機にも関する。
【0071】
図17でその一例が全体として35という符号で示されているこのような機器が、全体的に構成するのは、刈払用回転ヘッド1(1A、1B、1C)を担持する遠位端部を有する柄36、刈払用回転ヘッドの回転駆動のため柄の下部部分または上部部分に設置された動力37、この動力の案内用および制御用のU字形ハンドルすなわち折り返し型ハンドル38、運搬用ハーネス40の固定用リング39である。刈払用回転ヘッドの駆動用動力は、熱機関によって確保されるか、または、携帯型電池または配電線への接続により給電される電動機によって確保されることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 多機能刈払用回転ヘッド
2 支持体
3 刈払用ワイヤーストランド
5 刈払用回転刃
6 駆動シャフト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】米国特許出願公開第2001/0023542号明細書
【特許文献2】米国特許第6401344号明細書
【特許文献3】米国特許第6944956号明細書
【特許文献4】国際公開第2004/064489号
【特許文献5】国際公開第2005/032237号
【特許文献6】国際公開第2006/017372号
【特許文献7】国際公開第2008/139246号
【特許文献8】仏国特許出願公開第2888085号明細書
【特許文献9】国際公開第2007/099443号