【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明によれば、冒頭で記載した種類の外科用器具に関して、適用クリップを把持して適用位置から解放位置へ離れ離れに展開するための展開装置が、前記遠位端に配置されるという点で達成される。
【0009】
例えば、前記器具が内視鏡の形態に構成される場合、除去されるべきクリップを、例えば、特に誤って設置された血管又は中空器官から注意深くかつ安全に除去するために、このクリップが、患者の身体内への小さいアクセスを通して、前記展開装置を用いて容易に把持され、離れ離れに展開されることも可能である。前記展開装置は特に、前記クリップを除去するための更なる器具を要しないように構築される。前記クリップは、好ましくは、前記展開装置を用いて自動的に除去可能である。このクリップは、好ましくは、離れ離れに展開した後に前記器具を用いて安全に保持されるので、特に、例えば套管針により作製される、ヒトの身体内への最小侵襲のアクセスを通して、再び除去することができる。
【0010】
前記展開装置がクリップ容器を含み、このクリップ容器が最小断面積を規定する挿入位置から、除去されるべき前記クリップを収容するように前記クリップ容器が開いているクリップ収容位置へと、前記クリップ容器が転移可能であると有利である。前記クリップ容器は、前記クリップを安全に把持できるようにする。前記挿入位置のとき、前記展開装置が必要とする空間は非常に僅かでしかないので、この展開装置は、小さい、特に最小侵襲のアクセスを通して、患者の身体内に挿入することもできる。前記クリップ収容位置のとき、前記クリップは、前記クリップ容器内に導入し、このクリップ容器内で収容することができる。
【0011】
前記展開装置がクリップ容器を含み、除去されるべき前記クリップを収容するように前記クリップ容器が開いているクリップ収容位置から、除去されるべき前記クリップを前記クリップ容器内で離れ離れに展開して保持することができるクリップ展開位置へと、前記クリップ容器が転移可能であることも有利である。このような構造の展開装置は、クリップが前記クリップ容器内で保持される限りにおいて、このクリップを収容し離れ離れに展開できるようにする。クリップは、離れ離れに展開されるおかげで、特に、前記緊締アームが、ただしこれらの緊締アームは単純な適用クリップの場合、基本的に互いに対接するものであるが、互いから離れる方に枢動することにより前記接続領域の変形が引き起こされることに起因して、離れ離れに展開されることにより、脈管又は中空器官から再び解放することができる。ダブルシャンク式クリップの場合は、特に、適用位置又は閉鎖位置のとき互いに対接する2つの前記接続領域を、離れ離れに展開することができる。
【0012】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、前記展開装置がクリップ容器を含み、除去されるべき前記クリップが前記クリップ容器内で離れ離れに展開されて保持されるクリップ展開位置から、除去されるべき前記クリップを前記クリップ容器内で閉鎖して保持することができるクリップ除去位置へと、前記クリップ容器が転移可能であることを実現することができる。このような構造の前記展開装置により、特に、離れ離れに展開される前記クリップを保持し、例えば、前記クリップが前記脈管又は中空器官から離れる方に移動した後に、このクリップを再び閉鎖し、前記閉鎖位置に保持することが可能になる。このことは、特に、前記クリップを、患者の身体から最小侵襲のアクセスを通して引き抜くことを促進する。原則として、前記クリップを、離れ離れの前記展開位置にして患者の身体から移動させることも考えられる。しかし、こうするには、アクセスの断面をかなり大きくする必要があろう。
【0013】
前記クリップ除去位置と前記挿入位置とが同一である場合、前記器具の構造は特に単純である。このことにより、前記器具を前記挿入位置から前記クリップ収容位置へと転移して前記クリップを収容し、前記器具を前記クリップ収容位置から前記クリップ展開位置へと転移することにより前記クリップを離れ離れに展開し、最終的に、前記器具を前記クリップ展開位置から前記挿入位置に対応する前記クリップ除去位置へと転移した後に、前記クリップを患者の身体から引き抜くことができる。
【0014】
前記クリップが前記展開装置に対して移動しないようにし、このクリップを展開装置によりしっかりと把持し保持できるようにするために、前記展開装置が、少なくとも1つの近位クリップ収容止めと、少なくとも1つの遠位クリップ収容止めとを含み、これらのクリップ収容止めが、前記クリップ容器を近位側及び遠位側にて限定すると有利である。特に、前記クリップ収容止めはどちらも、近位クリップ収容止めと遠位クリップ収容止めとの間の接続方向に対して交差する方向に移動することが不可能であるような構造とすることができる。このことにより、前記クリップは、それぞれの近位クリップ収容止め及び遠位クリップ収容止めに近位側及び遠位側にて対接する際に、前記クリップ容器から落下できないようになる。
【0015】
2つのクリップ収容止めが遠位側に設けられることが有利である。特に、遠位側にある前記2つのクリップ収容止めの各々を、その形状において、単純なクリップであれば前記緊締アームの前記2つの自由端のうちの1つに、又は、ダブルシャンク式クリップであれば2つの前記接続領域のうちの1つに適合させることができる。
【0016】
前記少なくとも1つの近位クリップ収容止め及び前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めは、好ましくは、互いに対して移動可能であるように配置される。前記クリップを離れ離れに展開し、場合によってこのクリップを再び閉鎖するには、例えば、前記クリップ容器内に収容された前記クリップの前記緊締アームの前記自由端を、1つ以上の前記接続領域に対して移動させるために、例えば、これらのクリップ収容止めを、互いの方に又は互いから離れる方に移動可能であるように、構築することができる。
【0017】
クリップが離れ離れに展開されることを促進するために、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めと前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めとの長手方向での間隔が変更可能であると有利である。このようにして、特に、除去されるべき前記クリップの前記緊締アームの自由端と、その1つ以上の接続領域との間隔を変更することも可能である。この1つ以上の接続領域は、例えば、前記クリップを離れ離れに展開するように使用することができるものである。
【0018】
前記間隔は、有利なことに、前記クリップ収容位置から前記クリップ展開位置への転移中、減少する。このようにして、脈管又は中空器官を解放するために、除去されるべき前記クリップに長手方向で展開力を加え、単純なクリップの前記緊締アームの自由端を、又は、適用位置のとき互いに対接する接続領域を、互いから離れる方に移動させることが可能である。
【0019】
遠位側にある2つのクリップ収容止めの交差方向間隔が、前記クリップ収容位置から前記クリップ展開位置への転移中、長手方向に対して交差する方向に増加すると有利である。遠位側にある前記クリップ収容止めが互いから離れる方に移動するおかげで、単純なクリップの前記緊締アームの自由端、又は、ダブルシャンク式クリップの、適用位置のとき互いに対接する接続領域がそれぞれの遠位クリップ収容止めに対接する場合、前記クリップが脈管又は中空器官を解放できるように、これらの自由端又は接続領域を、互いから離れる方に容易に移動させることができる。
【0020】
特に内視鏡を形成するために、その遠位端に前記展開装置が配置される長尺シャフトを前記器具が含むと有利である。
【0021】
前記少なくとも1つの近位の止めと前記シャフトとが、互いに対して不動であるように配置される場合、前記器具の構造は特に単純になる。このようにして、特に、前記近位の止めが、単純なクリップの前記接続領域に向かって、又はダブルシャンク式クリップの自由端に向かって進められ、この接続領域又はこれらの自由端に適用されることにより、特に、規定されるやり方で前記クリップ容器内にクリップを収容することができる。
【0022】
前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めと前記シャフトとが、互いに対して移動可能であるように配置されると有利である。このことにより、外科医は、前記シャフトを、前記近位クリップ収容止めを用いて、例えば前記クリップの前記接続領域に位置決めし、このシャフトをそこで保持することができる。その際、前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めのその他の移動は全て、前記シャフトに対して生じる。そうすれば、外科医が、前記器具シャフトを前記クリップに対して調整する必要がない。それでもやはり、例えば、前記遠位クリップ収容止めを前記シャフトに対して不動であるように配置し、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めを前記シャフトに対して移動可能であるように構築することも可能であることに留意すべきである。
【0023】
前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めが、前記シャフトに対して枢動軸の周りで枢動可能であるように配置される場合、クリップを、特に容易に、離れ離れに展開することができる。従って、例えば、緊締アームの自由端が、前記接続領域に対して枢動することが可能であり、又は、2つの接続領域が、前記緊締アームの前記自由端に対して枢動することが可能である。
【0024】
前記枢動軸は、有利なことに、前記シャフトにより規定される長手方向軸に対して交差する方向に延びる。従って、クリップが、収容され、特に、シャフトにより規定される長手方向軸に対して平行に、前記展開装置により離れ離れに展開されることが可能であるので、このことは前記器具の取り扱いを促進する。
【0025】
前記した2つの遠位クリップ収容止めが、共通の枢動軸の周りで互いに対して枢動可能であるように装着される場合、前記展開装置は、特にコンパクトな構造にすることができる。例えば、前記2つの遠位クリップ収容止めのうちの1つが前記シャフトに対して静止して配置され、1つのみが前記シャフトに対して移動可能、特に枢動可能であるように構築されることも可能である。
【0026】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、前記展開装置が、互いに対して移動可能である2つのツール要素を含み、前記2つのツール要素上に、前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めが配置又は形成されることを実現することができる。特に、前記2つのツール要素のうちの1つのみを遠位クリップ収容止めと嵌合させることができる。前記ツール要素は、特に、前記クリップ収容止めの配向を規定し、前記挿入位置のとき、前記シャフトの長手方向に対して平行に、又は交差方向にも配向することができる。
【0027】
各ツール要素は、好ましくは、遠位クリップ収容止めを含む。例えば、各遠位クリップ収容止めは、前記クリップアームの自由端に、又は前記クリップの接続領域に適用し、その後、前記ツール要素が互いに対して移動する結果として、除去されるべき前記クリップを離れ離れに展開することができる。
【0028】
除去されるべき前記クリップの周りで剥き出しにされねばならない組織を極力少なくするために、前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めが、前記ツール要素の遠位端の領域に配置又は形成されると有利である。
【0029】
除去されるべきクリップを前記クリップ収容位置で収容するための極力大きい開口を提供するために、前記2つのツール要素が、前記シャフトに対して移動可能であるように装着されると有利である。特に、その際、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めが、前記シャフトに対して移動できずに済ますことも可能である。
【0030】
前記2つのツール要素が、前記シャフトに対して変位可能及び/又は枢動可能であるように装着される場合、前記器具は、特に単純な構造とすることができる。例えば、前記2つのツール要素用の枢動軸を、前記シャフトの長手方向に対して交差する方向に、特に垂直に配向することができる。
【0031】
更なる好適な実施形態によれば、前記2つのツール要素が、前記シャフト内又は上で移動可能であるように装着された力伝達部材に移動可能に結合され、前記力伝達部材が移動する結果として、前記ツール要素が互いに対して移動することを実現することができる。従って、特に、前記力伝達部材、例えばプッシュ・プル棒の形態のプッシュ・プル部材を移動させることにより、前記2つのツール要素の互いに対する移動、例えばこれらのツール要素の、互いに対する変位及び/又は枢動運動を、場合によって前記シャフトに対する変位及び/又は枢動運動をも、実施されることが容易に可能である。
【0032】
原則として、シャフト又は短いシャフト部分とのみ接続状態にある前記展開装置を提供することが可能である。一方、前記器具は、有利なことに、前記展開装置を作動させるための作動装置をも含む。特に、この作動装置は、前記力伝達部材に結合することができる。
【0033】
前記作動装置は、有利なことに、前記2つのツール要素を互いに対して移動させるように構成される。このことにより、前記器具を簡単に取り扱いできるようになる。というのも、特に、外科医が、前記作動装置を作動させることにより、例えば、互いに対して移動可能であるようにシャフトの遠位端に装着されるツール要素を移動させることができるからである。
【0034】
前記作動装置と前記力伝達部材とが互いに移動可能に結合され、前記作動装置から前記力伝達部材へ作動力が伝達されると特に有利である。この構成は、外科医が、単に前記作動装置を取り扱うことにより前記力伝達部材を移動できるようにし、作動装置が前記ツール要素のうちの一方又は双方に結合されれば、これらのツール要素を互いに対して前記所望の仕方で位置決めできるようにもする。
【0035】
前記作動装置が前記器具の前記近位端に配置又は形成される場合、外科医にとって、前記器具の取り扱いは特に簡単である。例えば、その際、外科医は、患者の身体の内側から除去されるべきクリップを、目的にされたやり方で患者の身体の外側から把持し、このクリップを離れ離れに展開し、特に、このクリップを、患者の身体から最小侵襲のアクセスを通して除去することができる。
【0036】
前記挿入位置及び/又は前記クリップ除去位置にある前記2つのツール要素が閉鎖位置を占めると有利である。この構成は、特に、前記器具を最小侵襲のアクセスを通して患者の身体の内外へ簡単に挿入したり引き出したりすることができるようにする。
【0037】
前記閉鎖位置のとき、前記2つのツール要素は、有利なことに、少なくとも幾つかの区域において互いに対接する。従って、これらのツール要素は、互いの方への移動を限定するための止めを共通して形成する。従って、除去されるべきクリップを規定された所望の仕方で確実に把持し保持することもできるように、前記クリップ容器も単純な仕方で規定することができる。
【0038】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、前記力伝達部材が長手方向に変位する結果としての、前記2つのツール要素の互いに対する枢動運動を規定するために、接続リンク案内部を設けることができる。特に、顎部とも称される前記ツール要素を開放及び閉鎖するための規定された移動を、前記接続リンク案内部を相応に設計することにより確実にすることが可能である。前記接続リンク案内部は、特に、線形運動を、枢動運動又は前記長手方向軸に対して垂直な移動に変換できるようにする。
【0039】
前記接続リンク案内部が、案内溝と、前記案内溝内で保持及び案内されるカムとを備えた溝カム案内部の形態に構成され、前記案内溝が前記シャフト上又はツール要素上に配置又は形成され、対応する前記カムが他方の部品上に配置又は形成されている場合、前記器具は、その構造が特に単純になる。従って、特に、カムと案内溝との相対的な移動により、前記ツール要素間の相対的な移動を、場合によって前記シャフトに対する相対的な移動をも達成することができる。
【0040】
各ツール要素が案内溝を含み、前記シャフト上で保持されるカムが、2つの前記案内溝内で案内されると有利である。従って、例えば、案内要素が前記シャフトの長手方向で相対的に移動する結果として、前記カムが前記案内溝内で案内されることにより、長手方向に対する交差方向での移動を実施することができる。前記カムは、特に、前記案内溝内を通過するか又は前記案内溝内で係合するピンの形態に構成することができる。前記案内溝は、直線状の及び/又は湾曲した構成とすることができる。
【0041】
前記クリップ容器内にクリップを収容できるようにするために、前記クリップ収容位置にある前記ツール要素が開放位置を占めると有利である。
【0042】
前記クリップ展開位置にある前記ツール要素が開放位置を占めることも有利である。このようにして、特に、前記緊締アームの自由端、又は、適用位置のときに互いに対接する前記クリップの接続領域が、前記クリップ展開位置のときに互いから距離を置いて保持されることが可能である。
【0043】
前記クリップ収容位置から前記クリップ展開位置への転移中、前記ツール要素が、前記シャフトに対して近位方向に変位すると有利なこともある。従って、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めと、前記少なくとも1つの遠位クリップ収容止めとの間の間隔を、特に、前記クリップ収容位置から前記クリップ展開位置への転移中、単純な仕方で低減することができる。
【0044】
更に、前記クリップ収容位置から前記クリップ展開位置への転移中、前記ツール要素が前記シャフトに対してその周りで枢動可能である枢動軸が、近位方向に変位すると有利なことがある。このようにして、前記ツール要素が、互いに対する、場合によって前記シャフトに対する、重ね合わされた並進枢動運動を実行することが可能である。
【0045】
前記クリップが、特にその接続領域が、前記クリップ容器から簡単には落下しないことを確実にするために、除去されるべき前記クリップの前記接続領域が部分的に挿入可能である凹部の形態に前記近位クリップ収容止めが構成されると有利である。従って、特に、前記展開装置により規定される長手方向に対して交差する方向で移動することが、単純かつ安全な仕方で防止されることが可能である。
【0046】
前記クリップを単純な仕方で収容できるようにするために、前記凹部が遠位方向を向いて開いていると有利である。従って、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めを備えた前記展開装置は、遠位方向に、特に、単純なクリップの前記接続領域に向かって、又は、ダブルシャンク式クリップの自由端に向かって移動させることにより、進めることができる。
【0047】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、特に、除去されるべき前記クリップの接続領域が部分的に挿入可能である緊締顎凹部の形態に、前記遠位クリップ収容止めが構成されることを実現することができる。従って、特に、規定された安全なやり方で前記クリップ容器内で前記クリップを保持できるように、前記クリップが、特にその緊締アームの前記自由端が、又はその接続領域が、前記展開装置に対して移動することを単純かつ安全に防止することが可能である。従って、特に、前記クリップは、規定されたやり方において、一方で前記凹部内で、他方で1つ以上の前記緊締顎凹部内で、保持することができる。
【0048】
前記緊締顎凹部は、好ましくは、近位方向を向いて開いている。従って、この緊締顎凹部は、特に、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めを規定する前記凹部に向かう方向を向くことができる。従って、クリップを代わりにそこで保持することができるであろうアンダーカット又は出っ張る突起を一切有することなく、クリップが、一方でその1つ以上の接続領域にて、他方でその緊締アームの自由端の前記領域において、しっかりと把持されて保持されることが可能である。
【0049】
前記展開装置が、近位方向を向く展開部材を含むと有利である。この展開部材は特に、除去されるべき前記クリップの前記緊締アームの2つの接続領域間に挿入可能である。従って、前記展開部材は、特に、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めに向かう前記方向を向くことができる。特に、前記展開部材は、前記少なくとも1つの近位クリップ収容止めに対して、好ましくはこの近位クリップ収容止めに向かう方向で、移動可能であるように構築し、このような移動の結果として、前記クリップの前記緊締アームを離れ離れに展開させることができる。
【0050】
前記展開部材が、楔形であり、かつ、近位方向を向く展開縁を有する場合、外科用クリップを、特に容易にかつ安全に離れ離れに展開することができる。従って、例えば、前記展開部材が、互いに対接する2つの緊締アーム間にそれらの自由端から押し込まれるか、又は、互いに対接する2つの接続領域間に押し込まれることが可能であり、その際、前記自由端又は前記接続領域は楔形の前記展開部材に沿って摺動するので、前記自由端又は前記接続領域を離れ離れに展開することができる。
【0051】
前記2つのツール要素が各々、展開部材部分を含み、前記展開部材部分が前記展開部材を形成する場合、前記展開装置は、特にコンパクトなやり方で構築することができる。従って、換言すれば、前記展開部材は、二部分構造であるか、又は少なくとも二部分構造である。特に、前記2つの展開部材部分は各々、遠位クリップ収容止めを含むことができ、又は、このようなクリップ収容止めに隣接して形成することができる。
【0052】
前記挿入位置のとき、前記展開装置が極力コンパクトな構造になるようにするために、前記挿入位置及び/又は前記クリップ除去位置にある前記展開部材部分が、前記展開部材を形成するように互いに対接すると有利である。従って、特に、前記器具を患者の身体内に最小侵襲のアクセスを通して挿入し、この器具を患者の身体から再び引き出すことができるようにするために、前記展開装置の極力小さい断面を規定することが可能である。
【0053】
前記器具の触知性を改良するために、この器具が、前記挿入位置を規定するための第1止め装置を含むと有利である。前記第1止め装置は特に、前記器具が前記挿入位置を占める際に、外科医が、触知できるフィードバックを受けるように構築することができる。外科医はその際、前記展開装置を用いて視認しなくても、例えば、前記2つのツール要素が閉鎖位置を占めることを確実にすることができる。
【0054】
前記器具が、改良された更なる触知性を有するようにするために、この器具が、前記クリップ除去位置を規定するための第2止め装置を含むと有利である。従って、前記クリップが収容されて離れ離れに展開された後、外科医が、前記展開装置を目視する必要なく、前記器具を前記クリップ除去位置へと転移することが可能である。前記第2止め装置のおかげで、前記構造に応じて、特に、器具がいったん前記クリップ除去位置を占めてしまえば、前記器具を他のいかなる位置にも転移できないことを確実にすることも可能である。特に、これによって、前記クリップ容器内で保持されるクリップが、前記クリップ容器から意図せずには落下できないことを確実にすることができる。前記クリップ容器は、前記クリップがそこに収容されて離れ離れに展開されてから、例えば脈管又は中空器官から除去された後に、前記クリップ容器は再び閉鎖される。
【0055】
前記第1及び/又は前記第2止め装置が、前記作動装置上に配置又は形成されると有利である。このことは、特に、前記展開装置の非常にコンパクトな構造が可能であるという利点を有する。更に、前記止め装置は前記作動装置上に、特に前記クリップ除去位置にいつ到達するかを、外科医が感知するだけでなく目視することも可能であるように形成することができる。代案として、当然ながら、前記第1及び/又は第2止め装置を前記シャフト上に、特に前記展開装置の前記領域上又は内にも配置又は形成することも考えられる。
【0056】
前記第1及び/又は前記第2止め装置は、好ましくは、互いに対して移動可能である、前記作動装置の作動部材の移動を限定するように構成される。特に、2つ又は場合によって3つ以上の作動部材をも含む作動装置では、例えば、前記作動部材の互いに対する前記移動を単純に限定することにより、前記挿入位置及び/又は前記クリップ除去位置が規定されることも可能である。前記作動部材は、特に、一方で前記シャフトに、他方で前記ツール要素のうちの一方又は双方に結合することができるため、前記作動部材が互いに対して移動する結果として、前記ツール要素を、従って前記クリップ収容止めを、互いに対して移動させることもできるようになる。
【0057】
互いからできるだけ遠い位置にある前記作動部材が、前記クリップ収容位置を規定すると有利である。従って、外科医は、前記作動部材を互いから離れる方に移動させることにより、前記器具を前記クリップ収容位置に容易に転移することが可能である。
【0058】
更に、互いにできるだけ近い位置にある前記作動部材が、前記クリップ展開位置を規定すると有利なことがある。このようにして、特に、外科医は単に、作動部材が互いの方にそれ以上移動できなくなるまで作動部材を互いの方に移動させればよいので、前記器具の取り扱いが改良される。その際、外科医は、前記クリップが最大限まで離れ離れに展開され、このクリップを前記脈管又は中空器官から容易に除去できることを確信することができる。
【0059】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、互いからできるだけ遠い位置から互いにできるだけ近い位置に転移する時に、前記ツール要素が閉鎖される規定の中間位置を前記作動部材が占めるよう、前記第1止め装置が配置又は形成されることを実現することができる。従って、前記器具が前記挿入位置を占めるように前記第1止め装置を設計することが容易に可能である。特に、外科医は、前記展開装置を直接目視することができなくても、前記器具が前記挿入位置を占めていることを、前記作動部材の規定された前記中間位置から判断することができる。
【0060】
前記第1止め装置が中間止めを含む場合、前記器具の構造は特に単純である。前記中間止めは、前記作動部材のうちの一方の上に配置され、他方の前記作動部材と相互作用して前記挿入位置を規定する。前記中間止めは特に、一方の前記作動部材上で静止状態に配置することができ、又は別法として、移動可能であるようにも配置することができる。例えば、前記器具を前記挿入位置から前記クリップ展開位置へ転移するために、前記中間止めは、特に、規定された復元力を備えた復元部材、例えば圧縮ばねの作用に逆らって移動できるように構築することができる。代案として、前記中間止めが変形可能な構造であり、この中間止めを変形させるために特定の力が求められることも可能である。
【0061】
前記挿入位置から前記クリップ展開位置へ転移するために、前記中間止めが一時的に解除可能であることが有利である。先行する段落において説明したように、例えば、前記挿入位置から前記クリップ展開位置へ前記作動部材を、従って前記器具をも移動できるようにするために、前記中間止めを、この中間止めがその上に配置又は形成される前記作動部材に対して移動させることができるという点で、前記中間止めは解除し又は無効にすることができる。特に、前記止めは、他方の作動部材の対応する突起が、復元部材の前記作用に逆らって前記中間止めをそれに沿って摺動させ変位させることができる摺動面を備えて形成することができる。外科医は前記復元部材の効果を感知することができるので、前記作動部材を例えば互いの方に移動させる力がいったん増加すると、外科医は、前記器具が前記挿入位置を占めるときを感知することができる。
【0062】
前記中間止めが、遠位方向を向く中間止め面を含むと有利である。従って、規定の止めを容易に形成することができる。前記挿入位置を解放するために、例えば、前記中間止め面は、特に、他方の前記作動部材の一部がこの中間止め面に沿って摺動するときに前記中間止めを移動させるための摺動面として、記載したやり方で形成することができる。
【0063】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、前記第2止め装置が端部止めを含むと有利なことがある。前記端部止めは、前記作動部材のうちの一方の上に配置され、他方の前記作動部材と相互作用して前記クリップ除去位置を規定する。特に、前記端部止めは、前記器具をもはや前記クリップ展開位置又は前記クリップ収容位置へ転移できないような仕方で形成することができる。従って、特に、前記器具が患者の身体から引っ張り出される際に、脈管又は中空器官から除去されたクリップを前記クリップ容器内でしっかりと保持できることを確実にすることができる。
【0064】
前記クリップ除去位置から前記挿入位置へ転移するために、前記端部止めが一時的に解除可能であることが有利である。このことは特に、前記器具が、再利用可能な器具の形態に構成される際に有利である。例えばその端部止めを備えた前記第2止め装置により永久的に封鎖された前記器具は、例えば、相応に手動で介入することによって初めて前記挿入位置へ再び転移可能であるように構成することができる。このようにして、例えば、前記クリップを患者の身体から安全に除去し、前記クリップを前記クリップ容器から除去した後に初めて、前記器具は更なるクリップを除去する用意が再びできることを確実にすることができる。例えば、手術者が前記中間止め面を手で押さえ付けることにより、一時的に解除することができる。前記中間止め面は、復元部材によりその位置において事前緊張させることができる。
【0065】
前記端部止めが、近位方向を向く端部止め面を含むと有利である。従って、前記作動部材が、例えば互いから離れる方に移動すること、又は別法として、互いの方に移動することも、単純かつ規定された仕方で防止することができる。
【0066】
前記第1及び第2止め装置が、前記中間止め面及び/又は前記端部止め面を含む突起を含む場合、前記器具の構造は特に単純である。従って、前記突起は特に、前記中間止めと前記端部止めの双方を形成することができるので、前記器具を形成するには最小限の数の部品だけあればよい。
【0067】
脈管又は中空器官から除去されるクリップが前記クリップ容器から落下できないようにするために、前記器具が、前記器具を前記クリップ除去位置に固定するための固定装置を含むと有利である。特に、クリップがいったん前記クリップ除去位置に到達すると、前記固定装置により、他のいかなる位置へももはや転移可能ではないような仕方での前記器具の構成を可能にすることができる。
【0068】
このようにして、特に、前記クリップ容器内に収容されるクリップがクリップ容器から意図せず落下しないようにすることが可能である。
【0069】
特に、前記固定装置が前記第2止め装置を含むことにより、前記器具の特にコンパクトな構造を達成することができる。
【0070】
特に、前記作動装置と前記シャフトとが、前記シャフトの長手方向軸の周りで互いに対して回転可能であることにより、前記器具の取り扱いを更に改良することができる。このことにより、外科医は、前記作動装置の位置が外科医にとって生体工学的であるときにクリップを容易にかつ安全に収容できるような仕方で前記展開装置を配向できるように、前記シャフトと前記ハンドルとを互いに対して移動させることが可能になる。
【0071】
洗浄可能性を改良するために、更に、複数のクリップを除去すべく、前記器具をより迅速に再び利用可能にするために、前記器具が、前記シャフトに解放可能に接続可能であり、かつ、前記作動装置を含む器具ハンドルを含むと有利である。従って、例えば、前記器具ハンドル及び前記シャフトが互いとは別に洗浄されることが可能である。更に、前記シャフトは任意で、クリップが前記器具により除去されると、前記器具ハンドルから解放することができる。それから、前記器具ハンドルは更なるシャフトに接続することができる。前記更なるシャフトはクリップを収容する用意が既に再びできおり、その一方、クリップをちょうど除去した前記シャフトは、特に、前記クリップ容器から前記クリップを除去することにより、更なるクリップを収容する用意ができているようにすることができる。
【0072】
本発明の好適な実施形態の以下の記載は、図面と合わせると、より詳細に説明するように働く。