【実施例1】
【0015】
[関節構造体の構成]
図1は、実施例1に係る関節構造体の本体部を示す斜視図、
図2は、実施例1に係る関節構造体を示す断面図である。
【0016】
関節構造体1は、
図1及び
図2のように、本体部3と、アクチュエータ5とを備えている。本体部3は、ロボットの指等に適用可能な複数の関節部7a〜7dを有する多関節部材であり、アクチュエータ5によって関節部7a〜7dがそれぞれ駆動可能となっている。
【0017】
本体部3は、複数の関節部材9a〜9eが直列に設けられ、隣接する関節部材9a及び9b、9b及び9c、9c及び9d、9d及び9eがヒンジ11を介して揺動自在に結合されて各関節部7a〜7dが構成されている。各関節部7a〜7dにおいては、隣接する関節部材の一方(
図1の左側)が基部側となり、同他方(
図1の右側)が可動側となる。関節部材9aは、本実施例において本体部3の基端部となっており、ロボット等に対して取り付けられる。関節部材9eは、本体部3の先端部となっている。
【0018】
各関節部材9a〜9eは、中空状に構成されており、本体部3の延設方向の前後二箇所で一対の対向壁部13,15間にヒンジ11が取り付けられている。なお、関節部材は、中実状に形成しても良い。
【0019】
本実施例の対向壁部13,15は、同一形状の板状体であり、例えば金属等で構成されている。対向壁部13,15は、本体部3の延設方向の前後が山型に突出し、対向する突出部分間にヒンジ11が取り付けられる。なお、関節部材9aには、本体部3の延設方向の後部に突出する突出部分が形成されていない。
【0020】
ヒンジ11は、円筒又は円柱状のピンからなり、例えば金属等で構成されている。隣接する関節部材間では、ヒンジ11が共用され、ヒンジ11を支点とした関節部材相互の揺動が許容される。
【0021】
アクチュエータ5は、無端体ユニット17と、抵抗付与部19とを備えている。
【0022】
図3は、無端体ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【0023】
無端体ユニット17は、
図2及び
図3のように、本体部3の内部、つまり関節部材9a〜9eの対向壁部13,15間を通って設けられ、駆動ローラ21と、従動ローラ23と、無端体としてのベルト25とを備える。
【0024】
駆動ローラ21は、例えば金属等で構成され、基端部の関節部材9aの対向壁部13,15間に回転自在に取り付けられている。駆動ローラ21は、スプロケット等を介して、駆動源としての電動モータ27により回転駆動される。
【0025】
従動ローラ23は、例えば金属等で構成され、先端部の関節部材9eの対向壁部13,15間に回転自在に取り付けられている。
【0026】
本実施例の駆動ローラ21及び従動ローラ23は、ヒンジ11に対して関節部材9a〜9eの揺動方向の一側に偏倚し、且つ本体部3が直線状となっている基本姿勢において本体部3の延設方向で相互に重なる位置に設けられている。なお、駆動ローラ21及び従動ローラ23の位置は、関節構造体1の用途やそれに基づく本体部3の基本姿勢等に応じ、適宜設定することが可能である。
【0027】
駆動ローラ21及び従動ローラ23間には、ベルト25が巻回されている。これにより、ベルト25は、全ての関節部材9a〜9eにわたって走行駆動される構成となっている。
【0028】
本実施例のベルト25は、導電性材料からなる無端ループ状であり、電気的に接地されている。ベルト25の接地は、ブラシ等を利用して適宜行わせることが可能である。
【0029】
ベルト25の中間部は、各関節部材9a〜9eに設けられたガイド・ローラ29により走行がガイドされる。また、ベルト25は、テンショナー31によって張力が与えられて緩みが防止されている。
【0030】
テンショナー31は、例えばバネ等の弾性部材で構成され、駆動ローラ21を関節部材9aに対して支持している。このテンショナー31は、駆動ローラ21を従動ローラ23に対して本体部3の延設方向で離反するように付勢する。これにより、ベルト25の自由走行時に本体部3(関節部材9a〜9e)を基本姿勢とすることができる。
【0031】
図4は、
図2の一つの関節部材を示す拡大図である。
図5は、
図4の関節部材に設けられた抵抗付与部の吸着層部の具体構造をベルトと共に示す概念図であり、
図5(A)は、電圧が印可されていない状態、
図5(B)は、電圧が印可された状態である。
【0032】
抵抗付与部19は、
図2及び
図4のように、各関節部7a〜7dにおいて可動側となる関節部材9b〜9eにそれぞれ設けられている。各抵抗付与部19は、全体として板状に構成されて関節部材9b〜9eの対向壁部13,15間に固定され、無端体ユニット17のベルト25の一部表面に対向している。本実施例の抵抗付与部19は、関節部材9b〜9eの揺動方向の一方の縁部に位置している。
【0033】
抵抗付与部19は、
図4のように、絶縁層部33と吸着層部35とで構成されている。
【0034】
絶縁層部33は、電気絶縁性を有する板状体からなる。この絶縁層部33は、無端体ユニット17のベルト25に沿って関節部材9b〜9eの対向壁部13,15間に固定されている。絶縁層部33の表面には、吸着層部35が積層されている。
【0035】
吸着層部35は、
図5(A)のように、電気絶縁媒体37に複数の電気レオロジー粒子39を分散させた電気レオロジー材料の板状体からなる。なお、吸着層部35は、導電性材料で構成することも可能である。この場合は、無端体ユニット17のベルト25が電気レオロジー材料で構成される。
【0036】
電気絶縁媒体37は、例えば粘着性のないフッ素系樹脂やシリコン樹脂等からなり、電気レオロジー粒子39は、例えばシリカゲルやカーボン等の固体粒子からなる。
【0037】
吸着層部35の裏面には、銅等の導電性金属からなる電極41が取り付けられている。電極41は、電圧源43に接続されている。これにより、電圧源43は、無端体ユニット17のベルト25と吸着層部35(抵抗付与部19)との間に対し、スイッチ45を通じて電圧の印加及びその解除が切り替え可能となっている。電極41の裏面側は、絶縁層部33に取り付けられている。
【0038】
吸着層部35の表面は、対向する無端体ユニット17のベルト25に摺接する摺接面47を構成している。摺接面47では、電気レオロジー粒子39の断面からなる吸着面49が外部に露出している。なお、本実施例の吸着面49は、摺接面47と面一となっている。
【0039】
この吸着面49は、
図5(B)のように、吸着層部35とベルト25との間の電圧の印加時にも摺接面47上で外部に露出して保持され、電気力によってベルト25に対する吸着力を発生する。
【0040】
具体的には、吸着層部35の電極41とベルト25との間で生じる電気力線により、吸着層部35の吸着面49に電気力によってベルト25に対する吸着力が生じる。かかる吸着力は、マクスウェル応力によって生じていると考えられる。
【0041】
これにより、抵抗付与部19は、電圧の印加に応じてベルト25の一部を引き付けてベルト25の走行に抵抗を与える構成となっている。
【0042】
電圧が印可されていない平常状態においては、
図5(A)のように、吸着面49による吸着力が生じず、吸着面49を含む摺接面47がベルト25の自由な走行を許容する。
[関節構造体の動作]
図6は、
図2の関節構造体の動作を示す断面図である。
【0043】
本実施例の関節構造体1は、例えばロボットの指として対象物を把持する場合等に、
図6(A)〜
図6(D)のように、関節部7a〜7dがアクチュエータ5により駆動されて曲げられる。
【0044】
具体的には、まず、
図2の基本姿勢において、アクチュエータ5の無端体ユニット17のベルト25を電動モータ27によって走行駆動させておく。この状態で、駆動対象となる関節部7a〜7dの何れか一つ又は複数において、可動側となる関節部材9b〜9eを揺動させる。
【0045】
具体的には、関節部7a〜7dの何れか一つ又は複数において、可動側となる関節部材9b〜9eに取り付けられたアクチュエータ5の抵抗付与部19と無端体ユニット17のベルト25との間に電圧を印加する。
【0046】
これにより、
図5(B)のように、抵抗付与部19の吸着層部35の吸着面49により摺接面47にベルト25に対する吸着力が生じて、ベルト25の走行に抵抗が与えられる。
【0047】
結果として、ベルト25は、走行に与えられた抵抗に基づく抵抗付与部19のせん断力と電動モータ27による走行駆動力とに応じ、抵抗付与部19の摺接面47、吸着層部35、絶縁層部33を介し、駆動対象の関節部(7a〜7d)における可動側の関節部材(9b〜9e)を引張ることができる。
【0048】
なお、ベルト25の一部を摺接面47に吸着力で固定すれば、動作を安定させることができる。吸着力は、電圧の変化に応じて変化させることができる。
【0049】
かかる引張りに応じ、可動側の関節部材(9b〜9e)がヒンジ11を介して選択的に基部側の関節部材(9a〜9d)に対して揺動し、関節構造体1が曲がる。
【0050】
このように関節部7a〜7dは、アクチュエータ5により必要に応じて選択的に駆動され、関節部材9b〜9eを選択的に揺動させて関節構造体1を曲げることができる。
【0051】
例えば、
図6(A)のように関節部7dが駆動される場合は、可動側の関節部材9eが基部側の関節部材9dに対して揺動して関節構造体1が曲げられる。
【0052】
また、
図6(B)のように更に関節部7cが駆動された場合は、関節部7dで基部側であった関節部材9dも、関節部7cで可動側となって基部側の関節部材9cに対して揺動する。
【0053】
同様に、
図6(C)のように更に関節部7bが駆動された場合は、関節部材9cが関節部材9bに対して揺動し、
図6(D)のように更に関節部7aが駆動された場合は、関節部材9bが関節部材9aに対して揺動する。
【0054】
なお、関節構造体1では、
図6(A)〜(D)のように、先端側の関節部7d〜7aから順次駆動する必要はなく、上述のように関節部7a〜7dの何れか一つ又は複数を必要に応じて適宜駆動することが可能である。
【0055】
ただし、相対的に先端側の関節部、例えば関節部7dと、相対的に基部側の関節部、例えば関節部7cとの双方を駆動する場合は、
図6(B)のように先端側の関節部7dを駆動した後に基部側の関節部7bを順次駆動する必要がある。
【0056】
各関節部7a〜7dの駆動時には、抵抗付与部19に対する電圧の印加と、可動側の関節部材9b〜9eの揺動をベルト25の走行駆動を継続させることで維持される。このため、例えば関節構造体1を用いて対象物を把持する際等には、対象物に対して圧力をかけ続けることができ、対象物の落下等を抑制することができる。
【0057】
このとき、アクチュエータ5の抵抗付与部19及びベルト25間の電圧及びベルト25の走行駆動力を調整すれば、対象物に対する圧力の制御が可能である。
【0058】
関節構造体1(揺動した可動側の関節部材9b〜9e)を基本姿勢に戻す際は、関節部7a〜7dの抵抗付与部19に対する電圧の印加を解除すればよい。これにより、ベルト25は、自由走行状態となり、テンショナー31により与えられる張力によって関節構造体1(揺動した可動側の関節部材9b〜9e)を基本姿勢とすることができる。
[実施例1の効果]
本実施例のアクチュエータ5は、基部側の関節部材9a〜9dにヒンジ11を介して可動側の関節部材9b〜9eが揺動自在に結合された関節部7a〜7dを駆動するアクチュエータであって、基部側及び可動側の関節部材9a〜9eにわたって走行駆動されるベルト25を有する無端体ユニット17と、可動側の関節部材9b〜9eに設けられ電圧の印加に応じてベルト25の一部を引き付けてベルト25の走行に抵抗を与える抵抗付与部19とを備えている。
【0059】
従って、本実施例のアクチュエータ5では、ベルト25を走行駆動している状態で、可動側の関節部材9b〜9eの抵抗付与部19により電圧の印加に応じてベルト25の走行に抵抗を与えれば、ベルト25が抵抗付与部19を介して対応する可動側の関節部材を引張ることで揺動させることができる。
【0060】
このため、本実施例のアクチュエータ5では、駆動源である電動モータ27の出力制御によらず、抵抗付与部19に対する電圧制御によって関節部7a〜7dを駆動することが可能となる。
【0061】
結果として、本実施例のアクチュエータ5では、電動モータ27はベルト25を走行駆動するために一つ設ければよく、構造の簡素化や軽量化等を図ることができる。特に、複数の関節部7a〜7dを駆動する場合には、駆動源に代えて関節部7a〜7dに抵抗付与部19をそれぞれ設ければよいので、構造の簡素化や軽量化等の上で有利である。
【0062】
また、本実施例のアクチュエータ5では、上述のように駆動源である電動モータ27の出力制御によらずに抵抗付与部19に対する電圧制御によって関節部7a〜7dを駆動することが可能となるので、関節部7a〜7dの駆動後に可動側の関節部材9b〜9eを容易に基本姿勢に戻すことができる。
【0063】
すなわち、従来のように駆動源の出力制御によって関節部を駆動する場合は、可動側の関節部材を基本姿勢に戻す際も駆動源の出力制御を行う必要がある。
【0064】
これに対し、本実施例のアクチュエータ5では、抵抗付与部19に対する電圧の印加を解除すれば、関節部材9b〜9eを自由に揺動させることができるので、バネのような付勢部材等を用いることで関節部材9b〜9eを容易に基本姿勢に戻すことができる。また、そのような付勢部材を用いれば、関節構造体1を曲げない待機状態において、関節部材9b〜9eの基本姿勢を保持するのにも有効である。
【0065】
本実施例のアクチュエータ5では、ベルト25に張力を与えて自由走行時に可動側の関節部材9b〜9eを基本姿勢とするテンショナー31を備える。
【0066】
従って、アクチュエータ5では、ベルト25のたるみを防止するテンショナー31を利用して、関節部材9b〜9eを容易且つ確実に基本姿勢に戻すこと及び基本姿勢の保持が可能となる。
【0067】
抵抗付与部19は、電気レオロジー材料及び導電性材料の一方で構成されてベルト25に対する摺接面47を有し、ベルト25は、電気レオロジー材料及び導電性材料の他方で構成され、抵抗付与部19は、ベルト25との間に印可された電圧に応じてベルト25の一部を摺接面47に吸着する。
【0068】
従って、本実施例のアクチュエータ5では、容易且つ確実にベルト25の走行に抵抗を与えて関節部7a〜7dを駆動することができると共に、より確実に構成の簡素化を図ることができる。
【0069】
本実施例のアクチュエータ5を適用した関節構造体1は、複数の関節部材9a〜9eを直列に設け、隣接する関節部材がヒンジ11を介して揺動自在に結合されて関節部7a〜7dを構成し、アクチュエータ5のベルト25が複数の関節部材9a〜9eにわたって走行駆動され、アクチュエータ5の抵抗付与部19が、各関節部7a〜7dでの可動側となる関節部材9b〜9eに設けられた。
【0070】
このため、関節構造体1では、複数の各関節部7a〜dの駆動を抵抗付与部19の電圧制御により容易且つ確実に行うことができる。
【0071】
また、関節部7a〜7dが駆動時には、抵抗付与部19に対する電圧印加と、可動側の関節部材9b〜9eの揺動をベルト25の走行駆動とを継続させることで維持される。このため、例えば関節構造体1を用いて対象物を把持する際等には、対象物に対して圧力をかけ続けることができ、対象物の落下等を抑制することができる。
【0072】
関節構造体1では、各関節部7a〜7dにベルト25に対する駆動源がないので、構造の簡素化や軽量化等が実現される。
【0073】
なお、アクチュエータ5を有する関節構造体は、必ずしも複数の関節部7a〜7dが要求されず、少なくとも1つの関節部を有するものとして構成できる。
[変形例]
図7は、実施例1の変形例に係り、抵抗付与部の吸着層部の具体構造をベルトと共に示す概念図であり、
図7(A)は、電圧が印可されていない状態、
図7(B)は、電圧が印可された状態である。
【0074】
本変形例の抵抗付与部19は、吸着層部35が電気レオロジー材料からなり、摺接面47に対する反対側面に一対の電極41a,41bを有している。抵抗付与部19は、一対の電極41a,41b間に電圧を印加することで摺接面47にベルト25を吸着する。
【0075】
このように、本変形例では、抵抗付与部19が、電気レオロジー材料で構成されて、ベルト25に対する摺接面47と、この摺接面47に対する反対側面に少なくとも一対の電極41a,41bとを有し、一対の電極41a,41b間に電圧を印加することで摺接面47にベルト25を吸着する。
【0076】
従って、かかる変形例では、実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、ベルト25を接地する必要がなく、構成を簡素化することができる。
【0077】
図8は、実施例1の他の変形例に係り、抵抗付与部の吸着層部の具体構造をベルトと共に示す概念図であり、
図8(A)は、電圧が印可されていない状態、
図8(B)は、電圧が印可された状態である。
【0078】
図8の変形例では、抵抗付与部19の吸着層部35の電気レオロジー粒子39が電圧の印加に応じて摺接面47に対して出没する構成となっている。
【0079】
吸着層部35は、粘着性及び弾性を有する電気絶縁媒体37に複数の電気レオロジー粒子39を分散させて形成されている。
【0080】
電気レオロジー粒子39は、吸着層部35の摺接面47から突出した状態で保持され、電気レオロジー効果によって、電圧の印加時に吸着層部35の内部に相対的に没入する。
【0081】
この没入により、吸着層部35は、その粘着性によって摺接面47にベルト25に対する物理的な吸着力及びそれによる抵抗を生じさせる。
【0082】
かかる変形例でも、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0083】
図9は、実施例1の更に他の変形例に係り、抵抗付与部の具体構造をベルトと共に示す概念図であり、
図9(A)は、電圧が印可されていない状態、
図9(B)は、電圧が印可された状態である。
【0084】
図9の変形例では、
図9(A)のように、抵抗付与部19を電磁石51とアーマチャ53とで構成し、ベルト25を非磁性体で構成したものである。
【0085】
電磁石51は、関節部材9b〜9eの対向壁部13,15間に固定されると共に電圧源43に接続されている。アーマチャ53は、電磁石51に対してベルト25を挟んで対向配置され、対向壁部13,15間で電磁石51に対して近接離反可能に支持されている。
【0086】
本変形例では、各関節部7a〜7dの駆動時に、
図9(B)のように、電磁石51が電圧を印加に応じて磁力を発生させ、磁力によって電磁石51にアーマチャ53を引き付ける。これにより、ベルト25が電磁石51とアーマチャ53との間で挟持され、ベルト25の走行に磁力に基づく抵抗が与えられる。
【0087】
このように、本変形例の抵抗付与部19は、可動側の関節部材9b〜9eに固定された電磁石51と、この電磁石51に対してベルト25を挟んで対向配置された磁性体のアーマチャ53とを備え、電磁石51の電圧の印加に応じた磁力に基づいてベルト25を電磁石51とアーマチャ53との間で挟持する。
【0088】
従って、本変形例においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0089】
図10は、実施例1の更に他の変形例に係り、抵抗付与部の具体構造をベルトと共に示す概念図であり、
図10(A)は、電圧が印可されていない状態、
図10(B)は、電圧が印可された状態である。
【0090】
図10の変形例では、
図9の変形例に対してアーマチャ53を省略し、ベルト25を導電性材料による磁性体としたものである。
【0091】
かかる変形例では、各関節部7a〜7bの駆動時に、
図10(B)のように、電磁石51が電圧の印加に応じて磁力を発生させ、発生した磁力によってベルト25を引き付ける。これにより、ベルト25の走行に磁力に基づく抵抗が与えられる。
【0092】
このように、本変形例では、ベルト25が、磁性体で構成され、抵抗付与部19が、可動側の関節部材9b〜9eに固定された電磁石51であり、電磁石51の電圧の印加に応じた磁力に基づいてベルト25を吸着する。
【0093】
従って、本変形例においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【実施例2】
【0094】
図11は、実施例2に係る関節構造体を示す断面図である。なお、実施例2は、基本構成が実施例1と共通するため、対応する構成部分に同符号又は同符号にAを付加した符号を用いて重複した説明を省略する。
【0095】
本実施例の関節構造体1Aでは、アクチュエータ5Aの無端体ユニット17Aが一対のベルト25Aa,25Abを備え、抵抗付与部19Aが一対の各ベルト25Aa,25Abに対して設けられている。
【0096】
ベルト25Aa,25Abは、ヒンジ11に対する関節部材9aA〜9eAの揺動方向の両側にそれぞれ配置されて逆向きに走行駆動されるようになっている。
【0097】
なお、一対のベルト25Aa,25Abは、対称な構成であるため、主に一方のベルト25Aaについて説明し、他方のベルト25Abについて同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0098】
ベルト25Aaは、従動ローラ23A,55間に巻き回されている。従動ローラ55は、実施例1の駆動ローラ21に代えて設けられている。この従動ローラ55は、テンショナー31により付勢されている。
【0099】
本実施例の駆動ローラ21Aは、従動ローラ55に対して関節構造体1Aの延設方向前方側で関節部材9aAに設けられている。駆動ローラ21Aは、ピンチ・ローラ57と対で設けられ、ピンチ・ローラ57との間に一対のベルト25Aa,25Abの対向部分の一部を挟持している。これにより、駆動ローラ21Aは、一対のベルト25Aa,25Abを逆方向に走行駆動可能となっている。なお、ベルト25Aa,25Abに対しては、それぞれ電動モータ27を設けてもよい。
【0100】
抵抗付与部19Aは、基本的に実施例1と同様の構成であるが、ベルト25Aa,25Abの双方に対応して、各関節部材9aA〜9eAに一対ずつ設けられている。
【0101】
各一対の抵抗付与部19Aは、関節部材9aA〜9eAの揺動方向の両縁部で相互に対向配置され、摺接面47,47がベルト25Aa,25Abにそれぞれ摺接している。
【0102】
本実施例では、
図11の二点鎖線で示すように、ヒンジ11に対して揺動方向の両側に位置するベルト25Aa,25Ab及び抵抗付与部19Aによって各関節部7aA〜7dAを駆動し、関節部材9bA〜9eAを揺動方向の両側に揺動させて関節構造体1Aを曲げることができる。
【0103】
また、本実施例では、関節部7aA〜7dAの内の複数を駆動する場合、駆動される関節部を逆方向に揺動させることができる。例えば、関節部7eAを
図11の二点差線のように図中左側に揺動させ、他の関節部7bAや7cAを
図11の二点差線のように図中右側に揺動させることも可能である。
【0104】
このため、本実施例では、関節構造体1Aの動きの自由度を向上させることができる。
【0105】
また、本実施例のベルト25Aa,25Abは、対向部分を挟持する駆動ローラ21A及びピンチ・ローラ57を備え、駆動ローラ21Aによって逆向きに走行駆動される。
【0106】
従って、一対のベルト25Aa,25Abに対して駆動ローラ21Aを駆動するための単一の駆動源を設ければよく、構造の簡素化等を図ることができる。
【0107】
その他、本実施例においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。なお、実施例2においても、実施例1の変形例の構造を採用することができる。
【実施例6】
【0135】
図15は、実施例6に係る関節構造体を適用した歩行機構を示す斜視図、
図16は、同背面図、
図17は、同側面図である。なお、実施例6は、実施例1〜5と対応する構成部分に同符号又は同符号にEを付加した符号を用いて重複した説明を省略する。
【0136】
本実施例では、関節構造体1Eが歩行機構83に適用され、歩行機構83の一対の歩行用の脚部を、それぞれ関節構造体1Eによって構成している。本実施例の歩行機構83は、矩形板状の連結ベース部85に、脚部としての一対の関節構造体1Eが結合されている。
【0137】
各関節構造体1Eは、実施例5の関節構造体1Dに対して、上下逆向きに構成されている。なお、
図15〜
図17の例では、関節構造体1Eが四つの関節部材9aE〜9dEによる三つの関節部7aE〜7cEを有する場合であり、人間の脚部に対応した構成となっている。
【0138】
具体的には、基端部の関節部材9aEが連結ベース部85に一体に結合され、下端部の関節部材9aEから下方に順次関節部材9bE〜9dEがヒンジ11により揺動自在に結合されている。関節部材9bE〜9dEは、それぞれ脚部の大腿部、下腿部、足に対応し、関節部7aE〜7cEは、それぞれ股関節、膝、足首に対応する。
【0139】
かかる関節構造体1Eでは、関節部7aE及び7bE間にストッパー73aE,73bEが設けられている。ストッパー73aE,73bEは、実施例3と同様に、突起部75E及び突当部77Eで構成されている。
【0140】
ただし、本実施例のストッパー73aE,73bEの突起部75Eは、関節部材9aE,9bEに設けられ、突当部77Eは、関節部材9bE及び9cEに設けられている。
【0141】
これらストッパー73aE,73bEは、関節部材9bD,9cDの揺動範囲を規制できる点で実施例3と同様である。特に、ストッパー73bEは、ヒンジ11に対する揺動方向の一側、本実施例では歩行機構83の歩行方向の前方側に位置しており、ストッパー73aEは、ヒンジ11に対する揺動方向の他側、本実施例では歩行機構83の歩行方向の後方側に位置している。
【0142】
従って、関節部材9bD,9cDの揺動範囲の規制を通じ、関節部7aE及び7bEを股関節及び膝と同様の可動範囲とすることができる。
【0143】
関節構造体1Eのアクチュエータ5Eは、
図17のように、実施例2のアクチュエータ5Aを上下逆向きにした構成に略対応する。
【0144】
すなわち、関節構造体1Eでは、アクチュエータ5Eの無端体ユニット17Eが一対のベルト25Ea,25Ebを備え、抵抗付与部19Eが一対の各ベルト25Ea,25Ebに対して設けられている。
【0145】
ベルト25Ea,25Ebは、それぞれ基端部の関節部材9aEに支持された従動ローラ55Eと、下端部の関節部材9dEに支持された従動ローラ23Eとの間に巻き回されている。これらベルト25Ea,25Ebは、関節部材9aEに支持された駆動ローラ21E及びピンチ・ローラ57Eに部分的に挟持され、駆動ローラ21Eによって逆方向に走行駆動可能となっている。
【0146】
駆動ローラ21Eは、
図16のように、電動モータ27Eによって回転駆動される。電動モータ27Eは、一対の関節構造体1E間に配置され、出力軸87a,87bが一対の関節構造体1Eの対向壁部15Eに回転自在に支持されている。この出力軸87a,87bに一対の関節構造体1Eの駆動ローラ21Eがそれぞれ結合されている。従って、電動モータ27Eは、一対の関節構造体1Eの駆動ローラ21Eを駆動する単一の駆動源となっている。
【0147】
かかる構成の歩行機構83は、一対の脚部としての関節構造体1Eにおいてアクチュエータ5Eにより関節部7aE〜7cEを駆動し、それら関節構造体1Eを曲げながら歩行することができる。
【0148】
また、各関節構造体1Eは、実施例1で説明したように、電動モータ27Eによってベルト25Ea,25Ebを走行状態とさえしておけば、あとは抵抗付与部19Eに対する電圧制御によって関節部7aE〜7cEを駆動することが可能である。
【0149】
結果として、一対の関節構造体1Eに対しても、電動モータ27Eはベルト25Ea,25Ebを走行駆動するために一つ設ければよく、構造の簡素化や軽量化等を図ることができる。
【0150】
このように構成しても、歩行機構83は、一対の関節構造体1Eの動作に対し、アクチュエータ5Eでの抵抗付与部19Eの電圧制御を通じた複雑な制御ができ、確実な歩行を実現できる。
【0151】
また、本実施例の走行機構83は、実施例5と同様、ストッパー73aE,73bEによって大きな荷重でも安定的に支えることができ、歩行型ロボットの脚部等として確実に適用できる。
【0152】
また、本実施例の歩行機構83では、ストッパー73aE,73bEの配置を通じて人間の脚部を再現でき、歩行性能を向上することができる。
【0153】
その他、本実施例においても、上記実施例1〜5と同様の作用効果を奏することができ、また、実施例1と同様の変形例を適用することができる。
[その他]
実施例1〜6では、アクチュエータ及び間接構造体をロボットの指や脚部等に適用する場合を例について説明したが、本発明のアクチュエータ及び関節構造体は、駆動が必要な関節部を有する各種の構造体に広く適用することができる。例えば、クレーンや関節部での蛇行運動により走行する走行体等にも適用可能である。