(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771730
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】回転型熱処理装置
(51)【国際特許分類】
F27B 7/24 20060101AFI20150813BHJP
F27B 7/06 20060101ALI20150813BHJP
F27B 7/08 20060101ALI20150813BHJP
F27B 7/12 20060101ALI20150813BHJP
F27B 7/18 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
F27B7/24
F27B7/06
F27B7/08
F27B7/12
F27B7/18
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-169881(P2014-169881)
(22)【出願日】2014年8月22日
(62)【分割の表示】特願2010-64253(P2010-64253)の分割
【原出願日】2010年3月19日
(65)【公開番号】特開2015-17799(P2015-17799A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2014年9月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000167200
【氏名又は名称】光洋サーモシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浮田 昭宏
(72)【発明者】
【氏名】松田 伸
【審査官】
坂巻 佳世
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−213379(JP,A)
【文献】
特開平05−157455(JP,A)
【文献】
特開2007−120694(JP,A)
【文献】
特開2000−002340(JP,A)
【文献】
特開2006−068629(JP,A)
【文献】
特開2010−038508(JP,A)
【文献】
特開2000−171152(JP,A)
【文献】
特開2005−163065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 7/24
F27B 7/06
F27B 7/08
F27B 7/12
F27B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向の一端部に被処理物の排出口を備え、熱処理時に前記排出口よりも被処理物の排出方向の下流側で密閉されて内部が真空状態とされる筒状の処理容器と、
前記処理容器内の被処理物を熱処理する加熱装置と、
前記処理容器をその軸心回りに正逆両方向に回転駆動可能であり、かつ前記被処理物の熱処理時に前記処理容器を一方向に回転駆動する回転駆動部と、
前記処理容器と、回転型熱処理装置の固定側とを相対回転可能に接続するロータリージョイントと、
を備えており、
前記処理容器内には、当該処理容器の他方向の回転によって被処理物を前記排出口へ移送する移送羽根と、前記処理容器内の被処理物を撹拌する撹拌羽根とが設けられ、
前記ロータリージョイントは、
前記処理容器に連結され、軸方向に延びる軸部を有する回転側部材と、
前記回転型熱処理装置の固定側に連結され、前記軸部の径方向外側に間隔をあけて配置された軸方向に延びるボス部を有する固定側部材と、
前記軸部と前記ボス部との径方向の間に軸方向に間隔をあけて設けられ、前記軸部と前記ボス部とを相対回転可能に連結する複数の軸受と、
前記処理容器の内部に通じる、前記軸部と前記ボス部との径方向の間をシールし、前記処理容器内の真空を維持するシール部材と、を備え、
前記シール部材は、
前記複数の軸受の軸方向の間であって、前記軸部と前記ボス部とに挟まれた状態で配置される第1シール部材と、
前記複数の軸受のうち最も前記処理容器の内部側に配置された軸受を、前記処理容器の内部側からシールする第2シール部材と、
とを含むことを特徴とする回転型熱処理装置。
【請求項2】
前記処理容器は、軸方向に延びる大径部分と、当該大径部分の前記排出口側の端部に設けられ、当該排出口側ほど小径に形成された円錐部とを有し、
前記処理容器は、前記排出口側が低位となるように傾斜して配置されるとともに、前記円錐部の下面が前記排出口側へ向けて上り傾斜となるように配置され、
前記円錐部内に前記移送羽根が設けられている、請求項1に記載の回転型熱処理装置。
【請求項3】
前記第1シール部材は、前記複数の軸受のうち最も前記処理容器の内部側に配置された第1の軸受側と、最も前記処理容器の外部側に配置された第2の軸受側とに分かれて複数設けられ、かつ前記第2の軸受側よりも前記第1の軸受側により多く配置されている、請求項1又は2に記載の回転型熱処理装置。
【請求項4】
前記複数の軸受の軸方向の間であって、前記第1シール部材の配置スペースにグリースが充填される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転型熱処理装置。
【請求項5】
前記軸部と前記ボス部との径方向の間であって、前記第2シール部材の配置スペースにグリースが充填される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転型熱処理装置。
【請求項6】
前記処理容器は、軸方向に延びる大径部分と、この大径部分に連なって軸方向に延び当該大径部分よりも小径とされた小径部分とを含み、
前記ロータリージョイントは、前記回転型熱処理装置の固定側と前記小径部分とを連結している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転型熱処理装置。
【請求項7】
前記処理容器の排出口側に接続されて熱処理済みの被処理物を受け入れる接続部と、前記接続部における被処理物の排出側を密閉可能なバルブと、を更に備えている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転型熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理容器を回転させながら被処理物を熱処理する回転型熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、核燃料ペレットのスクラップ(被処理物)をリサイクル処理するための熱処理炉が開示されている。この熱処理炉は、被処理物を収容可能であり水平軸心回りに回転可能に設けられた筒状の回転胴と、この回転胴を回転させる駆動装置と、回転胴の周囲に配置されたヒータと、被処理物を投入する投入部と、熱処理後の被処理物を取り出す取り出し部と、投入部と取り出し部とを回転胴に連結する連結部とを備えている。
【0003】
連結部は、回転胴の軸方向一端部に設けられ、投入部は、連結部の上部に連結された漏斗状の供給容器を備えている。一方、取り出し部は、連結部の下部に連結された漏斗状の取り出し容器を備えている。そして、回転胴は、水平な姿勢と、軸方向他端部(反連結部)側の端部を斜め下方に下げた第1の傾斜姿勢と、斜め上方に上げた第2の傾斜姿勢とに姿勢変更可能であり、第1の傾斜姿勢で供給容器から被処理物を回転胴へ自然流下させ、その後、回転胴を水平な姿勢にして熱処理を行い、さらに第2の傾斜姿勢で、回転胴から熱処理後の被処理物を取り出し容器へ自然流下させるように構成されている。
【0004】
また、連結部には、供給容器から回転胴への被処理物の流通を許容する態様と、回転胴から取り出し部への被処理物の流通を許容する態様とに切り替え可能なバルブが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−211164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の熱処理装置は、回転胴内で被処理物を熱処理した後、回転胴に冷気を導入することによって被処理物を冷却し、その後、回転胴を傾斜させて被処理物を取り出し容器に排出するように構成されている。
このように回転胴内で被処理物を冷却すると、次の熱処理を開始する段階で回転胴が低温となり、低温状態から再度所定の熱処理温度まで回転胴を昇温させなければならないので、処理時間(サイクルタイム)が長くなるという問題があった。
【0007】
仮に、回転胴内で被処理物を冷却せず、回転胴から被処理物を排出した後に冷却するようにしたとしても、この排出の際に回転胴を第2の傾斜姿勢に姿勢変更し、さらにその傾斜によって被処理物を自然流下させているので、回転胴から完全に被処理物を排出し終えるまでに時間がかかり、その間の回転胴の温度低下は避けられない。
また、回転胴を傾斜姿勢に姿勢変更するための構造によって装置が大型化、複雑化し、コストも増大するという問題もある。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、処理容器の姿勢を変更しなくても加熱処理後の被処理物を迅速に排出することができ、サイクルタイムを短縮することが可能な回転型熱処理炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱処理装置は、軸方向の一端部に被処理物の排出口を備え
、熱処理時に前記排出口よりも被処理物の排出方向の下流側で密閉されて内部が真空状態とされる筒状の処理容器と、前記処理容器内の被処理物を熱処理する加熱装置と、前記処理容器をその軸心回りに正逆両方向に回転駆動可能であり、かつ前記被処理物の熱処理時に前記処理容器を一方向に回転駆動する回転駆動部と、
前記処理容器と、回転型熱処理装置の固定側とを相対回転可能に接続するロータリージョイントと、を備えており、前記処理容器内には、当該処理容器の他方向の回転によって被処理物を前記排出口へ移送する移送羽根
と、前記処理容器内の被処理物を撹拌する撹拌羽根とが設けられ、
前記ロータリージョイントは、前記処理容器に連結され、軸方向に延びる軸部を有する回転側部材と、前記回転型熱処理装置の固定側に連結され、前記軸部の径方向外側に間隔をあけて配置された軸方向に延びるボス部を有する固定側部材と、前記軸部と前記ボス部との径方向の間に軸方向に間隔をあけて設けられ、前記軸部と前記ボス部とを相対回転可能に連結する複数の軸受と、前記処理容器の内部に通じる、前記軸部と前記ボス部との径方向の間をシールし、前記処理容器内の真空を維持するシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記複数の軸受の軸方向の間であって、前記軸部と前記ボス部とに挟まれた状態で配置される第1シール部材と、前記複数の軸受のうち最も前記処理容器の内部側に配置された軸受を、前記処理容器の内部側からシールする第2シール部材と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の回転型熱処理装置は、回転駆動部によって処理容器を一方向へ回転させながら加熱装置によって被処理物を熱処理し、その後、回転駆動部によって処理容器を他方向へ回転させることによって移送羽根により被処理物を排出口へ移送し、排出口から排出することができる。したがって、処理容器を傾斜した姿勢に変更して被処理物を自然流下させる従来技術に比べ、迅速に被処理物を排出することができる。そのため、被処理物を排出している間の処理容器の温度低下を少なくすることができ、サイクルタイムを短縮することができる。また、移送羽根は、回転駆動部による処理容器の回転によって被処理物を排出するため、移送羽根を駆動するための装置を別途設ける必要もなく、安価に構成することができる。
【0011】
前記処理容器は、軸方向に延びる大径部分と、当該大径部分の前記排出口側の端部に設けられ、当該排出口側ほど小径に形成された円錐部とを有し、前記処理容器は、前記排出口側が低位となるように傾斜して配置されるとともに、前記円錐部の下面が前記排出口側へ向けて上り傾斜となるように配置され、前記円錐部内に前記移送羽根が設けられていてもよい。
前記第1シール部材は、前記複数の軸受のうち最も前記処理容器の内部側に配置された第1の軸受側と、最も前記処理容器の外部側に配置された第2の軸受側とに分かれて複数設けられ、かつ前記第2の軸受側よりも前記第1の軸受側により多く配置されていてもよい。
前記複数の軸受の軸方向の間であって、前記第1シール部材の配置スペースにグリースが充填されてもよい。
前記軸部と前記ボス部との径方向の間であって、前記第2シール部材の配置スペースにグリースが充填されてもよい。
前記処理容器は、軸方向に延びる大径部分と、この大径部分に連なって軸方向に延び当該大径部分よりも小径とされた小径部分とを含み、前記ロータリージョイントは、前記回転型熱処理装置の固定側と前記小径部分とを連結していることが好ましい。
回転型熱処理装置は、前記処理容器の排出口側に接続されて熱処理済みの被処理物を受け入れる接続部と、前記接続部における被処理物の排出側を密閉可能なバルブと、を更に備えていることが好ましい。
前記移送羽根は、前記処理容器の内周面に沿って周回する螺旋形状に形成されていることが好ましい。
このような構成によって、処理容器の一方向への回転によって被処理物を反排出口側へ押し戻し、他方向への回転によって被処理物を移送することができる。
【0012】
前記処理容器は、前記排出口側が低位となるように傾斜して配置されていることが好ましい。
この構成によれば、処理容器の傾斜によって被処理物を移送羽根まで自然に流動させ、その後、移送羽根による移送動作に迅速に移行することができる。
【0013】
前記回転型熱処理炉は、前記処理容器の傾斜角度を調整する調整手段をさらに備えていることが好ましい。
この構成により、被処理物の流動性に応じて処理容器の傾斜角度を適切に調節することができる。
【0014】
前記回転型熱処理炉は、前記処理容器から排出された熱処理済みの被処理物を冷却する冷却装置をさらに備えていることが好ましい。
このような構成によって処理容器内での被処理物の冷却は不要となり、熱処理後、即座に被処理物を排出するとともに、処理容器の温度がそれほど低下しないうちに次の熱処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、処理容器の姿勢を変更することなく加熱処理後の被処理物を迅速に排出することができ、サイクルタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る回転型熱処理装置としての回転レトルト炉を示す正面説明図である。
【
図4】ロータリジョイントを拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る回転型熱処理装置としての回転レトルト炉を示す正面説明図である。
回転レトルト炉10は、レトルト11(処理容器)と、このレトルト11内の被処理物を熱処理する加熱装置12と、レトルト11及び加熱装置12を支持する支持フレーム13と、この支持フレーム13を支持する架台14と、レトルト11を回転駆動させる回転駆動部15と、レトルト11内を真空引きする真空ポンプ16と、レトルト11に熱処理前の被処理物を供給する供給部17と、レトルト11から排出された熱処理後の被処理物を受け入れて冷却する後処理部18とを備えている。
【0018】
レトルト11は、筒形状に形成され、その軸心Oが横向きとなるように支持フレーム13に支持されている。レトルト11は、円筒形状の胴部20と、この胴部20の軸方向両端部に設けられ、軸方向外側ほど先細りとなるように形成された第1円錐部21及び第2円錐部22とを備えている。また、レトルト11は、軸受等を備えた一対の支持部23,23によって軸心O回りに回転自在に支持されている。第1円錐部21及び胴部20の内周面には、被処理物を攪拌するための攪拌羽根24が設けられている。
【0019】
レトルト11は、第1円錐部21及び第2円錐部22の軸方向外端部(小径部)から同方向外側に延びる第1延長部25及び第2延長部26をさらに備えている。一方(左側)の第1延長部25には供給部17が接続され、他方(右側)の第2延長部26の先端部には、レトルト11外へ被処理物を排出するための排出口27が形成されている。
【0020】
加熱装置12は、支持フレーム13に支持された炉体28と、この炉体28の内部に設けられたヒータ29とを備えている。炉体28の内部には、レトルト11の胴部20、第1円錐部21、及び第2円錐部22が配置され、これらをヒータ29によって外側から加熱することで、レトルト11内の被処理物が熱処理される。
【0021】
レトルト11や加熱装置12を支持する支持フレーム13は、支持部31によって架台14に対して所定の角度αを持って傾斜した姿勢で支持されている。したがって、レトルト11は、その軸心Oが水平に対して角度αで傾斜しており、排出口27が低位に配置されている。傾斜角度αは、後述する被処理物の排出のしやすさを考慮し、被処理物の流動性に応じて0.1〜20°程度に設定される。レトルト11の第2円錐部22は、その下面が排出口27側へ向けて上り傾斜となるように配置されている。
【0022】
回転駆動部15は、支持フレーム13に取り付けられた駆動体33と、この駆動体33の動力をレトルト11に伝達する動力伝達機構34とを備えている。本実施形態では、駆動体33としての電動モータが、動力伝達機構34としてのチェーンやスプロケットを介してレトルト11に動力伝達可能に連結されている。また、回転駆動部15は、正逆回転可能な電動モータを用いるか、又は動力伝達機構34が正逆切換可能な変速装置を含むことによって、レトルト11を正逆両方向に回転駆動可能に構成されている。
【0023】
供給部17は、被処理物を貯留するホッパ36と、上端がホッパ36に接続された供給管37と、この供給管37に設けられた第1開閉バルブ38と、供給管37の下端に接続されたコンベア装置39とを備えている。
ホッパ36は、下方先細り形状に形成され、その下端部に吐出口及び計量部(図示略)を有している。第1開閉バルブ38は、その開閉によって供給管37内における被処理物の流通を許容又は阻止する。第1開閉バルブ38の内部にはガスシールが設けられ、第1開閉バルブ38を閉じることによってレトルト11内の気密を保持することが可能となっている。なお、第1開閉バルブ38は、電磁式あるいはその他の形式によって自動で開閉する構成であってもよいし、手動で開閉する構成であってもよい。供給管37は、レトルト11の軸心Oに対して略垂直な姿勢に配置されている。
【0024】
コンベア装置39は、供給管37の下端部に接続された筒体41と、この筒体41の内部に配置されたコンベア部42とから構成され、筒体41は、フレキシブル管61及びロータリジョイント60を介して、レトルト11の第1延長部25に相対回転可能に連結されている。コンベア部42は、回転軸の周囲に螺旋状の羽根を設けたスクリューコンベアとされ、フレキシブル管61及びロータリジョイント60の内部を通って第1延長部25内に挿入されている。回転軸には、チェーンやスプロケットからなる動力伝達機構43を介して電動モータ等の駆動体44が動力伝達可能に連結されている。なお、コンベア部42は、スクリューコンベアに限らず他の形式のコンベアを使用することができる。
【0025】
後処理部18は、レトルト11の排出口27に接続された接続部46と、この接続部46の下部に接続された解砕部47と、この解砕部47の下方に配置された冷却攪拌部48と、解砕部47と冷却攪拌部48とを接続する垂直姿勢の流動管49と、この流動管49に設けられた第2開閉バルブ50と、を備えている。
【0026】
接続部46は、箱型乃至筒型に形成され、第2延長部26の排出口27から排出された熱処理済みの被処理物を受け入れ可能である。具体的に、接続部46には、第2延長部26の先端部が挿入される開口筒46aが突設されており、この開口筒46aは、フレキシブル管65及びロータリジョイント64を介して第2延長部26に相対回転可能に連結されている。
【0027】
解砕部47は、熱処理過程で固まった被処理物が流動管49で詰まらないように、被処理物を細かく砕く機能を有している。第2開閉バルブ50は、その開閉によって流動管49における被処理物の流通を許容又は阻止する。また、第2開閉バルブ50には、ガスシールが設けられ、第2開閉バルブ50を閉じることによってレトルト11内の気密を保持することが可能となっている。
【0028】
冷却攪拌部48は、解砕部47において細かく砕かれた被処理物を、流動管49を介して受け入れ、被処理物を攪拌しつつ冷却する機能を有する。そして、冷却攪拌部48の下部には被処理物の取り出し部51が設けられ、この取り出し部51から被処理物を取り出し、別途用意された回収容器52に回収することができる。
【0029】
真空ポンプ16は、架台14に設置されており、接続部46に対して吸引配管53を介して接続されている。そして、第1開閉バルブ38及び第2開閉バルブ50を閉じた状態で真空ポンプ16を駆動することによってレトルト11内を真空状態にすることができる。
【0030】
図4は、ロータリジョイント64を拡大して示す断面図である。ロータリジョイント64は、フレキシブル管65に固定される固定側部材67と、第2延長部26に固定される回転側部材66とを備えている。回転側部材66は、第2延長部26の外周を囲繞する筒状の軸部66aと、この軸部66aの一端部(左端部)から径方向外方に延び、第2延長部26に設けられたフランジ部26aにボルト固定されるフランジ部66bとを備えている。両フランジ部26a,66bの間には気密を保つためのOリングからなるシール部材74が設けられている。
【0031】
一方、固定側部材67は、環状の第1ボス部67aと、この第1ボス部67aの軸方向端部(右端部)にボルト固定される第2ボス部67bとを備え、この第2ボス部67bが、中継リング68を介してフレキシブル管65の端部に設けられたフランジ部65aにボルト固定されている。第2ボス部67bと中継リング68との間、及び中継リング68とフランジ部65aとの間には、それぞれ気密を保つためのOリングからなるシール部材75,76が設けられている。また、第1ボス部67aには、冷却水が流入するウォータージャケット67cが設けられている。
【0032】
固定側部材67の第1,第2ボス部67a,67bの内周面と、回転側部材66の軸部66aの外周面との間には、2つの転がり軸受69が設けられており、この転がり軸受69によって回転側部材66と固定側部材67とが相対回転可能に連結されている。
また、第1ボス部67aの内周面と軸部66aの外周面との間で、2つの転がり軸受69の間には、複数のシール部材70が設けられ、複数のシール部材70の配置スペースにグリースが充填されるようになっている。
【0033】
また、第1ボス部67aの軸方向一端部(左端部)には押さえ板73が固定され、この押さえ板73と一方(左側)の転がり軸受69との間にシール部材71が設けられ、このシール部材71の配置スペースにもグリースが充填される。同様に、第2ボス部67bと、他方(右側)の転がり軸受69との間にもシール部材72が設けられ、このシール部材72の配置スペースにグリースが充填される。そして、回転側部材66と固定側部材67との間に設けられたシール部材70,71,72やこれらの配置スペースに充填されたグリースによって、回転側部材66と固定側部材67との間のガスの流通が阻止され、レトルト11内の真空を維持することが可能となっている。
なお、図示は省略するが、第1延長部25側に配置されたロータリジョイント60(
図1参照)についても、上記と略同様の構成とされている。
【0034】
図2は、
図1のA−A矢視断面図、
図3は、移送羽根の斜視図である。
図1〜
図3に示すように、本実施形態のレトルト11の内部には、被処理物を排出口27へ移送するための移送羽根54が設けられている。この移送羽根54は、レトルト11の内周面に沿って周回する螺旋形状に形成されている。また、この移送羽根54は、排出口27により近い、第2円錐部22と第2延長部26の内部に設けられている。移送羽根54の中心には、軸方向に貫通する貫通孔55が形成されている。
【0035】
図1に示すように、第2円錐部22に設けられた移送羽根54は、レトルト11の軸方向外側に向かうほど外径が小さくなっており、第2延長部26に設けられた移送羽根54は、第2延長部26の全長に渡って一定の外径に形成されている。また、移送羽根54の内径(貫通孔55の直径)は、移送羽根54の全体に渡って一定に形成されている。
そして、移送羽根54は、回転駆動部15によってレトルト11を軸心O回りに正回転(一方向回転)させたときに内部の被処理物を排出口27とは反対側へ押し戻すように作用し、逆回転(他方向回転)させたときに被処理物を排出口27側へ移送するように作用する。
【0036】
次に、本実施の形態の回転レトルト炉10の動作を説明する。
図1に示すように、熱処理開始前、熱処理の対象となる被処理物はホッパ36中に貯留されている。ホッパ36の吐出口及び第1開閉バルブ38を開くことによって、所定量の被処理物がコンベア装置39に送られ、さらにコンベア装置39を作動することによってレトルト11の胴部20内に被処理物が供給される。また、レトルト11内部は、真空ポンプ16により真空引きされる。
【0037】
レトルト11内に被処理物が供給されると、回転駆動部15によってレトルト11を正回転させるとともに、加熱装置12を作動する。これにより、レトルト11内の被処理物が加熱処理される。レトルト11は、排出口27側が低位となるように傾斜しているため、排出口27側へ向けて被処理物が自然に流れようとするが、移送羽根54によって押し戻され、さらに攪拌羽根24によって適切に攪拌される。
【0038】
所定時間経過後、熱処理が終了すると、回転駆動部15及び加熱装置12が停止する。次いで、回転駆動部15によってレトルト11を逆回転させるとともに、解砕部47を作動し、第2開閉バルブ50を開く。被処理物はレトルト11の傾斜によって第2円錐部22の付近まで自然流下し、さらにレトルト11の逆回転により移送羽根54によって排出口27へ移送される。排出口27へ移送された被処理物は接続部46に受け入れられるとともに解砕部47において細かく砕かれ、垂直に配置された流動管49から即座に冷却攪拌部48へ流下する。そして、冷却攪拌部48を駆動することによって、受け入れた被処理物が攪拌されながら冷却される。
【0039】
以上の動作で1サイクルの処理が終了する。そして、続けて処理を行う場合には、上述の動作が繰り返し行われる。また、冷却攪拌部48から被処理物を取り出すには、取り出し部51の下端に回収容器52をセットし、バルブ51Aを開いて回収容器52に被処理物を充填すればよい。
【0040】
以上説明した本実施形態の回転レトルト炉10では、レトルト11内に移送羽根54が設けられているので、レトルト11の逆回転によって被処理物を排出口27から排出することができる。そのため、従来技術のように被処理物を排出するためにレトルト11を傾斜姿勢に変更する動作が不要であり、また、被処理物を傾斜によって自然流下させる場合に比べて迅速に被処理物を排出することができる。そのため、1サイクルの処理が終了した後、次のサイクルの処理に移行するまでの時間を短縮し、その間のレトルト11の温度低下を最小限に抑制することができる。したがって、サイクルタイムを短縮することができるとともにエネルギーの消費を少なくすることが可能となる。
【0041】
また、移送羽根54は、レトルト11の逆回転によって作用するため、移送羽根54を回転させるための駆動部を別途備える必要がない。したがって、移送羽根54を設けることに伴うコスト増を最小限に抑えることができる。
【0042】
レトルト11は、排出口27側が低位となるように傾斜して配置されているので、被処理物を移送羽根54の近傍まで自然に流動させることができ、熱処理後、即座に移送羽根54による被処理物の移送を行うことができる。
【0043】
また、熱処理後の被処理物は、レトルト11から排出された後、冷却攪拌部48において冷却されるので、レトルト11内において被処理物の冷却を行う必要がない。そのため、レトルト11の温度を高温に維持したまま次のサイクルの熱処理に短時間で移行することができる。
【0044】
また、移送羽根54の軸心には貫通孔55が形成されているので、レトルト11内を真空引きする際に移送羽根54が空気の流動の抵抗になることが少なく、真空ポンプ16を低負荷で駆動し、迅速にレトルト11内を真空状態にすることができる。
【0045】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において適宜変更できるものである。例えば、上記実施の形態では、レトルト11や加熱装置12を支持する支持フレーム13は、第2支持部31により架台14に対して一定の傾斜角度αで配置されているが、第2支持部31としてボールジャッキ等のジャッキ装置を用いることによって、この傾斜角度αを調整可能に構成してもよい。この場合、被処理物の流動性に応じて被処理物が移送羽根54の近傍まで流動しやすくなるように傾斜角度αを調整することが可能となる。
【0046】
また、本発明の熱処理装置は、真空以外の雰囲気用の熱処理装置にも適用することができ、その場合は、上記の実施形態における真空ポンプや真空シールは不要となる。
【符号の説明】
【0047】
10: 回転レトルト炉(回転型熱処理炉)
11: レトルト(処理容器)
12: 加熱装置
15: 回転駆動部
27: 排出口
31: 第2支持部(調整手段)
48: 冷却攪拌部(冷却装置)
54: 移送羽根