特許第5771735号(P5771735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5771735
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】安全カバー付きの破砕機
(51)【国際特許分類】
   B02C 23/04 20060101AFI20150813BHJP
   F16P 3/08 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   B02C23/04
   F16P3/08
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-261254(P2014-261254)
(22)【出願日】2014年12月24日
【審査請求日】2015年1月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511203097
【氏名又は名称】山▲崎▼ 公信
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 公信
【審査官】 筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−256136(JP,A)
【文献】 特開2008−038936(JP,A)
【文献】 特開昭63−202765(JP,A)
【文献】 特開平07−144142(JP,A)
【文献】 実開昭62−035637(JP,U)
【文献】 実開昭57−024473(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 18/00−18/31
B02C 23/04
F16P 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部に開口部が形成されたケーシングと、
前記ケーシング内に配置され、電動機により駆動されて塊状物を破砕する破砕具と、
前記ケーシングから取り外し又は前記ケーシングにボルトで締結することにより、前記開口部を開閉する安全カバーと、
電源と前記電動機とを電気的に接続する複数の給電線を有する給電回路とを備えている破砕機であって、
該破砕機は、ロールクラッシャ、ジョークラッシャ、ハンマーミル、ロッドミル又はボールミルであり、
前記塊状物は、岩石、土石、廃コンクリート、廃アスファルト又はガレキであり、
前記開口部に対応する部位において、前記給電回路に給電回路遮断機構が介設されていて、
前記給電回路遮断機構は、
前記複数の給電線のうちの所定個数の給電線を断線させることにより形成され、それぞれ前記ケーシングに配設された、互いに電気的に導通しない、前記所定個数の電源側給電線片及び前記所定個数の電動機側給電線片と、
それぞれ前記ケーシングに配設された、それぞれ対応する1つの電源側給電線片に電気的に接続された前記所定個数の電源側ケーシング内導電体及びそれぞれ対応する1つの電動機側給電線片に電気的に接続された前記所定個数の電動機側ケーシング内導電体と、
前記安全カバーに配設された前記所定個数のカバー内導線と、
それぞれ前記安全カバーに配設された、前記所定個数の電源側カバー内導電体及びそれぞれ対応する1つのカバー内導線を介して対応する1つの電源側カバー内導電体に電気的に接続された前記所定個数の電動機側カバー内導電体とを有し、
前記電源側ケーシング内導電体、前記電動機側ケーシング内導電体、前記電源側カバー内導電体及び前記電動機側カバー内導電体は、前記安全カバーが前記開口部を閉じているときには、各電源側ケーシング内導電体がそれぞれこれに対応する1つの電源側カバー内導電体と当接し、かつ各電動機側ケーシング内導電体がそれぞれこれに対応する1つの電動機側カバー内導電体と当接するように配置され
前記電源側ケーシング内導電体及び前記電動機側ケーシング内導電体が、前記ケーシングの上フレームの上壁内に配置される一方、前記電源側カバー内導電体及び前記電動機側カバー内導電体が、前記ボルトにより前記上フレームに締結される前記安全カバーのL字状の鉤手部材の水平突出部内に配置され、
対応する電源側ケーシング内導電体及び電源側カバー内導電体のいずれか一方に形成された凸部と他方に形成され該凸部と嵌合する凹部とからなる安全カバー位置決め構造と、対応する電動機側ケーシング内導電体及び電動機側カバー内導電体のいずれか一方に形成された凸部と他方に形成され該凸部と嵌合する凹部とからなる安全カバー位置決め構造とを有することを特徴とする破砕機。
【請求項2】
前記電源が単相交流電源であり、前記電動機が単相交流モータであり、前記給電線が2本設けられ、前記所定個数が1であることを特徴とする、請求項1に記載の破砕機。
【請求項3】
前記電源が三相交流電源であり、前記電動機が三相交流モータであり、前記給電線が3本設けられ、前記所定個数が2であることを特徴とする、請求項1に記載の破砕機。
【請求項4】
前記複数の給電線がすべて断線され、前記所定個数は前記給電線の数と同一であることを特徴とする、請求項1に記載の破砕機。
【請求項5】
前記開口部が複数設けられる一方、それぞれ対応する1つの開口部を開閉する前記開口部と同数の安全カバーが設けられ、
前記電源と前記電動機とを電気的に接続する前記給電線に対して、前記各開口部と対応する部位にそれぞれ前記給電線遮断機構が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の破砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシングの開口部に取り付けられた安全カバーが開かれているときには、ケーシング内の破砕具を確実に非作動状態にすることができる安全カバー付きの破砕機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、岩石、廃コンクリート、廃アスファルト、ガレキ、木材などといった塊状物の破砕には、該塊状物の物性や破砕生成物の寸法などに応じて、ジョークラッシャ、ロールクラッシャ、ハンマーミル、ロッドミル、ボールミルなどといった種々の破砕機が用いられる。かかる破砕機においては、一般に、箱状のケーシングの内部に、塊状物を破砕する電動式の破砕具が配置される。そして、ケーシングは、その内部の破砕具やその他の機器の点検や修理などを容易に行えるように、その上部又は側部が少なくとも部分的に開口されている。そして、ケーシングの開口部には、破砕機の運転時にオペレータがケーシング内の破砕具等に接触するのを防止し、また開口部からの破砕生成物の飛散を阻止するために、開閉可能な安全カバーが取り付けられる。なお、かかる安全カバーは、通常、塊状物の破砕状況を目視することができるように、少なくともその一部は金網などの透視性を有する材料で形成される。
【0003】
かかる破砕機において、例えばオペレータが破砕具の操作スイッチをオフ状態にした上で、安全カバーを開いてケーシング内の破砕具その他の機器を点検又は修理しているときに、何らかの原因で操作スイッチがオン状態となり破砕具が作動するとオペレータが負傷するおそれがある。また、破砕機の運転中にオペレータが安全カバーを開くと、開口部から破砕生成物が飛散し、オペレータを負傷させるおそれがある。そこで、破砕具の作動・非作動を切り換える操作スイッチに加えて、安全カバーが閉じられているときには破砕具への通電回路を導通させる一方、安全カバーが開かれているときには該通電回路を遮断する安全スイッチないしは制御器を備えた破砕機が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
このような安全スイッチないしは制御器を備えた破砕機では、オペレータがケーシング内の機器の点検又は修理のために安全カバーを開いたときには、操作スイッチのオン・オフ状態にかかわりなく破砕具が非作動状態となるので、オペレータは安全に点検又は修理を行うことができる。また、破砕機の運転中にオペレータが安全カバーを開いたときには、安全スイッチないしは制御器によって破砕具への通電回路が遮断されるので、破砕具の動作が停止され、開口部からの破砕生成物の飛散が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−1032号公報
【特許文献2】特開平8−57340号公報
【特許文献3】特開2000−15128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような安全スイッチないしは制御器は、例えば長期間の使用による劣化ないしは腐食等により故障し又は誤動作する可能性が皆無であるとは言えない。このため、例えばオペレータが安全カバーを開いてケーシング内の機器を点検又は修理しているときに、何らかの原因で操作スイッチがオンされ、かつ安全スイッチないしは制御器が故障又は誤動作して破砕具が動作したときには、オペレータが負傷する可能性があるといった問題がある。また、破砕機の運転中にオペレータが安全カバーを開いたときに、安全スイッチないしは制御器が故障していると、破砕具が動作を停止せず、開口部から破砕生成物が飛散してオペレータを負傷させる可能性があるといった問題もある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、安全カバー付きの破砕機において、安全カバーが開かれているときには、該破砕機の給電に関連する各種機器の状態にかかわらず、破砕具を絶対的に非作動状態にすることができ、オペレータをこの種の事故から確実に保護することができる破砕機を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る破砕機は、上部又は側部に開口部が形成されたケーシングと、ケーシング内に配置され電動機により駆動されて塊状物を破砕する破砕具と、開口部を開閉する安全カバーと、電源と電動機とを電気的に接続する複数の給電線を有する給電回路とを備えている。そして、この破砕機においては、開口部に対応する部位において、給電回路に給電回路遮断機構が介設されている。
【0009】
この給電回路遮断機構は、次の各構成要素を有している。
(1) 複数の給電線のうちの所定個数(以下「N個(N=1、2、3……)」という。)の給電線を断線させることにより形成された互いに電気的に導通しないN個の電動機側給電線片及びN個の電源側給電線片。
(2) それぞれケーシングに配設され、それぞれ対応する1つの電動機側給電線片に電気的に接続されたN個の電動機側ケーシング内導電体、及び、それぞれ対応する1つの電源側給電線片に電気的に接続されたN個の電源側ケーシング内導電体。
(3) それぞれ安全カバーに配設された、N個の電動機側カバー内導電体及びそれぞれ対応する1つの電動機側カバー内導電体に電気的に接続されたN個の電源側カバー内導電体。
【0010】
ここで、電動機側ケーシング内導電体、電源側ケーシング内導電体、電動機側カバー内導電体及び電源側カバー内導電体は、安全カバーが開口部を閉じているときには、各電動機側ケーシング内導電体がそれぞれこれに対応する1つの電動機側カバー内導電体と当接し、かつ各電源側ケーシング内導電体がそれぞれこれに対応する1つの電源側カバー内導電体と当接するように配置されている。
【0011】
本発明に係る破砕機において、電源が単相交流電源であり、電動機が単相交流モータであり、給電線が2本設けられている場合、Nは1であるのが好ましい。また、電源が3相交流電源であり、電動機が3相交流モータであり、給電線が3本設けられている場合、Nは2であるのが好ましい。なお、複数の給電線がすべて断線され、したがってNが給電線の数と同一であってもよい。
【0012】
本発明に係る破砕機において、開口部が複数(以下「P個(P=2、3……)」という。)設けられる一方、それぞれ対応する1つの開口部を開閉するP個の安全カバーが設けられている場合、電源と電動機とを電気的に接続する前記給電線に対して、各開口部と対応する部位にそれぞれ上記の給電線遮断機構が設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る破砕機においては、電源から電動機への給電経路の一部は、安全カバーに配設された電動機側カバー内導電体及び電源側カバー内導電体で構成されている。このため、安全カバーを開いたとき、ないしは安全カバーを取り外したときには、電源から電動機への給電経路は、物理的にその一部を欠くことになるので、電源から電動機に電力を供給することは不可能となる。したがって、例えばオペレータが安全カバーを開いてケーシング内の機器を点検又は修理しているときに、何らかの原因で操作スイッチがオンされたとしても、破砕具が作動することはありえない。また、破砕機の運転中にオペレータが安全カバーを開いたときには電源から電動機への給電経路が物理的に遮断され、破砕具は必ず動作を停止するので、開口部から破砕生成物が飛散することはない。したがって、破砕機によるオペレータのこの種の事故を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るダブルロールクラッシャ(破砕機)の平面図である。
図2】ケーシングの上側に取り付けられた各部材を取り外した状態における図1に示すダブルロールクラッシャの平面図である。
図3図1に示すダブルロールクラッシャの正面図である。
図4図1に示すダブルロールクラッシャの右側面図である。
図5】(a)は安全カバーの平面図であり、(b)は(a)に示す安全カバーの右側面図であり、(c)は(a)に示す安全カバーの正面図である。
図6】(a)は単相交流電力を用いるダブルロールクラッシャの給電線遮断機構の構成を示す模式図であり(b)は(a)に示す給電線遮断機構の変形例の構成を示す模式図である。
図7】(a)は3相交流電力を用いるダブルロールクラッシャの給電線遮断機構の構成を示す模式図であり(b)は(a)に示す給電線遮断機構の変形例の構成を示す模式図である。
図8図6(a)に示す給電線遮断機構の右側開口部ないしは右側安全カバーに係る部分の構成を模式的に示す一部断面正面図である。
図9図8の要部を拡大して示す一部断面正面図である。
図10図9のA−A線断面図である。
図11】電源側ケーシング内導電体及び電源側カバー内導電体の変形例を示す断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、本明細書では、2軸破砕機であるダブルロールクラッシャについて本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術範囲はこのようなダブルロールクラッシャに限定されるわけではなく、本発明は、例えば採掘された岩石、掘削された土石、廃コンクリート、廃アスファルト、ガレキ、木材などといった種々の塊状物の破砕に用いられるその他の種類の破砕機、例えばジョークラッシャ、ロールクラッシャ、ハンマーミル、ロッドミル、ボールミルなどといった種々の破砕機にも同様に適用することができるのはもちろんである。
【0016】
まず、図1図5を参照しつつ本発明に係るダブルロールクラッシャの全体構成を説明する。なお、以下ではダブルロールクラッシャを構成する各構成要素の相互の位置関係を簡明に表現するため、便宜上、図1図3に示す位置関係における左側を「左」といい、右側を「右」ということにする。また、図4に示す位置関係における左側を「前」といい、右側を「後」ということにする。
【0017】
図1図4に示すように、ダブルロールクラッシャ1(以下、略して「クラッシャ1」という。)は、外形が左右方向に長手となる略直方体である箱状のケーシング2を備えている。そして、ケーシング2内には、塊状物を破砕する破砕具として、それぞれ前後方向に伸びる第1、第2シャフト3、4に固定して取り付けられた第1、第2ロール5、6が配設されている。第1シャフト3は、それぞれケーシング2の前壁及び後壁に取り付けられた2つの軸受7、8によって回転自在に支持され、第2シャフト4は、それぞれケーシング2の前壁及び後壁に取り付けられた2つの軸受9、10によって回転自在に支持されている。詳しくは図示していないが、第1、第2ロール5、6の外周面には、塊状物を効果的に破砕するために、多数のスパイク、爪、歯などといった突起物が設けられている。なお、とくに必要がなければ突起物は設けなくてもよい。
【0018】
第1シャフト3(ひいては第1ロール5)は、第1電動機11によって、小径の駆動プーリ12とベルト13と大径の被駆動プーリ14とを介して回転駆動される。他方、第2シャフト4は、第2電動機15によって、小径の駆動プーリ16とベルト17と大径の被駆動プーリ18とを介して回転駆動される。第1電動機11及び第2電動機15としては、単相交流モータ又は3相交流モータあるいは直流モータのいずれをも用いることができる。図3に示す位置関係において、第1ロール5は反時計回り方向に回転する一方、第2ロール6は時計回り方向、すなわち第1ロール5とは逆方向に回転する。また、ケーシング2内において第1ロール5と第2ロール6の間隙の下方には、塊状物が破砕されてなる破砕生成物を受け入れて外部へ排出するための排出口19が設けられている。
【0019】
左右方向に関してケーシング2の中央部付近には、ケーシング2の前壁と後壁とにわたって蓋部20が設けられている。なお、蓋部20は、ケーシング2の前壁の上フレーム2aの上壁と後壁の上フレーム2bの上壁とにボルト締結されている。そして、第1ロール5と第2ロール6の間隙の上方において、蓋部20の中央部付近には、ケーシング2内に塊状物を投入するための投入口21が設けられている。さらに、ケーシング2の上部において、蓋部20の右側及び左側に、それぞれ右側開口部22及び左側開口部23が形成されている。そして、右側開口部22には右側安全カバー24が取り付けられる一方、左側開口部23には左側安全カバー25が取り付けられている。ここで、右側安全カバー24は右側開口部22を全面的に覆い、左側安全カバー25は左側開口部23を全面的に覆っている。
【0020】
図5(a)〜(c)に拡大して示すように、右側安全カバー24は、第1プレート31と、第2プレート32と、上側フレーム33と、下側フレーム34とを有し、これらは、平面視では矩形をなす、周縁部が閉じられた枠体を形成している。第1プレート31と第2プレート32は、互いに離間して平行に配置され、上側フレーム33及び下側フレーム34の両端部は、それぞれ、第1プレート31及び第2プレート32に固定されている。
【0021】
そして、第1、第2プレート31、32と上下の両フレーム33、34とによって囲まれた上側開口部ないしは中空部、すなわち上記枠体によって囲まれた上側開口部には金網35が張られている。この金網35は、第1、第2プレート31、32の湾曲した上側の周縁に沿って湾曲し、左右ないしは上下に延びている。金網35によって、ケーシング2内の破砕物が右側開口部22からケーシング2外に飛散するのが阻止される一方、オペレータは、金網35の網目を通してケーシング2内の各機器の状態及び塊状物の破砕状況を容易に目視することができる。なお、金網35の網目の寸法(目開き)は、粉体状の微細な粒子以外の破砕物が通り抜けず、かつオペレータがケーシング2内を目視することができるように好ましく設定される。
【0022】
第1プレート31の外面(前面)には、それぞれ略L字状に形成された右鉤手部材36と左鉤手部材37とが、左右方向に離間して、例えば溶接により取り付けられている。他方、第2プレート32の外面(後面)には、それぞれ略L字状に形成された右鉤手部材38と左鉤手部材39とが、左右方向に離間して、例えば溶接により取り付けられている。これらの鉤手部材36〜39の水平方向に突出している部分36a〜39a(以下「水平突出部36a〜39a」という。)は、それぞれ、ケーシング2の前壁の上フレーム2aの上壁と後壁の上フレーム2bの上壁とにボルト締結され、これにより右側安全カバー24がケーシング2の右側開口部22に固定されている。なお、各鉤手部材36〜39にはボルトを通すための穴又はねじ穴が形成されている。
【0023】
前記のとおり、右側安全カバー24は、右側開口部22にボルト締結されているだけであるので、右側開口部22に対して容易に着脱する(右側開口部22を開閉する)ことができる。この実施形態に係るクラッシャ1では、「安全カバーが開口部を閉じている」という状態は、安全カバーが開口部にボルト締結された状態を意味し、「安全カバーが開口部を開いている」という状態は、安全カバーが開口部から取り外された状態を意味することになる。なお、右側安全カバー24をケーシング2に回動可能に取り付け、右側安全カバー24を回動させることにより右側開口部22を開閉するようにしてもよい。
【0024】
詳しくは図示していないが、左側開口部23に取り付けられこれを開閉する左側安全カバー25は、後で説明する給電回路遮断機構を構成する各構成要素の配設位置ないしは配置形態が多少異なる点を除けば、右側安全カバー24と同一の構造を有するものであるので、説明の重複を避けるため、その詳しい説明は省略する。
【0025】
かくして、クラッシャ1の運転時には、図3に示す位置関係において、第1ロール5が第1電動機11によって反時計回りに回転駆動される一方、第2ロール6が第2電動機15によって時計回りに回転駆動される。そして、投入口21に、例えば岩石、土石、廃コンクリート、廃アスファルト、ガレキ、木材などといった破砕すべき塊状物が投入される。この塊状物は、第1ロール5と第2ロール6の間隙に落下し、第1ロール5と第2ロール6とによって挟まれて押圧され、下方に移動しつつ破砕されて破砕生成物となる。破砕生成物は、第1ロール5と第2ロール6の間隙から排出口19内に落下し、図示していない排出機構によりケーシング2外に排出される。なお、破砕生成物の粒径は、第1ロール5と第2ロール6の間隔、スパイク等の突起物の形状又は寸法などを変えることにより調節することができる。
【0026】
以下、図6図11を参照しつつ、電源からクラッシャ1に電力を供給する給電回路と、右側開口部22及び左側開口部23に対応する部位において該給電回路に設けられた給電回路遮断機構とを説明する。この給電回路遮断機構は、右側安全カバー24及び/又は左側安全カバー25が、右側開口部22及び/又は左側開口部23から取り外されている(開口部を開いている)ときには、破砕具(第1、第2ロール5、6)を確実に非作動状態にするためのものである。
【0027】
まず、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)を参照しつつ、給電回路及び給電回路遮断機構の全体構成を説明する。まず、図6(a)、(b)を参照しつつ、第1、第2電動機11、15が単相交流モータである場合について説明する。
図6(a)に示すように、第1、第2電動機11、15に単相交流電力を供給するために、単相交流電源40と、該単相交流電源40から第1、第2電動機11、15に単相交流電力を供給する給電回路C1とが設けられている。そして、単相交流電源40の近傍において、給電回路C1には、該給電回路C1を開閉して第1、第2電動機11、15、ひいては破砕具(第1、第2ロール5、6)の作動・非作動を操作するオペレータのための操作スイッチ41が設けられている。
【0028】
給電回路C1は、それぞれ、一方の端部が単相交流電源40に電気的に接続された第1給電線42及び第2給電線43を有している。そして、第1、第2給電線42、43は、それぞれ、他方の端部側で二股に分岐し、その一方は第1電動機11に接続され、他方は第2電動機15に接続されている。給電回路C1において、右側開口部22及び右側安全カバー24に対応する部位には右側給電回路遮断機構S1(以下、略して「右側遮断機構S1」という。)が設けられる一方、左側開口部23及び左側安全カバー25に対応する部位には左側給電回路遮断機構S2(以下、略して「左側遮断機構S2」という。)が設けられている。
【0029】
右側遮断機構S1は、ケーシング2側に設けられたケーシング側導電系統と、右側安全カバー24側に設けられたカバー側導電系統とで構成されている。そして、ケーシング側導電系統は、右側開口部22に対応する位置において、第1給電線42を断線させることにより形成された電動機側給電線片42a及び電源側給電線片42bを有している。なお、本明細書において「断線させる」との語は、1本の給電線を切断して各給電線片を分離する場合と、2つの個別の給電線片を準備し、これらを一連の給電線(1つの給電系統)として用いる場合とを含む概念である。
【0030】
さらに、ケーシング側導電系統は、それぞれケーシング2の前壁の上フレーム2aの上壁に配設された、電動機側給電線片42aに電気的に接続された電動機側ケーシング内導電体45と、電源側給電線片42bに電気的に接続された電源側ケーシング内導電体46とを有している。他方、カバー側導電系統は、それぞれ右側安全カバー24(右鉤手部材36及び左鉤手部材37)に配設された、電動機側カバー内導電体47及び電源側カバー内導電体48を有している。さらに、カバー側導電系統は、電動機側カバー内導電体47と電源側カバー内導体48とを電気的に接続するカバー内導線49とを有している。なお、カバー内導線49は、右側安全カバー24の内側又は外側のいずれに配置してもよい。
【0031】
左側遮断機構S2も、右側遮断機構S1とほぼ同様に、ケーシング2に設けられたケーシング側導電系統と左側安全カバー25に設けられたカバー側導電系統とで構成されている。そして、ケーシング側導電系統は、左側開口部23に対応する位置において、第1給電線42を断線させることにより形成された電動機側給電線片42c及び電源側給電線片42dを有している。なお、電動機側給電線片42cは、物としては右側遮断機構S1の電源側給電線片42bと同一のものである。すなわち、この1つの給電線片は、右側遮断機構S1に関しては電源側給電線片42bとして機能し、左側遮断機構S2に関しては電動機側給電線片42cとして機能する。
【0032】
さらに、左側遮断機構S2のケーシング側導電系統は、それぞれケーシング2の前壁の上フレーム2aの上壁に配設された、電動機側給電線片42cに電気的に接続された電動機側ケーシング内導電体50と、電源側給電線片42dに電気的に接続された電源側ケーシング内導電体51とを有している。他方、カバー側導電系統は、それぞれ左側安全カバー25に配設された、電動機側カバー内導電体52と、電源側カバー内導電体53と、電動機側カバー内導電体52と電源側カバー内導体53とを電気的に接続するカバー内導線54とを有している。
【0033】
図6(a)に示すクラッシャ1では、右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2は、給電回路C1を構成する第1給電線42に対して設けられ、第2給電線43は、単相交流電源40と第1、第2モータ11、15とを、操作スイッチ41を介して単純に電気的に接続しているだけである。しかしながら、図6(b)に示すように、右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2を、それぞれ、第1、第2給電線42、43に対して設けてもよい。
【0034】
図6(b)に示すクラッシャ1の給電回路C2では、右側遮断機構S1においては第2給電線43に対して、電動機側給電線片43aと、電源側給電線片43bと、電動機側ケーシング内導電体55と、電源側ケーシング内導電体56と、電動機側カバー内導電体57と、電源側カバー内導電体58と、カバー内導線59とが設けられている。他方、左側遮断機構S2においては第2給電線43に対して、電動機側給電線片43cと、電源側給電線片43dと、電動機側ケーシング内導電体60と、電源側ケーシング内導電体61と、電動機側カバー内導電体62と、電源側カバー内導電体63と、カバー内導線64とが設けられている。
【0035】
図6(b)に示すクラッシャ1の右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2において第2給電線43に対して設けられたケーシング側導電系統及びカバー側導電系統の構成及び機能は、基本的には、図6(a)に示すクラッシャ1の右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2において第1給電線42に対して設けられたケーシング側導電系統及びカバー側導電系統の構成及び機能と同様であるので、説明の重複を避けるため、その詳しい説明は省略する。なお、図6(b)に示すクラッシャ1も本発明の範囲内のものであるが、図6(a)に示すクラッシャ1に比べて構造が複雑となるので、図6(a)に示すクラッシャ1の方が実用的である。
【0036】
以下、図8図11を参照しつつ、図6(a)に示すクラッシャ1の右側遮断機構S1の具体的な構成及び機能を説明する。
図8図11に示すように、電動機側ケーシング内導電体45及び電源側ケーシング内導電体46は、それぞれ、ケーシング2の前壁の上フレーム2aの上壁に形成された貫通穴内に配置され、これらの下端部はそれぞれ電動機側給電線片42a及び電源側給電線片42bに電気的に接続されている。ここで、電動機側ケーシング内導電体45及び電源側ケーシング内導電体46の周面及び下面(電動機側給電線片42a及び電源側給電線片42bとの接続部を除く)は、それぞれ絶縁材料(例えば、塩化ビニル)で被覆されている。他方、電動機側ケーシング内導電体45及び電源側ケーシング内導電体46の上面は絶縁されず、外部に露出されている。電動機側ケーシング内導電体45及び電源側ケーシング内導電体46は、それぞれ、右側安全カバー24の右鉤手部材36及び左鉤手部材37の下方に位置するように配置されている。なお、電動機側給電線片42a及び電源側給電線片42bは、ケーシング2の内部又は外部のいずれに配置してもよい。
【0037】
他方、電動機側カバー内導電体47及び電源側カバー内導電体48は、それぞれ、右鉤手部材36及び左鉤手部材37の水平突出部36a、37aに形成された貫通穴内に配置され、これらの上端部はそれぞれカバー内導線49の対応する端部に電気的に接続されている。ここで、電動機側カバー内導電体47及び電源側カバー内導電体48の周面及び上面(カバー内導線49との接続部を除く)は、それぞれ絶縁材料(例えば、塩化ビニル)で被覆されている。他方、電動機側カバー内導電体47及び電源側カバー内導電体48の下面は絶縁されず、外部に露出されている。なお、カバー内導線49は、右側安全カバー24の内部又は外部のいずれに配置してもよい。
【0038】
電動機側ケーシング内導電体45、電源側ケーシング内導電体46、電動機側カバー内導電体47及び電源側カバー内導電体48は、右側安全カバー24が右側開口部22に取り付けられている(開口部を閉じている)ときには、電動機側ケーシング内導電体45の上面と電動機側カバー内導電体47の下面とが当接する一方、電源側ケーシング内導電体46の上面と電源側カバー内導電体48の下面とが当接するように配置されている。なお、右側安全カバー24の各鉤手部材36〜39の水平突出部36a〜39aは、それぞれ、ボルト66及びナット67を用いて、ケーシング2の前壁及び後壁の上フレーム2a、2bの上壁にボルト締結され、これにより右側安全カバー24が、右側開口部22を全面的に覆うようにして、ケーシング2に取り付けられている。このため、このボルト締結を解除することにより、右側安全カバー24をケーシング2から容易に取り外す(開口部を開く)ことができる。
【0039】
詳しくは図示していないが、図6(a)に示すクラッシャ1の左側遮断機構S2の具体的な構成及び機能も、基本的には右側遮断機構S1のそれらと同様であるので、説明の重複を避けるため、その詳しい説明は省略する。
なお、図11に示すように、右側安全カバー24をケーシング2に取り付ける際に、これらの位置決めを容易にし、かつ各ケーシング内導電体45、46と各カバー内導電体47、48の電気的接続状態を良くするために、各ケーシング内導電体45、46の上面に凹部を設ける一方、各カバー内導電体47、48の下面に、該凹部と嵌合する凸部を設けてもよい。なお、逆に、各ケーシング内導電体45、46の上面に凸部を設ける一方、各カバー内導電体47、48の下面に凹部を設けてもよいのはもちろんである。
【0040】
なお、左側遮断機構S2は、基本的には上記の右側遮断機構S1と同様の構成及び機能を有しているので、説明の重複を避けるため、その詳しい説明は省略する。かくして、右側安全カバー24が右側開口部22を覆うようにしてケーシング2に取り付けられ、かつ左側安全カバー25が左側開口部23を覆うようにしてケーシング2に取り付けられているときには、各電動機側ケーシング内導電体45、50と各電動機側カバー内導電体47、52とが当接して電気的に接続され、かつ各電源側ケーシング内導電体46、51と各電源側カバー内導電体48、53とが当接して電気的に接続されるので、操作スイッチ41がオンされていれば、単相交流電源40から第1、第2電動機11、15に電力が供給され、破砕具(第1、第2ロール5、6)は作動状態となる。
【0041】
他方、右側安全カバー24及び左側安全カバー25のうちの少なくとも一方がケーシング2から取り外されているときには、給電回路C1は、取り外されている安全カバー24、25に設けられたカバー側通電経路を物理的に欠くことになるので、操作スイッチ41のオン・オフにかかわらず、単相交流電源40から第1、第2電動機11、15に電力が供給されることはありえず、破砕具(第1、第2ロール5、6)は確実に非作動状態となる。
【0042】
したがって、例えばオペレータが安全カバー24、25を開いてケーシング2内の機器を点検又は修理しているときに、何らかの原因で操作スイッチ40がオンされたとしても、破砕具(第1、第2ロール5、6)が作動することはありえない。また、破砕機の運転中にオペレータが安全カバー24、25を開いたときには単相交流電源40から第1、第2電動機11、15への給電経路が物理的に遮断され、破砕具は必ず動作を停止するので、開口部22、23から破砕物が飛散することはない。したがって、これらに起因する破砕機によるオペレータの傷害事故を確実に防止することができる。
【0043】
図6(b)に示すクラッシャ1においても、基本的には、図6(a)に示すクラッシャ1と同様に、右側安全カバー24がケーシング2に取り付けられ、かつ左側安全カバー25がケーシング2に取り付けられているときには、操作スイッチ41がオンされていれば、単相交流電源40から第1、第2電動機11、15に電力が供給され、破砕具(第1、第2ロール5、6)は作動状態となる。他方、右側安全カバー24及び左側安全カバー25のうちの少なくとも一方がケーシング2から取り外されているときには、給電回路C2は、取り外されている安全カバー24、25に設けられたカバー側通電経路を物理的に欠くことになるので、操作スイッチ41のオン・オフにかかわらず、単相交流電源40から第1、第2電動機11、15に電力が供給されることはありえず、破砕具(第1、第2ロール5、6)は確実に非作動状態となる。このため、図6(a)に示すクラッシャ1の場合と同様の効果を奏する。
【0044】
以下、図7(a)、(b)を参照しつつ、第1、第2電動機11、15が3相交流モータである場合におけるクラッシャ1の給電回路及び給電回路遮断機構の構成及び機能を説明する。ただし、図7(a)、(b)に示すクラッシャ1は、図6(a)、(b)に示すクラッシャ1と基本的構成が共通であるので、以下では説明の重複を避けるため、図6(a)、(b)に示すクラッシャ1と共通する構成要素には図6(a)、(b)と同一の参照番号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0045】
図7(a)に示すように、第1、第2電動機11、15に3相交流電力を供給するために、3相交流電源70と、該3相交流電源70から第1、第2電動機11、15に3相交流電力を供給する給電回路C3とが設けられている。そして、3相交流電源70の近傍において、給電回路C3には、該給電回路C3を開閉して第1、第2電動機11、15、ひいては破砕具(第1、第2ロール5、6)の作動・非作動を操作するための操作スイッチ71が設けられている。
【0046】
給電回路C3は、それぞれ、一方の端部が3相交流電源70に電気的に接続された第1〜第3給電線72〜74を有している。そして、第1〜第3給電線72〜74は、それぞれ、他方の端部側で二股に分岐し、その一方は第1電動機11に接続され、他方は第2電動機15に接続されている。給電回路C3において、右側開口部22に対応する部位には右側遮断機構S1が介設される一方、左側開口部23に対応する部位には左側遮断機構S2が介設されている。
【0047】
右側遮断機構S1は、ケーシング2に設けられたケーシング側導電系統と、右側安全カバー24に設けられたカバー側導電系統とで構成されている。そして、ケーシング側導電系統は、右側開口部22に対応する位置において、それぞれ第1、第2給電線72、73を断線させることにより形成された第1、第2電動機側給電線片72a、73a及び第1、第2電源側給電線片72b、73bを有している。なお、一般に、3相交流電動機は、3本の給電線のうちの1本の給電線が断線しても回転可能であるので、右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2は少なくとも2本の給電線72、73に対して設けることになる。
【0048】
さらに、ケーシング側導電系統は、それぞれ、ケーシング2の前壁の上フレーム2aの上壁に配設された、第1、第2電動機側給電線片72a、73aに電気的に接続された第1、第2電動機側ケーシング内導電体75、76と、第1、第2電源側給電線片72b、73bに電気的に接続された第1、第2電源側ケーシング内導電体77、78とを有している。他方、カバー側導電系統は、それぞれ、右側安全カバー24に配設された、第1、第2電動機側カバー内導電体79、80と、第1、第2電源側カバー内導電体81、82と、それぞれ第1、第2電動機側カバー内導電体79、80と電源側カバー内導体81、82とを電気的に接続するカバー内導線83、84とを有している。
【0049】
左側遮断機構S2も、右側遮断機構S1とほぼ同様に、ケーシング2に設けられケーシング側導電系統と左側安全カバー25に設けられたカバー側導電系統とで構成されている。そして、ケーシング側導電系統は、左側開口部23に対応する位置において、第1、第2給電線72、73を断線させることにより形成された第1、第2電動機側給電線片72c、73c及び第1、第2電源側給電線片72d、73dを有している。なお、第1、第2電動機側給電線片72c、73cは、物としては右側遮断機構S1の第1、第2電源側給電線片72b、72cと同一のものである。
【0050】
さらに、左側遮断機構S2のケーシング側導電系統は、それぞれケーシング2の前壁の上フレーム2aの上壁に配設された、第1、第2電動機側給電線片72c、73cに電気的に接続された第1、第2電動機側ケーシング内導電体85、86と、電源側給電線片72d、73dに電気的に接続された電源側ケーシング内導電体87、88とを有している。他方、カバー側導電系統は、それぞれ左側安全カバー25に配設された、第1、第2電動機側カバー内導電体89、90と、電源側カバー内導電体91、92と、それぞれ第1、第2電動機側カバー内導電体89、90と電源側カバー内導体91、92とを電気的に接続する第1、第2カバー内導線93、94とを有している。
【0051】
図7(a)に示すクラッシャ1では、右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2は、給電回路C3を構成する第1、第2給電線72、73に対して設けられ、第3給電線74は、3相交流電源70と第1、第2モータ11、15とを、操作スイッチ71を介して単純に電気的に接続しているだけである。しかしながら、図7(b)に示すように、右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2を、給電回路C4の第1〜第3給電線72〜74に対して設けてもよい。
【0052】
図7(b)に示すクラッシャ1では、右側遮断機構S1において、第3給電線74に対して、電動機側給電線片74aと、電源側給電線片74bと、電動機側ケーシング内導電体95と、電源側ケーシング内導電体96と、電動機側カバー内導電体97と、電源側カバー内導電体98と、カバー内導線99とが設けられている。他方、左側遮断機構S2において、第3給電線74に対して、電動機側給電線片74cと、電源側給電線片74dと、電動機側ケーシング内導電体100と、電源側ケーシング内導電体101と、電動機側カバー内導電体102と、電源側カバー内導電体103と、カバー内導線104とが設けられている。
【0053】
図7(b)に示すクラッシャ1の右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2において第3給電線74に対して設けられたケーシング側導電系統及びカバー側導電系統の構成及び機能は、基本的には、図7(a)に示すクラッシャ1の右側遮断機構S1及び左側遮断機構S2において第1、第2給電線72、73に対して設けられたケーシング側導電系統及びカバー側導電系統の構成及び機能と同様である。なお、図7(b)に示すクラッシャ1も本発明の範囲内のものであるが、図7(a)に示すクラッシャ1に比べて構造が複雑となるので、図7(a)に示すクラッシャ1の方が実用的である。
【0054】
図7(a)、(b)に示すクラッシャ1においても、基本的には、図6(a)、(b)に示すクラッシャ1の場合と同様に、右側安全カバー24がケーシング2に取り付けられ、かつ左側安全カバー25がケーシング2に取り付けられているときには、操作スイッチ71がオンされていれば、3相交流電源70から第1、第2電動機11、15に電力が供給され、破砕具(第1、第2ロール5、6)は作動状態となる。他方、右側安全カバー24及び左側安全カバー25のうちの少なくとも一方がケーシング2から取り外されているときには、給電回路C3、C4は、取り外されている安全カバー24、25に設けられたカバー側通電経路を物理的に欠くことになるので、操作スイッチ71のオン・オフにかかわらず、3相交流電源70から第1、第2電動機11、15に電力が供給されることはありえず、破砕具(第1、第2ロール5、6)は確実に非作動状態となる。このため、図6(a)、(b)に示すクラッシャ1の場合と同様の効果を奏する。
【0055】
この実施形態では、クラッシャ1のケーシング2は2つの開口部22、23を有し、これらに対してそれぞれ安全カバー24、25が取り付けられている。しかしながら、本発明において、開口部及び安全カバーの数は2に限られるわけではなく、これより少なくてもよく(1つ)、また多くてもよい(例えば、3、4、5…)。また、この実施形態では、開口部22、23はケーシング2の上部に形成されている。しかしながら、本発明において、開口部の位置はケーシングの上部に限られるわけではなく、ケーシング2の側部(前壁、後壁、右壁、左壁)に形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明に係る安全カバーを備えた破砕機は、オペレータの前記の傷害事故を確実に防止することができる破砕機として有用であり、岩石、廃コンクリート、廃アスファルト、ガレキ、木材などといった種々の塊状物を破砕する手段として用いるのに適している。
【符号の説明】
【0057】
1 ダブルロールクラッシャ(破砕機)、2 ケーシング、3 第1シャフト、4 第2シャフト、5 第1ロール、6 第2ロール、7 軸受、8 軸受、9 軸受、10 軸受、11 第1電動機、12 駆動プーリ、13 ベルト、14 被駆動プーリ、15 第2電動機、16 駆動プーリ、17 ベルト、18 被駆動プーリ、19 排出口、20 蓋部、21 投入口、22 右側開口部、23 左側開口部、24 右側安全カバー、25 左側安全カバー、31 第1プレート、32 第2プレート、33 上側フレーム、34 下側フレーム、35 金網、36 右鉤手部材、37 左鉤手部材、38 右鉤手部材、39 左鉤手部材、40 単相交流電源、41 操作スイッチ、42 第1給電線、43 第2給電線、45 電動機側ケーシング内導電体、46 電源側ケーシング内導電体、47 電動機側カバー内導電体、48 電源側カバー内導電体、49 カバー内導線、50 電動機側ケーシング内導電体、51 電源側ケーシング内導電体、52 電動機側カバー内導電体、53 電源側カバー内導電体、54 カバー内導線、55 電動機側ケーシング内導電体、56 電源側ケーシング内導電体、57 電動機側カバー内導電体、58 電源側カバー内導電体、59 カバー内導線、60 電動機側ケーシング内導電体、61 電源側ケーシング内導電体、62 電動機側カバー内導電体、63 電源側カバー内導電体、64 カバー内導線、66 ボルト、67 ナット、68 凹部、69 凸部、70 3相交流電源、71 操作スイッチ、72 第1給電線、73 第2給電線、74 第3給電線、75 第1電動機側ケーシング内導電体、76 第2電動機側ケーシング内導電体、77 第1電源側ケーシング内導電体、78 第2電源側ケーシング内導電体、79 第1電動機側カバー内導電体、80 第2電動機側カバー内導電体、81 第1電源側カバー内導電体、82 第2電源側カバー内導電体、83 第1カバー内導線、84 第2カバー内導線、85 第1電動機側ケーシング内導電体、86 第2電動機側ケーシング内導電体、87 第1電源側ケーシング内導電体、88 第2電源側ケーシング内導電体、89 第1電動機側カバー内導電体、90 第2電動機側カバー内導電体、91 第1電源側カバー内導電体、92 第2電源側カバー内導電体、93 第1カバー内導線、94 第2カバー内導線、95 電動機側ケーシング内導電体、96 電源側ケーシング内導電体、97 電動機側カバー内導電体、98 電源側カバー内導電体、99 カバー内導線、100 電動機側ケーシング内導電体、101 電源側ケーシング内導電体、102 電動機側カバー内導電体、103 電源側カバー内導電体、104 カバー内導線。
【要約】
【課題】安全カバーが開かれているときに破砕具を確実に非作動状態にすることができる破砕機を提供する。
【解決手段】破砕機1は、ケーシング2内に配置された破砕具と、開口部22を開閉する安全カバー24と、破砕機駆動用の電動機11、15に給電する給電線42、43とを有する。給電線42に介設された給電回路遮断機構S1は、電動機側ケーシング内導電体45と、電源側ケーシング内導電体46と、電動機側カバー内導電体47と、電源側カバー内導電体48とを有する。安全カバー24の装着時には、電動機側ケーシング内導電体45と電動機側カバー内導電体47とが当接し、電源側ケーシング内導電体46と電源側カバー内導電体48とが当接し、電動機11、15に給電可能となる。安全カバー24が取り外されたときには、給電回路が物理的に遮断され、給電が不可能となる。
【選択図】図6
図1
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