(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771742
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】容器または水槽の水中壁部の損傷箇所の補修装置および補修方法
(51)【国際特許分類】
G21C 19/02 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
G21C19/02 J
G21C19/02 Y
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-513090(P2014-513090)
(86)(22)【出願日】2012年4月19日
(65)【公表番号】特表2014-517927(P2014-517927A)
(43)【公表日】2014年7月24日
(86)【国際出願番号】EP2012057162
(87)【国際公開番号】WO2013087229
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2013年11月27日
(31)【優先権主張番号】102011088429.7
(32)【優先日】2011年12月13日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012205013.2
(32)【優先日】2012年3月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501315289
【氏名又は名称】アレヴァ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Areva GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー、ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー‐ヒュネーク、コンラート
(72)【発明者】
【氏名】ネーア、ロタール
【審査官】
林 靖
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−514529(JP,A)
【文献】
特開2003−156586(JP,A)
【文献】
特表2009−524802(JP,A)
【文献】
特表2009−510466(JP,A)
【文献】
特開2008−051650(JP,A)
【文献】
特開平07−181286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/00−19/50
G21C 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器または水槽における水中壁面部の損傷箇所(21)を補修する装置であって、1つの側壁(12)に沿って、これと間隔を隔てて、この側壁に取り付け可能で、且つ固定可能な1つのガイドシステム(6)を含み、このガイドシステムが、その上でガイドされこのガイドシステム(6)の長手方向(5)に走行可能な少なくとも2つの第1スライダ(20、202、204)を含み、前記第1スライダに、損傷箇所を含んだ壁部分に接着面を当てることができる補修被覆(22、220)のための、押し動かすことができるように保持されたそれぞれ1つの収納部(30)が配設されており、さらに、前記第1スライダ(20、202、204)に、前記側壁(12)に当接可能で吸引配管に接続された少なくとも1つの吸着カップ(34)が取付けられている補修装置において、
前記ガイドシステム(6)は、さらに、少なくとも1つの第2スライダ(24)を備え、この第2スライダ(24)が前記ガイドシステムに沿って走行可能であり、最も近接する前記2つの第1スライダ(20、202、204)の間の、前記ガイドシステム(6)の長手方向(5)の間隔を特定するためのスペーサとして配設されていることを特徴とする補修装置。
【請求項2】
前記第2スライダ(24)により得られる、前記補修被覆(22)間の間隔が長手方向(5)における1つの補修被覆(22、220)の長さと等しいことを特徴とする請求項1に補修装置。
【請求項3】
前記第1および第2スライダ(20、202、204および24)が、前記ガイドシステム(6)の上方に配設したケーブルウィンチに結合されることにより、自重、すなわち重力の作用によってのみ下降可能である請求項1または2に記載の補修装置。
【請求項4】
前記ガイドシステム(6)が取り外し可能に互いに結合された複数の区間部で組立てられている請求項1から3の1つに記載の補修装置。
【請求項5】
前記ガイドシステム(6)に配置され、このガイドシステム(6)を側壁(12)に固定するために吸引配管に接続された複数の吸着カップを備えた請求項1から4の1つに記載の補修装置。
【請求項6】
請求項1から5の1つに記載の装置による損傷箇所の補修方法であって、1回目の作業サイクルにおいて、補修被覆(22、220)を装荷された複数の第1スライダ(20、202)と第2スライダ(24)とが交互にガイドシステム(6)のレールに載せられ、これらの補修被覆(22、220)が接着され、2回目の作業サイクルで、補修被覆(22、220)をあらためて装荷された複数の第1スライダ(20、202)と第2スライダ(24)とが逆の順序でガイドシステム(6)のレールに載せられる補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器または水槽、特に例えば特許文献1で知られているような原子炉設備の水槽における水中に在る壁部の損傷箇所の補修装置に関する。本発明はさらに、そのような損傷箇所の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉設備、例えば原子炉キャビティまたは燃料集合体保管水槽の注水された水槽の壁面(側壁面および底面)は相互に溶接された複数の鋼板からなる内張りを備えている。複数の鋼板が互いにまたは基礎構造体と結合されている溶接継目は、溶接時に必然的に発生する機械的応力により、塩素に誘発された応力腐食割れに弱いので、時間の経過と共にクラックが発生することがある。このようなクラックを通って水槽の水がコンクリート壁へ漏出するのを避けるために、これらのクラックをシールしなければならない。このような補修対策中に保守作業員を放射線から十分に防護するために、特に燃料集合体を装填した燃料集合体保管水槽では水を抜くことはできないので、この補修は水中で行なわねばならない。しかし、このような燃料集合体保管水槽では特に側面の壁部は近づくのが難しい。燃料集合体保管水槽中の燃料集合体収納棚と側壁面との間には狭い隙間しかないからである。
【0003】
基本的には、例えば特許文献2から、接着材の塗布または補修被覆の貼り付けによってこのようなクラックを塞ぐことが知られている。このために潜水夫により手作業で、あるいは、水槽の縁から操作されるロッド伝達装置を使って、補修被覆が壁面に被着された。しかし、近づきにくく、水面下で非常に深いところにある損傷箇所の補修はこの方法では不可能である。
【0004】
近づきにくい箇所をも補修できるために、特許文献1には次の装置が提案されている。すなわち、側壁面に沿って、これと或る間隔を隔ててガイドシステムを設置し、このガイドシステムは壁面に複数の小吸盤で固定され、その操作のためにこのガイドシステムの長手方向に可動スライダが使用される装置が提案されている。このスライダに、損傷箇所を含む壁面部に接着面を当てることができる補修被覆の収納部が押付け可能に取付けられている。この公知の装置では、このスライダはその自重により最終位置に移動し、その位置でこのガイドシステムはより多くの小吸盤により特に強い保持力で側壁に固定され、これにより補修被覆を押し付ける時に生じる反力を受け止めることができる。この公知の装置により、水槽内の構造部材、例えば燃料集合体保管水槽の燃料集合体収納棚があるために狭い隙間からしか近づけない側壁面または側壁面に接する底面縁部に届くことができる。
【0005】
使用される接着剤の硬化時間がかなり長く、少なくとも12時間かかるので、この公知の装置では、例えば縦方向に走る溶接継目の全長に亘って延びていることがある広範囲の複数の損傷箇所を修理するには長い時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008014544A1号明細書
【特許文献2】独国特許発明第10026649号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、容器または水槽、特に原子炉設備の水槽における水中壁面部の損傷箇所を補修する装置を提供することにあり、この装置により、多数の近づきにくい損傷箇所、または広範でより大きな複数の損傷箇所をより短い時間で修復することができる。さらに本発明の課題は、より長い部分に垂直方向に延びる溶接継目を短時間で修理することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の課題は本発明により、請求項1の特徴を備えた装置により解決される。これらの特徴によりこの装置は、1つの側壁に沿って、これと間隔を隔てて、この側壁に取り付け可能で、且つ固定可能な1つのガイドシステムを含み、このガイドシステムが、その上でガイドされこのガイドシステムの長手方向に走行可能な少なくとも1つの第1スライダを含み、この第1スライダに、損傷箇所を含んだ壁部分に接着面を当てることができる補修被覆のための、第1スライダの長手方向に対して垂直方向に押し動かすことができるように保持された1つの収納部が配設されており、さらに、この第1スライダに、前記側壁に当接可能で吸引配管に接続された少なくとも1つの吸着カップが取付けられている。
【0009】
側壁に固定されたガイドシステムのレールに載せることができ、ガイドレールの長手方向に走行可能な、補修被覆を損傷箇所へ搬送できるスライダを使用することによって、粘着性を有する流動性接着剤を備えた補修被覆を非常に短時間に正しい作業位置に搬送することができる。というのは、この作業位置は事前にガイドシステムの取付けによって定められているからである。換言すれば:接着剤を備えた補修被覆はガイドシステムが取付けられた後で、損傷箇所に搬送されるので、ガイドシステムの取り付けと位置決めを時間に追われることなしに高精度で行うことができる。
【0010】
第1スライダ自身が少なくとも1つの吸着カップを備えているので、補修被覆を側壁に当接する際に発生する反作用力を常にスライダ位置で直接受け止めることができ、これにより、補修被覆の押付けによって、その長手方向に直角で、かつ、側壁から離れる方向に働く力がガイドシステムに作用することは実際問題としてない。この方法で第1スライダを、特許文献1で知られた装置では必要なガイドシステムを確実に側壁に固定するための特別な追加処置を講じることなしに、その位置でフレキシブルにガイドシステムの様々な位置に保持し、側壁に固定することができる。こうして、ガイドシステムを新たに位置決めする必要なしに、この固定されたガイドシステムに向かい合った様々な長手方向位置における多くの損傷箇所を順次補修することができる。
【0011】
有利な実施形態では、このガイドシステムは少なくとも2つの第1スライダとこのガイドシステムに沿って走行可能な少なくとも1つの第2スライダとを含み、この第2スライダは互いに隣り合う第1スライダ間のスペーサとしてのみの役目を果たす。
【0012】
さらに、第2スライダによって生じた補修被覆間の間隔がこの補修被覆の長手方向の長さとほぼ等しいか、それよりも極く僅かに長い場合には、2回目の作業ステップで、この第1および第2スライダを使用して、1回目の作業ステップの後に個々の補修被覆の間に生じる被覆されていない隙間を塞ぐことができる。
【0013】
第1および第2スライダが駆動装置を有さず、重力の作用によってのみ走行できる場合には、本装置の構成は本質的に簡単になる。
【0014】
このガイドシステムが取り外し可能に互いに結合された複数の区間部で組立てられていると、このガイドシステムの組立は現場で容易になる。
【0015】
このガイドシステムに、吸引配管に接続された複数の吸着カップが配置されていると、このガイドシステムの側壁への簡単な固定が可能となる。
【0016】
本発明の第2の課題は請求項7の特徴を有する方法で解決される。この特徴によれば、1回目の作業サイクルで、補修被覆を装荷された複数の第1スライダと第2スライダとが交互にガイドシステムのレールに載せられ、複数の補修被覆が接着され、2回目の作業サイクルで、補修被覆を装荷された複数の第1スライダと第2スライダとが逆の順序でガイドシステムのレールに載せられる。こうして、2回の作業サイクルだけで溶接継目を大きな長さに渡り完全に覆うことができる。
【0017】
図示した実施例を参照して本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】燃料集合体保管水槽の側壁面に設置された本発明による装置のガイドシステムの模式的側面図。
【
図2】コーナー部で使用するためのガイドシステムの斜視図であり、それぞれが修復被覆を受容する複数の第1スライダがこのガイドシステムのレールに載せられている。
【
図3】
図2に示されたガイドシステムの部分拡大図。
【
図6】平面部で使用するためのガイドシステムの斜視図であり、それぞれが修復被覆を受容する複数の第1スライダがこのガイドシステムのレールに載せられている。
【
図7】垂直に延びる溶接継目の修復のための第1スライダの斜視図。
【
図8】水平に延びる溶接継目の修復のための第1スライダの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明による装置の出発位置を示し、この位置では原子炉設備の注水された水槽2内に第1スライダも第2スライダも無い。この装置は水槽の縁に設置された棚3に保持された支持枠4を含む。この支持枠4は、互いに並行な2つのガイドレール6a、bで構成され、長手方向5に延びるガイドシステム6のためのものであり、このガイドシステムは取り外し可能に相互に結合された複数の区間部8で組立てられている。このガイドシステム6ないしはこれらのガイドレール6a、bに複数の吸着カップ10が配置されており、これらの吸着カップは図示されていない吸引配管により負圧をかけることができ、この方法により、ガイドシステム6をこの例では垂直に延びている側壁12に間隔を隔てて垂直に固定している。水槽2の複数の壁面(側壁面12および底面)は、互いに溶接された複数の鋼板からなるライナー14を備えている。
【0020】
図示されたこの例ではガイドシステム6は、
図1には示されていない垂直に延びる溶接継目に対向して設置され、水槽2の図示されていない底面まで延びている。溶接継目は多数の損傷箇所を有することがあるので、水槽の水がコンクリート壁16へ漏出するのを避けるために、その全長にわたってシールしなければならない。
【0021】
図2からこのガイドシステム6が2つのガイドレール6a、bで構成されていることが分かる。このガイドシステム6はそのレールに載せられた多数の第1スライダ20を案内し、これらの第1スライダはそれぞれ1つの補修被覆22を支えている。隣り合う第1スライダ20の間にそれぞれ1つの第2スライダ24があり、この第2スライダはスペーサとして機能し、長手方向5において補修被覆22とほぼ同じ長さを有する。複数の第1スライダ20と第2スライダ24は交互にガイドシステム6のレールに載せられ、支持枠4に取付けられているケーブルウインチにより、自重、すなわち重力の作用によってのみ下降し、その際に、各スライダ20、24は次に来るスライダ24、20のためのストッパとなる。
【0022】
本発明による装置が
図2から
図5に1つの実施形態に基づき分かり易く例示されている。この装置は水槽のコーナー部の溶接継目の補修のためのものである。
図3はこの拡大図である。
【0023】
各第1スライダは1つの収納部30を支え、この収納部はガイドシステム6の長手方向5に対して垂直方向に、矢印で示された送り方向32に押し動かすことができるように第1スライダに取付けられており、補修被覆22を収納している。
【0024】
第1スライダ20に設置されている収納部30の構造は特許文献1で知られている収納部にほぼ相当している。この既知の装置と同様に収納部30内の補修被覆22は負圧の発生により接着面とは反対の背面側に固定されている。補修被覆が接着剤の硬化後に壁部に永続的に固定されたら、この施策により補修被覆22を簡単に取り外す、あるいは解放することができる。十分に大きな押付け力を得るために、収納部30は送り方向32に空気圧で押し付けることができるように第1スライダ上に取付けられている。
【0025】
しかし、特許文献1で詳細に説明されている実施形態とは異なって、本発明では、第1スライダ20自体が複数の吸着カップ34を備えており、これらの吸着カップは水槽の側壁に当接可能であり、吸引配管に接続されている。
【0026】
コーナー部で使用するために、補修被覆22として角度を持った形状が使用され、これがこれに相応に成形された収納部30に配置されている。このガイドシステム6あるいは第1スライダ20は、対をなして互いに90°の角度でアラインメントされている複数の吸着カップ10と34を備え、これらの吸着カップによりこのガイドシステムあるいは第1スライダ20を互いに直角に交わっている2つの側壁面に固定することができる。
【0027】
図4と
図5によれば、第1、第2スライダ20、24はそれぞれ2つの滑走板40a、bを備え、この滑走板の側部に複数のローラー42が設置され、これらのローラーによってスライダ20、24がガイドレールに沿ってロール走行できる。
【0028】
図3から分かるように、走行板40a、bの端部にある細い端面44a、bはそれぞれ順番に隣りあった複数のスライダ用のストッパとして使用される。互いに隣り合った第1スライダの補修被覆
22間の間隔は、長手方向5における補修被覆
22の長さとほぼ等しいか、場合によってはこれより僅かに大きい。
【0029】
本発明による装置を使えば、長手方向に延びている1つの溶接継目を事実上その全長にわたって2回の作業サイクルでシールすることができる。1回目の作業サイクルで、第1と第2のスライダ20、24が交互にレールに載せられ、接着剤を塗布された補修被覆22が空気圧で壁面に押し付けられる。接着剤の硬化後(約12時間)収納部30は元に戻り、第1と第2のスライダ20、24はガイドシステム6から順次取り外される。ガイドシステム6はそのままの位置で側壁に固定されている。2回目の作業サイクルで、接着剤を塗布された補修被覆22を第1スライダに改めて取り付け、第1と第2のスライダ20、24は1回目の作業サイクルとは逆の順序で交互に、まだ側壁に固定されたままのガイドシステム6のレールに載せられる。1回目の作業サイクルで壁面に接着される複数の補修被覆の間の間隔は、2回目の作業サイクルで複数の補修被覆を隣り合った補修被覆24の間に接着した後、場合により存在する隙間が押付け時に横に漏れる接着剤で覆われるように決められる。
【0030】
図2から
図5に示された実施例に替えて、構造的に相応に適合した収納部、ガイドシステムおよび補修被覆により、平らな壁面または円筒形の容器またはパイプも補修することができる。
【0031】
図6では複数の第1スライダ202、204をガイドシステム6のレールに載せ、その収納部302、304に平らな壁面の損傷箇所の補修のために平らな補修被覆220を取付けている。第1スライダ202に設置され、かつ、ガイドシステム6の長手方向に延びている収納部302に取り付けられている補修被覆220が垂直方向に延びている溶接継目の補修に使われる。
図6に示された、ガイドシステム6のレールに載せられているスライダ204は、ガイドシステム6の長手方向に対して垂直方向に延びている収納部304を支えている。これによって、この収納部に取付けられている平らな補修被覆220は平らな水槽壁面に水平に走る溶接継目の補修に使われる。この実施例でも、互いに隣接する複数の第1スライダ202、204はそれぞれ1つの第2スライダにより互いに隔離されている。
【0032】
図7と8にこの第1スライダ202ないし204が拡大された斜視図で再掲されている。
【0033】
本発明による装置を、単独の損傷箇所、または少数の吸着カップで側壁に固定されているガイドシステムの異なる長手方向位置にある、ガイドシステムの長手方向で互いに離間した複数の損傷箇所を補修するのに使用すると有利である。補修被覆を押し付ける時に生じる反作用力は複数の吸着カップを備えた第1スライダで直接的に受け止められるからである。
【符号の説明】
【0034】
2 水槽
4 支持枠
5 長手方向
6 ガイドシステム
6a、6b ガイドレール
10、34 吸着カップ
16 コンクリート壁
20、202、204 第1スライダ
22、220 補修被覆
24 第2スライダ
30、302、304 収納部
32 補修被覆を押付ける方向