特許第5771747号(P5771747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5771747
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】印刷単位ブロック整列装置及び整列方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/32 20060101AFI20150813BHJP
   B26D 11/00 20060101ALI20150813BHJP
   B65H 35/02 20060101ALI20150813BHJP
   B65H 35/04 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   B26D7/32 Z
   B26D11/00
   B65H35/02
   B65H35/04
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-521873(P2014-521873)
(86)(22)【出願日】2013年11月1日
(86)【国際出願番号】JP2013079750
【審査請求日】2014年5月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591227251
【氏名又は名称】株式会社宇野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】宇野 忠男
(72)【発明者】
【氏名】宇野 洋祐
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特公平7−102519(JP,B2)
【文献】 特開平5−178520(JP,A)
【文献】 特開平6−9141(JP,A)
【文献】 特表2011−518738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/32
B26D 11/00
B65H 35/02
B65H 35/04
B65G 47/53
B65G 43/08
B65G 43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦列と横列との面付構成で多面印刷された大判シートから印刷単位ブロックに断裁し、整列した上で、面付構成に関わらず一定速度で次工程に送る印刷単位ブロック整列装置であって、
該大判シートが積み重ねられた大判シートブロックを横列の列単位ブロックに切断する1次断裁手段と、
この1次断裁手段で切断された列単位ブロックを印刷単位ブロックに切断する2次断裁手段と、
印刷単位ブロック群を縦送りする縦送り搬送手段により印刷単位ブロックを列単位ブロック毎にチャージする支持位置と解除位置に開閉する上レールと、
この上レールの直下に上レールと直交して配置されこの上レールの解除位置への変動で落下する印刷単位ブロック群の単位ブロック個々を列単位ブロック毎に受け止め横送り搬送手段で横送りする下レール群と、
この下レール群から横送りし搬出された印刷単位ブロック群を列単位ブロック毎に受け止める支持位置と解除位置に開閉する支持手段と、
この支持手段の解除位置への変動で落下する印刷単位ブロック群を受け止めて列単位ブロック毎に縦方向に並べ、整列搬送手段が一定速度で縦送りする整列搬送レールと、
を備える構成において、
該支持手段から整列搬送レールへの落下タイミングを電気的に制御する電気的制御手段を設け、
該横送り搬送手段の搬送速度を面付構成に関わらず統一された速度にしながら、この電気的制御手段が、異なる面付構成における縦列の段数に応じて落下タイミングを制御する
ことを特徴とする印刷単位ブロック整列装置。
【請求項2】
前記横送り搬送手段の搬送速度が、装置の対応する面付構成のうち最小の縦列の段数の条件下において統一された搬送速度である
請求項1に記載の印刷単位ブロック整列装置。
【請求項3】
前記電気的制御手段が、前記横送り搬送手段に備えたクラッチブレーキを制御することにより、前記横送り駆動に一定の停止期間を生じさせて落下タイミングを制御する
請求項1又は2に記載の印刷単位ブロック整列装置。
【請求項4】
前記支持手段が、前記支持位置においては前記印刷単位ブロックの両側側面で支持すると共に、前記解除位置では両側側面の支持を同時に解除して前記整列搬送レールに落下させるようにした
請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷単位ブロック整列装置。
【請求項5】
縦列と横列との面付構成で多面印刷された大判シートから印刷単位ブロックに断裁し、整列した上で、面付構成に関わらず一定速度で次工程に送る印刷単位ブロック整列方法であって、
該大判シートが積み重ねられた大判シートブロックを横列の列単位ブロックに切断する1次断裁工程、
この列単位ブロックを印刷単位ブロックに切断する2次断裁工程、
印刷単位ブロック群を縦送りして印刷単位ブロックを列単位ブロック毎に上レールにチャージする縦送り工程、
この上レールから印刷単位ブロックを解除して、上レールと直交する下レール群に落下させ、印刷単位ブロック群の単位ブロック個々を列単位ブロック毎に受け止め、横送りする横送り工程、
この下レール群から横送りして搬出された印刷単位ブロック群を列単位ブロック毎に支持手段で受け止め、この支持手段を解除して整列搬送レールに印刷単位ブロック群を受け止めさせて、列単位ブロック毎に縦方向に並べて縦送りする整列搬送工程、
の各工程を有し、
整列搬送工程において、
該支持手段から整列搬送レールへの落下タイミングを電気的に制御する電気的制御手段を設けて、この電気的制御手段が、該横送り搬送工程における搬送速度を面付構成に関わらず統一された速度にしながら、異なる面付構成における縦列の段数に応じて落下タイミングを制御する
ことを特徴とする印刷単位ブロック整列方法。
【請求項6】
前記横送り搬送工程における搬送速度が、装置の対応する面付構成のうち最小の縦列の段数の条件下において統一された搬送速度である
請求項5に記載の印刷単位ブロック整列方法。
【請求項7】
前記電気的制御手段が、前記横送り搬送手段に備えたクラッチブレーキを制御することにより、前記横送り駆動に一定の停止期間を生じさせて落下タイミングを制御する
請求項5又は6に記載の印刷単位ブロック整列方法。
【請求項8】
前記支持手段が、支持位置においては前記印刷単位ブロックの両側側面で支持すると共に、解除位置では同時に両側側面の支持を解除して前記整列搬送レールに落下させるようにした
請求項5ないし7のいずれかに記載の印刷単位ブロック整列方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙幣や葉書のように通し番号が付されている印刷単位ブロックを、例えば1から100、101から200のように100枚を一ブロックとした印刷単位ブロックを通し番号順に整列する印刷単位ブロック整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば100枚の紙幣を重ねた単位ブロックを集積工程において10ブロック通し番号順に重ねる場合、その前工程として単位ブロックを番号順に整列する工程が必要になる。従来のこの種の単位ブロック整列装置は、例えば特許文献1に代表されるように、縦列と横列に多面印刷された大判シートが積み重ねられた大判シートブロックを列単位ブロックに切断し、この切断された複数の列単位ブロックを多数列並べ、これら全列を前端から順次断裁して多数の印刷単位ブロックを形成し、これを整列ライン上に送り出して番号順に整列し、集積工程に供給しており、単位ブロックの整列作業が極めて非能率的で、これが集積工程における能率アップを妨げる原因となっていた。又、多数の列単位ブロックを並べて一時に断裁する非常に大型の断裁機が必要となる。
【0003】
これを改善するために提案されたのが本出願人による特許文献2の発明である。この発明によれば、印刷単位ブロック群を通し番号グループ毎に縦送りして上レールに搬入チャージし、このチャージした印刷単位ブロック群を上レールの解除位置への移動にて上記通し番号グループ毎に下レール群に落下させる。
次いで、この下レールに落下された印刷単位ブロック群を上記通し番号グループ毎に横送りして支持手段に一括して搬出し、この印刷単位ブロック群を支持手段の解除位置への移動にて上記通し番号グループ毎に整列搬送レールに落下し、この整列搬送レールにおいて印刷単位ブロックを通し番号順に縦方向に並べて集積工程へ縦送りし搬出する。
この結果、印刷単位ブロック群は大判シートブロックから切断された列単位で処理され整列される。
【0004】
又、本発明は上レールと下レール群が直交する2階建て構造とし、上レールの上部に平行に設けたプッシャー付きコンベアにて印刷単位ブロック群を上レールに通し番号グループ毎に縦送りしてチャージし、これを上レールの解除位置への移動により下レール群に落下して各下レールの下部に平行に設けたプッシャー付きコンベアにて通し番号グループ毎に横送りして整列ラインに供する。これにより印刷単位ブロック群を通し番号グループ毎に整列ラインに縦方向に並べた状態を形成し次工程へ縦送りする作業が限定されたスペースで適正に遂行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4283902号
【特許文献2】特許公告平7−102519号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2の構成は、小スペースで効率的且つ経済的に整列する点で優れた効果を奏しているが、この構成のうち下レールから整列搬送レールに落下させる過程に幾つかの難点が認められた。
その第1は、下レール群から同じ縦列の段数の印刷単位ブロックを落下させている限りは支障がないが、異なる段数の印刷単位ブロックを整列搬送レールに送る場合には下レールにおける搬送速度を変えなければならない問題があった。
【0007】
すなわち、例えば大判シートが縦5列の面付構成のシートから縦10列の面付構成のシートに変更する場合に、前者の場合は整列搬送レールで5束分の空きができた時点で次の5束分を供給すれば良いが、後者の場合には10束分の空きができてから次を供給することになる。
次工程の制約から整列搬送レールにおける搬送速度は一定とする必要があるため、従来は下レール群上を搬送する搬送手段のクラッチやギアを交換する大掛かりな作業が要求された。
同時に、このようなチェンジギア方式では、列単位ブロック毎の各段数に応じて交換用ギアを常備しなければならず、そのための部品コストが大きくなる問題があった。
【0008】
第2の問題は、従来の構成では支持手段として一方向にのみ片開きするシャッター構造を用いており、各印刷単位ブロックが一定の角度に開いたシャッター板の上に沿って滑り落ち、整列搬送レールに落下する動作となっていた点である。各印刷単位ブロックの落下速度はシャッター板の開き角度に依存して制限されるので稼働ロスの原因となる。
また、滑り落ちるようにしていることで整列搬送レール面上への落下位置が不規則となり、ブロックや紙が装置の隙間に挟まる不良の原因となっていた。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解決するために創出されたものであり、その目的は印刷単位ブロック整列装置における整列作業の効率化と高精度化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために次のような印刷単位ブロック整列装置を提供する。
すなわち、縦列と横列との面付構成で多面印刷された大判シートから印刷単位ブロックに断裁し、整列した上で、面付構成に関わらず一定速度で次工程に送る印刷単位ブロック整列装置であって、該大判シートが積み重ねられた大判シートブロックを横列の列単位ブロックに切断する1次断裁手段と、この1次断裁手段で切断された列単位ブロックを印刷単位ブロックに切断する2次断裁手段とを備える。
【0011】
そして、印刷単位ブロック群を縦送りする縦送り搬送手段により印刷単位ブロックを列単位ブロック毎にチャージする支持位置と解除位置に開閉する上レールと、この上レールの直下に上レールと直交して配置されこの上レールの解除位置への変動で落下する印刷単位ブロック群の単位ブロック個々を列単位ブロック毎に受け止め横送り搬送手段で横送りする下レール群を備える。
【0012】
さらに、この下レール群から横送りし搬出された印刷単位ブロック群を列単位ブロック毎に受け止める支持位置と解除位置に開閉する支持手段と、この支持手段の解除位置への変動で落下する印刷単位ブロック群を受け止めて列単位ブロック毎に縦方向に並べ、整列搬送手段が一定速度で縦送りする整列搬送レールとを備える。
【0013】
以上の構成において、該支持手段から整列搬送レールへの落下タイミングを電気的に制御する電気的制御手段を設け、該横送り搬送手段の搬送速度を面付構成に関わらず統一された速度にしながら、この電気的制御手段が、異なる面付構成における縦列の段数に応じて落下タイミングを制御することを特徴とする。
【0014】
上記の横送り搬送手段の搬送速度が、装置の対応する面付構成のうち最小の縦列の段数の条件下において統一された搬送速度であることが好ましい。
【0015】
上記の支持手段が、前記支持位置においては前記印刷単位ブロックの両側側面で支持すると共に、前記解除位置では同時に両側側面の支持を解除して前記整列搬送レールに落下させるようにすることもできる。
【0016】
上記の電気的制御手段が、前記横送り搬送手段に備えたクラッチブレーキを制御することにより、前記横送り駆動に一定の停止期間を生じさせて落下タイミングを制御する構成でもよい。
【0017】
本発明は、次のような印刷単位ブロック整列方法を提供することもできる。
すなわち、縦列と横列との面付構成で多面印刷された大判シートから印刷単位ブロックに断裁し、整列した上で、面付構成に関わらず一定速度で次工程に送る印刷単位ブロック整列方法であって、次の各工程を有する。
【0018】
(S1) 該大判シートが積み重ねられた大判シートブロックを横列の列単位ブロックに切断する1次断裁工程、
(S2) この列単位ブロックを印刷単位ブロックに切断する2次断裁工程、
(S3) 印刷単位ブロック群を縦送りする縦送りして印刷単位ブロックを列単位ブロック毎に上レールにチャージする縦送り工程、
(S4) この上レールから印刷単位ブロックを解除して、上レールと直交する下レール群に落下させ、印刷単位ブロック群の単位ブロック個々を列単位ブロック毎に受け止め、横送りする横送り工程、
(S5) この下レール群から横送りし搬出された印刷単位ブロック群を列単位ブロック毎に支持手段で受け止め、この支持手段を解除して整列搬送レールに印刷単位ブロック群を受け止めさせて、列単位ブロック毎に縦方向に並べて縦送りする整列搬送工程。
【0019】
本発明は、上記の整列搬送工程において、支持手段から整列搬送レールへの落下タイミングを電気的に制御する電気的制御手段を設けて、この電気的制御手段が、該横送り搬送工程における搬送速度を面付構成に関わらず統一された速度にしながら、異なる面付構成における縦列の段数に応じて落下タイミングを制御することを特徴とする。
【0020】
上記印刷単位ブロック整列方法において、横送り搬送工程における搬送速度が、装置の対応する面付構成のうち最小の縦列の段数の条件下において統一された搬送速度であることが好ましい。
【0021】
上記の電気的制御手段が、前記横送り搬送手段に備えたクラッチブレーキを制御することにより、前記横送り駆動に一定の停止期間を生じさせて落下タイミングを制御することもできる。
【0022】
上記の支持手段が、支持位置においては前記印刷単位ブロックの両側側面で支持すると共に、解除位置では同時に両側側面の支持を解除して前記整列搬送レールに落下させるようすることもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記構成を備えることにより次のような効果を奏する。
下レールの横送り搬送速度を変更するためのチェンジギア機構を廃止することができるので、多様な面付構成の大判シートに簡便に対応することができる。これによって生産効率の向上を図ることができると同時に、部品点数を削減することができコストダウンにも寄与する。
【0024】
整列搬送レールにおける搬送速度の最も速い条件、すなわち列単位ブロック毎の段数が最も少ない条件下で横送り搬送速度を統一することで段数の多い大判シートにも対応可能である。
【0025】
下レール面上の列単位ブロックを整列搬送レールに落下させる支持手段である開閉シャッターを片開き構造から両開き構造に変更することにより、各印刷単位ブロックの落下速度を最大化でき稼働ロスを低減することができる。同時に、落下位置が安定し、ブロックや紙が装置の隙間に挟まる不良の原因を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る印刷単位ブロック整列装置の手順を説明する斜視図。
図2】同、平面図。
図3】上記システムを形成する単位ブロック整列装置の正面図。
図4】同単位ブロック整列装置の側面図。
図5】同単位ブロック整列装置を形成する上レールから下レールへの印刷単位ブロックの落とし込みを説明する図であって、(ア)は上レールの閉状態を示す正面図、(イ)は上レールの開状態を示す正面図。
図6】同単位ブロック整列装置を形成する下レール群と整列搬送レールを示す平面図。
図7】支持手段の動作を説明する側面図であって、(ア)は支持手段の全体図、(イ)は支持状態を示す図、(ウ)は解除状態を示す図。
図8】面付構成が60面付の場合の整列方法を説明する図。
図9】面付構成が20面付の場合の整列方法を説明する図。
図10】電気的制御手段による制御のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1、2は紙幣、宝くじ、葉書のような例えば100枚単位のシートブロックを番号順に整列する単位ブロック整列装置を示す。尚、本発明において番号順とは第1順位から最終順位に積み重ねられる場合を意味し、具体的に数字等が記入されているものに限定されない。
【0028】
図1、2に示す大判シート1には一例として縦列と横列にNO.1からNO.40の多面印刷が施されており、縦列が8段、横列が5列の面付構成である。本明細書において面付構成の縦列・横列の数え方はこれに従う。
この大判シート1を100枚重ねにして大判シートブロック1′を形成し、この大判シートブロック1′のNO.1からNO.40の各印刷面を重ね方向へ通し番号に重ねる。例えば、NO.1には1から100、NO.2には101から200、NO.3には201から300の通し番号が付されている。
【0029】
上記大判シートブロック1′は先ず図外のトリミング工程で不要な耳落しを行なった後、列毎に最前列から順に最後列へと1次断裁手段を構成する断裁機2で切断され列単位ブロック3を形成する。
【0030】
この切断された列単位ブロック3は例えばA列、B列、C列の3列並列し、このA、B、C列の列単位ブロック3は縦送りされ印刷単位毎に前端から順に2次断裁手段を構成する断裁機4で切断され印刷単位ブロック5を形成する。
【0031】
この切断されたA、B、C列の印刷単位ブロック5は帯掛け手段6を用いてバンド7で結束し100枚の通し番号順の多数の印刷単位ブロック5を形成する。この印刷単位ブロック5は上レール8に「縦送り」されて上記列単位ブロック3毎に同レール8にチャージされる。
【0032】
ここで、本実施例では列単位ブロック3を3列としているが、本発明の実施においては任意の列数で縦送りすることができる。
【0033】
上記上レール8は図3に示すようにA・B・C列毎に上記印刷単位ブロック5群を支持する支持位置と同支持を解除する位置とに開閉可能に設けられ、同解除時に印刷単位ブロック5群の落下を許容する平行に延設されたボトム定規8bと、印刷単位ブロック5の側面を規制するサイド定規8cを有し、各レール8の上部にこのレール8と平行に縦送り搬送手段である無端コンベア9を配置する。無端コンベア9は図4に示すようにプーリ9a、9bに無端走行可に装架されており、無端コンベア9は上記各印刷単位ブロック5の後端面を押圧して上レール8に所定の間隔を持って入れ込むための等間隔に配置された多数のプッシャー9cを有する。
【0034】
無端コンベア9は間欠走行することにより、図5(ア)に示すように搬送プッシャー9cが印刷単位ブロック5を1個ずつ上レール8のボトム定規8b上に間欠的に入れ込み、列単位ブロック3に相当する数の印刷単位ブロック5群が各上レール8上にチャージされると、図5(イ)に示すように上レール8が開いて、即ちボトム定規8bが軸8aを中心として下方へほぼ90度回動し、列単位ブロック3毎の印刷単位ブロック5群を落下する。この落下はA、B列ほぼ同時に行われる。上レール8は例えばエアーシリンダー19又はカム等によって開閉される。又上レール8は水平に進退させて支持位置と解除位置に開閉する場合を含む。
【0035】
上記上レール8から落下した印刷単位ブロック5群は上レール8と直交する下レール10に受け止められる。この下レール10は、本実施例では説明を簡単にするために上記列単位ブロック3に相当する印刷単位ブロック5群の段数(8段)と同じa〜hの8段が設けられているが、本発明においてこの段数は一致している必要はない。
【0036】
各下レール10は互いに平行に延設されたボトム定規10aと、印刷単位ブロック5の側面を規制するサイド定規10bを有し、各下レール10の下部に沿って、横送り搬送手段である無端コンベア11を配置する。
このコンベア11と上記コンベア9とは互いに直交し配置する。無端コンベア11は図3に示すプーリ11a、11b間に無端走行可に装架されており、この無端コンベア11は間欠的に走行して上記A、B、C列の上レール8から受け取った印刷単位ブロック5群を夫々下レール10に沿って横方向へ所定の間隔を持って搬送する搬送プッシャー11cを有する。即ちこの無端コンベア11が間欠走行することにより、搬送プッシャー11cが上記a〜h段に存する印刷単位ブロック5群を上記A、B、C列の配置関係を維持しつつ下レール10のボトム定規10aに沿って間欠的に「横送り」し支持手段15へと搬送する。
【0037】
図7は支持手段15を横方向から見た時の側面図である。本発明に係る支持手段(15)は横送り搬送手段の延長線上に同数配設されている。すなわち(a)〜(h)の各段の印刷単位ブロック5をそれぞれ開閉可能なシャッター部20・20で支持する構成である。
まず下レールから、搬送プッシャー11cによって搬出されるa〜h段の印刷単位ブロック5群は上記A、B、C列の配置関係を維持しつつ下レール10の終端において支持手段15へ押し出され、a〜h段の下レール10毎に設けた駄目押しプッシャー12が図3上の仮想線で示した待機位置から実線で示した位置にせり出し、これにより下レール10の終端から支持手段15上に繰り出された単位ブロック5群を更に後押しして支持手段15上の定位置に支持せしめる。この支持手段15に押し出された単位ブロック5群は前当て16に当接されてシャッター部20内の定位置を保つ。
【0038】
各単位ブロック5は、図7(イ)(ウ)に示すようにシャッター部20のボトム定規20b上に位置した状態が指示位置である。その後、軸20aを中心として両側にシャッター部20が開成したとき、図から明らかな通り印刷単位ブロック5の支持が解除され(解除位置)、印刷単位ブロック5群は一斉に落下する。
【0039】
落下した印刷単位ブロック5群は、上記シャッター部20の直下に配置された整列搬送レール17(図3参照)に受け止められる。この整列搬送レール17は印刷単位ブロック5群を支持するボトム定規17aと、印刷単位ブロック5の側面を規制するサイド定規17bを有し、整列搬送レール17に沿い整列搬送手段である無端コンベア18を配置する。無端コンベア18は支持手段15から受け取った印刷単位ブロック5群を上記落下位置から夫々整列搬送レール17に沿って縦方向へ搬送するプッシャー18aを有する。この無端コンベア18が間欠走行することにより、無端コンベア18のプッシャー18aが上記印刷単位ブロック5群を搬送レール17のボトム定規17aに沿って番号順に整列し間欠的に次工程(集積工程)へと搬送する。
【0040】
上記動作を繰り返すことにより、縦列と横列に多面印刷された大判シートブロック1′から切断された印刷単位ブロック5群を通し番号順に整列しつつ次工程(集積工程)へ搬送し、この集積工程において、例えば図1のNO.1の印刷単位ブロック5にNO.2の印刷単位ブロックを積み重ね、更にNO.2のブロックにNO.3のブロックを積み重ね、同様にしてNO.1からNO.10の10ブロックの集積ブロックを次々と形成する。
【0041】
本発明における印刷単位ブロック整列装置の動作は以上の通りであるが、従来の問題として大判シートブロック1における面付構成に制約があった。
すなわち、上記実施例の大判シートブロックは縦8段横5列の40面付であったが、これを異なる面付の大判シートブロックを用いる場合には、横送り搬送手段の速度を変化させるためにチェンジギア機構を交換する必要があった。
【0042】
図8は本実施例で最大の面付構成としている60面付(30)の大判シートブロックを用いる例、図9は最小の面付構成としている20面付(31)の例である。
60面付では、縦10段横6列、20面付では、縦5段横4列である。なお、ここで用いる印刷単位ブロック整列装置は上記と異なり10段の横送り搬送手段を備えている。
【0043】
60面付の大判シートの右端から3段を1次断裁工程、2次断裁工程を経て下レール群に落下させる。この時、横送り搬送手段の無端コンベア11から整列搬送手段の無端コンベア18に搬出するには、無端コンベア18に10束分(32)を落下させた後に、次に10束分空くまでの間に、無端コンベア11の1列分の速度が一致する必要がある。
【0044】
一方、20面付の大判シートの場合、下レール群のうち5段分のみを用い、無端コンベア11から無端コンベア18に5束分(33)を落下させる。
本構成では、60面付の場合と異なり無端コンベア18で5束分が空くまでの間に、無端コンベア11の1列分の速度が一致する必要がある。
【0045】
このように、縦列の段数が異なる場合には、無端コンベア11の速度を変えなければ整列搬送手段にうまく搬出を行うことができない。
そこで、本発明では支持手段15から整列搬送レール17への落下タイミングを電気的に制御する電気的制御手段(図示しない)を設け、無端コンベア11の搬送速度を面付構成に関わらず統一された速度にしながら、この電気的制御手段が、異なる面付構成における縦列の段数に応じて落下タイミングを制御することができるようにした。
【0046】
図10は電気的制御手段による制御のフローチャートを示している。まず無端コンベア11が駆動(S10)され、支持手段15のシャッター部20を解除位置にする(S11)ことで最初の整列搬送レール17への落下が行われる。
そこで電気的制御手段は無端コンベア11に備えられたクラッチブレーキを制御することで一時的に無端コンベア11を停止(S12)させ、整列搬送レール17で上記次の束を落下させる空きができるまで待機するようにする。
【0047】
この一時停止時間は、段数によって予め定義した時間分だけ停止すれば良いが、整列搬送レール17にセンサ手段を設けて、センサによる空きが感知されるまで停止する構成でもよい。
所望の段数分の空きができたタイミング(S13)で、再び無端コンベア11を駆動(S14)し、シャッター部20の解除動作(S15)も行う。
この繰り返しを全ての印刷単位ブロックを整列するまで(S16)繰り返し行う。
【0048】
以上の制御によれば、無端コンベア11の速度は一定で、その駆動、停止を制御するだけで異なる段数の面付構成にも自在に対応することができるようになる。
無端コンベア11の速度は、装置の対応する面付構成のうち最小の縦列の段数の条件下において統一された搬送速度にすることが好ましい。上記の例で言えば、5段の場合に無端コンベア11の速度は最も速いことが要求されるので、これに合わせることで、10段の場合には停止動作を行うことで整列搬送手段に連続的に搬出が行える。
【0049】
縦列の段数については、言うまでもなく上記の数に限定されるものではなく、6段、7段、8段、9段など任意の段数に適用することができる。
また、本実施例では無端コンベア11のクラッチブレーキを制御する方法を挙げたが、本発明では支持手段から整列搬送レールへの落下タイミングを制御するいかなる方法でもよい。例えば、無端コンベアの駆動モーターを直接制御する方法、支持手段15のシャッター部20の開閉タイミングを直接制御する方法などでもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 大判シート
1′ 大判シートブロック
2 1次断裁手段を構成する断裁装置
3 列単位ブロック
4 2次断裁手段を構成する断裁装置
8 上レール
10 下レール
15 支持手段を構成するブロック受け台
17 整列搬送レール
【要約】
【課題】 印刷単位ブロック整列装置における整列作業の効率化と高精度化を図ること。
【解決手段】 1次断裁、2次断裁に続いて印刷単位ブロック群を上レールから直交する下レール群に落下させ、この下レール群から横送りし搬出された印刷単位ブロック群を列単位ブロック毎に受け止める支持位置と解除位置に開閉する支持手段と、この支持手段の解除位置への変動で落下する印刷単位ブロック群を受け止めて列単位ブロック毎に縦方向に並べ、整列搬送手段が一定速度で縦送りする整列搬送レールとを備える構成において、該支持手段から整列搬送レールへの落下タイミングを電気的に制御する電気的制御手段を設け、該横送り搬送手段の搬送速度を面付構成に関わらず統一された速度にしながら、この電気的制御手段が、異なる面付構成における縦列の段数に応じて落下タイミングを制御する。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10