(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した特許文献3に記載の方法によると、マスクによるめっき電極層の細線化が可能である。しかしながら、特許文献3のように集電極パターンに対応するマスクを用いる場合、マスクを作製するための費用や工数が必要となり、実用化に向かないという問題がある。
【0012】
上記した特許文献4に記載の方法によれば、高価なレジスト材料を用いることなく、めっき法により細線パターンの集電極を形成可能である。しかしながら、特許文献4に記載の方法のように、電解めっきの起点となる金属シードを光めっき法により形成する方法は、半導体接合のn層側には適用可能であるものの、p層側に適用することはできない。
ここで、一般に、ヘテロ接合太陽電池では、n型単結晶シリコン基板を用い、p層側のヘテロ接合を光入射側とする構成の特性が最も高いことが知られている。
しかしながら、特許文献4に記載の方法では、上記したようにp層側に適用できないので、p層側を光入射側とするヘテロ接合太陽電池における光入射側の集電極の形成には適さないとの問題がある。
【0013】
また、特許文献4では、絶縁層と透明電極層とを貫通する溝内で、透明電極層の側面と金属集電極とが接している。しかしながら、透明電極層の厚みは、一般に100nm程度であるので、両者の接触面積が小さい。そのため、透明電極層と集電極との間での全体の抵抗が高くなり、集電極としての機能を十分に発揮できないとの問題がある。
【0014】
特許文献5では、凹凸が大きな導電性ペーストを用いている。そのため、めっき層が導電性ペースト内に埋め込まれて形成されることとなる。めっき液が導電性ペーストに浸透すると、導電性ペーストが導電性基板(光電変換部)から剥がれるおそれが生じる。そのため、形成される太陽電池の信頼性が低下すると考えられる。
【0015】
以上のように、従来技術では、スクリーン印刷法による集電極の形成の代替案として、めっき法による集電極の形成が提案されているものの、太陽電池の実用化に際して、いずれの提案も有効な方策とはなっていなかった。
【0016】
そこで、本発明は、上記のような太陽電池の集電極の形成に関わる従来技術の問題点を解決し、太陽電池の変換効率を向上させること、及び太陽電池の製造コストを低減することを目的とする。また、これらの太陽電池を使用した太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、所定の集電極を用いることにより、太陽電池の変換効率が向上可能であり、さらに当該集電極が低コストで形成可能であることを見出し、本発明に至った。
【0018】
本発明の一つの様相は、面状に広がりをもった光電変換部の第一主面側に、少なくとも第一電極と、金属層と、絶縁層を有する太陽電池の製造方法であって、前記光電変換部の第一主面側に、前記第一電極と被除去体を含む電極層を形成する電極層形成工程と、前記光電変換部の第一主面側に、少なくとも被除去体を覆うように絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記被除去体を利用して前記絶縁層に開口部を形成する開口部形成工程と、めっき法により、前記絶縁層の開口部を通じて、前記電極層上に金属層を形成する金属層形成工程と、をこの順に実施し、前記開口部形成工程において、レーザー光を照射することにより、被除去体の少なくとも一部を除去して前記絶縁層の開口部を形成することである。
【0019】
ここでいう「主面」とは、実質的に平面状に延びた面であり、表面の微細な凹凸は問わない。
例えば、光電変換部がテクスチャ構造をとる場合には、光電変換部の表面に無数の凹凸が形成されるが、この場合の主面とは、テクスチャ構造のそれぞれの傾斜面を指すのではなく、あくまで、全体としてみたときに、大きく広がった面を指す。
【0020】
本様相によれば、開口部形成工程において、レーザー光を照射することにより、被除去体の少なくとも一部を除去して絶縁層の開口部を形成するので、絶縁層の外側からめっき液を電極層に接触させることが可能である。そのため、光電変換部の性能の低下を抑制しつつ、めっき法によって金属層を形成できる。
また、本様相によれば、被除去体を利用して絶縁層に開口部を形成する。そのため、たとえ絶縁層がレーザー光のほとんどを透過する材質であっても、開口部を形成することができる。
【0021】
ところで、光電変換部の光入射側の表面には、一般的に、光を内部に導入し、その内部で光から変換された電気を取り出すために透明電極層が配されている。この透明電極層は、インジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電性酸化物で形成されている場合が多い。このITOなどの透明導電性酸化物は、めっき液に晒されると、浸食されて、性能が低下することが知られている。
【0022】
そこで、好ましい様相は、前記光電変換部は、第一主面側の最外面に透明電極層が設けられており、前記絶縁層形成工程において、前記光電変換部を基準として、前記透明電極層の外側の面の大部分が露出しないように前記絶縁層を形成することである。
【0023】
ここでいう「大部分」とは、基準面の80パーセント以上100パーセント以下が覆われていることを意味する。
【0024】
本様相によれば、絶縁層形成工程において、透明電極層の外側の面の大部分が露出しないように絶縁層を形成する。そのため、たとえ透明電極層が、ITOなどの透明導電性酸化物で形成されていても、めっき工程において透明電極層が浸食されにくく、光電変換部の性能が低下することを防止することができる。
【0025】
好ましい様相は、前記被除去体は、導電性を有することである。
【0026】
本様相によれば、開口部形成工程において、完全に被除去体を除去しなくても電極層と金属層の間で導通を取ることができる。すなわち、たとえ第一電極の外側に被除去体が被覆した状態であっても、導通を取ることができる。
【0027】
ところで、特許文献6では、反射防止膜を形成する前にグリッド状の表面電極を形成し、その後、反射防止膜を表面電極上も含めた全面に形成する。次に、レーザーを表面電極上に照射することで開口部を形成する。そして、この状態で半田溶液に浸すことで、表面電極上の開口部形成部分に半田層を形成する方法が紹介されている。
この特許文献6の方法では、太陽電池の光電変換部分にレーザー光が照射されると、光電変換部にダメージが生じてしまう可能性がある。そのため、グリッド状の表面電極の部分のみにレーザー光を照射する必要がある。しかしながら、グリッド状の表面電極の部分のみにレーザー光を照射するには位置合わせが難しく、また、工程時間もかかるという問題がある。
【0028】
そこで、好ましい様相は、前記レーザー光を、光電変換部に実質的に影響を与えない出力により照射することである。
【0029】
ここでいう「光電変換部に実質的に影響を与えない出力」を表す一つの指標としては、例えば、レーザー光を被照射物に照射したときに、被照射物のレーザー光の照射部位のライフタイムの低下が20パーセント未満に収まる出力であることが挙げられる。
但し、厳密なライフタイムの測定は難しく、必ずしも正しいライフタイムの測定ができるとは限らない。
このため、たとえ測定したライフタイムに大きな下落が見られたとしても、解放電圧(Voc)の低下が許容範囲内であれば、影響を与えない出力であると言える。具体的には、Vocの低下がレーザー光の照射前後で3パーセント以下にとどまった場合は、影響を与えない出力であると言える。
【0030】
本様相によれば、光電変換部に実質的に影響を与えない出力に調整したレーザー光を照射することによって太陽電池を製造するので、仮にレーザー光が電極層からはみ出して光電変換部に照射されたとしても、光電変換部の性能がほとんど低下することない。そのため、特許文献6のように精密にレーザー光の照射位置を調整せずとも開口部を形成することができる。それ故に、本様相によれば、製造時間の短縮化が可能であり、生産性を向上可能である。
また、別の観点から言うと、光電変換部への影響が小さいので、意図的にレーザー光のスポット径を広げて照射することもできる。そのため、金属層の形成面積も容易に制御可能である。
【0031】
より好ましい様相は、前記開口部形成工程において、光電変換部を平面視したときに前記電極層が形成された電極層形成領域と、それ以外の電極層非形成領域が存在し、前記レーザー光を、前記電極層形成領域と前記電極層非形成領域に跨がって照射することである。
【0032】
本様相によれば、開口部形成工程において、意図的にレーザー光を電極層形成領域と電極層非形成領域に跨がって照射しているので、電極層の端部まで除去することができる。
また、電極層の一方の端部をレーザー照射範囲から除外することによって、意識的に金属層の形成範囲を他方の端部側に寄せることもできる。そのため、金属層の幅を制御することができ、金属層の細線化が可能である。
【0033】
好ましい様相は、前記開口部形成工程において、400nm以上1500nm以下の波長を有するレーザー光を照射することにより、前記開口部を形成することである。
【0034】
この範囲の波長であれば、レーザー光による光電変換部への影響を少なくすることができる。
【0035】
上記した様相は、前記開口部形成工程において、100μW/μm
2以上1500μW/μm
2以下のパワー密度のレーザー光を照射することにより、前記開口部を形成してもよい。
【0036】
好ましい様相は、前記開口部形成工程において、レーザー光を照射することにより、前記被除去体の少なくとも一部を除去し、前記めっき工程において、前記第一電極の表面に前記金属層が直接接するように金属層を形成することである。
【0037】
本様相によれば、めっき工程において、第一電極と金属層との間に被除去体が介在せず、第一電極の表面に金属層が直接接するので、発電時における抵抗損失を抑制することができる。
【0038】
上記した様相は、前記絶縁層は、透明性を有し、前記レーザー工程において、前記被除去体を溶融又は昇華させることによって絶縁層に開口部を形成してもよい。
【0039】
この様相によれば、レーザー光により被除去体が溶融又は昇華することによって絶縁層の開口部が形成されるので、開口部を形成しやすい。
【0040】
上記した様相は、前記電極層形成工程において、前記光電変換部上に前記第一電極と前記被除去体をこの順に形成してもよい。
【0041】
この様相によれば、光電変換部を基準として第一電極の外側に被除去体が位置する。すなわち、光電変換部が第一電極によって保護されているので、レーザー光による開口部の形成に伴う光電変換部の損傷を抑制することができる。
また、この様相によれば、第一電極及び被除去体を別の工程によって形成できるので、第一電極及び被除去体を不純物の少ない状態で形成できる。
【0042】
上記した様相は、前記電極層形成工程において、前記第一電極及び前記被除去体を含んだ含有物を使用して、前記光電変換部上に前記第一電極と前記被除去体を同時に形成してもよい。
【0043】
この様相によれば、含有物を使用して第一電極と被除去体を同時に形成するので、工程の簡易化が可能である。
【0044】
上記した様相は、前記含有物を印刷法によって光電変換部上に直接塗布してもよい。
【0045】
上記した様相は、前記金属層は、金属単体又は合金であってもよい。
【0046】
この様相によれば、金属層に樹脂等の絶縁性の不純物が含まれないので、金属層は低抵抗体となる。
【0047】
上記した様相は、前記金属層は、銅(Cu)を有していてもよい。
【0048】
上記した様相は、前記開口部形成工程において、前記絶縁層の開口部は、第二高調波レーザー若しくは赤外線レーザーを照射することにより形成してもよい。
【0049】
ここでいう「赤外線レーザー」とは、赤外線領域の光を発振するレーザーであり、具体的には、波長が780nmより長い領域(赤外線領域)の光を発振するレーザーである。
【0050】
上記した様相は、上記した前記開口部形成工程において、前記絶縁層の開口部は、赤外線領域の波長を有した基本波のレーザー光又は赤外線領域の波長を有した基本波の第二高調波のレーザー光を照射することにより形成されてもよい。
【0051】
上記した様相は、前記絶縁層の開口部を100μW/μm
2〜1500μW/μm
2のパワー密度のSHGレーザーを照射することにより形成してもよい。
【0052】
上記した様相は、前記絶縁層の開口部を100μW/μm
2〜1500μW/μm
2のパワー密度のIRレーザーを照射することにより形成してもよい。
【0053】
上記した様相は、前記絶縁層の開口部を強度分布が大きいレーザー光を照射することにより形成してもよい。
【0054】
上記した様相は、開口部を形成するレーザー光は、スポット径が被除去体の幅よりも大きいものであってもよい。
【0055】
ここでいう「スポット径」とは、照射対象物にレーザー光を照射したときに、照射部位の直径又は最大外形寸法をいう。例えば、レーザー光の照射部位の形状が楕円の場合は、「スポット径」は長径であり、レーザー光の照射部位の形状が四角形の場合は、「スポット径」は対角線である。
【0056】
本発明の一つの様相は、上記した製造方法により太陽電池を形成し、当該太陽電池を用いる太陽電池モジュールの製造方法である。
【0057】
本様相の太陽電池モジュールの製造方法であれば、従来に比べて変換効率が向上した太陽電池モジュールを形成できる。また、本様相によれば、集電極を従来に比べて低コストで形成できる。
【0058】
上記した様相は、上記した製造方法により1又は複数の太陽電池を形成し、前記1又は複数の太陽電池のうち、一の太陽電池を外部回路又は他の太陽電池と配線部材によって接続してもよい。
【0059】
ここでいう「外部回路」は、太陽電池の外部に配された回路であり、例えば、外部電源に接続される電源回路や実装回路などである。
【0060】
本発明の一つの様相は、面状に広がりをもった光電変換部の第一主面側に、電極層、絶縁層、及び金属層を備えた太陽電池であって、前記絶縁層は、前記光電変換部の第一主面に対して垂直方向に貫通した開口部を有し、前記電極層は、第一電極と、被除去体を含むものであって、前記垂直方向に延びた穴部を有し、前記穴部は、底部を有した有底穴であり、前記開口部と前記穴部は、互いに連通した連通穴を形成しており、前記光電変換部を基準として、前記絶縁層の外側から前記連通穴に金属層の一部が充填されている太陽電池である。
【0061】
本様相によれば、貫通孔である開口部と、有底穴である穴部によって連通穴が形成されており、絶縁層の外側から連通穴に金属層の一部が充填されている。すなわち、連通穴を介して光電変換部まで金属層が至らない。そのため、めっき法によって金属層が形成されていても、連通穴からは、光電変換部がめっき液に晒されることがなく、光電変換部がめっき液に浸食されることを防止できる。
【0062】
上記した様相は、前記金属層は、前記穴部内で前記第一電極に接していてもよい。
【0063】
上記した様相は、前記金属層は、前記穴部内で前記第一電極及び前記被除去体に接していてもよい。
【0064】
本様相によれば、金属層が第一電極及び被除去体に接しているので、金属層が穴部から剥がれにくい。
【0065】
好ましい様相は、前記連通穴は、光電変換部の第一主面側の面方向に延伸しており、前記延伸方向に対して直交する断面において、前記連通穴は、前記電極層の幅方向の中央に位置していることである。
【0066】
本様相によれば、電極層の中央に位置する連通穴に金属層が充填されているので、絶縁層及び電極層によって電極層と金属層との接続部位が外部から保護されている。そのため、振動等の外部要因によって、金属層が電極層から乖離しにくい。
【0067】
好ましい様相は、前記絶縁層は、光電変換部の第一主面側の面に対して垂直方向に貫通した開口部を複数有し、前記電極層は、複数の穴部を有しており、前記複数の穴部は、いずれも有底穴であり、前記複数の穴部のそれぞれが対応する開口部と連通して連通穴を形成しており、前記連通穴内に金属層の一部が充填されていることである。
【0068】
本様相によれば、複数箇所で連通穴が形成され、それぞれの連通穴に金属層が形成されている。そのため、たとえ一の穴部に充填された金属層が剥離したとしても、他の穴部に充填された金属層によって、集電極としての機能を確保することができる。
【0069】
上記した様相は、前記複数の穴部は、互いに形状が異なっていてもよい。
【0070】
上記した様相は、前記金属層は、めっき法によって形成されためっき層であってもよい。
【0071】
上記した様相は、前記光電変換部は、一導電型結晶シリコン基板の一主面上に、シリコン系薄膜、及び透明電極層をこの順に有し、前記透明電極層上に電極層を有していてもよい。
【0072】
上記した様相は、前記電極層は、前記透明電極層側から、前記第一電極と前記被除去体をこの順に有していてもよい。
【0073】
上記した様相は、前記金属層は、全体の95パーセント以上が金属単体又は金属合金で形成されていてもよい。
【0074】
上記した様相は、前記金属層は、銅(Cu)を主成分としてもよい。
【0075】
この様相によれば、集電極として十分な導電率を有しつつ、銀や金等に比べて安価に形成することができる。
【0076】
上記した様相は、前記開口部は、前記光電変換部を基準として、外側の開口面積と内側の開口面積が異なり、外側の開口面積が内側の開口面積よりも大きいことである。
【0077】
本発明の一つの様相は、上記した太陽電池を用いる太陽電池モジュールである。
【0078】
本様相の太陽電池モジュールによれば、従来に比べて変換効率が向上し、さらに従来に比べてコスト面で優れた太陽電池モジュールとなる。
【0079】
上記した様相は、上記した太陽電池を複数備えた太陽電池モジュールであって、前記複数の太陽電池のうち少なくとも2枚の太陽電池が配線部材によって直列又は並列に接続されていてもよい。
【0080】
上記した様相は、複数の保護材と、封止材を有し、前記複数の保護材のうち、少なくとも2つの保護材で上記した太陽電池を挟んでおり、前記2つの保護材と太陽電池の間に前記封止材が充填されていてもよい。
【0081】
この様相によれば、太陽電池が保護材と封止材によって封止されている。そのため、光電変換部への水等の進入を防止することができる。
【発明の効果】
【0082】
本発明によれば、めっき法により集電極(電極層及び金属層)が形成可能であるため、集電極(電極層及び金属層)が低抵抗化され、太陽電池の変換効率を向上することができる。
また、本発明によれば、高価なフォトレジストを使用することなく、比較的簡単に低コストで集電極(電極層及び金属層)の形成を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下、本発明の太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
なお、各図面において、厚さや長さなどの寸法関係については、図面の明瞭化と簡略化のため、適宜変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。
また、特に断りがない限り、膜厚は、シリコン基板上におけるテクスチャ斜面に対して垂直方向における膜厚を意味する。すなわち、膜厚は、実質の平均膜厚を表す。
さらに、以下の説明において、特に断りがない限り、光電変換部を基準として内外方向を規定する。
【0085】
本発明の第一実施形態の太陽電池モジュール1は、
図1,
図2から読み取れるように、複数(
図2では3枚)の結晶シリコン太陽電池2を、配線部材3を介して直列又は並列に接続したものである。また、太陽電池モジュール1は、
図2に示されるように、2枚の保護材5,6がこれら複数の結晶シリコン太陽電池2を挟んでおり、保護材5,6の間を封止材7が充填されている。
保護材5,6は、太陽電池2を保護する保護材であって、防水性等の封止機能を備えた板状体である。保護材5,6としては、例えば、ガラス基板などが採用できる。
封止材7は、防水性等の封止機能を備えた充填剤である。封止材7は、流体であって、固化することによって、保護材5,6を結晶シリコン太陽電池2に対して接着する接着剤でもある。
【0086】
結晶シリコン太陽電池2は、平面視すると、
図3から読み取れるように、櫛状に集電極45が分布されている。
集電極45は、光電変換部10(
図4参照)で発電した電気を取り出す取出電極であり、複数のバスバー部46及び多数のフィンガー部47から形成されている。バスバー部46は、結晶シリコン太陽電池2の面方向において所定の方向に延びている。フィンガー部47は、結晶シリコン太陽電池2の面方向であって、バスバー部46の延伸方向に対して交差する方向に延びている。
【0087】
本実施形態の太陽電池モジュール1は、結晶シリコン太陽電池2の集電極45の一部がめっき法により形成されるものであり、本発明は当該集電極45の形成方法に特徴の一つを有している。
【0088】
また、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法は、後述するレーザー工程において、集電極45の一部を形成する第二電極17から意図的にレーザー光をはみ出させて照射していることを一つの特徴とする。
【0089】
これらの特徴を踏まえて、以下、第一実施形態の結晶シリコン太陽電池2について詳細に説明する。
【0090】
まず、結晶シリコン太陽電池2の主な特徴の部位について説明する。
【0091】
結晶シリコン太陽電池2は、ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池(以下、「ヘテロ接合太陽電池」ともいう)である。
結晶シリコン太陽電池2は、
図4に示されるように、光電変換部10の一方の主面(第一主面)上に集電極45及び絶縁層12が形成されている。
また、結晶シリコン太陽電池2は、光電変換部10の他方の主面(第二主面)上に裏面金属電極37が形成されている。
【0092】
集電極45は、
図4に示されるように、電極層11と金属層15を備えている。
電極層11は、第一電極16及び第二電極17(被除去体)から形成されている。
具体的には、電極層11は、
図4に示されるように、光電変換部10の第一主面側の最表面に位置する光入射側透明電極層32上に形成されている。電極層11は、透明電極層32側から順に第一電極16、第二電極17が積層した積層構造をとっている。
また、電極層11は、第二電極17の外側から第一電極16に向かって厚み方向(積層方向)に延びた穴部19を有している。
穴部19は、第一電極16を底部とする有底穴であり、第二電極17を厚み方向に貫通している。
【0093】
絶縁層12は、
図4に示されるように、光電変換部10及び電極層11の外側を被覆しており、穴部19と連続した開口部18を有している。
開口部18は、絶縁層12を厚み方向に貫通した貫通孔である。開口部18は、穴部19と互いに連通しており、穴部19とともに一つの連通穴25を形成している。すなわち、連通穴25は、第一電極16を底部とし、厚み方向において外側に向かって延びた有底穴である。
【0094】
金属層15は、
図4に示されるように、連通穴25内に充填されており、さらに絶縁層12の外側の一部を覆っている。
金属層15は、連通穴25の底部で第一電極16と接しており、さらに連通穴25の内壁面を形成する第二電極17及び絶縁層12と接している。
【0095】
光電変換部10の第二主面側に位置する裏面金属電極37は、
図4に示されるように、光電変換部10の最裏面に位置する裏面側透明電極層36上に形成されている。
【0096】
結晶シリコン太陽電池2は、光電変換部10の第一主面を平面視すると、電極層11が所定のパターン(例えば櫛形)に形成されており、電極層11が形成された電極層形成領域20と、その他の領域である電極層非形成領域21が存在する。
本実施形態では、電極層11は、第一電極16及び第二電極17によって形成されているので、「電極層形成領域」とは、第一電極16及び第二電極17の少なくとも一方が形成されている領域を意味する。
【0097】
電極層形成領域20に注目すると、結晶シリコン太陽電池2は、
図4に示されるように、光電変換部10上に電極層11、絶縁層12、及び金属層15がこの順に積層された断面構造を備えている。また結晶シリコン太陽電池2は、光電変換部10上に電極層11及び金属層15がこの順に積層された断面構造も備えている。
【0098】
連通穴25は、
図4に示されるように、幅方向(集電極45の延伸方向に対して直交する方向)において、電極層形成領域20の片側寄りに位置している。すなわち、連通穴25は電極層形成領域20の端部に沿って形成されており、金属層15は、この連通穴25に沿って形成されている。
電極層非形成領域21に注目すると、結晶シリコン太陽電池2は、
図4に示されるように、光電変換部10上に直接絶縁層12が被覆されている。
【0099】
続いて、結晶シリコン太陽電池2の各主要部位の材質等について説明する。
【0100】
(電極層11)
上記したように電極層11は、第一電極16と、第二電極17から形成されている。
第一電極16は、光入射側透明電極層32よりも導電率が高い導電体であり、光入射側透明電極層32との接触抵抗がある程度低い導電体でもある。
また、第一電極16は、レーザー光の照射により第二電極17を除去する際に、第二電極17よりも除去されにくい材料で形成されている。すなわち、第一電極16は、所定の出力のレーザー光に対して、第二電極17よりも耐性を有している。
【0101】
第二電極17は、後述するレーザー工程において、用いられるレーザー光によって少なくとも1部が除去される被除去体である。第二電極17は、透明性を有した絶縁層12を除去するための剥離体でもある。
第一電極16及び第二電極17の選定方法について後述するが、通常用いられる出力のレーザー光の場合に採用できる第一電極16の例としては、銀(Ag)や銅(Cu)、アルミニウム(Al)などが挙げられる。すなわち、基本的には、第一電極16は、光吸収が低く、反射率の高い金属が好ましい。
一方、第二電極17としては、レーザー光により比較的除去されやすい材料が好ましい。第二電極17の例としては、錫(Sn)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、銅(Cu)等が挙げられる。
なお、第一電極16、第二電極17に用いる材料は、後述するようにレーザー光の種類や条件により様々であるため、上述のものに限定されない。
【0102】
電極層11は、例えば、電極層11を形成しない領域(電極層非形成領域21)をマスク等で覆い、第一電極16や第二電極17をパターニングにより形成することができる。
なお、本実施形態の電極層11は、マスクを用いてスパッタ法や蒸着法等により、形成されている。
この場合の第一電極16の厚み(膜厚)は、レーザー光を十分に反射するだけの厚みがあること及び生産性の観点から、50nm以上1μm以下であることが好ましく、100nm以上700nm以下であることがさらに好ましく、300nm以上600nm以下であることが特に好ましい。
この場合の第一電極16の厚み(膜厚)は、レーザー光を十分に反射するだけの厚みを確保する観点から、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがさらに好ましく、300nm以上であることが特に好ましい。
また、第一電極16の厚みは、生産性の観点から、1μm以下であることが好ましく、700nm以下であることがさらに好ましく、600nm以下であることが特に好ましい。
一方、第二電極17の厚み(膜厚)は、必ずしもレーザー光によって全て除去される必要はなく、第二電極上の絶縁層が除去できる程度の厚みがあればよい。すなわち、第二電極17の厚みは、第二電極上の絶縁層が除去できる程度の厚みを確保する観点から、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがさらに好ましく、200nm以上であることが特に好ましい。
また、第二電極17の厚みは、コストを低減する観点から、700nm以下であることが好ましく、600nm以下であることがさらに好ましく、500nm以下であることが特に好ましい。
【0103】
(絶縁層12)
絶縁層12は、電気的に絶縁性を有した層であり、めっき工程において金属層15が形成される領域を制限する層である。
絶縁層12の材料は、めっき工程に用いるめっき液に対する化学的安定性を有する材料であることが望ましい。絶縁層12の材料としてめっき液に対する化学的安定性が高い材料を用いることにより、めっき工程において、絶縁層12がめっき液に溶解しにくく、光電変換部10の表面へのダメージが生じにくくなる。
【0104】
絶縁層12は、
図4に示されるように、開口部18を含めて、少なくとも電極層形成領域20の第二電極17上に形成されている。その中でも、絶縁層12は、開口部18を含めて、電極層形成領域20の電極層11の全面に形成されていることが好ましい。
さらに絶縁層12は、電極層11が形成されていない電極層非形成領域21にも形成されることが好ましい。すなわち、絶縁層12は、電極層形成領域20及び電極層非形成領域21に跨がって形成されていることが好ましい。
絶縁層12が電極層形成領域20だけでなく電極層非形成領域21にも形成されている場合には、めっき法により金属層15が形成される際に、絶縁層12が光電変換部10をめっき液から化学的及び電気的に保護することが可能となる。
例えば、ヘテロ接合太陽電池である太陽電池2のように光電変換部10の最表面に透明電極層32が形成されている場合は、透明電極層32の表面に絶縁層12が形成されることで、透明電極層32とめっき液との接触が抑止され、透明電極層32上への金属層15の析出を防ぐことができる。
【0105】
また、絶縁層12は、光電変換部10の表面にも形成されることが好ましい。
絶縁層12は、生産性の観点から、開口部18を含めて電極層形成領域20及び電極層非形成領域21の全域に形成されることがさらに好ましい。
また、結晶シリコン太陽電池2は、例えばめっき液から析出されるめっき層の種類(例えば、銅)によっては、光電変換部10の一部又は全部を構成するシリコンに拡散するおそれがある。この点からも、絶縁層12は、開口部18を含めて電極層形成領域20及び電極層非形成領域21の全域に形成されることが好ましい。
本実施形態の絶縁層12は、開口部18を含めて電極層形成領域20及び電極層非形成領域21の全域に形成されている。
【0106】
また、本実施形態のように電極層形成領域20だけではなく、電極層非形成領域21にも絶縁層12が形成される場合には、絶縁層12は、光電変換部10の表面との付着強度が大きいことが好ましい。
例えば、ヘテロ接合太陽電池では、絶縁層12は、光電変換部10の最表面の透明電極層32との付着強度が大きいことが好ましい。
透明電極層32と絶縁層12との付着強度を大きくすることにより、めっき工程中に、絶縁層12が剥離しにくくなり、透明電極層32上への金属の析出を防ぐことができる。
本実施形態の結晶シリコン太陽電池2は、ヘテロ接合太陽電池であるので、上記した観点から、絶縁層12として光電変換部10の表面の透明電極層32との付着強度が大きいものを採用している。
【0107】
絶縁層12の材料には、光吸収が少ない材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層12は、透明性を有していることが好ましい。
絶縁層12は、光電変換部10の光入射面側(第一主面側)に形成されるので、絶縁層12による光吸収が小さければ、より多くの光を光電変換部10へ取り込むことが可能となる。
例えば、絶縁層12が透過率90%(パーセント)以上の十分な透明性を有する場合、絶縁層12での光吸収による光学的な損失が小さいので、金属層15を形成した後に絶縁層12を除去することなく、そのまま太陽電池として使用することができる。
また、後述する本実施形態の製造方法のように、めっき工程以降において、絶縁層12が除去されることなく、そのまま太陽電池2の一部として使用される場合には、絶縁層12は、透明性に加えて、十分な耐候性、及び熱・湿度に対する安定性を有する材料を用いることがより望ましい。
本実施形態の絶縁層12は、上記の観点から透過率が90パーセント以上の透明性を有するものを採用しており、さらに耐候性、及び熱・湿度に対する安定性を有するものを採用している。そのため、結晶シリコン太陽電池2の製造工程を単純化でき、生産性をより向上させることが可能となる。
【0108】
絶縁層12の材料は、無機絶縁性材料でも、有機絶縁性材料でもよい。
無機絶縁性材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の材料を用いることができる。
有機絶縁性材料としては、例えば、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等の材料を用いることができる。
このような無機材料の中でも、めっき液に対する耐性や透明性の観点からは、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、サイアロン(SiAlON)、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、酸化サマリウム、タンタル酸バリウム、酸化タンタル、フッ化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム等が好ましく用いられる。
これらの中でも、絶縁層12の材料は、電気的特性や透明電極層32との密着性等の観点から、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、サイアロン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、酸化サマリウム、タンタル酸バリウム、酸化タンタル、フッ化マグネシウム等が好ましく、屈折率を適宜に調整し得る観点から、酸化シリコンや窒化シリコン等が特に好ましく用いられる。
なお、これらの無機材料は、化学量論的(stoichiometric)組成を有するものに限定されず、酸素欠損等を含むものであってもよい。
【0109】
絶縁層12の膜厚は、レーザー光の照射により第二電極17が除去される際に、絶縁層12に開口部18が形成され得る程度に薄いことが好ましい。
かかる観点から、絶縁層12の膜厚は、5000nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましく、特に500nm以下であることが好ましい。
【0110】
電極層非形成領域21における絶縁層12の光学特性や膜厚を適宜設定することで、光反射特性を改善させ、太陽電池2のセル内部(光電変換部10)へ導入される光量を増加させることが可能となる。
すなわち、絶縁層12の光学特性や膜厚を適宜設定することで、太陽電池2の変換効率をより向上させることが可能となる。
このような効果を得るためには、絶縁層12の屈折率が光電変換部10の表面の屈折率よりも低いことが好ましい。
【0111】
また、ヘテロ接合太陽電池である太陽電池2のように、光電変換部10の表面に透明電極層32(一般には屈折率:1.9〜2.1程度)を有する場合、絶縁層12の屈折率は、空気(屈折率=1.0)と透明電極層32との中間的な値であることが好ましい。
さらに、本実施形態の太陽電池モジュール1のように、結晶シリコン太陽電池2(太陽電池セル)が封止されてモジュール化される場合、絶縁層12の屈折率は、封止材7と透明電極層32の中間的な値であることが好ましい。
以上の観点から、絶縁層12の屈折率は、例えば1.4〜1.9が好ましく、1.5〜1.8がより好ましく、1.55〜1.75がさらに好ましい。
このような範囲をとることで、界面での光反射防止効果を高めて、太陽電池2のセル内部(光電変換部10)へ導入される光量を増加させることが可能である。
【0112】
なお、本明細書における屈折率は、特に断りがない限り、波長550nmの光に対する屈折率であり、分光エリプソメトリーにより測定される値である。また、絶縁層12の屈折率に応じて、反射防止特性が向上するように絶縁層12の光学膜厚(屈折率×膜厚)が設定されることが好ましい。
【0113】
絶縁層12の膜厚は、絶縁層12に好適な反射防止特性を付与する観点から、30nm〜250nmの範囲内で設定されることが好ましく、50nm〜250nmの範囲内で設定されることがより好ましい。
なお、電極層形成領域20の絶縁層12の膜厚と電極層非形成領域21の絶縁層12の膜厚は異なっていてもよい。
例えば、電極層形成領域20では、レーザー光の照射による開口部18の形成を容易とする観点で絶縁層12の膜厚が設定され、電極層非形成領域21では、適宜の反射防止特性を有する光学膜厚となるように絶縁層12の膜厚が設定されてもよい。
すなわち、電極層非形成領域21の膜厚を電極層形成領域20の絶縁層12の膜厚よりも厚くしてもよい。
【0114】
絶縁層12の形成方法は、特に限定されない。例えば、酸化シリコンや窒化シリコン等の無機絶縁性材料の場合は、プラズマCVD法、スパッタ法等の乾式法が好ましく用いられる。また、有機絶縁性材料の場合は、スピンコート法、スクリーン印刷法等の湿式法が好ましく用いられる。これらの方法によれば、ピンホール等の欠陥が少なく、緻密な構造の膜を形成することが可能となる。
【0115】
中でも、より緻密な構造の膜を形成する観点から、絶縁層12は、プラズマCVD法で形成されることが好ましい。
この方法により、絶縁層12の厚みが200nm程度の厚いものだけでなく、絶縁層12の厚みが30〜100nm程度に薄く形成した場合でも、緻密性の高い構造の膜を形成することができる。
【0116】
例えば、結晶シリコン太陽電池2のように、光電変換部10の表面にテクスチャ構造(凹凸構造)を有する場合、テクスチャ構造の凹部や凸部にも精度よく膜形成できる観点からも、絶縁層12はプラズマCVD法により形成されることが好ましい。
絶縁層12として緻密性が高いものを用いることにより、めっき処理した時の透明電極層32へのダメージを低減できることに加えて、透明電極層32上への金属の析出を防止することができる。
さらに、このような緻密性が高い絶縁層12は、結晶シリコン太陽電池2におけるシリコン系薄膜31,35等のように、光電変換部10の内部の層に対しても、水や酸素などのバリア層として機能し得る。そのため、絶縁層12として緻密性が高いものを用いることで、結晶シリコン太陽電池2の長期信頼性の向上の効果も期待できる。
【0117】
(金属層)
金属層15は、集電極45の一部を構成し、めっき法により形成されるめっき層である。
金属層15は、めっき法で形成できる材料であれば特に限定されず、例えば、銅、ニッケル、錫、アルミニウム、クロム、銀、金、亜鉛、鉛、パラジウム等、あるいはこれらの混合物又は合金を用いることができる。
金属層15は、全体の95パーセント以上が金属単体又は合金によって形成されていることが好ましい。
本実施形態では、金属層15は、銅単体によって形成されている。そのため、本実施形態の金属層15は、集電極45として十分に低抵抗であるとともに、金や銀などの貴金属を使用する場合に比べて、低コストで形成できる。
【0118】
太陽電池2の動作時(発電時)において、光電変換部10で発生した電流は、主として金属層15を流れる。そのため、金属層15での抵抗損を抑制する観点から、金属層15のライン抵抗は、できる限り小さいことが好ましい。具体的には、金属層15のライン抵抗は、1Ω/cm以下であることが好ましく、0.5Ω/cm以下であることがより好ましい。
一方、第一電極16及び第二電極17のライン抵抗は、電気めっきの際の下地層として機能し得る程度に小さければよく、例えば、5Ω/cm以下にすればよい。
本実施形態のように、第一電極16と第二電極17が櫛型状に形成され、第一電極16及び第二電極17を介して、光電変換部10に直接給電する場合には、5Ω/cm以下であることが好ましい。
【0119】
金属層15は、無電解めっき法及び電解めっき法のいずれのめっき法でも形成され得るが、生産性の観点から、電解めっき法で形成することが好適である。
電解めっき法では、電流等を制御することで金属の析出速度を大きくできる。そのため、金属層15を短時間で形成することができる。
【0120】
金属層15は、複数の層から構成された多層構造であってもよい。例えば、銅等の導電率の高い材料からなる第一のめっき層を、絶縁層12の開口部18を介して第一電極16及び第二電極17上に形成した後、化学的安定性に優れる第二のめっき層を第一のめっき層の表面に形成することにより、低抵抗で化学的安定性に優れた集電極45を形成することができる。
【0121】
(裏面金属電極37)
裏面金属電極37は、近赤外から赤外域の反射率が高く、かつ導電性や化学的安定性が高い材料を用いることが望ましい。
このような特性を満たす材料としては、銀やアルミニウム、銅、金等が挙げられる。
裏面金属電極37の製膜方法は、特に限定されないが、スパッタ法や真空蒸着法等の物理気相堆積法や、スクリーン印刷等の印刷法等が適用可能である。裏面金属電極37は、金属層15と同様、めっき法によって形成してもよい。この場合、太陽電池2の生産工程を低減する観点から、金属層15と同時に形成されることが好ましい。
【0122】
続いて、結晶シリコン太陽電池2の詳細な構成について説明する。なお、上述した説明と重複する部分は、説明を省略する。
【0123】
結晶シリコン太陽電池2の骨格をなす光電変換部10は、
図5に示されるように、一導電型単結晶シリコン基板30の一主面(第一主面側の面)上に、シリコン系薄膜31及び光入射側透明電極層32が積層したものである。
また、光電変換部10は、一導電型単結晶シリコン基板30の他の主面(第二主面側の面)上に、シリコン系薄膜35及び裏面側透明電極層36が積層されたものである。すなわち、光電変換部10は、最外面が透明電極層32,36によって形成されている。
シリコン系薄膜31は、一導電型単結晶シリコン基板30側から順に真性シリコン系薄膜40、逆導電型シリコン系薄膜41が積層して形成されている。
シリコン系薄膜35は、一導電型単結晶シリコン基板30側から順に真性シリコン系薄膜42、一導電型シリコン系薄膜43が積層して形成されている。
【0124】
また、結晶シリコン太陽電池2は、一導電型単結晶シリコン基板30の一主面上に、シリコン系薄膜31及び、透明電極層32が略全面に形成されている。結晶シリコン太陽電池2は、透明電極層32の一部に、第一電極16及び第二電極17をこの順に有する電極層11が形成されている。
ここでいう「略全面」とは、基準面の95パーセント以上が覆われていることをいう。以下の説明においても、「略全面」は原則として同様の定義とする。
【0125】
以下に、結晶シリコン太陽電池2の光電変換部10の各部位の材質等について説明する。なお、光電変換部10の内部構造は、シリコン基板を基準として内外方向を規定する。
【0126】
まず、一導電型単結晶シリコン基板30について説明する。
一般的に単結晶シリコン基板は、導電性を持たせるために、シリコンに対して電荷を供給する不純物を含有している。単結晶シリコン基板には、シリコン原子に電子を導入するための原子(例えば、リン)を含有させたn型と、シリコン原子に正孔を導入する原子(例えば、ボロン)を含有させたp型がある。
すなわち、本明細書における「一導電型」とは、n型又はp型のどちらか一方であることを意味する。
【0127】
本実施形態の結晶シリコン太陽電池2は、上記したようにヘテロ接合太陽電池であり、電子・正孔対を効率的に分離回収する観点から、光入射側のヘテロ接合は逆接合であることが好ましい。
また、一導電型単結晶シリコン基板30は、移動度を向上させる観点から、n型単結晶シリコン基板であることが好ましい。
一導電型単結晶シリコン基板30は、光閉じ込めの観点から、表面にテクスチャ構造を有することが好ましい。
本実施形態の一導電型単結晶シリコン基板30は、
図5に示されるように、その両面(第一主面側の面及び第二主面側の面)にテクスチャ構造を備えている。
【0128】
導電型シリコン系薄膜41,43は、逆導電型又は一導電型のシリコン系薄膜である。
本発明における「逆導電型」とは、n型又はp型のどちらか一方であって、かつ、一導電型と異なる導電型であることをいう。
例えば、一導電型単結晶シリコン基板30としてn型が用いられる場合、一導電型シリコン系薄膜43はn型となり、逆導電型シリコン系薄膜41はp型となる。
【0129】
シリコン系薄膜としては、非晶質シリコン薄膜、微結晶シリコン(非晶質シリコンと結晶質シリコンとを含む薄膜)等が挙げられる。中でも非晶質シリコン系薄膜を用いることが好ましい。
例えば、一導電型単結晶シリコン基板30としてn型単結晶シリコン基板を用いた場合の光電変換部の好適な構成としては、透明電極層32/p型非晶質シリコン系薄膜41/i型非晶質シリコン系薄膜40/n型単結晶シリコン基板30/i型非晶質シリコン系薄膜42/n型非晶質シリコン系薄膜43/透明電極層36の順の積層構成が挙げられる。この場合、電子・正孔対を効率的に分離回収する観点から、p層側(p型非晶質シリコン系薄膜41側)を光入射面(第一主面側)とすることが好ましい。
【0130】
一導電型単結晶シリコン基板30に接する真性シリコン系薄膜40,42としては、シリコンと水素で構成されるi型水素化非晶質シリコンが好ましい。
一導電型単結晶シリコン基板30上に、CVD法によってi型水素化非晶質シリコンが製膜されると、一導電型単結晶シリコン基板30への不純物拡散を抑えつつ表面パッシベーションを有効に行うことができる。また、膜中の水素量を変化させることで、エネルギーギャップにキャリア回収を行う上で有効なプロファイルを持たせることができる。
【0131】
本実施形態において、逆導電型シリコン系薄膜41を構成するp型シリコン系薄膜は、p型水素化非晶質シリコン層、p型非晶質シリコンカーバイド層、又はp型非晶質シリコンオキサイド層であることが好ましい。
不純物拡散の抑制や直列抵抗低下の観点ではp型水素化非晶質シリコン層が好ましい。
一方、p型非晶質シリコンカーバイド層及びp型非晶質シリコンオキサイド層は、ワイドギャップの低屈折率層である。そのため、光学的なロスを低減できる点において好ましい。
【0132】
結晶シリコン太陽電池2は、上記したようにヘテロ接合太陽電池であるから、光電変換部10は、導電型シリコン系薄膜41,43の外側に、透明電極層32,36を備えることが好ましい。
透明電極層32,36は、導電性酸化物を主成分としている。
この導電性酸化物としては、例えば、酸化亜鉛や酸化インジウム、酸化錫などの透明導電酸化物を単独又は混合して用いることができる。
この導電性酸化物としては、導電性、光学特性、及び長期信頼性の観点から、酸化インジウムを含んだインジウム系酸化物が好ましく、中でも酸化インジウム錫(ITO)を主成分とするものがより好ましく用いられる。
ここで「主成分とする」とは、含有量が50重量パーセントより多いことを意味し、70重量パーセント以上が好ましく、90重量パーセントの以上がより好ましい。透明電極層32,36は、それぞれ単層でもよく、複数の層からなる積層構造をとっていてもよい。
【0133】
透明電極層32,36には、ドーピング剤を添加することもできる。
例えば、透明電極層32,36として酸化亜鉛が用いられる場合、好ましいドーピング剤としては、アルミニウムやガリウム、ホウ素、ケイ素、炭素等が挙げられる。
透明電極層32,36として酸化インジウムが用いられる場合、好ましいドーピング剤としては、亜鉛や錫、チタン、タングステン、モリブデン、ケイ素等が挙げられる。
透明電極層32,36として酸化錫が用いられる場合、好ましいドーピング剤としては、フッ素等が挙げられる。
【0134】
ドーピング剤は、透明電極層32,36の一方若しくは両方に添加することができる。
特に、第一主面側の光入射側透明電極層32にドーピング剤を添加することが好ましい。光入射側透明電極層32にドーピング剤を添加することで、透明電極層32自体が低抵抗化されるとともに、透明電極層32と電極層11の第一電極16との間での抵抗損を抑制することができる。
【0135】
光入射側透明電極層32の膜厚は、透明性、導電性、及び光反射低減の観点から、10nm以上140nm以下であることが好ましい。
この透明電極層32の役割は、第一電極16へのキャリアの輸送であり、そのために必要な導電性があればよく、上記したように透明電極層32の膜厚は10nm以上であることが好ましい。
また、透明電極層32の膜厚を140nm以下にすることにより、透明電極層32での吸収ロスが小さく、透過率の低下に伴う光電変換効率の低下を抑制することができる。
さらに透明電極層32の膜厚が上記範囲内であれば、透明電極層32内のキャリア濃度上昇も防ぐことができ、赤外域の透過率低下に伴う光電変換効率の低下も抑制できる。
【0136】
続いて、第一実施形態における太陽電池2の製造方法について説明する。
【0137】
まず、光電変換部10を形成する光電変換部形成工程を行う。
光電変換部形成工程では、まず、テクスチャ構造が形成された一導電型単結晶シリコン基板30の表裏面に、シリコン系薄膜31,35を製膜する(シリコン系薄膜形成工程)。
すなわち、一導電型単結晶シリコン基板30の第一主面側の面上に真性シリコン系薄膜40及び逆導電型シリコン系薄膜41を形成する。また、一導電型単結晶シリコン基板30の第二主面側の面上に真性シリコン系薄膜42及び一導電型シリコン系薄膜43を形成する。
【0138】
このときのシリコン系薄膜31,35の製膜方法としては、プラズマCVD法が好ましい。
プラズマCVD法によるシリコン系薄膜31,35の形成条件としては、基板温度100℃〜300℃、圧力20Pa〜2600Pa、高周波パワー密度0.004W/cm
2〜0.8W/cm
2が好ましく用いられる。
シリコン系薄膜31,35の形成に使用される原料ガスとしては、シラン(SiH
4)、ジシラン(Si
2H
6)等のシリコン含有ガス、又はシリコン系ガスと水素(H
2)との混合ガスが好ましく用いられる。
【0139】
シリコン系薄膜形成工程後、シリコン系薄膜31,35の外側から透明電極層32,36をそれぞれ積層する(透明電極層形成工程)。
【0140】
このとき、透明電極層32,36の製膜方法は、特に限定されないが、スパッタ法等の物理気相堆積法や、有機金属化合物と酸素又は水との反応を利用した化学気相堆積(MOCVD)法等が好ましい。いずれの製膜方法においても、熱やプラズマ放電によるエネルギーを利用することもできる。
【0141】
透明電極層32,36を作製する時の基板温度は、適宜設定される。例えば、シリコン系薄膜31,35として非晶質シリコン系薄膜が用いられる場合、200℃以下が好ましい。
基板温度を200℃以下とすることにより、非晶質シリコン層からの水素の脱離や、それに伴うシリコン原子へのダングリングボンド(dangling bond)の発生を抑制でき、結果として変換効率を向上させることができる。
なお、透明電極層32,36の製膜範囲は特に限定されない。全面に製膜してもよいし、短絡防止の観点から周端部を避けて製膜してもよい。
以上が光電変換部形成工程である。
【0142】
光電変換部形成工程の透明電極層形成工程の後、
図6(a)に示されるように、光電変換部10の光入射側透明電極層32上に電極層11を形成する(電極層形成工程)。
具体的には、光入射側透明電極層32上に第一電極16を直接形成し、さらに第一電極16の上から第二電極17を形成する。
【0143】
第一電極16及び第二電極17の形成方法としては、マスクを用いて蒸着法やスパッタ法等によりパターン状に製膜しても良い。また、第一電極16及び第二電極17の形成方法としては、粒状の材料として第一電極16及び/又は第二電極17を含有するペースト状のものを印刷法により、パターンを形成することも可能である。
この場合、例えば、第一電極16を形成した後に、第一電極16上に第二電極17を形成しても良いし、第一電極16と第二電極17を同時に形成してもよい。
本実施形態では、第一電極16を形成した後に、第一電極16上に第二電極17を形成している。なお、同時に形成する場合については、後述する第四実施形態で詳細に説明する。
【0144】
本実施形態の場合、所望の形状にパターニングされた第一電極16上に当該第一電極16と略同一形状にパターニングされた第二電極17が積層して電極層11が形成される。
ここでいう「略同一形状にパターニング」とは、一方に他方を平面上に重ねたときに全体の95パーセント以上が重なるようにパターニングすることをいう。
【0145】
続いて、電極層形成工程後に、電極層11が形成された光電変換部10(以下、光電変換部10及びその上の積層体をまとめて積層基板ともいう)のさらにその上に絶縁層12を形成する(絶縁層形成工程)。
すなわち、
図6(b)に示されるように、光電変換部10及び電極層11を覆うように絶縁層12を形成する。
このとき、絶縁層12は、少なくとも電極層11を覆っており、さらに、光電変換部10の第一主面側の面の略全面を覆っている。
【0146】
そして、この絶縁層形成工程後に、絶縁層12が形成された積層基板に対して本発明の特徴たるレーザー工程(開口部形成工程)を行う。
具体的には、
図6(c)に示されるように、絶縁層12が形成された積層基板に対して光入射側からレーザー光を照射する。
【0147】
このとき、レーザー光は、電極層形成領域20と電極層非形成領域21に跨がって照射し、電極層11をなぞるように照射する。
このとき、
図6(c)に示されるように、主にパターニングされた電極層11の第二電極17上に沿ってレーザー光を照射しつつ、レーザー光が電極層形成領域20の電極層11及び電極層非形成領域21の光電変換部10に跨がるように照射する。そして、
図7から読み取れるように、第一電極16上において、一方の端部(レーザー光の照射方向に対して直交方向の端部)側に第二電極17を残し、他方の端部側の第二電極17を実質的に除去する。
本実施形態では、レーザー光は、後述する選定方法によって、光電変換部10に実質的に影響を与えない出力のものを選定して使用している。
【0148】
そして、
図6(d)に示されるように、上記したレーザー光の照射によって、絶縁層12が形成された積層基板から絶縁層12及び第二電極17の一部又は全部を除去する。すなわち、レーザー光の照射により、絶縁層12の外側から絶縁層12及び第二電極17の一部又は全部を除去して、連通穴25(開口部18及び穴部19)を形成する。
【0149】
ここで、電極層11を除去するためのレーザー光は、透明な絶縁層12を使用した場合、一般的に絶縁体である絶縁層12には反応せず、導電体である電極層11の第二電極17に反応する。そのため、レーザー光が照射されることにより、第二電極17が除去されると同時に当該除去される第二電極17上に直接積層した絶縁層12も除去される。
言い換えると、第二電極17の溶融又は昇華に追随して絶縁層12の対応部位も剥離される。そのため、レーザー工程において、第二電極17の穴部19に対応した位置に絶縁層12に開口部18を形成することができる。
【0150】
このように、本実施形態では、レーザー光を照射することで第二電極17の一部又は全部を溶融又は昇華させ、パターン化された電極層11が形成された領域である電極層形成領域20の絶縁層12に開口部18を形成する。
【0151】
レーザー工程にて連通穴25が形成された積層基板をめっき浴に浸漬し、めっき法によって電極層11上に金属層15を形成する(めっき工程;金属層形成工程)。
このとき、めっき液が絶縁層12の開口部18を通過して、連通穴25の底部や側面を形成する第一電極16及び/又は第二電極17と接触する。そして、主に連通穴25の底部を中心として金属層15がめっき法により形成される。すなわち、第一電極16及び/又は第二電極17を種層として金属層15を形成される。
【0152】
ここで、めっき工程において、酸性銅めっきを例として、電解めっき法による金属層15の形成方法について説明する。
レーザー工程後の積層基板と、めっき電極の陽極とが、めっき槽中のめっき液に浸される。すなわち、光電変換部10上に、電極層11(第一電極16及び第二電極17)、及び開口部18を有する絶縁層12が形成された積層基板がめっき液に浸される。
そして、めっき電極の陽極と積層基板との間に電圧を印加することにより、絶縁層12で覆われていない第一電極16及び第二電極17の上に選択的に金属層15たる銅が析出する。すなわち、積層基板に対して、レーザー処理により絶縁層12に生じた開口部18を起点として、選択的に銅を析出させることができる。
このとき、酸性銅めっきに用いられるめっき液は、勿論、銅イオンを含み、例えば、硫酸銅、硫酸、水を主成分とする公知の組成のものが使用可能である。
【0153】
めっき工程の後には、めっき液除去工程を行い、積層基板の表面に残留しためっき液を除去することが好ましい。めっき液除去工程を設けることによって、レーザー処理で形成された絶縁層12の開口部18以外を起点として析出し得る金属を除去することができる。開口部18以外を起点として析出する金属としては、例えば、絶縁層12のピンホール等を起点とするものが挙げられる。
めっき液除去工程によってこのような金属が除去されることによって、遮光損が低減され、太陽電池特性をより向上させることが可能となる。
【0154】
めっき液の除去は、例えば、めっき槽から取り出された積層基板の表面に残留しためっき液をエアーブロー式のエアー洗浄により除去した後、水洗を行い、さらに、エアーブローにより洗浄液を吹き飛ばす方法により行うことができる。
水洗の前にエアー洗浄を行い積層基板の表面に残留するめっき液量を低減することによって、水洗の際に持ち込まれるめっき液の量を減少させることができる。
そのため、水洗に要する洗浄液の量を減少できるとともに、水洗に伴って発生する廃液処理の手間も低減できる。それ故に、洗浄による環境負荷や費用が低減されるとともに、太陽電池の生産性を向上させることができる。
【0155】
めっき工程又は別途工程により、積層基板の裏面側透明電極層36上に裏面金属電極37を形成する(裏面金属形成工程)。
このとき、裏面金属電極37の形状は、所定の形状にパターニングして形成してもよいし、裏面側透明電極層36の略全面に形成してもよい。
【0156】
めっき工程の以後又は別途工程にて、必要に応じて折り割等の後処理を行い、結晶シリコン太陽電池2が製造される。
【0157】
ここで、太陽電池2は、実用に供するに際して、モジュール化されることが好ましい。この太陽電池2のモジュール化は、適宜の方法により行われる。
例えば、集電極45にタブ等のインターコネクタ(配線部材3)を介してバスバー部46が接続されることによって、複数の結晶シリコン太陽電池2が直列又は並列に接続され、封止材7及びガラス板等の保護材5,6により封止されることでモジュール化が行われる。
【0158】
そこで、本実施形態では、上記した工程により製造された結晶シリコン太陽電池2を複数用意し、配線部材3により各結晶シリコン太陽電池2を直列又は並列接続する。そして、保護材5,6によって、接続した各結晶シリコン太陽電池2を挟み、保護材5,6間に封止材7を充填させて封止する。
このようにして、モジュール化を行い、太陽電池モジュール1が製造される。
【0159】
続いて、第一電極16及び第二電極17の選定方法について説明する。
本発明者は、第一電極16及び第二電極17に用いる材料を選定するために、以下の様な手順で、金属材料のレーザー光に対する耐性について実験を行った。
すなわち、まず、凹凸付きのシリコンウェハ上に透明電極層を100nm程度製膜した。次に、透明電極層の上に表1のリスト中に記載されている金属材料を電極層として製膜したサンプルを準備した。その後、そのサンプル上に、赤外線レーザー(IR;Infrared Laser)(波長1064nm)、及びIRレーザーの第二高調波(SHG;Second Harmonic Generation)(波長532nm)の二種類のレーザー光をそれぞれ所定の位置に照射した。
そして、目視で金属材料もしくは透明電極層材料が除去されたか否かの確認を行った。上記したレーザー光の照射は、赤外線レーザー、及びIRレーザーの第二高調波に関しては、芝浦メカトロニクス株式会社製の2波長レーザー加工機(LAY-746BA-9BK)を使用して実施した。
【0160】
上記した実験の結果を表1,表2に示す。
表1,表2では、材料の除去が確認できた場合を「○」と表記し、除去ができなかった場合を「×」で表している。
表2の「セルダメージ」の項目については、別途、太陽電池セルを組み立てて、太陽電池セルにレーザー光を照射し、その部分のライフタイムが20パーセント以上低下した部分を「×」、そうでない場合を「○」としている。ライフタイムは、SEMILAB社のWT−2000を使用して測定した。
【0163】
まず、特定の波長及びパワー密度のレーザー光における第一電極16及び第二電極17の選定について説明する。
第一電極16としての使用条件としては、レーザー光に対して除去されない程度の耐性を有することであり、第二電極17としての使用条件としては、レーザー光に対して除去される耐性を有することである。
この観点から、表1により、ある出力のレーザー光に対して、「×」の付いている金属材料を第一電極16として採用し、「○」の付いている金属材料を第二電極17として採用することができる。すなわち、表1の列方向に並んだ「○」と「×」を比較して、第一電極16と第二電極17を選定する。
例えば、波長が1064nmでパワー密度が563μW/μm
2のIRレーザーの場合、表1により、第一電極16として使用できるのは、銀(Ag)や、アルミニウム(Al)、銅(Cu)である。一方、第二電極17として使用できるのは、錫(Sn)や、クロム(Cr)、チタン(Ti)である。
また例えば、波長が532nmでパワー密度が297μW/μm
2のSHGレーザーの場合、表1により、第一電極16として使用できるのは、銀(Ag)や、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、チタン(Ti)であり、第二電極17として使用できるのは、錫(Sn)である。
【0164】
次に、使用するレーザー光の波長及びパワー密度の選定について説明する。
レーザー光としての使用条件は、透明電極層32が除去されない程度のレーザー条件であることである。
この観点から、表2により、特定の波長のレーザー光において、透明電極層の部分に「○」の付いているパワー密度が採用可能となる。
例えば、波長が1064nmのIRレーザーの場合、表2からは、パワー密度が113μW/μm
2以上676μW/μm
2未満の範囲の赤外線レーザー(IRレーザー)が使用可能となる。
また、レーザー光としての使用条件として、セルダメージが少ない方が好ましい。すなわち、レーザー光が光電変換部10に実質的に影響を与えない出力であることが好ましい。
この観点から、表2により、特定の波長のレーザー光において、透明電極層の部分に「○」の付いており、かつ、セルダメージの部分に「○」の付いているものが好ましい。
【0165】
以上の結果に基づいて、レーザー光の種類や照射条件が装置により多少の変動はあることを踏まえると、波長1064nmの赤外線レーザーを用いる場合のパワー密度は、100μW/μm
2以上であることが好ましく、350μW/μm
2以上であることがより好ましく、400μW/μm
2以上であることがさらに好ましく、450μW/μm
2以上であることが特に好ましい。
また波長1064nmの赤外線レーザーを用いる場合のパワー密度は、670μW/μm
2以下であることが好ましく、650μW/μm
2以下であることがより好ましく、600μW/μm
2以下であることがさらに好ましく、570μW/μm
2以下であることが特に好ましい。
波長532nmのSHGレーザーを用いる場合、パワー密度は、30μW/μm
2以上であることが好ましく、40μW/μm
2以上であることがより好ましく、250μW/μm
2以上であることがさらに好ましい。
また波長532nmのSHGレーザーを用いる場合、パワー密度は、380W/μm
2以下であることが好ましく、340μW/μm
2以下であることがより好ましく、300μW/μm
2以下であることがさらに好ましい。
【0166】
レーザー光は、基本波、第n高調波(nは整数)を問わず、波長が400nm以上であることが好ましく、450nm以上であることがより好ましく、500nm以上であることがさらに好ましい。
また、レーザー光は、基本波、第n高調波(nは整数)を問わず、波長が1500nm以下であることが好ましく、1300nm以下であることがより好ましく、1100nm以下であることがさらに好ましい。
【0167】
なお、レーザー光の種類や照射条件は、装置により多少の変動はあり、必ずしも上記の範囲に限定されるものではない。
【0168】
また、第一電極16を除去せずに、第二電極17のみを除去でき、さらに、電極層非形成領域21の光電変換部10へのダメージを最小限に抑えることができれば、用いるレーザー光の種類、照射条件等は特に限定されない。
例えば、レーザー光には、上記した赤外線レーザー(IR),第二高調波(SHG),第三高調波(THG)などを用いることができるが、SHGレーザーやIRレーザーを使用することが特に好ましい。
【0169】
本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法によれば、めっき法によって容易に金属層15を形成できるので、従来に比べて低コスト化が可能である。
【0170】
また、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法では、レーザー光を照射することによって絶縁層12に開口部18を形成する。そのため、レジスト等を用いなくても、開口部18を形成できる。
【0171】
また、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法によれば、レーザー光と第二電極17と重なる幅を制御することで、開口部18の開口幅を容易に制御可能である。そのため、所望の幅の金属層15を形成することができ、容易に集電極45の細線化を行うことができる。
【0172】
さらに、本実施形態の太陽電池モジュール1は、レーザー光として光電変換部10に実質的に影響を与えない出力により照射しているので、レーザー光による光電変換部10の損傷が少なく、高光電変換率を誇る太陽電池モジュールとなる。
【0173】
また、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法では、電極層11として、第一電極16上に第二電極17が積層されたものを用いている。そして、電極層形成領域20においては、光電変換部10の表面が第一電極16により覆われており、さらに第二電極17が一部残っている。そのため、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法によれば、めっき工程において、めっき液が開口部18から進入することによる光電変換部10へのダメージをより抑制できる。
【0174】
ところで、特許文献6に示されている技術では、レーザー光の強度が正確に設定されていないので、
図16(a)のように表面電極上のみにレーザー光を照射する必要があった。そのため、
図16(c)のように、表面電極よりも広い領域にレーザー光が照射された場合や、誤って表面電極からレーザー光がはみ出した場合には、
図16(d)のように、表面電極周辺部における光電変換部において、レーザー光によるダメージが生じる可能性がある。すなわち、レーザー光によって、光電変換部の一部が損傷するおそれがあった。
【0175】
また、光電変換部10へダメージの入るレーザー光の条件で照射する場合であれば、レーザー光は第二電極17上のみに照射しなければならない。この場合、レーザー光のアライメント(alignment)の難しさや、パターン化された部分へのレーザー光の照射による工程時間増加などの問題が生じる可能性がある。
例えば、電極層11が第一電極16のみであって、かつ電極層11を覆うように、電極層11の全面に絶縁層12が形成される場合、第一電極16上の絶縁層12に開口部18を形成しようとすると、レーザー光によって第一電極16の一部又は全部を除去する必要がある。通常、このとき、光電変換部10へもダメージが生じ得る条件にてレーザー光の照射を行うこととなる。そのため、電極層形成領域20に正確に照準を合わせてレーザー光の照射を行う必要がある。
【0176】
さらに、第一電極16を除去し過ぎると、特許文献5などのように、光電変換部10の最表面層(例えば、透明電極層)がめっき液と接触する場合がある。このような場合、透明電極層がめっき液によりダメージを受け、最表面層とめっき層の接触抵抗が大きくなり、曲率因子の低下が生じるといった問題が生じる。
【0177】
一方、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法によれば、レーザー光の出力が実質的に光電変換部10に影響を及ぼさないように選定されている。すなわち、レーザー光が電極層11からはみ出すことを前提とした上で、光電変換部10へのダメージが小さい条件でレーザー光を照射しているので、電極層11からレーザー光のスポット径がはみ出していても、光電変換部10に損傷を与えることを防止できる。そのため、レーザー光の照射位置は、必ずしも第二電極17上のみに限る必要はなく、レーザー光のスポット径の大きなものでも、積層基板上をパターンに関係なく照射することができる。すなわち、太陽電池モジュール1の製造方法によれば、精密にレーザー光の照射範囲を制御しなくても、絶縁層12に開口部18を形成することができ、生産性に優れる。
【0178】
ところで、ヘテロ接合太陽電池のように結晶シリコン基板を用いた太陽電池は、発電する電流量が大きい。そのため、一般に、透明電極層/集電極間の接触抵抗に起因するエネルギー損失が顕著となる傾向がある。
これに対して、本実施形態の太陽電池モジュール1では、第一電極16、第二電極17、及び金属層15を有する集電極45は、透明電極層32との接触抵抗が低いので、接触抵抗に起因する発電ロスを低減することが可能となる。
【0179】
続いて、第二実施形態の太陽電池モジュールを説明する。なお、第一実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第二実施形態の太陽電池モジュールは、第一実施形態の太陽電池モジュール1と太陽電池60の形状が異なる。
すなわち、第二実施形態の太陽電池60は、第一実施形態の太陽電池2と、連通穴25の形成位置が異なる。
第二実施形態の太陽電池60は、
図8に示されるように、連通穴25が電極層形成領域20の幅方向(集電極45の延伸方向に対して直交方向)の中央に位置している。
【0180】
続いて、第二実施形態の太陽電池60の製造方法について説明する。なお、第一実施形態と同様の工程については、説明を省略する。
【0181】
図9(a)に示される電極層形成工程及び
図9(b)に示される絶縁層形成工程を行い、絶縁層12が形成された積層基板に対して、本実施形態の特徴たるレーザー工程(開口部形成工程)を行う。
すなわち、
図9(c)のように、光入射面側から積層基板に対してレーザー光を照射し、
図9(d)のように、絶縁層12及び第二電極17の一部又は全部を除去して連通穴25を形成する。
【0182】
このとき、レーザー光は、
図9(c)に示されるように、そのスポット径が電極層形成領域20の幅(集電極45の延伸方向に対して直交する方向の長さ)よりも大きいものを使用する。
また、レーザー光は、
図9(c)に示されるように、光電変換部10の第一主面に対して直交する断面であって電極層11の延び方向に対して直交する断面をみたときに、電極層形成領域20の電極層11の幅方向(集電極45の延伸方向に対して直交方向)の中央を通過するように照射される。
より詳細には、レーザー光をフィンガー部47に沿って照射する場合には、フィンガー部47の延び方向に対して直交する断面において、電極層形成領域20の中央を通過するようにレーザー光を照射する。また、レーザー光をバスバー部46に沿って照射する場合には、フィンガー部47の延び方向に対して直交する断面において、電極層形成領域20の中央を通過するようにレーザー光を照射する。
なお、本実施形態では、レーザー光のスポット(照射部位)内のパワー不均一性を利用して、絶縁層12及び第二電極17の一部を除去して連通穴25を形成する。具体的には、レーザー光の照射部位の中心部のみで第二電極17が除去されるようにレーザー光の出力、大きさ、範囲を制御している。
【0183】
その後、レーザー工程において連通穴25が形成された積層基板をめっき浴に浸漬し、
図9(e)のように電極層11上に金属層15を形成する(めっき工程)。
めっき工程以降、第一実施形態と同様にして、太陽電池60が製造される。
上記した第一,二実施形態では、レーザー工程において第二電極17の一部を除去した。すなわち、レーザー工程において第二電極17の一部が残部として残るように除去したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第二電極17の全てを取り除いてもよい。
【0184】
この場合について第三実施形態の太陽電池モジュール70として説明する。なお、第一,二実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
【0185】
第三実施形態の太陽電池モジュール70は、
図10に示されるように、電極層11が第一電極16のみで形成されており、実質的に第二電極17が存在していない。すなわち、第一電極16上に金属層15が直接積層されている。
【0186】
続いて、第三実施形態の太陽電池モジュール70の製造方法について説明する。なお、第一,二実施形態と同様の工程については、説明を省略する。
【0187】
図11(a)に示される電極層形成工程及び
図11(b)に示される絶縁層形成工程を実施し、絶縁層12が形成された積層基板に対して、本実施形態の特徴たるレーザー工程を行う。
すなわち、
図11(c)のように、絶縁層12が形成された積層基板に対して光入射側からレーザー光を照射することで、
図11(d)のように、絶縁層12の一部又は全部を除去し開口部18を形成する。
【0188】
このとき、
図11(c)のように、レーザー光が第二電極17の全てを含むようにレーザー光を積層基板に対して照射して、
図11(d)のように第二電極17を実質的に全て取り除く。したがって、電極層形成領域20の絶縁層12の全面に開口部18が形成される。
【0189】
そして、レーザー工程後にめっき浴に開口部18が形成された積層基板を浸漬し、
図11(e)のように、第一電極16上に金属層15を形成する(めっき工程)。
このとき、開口部18の底部に露出する第一電極16を種層として、金属層15を形成される。
【0190】
第三実施形態の太陽電池モジュール70の製造方法によれば、レーザー工程において、第二電極17を実質的に全て取り除くので、第二電極17による抵抗損失が生じない。そのため、第二電極17が導電率の低いものや絶縁体であっても使用可能である。
【0191】
続いて、第四実施形態の太陽電池モジュール100について説明する。なお、第一,二,三実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第四実施形態の電極層101は、
図12に示されるように、ペースト材料103(含有物)を固化することによって形成されている。
ペースト材料103は、
図12のように、第一電極16と、第二電極17(被除去体)を含むものである。具体的には、ペースト材料103は、粒子状の第一電極16と、粒子状の第二電極17(被除去体)を混合し、ペースト剤102によって一体化されたものである。
【0192】
電極層101は、
図14に示されるように形状の異なる複数の穴部106を備えている。
穴部106は、第一実施形態の穴部19と同様、電極層101の外側から内側に向けて延びた有底穴である。
絶縁層12は、電極層101の穴部106に対応して形状の異なる複数の開口部105を備えている。
開口部105は、第一実施形態の開口部18と同様、絶縁層12の厚み方向に貫通した貫通孔である。
そして、電極層101のそれぞれの穴部106と絶縁層12のそれぞれの開口部105は、互いに連通しており、それぞれ一つの連通穴107を形成している。
【0193】
ペースト剤102は、公知の結着剤であり、第一電極16(第一電極材料)及び第二電極17(第二電極材料)を混合することで第一電極16及び第二電極17をペースト状に保持することが可能となっている。
【0194】
ペースト材料103内の第一電極16(第一電極材料)と第二電極17(第二電極材料)の最適な混合比は、照射するレーザー光の条件や電極層101に存在する「第二電極17の位置」に依存する。
そのため、一概には言えないが、第二電極17(第二電極材料)の体積比は、両方の合計(第一電極16及び第二電極17)の体積比の30%以上90%以下であることが好ましく、40%以上80%以下であることがより好ましく、50%以上70%以下であることが特に好ましい。
【0195】
なお、「第二電極17の位置」とは、電極層101において第二電極17が電極層101の表面(第一主面側の面)近傍に形成されている場合や、印刷法を用いて積層させる場合のように、微粒子状の第二電極17(第二電極材料)が、ペースト材料103中に混在する場合などを意味する。
【0196】
第二電極17(第二電極材料)の体積比を30%以上とすることで、めっきが効率よく起こりうる程度に、絶縁層12に開口部105を形成することができる。
また、第二電極17(第二電極材料)の体積比を90%以下とすることで、例えば、レーザー光の出力が大きい場合でも、種層となる第一電極16(第一電極材料)の量を十分に確保できる。そのため、電極層101と透明電極層32の間の接触抵抗の抑制や電極層101自身の低抵抗化が可能となる。
【0197】
また、第一電極16と第二電極17がペースト材料103中に混在する場合は、第一電極16と第二電極17がペースト材料103中に略均等に混ざり合っていたり、表面付近に第一電極16が偏って存在して第二電極17が表面付近に存在しなかったりする場合がある。
前者の場合は、例えば、第二電極17がペースト剤102で覆われていたとしても、通常のペースト剤102は、ある程度の光を透過することが多い。そのため、前者の場合は、第二電極17に十分にレーザー光が照射されると考えられ、第二電極17を除去することによる開口部105の形成を行うことができる。
一方で、後者の場合は、第一電極16の陰となる位置に第二電極17が存在する。そのため、後者の場合は、レーザー光が第二電極17に到達しにくくなると考えられ、レーザー光の出力を高くすることにより、第二電極17を除去しうると考えられる。
【0198】
粒子状の第一電極16及び/又は第二電極17を印刷法により使用する場合は、櫛電極の細線化を考えると、ある程度の粒径以下の粒子を用いることが好ましい。
第一電極16に用いる粒子の粒径は、十分な導電経路を確保する観点から、50nm以上であることが好ましく、500nm以上であることがさらに好ましく、1μm以上であることが特に好ましい。
第一電極16に用いる粒子の粒径は、細線化の観点から、10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
第二電極17の粒子の粒径は、十分な大きさの開口部105を形成する観点から、50nm以上であることが好ましく、500nm以上であることがさらに好ましく、1μm以上であることが特に好ましい。
また、第二電極17の粒子の粒径は、細線化の観点から、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。
電極層101の形成方法は、ペースト材料103を使用すれば、特に限定されないが、生産性の観点からは、印刷法により形成する方法が好ましい。
【0199】
続いて、第四実施形態の太陽電池モジュール100の製造方法について説明する。なお、第一〜三実施形態と同様の工程については、簡潔に説明する。
【0200】
まず、光電変換部10を形成する光電変換部形成工程を行い、光電変換部形成工程の透明電極層形成工程の後、
図13(a)に示されるように、光入射側透明電極層32上に電極層101を形成する(電極層形成工程)。
【0201】
このとき、光入射側透明電極層32上に第一電極16と第二電極17を含有するペースト材料103を印刷法により塗布し、第一電極16と第二電極17を同時に形成する。
【0202】
電極層形成工程後に、絶縁層形成工程を行い、
図13(b)に示されるように、電極層101が形成された積層基板上に絶縁層12を形成する。
【0203】
絶縁層形成工程後に、絶縁層12が形成された積層基板に対して、本実施形態の特徴たるレーザー工程を行う。
すなわち、
図13(c)のように、絶縁層12が形成された積層基板に対して、光入射側からレーザー光を照射する。
こうすることで、
図13(d)のように、絶縁層12及び第二電極17の一部又は全部を除去して複数の開口部105及び複数の穴部106を形成する。すなわち、絶縁層12が被覆した積層基板上に複数の連通穴107を形成する。
このとき、
図13(c)のように、主にパターニングされた電極層101の第二電極17上に沿ってレーザー光を照射しつつ、レーザー光を電極層形成領域20の電極層101の全てを覆うように電極層非形成領域21の光電変換部10に跨がって照射する。すなわち、レーザー光を、第二電極17の全てを含むように照射して、
図13(d)のように第二電極17を取り除く。
このとき、主にペースト剤102中の表面側(第一主面側)に位置する第二電極17の部分のみがレーザー光によって除去されて、主にペースト中の第二電極17の部分を中心にして、絶縁層12に複数の開口部105が形成される。
すなわち、電極層101には、形状が異なる複数の穴部106が形成されており、それぞれの穴部106は、対応する開口部105と連通して連通穴107が形成されている。
【0204】
そして、レーザー工程後にめっき浴に開口部105が形成された積層基板を浸漬し、
図13(e)のように、第一電極16上に金属層15を形成する(めっき工程)。
このとき、第一電極16を種層として、金属層15が形成され、各連通穴107内に金属層15が充填される。
【0205】
ところで、本実施形態のようにペーストに第一電極16と第二電極17を混ぜて同時に形成する場合においては、通常ペースト内には第一電極16と第二電極17が均等に分散している。
このような場合、高出力のレーザー光により全ての第二電極17を除去した場合、ペースト直下にある光電変換部10の最表面層(例えば透明電極層32)が露出する可能性がある。
また、例えば、特許文献5などのように、導電性シードとして凹凸の粗いものを用いた場合、めっき液が導電性シード内に浸透し、導電性基板(光電変換部)がダメージを受け、太陽電池特性が低下する可能性がある。同様に、上述の様に光電変換部の最表面層が露出した場合、めっき液により最表面がダメージを受け、太陽電池特性の低下をもたらす可能性がある。
【0206】
これに対し、本実施形態では、レーザー光を照射した後においても、電極層形成領域20における光電変換部10の表面が、電極層101に覆われている。すなわち、連通穴107が有底穴であるので、めっき液が連通穴107に進入して光電変換部10の表面がめっき液に晒されず、めっき液からの光電変換部10のダメージをより抑制できる。
なお、レーザー光を照射した後において、電極層101として第一電極16と第二電極17を有するペースト等を用いる場合、第二電極17が一部残っていることが好ましい。
【0207】
上記した第四実施形態の太陽電池モジュール100では、均等に第一電極16と第二電極17を混合した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電極層形成工程において、第一電極16及び/又は第二電極17が局所的に凝集するようにペースト材料103を塗布してもよい。
第二電極17を電極層形成領域20におけるペースト材料103の中央に凝集させることが好ましい。
こうすることによって、レーザー工程において、絶縁層12に対して電極層形成領域20の中央に開口部105を形成することができる。
そのため、めっき工程において、金属層15の形成を概ね電極層形成領域20に留めることができる。
なお、第一電極16や第二電極17を凝集させる方法は、特に限定されない。ペースト剤102の粘度を利用して凝集させてもよいし、第一電極16や第二電極17の粒径や比重を利用して凝集させてもよい。また、乾燥温度を制御して凝集させてもよい。
【0208】
上記した実施形態では、レーザー工程において、第二電極17をレーザー光によって厚み方向に全て除去していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁層12に開口部18を形成できればよい。
すなわち、必ずしも第二電極17をレーザー光によって全て除去する必要はなく、レーザー工程において、
図15のように、第二電極17の一部のみを除去してもよい。すなわち、第二電極17が最終的に残っていても良い。この場合、開口部18の底部は、第二電極17となる。
上記した実施形態の場合、照射レーザーのパワーは、光電変換部10にダメージを与えない程度が好ましいので、ある程度低パワーのレーザーが使用される。このため、第二電極17の一部のみを除去することや、溶解して絶縁層12に開口部18を形成することは十分起こり得る。
【0209】
上記した実施形態では、太陽電池モジュール1の製造にあたって、所定の波長及びパワー密度のレーザー光を選定して使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、レーザー工程において、レーザー光が電極層11からはみ出さないように制御する場合には、上記の選定により導き出されたレーザー光以外の波長及びパワー密度でも使用できる。
具体的には、波長1064nmのIRレーザーを用いる場合、パワー密度が100μW/μm
2以上1500μW/μm
2以下であることが好ましく、特に400μW/μm
2以上600μW/μm
2以下であることが好ましい。
また、波長532nmのSHGレーザーを用いる場合、パワー密度が、100μW/μm
2以上1500μW/μm
2以下であることが好ましく、さらに200μW/μm
2以上500μW/μm
2以下であることが好ましく、特に200μW/μm
2以上300μW/μm
2以下であることが好ましい。
【0210】
上記した実施形態では、めっき工程以降の工程において、電極層非形成領域21に属する絶縁層12を除去しなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁層12を除去してもよい。すなわち、金属層15を形成した後(めっき工程後)に絶縁層除去工程が行われてもよい。
特に、絶縁層12として光吸収の大きい材料が用いられる場合は、絶縁層除去工程が行われることが好ましい。絶縁層除去工程を行うことによって、絶縁層12の光吸収による太陽電池特性の低下を抑制することができる。
絶縁層12の除去方法は、絶縁層12の材料の特性に応じて適宜選択される。例えば、化学的なエッチングや機械的研磨により絶縁層12が除去され得る。
また、材料によってはアッシング法も適用可能である。この際、光取り込み効果をより向上させる観点から、電極層非形成領域21上の絶縁層12が全て除去されることがより好ましい。
なお、上記した実施形態のように、絶縁層12として光吸収の小さい材料が用いられる場合は、絶縁層除去工程が行われる必要はない。
【0211】
上記した実施形態では、ヘテロ接合太陽電池である結晶シリコン太陽電池2の光入射側(第一主面側)に金属層15が設けられる場合を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、結晶シリコン太陽電池2の裏面側(第二主面側)にも同様の集電極45が形成されてもよい。
【0212】
上記した実施形態では、ヘテロ接合太陽電池を使用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の太陽電池の場合でも応用可能である。
例えば、ヘテロ接合太陽電池以外の結晶シリコン太陽電池や、GaAs等のシリコン以外の半導体基板が用いられる太陽電池、非晶質シリコン系薄膜や結晶質シリコン系薄膜のpin接合あるいはpn接合上に透明電極層が形成されたシリコン系薄膜太陽電池や、CIS,CIGS等の化合物半導体太陽電池、色素増感太陽電池や有機薄膜(導電性ポリマー)等の有機薄膜太陽電池のような各種の太陽電池に適用可能である。
【0213】
シリコン系薄膜太陽電池としては、例えば、p型薄膜とn型薄膜との間に非晶質の真性(i型)シリコン薄膜を有する非晶質シリコン系薄膜太陽電池や、p型薄膜とn型薄膜との間に結晶質の真性シリコン薄膜を有する結晶質シリコン系半導体太陽電池が挙げられる。また、複数のpin接合が積層されたタンデム型の薄膜太陽電池も好適である。
【0214】
上記した実施形態では、裏面側透明電極層36の外側に裏面金属電極37を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、裏面側透明電極層36も電極として機能するので、必ずしも裏面金属電極37を設ける必要はない。
【0215】
上記した実施形態では、複数の太陽電池を備えた太陽電池モジュールについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1枚の太陽電池を備えた太陽電池モジュールであってもよい。
【0216】
上記した実施形態では、配線部材3の一方の端部は一の太陽電池2に接続され、他方の体部は他の太陽電池2に接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他方の端部は外部回路に接続されていてもよい。
【実施例】
【0217】
以下、ヘテロ接合太陽電池に関する実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下の実施例においては、表1及び表2で検討した条件・材料から第一電極16及び第二電極17として使用する材料を選出して電極層を作製した。
【0218】
(実施例1)
実施例1のヘテロ接合太陽電池を、以下のようにして製造した。
【0219】
一導電型単結晶シリコン基板30として、入射面の面方位が(100)で、厚みが200μmのn型単結晶シリコンウェハを用いた。このシリコンウェハを2重量%のHF水溶液に3分間浸漬し、表面の酸化シリコン膜を除去した後、超純水によるリンスを2回行った。このシリコン基板を、70℃に保持された5/15重量%の水酸化カリウム(KOH)/イソプロピルアルコール水溶液に15分間浸漬し、ウェハの表面をエッチングすることでテクスチャを形成した。その後に超純水によるリンスを2回行った。
原子間力顕微鏡(AFM パシフィックナノテクノロジー社製)により、ウェハの表面観察を行ったところ、ウェハの表面はエッチングが最も進行しており、(111)面が露出したピラミッド型のテクスチャが形成されていた。
【0220】
エッチング後のウェハをCVD装置へ導入し、その光入射側に、真性シリコン系薄膜40としてi型非晶質シリコンを5nmの膜厚となるように製膜した。
i型非晶質シリコンの製膜条件は、基板温度:150℃、圧力:120Pa、SiH
4/H
2流量比:3/10、投入パワー密度:0.011W/cm
2であった。
なお、本実施例における薄膜の膜厚は、ガラス基板上に同条件にて製膜された薄膜の膜厚を、分光エリプソメトリー(商品名M2000、ジェー・エー・ウーラム社製)にて測定することにより求められた製膜速度から算出された値である。
【0221】
i型非晶質シリコン層40上に、逆導電型シリコン系薄膜41としてp型非晶質シリコンを7nmの膜厚となるように製膜した。
p型非晶質シリコン層3aの製膜条件は、基板温度が150℃、圧力60Pa、SiH
4/B
2H
6流量比が1/3、投入パワー密度が0.01W/cm
2であった。
なお、上記でいうB
2H
6ガス流量は、H
2によりB
2H
6濃度が5000ppmまで希釈された希釈ガスの流量である。
【0222】
次にウェハの裏面側に、真性シリコン系薄膜42としてi型非晶質シリコン層を6nmの膜厚となるように製膜した。
i型非晶質シリコン層42の製膜条件は、上記のi型非晶質シリコン層40の製膜条件と同様であった。
i型非晶質シリコン層42上に、一導電型シリコン系薄膜43としてn型非晶質シリコン層を4nmの膜厚となるように製膜した。
一導電型シリコン系薄膜43(n型非晶質シリコン層)の製膜条件は、基板温度:150℃、圧力:60Pa、SiH
4/PH
3流量比:1/2、投入パワー密度:0.01W/cm
2であった。なお、上記でいうPH
3ガス流量は、H
2によりPH
3濃度が5000ppmまで希釈された希釈ガスの流量である。
【0223】
この上に透明電極層32,36として、各々酸化インジウム錫(ITO、屈折率:1.9)を100nmの膜厚となるように製膜した。
ターゲットとして酸化インジウムを用い、基板温度:室温、圧力:0.2Paのアルゴン雰囲気中で、0.5W/cm
2のパワー密度を印加して透明電極層32,36の製膜を行った。
裏面側透明電極層36上には、裏面金属電極37として、スパッタ法により銀が500nmの膜厚となるように製膜した。
【0224】
光入射側透明電極層32上には、スパッタ法により、マスクを用いて、第一電極16と第二電極17をこの順に有する電極層を形成した。
第一電極16として銀(Ag)を100nm、第二電極17としてクロム(Cr)を50nm、櫛型のパターン形状になるように製膜した。
櫛型のパターンにおけるバスバー部の幅は1mmであり、フィンガー部の幅は80μmであった。
【0225】
第一電極16及び第二電極17を形成した後、積層基板をCVD装置内に設置し、絶縁層12として酸化シリコン層(屈折率:1.5)を、プラズマCVD法により80nmの厚みとなるように光入射面側に形成した。
絶縁層12の製膜条件は、基板温度:135℃、圧力133Pa、SiH
4/CO
2流量比:1/20、投入パワー密度:0.05W/cm
2(周波数13.56MHz)であった。
この際、前記絶縁層12は、光電変換部10の一主面側において、電極層形成領域20と電極層非形成領域21の略全面に形成されていた。
【0226】
その後、パワー密度290μW/μm
2、波長532nmであり、スポット径が100μmであるSHGレーザーを、概ね櫛型パターンをなぞるようにして照射し、第二電極17を除去することで、第二電極17が形成されていた領域における酸化シリコン層に開口部を形成した。
この際、第二電極17の一部が第一電極16上に残っており、第一電極16の一部がむき出しとなっていた。その後、絶縁層12を形成した後のウェハを熱風循環型オーブンに導入し、大気雰囲気において、180℃で20分間、アニール処理を実施した。以上のようにしてアニール工程が行われた積層基板をめっき槽内に設置した。
【0227】
めっき液には、硫酸銅五水和物、硫酸、及び塩化ナトリウムが、それぞれ120g/l、150g/l、及び70mg/lの濃度となるように調製された溶液に、添加剤(上村工業製:品番ESY−2B、ESY−H、ESY−1A)が添加されたものが用いられた。このめっき液を用いて、温度40℃、電流3A/dm
2の条件でめっきを行い、第一電極16、及び第二電極17上に、10μm程度の厚みで金属層15として銅が均一に析出した。第一電極16が形成されていない領域への銅の析出はほとんど見られなかった。その後、レーザー加工機によりセル外周部のシリコンウェハを0.5mmの幅で除去し、本発明のヘテロ接合太陽電池を作製した。
【0228】
(実施例2)
第二電極として錫(Sn)を50nmの厚みで形成し、その後、パワー密度560μW/μm
2、波長1064nmであり、スポット径が100μmであるIRレーザーを、概ね櫛型パターンをなぞるようにして照射したことを除いて実施例1と同様に太陽電池を作製した。
【0229】
(実施例3)
第二電極としてチタン(Ti)を50nmの厚みで形成し、その後、パワー密度560μW/μm
2、波長1064nmであり、スポット径が100μmであるIRレーザーを、概ね櫛型パターンをなぞるようにして照射したことを除いて実施例1と同様に太陽電池を作製した。
【0230】
(比較例1)
比較例1として、電極層として銀(Ag)ペースト(第一電極)のみを印刷法にて形成し、絶縁層を形成せず、さらにめっきによる金属層を形成しなかった点を除いて、実施例1と同様に、ヘテロ接合太陽電池を作製した。
【0231】
(比較例2)
第二電極17を形成しない点と、パワー密度680μW/μm
2、波長532nmであり、スポット径が100μmであるSHGレーザーを、概ね櫛型パターンをなぞるようにして照射した点を除いて、実施例1と同様に太陽電池を作製した。
比較例2においては、第一電極16を覆うように絶縁層12が形成されており、絶縁層12を除去するために、第一電極16である銀(Ag)を除去可能な条件にてレーザー光を照射した。
【0232】
上記各実施例及び比較例のヘテロ接合太陽電池の作製条件を表3に示す。さらに上記各実施例及び比較例のヘテロ接合太陽電池の太陽電池特性(開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)及び変換効率(Eff)の測定結果を表3に示す。
【0233】
【表3】
【0234】
比較例1に対し、実施例ではJscが増加した。これは、比較例1では絶縁層12が形成されていないのに対し、実施例では絶縁層12が形成されている分、反射防止効果が得られたためと考えられる。
【0235】
また、実施例1〜3では、電極として、めっき法を用いたバルクの銅(Cu)からなる金属層15が形成されている。そのため、集電極45における直列抵抗が低い。一方で、比較例1は銀ペーストを用いている。そのため、バルクの銅(Cu)に比べて直列抵抗が高い。このため、曲率因子において実施例1の方が高い値が得られたと考えられる。
【0236】
一方で、実施例と比較例2を比較すると、比較例2においては、Vocと曲率因子が実施例に比べて大きく低下し、これに伴い変換効率が低くなった。これは、下記のように考えられる。比較例2においては、第二電極17を有しておらず、第一電極16上に絶縁層12が形成されており、絶縁層12に開口部を形成する必要がある。そのために絶縁層12に高パワーのレーザー光を照射したので、実施例よりも光電変換部10のPN接合部等へのダメージが大きくなったことに起因する。
比較例2においては、仮に、第一電極16上にのみレーザー光を照射し、絶縁層12の除去を行った場合は、ある程度良い太陽電池特性を得ることができると考えられる。しかしながら、太陽電池の光入射面の櫛電極パターン上のみにレーザー光を照射するのは難しいと考えられる。
【0237】
また比較例1と比較例2を比較すると、比較例2ではめっき法によるバルク銅(Cu)を用いたにも拘わらず、抵抗が高いペーストを用いた比較例1よりも特性が低くなった。これは、上述のように、第一電極16上の絶縁層12に開口部を形成する際、レーザー光の照射により、また光電変換部10へのダメージによりVocと曲率因子が低くなったことに起因すると考えられる。
【0238】
以上、実施例を用いて説明したように、本発明によれば、高出力の太陽電池を低コストで提供することが可能となる。