(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び/又はビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとを構成単位としてなり、1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が3〜12個である(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)と、1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が4〜8個である(メタ)アクリレート(A2)と、光重合開始剤(A3)とを含有する硬化性樹脂(A)と、
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(B1)、並びに/又はこのポリオキシアルキレン化合物(B1)及びジイソシアネートの反応物(B2)と
を含有してなり、
硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)の含有量が5〜90重量%、(メタ)アクリレート(A2)の含有量が5〜90重量%、光重合開始剤(A3)の含有量が2〜12重量%であり、ポリオキシアルキレン化合物(B1)及び反応物(B2)の重量が0.1〜5重量%であることを特徴とする放射線硬化性組成物。
{H-(OX)ni-}mQ (1)
Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OXはオキシアルキレン基、Hは水素原子、niは0〜100の整数、mは2〜4の整数、iは1〜mの整数を表し、m個のniは同じでも異なってもよいが少なくとも1個は1以上であり、OXの総数(Σni×m)は20〜100の整数である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
【0010】
<硬化性樹脂(A)>
硬化性樹脂(A)とは、放射線(好ましくは紫外線及び電子線、さらに好ましくは紫外線)により硬化する物質を意味し、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)の他に、(メタ)アクリレート(A2)及び/又は光重合開始剤(A3)等を含むことが好ましい。
【0011】
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)としては、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)及び/又はビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添XDI)とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとを構成単位としていれば、ジオール及び/又は3価以上のポリオールを構成単位として含んでいてもよい。
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)は、水添MDI、水添XDI及び/又はこれらのイソシアネート変性体と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応によって得られ、この反応は公知の方法{たとえば、特開2007−204567号公報に記載の方法}等が適用できる。
【0012】
イソシアネート変性体とは、水添MDI又は水添XDIのヌレート体、ビュレット体又はアダクト体等;水添MDI又は水添XDIと3価以上のポリオール及び/又はジオールとの反応から得られるウレタンプレポリマー;並びに水添MDI、水添XDI、これらのヌレート体、ビューレット体又はアダクト体とモノアルコール及び/又はポリオール(ジオール及び3価以上のポリオールを含む。)との反応により生成するモノイソシアネート等が挙げられる。
【0013】
3価以上のポリオールとしては、炭素数3〜15の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトール等)及び炭素数3〜15の多価アルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加体(グリセリンのエチレンオキシド3〜100モル付加体、グリセリンのプロピレンオキシド3〜100モル付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド3〜100モル付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3〜100モル付加体、ジトリメチロールプロパンのエチレンオキシド4〜100モル付加体、ジメチロールプロパンのプロピレンオキシド4〜100ル付加体、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド4〜100モル付加体、ペンタエリスリトールのプロピレンオキシド4〜16モル付加体、ジペンタエリスリトールのエチレンオキシド6〜100モル付加体、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキシド4〜100モル付加体、トリペンタエリスリトールのエチレンオキシド8〜100モル付加体、トリペンタエリスリトールのプロピレンオキシド8〜100モル付加体、イソシアヌール酸のエチレンオキシド3〜100モル付加体及びイソシアヌール酸のプロピレンオキシド3〜100モル付加体)等が用いられる。
【0014】
ジオールとしては、ヒドロキシ基を2個有する化合物であれば制限なく使用でき、炭素数2〜10のグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメチロール等)及び活性水素化合物(炭素数2〜10のグリコール及びビスフェノールA等)にアルキレンオキシド(炭素数2〜3)を付加したジオール(付加数1〜80)(炭素数2〜10のジオールのアルキレンオキシド付加物及びビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物)等が用いられる。ジオールとしてこれらの他に、ジオールとジカルボン酸とから製造され、末端にヒドロキシ基を有する直鎖ポリエステル等も使用することもできる。ジカルボン酸としては、カルボキシ基を2個有する化合物であれば制限なく使用でき、炭素数2〜10のジカルボン酸等が用いられ、シュウ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
【0015】
モノアルコールとしては、ヒドロキシ基を1個有する化合物であれば制限なく使用でき、炭素数1〜4のモノアルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノール等)及び炭素数1〜4のアルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブタンオキシド等)を付加させた付加物(付加数1〜10)等が挙げられる。
【0016】
水添MDI又は水添XDIとジオール及び/又は3価以上のポリオールとの反応;水添MDI、水添XDI、これらのヌレート体、ビューレット体又はアダクト体とモノアルコール及び/又はポリオールとの反応は、通常の方法(反応比率、反応条件等)が適用できる。
【0017】
これらのうち、水添MDI、水添XDI、並びに水添MDI又は水添XDIとジオール及び/又は3価以上のポリオールとの反応から得られるウレタンプレポリマーが好ましく、さらに好ましくは水添MDI、水添XDI、並びにジオールとしてプロピレングリコールを含有するウレタンプレポリマーである。
【0018】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、1分子中にヒドロキシ基を少なくとも1個含有する(メタ)アクリレートであれば使用することができ、特開2004−352781号公報に記載されたヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート等が使用できる。
【0019】
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)の1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、1〜15個が好ましく、さらに好ましくは2〜12である。なお、この(メタ)アクリロイル基の数は、本発明の放射線硬化性組成物を耐擦傷性を重視する用途に使用する場合、3〜12が好ましく、また、成形・加工性を重視する用途に使用する場合、2〜6が好ましい。
【0020】
これらの(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)は1種類で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
硬化性樹脂(A)に、(メタ)アクリレート(A2)及び/又は光重合開始剤(A3)等を含む場合、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)の含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、3〜95が好ましく、さらに好ましくは5〜90、特に好ましくは10〜85である。この範囲にあると本発明の紫外線硬化性組成物の指紋拭き取り性及び耐久性がさらに良好となる。
【0021】
(メタ)アクリレート(A2)としては、特開2004−352781号公報に記載された(メタ)アクリレート等が使用できる。また、(メタ)アクリレート(A2)には、水添MDI及び/又は水添XDIを構成単位としない(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーが含まれる。
【0022】
水添MDI及び/又は水添XDIを構成単位としない(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーとしては、脂肪族ジイソシアネート{イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等}を構成単位とする(メタ)アクリロイル基含有脂肪族ウレタンオリゴマー及び芳香族ジイソシアネート{トルエンジイソシアネート(TDI)及び4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等}を構成単位とする(メタ)アクリロイル基含有芳香族ウレタンオリゴマーが含まれる。これらのうち、指紋拭き取り性の観点から、(メタ)アクリロイル基含有脂肪族ウレタンオリゴマーが好ましく、さらに好ましくはIPDIを構成単位とする(メタ)アクリロイル基含有脂肪族ウレタンオリゴマーである。
【0023】
(メタ)アクリレート(A2)の1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)の(メタ)アクリロイル基の数及び/又は含有量等によって適宜調整されるが、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは2〜8個、特に好ましくは4〜6個である。この範囲であると本発明の放射線硬化性組成物の硬化性がさらに良好となる。
【0024】
(メタ)アクリレート(A2)を含む場合、耐擦傷性の観点から、(メタ)アクリレート(A2)として、(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、さらに好ましくはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを含有すること、特に好ましくはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを含有することである。
【0025】
これらの(メタ)アクリレート(A2)は1種類で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレート(A2)を含有する場合、(メタ)アクリレート(A2)の含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、2〜95が好ましく、さらに好ましくは5〜90、特に好ましくは10〜85である。この範囲にあると本発明の紫外線硬化性組成物の指紋拭き取り性及び耐久性がさらに良好となる。
【0026】
光重合開始剤(A3)としては、光{好ましくは紫外線(波長200〜400nm程度)}を受けることにより硬化性樹脂(A)の重合を開始することができる化合物であれば制限なく使用でき、光を受けることによりラジカルを発生する化合物が好ましく、さらに好ましくはベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤、リン原子含有ラジカル開始剤及びイオウ原子含有ラジカル開始剤である。
【0027】
ベンゾイル基含有ラジカル開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン及びベンゾフェノン等が挙げられる。
【0028】
モルフォニル基含有ラジカル開始剤としては、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。
【0029】
リン原子含有ラジカル開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
【0030】
イオウ原子含有ラジカル開始剤としては、2,4−ジエチルチオキサントン及びイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
【0031】
これらの光重合開始剤(A3)は1種類で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの光重合開始剤(A3)のうち、光ラジカル開始剤が好ましく、さらに好ましくはベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤及びリン原子含有ラジカル開始剤、特に好ましくはベンゾイル基含有ラジカル開始剤及びモルフォニル基含有ラジカル開始剤である。
【0032】
光重合開始剤(A3)を含有する場合、光重合開始剤(A3)の含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、1〜15が好ましく、さらに好ましくは2〜12、特に好ましくは3〜10である。この範囲であると、放射線硬化性組成物の硬化性がさらに良好となる。
【0033】
<一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(B1)及び/又は反応物(B2)>
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(B1)、並びに/又はこのポリオキシアルキレン化合物(B1)及びジイソシアネートの反応物(B2)を含有すると、優れた指紋拭き取り性等を付与することができる。
【0034】
一般式(1)において、非還元性の二又は三糖類のm個の水酸基から水素原子を除いた反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオースが含まれる。これらのうち、指紋拭き取り性の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくはトレハロース及び蔗糖であり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。
【0035】
オキシアルキレン基(OX)としては、炭素数2〜4のオキシアルキレン基が含まれ、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が挙げられる。これらのうち、指紋拭き取り性の観点から、オキシプロピレン及びオキシエチレンが好ましく、さらに好ましくはオキシプロピレンである。
【0036】
ni個のOXは、同じでも異なっていてもよく、また、m個の(OX)niは同じでも異なってもよい。(OX)ni内に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、これらのオキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限ない。
【0037】
niは、0〜100の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜98の整数、特に好ましくは5〜95の整数、最も好ましくは7〜90の整数である。この範囲であると指紋拭き取り性がさらに良好となる。
【0038】
mは、2〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは3又は4、特に好ましくは3である。この範囲であると指紋拭き取り性がさらに良好となる。このmは、非還元性の二又は三糖類の1級水酸基の数に対応する。
【0039】
iは、1〜mの整数を表し、m個のniは同じ値でも異なった値でもよいが少なくとも1つのniは1以上である。すなわち、たとえば、m=4のとき、niは、n1、n2、n3、n4であることを意味する。
【0040】
OXの総数(Σni×m)は、20〜100の整数が好ましく、さらに好ましくは20−90の整数、特に好ましくは25−85の整数、最も好ましくは35−75の整数である。この範囲であると指紋拭き取り性がさらに良好となる。
【0041】
ポリオキシアルキレン化合物(B1)としては、たとえば、国際特許出願パンフレットWO2004/101103(再公表2004−101103号公報)に記載されたもの等が好ましく例示できる。
【0042】
ジイソシアネートとしては、イソシアナト基を2個有する炭素数6〜13の化合物が含まれ、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水添MDI及び水添XDI等が挙げられる。ジイソシアネートとしては、これらの化合物とジオールとの反応により得られるジイソシアネートプレポリマーも使用できる。これらのうち、HDI、IPDI、水添MDI、水添XDI及びこれらの化合物とジオールとの反応により得られるジイソシアネートプレポリマーが好ましい。また、ジオールのうち、指紋拭き取り性の観点から、炭素数2〜10のジオール、炭素数2〜10のジオールのアルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加物(付加数1〜50)が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜10のジオールである。
【0043】
ポリオキシアルキレン化合物(B1)及びジイソシアネートの反応物(B2)において、ジイソシアネート単位の含有量(モル部)としては、ポリオキシアルキレン化合物(B1)単位1モル部に対して、0.1〜0.8が好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.75、特に好ましくは0.2〜0.7、最も好ましくは0.25〜0.65である。
【0044】
ポリオキシアルキレン化合物(B1)及び反応物(B2)は、公知の方法{国際特許出願パンフレットWO2004/101103(再公表2004−101103号公報)、特開2007−92040号公報、特開平2004−224945号公報等}により容易に得ることができる。
【0045】
ポリオキシアルキレン化合物(B1)及び反応物(B2)の合計含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.5〜3である。この範囲であると、放射線硬化性組成物としての性能(硬化性能、耐擦傷性等)を悪化させることなく、指紋拭き取り性をさらに良好にできる。
【0046】
ポリオキシアルキレン化合物(B1)及び反応物(B2)として、以上の他に、ポリオキシアルキレン化合物(B1)及び反応物(B2)に(メタ)アクリロイル基を導入した化合物{ポリオキシアルキレン化合物(B1’)及び反応物(B2’)}も使用できる。ポリオキシアルキレン化合物(B1’)及び反応物(B2’)を用いると、本発明の放射線硬化性組成物の耐久性をさらに良好にできる。
【0047】
ポリオキシアルキレン化合物(B1)及び反応物(B2)に(メタ)アクリロイル基を導入する方法は、公知の方法が適用でき、ポリオキシアルキレン化合物(B1)又は反応物(B2)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、ジカルボン酸(マレイン酸、フタル酸等)又はジイソシアネートとの反応{エステル化反応又はウレタン化反応}や、ポリオキシアルキレン化合物(B1)又は反応物(B2)と、(メタ)アクリル酸グリシジル又は2−アクリロイルエチルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートとの反応による方法等が適用できる。
【0048】
ポリオキシアルキレン化合物(B1’)及び反応物(B2’)中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、1分子当たり、1〜3個が好ましい。
【0049】
<フィラー(C)>
本発明の放射線硬化性組成物には、フィラー(C)を含有することができる。フィラー(C)を含有すると、耐擦傷性をさらに良好にできる。
【0050】
フィラー(C)としては、無機フィラー(C1)及び有機フィラー(C2)が含まれる。
【0051】
無機フィラー(C1)としては、シリカ、酸化チタン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化アンチモン、酸化インジウム及びアンチモン酸亜鉛等が挙げられる。また、これらの金属酸化物をスズ、アンチモン、リン又はガリウム等でドープしたものも使用できる。
【0052】
無機フィラー(C1)は、溶剤等に分散された無機フィラーゾル分散液の形態であってもよい。このような無機フィラーゾル分散液は、市場から容易に入手でき、たとえば、オルガノシリカゾルシリーズ及びセルナックスシリーズ(日産化学工業株式会社製、「セルナックス」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
【0053】
有機フィラー(C2)としては、アクリル樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル・スチレン樹脂フィラー、ウレタン樹脂フィラー、ポリエチレンフィラー及びシリコーン樹脂フィラー等が挙げられる。
【0054】
有機フィラー(C2)としては、分散媒に分散された分散液の形態であってもよい。このような分散液は、公知の方法{たとえば特開2007−99897号公報等}により調製できる。なお、有機フィラー(C2)は、このような分散液から分散媒を乾燥等により除去して使用することもできる。
【0055】
これらのフィラー(C)のうち、透明性の要求される用途の場合、無機フィラー、アクリル樹脂フィラー及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましくは無機フィラー、特に好ましくはシリカ、アルミナ、酸化スズ及び酸化亜鉛、最も好ましくはシリカ、酸化スズ及び酸化亜鉛である。一方、透明性の要求されない場合、無機フィラー及びアクリル樹脂フィラー、ポリエチレンフィラー及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましくはシリカ、アルミナ、アクリル樹脂フィラー、ポリエチレンフィラー及びこれらの混合物、特に好ましくはシリカ、アクリル樹脂フィラー、ポリエチレンフィラー及びこれらの混合物である。
【0056】
フィラー(C)の体積平均粒子径は、1nm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは3nm〜8μm、特に好ましくは5nm〜6μmである。この範囲であると、耐擦傷性がさらに良好となる。
【0057】
透明性が要求される用途に本発明の放射線硬化性組成物を適用する場合、フィラー(C)の体積平均粒子径(nm)は、1〜400が好ましく、さらに好ましくは5〜200、特に好ましくは10〜100である。この範囲であると、塗膜の透明性さらに良好となる。
【0058】
透明性が要求されない用途に本発明の放射線硬化性組成物を適用する場合、フィラー(C)の体積平均粒子径(μm)は、0.5〜10が好ましく、さらに好ましくは1〜8、特に好ましくは2〜6である。この範囲であると、塗膜の耐擦傷性はさらに良好となる。
【0059】
なお、体積平均粒子径は、測定試料を適当な分散媒(たとえば、水、メタノール及びこれらの混合物)に分散させ、JIS Z8825−1−2001「粒子径解析−レーザー回折法−第1部」:測定原理に記載された測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、株式会社島津製作所製SALD−1100、株式会社堀場製作所製LA−950、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置UPA−ST150、「マイクロトラック」はリーズ、アンド、ノースラップ、カンパニーの登録商標である。)等により測定される。
【0060】
フィラー(C)を含有する場合、フィラー(C)の含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、1〜150が好ましく、さらに好ましくは3〜120、特に好ましくは5〜100である。この範囲であると、耐擦傷性がさらに良好となる。
【0061】
<ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)>
本発明の放射線硬化性組成物には、レベリング性をさらに向上させる目的で、さらにポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)を含むことができる。ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)としては、分岐型ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D1)、末端変性型ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D2)及びブロック型ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D3)が含まれる。
【0062】
分岐型ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D1)としては、ジメチルシロキサン鎖の側鎖としてポリオキシアルキレン鎖が化学結合しているシリコーンであり、SH3746[HLB=10]、SH8428[HLB=0]、SH3771[HLB=14]、BY16−036[HLB=9]、BY16−027[HLB=7]、SH8400[HLB=8]、SH3749[HLB=7]、SH3748[HLB=5]、SF8410[HLB=6]、L−77[HLB=10]、L−7001[HLB=7]、L−7002[HLB=7]、L−7604[HLB=13]、Y−7006[HLB=7]、FZ−2101[HLB=9]、FZ−2104[HLB=14]、FZ−2105[HLB=11]、FZ−2110[HLB=1]、FZ−2118[HLB=12]、FZ−2120[HLB=6]、FZ−2123[HLB=8]、FZ−2130[HLB=7]、FZ−2161[HLB=18]、FZ−2162[HLB=15]、FZ−2163[HLB=13]、FZ−2164[HLB=8]、FZ−2166[HLB=5]及びFZ−2191[HLB=5]{以上、東レダウコーニング株式会社製};KF−351[HLB=12]、KF−352[HLB=7]、KF−353[HLB=10]、KF−354L[HLB=16]、KF−355A[HLB=12]、KF−615A[HLB=10]、KF−945[HLB=4]、KF−618[HLB=11]、KF−6011[HLB=12]及びKF−6015[HLB=4]{以上、信越化学工業株式会社製};TSF4440[HLB=12]、TSF4445[HLB=7]、TSF4446[HLB=7]、TSF4452[HLB=7]、TSF4453[HLB=6]及びTSF4460[HLB=1]{以上、東芝シリコーン株式会社製};並びにTEGOPREN5000シリーズ[HLB=3〜15]{以上、DEGUSSA社製}等が挙げられる。
【0063】
末端変性型ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D2)としては、ジメチルシロキサン鎖の末端(片末端又は両末端)にポリオキシアルキレン鎖が化学結合しているシリコーンであり、L−720[HLB=7]及びFZ−2122[HLB=1]{東レダウコーニング株式会社製}等が挙げられる。
【0064】
ブロック型ポリオキシアルキレン変性シリコーン(G3)としては、ジメチルシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とがブロック状に繰り返して化学結合しているシリコーンであり、SF8427[HLB=10]及びBY16−004[HLB=0]{以上、東レダウコーニング株式会社製};KF−6004[HLB=5]{以上、信越化学工業株式会社製};FZ−2203[HLB=1]、FZ−2207[HLB=3]及びFZ−2208[HLB=7]{以上、日本ユニカー株式会社製};並びにTEGOPREN3000シリーズ[HLB=1〜5]{以上、DEGUSSA社製}等が挙げられる。
【0065】
これらのポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)のうち、指紋の拭き取り性の観点から、分岐型ポリエーテル変性シリコーン(D1)が好ましい。これらのポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)は1種又は2種以上の混合物として用いることができるが、2種以上の混合物として用いる場合、分岐型ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D1)を含むことが好ましい。
【0066】
ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)の親水親油バランス(グリフィンのHLB)は、20以下が好ましく、さらに好ましくは15以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは5以下である。これらの範囲であると、指紋拭き取り性がさらに良好となり好ましい。なお、グリフィンのHLBは、新・界面活性剤入門(三洋化成工業株式会社発行)の127〜129頁に記載された界面活性剤の有機性と無機性の比から計算する方法で求められる。
【0067】
ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)を含有する場合、ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)の含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、0.01〜2が好ましく、さらに好ましくは0.03〜1、特に好ましくは0.05〜0.5である。この範囲であると、指紋拭き取り性に悪影響を与えることなくレベリング性をさらに良好にできる。
【0068】
<ポリマー(E)>
本発明の放射線硬化性組成物には、ポリマー(E)を含有することができる。ポリマー(E)を含有すると、耐衝撃性をさらに良好にできる。
【0069】
ポリマー(E)としては、特開2009−114302号公報に記載されたポリマー等が使用でき、ビニルポリマー(E1)、ポリエステル(E2)及びポリウレタン(E3)が含まれる。
【0070】
ポリマーを(E)を含有する場合、ポリマー(E)の含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、1〜150が好ましく、さらに好ましくは3〜100、特に好ましくは5〜50である。この範囲であると放射線硬化型組成物の成形・加工性がさらに良好となる。
【0071】
<溶剤(F)>
本発明の放射線硬化性組成物には、取扱性(コーティング性等)をさらに向上させること等を目的として、さらに必要に応じて溶剤(F)を含有させることができる。
【0072】
溶剤(F)としては、硬化性樹脂(A)、ポリオキシアルキレン化合物(B1)、反応物(B2)、並びに必要により含有できる他の成分{ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)及び/又はポリマー(E)}を均一に溶解できる{他の成分としてフィラー(C)を含む場合、フィラー(C)を均一に分散できる}溶剤であればよく、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、グリコールエーテル(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノエチルエーテル等)、グリコールエステル(メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノール等)及び芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)が含まれる。これらの溶剤(F)は単独で又は混合して用いられる。
【0073】
溶剤(F)を含有する場合、溶剤(F)の含有量は、放射線硬化性組成物の粘度、塗工方法、乾燥後の膜厚等によって適宜決定される。
【0074】
<光増感剤(G)>
本発明の放射線硬化性組成物には、硬化性をさらに向上させる目的で、さらに光増感剤(G)を含有できる。
【0075】
光増感剤(G)としては、公知の光増感剤等が使用でき、アルキルアミノ光増感剤(G1)及びジアルキルアミノフェニル光増感剤(G2)が含まれる。
【0076】
アルキルアミノ光増感剤(G1)としては、モノアルキルアミン(n−ブチルアミン及び2−エチルヘキシルアミン等)、ジアルキルアミン(ジn−ブチルアミン、ジエタノールアミン及びメチルデシルアミン等)、トリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン及び2−ジメチルアミノエチル安息香酸等)等が挙げられる。
【0077】
ジアルキルアミノフェニル光増感剤(G2)としては、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸2−(n−ブトキシ)エチル及びジメチルアミノ安息香酸イソアシル等が挙げられる。
【0078】
光増感剤(G)として、これらの他に、トリn−ブチルホスフィン等のりん化合物も使用できる。
これらの光増感剤(G)のうち、トリアルキリアミン及びジアルキルアミノフェニル光増感剤(G2)が好ましく、さらに好ましくはジアルキルアミノフェニル光増感剤(G2)、特に好ましくは4,4'−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
【0079】
光増感剤(G)を含有する場合、光増感剤(G)の含有量(重量%)は、光重合開始剤(A3)の重量に基づいて、0.1〜100が好ましく、さらに好ましくは、1〜50、特に好ましくは5〜50である。なお、光重合開始剤(A3)を含有しない場合、光増感剤(G)も含有しない。
【0080】
<紫外線吸収剤(H)>
本発明の放射線硬化性組成物には、耐候性を向上させる目的で、紫外線吸収剤(光安定剤を含む。)(H)を含有することができる。紫外線吸収剤(H)としては、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(H1)、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(H2)、ベンゾフェノン紫外線吸収剤(H3)、サリチル酸紫外線吸収剤(H4)及びトリアジン紫外線吸収剤(H5)が含まれる。
【0081】
ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(H1)としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0082】
ヒンダードアミン紫外線吸収剤(H2)としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
【0083】
ベンゾフェノン紫外線吸収剤(H3)としては、2,4−ジヒドロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン及び2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0084】
サリチル酸紫外線吸収剤(H4)としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート及びp−オクチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
【0085】
トリアジン紫外線吸収剤(H5)としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0086】
これらの紫外線吸収剤(H)は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよく、2種以上併用する場合、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(H2)とトリアジン紫外線吸収剤(H5)との併用が好ましい。これらの紫外線吸収剤(H)のうち、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(H1)、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(H2)及びトリアジン紫外線吸収剤(H5)が好ましく、さらに好ましくはヒンダードアミン紫外線吸収剤(H2)及びトリアジン紫外線吸収剤(H5)である。
【0087】
紫外線吸収剤(H)を含有する場合、紫外線吸収剤(H)の含有量(重量%)は、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.3〜8、特に好ましくは0.5〜5である。
【0088】
<他の添加剤>
本発明の放射線硬化性組成物には、必要に応じて、他の添加剤(たとえば、染料、顔料、熱安定剤、密着促進剤、消泡剤、垂れ防止剤及び/又は難燃剤等)を添加することができる。
他の添加剤を含有する場合、他の添加剤の合計含有量(重量%)は、各添加剤の特性を発揮でき、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができ、硬化性樹脂(A)の重量に基づいて、0.01〜50が好ましく、さらに好ましくは0.05〜30、特に好ましくは0.1〜10である。
【0089】
本発明の放射線硬化性組成物は、各構成成分を均一混合・分散することにより容易に得られ、製造方法に制限はない。
【0090】
ポリマー(E)を含有する場合、ポリマー(E)を溶剤(F)に均一溶解させてポリマー溶液を得てから、硬化性樹脂(A)、ポリオキシアルキレン化合物(B1)、反応物(B2)及び必要により他の成分{フィラー(C)、ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)、光増感剤(G)、紫外線吸収剤(H)及び/又は他の添加剤}とポリマー溶液とを均一混合することが好ましい。
【0091】
フィラー(C)を含有する場合、フィラー(C)を溶剤(F)に均一分散させてフィラー分散液を調製してから、硬化性樹脂(A)、ポリオキシアルキレン化合物(B1)、反応物(B2)及び必要により他の成分{ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)、ポリマー(E)、光増感剤(G)、紫外線吸収剤(H)及び/又は他の添加剤}とフィラー分散液とを均一混合することが好ましい。
【0092】
フィラー(C)を分散混合するための分散機としては均一に分散できれば特に制限はないが、たとえば、ディゾルバー、2軸ミキサー、3軸ミキサー、プラネタリーミキサー、3軸プラネタリーミキサー、3本ロール、ボールミル及びビーズミル等が挙げられる。これらのうち、ディゾルバー、2軸ミキサー、3軸ミキサー及び3軸プラネタリーミキサーが好ましく、さらに好ましくはディゾルバー、3軸ミキサー及び3軸プラネタリーミキサー、特に好ましくはディゾルバー及び3軸プラネタリーミキサーである。
【0093】
分散混合の温度(℃)としては均一分散できれば特に制限はないが、10〜60が好ましく、さらに好ましくは15〜50、特に好ましくは20〜40である。
【0094】
分散混合の時間(分)としては均一分散できれば特に制限はないが、10〜600が好ましく、さらに好ましくは20〜300、特に好ましくは30〜180である。
【0095】
均一混合の温度(℃)としては均一混合できれば特に制限はないが、25〜60が好ましく、さらに好ましくは30〜50、特に好ましくは35〜45である。
【0096】
本発明の放射線硬化性組成物は、各種プラスチックの保護層に適用でき、特にタッチパネルなど、指紋が付着するプラスチックベースフィルムの保護層として好適である。
保護層は、プラスチックベースフィルムに、本発明の放射線硬化性組成物をコーティングし、必要により加熱乾燥した後、放射線を照射することにより硬化させて得ることができる。
コーティング方法としては、ロールコート法、ディップ法、スプレー法、フローコート法及びスクリーン印刷法等が適用できる。
【0097】
加熱乾燥する場合、加熱乾燥温度(℃)としては、30〜120程度が好ましく、さらに好ましくは40〜110、特に好ましくは50〜100である。加熱温度はこの範囲で段階的に変化(たとえば昇温)させてもかまわない。
加熱乾燥時間(分)としては、0.5〜30程度が好ましく、さらに好ましくは1〜20である。
【0098】
放射線の照射量(mJ/cm
2)としては、100〜2,000程度が好ましく、さらに好ましくは200〜1,000である。
【0099】
本発明の放射線硬化性組成物をプラスチックベースフィルムに適用する場合、放射線硬化性組成物のコーティング層の厚み(μm)としては、0.1〜100程度が好ましく、さらに好ましくは1〜30である。
【0100】
プラスチックベースフィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース及びポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリメチルメタクリレートが好ましい。
【0101】
プラスチックベースフィルムの厚さ(μm)は、10〜5000程度が好ましく、さらに好ましくは50〜2000である。
【0102】
本発明の放射線硬化性組成物をプラスチックベースフィルムにコーティングし、硬化させて得られるプラスチックフィルムは、タッチパネル用保護フィルム、自動車内装用フィルム及び携帯電話等の電子機器筐体用成形フィルム等に適用できる。
【実施例】
【0103】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
加熱残分はJIS K5601−1−2:2008に準拠して、105℃、1時間の条件で測定した(皿:直径70mm、縁の高さ15mm、循風乾燥器)。
【0104】
<製造例1>
冷却管、撹拌装置、温度計を取り付けた反応容器に、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)(商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン株式会社製、「デスモジュール」はバイエル アクチエンゲゼルシヤフト社の登録商標である。)262部(1モル部)、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(hm1){商品名:ライトアクリレートPE−3A、共栄社化学株式会社製、ペンタエリスリトールのテトラ−、トリ−、ジ−アクリレートの混合物(重量比でそれぞれ35:60:5)}826部(トリアクリレート1.7モル部、ジアクリレート0.2モル部、含有するヒドロキシ基2モル部)、ジブチルスズジラウレート(反応触媒)0.05部、ヒドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)0.5部及びメチルエチルケトン273部(加熱残分が80%となる理論値)を入れ30分攪拌後、徐々に環流するまで昇温した。さらにイソシアネート基含有率が0.2%となるまで環流を継続した。その後30℃以下まで冷却し、目開き45μmのステンレス製金網でろ過し、ろ液の加熱残分を測定し、80%となるようメチルエチルケトンで調整した後、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)のメチルエチルケトン溶液を得た。
なお、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)は、ウレタン化反応に関与しない(メタ)アクリレート(a21)(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)を27%含有(加熱残分中)する。
また、イソシアネート基含有率はJIS K1603−1:2007「A法」に準拠して測定した。
【0105】
<製造例2>
「4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)262部(1モル部)」を「ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添XDI)(商品名:タケネート600、三井化学株式会社製、「タケネート」は同社の登録商標である。)188部(1モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして(ただし、メチルエチルケトンは加熱残分で80%となる理論量を使用した。)、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a12)のメチルエチルケトン溶液を得た。
なお、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a12)は、ウレタン化反応に関与しない(メタ)アクリレート(a21)(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)を29%含有(加熱残分中)する。
【0106】
<製造例3>
4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)の使用量を「262部(1モル部)」から「524部(2モル部)」に変更したこと、さらに「ポリプロピレングリコール(商品名:ニューポールPP−400、三洋化成工業株式会社製、「ニューポール」は同社の登録商標である。)395部(1モル部)」を追加したこと以外、製造例1と同様にして(ただし、メチルエチルケトンは加熱残分で80%となる理論量を使用した。)、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a13)のメチルエチルケトン溶液を得た。
なお、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a13)は、ウレタン化反応に関与しない(メタ)アクリレート(a21)(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)を13%含有(加熱残分中)する。
【0107】
<製造例4>
4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)の使用量を「262部(1モル部)」から「786部(3モル部)」に変更したこと、さらに「グリセリンプロピレンオキシド付加体(商品名:サンニックスGP−3000、三洋化成工業株式会社製、「サンニックス」は三洋化成工業株式会社の登録商標である。)3010部(1モル部)」を追加したこと、「ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(hm1)826部(含有するヒドロキシ基2モル部)」を「ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(hm2){ヒドロキシエチルアクリレート、商品名:HEA、大阪有機化学工業株式会社製}348部(3モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして(ただし、メチルエチルケトンは加熱残分で80%となる理論量を使用した。)、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(
a14)のメチルエチルケトン溶液を得た。
【0108】
<製造例5>
「4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)262部(1モル部)」を「イソホロンジイソシアネート(IPDI)(商品名:IPDI、パーストープ社製)222部(1モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして(ただし、メチルエチルケトンは加熱残分で80%となる理論量を使用した。)、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a24)のメチルエチルケトン溶液を得た。
なお、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a24)は、ウレタン化反応に関与しない(メタ)アクリレート(a21)(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)を28%含有(加熱残分中)する。
【0109】
<製造例6>
加熱、攪拌、冷却、滴下、加圧及び減圧の可能な反応容器に、蔗糖{商品名;スクロース、和光純薬工業株式会社製、1級}342部(1モル部)及びジメチルホルムアミド(DMF){三菱ガス化学株式会社製}1000部を均一混合した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作(以下、この窒素ガスを用いた操作を加圧窒素置換と略する。)を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてプロピレンオキシド(PO)4350部(75モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃まで加熱し、同温度に保持しながら0.01〜0.1MPaの減圧下にてDMFを留去し、次いで90℃に冷却し、イオン交換水20部を加えた後、合成無機吸着剤{キョーワード700、協和化学工業株式会社製、「キョワード」は同社の登録商標である。}100部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙株式会社製}を用いて濾過して合成無機吸着剤を取り除き、さらに0.01〜0.02MPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、ポリオキシアルキレン化合物(b11)(蔗糖/PO75モル付加体)を得た。
【0110】
<製造例7>
製造例6と同様な反応容器に、蔗糖342部(1モル部)及びDMF1000部を均一混合した後、窒素ガスを用いて、加圧窒素置換を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてプロピレンオキシド(PO)1740部(30モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。ついで、同温度でブチレンオキシド(BO)360部(5モル部)を2時間かけて滴下した後、4時間攪拌を続けて残存するBOを反応させた。次いで120℃まで加熱し、同温度に保持しながら0.01〜0.1MPaの減圧下にてDMFを留去し、次いで90℃に冷却し、イオン交換水20部を加えた後、合成無機吸着剤100部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙株式会社製}を用いて濾過して合成無機吸着剤を取り除き、さらに0.01〜0.02MPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、ポリオキシアルキレン化合物(b12)(蔗糖/PO30モル・BO5モル付加体)を得た。
【0111】
<製造例8>
加熱、冷却、攪拌及び密閉が可能な耐圧反応容器に、製造例
6で得たポリオキシアルキレン化合物(b11)469部(0.1モル部)を仕込み、1.3〜2.7Paの減圧下100℃にて1時間脱水した。ついで50℃まで冷却後、ジイソシアネート(di1)12部(0.07モル部)を加え、加圧窒素置換を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ1時間で120℃まで昇温し、同温度にて12時間攪拌を続けた後にイソシアネート基含有率が0.2%となるのを確認して、反応物(b21)を得た。
【0112】
<製造例9>
製造例8と同様な反応容器に、ポリプロピレングリコール(商品名:サンニックスPP−1000、三洋化成工業株式会社製)50部(0.05モル部)及びIPDI24部(0.11モル部)を仕込み加圧窒素置換を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ1時間で110℃まで昇温し、さらに5時間攪拌を続けて、ジイソシアネートプレポリマーを得た。引き続き、ジイソシアネートプレポリマーを80℃まで冷却し、製造例7で得たポリオキシアルキレン化合物(b12)(蔗糖/PO30モル・BO5モル付加体)293部(0.12モル部)を加え、攪拌しつつ1時間で120℃まで昇温し、さらに12時間攪拌を続けた後にイソシアネート基含有率が0.2%となるのを確認して、反応物(b22)を得た。
【0113】
<実施例1>
攪拌羽及びモーター付ステンレス製配合槽に、製造例1で作成したアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)のメチルエチルケトン溶液50部(加熱残分として40部)、(メタ)アクリレート(a22){ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物、商品名:ネオマーDA600、三洋化成工業株式会社製(「ネオマー」は同社の登録商標である。)}55部、光重合開始剤(a31){1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名:イルガキュア184、BASF社製(「イルガキュア」はチバ ホールディング インコーポレーテッド社の登録商標である。)}5部、製造例6で得たポリアキシアルキレン化合物(b11)2部、製造例
8得た反応物(b21)1部及び溶剤(f1){メチルエチルケトン}143部(加熱残分が40%となる理論値)を仕込み、40℃で1時間混合し、その後、加熱残分を測定し加熱残分が40%となるよう溶剤(f1)で調整し、保留粒子径2μmのろ紙{東洋濾紙株式会社製、PF020}でろ過することにより本発明の放射線硬化性組成物(1)を得た。
【0114】
<実施例2〜7>
「アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)のメチルエチルケトン溶液50部(加熱残分として40部)」「(メタ)アクリレート(a22)55部」、「光重合開始剤(a31)5部」、「ポリオキシアキシレン化合物(b11)2部」、「反応物(b21)1部」を、表1に示したもの{アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(A1)、(メタ)アクリレート(A2)、ポリオキシアルキレン化合物(B1)、反応物(B2)}及び使用量(部)にそれぞれ変更したこと、並びに実施例5〜7において表1に示したフィラー(C)の分散体及び使用量(部)(使用量は加熱残分で表示した)を使用したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の放射線硬化性組成物(2)〜(7)を得た。また、「溶剤(f1)」に関しては、加熱残分が40%となる量を使用した。なお、表1の記載は加熱残分としての値を示した。
【0115】
<実施例8>
攪拌羽及びモーター付ステンレス製配合槽に、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)のメチルエチルケトン溶液50部(加熱残分として40部)、(メタ)アクリレート(a22)55部、光重合開始剤(a31)5部、ポリアキシアルキレン化合物(b12)1部、反応物(b22)1部、ポリオキシアルキレン変性シリコーン(d1)0.1部及び溶剤(f1)143部(加熱残分が40%となる理論値)を仕込み、40℃で1時間混合し保留粒子径2μmのろ紙{東洋濾紙株式会社製、PF020}でろ過して混合物を得た。その後、この混合物を25℃に温調し、フィラー(c4){アクリルフィラー、商品名:GM−1015、体積平均粒子径2μm、アイカ工業株式会社製}10部を加えて、ディゾルバーにて15分間混合分散して分散液を得た。その後、分散液の加熱残分を測定し、加熱残分が40%となるようメチルエチルケトンで調整し、目開き45μmのステンレス製金網でろ過して、本発明の放射線硬化型組成物(8)を得た。
【0116】
<実施例9>
「アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)40部」を「アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)40部」及び「アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a14)30部」に変更したこと、「ポリアキシアルキレン化合物(b12)1部」を「ポリアキシアルキレン化合物(b11)1部」に変更したこと、「反応物(b22)1部」を「反応物(b21)1部」に変更したこと、「フィラー(c4)10部」を「フィラー(c5)20部」に変更したこと以外、実施例8と同様にして本発明の放射線硬化性組成物(9)を得た。
【0117】
【表1】
【0118】
表1中の各成分は以下の通りである。
【0119】
a11:製造例1で作成したアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー{(メタ)アクリレート(a21)(ペンタエリスリトールペンタアクリレート)を27%含有する}
a12:製造例2で作成したアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー{(メタ)アクリレート(a21)(ペンタエリスリトールペンタアクリレート)を29%含有する}
a13:製造例3で作成したアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー{(メタ)アクリレート(a21)(ペンタエリスリトールペンタアクリレート)を13%含有する}
a14:製造例4で作成したアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー
【0120】
a22:(メタ)アクリレート{ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物、三洋化成工業株式会社製ネオマーDA600}
a23:(メタ)アクリレート{トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、共栄社化学株式会社製ライトアクリレートDCP−A}
a24:製造例5で作成した(メタ)アクリレート{水添MDI及び水添XDIを構成成分としていないアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー、(メタ)アクリレート(a21)を28%含有する}
【0121】
a31:光重合開始剤{1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製イルガキュア184}
【0122】
b11:製造例6で作成したポリオキシアルキレン化合物
b12:製造例7で作成したポリオキシアルキレン化合物
【0123】
b21:製造例6で作成したポリオキシアルキレン化合物(b11)と1,6−ヘキサンジイソシアネートとの反応物
b22:製造例7で作成したポリオキシアルキレン化合物(b12)、IPDI及びポリプロピレングリコールとの反応物
【0124】
c1:無機フィラー{シリカフィラーのメチルエチルケトン分散液(加熱残分30%)、日産化学工業株式会社製MEK−ST、体積平均粒子径15nm}
c2:無機フィラー{シリカのイソプロピルアルコール分散液(加熱残分30%)、日産化学工業株式会社製IPA−ST−Z、体積平均粒子径90nm}
c3:無機フィラー{リンドープ酸化錫フィラーのイソプロピルアルコール分散液(加熱残分20%)日産化学工業株式会社製セルナックスCX−S204IP、体積平均粒子径12n}
c4:有機フィラー{アクリルフィラー、アイカ工業株式会社製GM−1015、体積平均粒子径2μm}
c5:有機フィラー{ポリエチレンフィラー、ハネウェル社製アクミストB−6、体積平均粒子径6μm、「アクミスト」はハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド社の登録商標である。}
【0125】
d1:分岐型ポリオキシアルキレン変性シリコーン{東レダウコーニング株式会社製Fz−2110}
【0126】
<比較例1{特開2009−104054号公報に記載された実施例に相当する例}>
攪拌羽及びモーター付ステンレス製配合槽に、製造例1で作成したアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)のメチルエチルケトン溶液50部(加熱残分として40部)、(メタ)アクリレート(a22){ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物}55部、光重合開始剤(a31){1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン}5部、フッ素化アルキル基を有するアクリレート(商品名:メガファックRS−75、DIC株式会社製、加熱残分40%(メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=93/7(%/%)溶液(「メガファック」は同社の登録商標である。))12.5部(加熱残分として5部)及び溶剤(f1){メチルエチルケトン}140部(加熱残分が40%となる理論値)仕込み、40℃で1時間混合し、その後加熱残分を測定し加熱残分が40%となるよう溶剤(f1)で調整し、保留粒子径2μmのろ紙{東洋濾紙株式会社製、PF020}でろ過することにより比較用の放射線硬化性組成物(H1)を得た。
【0127】
<比較例2、3>
「アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(a11)のメチルエチルケトン溶液50部」「(メタ)アクリレート(a22)55部」、「光重合開始剤(a31)5部」、「反応物(b21)2部」を、表2に示したもの及び使用量(部)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の放射線硬化性組成物(2)(3)を得た。
溶剤(f1)に関しては、加熱残分が40%となる量を使用した。
なお、表2の記載は加熱残分としての値を示した。
【0128】
【表2】
【0129】
実施例及び比較例で得た放射線硬化性組成物について、以下のようにして、指紋拭き取り性、リコート性及び耐久性について評価し、これらの評価結果を表3に示した。
【0130】
<評価用試料の調製>
易接着処理ポリエステルフィルム{東洋紡績株式会社製、品番A4100、厚み100μm}を30cm(縦)×15cm(横)角に切り出し、塗工面をイソプロピルアルコールで拭き取り、イソプロピルアルコールを乾燥して、被塗工用のプラスチックベースフィルムを用意した。次いで、JIS K5101−4:2004「顔料試験方法−第4部:隠ぺい力−隠ぺい率試験紙法−4.装置及び器具、(d)バーコーター」と同等のバーコーター(No.12:ステンレス綱径0.30mm)を用いて、評価試料(放射線硬化性組成物)を被塗工用のプラスチックベースフィルムに、テスター産業株式会社製自動塗工装置PI−1210を用い、100mm/秒の塗工速度で、プラスチックベースフィルムの縦方向へ塗工した後、塗工面が水平になるようにして塗工フィルムを、循風式乾燥機内で80℃で1分間加熱乾燥し、塗工面に紫外線(高圧水銀灯、300mJ/cm
2)を塗工面に対して垂直に照射した。
その後、指紋拭き取り性、リコート性及び耐久性の評価用として、10cm×10cm角に切り出し、評価用試料を調製した。
【0131】
<指紋拭き取り性>
評価用試料(各5枚)の塗工面に、無作為に5人の試験者の親指を押しつけて塗工面に指紋を付着させた後(1人/1枚)、指紋の付いた試料を試料台に取り付け、付着した指紋を株式会社井元製作所製ラビングテスターB1052の加重腕に日本薬局タイプIの脱脂綿を取り付け、500g/cm
2の荷重をかけながら試料台を移動させてて拭き取り、指紋の跡が見えなくなるまで試料台の往復回数を測定し、評価用試料5枚の算術平均を指紋拭き取り性とした(拭き取り性が30以上の場合は回数の欄に『−』で表示した。)。数値が小さいほど指紋拭き取り性に優れることを意味する。
【0132】
指紋拭き取り性の評価は以下でおこない、評価は◎、○、△及び×で記載した。
◎:10回以下(指紋拭き取り性に非常に優れる)
○:11〜15回(指紋拭き取り性に優れる)
△:16〜30回(指紋拭き取り性がやや劣る)
×:30回を超える(指紋拭き取り性に劣る)
【0133】
<リコート性>
ゼブラ(株)製ハイマッキー(油性マーカー、6mm巾、4色;黒、赤、青及び黄色)を用いて、評価用試料の塗工面に直線を5cmの長さ、約1.5cm間隔で各色1本づつ引き、この直線について、次の基準に従って評価した。
【0134】
◎: はじきがない(リコート性に非常に優れる)
○: 1〜2ヶ所にはじきを確認できた(リコート性に優れる)
△: 3ヶ所以上にはじき又は線の端の一部欠けていた(リコート性がやや劣る)
▲: 線の端が全て欠けていた(リコート性に劣る)
×: 線として残っていなかった(リコート性に著しく劣る)
【0135】
<耐久性>
評価用試料(各5枚)を、60℃×95RH%環境下96時間保管し、上述の指紋拭き取り試験を実施した(拭き取り性が60以上の場合は『−』を表示した。)。
指紋拭き取り性試験と比較して、往復回数(算術平均)の増加回数で評価した。
【0136】
耐久性の評価は以下でおこない、評価は◎、○、△、▲及び×で記載した。
◎:増加回数が2回以下(耐久性が非常に優れる)
○:増加回数が3〜5回(耐久性が優れる)
△:増加回数が6〜10回(耐久性がやや劣る)
▲:増加回数が11〜20回(耐久性が劣る)
×:増加回数が20回を超える(耐久性が不良)
【0137】
総合評価として、以下の評価をおこなった。
全ての評価が◎及び○であり、
◎が2〜3個のものを、非常に優れる(◎)
◎が1〜0個のものを、優れる(○)
評価に▲及び×があるものは、劣る(×)とした。
【0138】
【表3】
【0139】
本発明の放射線硬化性組成物(実施例1〜9)は、比較例1の放射線硬化性組成物に比べリコート性に優れ、比較例2及び3の放射線硬化性組成物に比べ耐久性が優れ、比較例3の放射線硬化性組成物に比べ指紋拭き取り性が優れていた。
【0140】
本発明の放射線硬化性組成物は、木材、石、ガラス、コンクリート、金属、プラスチック及び金属蒸着プラスチック等のコーティング剤として使用することができる。さらに、3次元造形用硬化性コーティング組成物として成形体にすることもできる。これらのうち、プラスチック及び金属蒸着プラスチック等のコーティング剤として適しており、特にプラスチックのコーティング剤として好適である。プラスチックのコーティング剤のうち、指紋の拭き取り性に優れたプラスチックフィルム用コーティング剤として最適である。