(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771824
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】プレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法
(51)【国際特許分類】
E02B 5/02 20060101AFI20150813BHJP
E02B 3/10 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
E02B5/02 J
E02B3/10
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-142577(P2011-142577)
(22)【出願日】2011年6月28日
(65)【公開番号】特開2013-11060(P2013-11060A)
(43)【公開日】2013年1月17日
【審査請求日】2014年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196624
【氏名又は名称】西武ポリマ化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公彦
(72)【発明者】
【氏名】津田 剛男
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−076451(JP,A)
【文献】
特開2000−104351(JP,A)
【文献】
特開2012−229553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04〜 7/18
E03F 1/00〜11/00
E04B 1/62〜 1/99
E02D 29/00〜37/00
E21D 11/00〜13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するプレキャストボックスカルバート間に短筒状の可撓止水継手を連結し、沈下側となる一方のプレキャストボックスカルバートを予め嵩上げして保持したプレキャスト可撓ボックスカルバートにおいて、
前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の側壁部の前記可撓止水継手の膨らみを押える第1の膨らみ防止用押え部材を、嵩上げ前の隣接するプレキャストボックスカルバート間の一対のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を備えた短冊状に形成し、当該第1の膨らみ防止用押え部材を隣接するアンカーボルト間に間隔をあけて取り付ける一方、
前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の一方を嵩上げした状態の前記側壁部のアンカーボルトの配列に合わせた複数対のボルト穴を備えた第2の膨らみ防止用押え部材を略平行四辺形状に形成し、当該第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ後の前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付け、
前記第1および前記第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けて構成したことを特徴とするプレキャスト可撓ボックスカルバート。
【請求項2】
前記隣接するプレキャストボックスカルバートのうち非沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部を、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とし、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部を、非沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とするとともに、嵩上げ状態では前記隣接するプレキャストボックスカルバートの上面および下面が同一平面を形成するように配置したことを特徴とする請求項1記載のプレキャスト可撓ボックスカルバート。
【請求項3】
隣接するプレキャストボックスカルバートの目地部間に短筒状の可撓止水継手を連結し、沈下側となる一方のプレキャストボックスカルバートを予め嵩上げした状態に保持するプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法において、
前記隣接するプレキャストボックスカルバート目地部間の側壁部の前記可撓止水継手の膨らみを押える第1の膨らみ防止用押え部材を、嵩上げ前の隣接するプレキャストボックスカルバート間の一対のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を備えた短冊状に形成しておき、
当該第1の膨らみ防止用押え部材を隣接するアンカーボルト間に間隔をあけて取り付け、
前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の一方を嵩上げした状態の前記側壁部のアンカーボルトの配列に合わせた複数対のボルト穴を備えた第2の膨らみ防止用押え部材を略平行四辺形状に形成しておき、
嵩上げ状態とした後、当該第2の膨らみ防止用押え部材を前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付け、
前記第1および前記第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けるようにしたことを特徴とするプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法。
【請求項4】
前記第2の膨らみ防止用押え部材の一端縁部を、前記第1の膨らみ防止用押え部材の一端縁部に重ねて取り付けた後、嵩上げし、次いで、当該第2の膨らみ防止用押え部材の他端縁部を前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付けるようにしたことを特徴とする請求項3記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法。
【請求項5】
前記隣接するプレキャストボックスカルバートの目地部間には、一方のプレキャストボックスカルバートの端面に目地材を接着する一方、反接着側となる目地材の端面には、生分解グリースを塗布するようにした後、前記短筒状の可撓止水継手を連結するようにしたことを特徴とする請求項3または4記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法。
【請求項6】
前記隣接するプレキャストボックスカルバートのうち非沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部は、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とし、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部は、非沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚に形成しておき、
隣接するプレキャストボックスカルバート間の天井部および床部が同一平面を形成するように配置した後、これらプレキャストボックスカルバートの目地部間に前記可撓止水継手を連結するようにし、
次いで、隣接するプレキャストボックスカルバートの上面および下面が同一平面を形成するように嵩上げし、嵩上げ状態を固定金具により固定保持するようにしたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法に関し、河川堤防を横断して設置され杭基礎等により支持される新設または既設の取水・排水用樋管等の剛支持構造物等の構造物に接続され、または継ぎ足され、予め沈下量を想定した嵩上げ状態としておくことで、不等沈下が生じても流路断面積を確保できるようにするもので、嵩上げ時の反力を低減できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
河川を利用した取水や排水のため、河川堤防の下を横断して取水・排水用樋管が設置されている。この樋管は、例えばPCコンクリートからなるボックスカルバートを連続して接続することにより構成される。
【0003】
このような樋管を堤防下を横断して設置する場合には、通常、堤防下の樋管は杭基礎等によって支持されて剛支持構造とされるのに対し、堤防に隣接する地盤は、軟弱地盤であることが多い。
このような軟弱地盤で樋管が不等沈下すると、樋管を構成する接続されている二つのボックスカルバートの中の一つが他方に対して沈下することになり、両者の間に流路の有効断面積の差が生じ、必要な水の流量を確保できなくなるおそれがある。
【0004】
そこで、新設または既設の剛支持構造の取水・排水用の樋管に接続され、または継ぎ足される軟弱地盤に設置される樋管を予め沈下量を想定した嵩上げ状態としておくことで、不等沈下が生じても両者間の流路の有効断面積の差を小さくすることが提案されている(特許文献1参照)。
このプレキャスト可撓ボックスカルバート1では、
図5および
図6に示すように、次の(あ)〜(う)の工程によって嵩上げ状態とする。なお、図では、左側が嵩上げ側(沈下側)である。
(あ) 剛支持構造とされる第1のプレキャストボックスカルバート2の天井板2aを軟弱地盤に設置される沈下側の第2のプレキャストボックスカルバート3の天井板3aよりも所定の厚さだけ肉厚とし、床板2b、3bは逆に、沈下側の第2のプレキャストボックスカルバート3の床板3bを剛支持構造側の第1のプレキャストボックスカルバート2の床板2bよりも所定の厚さだけ肉厚とするようにしておく。
(い) 第1および第2のプレキャストボックスカルバート2,3をその内周面2c,3cが同一平面を形成するように隣接して配置し、隣接するプレキャストボックスカルバート2,3間を可撓止水継手4により接続する。
(う) 沈下側の第2のプレキャストボックスカルバート3を持ち上げて第1および第2のプレキャストボックスカルバート2,3の上面および下面2d,3dが同一平面を形成するように嵩上げし、この嵩上げ状態を第1および第2のプレキャストボックスカルバート2,3を両側面において固定材5により相互に固定する。
このような沈下側のプレキャストボックスカルバート3を嵩上げした状態で軟弱地盤に設置して、固定材5を取り外すことで、例え不等沈下が生じたとしても流路の有効断面積に大きな差が生じることを防止することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−76451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなプレキャスト可撓ボックスカルバート1では、隣接するプレキャストボックスカルバート2,3間の同一平面とした内周面2c,3cに可撓止水継手4を取り付けた後、一方のプレキャストボックスカルバート3を嵩上げすると、可撓止水継手4の伸縮部4aが嵩上げ量に対応して変位することになり、内側に大きく膨らんでしまうことから、
図7(a)に示すように、あらかじめアンカーボルトのピッチにあわせて取り付け穴を形成した膨らみ防止布6をプレキャストボックスカルバート2,3の内周の上下と両側とにそれぞれ取り付けるようにしている。
ところが、この膨らみ防止布6によって、
図7(b)に示すように、可撓止水継手4の変形が押えられ、変形反力が大きなり、一方のプレキャストボックスカルバート3を持ち上げると、他方のプレキャストボックスカルバート2が持ち上がり、その都度他方のプレキャストボックスカルバート2の上に載荷する必要があるなど、所定の嵩上げ量を確保することが難しくなったり、確保できないという問題がある。
特に、施工現場に運搬した後、嵩上げ作業を必要とする大型のプレキャストボックスカルバートを用いる場合には、一層大きな問題となっている。
【0007】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、嵩上げ時の反力を低減することができ、所定の嵩上げ量を簡単に確保することができるプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来技術の課題を解決するこの発明の請求項1記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートは、隣接するプレキャストボックスカルバート間に短筒状の可撓止水継手を連結し、沈下側となる一方のプレキャストボックスカルバートを予め嵩上げして保持したプレキャスト可撓ボックスカルバートにおいて、前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の側壁部の前記可撓止水継手の膨らみを押える第1の膨らみ防止用押え部材を、嵩上げ前の隣接するプレキャストボックスカルバート間の一対のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を備えた短冊状に形成し、当該第1の膨らみ防止用押え部材を隣接するアンカーボルト間に間隔をあけて取り付ける一方、前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の一方を嵩上げした状態の前記側壁部のアンカーボルトの配列に合わせた複数対のボルト穴を備えた第2の膨らみ防止用押え部材を
略平行四辺形状に形成し、当該第2の膨らみ防止用押え部材を
嵩上げ後の前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付け
、前記第1および前記第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けて構成したことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の請求項2記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートは、請求項1記載の構成に加え、前記隣接するプレキャストボックスカルバートのうち非沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部を、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とし、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部を、非沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とするとともに、嵩上げ状態では前記隣接するプレキャストボックスカルバートの上面および下面が同一平面を形成するように配置したことを特徴とするものである。
【0010】
この発明の請求項3記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法は、隣接するプレキャストボックスカルバートの目地部間に短筒状の可撓止水継手を連結し、沈下側となる一方のプレキャストボックスカルバートを予め嵩上げした状態に保持するプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法において、前記隣接するプレキャストボックスカルバート目地部間の側壁部の前記可撓止水継手の膨らみを押える第1の膨らみ防止用押え部材を、嵩上げ前の隣接するプレキャストボックスカルバート間の一対のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を備えた短冊状に形成しておき、当該第1の膨らみ防止用押え部材を隣接するアンカーボルト間に間隔をあけて取り付け、前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の一方を嵩上げした状態の前記側壁部のアンカーボルトの配列に合わせた複数対のボルト穴を備えた第2の膨らみ防止用押え部材を
略平行四辺形状に形成しておき、嵩上げ状態とした後、当該第2の膨らみ防止用押え部材を前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付け
、前記第1および前記第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
この発明の請求項4記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法は、請求項3記載の構成に加え、前記第2の膨らみ防止用押え部材の一端縁部を、前記第1の膨らみ防止用押え部材の一端縁部に重ねて取り付けた後、嵩上げし、次いで、当該第2の膨らみ防止用押え部材の他端縁部を前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付けるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明の請求項5記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法は、請求項3または4記載の構成に加え、前記隣接するプレキャストボックスカルバートの目地部間には、一方のプレキャストボックスカルバートの端面に目地材を接着する一方、反接着側となる目地材の端面には、生分解グリースを塗布するようにした後、前記短筒状の可撓止水継手を連結するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
この発明の請求項6記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法は、請求項3〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記隣接するプレキャストボックスカルバートのうち非沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部は、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とし、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部は、非沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚に形成しておき、隣接するプレキャストボックスカルバート間の天井部および床部が同一平面を形成するように配置した後、これらプレキャストボックスカルバートの目地部間に前記可撓止水継手を連結するようにし、次いで、隣接するプレキャストボックスカルバートの上面および下面が同一平面を形成するように嵩上げし、嵩上げ状態を固定金具により固定保持するようにしたことを特徴とするものである。
なお、嵩上げとは、隣接するプレキャストボックスカルバートの一方を持ち上げるようにする場合に限らず、他方を下げることにより相対的に一方を持ち上げた状態とする場合の両方を含むものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明の請求項1記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートによれば、隣接するプレキャストボックスカルバート間に短筒状の可撓止水継手を連結し、沈下側となる一方のプレキャストボックスカルバートを予め嵩上げして保持したプレキャスト可撓ボックスカルバートにおいて、前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の側壁部の前記可撓止水継手の膨らみを押える第1の膨らみ防止用押え部材を、嵩上げ前の隣接するプレキャストボックスカルバート間の一対のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を備えた短冊状に形成し、当該第1の膨らみ防止用押え部材を隣接するアンカーボルト間に間隔をあけて取り付ける一方、前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の一方を嵩上げした状態の前記側壁部のアンカーボルトの配列に合わせた複数対のボルト穴を備えた第2の膨らみ防止用押え部材を
略平行四辺形状に形成し、当該第2の膨らみ防止用押え部材を
嵩上げ後の前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付け
、前記第1および前記第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けて構成したので、嵩上げ前には1対のボルト穴を備えた短冊状の第1の膨らみ防止用押え部材をアンカーボルトの1つおきなど、間隔をあけて取り付けるようにすることで、嵩上げにともなう反力を小さくすると同時に可撓止水継手の膨らみを押えるようにし、嵩上げ後には、嵩上げ状態のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を複数対形成した
略平行四辺形状の第2の膨らみ防止用押え部材を第1の膨らみ防止用押え部材に重ねて取り付けるようにすることで、施工後などその後の可撓止水部材の膨らみを押えることができるようになる。
これにより、第1および第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けることで、取り付けが簡単にできるとともに、嵩上げ反力を低減でき、工場でなくとも現場やその近くで嵩上げ状態にすることができ、大型のプレキャストボックスカルバートへの適用が容易となる。
【0015】
この発明の請求項2記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートによれば、前記隣接するプレキャストボックスカルバートのうち非沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部を、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とし、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部を、非沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とするとともに、嵩上げ状態では前記隣接するプレキャストボックスカルバートの上面および下面が同一平面を形成するように配置したので、隣接するプレキャストボックスカルバートの天井部と床部の肉厚を沈下量に対応して変えることで、嵩上げ状態から沈下しても一層確実に流路の有効断面積を確保することができるとともに、簡単に嵩上げすることができる。
【0016】
この発明の請求項3記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法によれば、隣接するプレキャストボックスカルバートの目地部間に短筒状の可撓止水継手を連結し、沈下側となる一方のプレキャストボックスカルバートを予め嵩上げした状態に保持するプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法において、前記隣接するプレキャストボックスカルバート目地部間の側壁部の前記可撓止水継手の膨らみを押える第1の膨らみ防止用押え部材を、嵩上げ前の隣接するプレキャストボックスカルバート間の一対のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を備えた短冊状に形成しておき、当該第1の膨らみ防止用押え部材を隣接するアンカーボルト間に間隔をあけて取り付け、前記隣接するプレキャストボックスカルバート間の一方を嵩上げした状態の前記側壁部のアンカーボルトの配列に合わせた複数対のボルト穴を備えた第2の膨らみ防止用押え部材を
略平行四辺形状に形成しておき、嵩上げ状態とした後、当該第2の膨らみ防止用押え部材を前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付け
、前記第1および前記第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けるようにしたので、嵩上げ前には1対のボルト穴を備えた短冊状の第1の膨らみ防止用押え部材を形成しておき、アンカーボルトの1つおきなど、間隔をあけて取り付けるようにすることで、嵩上げにともなう反力を小さくすると同時に可撓止水継手の膨らみを押えるようにし、嵩上げ後には、嵩上げ状態のアンカーボルトの配列に合わせたボルト穴を複数対形成した
略平行四辺形状の第2の膨らみ防止用押え部材を形成しておき、第1の膨らみ防止用押え部材に重ねて取り付けるようにすることで、施工後などその後の可撓止水部材の膨らみを押えることができるようになる。
これにより、第1および第2の膨らみ防止用押え部材を嵩上げ前と嵩上げ後に分けて取り付けることで、取り付けが簡単にできるとともに、嵩上げ反力を低減でき、工場でなくとも現場やその近くで嵩上げ状態にすることができ、大型のプレキャストボックスカルバートへの適用が容易となる。
【0017】
この発明の請求項4記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートトの施工法によれば、前記第2の膨らみ防止用押え部材の一端縁部を、前記第1の膨らみ防止用押え部材の一端縁部に重ねて取り付けた後、嵩上げし、次いで、当該第2の膨らみ防止用押え部材の他端縁部を前記第1の膨らみ防止用押え部材に重ねてアンカーボルトに取り付けるようにしたので、第1の膨らみ防止用押え部材の取り付けの際に第2の膨らみ防止用押え部材の一端縁部を重ねてアンカーボルトに取り付けることで、嵩上げ後には、他端縁部を重ねて取り付けるだけでよく、施工工数を削減することができる。
【0018】
この発明の請求項5記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法によれば、前記隣接するプレキャストボックスカルバートの目地部間には、一方のプレキャストボックスカルバートの端面に目地材を接着する一方、反接着側となる目地材の端面には、生分解グリースを塗布するようにした後、前記短筒状の可撓止水継手を連結するようにしたので、生分解グリースによって目地部の嵩上げ反力を低減でき、第1,2の膨らみ防止用押え部材の使用による低減に加え、一層嵩上げ反力を低減することができる。
【0019】
この発明の請求項6記載のプレキャスト可撓ボックスカルバートの施工法によれば、前記隣接するプレキャストボックスカルバートのうち非沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部は、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの天井部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚とし、前記沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部は、非沈下側のプレキャストボックスカルバートの床部よりも沈下量に対応する厚さだけ肉厚に形成しておき、隣接するプレキャストボックスカルバート間の天井部および床部が同一平面を形成するように配置した後、これらプレキャストボックスカルバートの目地部間に前記可撓止水継手を連結するようにし、次いで、隣接するプレキャストボックスカルバートの上面および下面が同一平面を形成するように嵩上げし、嵩上げ状態を固定金具により固定保持するようにしたので、隣接するプレキャストボックスカルバートの天井部と床部の肉厚を沈下量に対応して変えることで、嵩上げ状態から沈下しても一層確実に流路の有効断面積を確保することができるとともに、固定金具によって連結固定することで、簡単に嵩上げ状態を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明のプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法の一実施の形態にかかり、(a)は第1の膨らみ防止用押え部材の正面図および平面図、(b)は第2の膨らみ防止用押え部材の正面図および平面図である。
【
図2】この発明のプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法の一実施の形態にかかり、(a)は第1の膨らみ防止用押え部材の取付状態の正面図、(b)は嵩上げ後の状態の拡大正面図である。
【
図3】この発明のプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法の一実施の形態にかかり、床部における(又は天井部)(a)は第2の膨らみ防止用押え部材の取付状態の断面図、(b)は嵩上げ後の状態の断面図である。
【
図4】この発明のプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法の一実施の形態にかかる第2の膨らみ防止用押え部材の取付状態の拡大正面図である。
【
図5】この発明のプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法の一実施の形態にかかる嵩上げ前の状態の部分断面図である。
【
図6】この発明のプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法の一実施の形態にかかる嵩上げ後の状態の部分断面図である。
【
図7】従来のプレキャスト可撓ボックスカルバートにかかり、(a)は膨らみ防止布の正面図および平面図、(b)は嵩上げ後の状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
このプレキャスト可撓ボックスカルバート10では、例えば杭基礎などの剛支持構造とされた堤防下の樋管を構成する既設ボックスカルバートに継ぎ足す場合に使用されるものであり、継ぎ足される一方のプレキャストボックスカルバート2が杭基礎などの剛構造で支持され、このプレキャストボックスカルバート2に可撓止水継手4を介して連結されて隣接するプレキャストボックスカルバート3は軟弱地盤に設置されるものとする。したがって、プレキャストボックスカルバート3が沈下側であり、嵩上げ側となる。
【0022】
第1のプレキャストボックスカルバート2では、
図5に示したように、天井部2aの厚さは第2のプレキャストボックスカルバート3の天井部3aよりも所定の厚さ、例えば想定した沈下量に対応した厚さΔhだけ肉厚に形成してある。
また、第2のプレキャストボックスカルバート3の床部3bでは、第1のプレキャストボックスカルバート2の床部2bよりも所定の厚さ、例えば想定した沈下量に対応した厚さΔhだけ肉厚に形成してある。
したがって、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3では、その外周面である上面および下面2d、3dが同一平面を形成するように配置した場合には、
図6に示すように、第2のプレキャストボックスカルバート3の天井部3aおよび床部3bは第1のプレキャストボックスカルバート2の天井部2aおよび床面2bよりも、例えば沈下量に対応した肉厚Δhだけ高い状態になる。
一方、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3では、その内周面2c,3cが同一平面を形成するように配置した場合には、
図5に示すように、第2のプレキャストボックスカルバート3の外周面である上面および下面3dが第1のプレキャストボックスカルバート2の外周面である上面および下面2dよりも、例えば沈下量に対応した肉厚Δhだけ低い状態になる。
【0023】
そこで、このプレキャスト可撓ボックスカルバート10では、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の内周面2c,3cが同一平面を形成するように配置した状態で、内周面2c,3cに可撓止水継手4を連結するようにし、この後、沈下側となる第2のプレキャストボックスカルバート3を嵩上げして、その外周面である上下面2d,3dが同一平面を形成するようにし、この嵩上げ状態を固定金具としての固定材5を取り付けて保持した状態で施工する。
そして、施工後、固定材5を取り外すと、軟弱地盤により比較的早い段階で、第2のプレキャストボックスカルバート3が沈下することになり、この沈下によって隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の内周面2c,3cが同一平面を形成する傾向となり、想定した沈下量となると、流路の断面積が有効に確保できるようになる。
【0024】
このようなプレキャスト可撓ボックスカルバート10に用いられる可撓止水継手4は、例えば
図3に示すように、ゴムや合成樹脂などの可撓性材料で構成された短筒状とされ、横断面方向の内側の中央部に折畳まれた伸縮部4aが形成され、その両端部に取付け部4b、4cが形成されている。
そして、この可撓止水継手4は、第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の隣接する側の内周端部に形成された段差部2e、3eに埋め込まれたアンカーボルト7に押え板8を介してワッシャー、ナット9によって取り付けられる。
【0025】
この可撓止水継手4の取り付けの際には、伸縮部4aの内側への膨らみを押えるため、膨らみ防止用押え部材が取り付けられる。
これまでは、膨らみ防止用押え部材として、
図7(a)に示すような予めアンカーボルトのピッチにあわせて複数対の取り付け穴を形成した膨らみ防止布6を用意し、プレキャストボックスカルバート2,3の内周の上下と両側とにそれぞれ可撓止水継手4のアンカーボルト7への取り付けの際、押え板8の間に挟み込むようにして取り付けていた。しかし、この膨らみ防止布6では、プレキャストボックスカルバート3をプレキャストボックスカルバート2に対して持ち上げて嵩上げする場合、あるいは、逆にプレキャストボックスカルバート2を下げるようにして相対的にプレキャストボックスカルバート3を持ち上げた状態に嵩上げする場合に、嵩上げの反力が大きくなって予め定めた嵩上げ量を確保することが困難なことがあった。
【0026】
このプレキャスト可撓ボックスカルバート10では、膨らみ防止用押え部材として、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の側壁部に対して、プレキャストボックスカルバートの嵩上げ前と、嵩上げ後とで異なる膨らみ防止用押え部材を用いることとし、嵩上げ前の膨らみ防止用押え部材を第1の膨らみ防止用押え部材11、嵩上げ後の膨らみ防止用押え部材を第2の膨らみ防止用押え部材12とした2種類を用意する。
なお、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の天井部2a,3aおよび床部2b,3bに対しては、これまでと同様、膨らみ防止用押え部材としてシート状の膨らみ防止布6が用いられる。
【0027】
第1の膨らみ防止用押え部材11は、
図1(a)に示すように、例えば合成繊維で作られ、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の内周面2c,3cを同一平面として可撓止水継手4を連結した状態の第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3のアンカーボルトの一対の配列に合わせたボルト穴11aが両端に形成された短冊状(矩形状)とされている。
この第1の膨らみ防止用押え部材11は、例えば2プライの合成樹脂繊維の布とされるが、嵩上げの際の可撓止水継手4の伸縮部4aが内側に過度に膨らむことが防止できれば良く、3プライ以上としてさらに強度を上げたものや素材の異なるものであっても良い。
【0028】
第2の膨らみ防止用押え部材12は、
図1(b)および
図3(a)(b)に示すように、例えば合成繊維で作られ、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の外周面2d,3dが同一平面となるように可撓止水継手4を連結したまま嵩上げした状態の第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3のアンカーボルトの複数対の配列に合わせたボルト穴12aが両端に形成されたシート状とされ、幅方向の中央部に略Ω状の折返し部12bが1箇所又は2箇所形成され、この折返し部12bを折り重ねた外側に跨るように当て布12cが接着剤などで取り付けてある。
この第2の膨らみ防止用押え部材12の大きさは、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の側壁部を1枚で対応できる大きさとしたり、大型のプレキャストボックスカルバートに適用する場合には、複数枚で対応できるようにしても良い。
【0029】
次に、このような第1,2の膨らみ防止用押え部材11,12を用いたプレキャスト可撓ボックスカルバート10の施工法について説明する。
このプレキャスト可撓ボックスカルバート10の施工法は、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の間に可撓止水継手4を取り付けて連結した後、第2のプレキャストボックスカルバート3を嵩上げ状態として保持するまでの施工であり、嵩上げ状態としたプレキャスト可撓ボックスカルバート10は、これまでと同様に、設置される。
【0030】
(あ )このプレキャスト可撓ボックスカルバート10の施工法では、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の対向する端面(目地部)に環状の発泡ゴム製などの目地材13が介装され、ここでは、第2のプレキャストボックスカルバート3の端面にゴム系接着剤で目地材13が固定され、第1のプレキャストボックスカルバート2の端面と対向する目地材13の端面に生分解グリース14が塗布される。
【0031】
(い) この後、第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3を向かい合わせて固定架台および昇降架台上に据え付け、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の内周面2c,3cが同一平面を形成するように配置した状態とする。
【0032】
(う) 隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の内周面2c,3cが同一平面を形成するように配置された状態の内周面2c,3cに可撓止水継手4を全周に連結するようにし、天井部2a,3aおよび床部2b、3bでは、可撓止水継手4の取付け部4b,4cに跨るようにアンカーボルト7にこれまでの膨らみ防止布6を挟み込んで押え板8を当ててワッシャー、ナット9で取り付ける。
一方、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の内周面2c,3cが同一平面とされた側壁部では、
図2(a)および
図3(a)に示すように、可撓止水継手4の取付け部4b,4cをアンカーボルト7,7に取り付けると同時、例えばアンカーボルト7のピッチの1本おきに第1の膨らみ防止用押え部材11を当て、その上から押え板8を当ててワッシャー、ナット9で締め付ける。
【0033】
(え) この後、沈下側となる第2のプレキャストボックスカルバート3を嵩上げして、その外周面である上下面2d,3dが同一平面を形成するようにする。
この嵩上げでは、沈下側となる第2のプレキャストボックスカルバート3をジャッキや重機などで持ち上げるようにして嵩上げするようにしたり、逆に、剛支持側となる第1のプレキャストボックスカルバート2の自重や載荷するなどで下降させることで相対的に嵩上げするようにする。
この沈下側となる第2のプレキャストボックスカルバート3を持ち上げるようにして嵩上げすると、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の天井部2a,3aおよび床部2b,3bに嵩上げ量に相当する段差が生じ、可撓止水継手4がせん断されるように変形することになるが、第1の膨らみ防止用押え部材11が短冊状とされ、アンカーボルト7のピッチの1つおきに取り付けてあるので、
図2(b)に拡大して示すように、各第1の膨らみ防止用押え部材11が斜めになって大きな反力が生じることがなく、嵩上げにともなう反力を軽減することができ、小さな力で簡単に嵩上げすることができるとともに、
図3(b)に示すように、嵩上げにともなう可撓止水継手4の膨らみを第1の膨らみ防止用押え部材11で有効に押えることができる。
また、目地材13と第1のプレキャストボックスカルバート2との間に生分解グリース14を塗布してあるので、この間の摩擦抵抗を減らすことができ、一層小さな力で嵩上げすることができる。
【0034】
(お) こうして隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3を嵩上げ状態とした後、この嵩上げ状態を固定金具としての固定材5を隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の外側壁に取り付けて保持した状態とする。
【0035】
(か) これと並行して、隣接する第1、第2のプレキャストボックスカルバート2,3の内周面2c,3cの側壁部では、可撓止水部材4の片側の取付け部4bを固定するワッシャー、ナット9を弛めて押え板8を外し、第1の膨らみ防止用押え部材11に重ねて第2の膨らみ防止用押え部材12を当て、第1および第2の膨らみ防止用押え部材11,12の上から押え板8を当てて再びワッシャー、ナット9で締め付けた後、反対側についても同様に、第1の膨らみ防止用押え部材11に重ねて第2の膨らみ防止用押え部材12を取り付ける(
図4参照)。
このような第2の膨らみ防止用押え部材12を嵩上げ状態のアンカーボルト7のピッチに合わせたボルト穴12aを形成したシート状としてあるので、そのまま簡単に取り付けることができる。
これにより、嵩上げ状態としたプレキャスト可撓ボックスカルバート10を、これまでと同様に、第2の膨らみ防止用押え部材12で設置した後の可撓止水継手4の伸縮部4aの膨らみを押えることができる。
【0036】
なお、上記の実施の形態では、嵩上げ前に第1の膨らみ防止用押え部材11を取り付け、嵩上げ後に第2の膨らみ防止用押え部材12を重ねて取り付けるようにしたが、嵩上げ前に、第1の膨らみ防止用押え部材11に重ねて第2の膨らみ防止用押え部材12の片側だけを取り付けておき、嵩上げ後に第2の膨らみ防止用押え部材12の反対側を第1の膨らみ防止用押え部材11に重ねて取り付けるようにすることもでき、ワッシャー、ナット9の取外しの回数を低減することができ、効率的に施工することができる。
【0037】
このようなプレキャスト可撓ボックスカルバート10およびその施工法によれば、目地材13の端面に生分解グリース14を塗布するようにしたので、嵩上げ変形時の第1のプレキャストボックスカルバート2と目地材13との接触面に生じる動摩擦を低減することができ、例えば従来に比べ摩擦量を約1/4に低減することができるとともに、環境への影響を極力抑えることができる。
また、嵩上げ前には、第1の膨らみ防止用押え部材11を用いることで、プレキャストボックスカルバート2,3の側壁部の嵩上げ(せん断変形)時には、変形抵抗の低減と、可撓止水継手4の捩れや膨出量を最小限に抑えることができるとともに、可撓止水継手4の変形に干渉(拘束)しない程度の弛み量を持たせておくことで、嵩上げ(横せん断)変形時においても変位反力を低減することが可能となった。
さらに、嵩上げ(せん断)変形が終了した後、ボルト穴12aのピッチをずらした第2の膨らみ防止用押え部材12を使用することにより、プレキャストボックスカルバート2,3の側壁部への取り付けが、嵩上げ後で表面に捩れが発生せず、容易に行える。
また、嵩上げ時の変位反力を低減することにより、大掛かりな設備を必要とせず、大断面のプレキャストボックスカルバートでも施工現場に単独で運搬した後、現地で可撓止水継手4の取り付けや嵩上げ作業を行うことが可能となり、大型物件にも対応することができる。
【0038】
なお、可撓止水継手4は図示例の形状のものに限らず、例えば略U字状および略U字状の伸縮部を交互に3つ配置したものなど他の種々の形状のものを使用することができる。
また、この発明にかかるプレキャスト可撓ボックスカルバートおよびその施工法は、堤防を横断して設置された既設の樋管等の既設のボックスカルバートの継ぎ足しに限らず、その他軟弱地盤における既設および新設のボックスカルバートの接続用に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1、10 プレキャスト可撓ボックスカルバート
2 プレキャストボックスカルバート
3 プレキャストボックスカルバート
2a、3a 天井部
2b、3b 床部
2c、3c 内周面
2d、3d 上下面
2e,3e 段差部
4 可撓止水継手
4a 伸縮部
4b、4c 取付け部
5 固定材(固定金具)
6 膨らみ防止布
7 アンカーボルト
8 押え板
9 ワッシャー、ナット
11 第1の膨らみ防止用押え部材
11a ボルト穴
12 第2の膨らみ防止用押え部材
12a ボルト穴
12b 折返し部
12c 当て布
13 目地材
14 生分解グリース