(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
構造物の上部から垂下された吊下げ用索条により作業床を備えるゴンドラを昇降可能に吊り下げ、当該ゴンドラの揺れを防止するよう前記構造物側面に沿ってガイドする仮設ガイドレール用固定装置であって、
前記構造物の上端面上に載置される取付ベース部材と、
この取付ベース部材に取り付けられて構造物外壁面に当てられる固定フック部材と、
前記取付ベース部材に上端部がスライド可能かつ回動可能に取り付けられ構造物内壁面に当てられて前記固定フック部材と共働して構造物を挟圧し当該取付ベース部材を固定するスライドフック部材と、
前記取付ベース部材の構造物外側に分離連結可能に設けられ仮設ガイドレールを固定するレール固定用部材と、
前記スライドフック部材を前記取付ベース部材ごと構造物外側から押し込んで内壁面を越えた内側で垂下可能に構成するとともに、垂下状態の当該スライドフック部材を引き寄せて構造物を挟圧するとともに、構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構と、
前記取付ベース部材に分離可能に連結されたレール固定用部材を構造物内側から分離操作可能とした分離操作機構とを備えてなり、
前記取付ベース部材と前記レール固定用部材との間に、スライド移動をガイドするガイド溝とガイド溝に沿って移動するガイド板とを設けて構成し、
仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を前記分離操作機構を構造物の内側から操作して分離するとともに、スライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放し固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動可能に構成したことを特徴とする仮設ガイドレール用固定装置。
前記取付ベース部材が載置され固定フック部材とスライドフック部材とで挟圧固定する構造物がベランダの外側突出壁部であり、前記取付ベース部材および前記スライドフック部材が当該外側突出壁部とベランダ柵との隙間から設置可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の仮設ガイドレール用固定装置。
前記レール固定用部材で固定される仮設ガイドレールが金属ガイドレールまたは張設された索条ガイドレールのいずれかで構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の仮設ガイドレール用固定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、構造物の壁面に吸着させる真空吸着パッドを用いて作業用のケージの揺れを防止する場合には、これらの間を連結するワイヤロープを長くすると、作業用のケージの揺れを有効に防止することができなくなり、このワイヤロープを短くして揺れを防止しやすくしたり、特許文献1のようにアーム機構とすると、真空吸着パッドを吸着させた状態で作業できる範囲が限定され、たびたび真空吸着パッドの盛り替えをしなければならず、作業効率が悪いという問題がある。
また、構造物にアンカーボルト3を植設してガイドレールRを仮設する場合には、ガイドレールRを撤去するとアンカーボルト3の痕が残り、この部分の補修が必要となるとともに、塗装工事の場合には、レール固定金具2の部分の塗り残しが発生し、この部分の工事をガイドレールを撤去後に行う必要があり、ガイドレールのない状態での作業となるという問題がある。
この発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたもので、簡単にガイドレールを仮設でき、撤去後に補修などの作業の必要がなく、しかも集合住宅のベランダと柵との隙間などを利用して外側から設置することができるとともに、ベランダ内側から移動して工事を行うこともできる仮設ガイドレール用固定装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためこの発明の請求項1にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、構造物の上部から垂下された吊下げ用索条により作業床を備えるゴンドラを昇降可能に吊り下げ、当該ゴンドラの揺れを防止するよう前記構造物側面に沿ってガイドする仮設ガイドレール用固定装置であって、前記構造物の上端面上に載置される取付ベース部材と、この取付ベース部材に取り付けられて構造物外壁面に当てられる固定フック部材と、前記取付ベース部材に上端部がスライド可能かつ回動可能に取り付けられ構造物内壁面に当てられて前記固定フック部材と共働して構造物を挟圧し当該取付ベース部材を固定するスライドフック部材と、前記取付ベース部材の構造物外側に分離連結可能に設けられ仮設ガイドレールを固定するレール固定用部材と、前記スライドフック部材を前記取付ベース部材ごと構造物外側から押し込んで内壁面を越えた内側で垂下可能に構成するとともに、垂下状態の当該スライドフック部材を引き寄せて構造物を挟圧するとともに、構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構と、前記取付ベース部材に分離可能に連結されたレール固定用部材を構造物内側から分離操作可能とした分離操作機構とを備えてなり、
前記取付ベース部材と前記レール固定用部材との間に、スライド移動をガイドするガイド溝とガイド溝に沿って移動するガイド板とを設けて構成し、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を前記分離操作機構を構造物の内側から操作して分離するとともに、スライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放し固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0008】
この発明の請求項2にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、
構造物の上部から垂下された吊下げ用索条により作業床を備えるゴンドラを昇降可能に吊り下げ、当該ゴンドラの揺れを防止するよう前記構造物側面に沿ってガイドする仮設ガイドレール用固定装置であって、前記構造物の上端面上に載置される取付ベース部材と、この取付ベース部材に取り付けられて構造物外壁面に当てられる固定フック部材と、前記取付ベース部材に上端部がスライド可能かつ回動可能に取り付けられ構造物内壁面に当てられて前記固定フック部材と共働して構造物を挟圧し当該取付ベース部材を固定するスライドフック部材と、前記取付ベース部材の構造物外側に分離連結可能に設けられ仮設ガイドレールを固定するレール固定用部材と、前記スライドフック部材を前記取付ベース部材ごと構造物外側から押し込んで内壁面を越えた内側で垂下可能に構成するとともに、垂下状態の当該スライドフック部材を引き寄せて構造物を挟圧するとともに、構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構と、前記取付ベース部材に分離可能に連結されたレール固定用部材を構造物内側から分離操作可能とした分離操作機構とを備えてなり、前記取付ベース部材と前記レール固定用部材との間に、スライド移動をガイドするガイド溝とガイド溝
内を移動するガイド
ロッドとを設けて
構成し、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を前記分離操作機構を構造物の内側から操作して分離するとともに、スライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放し固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の請求項3にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、
構造物の上部から垂下された吊下げ用索条により作業床を備えるゴンドラを昇降可能に吊り下げ、当該ゴンドラの揺れを防止するよう前記構造物側面に沿ってガイドする仮設ガイドレール用固定装置であって、前記構造物の上端面上に載置される取付ベース部材と、この取付ベース部材に取り付けられて構造物外壁面に当てられる固定フック部材と、前記取付ベース部材に上端部がスライド可能かつ回動可能に取り付けられ構造物内壁面に当てられて前記固定フック部材と共働して構造物を挟圧し当該取付ベース部材を固定するスライドフック部材と、前記取付ベース部材の構造物外側に分離連結可能に設けられ仮設ガイドレールを固定するレール固定用部材と、前記スライドフック部材を前記取付ベース部材ごと構造物外側から押し込んで内壁面を越えた内側で垂下可能に構成するとともに、垂下状態の当該スライドフック部材を引き寄せて構造物を挟圧するとともに、構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構と、前記取付ベース部材に分離可能に連結されたレール固定用部材を構造物内側から分離操作可能とした分離操作機構とを備えてなり、前記取付ベース部材と前記レール固定用部材との
分離操作機構を、前記取付ベース部材に支持された構造物内側からのボルトと、前記レール固定用部材に設けたナットとで構成し、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を前記分離操作機構を構造物の内側から操作して分離するとともに、スライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放し固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0010】
この発明の請求項4にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、請求項1
または2に記載の構成に加え、前記
取付ベース部材と前記レール固定用部材との分離操作機構を、前記取付ベース部材に支持された構造物内側からのボルトと、前記レール固定用部材に設けたナットとで構成
したことを特徴とするものである。
【0011】
この発明の請求項5にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、請求項
3または4に記載の構成に加え、前記
分離操作機構を、分離された前記取付ベース部材と前記レール固定用部材とをスライド移動状態で固定可能に構成したことを特徴とするものである。
【0012】
この発明の請求項6にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、請求項
1〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記
構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構が、前記取付ベース部材に支持されるボルトと、スライドフック部材に取り付けられるナットとで構成され、前記ボルトの先端側に操作部が形成されて内側から操作可能に構成
されていることを特徴とするものである。
【0013】
この発明の請求項7にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の構成に加え、前記取付ベース部材が載置され固定フック部材とスライドフック部材とで挟圧固定する構造物がベランダの外側突出壁部であり、前記取付ベース部材および前記スライドフック部材が当該外側突出壁部とベランダ柵との隙間から設置可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
この発明の請求項8にかかる仮設ガイドレール用固定装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の構成に加え、前記レール固定用部材で固定される仮設ガイドレールが金属ガイドレールまたは張設された索条ガイドレールのいずれかで構成されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明の請求項1にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、構造物の上部から垂下された吊下げ用索条により作業床を備えるゴンドラを昇降可能に吊り下げ、当該ゴンドラの揺れを防止するよう前記構造物側面に沿ってガイドする仮設ガイドレール用固定装置であって、前記構造物の上端面上に載置される取付ベース部材と、この取付ベース部材に取り付けられて構造物外壁面に当てられる固定フック部材と、前記取付ベース部材に上端部がスライド可能かつ回動可能に取り付けられ構造物内壁面に当てられて前記固定フック部材と共働して構造物を挟圧し当該取付ベース部材を固定するスライドフック部材と、前記取付ベース部材の構造物外側に分離連結可能に設けられ仮設ガイドレールを固定するレール固定用部材と、前記スライドフック部材を前記取付ベース部材ごと構造物外側から押し込んで内壁面を越えた内側で垂下可能に構成するとともに、垂下状態の当該スライドフック部材を引き寄せて構造物を挟圧するとともに、構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構と、前記取付ベース部材に分離可能に連結されたレール固定用部材を構造物内側から分離操作可能とした分離操作機構とを備えてなり、
前記取付ベース部材と前記レール固定用部材との間に、スライド移動をガイドするガイド溝とガイド溝に沿って移動するガイド板とを設けて構成し、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を前記分離操作機構を構造物の内側から操作して分離するとともに、スライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放し固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動可能に構成したので、固定フック部材が設けられた取付ベース部材のスライドフック部材を水平状態として取付ベース部材ごと構造物外側から押し込み、構造物の内壁面を越えた内側で自重で回動させて垂下状態とし、垂下状態の当該スライドフック部材を挟圧固定機構で引き寄せて構造物を挟圧して取付ベース部材を固定することができる。そして、この取付ベース部材にレール固定用部材を分離操作機構を介して固定するとともに、レール固定用部材にガイドレールを固定することで、アンカーボルトを使用することなく構造物にガイドレールを設置することができ、ガイドレール撤去後の補修などの必要もない。
また、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を分離操作機構を構造物の内側から操作して分離することおよびスライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放することで、レール固定用部材をガイドレールに支持したままとしておき、固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動することができ、これらの部材で覆われていた構造物部分を露出させることができ、必要な作業を行うことができる。
一方、固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上で逆方向にスライド移動した後、分離操作機構で連結するとともに、挟圧固定機構で挟圧固定することで、ガイドレールを仮設状態に簡単に復旧することができる。
これにより、構造物の外側での作業と内側での作業を、ガイドレールを仮設した状態で並行して進めることも可能となるとともに、ガイドレール撤去後の補修などの作業の必要もなくすことができる。
また、取付ベース部材とレール固定用部材との間にガイド溝とガイド板を設けてガイドさせてスライド移動することで、取付ベース部材をスライドさせて作業を行った後の復旧のための逆方向へのスライド移動がスムーズにでき、短時間に構造物内側からガイドレールを仮設状態に復旧することができる。
【0016】
この発明の請求項2にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、
構造物の上部から垂下された吊下げ用索条により作業床を備えるゴンドラを昇降可能に吊り下げ、当該ゴンドラの揺れを防止するよう前記構造物側面に沿ってガイドする仮設ガイドレール用固定装置であって、前記構造物の上端面上に載置される取付ベース部材と、この取付ベース部材に取り付けられて構造物外壁面に当てられる固定フック部材と、前記取付ベース部材に上端部がスライド可能かつ回動可能に取り付けられ構造物内壁面に当てられて前記固定フック部材と共働して構造物を挟圧し当該取付ベース部材を固定するスライドフック部材と、前記取付ベース部材の構造物外側に分離連結可能に設けられ仮設ガイドレールを固定するレール固定用部材と、前記スライドフック部材を前記取付ベース部材ごと構造物外側から押し込んで内壁面を越えた内側で垂下可能に構成するとともに、垂下状態の当該スライドフック部材を引き寄せて構造物を挟圧するとともに、構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構と、前記取付ベース部材に分離可能に連結されたレール固定用部材を構造物内側から分離操作可能とした分離操作機構とを備えてなり、前記取付ベース部材と前記レール固定用部材との間に、スライド移動をガイドするガイド溝とガイド溝
内を移動するガイド
ロッドとを設けて
構成し、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を前記分離操作機構を構造物の内側から操作して分離するとともに、スライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放し固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動可能に構成したので、
固定フック部材が設けられた取付ベース部材のスライドフック部材を水平状態として取付ベース部材ごと構造物外側から押し込み、構造物の内壁面を越えた内側で自重で回動させて垂下状態とし、垂下状態の当該スライドフック部材を挟圧固定機構で引き寄せて構造物を挟圧して取付ベース部材を固定することができる。そして、この取付ベース部材にレール固定用部材を分離操作機構を介して固定するとともに、レール固定用部材にガイドレールを固定することで、アンカーボルトを使用することなく構造物にガイドレールを設置することができ、ガイドレール撤去後の補修などの必要もない。
また、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を分離操作機構を構造物の内側から操作して分離することおよびスライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放することで、レール固定用部材をガイドレールに支持したままとしておき、固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動することができ、これらの部材で覆われていた構造物部分を露出させることができ、必要な作業を行うことができる。
一方、固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上で逆方向にスライド移動した後、分離操作機構で連結するとともに、挟圧固定機構で挟圧固定することで、ガイドレールを仮設状態に簡単に復旧することができる。
これにより、構造物の外側での作業と内側での作業を、ガイドレールを仮設した状態で並行して進めることも可能となるとともに、ガイドレール撤去後の補修などの作業の必要もなくすことができる。
また、取付ベース部材とレール固定用部材との間にガイド溝とガイドロッドを設けてガイドさせてスライド移動することで、取付ベース部材を取付部分への作業のためにスライド移動させる場合や、スライド移動させて作業を行った後の復旧のための逆方向へのスライド移動がスムーズにでき、短時間に構造物内側から取付部分への作業やガイドレールの仮設状態への復旧ができる。
【0017】
この発明の請求項3にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、
構造物の上部から垂下された吊下げ用索条により作業床を備えるゴンドラを昇降可能に吊り下げ、当該ゴンドラの揺れを防止するよう前記構造物側面に沿ってガイドする仮設ガイドレール用固定装置であって、前記構造物の上端面上に載置される取付ベース部材と、この取付ベース部材に取り付けられて構造物外壁面に当てられる固定フック部材と、前記取付ベース部材に上端部がスライド可能かつ回動可能に取り付けられ構造物内壁面に当てられて前記固定フック部材と共働して構造物を挟圧し当該取付ベース部材を固定するスライドフック部材と、前記取付ベース部材の構造物外側に分離連結可能に設けられ仮設ガイドレールを固定するレール固定用部材と、前記スライドフック部材を前記取付ベース部材ごと構造物外側から押し込んで内壁面を越えた内側で垂下可能に構成するとともに、垂下状態の当該スライドフック部材を引き寄せて構造物を挟圧するとともに、構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構と、前記取付ベース部材に分離可能に連結されたレール固定用部材を構造物内側から分離操作可能とした分離操作機構とを備えてなり、前記取付ベース部材と前記レール固定用部材との
分離操作機構を、前記取付ベース部材に支持された構造物内側からのボルトと、前記レール固定用部材に設けたナットとで構成し、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を前記分離操作機構を構造物の内側から操作して分離するとともに、スライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放し固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動可能に構成したので、
固定フック部材が設けられた取付ベース部材のスライドフック部材を水平状態として取付ベース部材ごと構造物外側から押し込み、構造物の内壁面を越えた内側で自重で回動させて垂下状態とし、垂下状態の当該スライドフック部材を挟圧固定機構で引き寄せて構造物を挟圧して取付ベース部材を固定することができる。そして、この取付ベース部材にレール固定用部材を分離操作機構を介して固定するとともに、レール固定用部材にガイドレールを固定することで、アンカーボルトを使用することなく構造物にガイドレールを設置することができ、ガイドレール撤去後の補修などの必要もない。
また、仮設ガイドレールを挟圧固定状態のままのレール固定用部材と取付ベース部材との連結を分離操作機構を構造物の内側から操作して分離することおよびスライドフック部材の挟圧固定機構による挟圧固定を構造物内側から操作して解放することで、レール固定用部材をガイドレールに支持したままとしておき、固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上でスライド移動することができ、これらの部材で覆われていた構造物部分を露出させることができ、必要な作業を行うことができる。
一方、固定フック部材およびスライドフック部材ごと取付ベース部材を構造物上端面上で逆方向にスライド移動した後、分離操作機構で連結するとともに、挟圧固定機構で挟圧固定することで、ガイドレールを仮設状態に簡単に復旧することができる。
これにより、構造物の外側での作業と内側での作業を、ガイドレールを仮設した状態で並行して進めることも可能となるとともに、ガイドレール撤去後の補修などの作業の必要もなくすことができる。
また、分離操作機構のボルトを利用することで、簡単に構造物内側から操作することができ、特に、ガイド溝とガイド板とでガイドできるようにした場合には、万一、ボルトの締め忘れがあっても、ある程度の拘束状態を確保してガイドレールを機能させることができる。
【0018】
この発明の請求項4にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、前記
取付ベース部材と前記レール固定用部材との分離操作機構を、前記取付ベース部材に支持された構造物内側からのボルトと、前記レール固定用部材に設けたナットとで構成
したので、
ボルトを利用することで、簡単に構造物内側から操作することができ、特に、ガイド溝とガイド板とでガイドできるようにした場合には、万一、ボルトの締め忘れがあっても、ある程度の拘束状態を確保してガイドレールを機能させることができる。
【0019】
この発明の請求項5にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、前記
分離操作機構を、分離された前記取付ベース部材と前記レール固定用部材とをスライド移動状態で固定可能に構成したので、
分離操作機構に設けたスライド移動後の固定機能により、スライド移動状態で取付ベース部材とレール固定用部材とを固定することができ、ある程度の拘束状態を確保してガイドレールを機能させることができるとともに、取付ベース部材もある程度の拘束状態にしておくことができ、安全に作業することができる。
【0020】
この発明の請求項6にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、前記
構造物の内外から操作可能な挟圧固定機構が、前記取付ベース部材に支持されるボルトと、スライドフック部材に取り付けられるナットとで構成され、前記ボルトの先端側に操作部が形成されて内側から操作可能に構成
されているので、
ボルトの頭部を利用して構造物の外側から簡単に挟圧固定することができる一方、内側からは操作部を、例えば孔とこれに装着する専用工具等で構成しておくことで、簡単には、内側から操作できないようにして安全を確保しながら必要な場合には、挟圧固定を解放することできる。
【0021】
この発明の請求項7にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、前記取付ベース部材が載置され固定フック部材とスライドフック部材とで挟圧固定する構造物がベランダの外側突出壁部であり、前記取付ベース部材および前記スライドフック部材が当該外側突出壁部とベランダ柵との隙間から設置可能に構成されているので、集合住宅のベランダとベランダ柵との隙間を利用してガイドレールの固定ができるとともに、内側からの作業も固定による影響を受けずにスライド移動して行うことができる。
【0022】
この発明の請求項8にかかる仮設ガイドレール用固定装置によれば、前記レール固定用部材で固定される仮設ガイドレールが金属ガイドレールまたは張設された索条ガイドレールのいずれかで構成されるので、ガイドレールが金属ガイドレールであっても張力を加えて設置した索条ガイドレールであっても簡単に設置することができるとともに、必要な場合には、ガイドレールをそのままにして固定部分をスライドさせて支障なく構造物への作業を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
この仮設ガイドレール用固定装置10は、構造物である建築物の屋上などの上部から吊下げたワイヤロープを介して作業用ケージ(作業床)を昇降させ、作業用ケージ内から外壁の清掃や保守、あるいは窓の清掃など壁面(構造物側面)に対する作業を行うゴンドラ装置において、作業用ケージなどの作業床の揺れを防止するため、壁面に対する作業用ケージの作業範囲に、例えばH型鋼などで構成した2本の金属ガイドレールRを仮設する場合に用いるものであり、構造物の各階のベランダBに設置される。そして、この仮設ガイドレールRに、作業用ケージに設けた左右1対のローラ式のガイド部材を転動可能に装着して昇降させ、壁面に対する左右および前後の揺れを防止するようガイドするためのものである。
【0025】
なお、この仮設ガイドレール用固定装置10でガイドする作業床を備えたゴンドラとしては、屋上から垂下するワイヤロープに沿って作業用ケージ内に設けたエンドレス方式の巻上機の巻き掛け位置を移動することで昇降させるゴンドラ装置に適用する場合に限らず、屋上側にドラム方式など巻上機を備えて昇降するものやワイヤロープを屋上の台車に固定して移動可能とした台車式や固定式の支持装置でワイヤロープを支持するもの、あるいは仮設の横行レールを介してワイヤロープごと横移動も可能としたものなど、ガイドレールを用いて揺れを防止する必要があるものに広く適用できる。
【0026】
この仮設ガイドレール用固定装置10は、ベランダBの床の外側突出壁部B1とこの外側突出壁部B1上に設置されるベランダ柵B2との隙間を利用してベランダBの外側から設置するための取付ベース部材11を備えており、
図3に示すように、構造物の上端面となるベランダB上に載置されるベース本体12を備え、水平板12aの幅方向2箇所に間隔をあけて垂直なアーム板12b,12bがベランダの厚さよりも長くベランダ内側に突き出すように平行に配置されて溶接などで取り付けてあり、各アーム板12b、12bには、ベランダ壁の厚さよりも先端側に位置する部分にそれぞれガイド用長穴12c、12cが形成してある。
【0027】
この取付ベース部材11のベース本体12の水平板12aの構造物外側の下面には、構造物外壁面であるベランダ外壁面に当てる固定フック部材13が溶接などで固定してあり、例えば中空角パイプが用いられて各開口部を補強板で塞ぐなどで補強され、ここでは、取付ベース部材11のアーム板12b,12bの間隔と略等しい垂直部13aとその下端の水平部13bとでT字状になっている。
【0028】
この固定フック部材13と対向して構造物内壁面であるベランダ内壁面に当ててスライドさせて締め付けることで挟圧するスライドフック部材14は、断面略U字状に形成されて底面部背面がベランダ内壁側とされ、先端部が補強板14aで塞がれる一方、基端部には、U字部分の内側にスライドブロック14bが溶接など取り付けてある。このスライドブロック14bには、両側に取付ベース部材11のアーム板12b,12bのガイド用長穴12c,12c内をスライドするとともに、回動可能とするため六角穴付きのキャップボルト14c,14cが取り付けてあり、ボルト頭部がガイド用長穴12c,12c内に位置するように取り付けられる。また、このスライドブロック14bには、ガイド用長穴12c,12c内でキャップボルト14c,14cを中心に垂直下方に回動した垂下状態のときに水平にスライドフック部材14とスライドブロック14bを貫通して貫通孔が形成され雌ねじ14dが形成してある。
なお、六角穴付きのキャップボルト14c,14cに替えて、通常の六角ボルトを用いてガイド用長穴12c,12cの外側からスライドおよび回動ができるように締め付けても良い。
【0029】
このような取付ベース部材11のベース本体12の平行なアーム板12b,12bのスライド用長穴12c,12cに基端部のキャップボルト14c,14cが装着されてスライドおよび回動が可能なスライドフック部材14には、スライドフック部材14を引き寄せて構造物を挟圧して取付ベース部材11を固定する挟圧固定機構15が設けられる。
【0030】
この挟圧固定機構15は、取付ベース部材11に支持される挟圧固定用ボルト15aとスライドフック部材14のスライドブロック14bに設けた挟圧固定用ナット15bとなる雌ねじ14dとで構成され、挟圧固定用ボルト15aの六角のボルト頭部がベース本体12の水平板12aの内側に位置するよう支持板15cがアーム板12b,12b間に溶接されるとともに、水平板12aの先端部にもうひとつの支持板15dが溶接されており、これらを貫通してアーム板12b,12bと平行に配置されている。そして、この挟圧固定用ボルト15aの先端部には、ボルト先端側からも挟圧固定用ボルト15aを操作できるようにするため操作部15eが設けられ、例えば、軸方向と直交して貫通する操作孔が形成され、操作孔に操作棒を挿入することで、ボルトを回転することができるようにしてある。
また、2つの支持板15c,15dの間に位置する挟圧固定用ボルト15aには、抜け落ち防止用のスプリングピン15fが取り付けてある。
なお、挟圧固定用ボルト15aの抜け落ち防止は、スプリングピンによらず、他の方法でも良く、例えば先端部側の支持板15cに雌ねじを形成し、挟圧固定用ボルト15aの基端側には、雄ねじを形成せず、中間部より先端部側に雄ねじを形成し、この雄ねじを支持板15cの雌ねじにねじ込むことで抜け止めとすることもできる。
【0031】
このような取付ベース部材11は、ベース本体12のアーム板12b,12bのスライド用長穴12c,12cに基端部のキャップボルト14c,14cが装着されてスライドおよび回動が可能なスライドフック部材14を水平状態としてベランダの外側からベランダBの外側突出壁部B1とベランダ柵B2との隙間から押し込むようにすると、ベランダBの外側突出壁部B1をキャップボルト14c,14cが越えたところで、スライドフック部材14が自重で回動し、垂下した状態となって取付ベース部材11に固定した固定フック部材13と対向する状態となる。
この状態で、挟圧固定用ボルト15aを押し込んで先端部をスライドフック部材14のスライドブロック14bの雌ねじ14dにねじ込んだ後、挟圧固定用ボルト15aを回転することで、スライドフック部材14を引き寄せ、固定フック部材13とで構造物であるベランダBの外側突出壁部B1を強固に挟むようにし、取付ベース部材11を構造物であるベランダBの外側突出壁部B1に固定することができる。
【0032】
この仮設ガイドレール用固定装置10では、取付ベース部材11にガイドレールRを固定するためレール固定用部材16が備えられ、このレール固定用部材16は、取付ベース部材11とは分離連結可能に設けられ、このための分離操作機構17が備えられるとともに、ガイドレールRを固定した状態でレール固定用部材16を分離させ、取付ベース部材11をスライド移動して本来の固定位置から退避させるためのガイド機構18が備えられている。
【0033】
まず、レール固定用部材16は矩形の固定用板16aの下端角部が切り欠かれた形状とされ、中心部に仮設ガイドレールの形式に応じたガイドレール用金具を取り付けるスタッドボルト16bが垂直に突き出すように溶接してあり、このスタッドボルト16bの上部の固定用板16aには、上方に開口した矩形の切欠き部16cが形成され、挟圧固定用ボルト15aを引き出すことができるようにしてある。また、固定用板16aのスタッドボルト16bの両側には、ガイドレールを取り付けるガイドレール用金具の位置決め用突片16dが平行に溶接してあり、2つの位置決め用突片16d、16dの間にガイドレール用金具19が装着されて位置決めされ、スタットボルト16bにナット16eで締め付けられて固定される。
【0034】
このようなレール固定用部材16の固定用板16aを取付ベース部材11に取り付けるとともに、スライド移動させるため、ガイド機構18として、アーム板12b,12bの構造物の外側に鉤状に突き出して上部ガイド部材18aと下部ガイド部材18bとが上下に対向して設けられ、上下ガイド部材18a,18bの内側に上下方向のガイド溝18cが固定フック部材13の外面と一致させて形成してあり、このガイド溝18cにレール固定用部材16の固定用板16aを装着することで、固定用板16aがガイド板となって構造物の外壁面(ベランダBの外側突出壁部B1の外面)と平行な平面に沿って水平方向にスライドさせることができる。
【0035】
また、このレール固定部材16を取付ベース部材11に分離可能に連結固定するための分離操作機構17として、ベース本体12のアーム板12b,12bの外側に上方が開口したコ字状の支持部材17aが構造物の内外方向に溶接などで取り付けられ、内外の端版17bに貫通孔が形成されて構造物内側からボルト17cが装着されるようになっている。なお、ここでは、ボルト17cによる操作を容易とするため蝶ボルトが用いてある。
これら2本のボルト17c,17cがねじ込まれる雌ねじ17dがレール固定部材16の固定用板16aに形成してある。
これにより、レール固定用部材16の固定用板16aをガイド溝18cに装着した状態で2本のボルト17c,17cで締め付けることで、レール固定用部材16を取付ベース部材11に連結固定状態にでき、構造物の内側であるベランダB内からは、ボルト17c,17cを回して固定用板16aの雌ねじ17dから外す操作を行うことで、取付ベース部材11とレール固定用部材16とを分離状態にすることができる。
【0036】
この仮設ガイドレール用固定装置10では、ガイドレールRとして、例えばH型鋼で構成した金属ガイドレールRを用いることから、ガイドレール用金具19として、左右に2分割とされた締付け金具19a,19bを備え、H型鋼の構造物側のフランジ部を両側から挟んでボルト19cで締め付けることでガイドレールRを挟むとともに、一方の締付け金具19aをレール固定用部材16のスタッドボルト16bに締め付けてナット16eで固定するようにしている。
【0037】
なお、張力を加えたロープなどの索条によるガイドロープを索条ガイドレールとして用いる場合は、ガイドロープを挟んだ固定すると同時に、ゴンドラ側のガイドローラが乗り越えて昇降できるガイドレール用金具を使用する。
【0038】
次に、このように構成した仮設ガイドレール用固定装置10を用いて行うガイドレールの固定について説明する。
まず、仮設ガイドレール用固定装置10として,
図4(a)に示すように、固定フック部材13が溶接などで一体に取り付けてある取付ベース部材11にレール固定用部材16を分離操作機構17のボルト17c,17cで締め付けて組立て連結固定状態とするとともに、このレール固定用部材16のスタッドボルト16bにガイドレール用金具19をナット16eで締め付けて固定しておく。
【0039】
そして、挟圧固定機構15の挟圧固定用ボルト15aをスライドフック部材14の雌ねじ14dである挟圧固定用ナット15bから外した状態とし、スライドフック部材14をキャップボルト14cを中心に回動してアーム板12b,12bのガイド用長穴12c,12cの先端部分内で水平状態にする。
【0040】
この後、スライドフック部材14の先端をベランダBの外側突出壁部B1とベランダ柵B2との隙間から外側突出壁部B1の上面を滑らすように押し込む。
そして、スライドフック部材14の回動中心であるキャップボルト14cが外側突出壁部B1を越えると、
図4(b)に示すように、自重で回動して先端部が下方に位置する垂下した状態となり、スライドフック部材14の基端のスライドブロック14bも90度回動して雌ねじ14dが水平方向となる。
【0041】
そこで、このスライドフック部材14が垂下した状態で、挟圧固定機構15の挟圧固定用ボルト15aを取付ベース部材11の2つの支持板15c,15dを貫通させて差し込んで挟圧固定用ナット15bであるスライドブロック14bの雌ねじ14dにねじ込み、さらに挟圧固定用ボルト15aを回転してスライドフック部材14を引き寄せるようにし、固定フック部材13とスライドフック部材14とでベランダBの外側突出壁部B1を強固に挟んで取付ベース部材11をベランダBに固定する。
【0042】
この後、ガイドレール用金具19のボルト19cを弛めて締付け金具19a,19bの間隔を広げてガイドレールRを挟んだ後、ボルト19cを締め付けることでベランダBへのガイドレールRの固定が完了する。
【0043】
このような作業を各階のベランダBに仮設ガイドレール用固定装置10を設置してガイドレールRを固定することを繰り返すことで、構造物へのガイドレールRの仮設が完了することになる。
【0044】
このようなガイドレールRを仮設ガイドレール用固定装置10で設置した状態で構造物に対して作業を行うが、例えばベランダBの塗装工事などを行う場合、外側突出壁部B1の仮設ガイドレール用固定装置10の設置部分への作業が不能となる。
そこで、ベランダB内から次のようにして仮設ガイドレール用固定装置10のスライド移動を行う。
【0045】
取付ベース部材11を挟圧固定している挟圧固定機構15の挟圧固定用ボルト15aの先端部の操作部を構成する操作孔15eに操作棒などの専用工具を挿してスライドフック部材14を戻すように回転して弛め、固定フック部材13とスライドフック部材14による挟圧状態を解放する。
【0046】
次に、分離操作機構17の2本のボルト17c,17cを回してレール固定用部材16の固定用板16aの雌ねじ17dから外れるようにし、取付ベース部材11とレール固定用部材16との連結を分離する。
すると、レール固定用部材16がガイドレール用金具19を介してガイドレールR側に支持された状態となる。
【0047】
この状態で、取付ベース部材11側をベランダBの外側突出壁部B1の上面に沿って横にスライドさせ、
図6に示すように、未施工部分が露出するようにする。
【0048】
こうして取付ベース部材11、固定フック部材13およびスライドフック部材14で覆われていた部分に必要な工事を行った後、スライド移動と逆の手順で取付ベース部材11などを締め付け、レール固定用部材16を連結することでガイドレールRを仮設した状態に復旧することができる。
【0049】
この仮設ガイドレール用固定装置10によれば、固定フック部材13が設けられた取付ベース部材11のスライドフック部材14を水平状態として取付ベース部材11ごと構造物Bの外側から押し込み、構造物Bの内壁面を越えた内側で自重で回動させて垂下状態とし、垂下状態のスライドフック部材14を挟圧固定機構15で引き寄せて構造物Bを挟圧して取付ベース部材11を固定することができる。
そして、この取付ベース部材11にレール固定用部材16を分離操作機構17を介して固定するとともに、レール固定用部材16にガイドレールRを固定することで、アンカーボルトを使用することなく構造物BにガイドレールRを設置することができ、ガイドレール撤去後の補修などの必要をなくすことができる。
【0050】
また、仮設ガイドレールRを挟圧固定状態のままのレール固定用部材16と取付ベース部材11との連結を分離操作機構17を構造物Bの内側から操作して分離することおよびスライドフック部材14の挟圧固定機構15による挟圧固定を構造物Bの内側から操作して解放することで、レール固定用部材16をガイドレールRに支持したままとしておき、固定フック部材13およびスライドフック部材14ごと取付ベース部材11を構造物Bの上端面上でスライド移動することができ、これらの部材で覆われていた構造物B部分を露出させることができ、ゴンドラなどの作業と並行して構造物内で必要な作業を行うことができる。
【0051】
一方、固定フック部材13およびスライドフック部材14ごと取付ベース部材11を構造物Bの上端面上で逆方向にスライド移動した後、分離操作機構17で連結するとともに、
挟圧固定機構15で挟圧固定することで、ガイドレールRを仮設状態に簡単に復旧することができる。
【0052】
これにより、構造物Bの外側での作業と内側での作業を、ガイドレールRを仮設した状態で並行して進めることも可能となるとともに、ガイドレールRの撤去後の補修などの作業の必要もなくすことができる。
【0053】
この仮設ガイドレール用固定装置10によれば、取付ベース部材11とレール固定用部材16との間にガイド溝18cとガイド板16aを設けてガイドさせてスライド移動することで、取付ベース部材11をスライドさせて作業を行った後の復旧のための逆方向へのスライド移動がスムーズにでき、短時間に構造物Bの内側からガイドレールRを仮設状態に復旧することができる。
【0054】
この仮設ガイドレール用固定装置10によれば、挟圧固定用ボルト15aの頭部を利用して構造物Bの外側から簡単に挟圧固定することができる一方、内側からは操作部15eを、例えば操作孔とこれに装着する専用工具等で構成しておくことで、簡単には、内側から操作できないようにして安全を確保しながら必要な場合には、挟圧固定を解放することできる。
【0055】
この仮設ガイドレール用固定装置10によれば、分離操作機構17としてボルト17cを利用することで、簡単に構造物Bの内側から操作することができ、特に、ガイド溝18cとガイド板16aとでガイドできるようにしたガイド機構18を備えた場合には、万一、ボルト17cの締め忘れがあっても、ある程度の拘束状態を確保してガイドレールRによる振れ止め機能を発揮させることができる。
【0056】
この仮設ガイドレール用固定装置10によれば、集合住宅のベランダBとベランダ柵B2との隙間を利用してガイドレールRの固定ができるとともに、内側からの作業も固定による影響を受けずにスライド移動して行うことができる。
【0057】
この仮設ガイドレール用固定装置10によれば、ガイドレールRが金属ガイドレールであっても張力を加えて設置した索条ガイドレールであっても簡単に設置することができるとともに、必要な場合には、ガイドレールRをそのままにして固定部分11などをスライドさせて支障なく作業を行うことができる。
【0058】
次に、この発明の仮設ガイドレール用固定装置の他の一実施の形態について、
図7〜
図9に基づき説明するが、すでに説明した実施の形態との相違部分を説明し、同一部分には、同一記号を記し、重複する説明は省略する。
この仮設ガイドレール用固定装置10Aでは、スライドフック部材14のスライドブロック14bおよびこれに形成する雌ねじ14dとしてナット14Bが用いられてスライドフック部材14のU字状の溝底部に溶接して取り付けてあり、スライドフック部材14がキャップボルト14cに替えて両側から六角ボルト14Cでガイド用長穴12cの外側からスライドおよび回動が可能となるように固定してある。
【0059】
また、挟圧固定機構15では、挟圧固定用ボルト15aの抜け落ち防止がスプリングピンによらず、先端部側の支持板15cに雌ねじ15Dを形成し、挟圧固定用ボルト15aの基端側に雄ねじを形成せず、中間部より先端部側に雄ねじを形成し、この雄ねじを支持板15cの雌ねじ15Dにねじ込むことで抜け止めとしてある。
【0060】
さらに、レール固定用部材16では、固定用板16Aの形状が矩形の上下に両側に突き出す突出部16B、16Cが一体に設けた形状としてある。
【0061】
そして、分離操作機構17を構成する構造物Bの内側から操作するボルト17Cとして蝶ボルトに替えて六角ボルトが用いられ、このボルト17Cがねじ込まれる雌ねじ17Dがレール固定用部材16の固定用板16Aの上側の突出部16Bに形成してあり、この雌ねじ17Dの両側にレール固定用部材16をその取付部分を露出させて塗装などの作業を行うためスライド移動した後の状態でも反対側のボルト17Cで固定できるように雌ねじ17Eが形成してある。
【0062】
また、この分離操作機構17で分離した状態で取付ベース部材11とレール固定用部材16とを取り付けたり、スライド移動する場合のガイドのためガイド機構18Aとして固定用板16Aの下側の突出部16Cに水平にガイド溝18Cが形成してあり、このガイド溝18C内を相対的に移動するガイドロッド18Dがスタッドボルトで構成されて取付ベース部材11に取り付けられ、ガイド溝18Cの外側からスライドできる状態で緩くナット18Eが取り付けてある。
【0063】
なお、この仮設ガイドレール用固定装置10Aのスライドフック部材14、挟圧固定機構15、レール固定用部材16、分離操作機構17およびガイド機構18のここで説明した以外の構成は、すでに説明した仮設ガイドレール用固定装置10と同一である。
【0064】
このような仮設ガイドレール用固定装置10Aによる仮設ガイドレールの設置は、すでに説明した仮設ガイドレール用固定装置10と略同様に操作することで行うことができる。
【0065】
一方、この仮設ガイドレール用固定装置10Aをスライド移動してその設置部分を露出させて塗装などの作業を行う場合には、取付ベース部材11を挟圧固定している挟圧固定機構15の挟圧固定用ボルト15aの先端部の操作部を構成する操作孔15eに操作棒などの専用工具を挿してスライドフック部材14を戻すように回転して弛め、固定フック部材13とスライドフック部材14による挟圧状態を解放する。
【0066】
次に、分離操作機構17の2本のボルト17C,17Cを回してレール固定用部材16の固定用板16Aの雌ねじ17D(通常仮設用)から外れるようにし、取付ベース部材11とレール固定用部材16との連結を分離する。
すると、レール固定用部材16がガイド機構18Aのガイド溝18Cにガイドロッド18Dが緩く連結された状態となるとともに、レール固定用部材16の固定用板16Aがガイドレール用金具19を介してガイドレールR側に支持された状態となる。
【0067】
この状態で、取付ベース部材11側をベランダBの外側突出壁部B1の上面に沿って横にスライドさせ、
図9に示すように、未施工部分が露出するようにする。
そして、このスライド移動後、スライド移動した基端側(
図9の右にスライドさせた場合の左端側)のスライド後固定用の雌ねじ17Eに分離操作機構17のボルト17Cをねじ込んで固定状態とする。
これにより、スライド移動後もガイドレールRのある程度の支持と、取付ベース11側を完全に分離せずにある程度拘束した状態に保持でき、落下などを防止して安全性を向上することができる。
【0068】
こうして取付ベース部材11、固定フック部材13およびスライドフック部材14で覆われていた部分に必要な工事を行った後、スライド移動と逆の手順で取付ベース部材11などを締め付け、レール固定用部材16を連結することでガイドレールRを仮設した状態に復旧することができる。この場合でも、レール固定用部材16がガイド機構18Aのガイド溝18C内をガイドロッド18Dが相対的に移動することでガイドされ、スムーズに作業することができる。