(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一側板部の内側には、前記第一状態にあるときに前記収容空間の上方にある挿入口から挿入される前記遊技機関連部材が、前記収容空間内における所定位置に位置するように誘導する誘導溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機関連部材収容ボックス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような段ボールによる梱包では、段ボールを組み立ててボックスとする手間がかかる、使い捨てであるため不経済である、といった問題がある。また、運搬時の振動等によって収容物である遊技機関連部材が破損等してしまい、不良品となってしまうことも多い。
【0005】
本発明は、運搬時における遊技機関連部材の破損等の発生を低減することが可能な遊技機関連部材収容ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明にかかる遊技機関連部材収容ボックスは、底面を構成する底部と、前記底部の上側に設けられる枠部と、前記枠部に対して折り曲げ可能に接続され、互いに対向する二つの側面を構成する第一側板部と、前記底部および前記枠部に対して折り曲げ可能に接続されるとともに、当該折り曲げ可能な接続箇所の間に位置する折り曲げ可能な屈曲部を有し、前記第一側板部とは異なる互いに対向する二つの側面を構成する第二側板部と、前記枠部に接続された蓋部と、を備え、前記第一側板部および前記第二側板部が上下方向に延びた状態とされることにより、前記底部、前記第一側板部、および前記第二側板部に囲まれ、前記蓋部によって封鎖可能な前記遊技機関連部材の収容空間が形成される第一状態、または前記第一側板部がその下側縁を内側に移動させるようにして前記枠部に対して内側に折り曲げられ、かつ、前記第二側板部が前記屈曲部を内側に移動させるようにして前記底部および前記枠部に対して折り曲げられることで、前記第一状態よりも全体の外郭が小さくなるように折り畳まれた第二状態のいずれかの状態に変位可能とされ、前記枠部の外側の面には第一接合部が設けられ、この枠部の外側の面と同じ側に位置する前記底部の外側の面には前記第二状態において前記第一接合部に接合可能な第一被接合部が設けられる一方、前記枠部の外側の面には第二接合部が設けられ、この枠部の外側の面と同じ側に位置する前記蓋部の外側の面には前記蓋部が前記
収容空間の挿入口を封鎖した状態にあるときにおいて前記第二接合部に接合可能な第二被接合部が設けられ、前記枠部の外側の面には前記第一接合部および前記第二接合部が一体的に形成された接合部材が設けられ、前記接合部材は、上下方向に延びる帯状の部材であって、前記枠部に固定された部分より下端側に前記第一接合部を有し、上端側に前記第二接合部を有することを特徴とする
。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機関連部材収容ボックスにおいて、前記第一側板部の内側には、前記第一状態にあるときに前記収容空間の上方にある挿入口から挿入される前記遊技機関連部材が、前記収容空間内における所定位置に位置するように誘導する誘導溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機関連部材収容ボックス。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機関連部材収容ボックスにおいて、前記誘導溝は、前記第一側板部の内面から内側に向かって突出した上下方向に延びる二つの誘導突起の間の溝であり、当該二つの誘導突起の幅が上側よりも下側の方が大きく形成されることにより、前記誘導溝は上側よりも下側の方が狭くなるように構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の遊技機関連部材収容ボックスにおいて前記底部には、その内面から上方に向かって突出した、前記収容空間内に収容された前記遊技機関連部材の下端に接触する受け部が形成され、前記第一状態において、前記受け部の両端は前記誘導溝の下端に位置することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機関連部材収容ボックスにおいて、前記枠部には、前記収容空間の挿入口を開放した状態、または当該挿入口の一部を覆う状態に変位可能な押え部が接続され、当該押え部は、前記挿入口を封鎖する前記蓋部に押えられることによって当該挿入口の一部を覆う状態となるとともに、前記収容空間内に収容された前記遊技機関連部材の上端に接触して押さえるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明にかかる遊技機関連部材収容ボックスは、使用しないときには全体の外郭が小さくなるように折り畳むことができるため、保管や運搬が容易である。また、折り畳まれた第二状態から両側板部を起立させることで簡単に遊技機関連部材を収容することができる第一状態とすることが可能である。つまり、梱包作業の効率を向上させることが可能である。
また、枠部に収容空間の入口を封鎖する蓋部が設けられているから、遊技機関連部材の梱包がさらに容易になる。
また、第二状態において第一被接合部に接合可能な第一接合部が設けられているから、両者の接合を解消しなければボックスを第二状態から第一状態に変化させることができなくなる。つまり、第一被接合部および第一接合部によってボックスが第二状態に維持される構成となるため、保管や運搬時(非使用時)の利便性に優れたボックスとすることが可能である。
また、第二被接合部に接合可能な第二接合部が設けられているから、収容空間の入口を封鎖する蓋部が不用意に開放してしまうことを防止することが可能である。
また、上記第一接合部および第二接合部は、一体的な部材とすることが可能である。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、遊技機関連部材を収容する際に誘導する誘導溝が設けられているため、収容作業が行いやすいし、収容された遊技機関連部材が収容空間内で動くことによる破損等を防止することが可能である。
【0013】
請求項3に記載の発明のように、誘導突起の幅が上側よりも下側の方が大きく形成されていれば、誘導溝は上側の方が幅広になるから、遊技機関連部材を収容空間内の所定位置に収容しやすくなる。また、第一側板部を起立させたときに幅太である誘導突起の下端面が底面(底部)に接触するようにすれば、その誘導突起によって起立する第一側板部が安定した状態(第一側板部に対し外力が作用した際に当該第一側板部が倒れてしまうこと等を抑制することが可能)となる。つまり、誘導突起が、収容される遊技機関連部材を所定位置に誘導する機能、起立した状態にある第一側板部を安定した状態とする機能の二つの機能を発揮する構成とすることが可能である。
【0014】
請求項4に記載の発明のように、収容された遊技機関連部材を受ける受け部を形成すれば、遊技機関連部材に対する衝撃を低減することが可能となる。また、この受け部の両端が誘導溝の下端に位置する(誘導溝内に入り込む)構成とすれば、受け部が形成された底部に対し、誘導溝が形成された第一側板部が傾いてしまうことを抑制することが可能であるし、第一側板部を起立させる際、上側に比べて狭くなっている誘導溝の下側に受け部が入り込みつつ第一側板部が起立していくから、ボックスを第二状態から第一状態にすること(ボックスを成形すること)が容易になる。つまり、受け部が、遊技機関連部材に対する衝撃を低減する機能以外の機能を発揮する構成とすることが可能である。
【0015】
請求項5に記載の発明のように、収容空間内に収容された遊技機関連部材の上端に接触して押さえる押え部が設けられていれば、収容された遊技機関連部材が動いてしまうことが抑制され、運搬時の破損等が発生するおそれさらに低減することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機関連部材収容ボックス1(以下単に収容ボックス1と称することもある)について説明する。本実施形態にかかる収容ボックス1は、後述する第一状態にあるときに、遊技機関連部材を収容する収容空間Sを構築するものであって、底部10、枠部20、第一側板部30、および第二側板部40を備える。以下で各部材の形状等を説明する場合は、特に明示した場合を除き、収容ボックス1が第一状態にあるときを主体にして説明するものとする。
【0018】
底部10は、収容空間Sの底面を構成するものである。枠部20は、底部10の上側に設けられる方形状の枠体である。第一側板部30は、枠部20における対向する二つの下側縁に接続された板状の部分である。各第一側板部30は、枠部20に対して折り曲げ可能に接続されている。後述する第一状態となったときには、両第一側板部30は対向する。具体的には収容空間Sの対向する二つの側面を構成する。第二側板部40は、上記第一側板部30が接続されていない、枠部20における対向する二つの下側縁、および底部10における対向する二つの下側縁に接続された板状の部分である。各第二側板部40は、枠部20および底部10に対して折り曲げ可能に接続されている。また、各第二側板部40における枠部20および底部10に対して折り曲げ可能に接続された箇所の間(本実施形態では各第二側板部40の上下方向における略中央)には、各第二側板部40自体を折り曲げることが可能な屈曲部41が形成されている。後述する第一状態となったときには、両第二側板部40は対向する。具体的には収容空間Sの対向する二つの側面(第一側板部30が構成する二つの側面以外の側面)を構成する。
【0019】
上記第一側板部30および第二側板部40が上下方向に延びた第一状態(
図1、
図2、
図7に示した状態)とされると、底部10、第一側板部30、第二側板部40によって、遊技機関連部材が収容可能な収容空間Sが構築される。一方、この第一状態にある収容ボックス1を、その下側縁を内側に移動させるようにして両第一側板部30を枠部20に対して内側に折り曲げ、かつ、屈曲部41を内側に移動させるようにして底部10および枠部20に対して両第二側板部40を折り曲げることで、収容ボックス1は第二状態(
図5や
図6に示した状態)に変位する。このように第一側板部30および第二側板部40を内側に折り曲げると、底部10と枠部20の間に存在していた上下方向に延びる板状の部分が上下方向に直交する平面方向に延びるように態様(姿勢)を変化させるということであるから、底部10と枠部20が近づいた状態となる。つまり、第二状態は、第一状態よりも全体の外郭が小さくなるように折り畳まれた状態である。このように、本実施形態にかかる収容ボックス1は、第一状態と第二状態のいずれかに変位可能である。
【0020】
図1〜
図6に示すように、枠部20の外側の面(本実施形態では、第二側板部40が接続された側の対向する二面)には、第一接合部21が設けられている。また、同じ側に位置する底部10の外側の面には、第一接合部21に接合可能な第一被接合部11が設けられている。本実施形態では、第一接合部21と第一被接合部11は、いわゆる面ファスナである。つまり、第一接合部21および第一被接合部11は、一方に対し他方が接合された状態と、接合が解消された状態を繰り返すことが可能である。なお、接合部・被接合部には明確な区別があるわけではない。一方に対し他方が一定の接合力で繰り返し接合可能なものであればよい(以下で説明する第二接合部22・第二被接合部51、第三接合部33・第三被接合部13の関係も同じ)。第一接合部21は、略中央が枠部20に固定され、上下方向に延びる帯状の布の下端に取り付けられている。この帯状の布の上端には、後述する第二接合部22が取り付けられており、帯状の布を介して両接合部が一体化された接合部材23が構成される。収容ボックス1が第二状態となると、枠部20と底部10が近づく。具体的には、収容ボックス1が第二状態となると、帯状の布に取り付けられた第一接合部21が、底部10の第一被接合部11に接合可能な位置まで両者が近づく。この第二状態で第一接合部21と第一被接合部11を接合させることで、その接合力によって、収容ボックス1が折り畳まれた状態が維持されることになる。
【0021】
第一側板部30には、誘導突起31が設けられている。誘導突起31は、第一側板部30の内面(すなわち、収容空間Sを構成する二面)から内側に向かって突出した上下方向に延びる突起である(
図7および
図8参照)。誘導突起31は、弾性体(例えば発泡体)で形成される。本実施形態では、一の第一側板部30に三つの誘導突起31が設けられている(以下、これらを区別して、真中の誘導突起31を中誘導突起31cと、外側の二つの誘導突起31を外側誘導突起31sと称することもある)。このような構成であるため、中誘導突起31cと一方の外側誘導突起31sの間、および中誘導突起31cと他方の外側誘導突起31sの間には、上下方向に延びる溝が形成される。この溝が、収容空間S内における所定位置に位置するように遊技機関連部材を誘導する誘導溝32となる。
【0022】
この誘導溝32の幅は、上側よりも下側の方が小さい。具体的には、中誘導突起31cと一方の外側誘導突起31sの間隔、および中誘導突起31cと他方の外側誘導突起31sの間隔が上側よりも下側の方が小さくなるように両誘導突起31が形成される。さらに具体的には、上側の最も幅が広い部分321と、下側の最も幅が狭い部分322との間には、だんだんと下方に向かって幅が狭くなるように傾斜した部分(テーパ状の部分323)が形成される(
図8(b)参照)。
【0023】
底部10には、受け部14が設けられている(
図7および
図8参照)。受け部14は、底部10の内面(すなわち、収容空間Sの底面)から上方に向かって突出した突起である。受け部14は、弾性体(例えば発泡体)で形成される。本実施形態では、一方の第一側板部30側から他方の第一側板部30側に延びる二つの受け部14が設けられている。収容ボックス1が第一状態にあるとき、受け部14の両端は誘導溝32の下端(最も幅が狭い部分322)に入り込む。つまり、中誘導突起31cの下端と外側誘導突起31sの下端との間に挟まれる。誘導溝32の最も狭い部分の幅を、受け部14の幅よりも若干小さく形成し、受け部14が誘導溝32の下端の内側に入り込むと、弾性体で形成された誘導突起31と受け部14が互いに押しつぶしあうように変形した状態となるようにしてもよい。
【0024】
枠部20には、蓋部50が接続されている。具体的には、蓋部50は、枠部20の一の側縁に対し、枠部20の上側の開口、すなわち収容空間Sの入口(遊技機関連部材の挿入口)となる開口を覆う封鎖位置と、開口を開放する開放位置との間を変位可能に接続されている。封鎖位置に位置するときに収容空間S側に位置する面には、後述する押え部60に接触する押圧突起52が設けられている(
図4参照)。
【0025】
図1〜
図7に示すように、枠部20の外側の面(本実施形態では、第二側板部40が接続された側の対向する二面)には、第二接合部22が設けられている。また、同じ側に位置する蓋部50の外側の面には、第二接合部22に接合可能な第二被接合部51が設けられている。本実施形態では、第二接合部22と第二被接合部51は、いわゆる面ファスナである。第二接合部22は、略中央が枠部20に固定され、上下方向に延びる帯状の布の上端に取り付けられている。つまり、帯状の布の下端に上述した第一接合部21が、下端に第二接合部22が取り付けられることで、両接合部が一体化された接合部材23が構成される。蓋部50が封鎖位置に位置すると、帯状の布に取り付けられた第二接合部22が、蓋部50の第一被接合部11に接合可能な位置まで両者が近づく。この状態で第二接合部22と第二被接合部51を接合させることで、その接合力によって、蓋部50が収容ボックス1の挿入口を封鎖した状態が維持されることになる。
【0026】
また、枠部20には、押え部60が接続されている(
図2〜
図5、
図7参照)。具体的には、押え部60は、枠部20の対向する二つの側縁に対し、枠部20の上側の開口、すなわち収容空間Sの入口(遊技機関連部材の挿入口)の少なくとも一部を覆う押え位置と、開口を開放する非押え位置との間を変位可能に接続されている。押え部60は、枠部20に接続された板状体61、およびこの板状体61に固定された接触部62を有する。接触部62は、板状体61の収容空間S側に位置する面に固定されている。接触部62は弾性体(例えば発泡体)で形成されている。接触部62には、蓋部50が押え位置に位置するとき、収容空間Sに収容された遊技機関連部材の上端の一部が入り込む固定溝621が形成されている。
【0027】
本実施形態では、枠部20の一方の側縁に接続された押え部60と、他方の側縁に接続された押え部60は、それぞれ二つに分割されている。分割された一方の構成と、他方の構成は、その境界面を対称面とする面対称形状である。後述するように、本実施形態の収容ボックス1は、二つの遊技機関連部材が収容可能に形成されており、枠部20の各側縁に接続された押え部60における分割された一方の構成は、一の遊技機関連部材を押さえ、分割された他方の構成は、もう一つの遊技機関連部材を押さえる。
【0028】
また、第一側板部30の外側の面における下端には、第三接合部33が設けられている。一方、底部10には、その周縁より上方に向かって起立した周壁12が形成されており、その第一側板部30側の内面には、第三被接合部13が設けられている(
図3等参照)。本実施形態では、第三接合部33と第三被接合部13は、いわゆる面ファスナである。第一側板部30を起立させた状態とすると、第三接合部33と第三被接合部13が接合される。
【0029】
以下、上記構成を備える収容ボックス1の作用(遊技機関連部材の収容構造等)について、一部上記説明と重複するが詳細に説明する。
【0030】
図5や
図6に示す第二状態(折り畳まれた状態)にある収容ボックス1は、次のように第一状態(収容空間Sが形成された状態)とされる。
図4に示すように底部10に近づいた状態にある枠部20を持ち上げつつ、枠部20に対して内側に折り曲げられていた第一側板部30を起立させる。第一側板部30が起立するにつれて、屈曲部41が内側に向かうように折り曲げられていた第二側板部40も、当該屈曲部41の屈曲角度が大きくなっていき(起立していき)(
図3参照)、折り曲げられていた第二側板部40の折り曲がりがなくなり当該第二側板部40が起立する。第一側板部30が起立する過程で、第一側板部30に設けられた誘導溝32(中誘導突起31cと外側誘導突起31sの間)に、底部10に設けられた受け部14が入り込む。第一側板部30が完全に起立すると、第一側板部30に設けられた第三接合部33が、底部10に設けられた第三被接合部13に接合され、これにより第一側板部30が収容空間S側に移動するのが抑制され、収容ボックス1の第一状態が維持される。また、誘導溝32の下端(最も幅が狭い部分322)に受け部14の両端が入り込んだ状態になる。これにより、底部10の周縁から第一側板部30および第二側板部40が起立したような状態となり、収容空間Sが形成される(
図2参照)。すなわち、収容ボックス1が第一状態となる。収容ボックス1が第一状態となると、第一側板部30の各誘導突起31の下端は底部10の上面(収容空間Sの底面)に接触する(
図8(b)に示した状態となる)。
【0031】
第一状態となった収容ボックス1内に、収容対象物である遊技機関連部材は次のように収容される。本実施形態の収容対象物は、遊技機の遊技盤ユニット90(遊技機を構成する部品のうち、下皿や上皿、発射装置等、機種を問わず共通する部品(ユニット)以外で構成される構造物。遊技盤や役物、制御基板、これらを支持するベース部材等から構成される)である。遊技盤ユニット90は、大まかに見て、遊技盤に該当する板状の部分(以下、単に板部91と称する)と、そこから後方に突出した制御基板等が配されている部分(以下、単に突出部92と称する)を含む。
【0032】
遊技盤ユニット90は、収容ボックス1の上側の開口(挿入口)から挿入する。具体的には、板部91の幅方向両側縁が誘導溝32内に入り込み、突出部92が外側誘導突起31sよりもさらに外側に位置するように挿入する。そのまま誘導溝32に沿って遊技盤ユニット90を下降させていくと、板部91の幅方向両側縁の下端が、誘導溝32の幅が広い部分321からテーパ状の部分323に入り込み、最終的には最も幅が狭い部分322に入り込むようにして誘導される。つまり、遊技盤ユニット90は、誘導溝32によって収容空間S内における所定位置に位置するように誘導される。誘導溝32の最も幅が狭い部分322は、板部91の厚みよりも若干小さく形成されているとよい。板部91によって押された中誘導突起31cおよび外側誘導突起31sが弾性変形し、当該変形した両誘導突起31に板部91が挟まれた状態となって遊技盤ユニット90の動きが規制されるからである。このようにして誘導された遊技盤ユニット90の板部91の下側縁は、受け部14に接触する。つまり、遊技盤ユニット90が収容空間S内における所定位置に位置する(
図7参照)。本実施形態では、二つの遊技盤ユニット90が収容可能である。当該二つの遊技盤ユニット90は、収容空間S内で対向配置(遊技盤面が向かい合うように配置)される。
【0033】
二つの遊技盤ユニット90を収容空間S内における所定位置に位置させた後、押え部60を内側に屈曲させる。そうすると、板部91の上側縁が押え部60の固定溝621内に入り込む(
図7参照)。その状態で蓋部50を封鎖位置に変位させる。本実施形態では、蓋部50における枠体に接続されている側の反対側と、当該側に位置する第一側板部30に一対のロック部材(一方のロック部材71および他方のロック部材72)が設けられている。当該ロック部材は蓋部50と一方の第一側板部30を着脱自在に接続ことができるものであればどのようなものであってもよい。本実施形態ではいわゆるインシュロックが用いられている。一方のロック部材71と他方のロック部材72を結合することにより、蓋部50における他方のロック部材72が設けられた側と一方の第一側板部30とが接続される。
【0034】
また、蓋部50が封鎖位置に変位すると、枠部20に設けられた第二接合部22と、蓋部50に設けられた第二被接合部51が接合可能になる。両者を接合することによって、蓋部50と枠部20の接合強度がさらに高まる。このように、閉鎖位置に位置した蓋部50が一対のロック部材の結合や第二接合部22と第二被接合部51の接合によって枠部20や一方の第一側板部30に接続されることにより、収容空間Sの挿入口が蓋部50によって封鎖される。
【0035】
蓋部50が封鎖位置に位置すると、当該蓋部50に設けられた押圧突起52が押え部60(板状体61)の上面に接触する。これにより、遊技盤ユニット90は、押え部60によって上から押さえつけられる。このようにして、遊技盤ユニット90は、押え部60と受け部14の間に上下方向から挟まれるとともに、幅方向両側は誘導溝32内に入り込んだ状態で収容空間S内に収容される(
図1に示す状態となる)。したがって、収容ボックス1に対し振動や衝撃等が加わっても、当該振動等によるエネルギの少なくとも一部は、受け部14や押え部60といった弾性体で形成された部材によって吸収されるし、遊技盤ユニット90が収容空間S内で大きく動いてしまうといったこともない。
【0036】
第一状態にある収容ボックス1を折り畳んで第二状態とする手順は次の通りである。
図2に示すような収容空間S内に何も収容されていない状態で第一側板部30を内側(収容空間S側)に押し、第三接合部33と第三被接合部13の接合状態を解消させる(
図3参照)。第一側板部30がその下側縁を内側に移動させるようにして枠部20に対して内側に折り曲げられると、枠部20と底部10の間には第二側板部40のみが存在している状態となる。そのため、枠部20および蓋部50の重みによって、第二側板部40は屈曲部41を内側に移動させるようにして底部10および枠部20に対して折り曲がる(
図4参照)。第二側板部40が折り曲げられると、枠部20と底部10が近づき、最終的には枠部20と底部10の間に折り曲げられた第一側板部30と第二側板部40が挟まれた状態になる(
図5参照)。これにより、枠部20に設けられた第一接合部21と、底部10に設けられた第一被接合部11が接合可能な状態となる。第一接合部21と第一被接合部11を接合させることにより、底部10と枠部20が互いに離れる方向に変位することが防止される。すなわち、折り畳まれた状態(第二状態)が維持される。なお、蓋部50と枠部20は、折り畳まれた状態(第二状態)で蓋部50を封鎖位置に位置させることで、上述した第二接合部22と第二被接合部51の接合によって接続された状態が維持される。内側に折り曲げられた一方の第一側板部30から一方のロック部材71を引き出し、この引き出したロック部材を蓋部50に設けられた他方のロック部材72と結合させることにより、蓋部50が動かないように維持してもよい(
図6参照)。
【0037】
以上説明した本実施形態にかかる遊技機関連部材収容ボックス1によれば、次のような効果が奏される。
【0038】
収容ボックス1には、遊技機関連部材を収容する際に誘導する誘導溝32が設けられているため、収容作業が行いやすいし、遊技機関連部材(遊技盤ユニット90)における板部91の両側部が一対の誘導溝32間に収容されるため、収容された遊技機関連部材が収容空間S内で(前後または左右に)動くことによる破損等を防止することが可能である。また、誘導突起31の幅が上側よりも下側の方が大きく形成されることによって、誘導溝32は上側の方が幅広になるから、遊技機関連部材を収容空間S内の所定位置に収容しやすい。それとともに、第一側板部30を起立させたとき、幅太である誘導突起31の下端面が底面(底部10)に接触するため、その誘導突起31によって起立する第一側板部30が安定した状態(第一側板部30に対し外力が作用した際に当該第一側板部30が倒れてしまうこと等を抑制することが可能)となる。つまり、誘導突起31は、収容される遊技機関連部材を所定位置に誘導する機能、起立した状態にある第一側板部30を安定した状態とする機能、という二つの機能を発揮する。
【0039】
底部10に設けられた受け部14によって、遊技機関連部材(下部側)に対する衝撃を低減することが可能である。また、収容ボックス1が第一状態とされたとき、受け部14の両端は、誘導溝32の下端に位置する(誘導溝32内に入り込む)。そのため、受け部14が形成された底部10に対し、誘導溝32が形成された第一側板部30が傾いてしまうことを抑制することが可能である。また、第二状態にある収容ボックス1を第一状態とするために第一側板部30を起立させる際、上側に比べて狭くなっている誘導溝32の下側に受け部14が入り込みつつ第一側板部30が起立していくから、ボックスを第二状態から第一状態にすること(ボックスを成形すること)が容易になる。つまり、受け部14が、遊技機関連部材に対する衝撃を低減する機能以外の作用を発揮する。
【0040】
また、収容空間S内に収容された遊技機関連部材の上端に接触して押さえる押え部60が設けられているため、収容された遊技機関連部材が(上方側に)動いてしまうのを抑制することが可能である。よって、第一状態で遊技機関連部材(遊技盤ユニット90)を収納した際には、少なくとも誘導溝32(誘導突起31)や受け部14、押え部60(蓋部50)によって、遊技機関連部材(遊技盤ユニット90)の前後・左右・上下を押さえているため、収容された遊技機関連部材(遊技盤ユニット90)が収容空間S内で動いてしまうのを抑制することが可能である。
【0041】
収容ボックス1が第二状態にあるとき、第一被接合部11に第一接合部21を接合することが可能である。つまり、第一接合部21と第一被接合部11を接合すれば、収容ボックス1が第二状態に維持される(枠部20を持ち上げても枠部20と底部10が離れてしまうことがない)構成となるため、保管や運搬時(非使用時)の利便性に優れる。また、段ボールと違って保管がしやすく、壊れにくい等により汎用性を高めることが可能となる。
【0042】
第一状態で収容空間Sの挿入口を封鎖するときや、第二状態において蓋部50と枠部20を接合するために用いられる第一接合部21と、第二状態において枠部20と底部10を接合するために用いられる第二接合部22は、接合部材23に一体的に設けられた構成とすることが可能である。また、上記実施形態では、第二状態にあるときに第一接合部21と第一被接合部11が接続可能となるように構成されているが、これとは別に第一状態にあるときに第一接合部21が接続可能な被接合部が第二側板部40に設けられていてもよい。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。