特許第5771863号(P5771863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5771863
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】可撓管の包装形態
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/04 20060101AFI20150813BHJP
   B65D 75/62 20060101ALI20150813BHJP
   B65D 77/04 20060101ALN20150813BHJP
【FI】
   B65D85/04
   B65D75/62 A
   !B65D77/04 D
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-506438(P2015-506438)
(86)(22)【出願日】2014年9月24日
(86)【国際出願番号】JP2014075234
【審査請求日】2015年4月9日
(31)【優先権主張番号】特願2013-197597(P2013-197597)
(32)【優先日】2013年9月24日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000134534
【氏名又は名称】株式会社トヨックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 良弘
(72)【発明者】
【氏名】金井 克雅
(72)【発明者】
【氏名】中川 芳博
【審査官】 村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4607746(US,A)
【文献】 登録実用新案第3041647(JP,U)
【文献】 特開2001−158479(JP,A)
【文献】 米国特許第4529148(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/04
B65D 75/62
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の可撓管が在庫分としてストックされ、前記在庫分から前記可撓管の所望長さ分を切り売りする可撓管の包装形態であって、
変形可能な軟質材料からなる前記可撓管と、
前記可撓管の周囲に沿って設けられる筒状の包装体と、を備え、
前記包装体は、切断及び変形可能な材料からなり、前記可撓管の屈曲変形に追随して変形可能となるように覆うことを特徴とする可撓管の包装形態。
【請求項2】
前記包装体として、一方向へ裂け易い物性を有するフィルムが用いられ、その裂け方向を前記可撓管の長尺方向と一致するように配置することを特徴とする請求項1記載の可撓管の包装形態。
【請求項3】
前記包装体にその長尺方向へ切り線を形成することを特徴とする請求項1記載の可撓管の包装形態。
【請求項4】
前記可撓管の周囲に前記包装体を、前記可撓管の外表面と前記包装体の内表面との間に空間部が形成されるように覆うことを特徴とする請求項1、2又は3記載の可撓管の包装形態。
【請求項5】
前記包装体が透明又は半透明の材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可撓管の包装形態。
【請求項6】
前記包装体に突出片を前記切り線に沿うように設けることを特徴とする請求項3記載の可撓管の包装形態。
【請求項7】
前記可撓管の切断された端面に閉塞部材を取り付け、前記閉塞部材が、前記端面と対向して覆う蓋部を有することを特徴とする請求項1記載の可撓管の包装形態。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースやチューブなどからなる長尺の可撓管から所望長さ分の可撓管を切断して販売する切り売りタイプに用いられる可撓管の包装形態に関する。
詳しくは、食品や医療など衛生基準が高い環境で用いられる可撓管の包装形態に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の可撓管として、所定の長さに切断するための目盛が外周面に表示されていることにより、可撓管に巻きぐせがついている場合等においても、スケール等による測定を要することなく切断すべき長さに決定して、所定の長さに容易かつ確実に切断可能にしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平01−075679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、切り売りされる可撓管の中には、主成分がシリコーンゴムなどの粘着性や自己融着性を有する材料で形成されて、静電気などによりホコリや汚れなどの異物が付着し易いものがある。このような可撓管は、その外表面などにホコリや汚れなどの異物が付着しないように、環状に巻き付けた状態で袋に入れて密封したまま、輸送し在庫管理する必要があるとともに、切断されてから目的とする設備に配管接続されるまでの間においても、袋に入れるなどして外気に触れないようにしている。
しかし、袋に入れて在庫管理しても切断時においては、袋から可撓管を取り出してテーブルなどに置いて切断作業を行うため、在庫分となる可撓管と、在庫分から切断された切り売り分の可撓管の双方に、ホコリや汚れなどの異物が付着するおそれがある。特に、可撓管が食品や医療など衛生基準が高い環境の設備に配管接続される場合には、切り売り分の可撓管を配管接続する直前に、洗浄する必要があって、手間がかかるという問題があった。
これを防止するには、切断時に使用するテーブルなどを塵一つ無い清潔な状態になるまで清掃するか、或いは可撓管が何も触れないように空中で保持しながら切断しなければならず、いずれにしても作業が大変で非常に面倒であり、その作業性に劣るという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、在庫管理時及び切断時並びに切断後において可撓管の外表面を外気に触れることなく保つこと、などを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために本発明は、長尺の可撓管が在庫分としてストックされ、前記在庫分から前記可撓管の所望長さ分を切り売りする可撓管の包装形態であって、変形可能な軟質材料からなる前記可撓管と、前記可撓管の周囲に沿って設けられる筒状の包装体と、を備え、前記包装体は、切断及び変形可能な材料からなり、前記可撓管の屈曲変形に追随して変形可能となるように覆うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前述した特徴を有する本発明は、在庫分となる可撓管から所望長さ分だけ切り売りする時に、可撓管から包装体を剥がすことなく可撓管の周囲が包装体で覆われた状態で、可撓管とともに包装体を一緒に切断することにより、在庫分の可撓管の外表面が露出しないと同時に、切り売り分となる可撓管の外表面が露出しない状態で分離される。在庫分の可撓管は、その外表面が包装体により覆われた状態でストックされ、切り売り分の可撓管は、その外表面が包装体により覆われた状態で持ち運びが可能となる。
したがって、在庫管理時及び切断時並びに切断後において可撓管の外表面を外気に触れることなく保つことができる。
その結果、可撓管の外表面にホコリや汚れなどの異物が付着することや変色などを防止することができて、可撓管の外表面を衛生的に保持できる。可撓管がシリコーンゴムなどのような粘着性を有し且つ電気絶縁性の高い材料で形成されて、静電気などによりホコリや汚れなどの異物が外表面に付着し易いものの場合には、特に有効である。
さらに、切り売り分の可撓管が食品や医療など衛生基準が高い環境の設備に配管接続される場合であっても、配管接続する直前に可撓管を洗浄する必要がないとともに、切断場所を選ぶことなく何処でも簡単に切断できて、作業性に優れる。
また、可撓管が自己融着性を有する材料からなる場合には、可撓管を環状に巻き付けた時に外表面同士の接着を防止できる。
またさらに、切り売り分の可撓管は、包装体で覆われるため、更なる梱包が不必要となるか又は最小の梱包で衛生的に保てるため、梱包の手間を省って経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る可撓管の包装形態の全体構成を示す説明図であり、(a)が切り売り時の斜視図、(b)が可撓管及び包装体の部分拡大図である。
図2】本発明の実施形態に係る可撓管の包装形態の変形例を示す説明図であり、収納容器に収納された可撓管を切り売りする時の斜視図である。
図3】切り線の変形例を示す説明図であり、(a)が開封前の部分拡大斜視図、(b)が開封時の部分拡大斜視図である。
図4】可撓管の端面を閉塞部材で閉鎖した例の部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る可撓管1の包装形態Aは、図1図4に示すように、長尺の可撓管1が在庫分Stとしてストックされ、在庫分Stの可撓管1においてその長尺方向の先端から、使用者が必要とする可撓管1の所望長さ分だけを切断して販売する、所謂「切り売り」タイプの販売方式に用いられる。
この販売方式の代表例としては、長尺の可撓管1を環状に巻き付けてストックし、在庫分Stの可撓管1から所望長さ分だけを巻き戻して切断し、切り売り分Saの可撓管1と分離させている。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る可撓管1の包装形態Aは、変形可能な軟質材料からなる可撓管1と、可撓管1の周囲に沿って設けられる筒状の包装体2と、を主要な構成要素として備えている。
【0010】
可撓管1は、主成分が例えばシリコーンゴムやその他のゴム、塩化ビニルやオレフィンなどの軟質合成樹脂で屈曲変形可能に形成されるホースやチューブなどであり、ハサミやカッターなどの刃物Cで容易に切断可能に構成している。
可撓管1がシリコーンゴムなどのような粘着性を有し且つ電気絶縁性の高い材料で形成される場合には、可撓管1の外表面1aに粘着性があり、静電気などによってホコリや汚れなどの異物が付着し易いという性質を有している。
さらに、可撓管1がシリコーンゴムなどのような透過性に優れた材料で形成される場合には、可撓管1の内部を通る気体や流体などが透過して可撓管1の外表面1aにしみ出し易いという性質を有している。
また、可撓管1が自己融着性を有する材料で形成される場合には、可撓管1を環状に巻き付けた時に外表面1a同士の接着し易いという性質を有している。
【0011】
そして、可撓管1の外表面1aには、その長さを測定するための検尺手段として、検尺マーク1bを設けることが好ましい。
検尺マーク1bは、可撓管1の長手方向へ所定長さ毎に設けられ、複数の異なる形態(形状)の表示を、メートル単位などの大区画毎やセンチメートル単位などの小区画毎に周期性を持って配置することが好ましい。
また、可撓管1の外表面1aには、検尺マーク1bの他に、識別用の有色ライン1cや可撓管1の品番、サイズ、名称、製造日などの情報(図示しない)を設けることも可能である。
【0012】
包装体2は、合成樹脂フィルムなどの切断及び変形可能な材料で筒状に形成され、可撓管1の周囲を、可撓管1の屈曲変形に追随して変形可能となるように覆うように配置されている。
包装体2としては、例えばポリエチレンなどのように、その分子構造や成形方法によって一方向へ裂け易い(裂ける)物性を有するフィルムやシートなどが用いられ、その裂け方向が包装体2及び可撓管1の長尺方向と一致するように配置されることにより、包装体2を可撓管1の長尺方向へ裂け易くすることが好ましい。
詳しく説明すると、例えばTダイ成形により製造される高密度ポリエチレンなど、延伸方向へ簡易に裂くことが可能なフィルムを用いることが好ましい。
さらに必要に応じて、包装体2には、その長尺方向へ切り線2aを形成することが好ましい。
また、包装体2は、可撓管1の外径よりも大径な筒状に形成することが好ましい。それにより、可撓管1の周囲に包装体2を、可撓管1の外表面1aと包装体2の内表面2bとの間に空間部3が形成されるように覆って、可撓管1の外表面1aと包装体2の内表面2bを一定間隔に保つことが可能となる。
包装体2の具体例として、図1(a)(b)及び図2図3(a)(b)に示される場合には、帯状に裁断されたフィルムやシートなどを用い、可撓管1の周囲に巻き付けてその幅方向端部を固着することにより、筒状に形成されて、この筒状部2cと可撓管1の外表面1aとの間に空間部3を形成している。可撓管1の幅方向端部の固着方法としては、熱溶着や接着剤などが用いられ、包装体2の幅方向両端部を重ね合わせて、この重ね合わせ部2sを線状又は面状に固着することが好ましい。
また、その他の例として、図4に示されるように、包装体2として予め筒状に形成されたフィルムやシートなどを用い、その筒状部2cの内部に可撓管1が挿通されることにより、筒状部2cと可撓管1の外表面1aとの間に空間部3を形成することも可能である。
【0013】
切り線2aは、包装体2の厚み方向へ貫通する貫通孔が所定間隔毎に連続するように形成されるミシン目や、包装体2の厚み方向へ部分的に凹設された穴が連続して形成される切り込みなどによって、刃物などを用いなくとも人力で容易に切り離せるように構成されている。
切り線2aの加工方法としては、帯状の包装体2に前記ミシン目や前記切り込みなどを入れながら、可撓管1の周囲に包装体2が巻き付けられることで、切り線2aの形成と同時に可撓管1の周囲を被覆することが好ましい。また筒状の包装体2に前記ミシン目や前記切り込みなどを入れながら、可撓管1が挿入されることで、切り線2aの形成と同時に可撓管1の周囲を被覆することも可能である。
切り線2aの具体例として、図1図4に示される例の場合には、短い線状の貫通孔が直線方向へ等間隔毎に連続するように形成されるミシン目であり、このミシン目と交差する方向に引っ張り力を加えることで、ミシン目に沿って包装体2が簡単に切れるように構成されている。
また、その他の例として図示しないが、ミシン目となる短い線状の貫通孔の長さや間隔を変更したり、貫通孔の形状を短い線状に代えてV字形やV字形と線状の組み合わせに変更したり、切り線2aとしてミシン目に代え前記切り込みを用いるなど、図示例以外の形状に変更することも可能である。
さらに、図1及び図2に示される例の場合には、包装体2において重ね合わせ部2sの端縁となる固着部位に沿って切り線2a(ミシン目)が一本配置され、可撓管1の切断された端面1dを包装体2内で露出させている。
また、その他の例として、切り線2aを包装体2の周方向へ複数本配置したり、可撓管1の切断された端面1dを別部材で閉鎖したり変更することも可能である。
【0014】
このような本発明の実施形態に係る可撓管1の包装形態Aによると、在庫分Stの可撓管1から所望長さ分だけ切り売りする時に、可撓管1から包装体2を剥がすことなく可撓管1の周囲が包装体2で覆われたままの状態で、可撓管1とともに包装体2をハサミやカッターなどの刃物Cにより一緒に切断する。
それにより、在庫分Stの可撓管1の外表面1aが露出せず外の雰囲気に触れないと同時に、切り売り分Saの可撓管1の外表面1aが露出せず外の雰囲気に触れない状態で分離される。
そのため、在庫分Stの可撓管1は、その外表面1aが包装体2により覆われたままの状態でストックされる。切り売り分Saの可撓管1は、その外表面1aが包装体2により覆われたままの状態で覆われたまま持ち運びが可能となる。
したがって、在庫管理時及び切断時並びに切断後において可撓管1の外表面1aを外気に触れることなく保つことができる。
その結果、可撓管1の外表面1aにホコリや汚れなどの異物が付着することや変色などを防止することができて、可撓管1の外表面1aを衛生的に保持できる。可撓管1がシリコーンゴムなどのような粘着性を有し且つ電気絶縁性の高い材料で形成されて、静電気などによりホコリや汚れなどの異物が外表面1aに付着し易いものの場合には、特に有効である。
さらに、切り売り分Saの可撓管1が食品や医療など衛生基準が高い環境の設備に配管接続される場合であっても、配管接続する直前に可撓管1を洗浄する必要がないとともに、切断場所を選ぶことなく何処でも簡単に切断できて、作業性に優れる。
また、可撓管1が自己融着性を有する材料からなる場合には、可撓管1を環状に巻き付けた時に外表面1a同士の接着を防止できる。
またさらに、切り売り分Saの可撓管1は、包装体2で覆われるため、更なる梱包が不必要となるか又は最小の梱包で衛生的に保てるため、梱包の手間を省って経済的である。
【0015】
特に、包装体2として、一方向へ裂け易い物性を有するフィルムが用いられ、その裂け方向を可撓管1の長尺方向と一致するように配置する場合には、切り売り分Saの可撓管1を覆う包装体2において、その裂け方向と交差する径方向に対向する部位を両手で摘むなど、径方向へ引っ張り力を加えることにより、包装体2が可撓管1の長尺方向へ裂け、切り売り分Saの包装体2の全長に亘って切れ目が入る。
したがって、切り売り分Saの可撓管1からその全長に亘って包装体2を容易に剥がし取ることができる。
その結果、可撓管1を配管接続した後に、包装体2の全てを簡単で且つスムーズに除去できる。そのため、可撓管1がシリコーンゴムなどのような透過性に優れた材料からなる場合であっても、配管接続された可撓管1を透過した気体や流体などが可撓管1の外表面1aと包装体2の間に貯まることがなく、衛生的に維持することができる。
【0016】
さらに、包装体2にその長尺方向へ切り線2aを形成する場合には、切り売り分Saの可撓管1を覆う包装体2において、包装体2の長尺方向(切り線2aの形成方向)と交差する径方向に対向する部位を両手で摘むなど、径方向へ引っ張り力を加えることにより、包装体2(筒状部2c)が可撓管1の長尺方向へ裂け、切り売り分Saの包装体2の全長に亘って切れ目が入る。
したがって、切り売り分Saの可撓管1からその全長に亘って包装体2を更に容易に剥がし取ることができる。
その結果、可撓管1を配管接続した後に、包装体2の全てを更に簡単で且つスムーズに除去できる。そのため、可撓管1がシリコーンゴムなどのような透過性に優れた材料からなる場合であっても、配管接続された可撓管1を透過した気体や流体などが可撓管1の外表面1aと包装体2の間に貯まることがなく、衛生的に維持することができる。
【0017】
また、可撓管1の周囲に包装体2を、可撓管1の外表面1aと包装体2の内表面2bとの間に空間部3が形成されるように覆う場合には、可撓管1がシリコーンゴムなどのような粘着性を有する材料からなるものであっても、可撓管1の外表面1aに包装体2(筒状部2c)が接触し難くなると同時に、切り売り分Saの可撓管1を覆う包装体2において径方向に対向する部位を両手で摘むことが可能になって、可撓管1から包装体2が取り外し易くなる。
したがって、可撓管1の外表面1全体に包装体2が密着せず可撓管1から包装体2を容易に剥がし取ることができる。
その結果、可撓管1を配管接続した後に、包装体2の全てを速やかで且つ確実に除去できる。そのため、可撓管1がシリコーンゴムなどのような透過性に優れた材料からなる場合であっても、配管接続された可撓管1を透過した気体や流体などが可撓管1の外表面1aと包装体2の間に貯まることがなく、衛生的に維持することができる。
【実施例1】
【0018】
次に、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1は、図1(a)(b)に示すように、包装体2が透明又は半透明の材料からなり、外部から透明や半透明の包装体2を透して可撓管1の外表面1aが目視で確認可能となるように構成している。
詳しく説明すると、包装体2は、無色透明のフィルムを用いることが好ましい。
また、その他の例として、外部から包装体2を透して可撓管1の外表面1aが目視で確認可能であれば、無色透明に比べて透明度が低い半透明や有色透明のフィルムを用いることも可能である。
【0019】
さらに、実施例1では、図1(a)に示されるように、円筒状のボビンBに対し、包装体2で覆われた可撓管1を環状に巻き付けることにより、長尺な可撓管1が在庫分Stとしてストックされるように構成されている。ボビンBは、什器(図示しない)などによって回転自在に支持される。
切り売り時には、ボビンBとともに在庫分Stの長尺な可撓管1を回転することにより、可撓管1の先端部位が巻き戻って所望長さ分だけ引き出され、可撓管1とともに包装体2を一緒に切断している。
図1(a)に示される例では、ボビンBが、芯筒B1の外周面の両端に一対のフランジB2が周設され、ボビンBの構成材料としては、段ボールや厚紙などの紙材を用いるか、又は合成樹脂などを用いている。ボビンBの芯筒B1には、包装体2で覆われた可撓管1の基端部位が貫通して係止される通孔B3を貫通開穿し、包装体2で覆われた可撓管1の基端部位を通孔B3から芯筒B1の内周面から若干突出させることにより、包装体2で覆われた可撓管1を芯筒B1に対して位置決めすることが好ましい。
また、その他の例として、ボビンBが図示例以外の形状のものを用いることも可能である。
【0020】
このような本発明の実施例1に係る可撓管1の包装形態Aによると、図1(a)(b)に示されるように、外部から透明又は半透明の包装体2を透して可撓管1の外表面1aが目視で確認可能となる。
したがって、可撓管1の外表面1aに設けられた品番、サイズ、名称、製造日などの情報を確認しながら可撓管1を切断することができる。
特に、可撓管1の外表面1aに検尺マーク1bが設けられる場合には、検尺マーク1bに基づいて定尺の切断が可能となり、切断作業が非常に簡単で利便性に優れるという利点がある。
【0021】
さらに、図1(a)に示されるように、ボビンBに対し、包装体2で覆われた可撓管1を環状に巻き付けてストックした場合には、在庫分Stとして長尺な可撓管1及び包装体2をボビンBにストックできるという利点がある。
なお、在庫分Stとなる包装体2で覆われた可撓管1の先端開口部と基端開口部や、切り売り分Saとなる可撓管1の切断された開口部には、図4に示されるように、閉塞部材4をそれぞれ着脱自在に装着して、在庫分Stとなる可撓管1の内部や切り売り分Saとなる可撓管1の内部に異物が入らないようにすることが好ましい。閉塞部材4としては、キャップや袋などが挙げられる。
また、在庫分St及び切り売り分Saにおいて包装体2を、可撓管1の全長よりも包装体2の全長の方が若干長くなるように覆い、切り売り分Saでは、可撓管1の全長よりも包装体2の全長が若干長くなるように切断することが好ましい。
その結果、切り売りされた可撓管1を覆う可撓管1の両端部を縛るなどして密閉することにより、切り売り分Saの可撓管1の内部に異物が侵入することを防止できる。
【実施例2】
【0022】
この実施例2は、図2に示すように、包装体2で覆われた可撓管1を環状に巻き付け、この環状体12を収納容器Pの内部に収納することにより、長尺な可撓管1が在庫分Stとしてストックされる構成が、図1に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1に示した実施例1と同じものである。
切り売り時には、収納容器Pより環状体12を取り出し、環状体12から可撓管1の先端部位が所望長さ分だけ引き出され、可撓管1とともに包装体2を一緒に切断している。
【0023】
図2に示される例では、収納容器Pが、上面が開口した収納箱P1と、その上面開口部を覆う蓋体P2で構成される。収納箱P1の内部に環状体12を収納して蓋体P2で被蓋することにより、長尺な可撓管1が在庫分Stとしてストックされている。切り売り時には、収納容器Pの収納箱P1から蓋体P2を取り外すことにより、収納箱P1に環状体12を収納したままの状態で、環状体12の先端部位を所望長さ分だけ引き出して、可撓管1とともに包装体2を一緒に切断することができる。
また、その他の例として、収納容器Pが収納箱P1及び蓋体P2に代えて図示例以外の形状のものを用いることも可能である。
【0024】
このような本発明の実施例2に係る可撓管1の包装形態Aによると、ボビンBや回転支持用の什器が必要ないため、比較的にコンパクトで安価に在庫管理できるという利点がある。
【実施例3】
【0025】
この実施例3は、図3(a)(b)に示すように、包装体2に、突出片2dを切り線2aに沿うように設け、突出片2dを指Fなどで挟持して切り線2aの分離方向に引くことにより、包装体2の全長に亘って切れ目2eが入るようにし、それ以外の構成は図1に示した実施例1又は図2に示した実施例2と同じものである。
突出片2dは、可撓管1の周囲を覆う包装体2の筒状部2cから突出して、切り線2aと平行に沿うよう一体的に形成される。
【0026】
突出片2dの具体例として、図1及び図2図3(a)(b)に示されるように、帯状に裁断されたフィルムやシートなどからなる包装体2をその幅方向端部が重なり合うように巻き付け、この重ね合わせ部2sを線状又は面状固着して筒状部2cが一体形成される場合には、重ね合わせ部2sが突出片2dとなる。
図示例の場合には、包装体2の幅方向端部がそれぞれ同じ長分だけ突出した重ね合わせ部2sを突出片2dとしているが、包装体2の幅方向端部のいずれか一方を他方に比べ長く突出させて突出片2dとすることも可能である。つまり、突出片2dは、筒状部2cが突出するフィルムやシートが二枚分の部分、フィルムやシートが一枚分の部分どちらでもよい。
また、その他の例として、図4に示されるように、包装体2として、予め筒状に形成されたフィルムやシートなどを用い、その筒状部2cの内部に可撓管1が挿通される場合には、筒状部2cの一端縁を線状に固着することにより、筒状部2cに隣接して筒状の突出片2dを一体形成することも可能である。
【0027】
さらに、図3(a)(b)に示されるように、突出片2dを挟んで切り線2a(ミシン目)を二本以上配置し、これら切り線2aが挟まれるように筒状部2cのいずれか一方の部位を他方の部位に対し、切り線2aと交差する方向に引くことにより、筒状部2cが切り離されて切れ目2eを入れることが好ましい。
必要に応じて、切り線2a(ミシン目)の近くには、包装体2(筒状部2c)の開封方向を示す表示マーク2mを設けることが好ましい。
【0028】
このような本発明の実施例3に係る可撓管1の包装形態Aによると、包装体2の突出片2dを摘むなどして、表示マーク2mで示される方向へ引くことで、突出片2dが引き手となるため、包装体2(筒状部2c)の全長に亘って切れ目2eがスムーズに入る。
したがって、可撓管1からその全長に亘って包装体2を更に容易に剥がし取ることができて、作業性に優れるという利点がある。
特に、図3(a)(b)に示されるように、突出片2dを挟んで切り線2a(ミシン目)を二本以上配置し、突出片2dが含まれた筒状部2cの一方の部位を他方の部位に対し、切り線2aと交差する方向に引く場合には、突出片2dを含めて筒状部2cの一方の部位が他方の部位から確実に切り離されるため、更に作業性に優れるという利点がある。
【実施例4】
【0029】
この実施例4は、図4に示すように、在庫分Stとなる可撓管1の切断された端面1dや切り売り分Saとなる可撓管1の切断された端面1dに対し、閉塞部材4を取り付け、閉塞部材4が、可撓管1の切断された端面1dと対向して覆う蓋部4aを有する構成が、図1に示した実施例1又は図2に示した実施例2若しくは図3に示した実施例3とは異なり、それ以外の構成は図1に示した実施例1又は図2に示した実施例2若しくは図3に示した実施例3と同じものである。
閉塞部材4は、合成樹脂などの弾性変形可能な材料で形成され、可撓管1の切断された端面1dと対向する蓋部4aと、可撓管1の切断された末端部の外表面1a又は内表面1eのいずれか一方か、若しくは外表面1a及び内表面1eの両方と嵌り合う嵌合部4bと、を有している。
さらに、閉塞部材4は、可撓管1の切断された端面1dだけでなく、包装体2の端部2fをも含めて覆うことが好ましい。
【0030】
図4に示される例では、閉塞部材4として、可撓管1の切断された末端部の外表面1aと嵌り合う円筒状の嵌合部4bを、円板状の蓋部4aに一体形成することで、有底筒状に形成されたキャップを用いている。可撓管1の切断された末端部に対し、閉塞部材4となる有底筒状のキャップを着脱自在に取り付けることにより、円筒状の嵌合部4bが包装体2の端部2fを挟むように可撓管1の切断された末端部の外表面1aと嵌合して閉塞し、円板状の蓋部4aが可撓管1の切断された端面1dと対向して閉塞している。
さらに、図4に示される例では、包装体2として、予め筒状に形成されたフィルムやシートなどを用い、その筒状部2cの内部に可撓管1が挿通される場合を示している。図示例の場合には、包装体2の端部2fとして、筒状部2cの端部だけでなく、筒状部2cに隣接して一体形成される筒状の突出片2dの端部を折り畳み、可撓管1の切断された末端部の外表面1aと円筒状の嵌合部4bとの間に挟み込んでいる。
また、その他の例として図示しないが、閉塞部材4のキャップとして、可撓管1の切断された末端部の内表面1eと嵌り合う円柱状又は円筒状の嵌合部が一体形成されたものを用いたり、可撓管1の切断された末端部の外表面1a及び内表面1eの両方に嵌合する二重筒状の嵌合部が一体形成されたものを用いたり、閉塞部材4としてキャップに代え袋などを用いたり、予め筒状に形成された包装体2に代えて、図1(a)(b)及び図2図3(a)(b)に示されるような、帯状に裁断されたフィルムやシートなどからなる包装体2をその幅方向端部が重なり合うように巻き付けたり変更することも可能である。
【0031】
このような本発明の実施例4に係る可撓管1の包装形態Aによると、在庫分Stとなる可撓管1の切断された端面1dや切り売り分Saとなる可撓管1の切断された端面1dに対し、閉塞部材4が取り付けられて、蓋部4aで可撓管1の端面1dを覆うことにより、可撓管1の端面1dが露出せず、外気に触れることなく保たれる。
したがって、在庫管理時及び切断時並びに切断後において可撓管1の切断された端面1dにホコリや汚れなどの異物が付着することや変色などを防止することができる。
その結果、可撓管1の切断された端面1dを衛生的に保持できる。可撓管1がシリコーンゴムなどのような粘着性を有し且つ電気絶縁性の高い材料で形成されて、静電気などによりホコリや汚れなどの異物が可撓管1の端面1dに付着し易いものの場合には、特に有効である。
特に、可撓管1の切断された端面1dだけでなく、包装体2の端部2fをも含めて閉塞部材4で覆った場合には、可撓管1の切断された端面1dにおける密閉度が向上して、ホコリや汚れなどの異物付着や変色などを更に防止できる。
また、蓋部4aには、閉塞部材4の外側へ向けて突出する取っ手4cを設けて、可撓管1の切断された端面1dや包装体2の端部からの取り外しを容易にすることが好ましい。
【0032】
なお、図1図4に示される例では、包装体2にミシン目などからなる切り線2aを設けたが、これに限定されず、包装体2にミシン目などからなる切り線2aを設けなくてもよい。
さらに、図3(a)(b)及び図4に示される例では、可撓管1の外表面1aに検尺マーク1bや識別用の有色ライン1cや可撓管1の情報を設けていないが、これに限定されず、検尺マーク1bや識別用の有色ライン1cや可撓管1の情報を設けてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 可撓管 1a 外表面
1d 端面 2 包装体
2a 切り線 2b 内表面
2d 突出片 3 空間部
4 閉塞部材 4a 蓋部
St 在庫分 Sa 切り売り分
【要約】
在庫管理時及び切断時並びに切断後において可撓管の外表面を外気に触れることなく保つ。
在庫分Stとなる可撓管1から所望長さ分だけ切り売りする時に、可撓管1から包装体2を剥がすことなく可撓管1の周囲が包装体2で覆われた状態で、可撓管1とともに包装体2を一緒に切断することにより、在庫分Stの可撓管1の外表面1aが露出しないと同時に、切り売り分Saとなる可撓管1の外表面1aが露出しない状態で分離される。在庫分Stの可撓管1は、その外表面1aが包装体2により覆われた状態でストックされ、切り売り分Saの可撓管1は、その外表面1aが包装体2により覆われた状態で持ち運びが可能となる。
図1
図2
図3
図4