(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5771886
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】ベルトクリーナ
(51)【国際特許分類】
B65G 45/16 20060101AFI20150813BHJP
B65G 45/12 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
B65G45/16 A
B65G45/12 A
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-143998(P2014-143998)
(22)【出願日】2014年7月14日
【審査請求日】2014年9月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】312010308
【氏名又は名称】マフレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大徳 一美
【審査官】
八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−219262(JP,A)
【文献】
特開2014−043332(JP,A)
【文献】
実開昭56−036628(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0220461(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0201783(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 45/12
B65G 45/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップを短冊状金属製板バネの自由端末にネジ止めし、該短冊状の金属製板バネの固定端末を固定して戻り側ベルトの幅方向に列設したベルトクリーナにおいて、前記短冊状の金属製板バネの背面に摺動用ガイドを設け、隣接する前記摺動用ガイド同士の摺動用ガイド側面及び隣接する前記チップ同士のチップ側面が摺動するようにしたことを特徴とするベルトクリーナ。
【請求項2】
前記摺動用ガイドが摺動用ガイドブロックであることを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
【請求項3】
前記摺動用ガイドが摺動用ガイドプレートであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルトクリーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原料の輸送に用いるベルトコンベアのベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナに関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所、製鉄所、化学プラント、ゴミ処理場、下水処理場などではベルトコンベアは最も効率のよい大量運搬手段であることから、各種原料、燃料、処理済み材料、廃棄物などを搬送するためにベルトコンベアが多数使用されている。一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(付着物)が途中で落下し、ベルト下に堆積する問題があった。又、リターンローラやキャリアローラを摩耗させたり、ローラに付着しベルトを蛇行させたりする問題があった。
【0003】
ベルトに搬送物が付着するとリターンベルト表面の付着物が落下し、ベルト下に堆積するが、特にスナッププーリ、テンションプーリ、リターンローラの下に選択的に落下・堆積しやすい。堆積物を放置するとリターンローラや戻りベルトの位置まで成長しこれらを摩耗させる。又、落下物の放置は作業環境の悪化や資源の損失となるため、定期的に落下物の回収作業を実施しているが、ベルトの全長に渡り落下しているので多大の労力と費用がかかっている。又、落鉱回収作業は機械化が困難であり人力に頼る必要があり3K作業の繰り返しとなっている。落下した落下物は回収して再利用する場合もあるが、土砂や小石などとの篩分けが必要となりコスト高となるため、廃棄処分する場合が多く資源の無駄遣いとなっている。このため、出来るだけベルトクリーナを用いて一定の場所で落下物を掻き落として効率的に回収する方法が採用されている。ベルトクリーナとしては、固定された掻き板をベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシをベルトに接触させるブラシ方式や高圧の流体を吹き付けて付着物を除去する洗浄方式があるが、構造が簡単なことや整備性の優れたスクレーパ方式が多用されている。
【0004】
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では5〜6mmの厚み差が生じる。又、100m以上の機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対するベルトクリーナの押圧調整は、摩耗の一番大きな中央部分に合わせることになるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一となる。又、ベルトのエンドレス部は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部はベルト表面から突出するのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損したり、ベルトクリーナの押圧力が大きいと逆にエンドレスの剥がれを助長しベルト切断の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために必須のアイテムではあるが、適切な取り付けや使用方法を間違うとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。又、ベルトクリーナの付着物掻き取り性能を適正に維持するためには、ベルト稼動中に付着物の掻き取り状況を見ながらベルトクリーナとベルトとの接触圧の調整を行うのが最良であるが、安全上の問題で困難であった。このようにベルトクリーナがクリアするべき課題はたくさんあり最大公約数的に全ての課題に対応するのは極めて困難である。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
【0005】
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)確実に、長時間にわたり付着物を掻き取ることができる。(2)チップの交換が容易である。(3)掻き取り部のチップの寿命が長く調整周期や取り換え周期が長い。(4)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。(5)付着物がベルトに強固に付着している場合やベルトのエンドレス部(接続部)に剥がれが生じている場合、チップがベルトの搬送方向に大きく撓んで、これらの障害物をやり過ごすことによりベルトクリーナの破損を回避できる。(6)ベルトクリーナの構造がシンプルでコンパクトであり、ベルトクリーナの取り付け取り外しが容易である。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているがそれぞれ問題あり根本的な方法は具現化されていない。
【0006】
特開2013−252976号広報において、ゴムからなる弾性体の自由端部にアンカー部を埋め込んでチップスティックを形成し、チップスティックを戻り側ベルトの幅方向に配設した架台に複数並べたベルトクリーナが提案されているが、剛性の調整が難しく、高速で走行する突起物の回避が遅れてベルトを損傷する問題や、付着物の掻き取りが不十分な問題があった。
【0007】
特開2014−043332号広報において、チップと金属製板バネを接合してなる複数のチップスティックを、ベルトの幅方向に並べ、チップスティックの下部を、ベルトの幅方向に配設した架台に固定したベルトクリーナが提案されているが、剛性の調整が難しく、高速で走行する突起物の回避が遅れてベルトを損傷する問題や、付着物の掻き取りが不十分な問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献01】特開2013−252976号広報
【特許文献02】特開2014−043332号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)ベルト表面の摩耗状況や付着物の付着力に応じて柔軟にチップが追随して確実に付着物を掻き取ることができるようにする。そのためにはチップの幅を小分割にしてベルトの小さな凹凸に細かに追随できるようにする。(2)強固な付着物やエンドレスの剥がれなどの障害物に対してはチップが逃げられるようにする。その手段として、チップをベルトの搬送方向に大きく撓ませてこれらの障害物をやり過ごせるようにする。又、高速で衝突する障害物を瞬時に回避するためにチップスティックの幅を極力小さくして軽量化しチップスティックの慣性モーメントを低減する。(3)短冊状の金属製板バネの製作と取付けを容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、
チップを短冊状金属製板バネの自由端末にネジ止めし、該短冊状の金属製板バネの固定端末を固定して戻り側ベルトの幅方向に列設したベルトクリーナにおいて、前記短冊状の金属製板バネの背面に摺動用ガイドを設け、隣接する前記摺動用ガイド同士の摺動用ガイド側面及び隣接する前記チップ同士のチップ側面が摺動するようにしたことを特徴とするベルトクリーナである。
【0011】
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、
前記摺動用ガイドが摺動用ガイドブロックであることを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナである。
【0012】
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、
前記摺動用ガイドが摺動用ガイドプレートであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルトクリーナである。
【発明の効果】
【0013】
第1の解決手段による効果は以下である。
(1)摺動用ガイドがブロックであることからガイドの剛性を高くできるのでチップの摺動運動が安定する。(2)チップを短冊状の金属製板バネと摺動用ガイドで強固に固定できる。(3)チップの幅を小分割にしてベルトの小さな凹凸に細かに追随できるようにしていることから、ベルト表面の摩耗状況や付着物の付着力に応じて柔軟にチップが追随して確実に付着物を掻き取ることができる。
【0014】
第2の解決手段による効果は以下である。
(1)摺動用ガイドがブロックであることからガイドの剛性を高くできるのでチップの摺動運動が安定する。(2)チップを短冊状の金属製板バネと摺動用ガイドで強固に固定できる。
【0015】
第3の解決手段による効果は以下である。
(1)摺動用ガイドを、金属板をプレスして形成するので軽量化できる。(2)チップを短冊状の金属製板バネと摺動用ガイドで強固に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】は、チップを短冊状金属製板バネに取り付けたクリーナの斜視図。
【
図2】は、くの字状の屈曲部を設けた短冊状金属製板バネの部分斜視図。
【
図3】は、円弧状の屈曲部を設けた短冊状の金属製板バネの部分斜視図
【
図4】は、チップの側面を摺動可能にしたクリーナの正面図と側面図。
【
図5】は、側面が摺動可能なチップを取り付けた短冊状の金属製板バネの列設図。
【
図6】は、摺動用ガイドブロックを取り付けたチップの側面図と平面図。
【
図7】は、摺動用ガイドプレートを取り付けたチップの側面図と平面図。
【
図8】は、金属板に切り込みを入れて短冊状の金属製板バネを形成した正面図。
【
図9】は、金属板に切り込みを入れて短冊状の金属製板バネを形成した正面図。
【
図10】は、金属板に切り込みを入れて短冊状の金属製板バネを形成した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を請求項と
図1〜
図10に基づいて説明する。
【0018】
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、
チップ20を短冊状金属製板バネ30の自由端末30aにネジ21止めし、該短冊状の金属製板バネ30の固定端末30bを固定して戻り側ベルト50の幅方向に列設したベルトクリーナ10において、前記短冊状の金属製板バネ30の背面30fに摺動用ガイド240を設け、隣接する前記摺動用ガイド240同士の摺動用ガイド側面240a及び隣接する前記チップ20同士のチップ側面20aが摺動するようにしたことを特徴とするベルトクリーナ10である。
【0019】
図1は、チップ20を自由端末30aに固定した短冊状の金属製板バネ30を架台40に列設し、戻り側ベルト50に取り付けた図である。
図2は、複数のくの字状屈曲部31、31aを設けた短冊状の金属製板バネ30を列設した図である。
図3は、円弧状の複数の屈曲部31,31bを設けた短冊状の金属製板バネ30を列設した図である。
図4は、側面を摺動可能にしたチップ20を短冊状の金属製板バネ30に取り付けた図で、
図4(a)は正面図、
図4(b)は側面図である。
図5は側面20aを摺動可能にしたチップ20を取り付けた短冊状金属製板バネ30を複数列設した図である。
図6は、短冊状の金属製板バネ30の背面30fに摺動用ガイドブロック240、241を設けたチップ20を取り付けた短冊状の金属製板バネ30の図で、
図6(a)は短冊状の金属製板バネ30の側面の断面図、
図6(b)はA−A断面図である。
図7は、短冊状の金属製板バネ30の背面30fに摺動用ガイドプレート240,242を設けたチップ20を取り付けた短冊状の金属製板バネ30の図で、
図7(a)は短冊状の金属製板バネ30の側面の断面図、
図7(b)はA−A断面図である。
図8は、金属板32に切り込み32cを設けて短冊状の金属製板バネ30を形成した場合の平面図である。
図9は、金属板32に切り込み32cを設けて短冊状の金属製板バネ30を形成するとともに、短冊状の金属製板バネ30の間に隙間30eを設けた場合の平面図である。
図10は、金属板32に切り込み32cを設けて短冊状の金属製板バネ30を形成するとともに、金属板32の自由端末32aと固定端末32bの中間部に隙間30eを設けた場合の平面図である。
【0020】
チップ20の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットを使用できる。セラミックスには例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料が使用できる。
【0021】
短冊状金属製板バネ30はチップ20を戻り側ベルト50に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト50の微妙な凹凸に柔軟に追随し復元力が必要であるために、SUS、炭素鋼、チタン、銅板、バネ鋼などの金属が使用できる。
【0022】
短冊状金属製板バネ30は短冊状であり、縦方向に細長い形状である。短冊状金属製板バネ30の厚みは1〜5mmがよい。1mmより薄いと剛性が弱く撓みすぎる。5mmより厚いと剛性が大きすぎて撓みが小さくなり戻り側ベルト50の凹凸に対する追随性が低下する.短冊状金属製板バネ30の幅Bは10〜30mmがよい。10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きすぎて適切に撓まなくなり戻り側ベルト50への追随性が低下する。短冊状の金属製板バネ30の幅Bは少なくともチップの幅Wと同一が小さくする。チップの幅Wよりも大きいとチップ間に隙間が生じ掻き取り残しが発生するからである。短冊状金属製板バネ30の長さは50〜300mmがよい。50mmより短いと撓みが小さすぎて戻り側ベルト50への追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。
【0023】
短冊状の金属製板バネ30は高速で衝突するエンドレスのめくれや強固な付着物から受ける衝撃力を瞬時に回避するには大きく柔軟に撓める機能が必要である。又、チップ20に偏荷重が作用した際には、大きなねじりモーメントが発生することから、チップ20が捩じられることのない大きな断面係数が必要である。チップ20が捩じられて斜めになると、戻り側ベルト30にチップ20が正確に当接できないので掻き取り残しが発生する。更に、戻り側ベルト50に密着してダストを掻き取るためには、短冊状の金属製板バネ30としては強い押し付け力に耐えるだけの高い剛性が必要である。この条件を満足するためには、短冊状の金属製板バネ30に例えば、くの字状屈曲部31,31aや円弧状屈曲部31,31bを設けて断面係数を向上させると同時に短冊状の金属製板バネ30の長さを長くして柔軟な撓み量を確保する必要がある。短冊状の金属製板バネ30にくの字状屈曲部31,31aや円弧状屈曲部31,31bを設けることにより、短冊状の金属製板バネ30の長さが長くなり、大きく撓めると同時に戻りベルト30の凹凸や変形に対する追随性が向上し、付着物を強力に掻き落とすことができる。
【0024】
図2、
図3に示すように、チップ20は当て板23とネジ21及びナット22で短冊状の金属製板バネ30に取り付けられる。チップ20には貫通孔20b、短冊状の金属製板バネ30には貫通孔30d、当て板23には貫通孔23aが穿孔してあり、ネジ21を貫通できるようにしている。当て板23は、ネジ21でチップ20を締め付ける際に、締め付け力をチップ20全体に分散させチップ20を損傷させないために必要である。当て板23は炭素鋼、SUS、チタン、銅、バネ鋼などの金属で製作できる。当て板23はチップ20に比べて耐磨耗性が小さいのですぐに摩耗し、常にチップ20より引っ込んだ位置にありチップ20の掻き取り性能を阻害することはない。ネジ21は2本使用しておりチップ20の回転防止をしている。接着剤塗布などのチップ20回転防止を施せばネジ21は1本でも問題ない。
【0025】
図1、
図2に示すように、ベルトクリーナ10はチップ20を短冊状の金属製板バネ30の自由端30aに取り付けて、固定端末30bを架台40に固定した構造である。
図2において、くの字状屈曲部31bを有する短冊状の金属製板バネ30の固定方法の例を示す。チップ20付き短冊状金属製板バネ30は架台40の溝40aに挿入配列されている。架台40は押し付け板41、受け板42、底板43からなり溝40aを形成している。押し付け板41にはナット46が溶接され、ナット46には押し付けボルト45が取り付けられ、押し付けボルト45で押え板44を押し付けることによりチップ20付き短冊状金属製板バネ30を受け板42に押し付けて固定している。
【0026】
チップ20付き短冊状金属製板バネ30を戻り側ベルト50に対し数ミリ突き上げてセットする。戻り側ベルト50が駆動するとチップ20付き短冊状金属製板バネ30は戻り側ベルト50の水平力を受けベルト進行方向に傾倒する。チップ20付き短冊状金属製板バネ30は弾性力で戻り側ベルト50を押圧しているので、戻り側ベルト50の凹凸や変形に常に追随しながらダストを掻き落とすことができる。
【0027】
くの字状屈曲部31aや円弧状屈曲部31bは例えばプレス機で形成できる。
図2において、くの字状屈曲部31aの屈曲部31は6個であるが、通常3〜10個がよい。2個以下では撓みが小さすぎる。11個以上では撓みすぎる。又、屈曲部31aにダストが堆積する。くの字状屈曲部31aの高さh1は20〜60mmがよい。20より小さいと撓みすぎる。又、屈曲部31aにダストが堆積する。幅b1は5〜30mmがよい。5mmより小さいと撓みが大すぎる。又、ダストが堆積する。30mmより大きいと撓みが小さすぎる。
図3において、円弧状屈曲部31bの屈曲部31は3個であるが、通常3〜10個がよい。2個以下では撓みが小さすぎる。11個以上では撓みすぎる。又、屈曲部31bにダストが堆積する。円弧の半径Rは10〜30mmがよい。10mmより小さいと撓みが小さすぎる。又、屈曲部31bにダストが堆積する。30mmより大きいと撓みが大きすぎる。
【0028】
短冊状の金属製板バネ30は、くの字状屈曲部31、31aや円弧状屈曲部31、31bを設けているので、ベルトエンドレスのめくれや強固な付着物に対して柔軟に撓むことができるとともに、戻り側ベルト50に対して高い密着度を有するのでダストの掻き取り性能に優れている。短冊状金属製板バネ30は短冊状でありベルト幅方向に10〜30mmの幅に小分割されているので、戻り側ベルト50の小さな凹凸や変形に細かく追随しながら斑なくダストを掻き落とすことができる。戻り側ベルト50の凹凸や変形から生じる衝撃によりチップ20付き短冊状金属製板バネ30は常に微振動しており、短冊状の金属製板バネ30に落下するダストを自働的に払い落とすことができる。
【0029】
図4に示すように、チップ幅Wは短冊状の金属製板バネ幅Bよりも大きくしてあり、チップ側面20aがお互いに接触して摺動するようにしている。チップ側面20aが互いに接触して摺動することからチップ20とチップ20の間で掻き取り残しが発生しない。チップ側面20aは短冊状の金属製板バネ30に比べて短いので、チップ側面20aが互いに接触して摺動しても摺動抵抗は小さいのでチップ20や短冊状の金属製板バネ30は円滑な搖動運動を維持する。短冊状の金属製板バネ30の隣り合う側面30cがお互いに接触すると摺動抵抗が大きくなりチップの搖動運動が阻害される。又、短冊状の金属製板バネ側面30cにダストを噛み込んだ場合はチップ20の円滑な摺動運動ができなくなる。このため、チップ側面20aは互いに接触させて摺動せる一方、短冊状の金属製板バネ側面30cには大きな隙間(チップスティック間の隙間)30eを形成してダストを噛みこまないようにしているのである。
【0030】
短冊状の金属製板バネ30には隙間30eを形成している。経年的にダストが短冊状の金属製板バネ30の上に堆積し固着させる危険性がある。短冊状の金属製板バネ30間に隙間30eを設けることにより、ダストが侵入してもブリッジすることなく脱落する。又、短冊状の金属製板バネ30の細かい振動がダストブリッジを破壊するので短冊状の金属製板バネ30が固着して作動不能になることがない。従って、隙間30eが小さいとダストブリッジが生じるので大きな隙間30eを形成する必要がある。隙間30eの大きさは1〜10mmがよい。1mmより小さいと隙間30eにダストブリッジが生じ短冊状の金属製板バネ30を固着させ搖動運動が作動不能となる。又、10mmより大きいと、チップ20が偏荷重を受けた際の捩じれモーメントに短冊状の金属製板バネ30が耐えられなくなり曲がる問題が生じる。短冊状の金属製板バネ30の隣り合う側面30cにある程度大きな隙間30eを形成することにより、ダスト詰まりがなく、ダスト固着による短冊状の金属製板バネ30の不作動を防止できる。
【0031】
チップ20の側面20aは薄いので、短冊状の金属製板バネ30が大きく撓む際は側面20aの一部がはみ出して摺動できないため、短冊状の金属製板バネ30にねじれが作用した際に搖動運動が不安定になる。このため、
図6、
図7に示すように、短冊状の金属製板バネ30の背面30fに摺動用ガイド240を設けて摺動面積を広くすることにより、搖動運動を安定させる。
【0032】
摺動用ガイド240の側面240aは短冊状の金属製板バネ30の側面30aと同一面になるようにして一体となって摺動できるようにする。
【0033】
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記摺動用ガイド240が摺動用ガイドブロック241であるベルトクリーナ10である。
【0034】
摺動用ガイドブロック241は、フッ素樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂類、ゴム、アルミニウム、チタン、炭素鋼などが使用できる。フッ素樹脂は摩擦係数が小さいので摺動用ガイドブロックとしては好適である。
【0035】
摺動用ガイドブロック241の側面241aは短冊状の金属製板バネ30の側面30aと同一面にするため、摺動用ガイドブロック241の幅W1はチップ20の幅Wと同一になるように形成する。
【0036】
摺動用ガイドブロック241は剛性があるので、チップ20と短冊状の金属製板バネ30と摺動用ガイドブロック241をネジ21で一体的に固定することにより、チップ20を短冊状の金属製板バネ30に取り付ける際の補強になる。
【0037】
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記摺動用ガイド240が摺動用ガイドプレート242であるベルトクリーナ10である。
【0038】
摺動用ガイドプレート242は、アルミニウム、チタン、炭素鋼などのプレートをプレスや切削切り出しで形成できる。又、樹脂ブロックを切削切り出しで形成できる。
【0039】
摺動用ガイドプレートの側面242aは短冊状の金属製板バネ30の側面30aと同一面にするため、摺動用ガイドプレート242の幅W2はチップ20の幅Wと同一になるように形成する。
【0040】
摺動用ガイドプレート242は剛性があるので、チップ20と短冊状の金属製板バネ30と摺動用ガイドプレート242をネジ21で一体的に固定することにより、チップ20を短冊状の金属製板バネ30に取り付ける際の補強になる。
【0041】
金属板32はバネ鋼、SUS、チタンなどが使用できる。金属板32の切り込み32cはレーザー切断機、プラズマ切断機、裁断機などで形成することができる。
【0042】
金属板32の自由端末32aは、短冊状の金属製板バネ30にチップ20を取り付ける側である。自由端末32aにはチップ20をネジ止めするための貫通孔30dを設ける。短冊状の金属製板バネ30は固定端末32bを架台40に取り付けて固定する。切り込み32cは金属板32の自由端末32aから内側に向かって切り込むが、金属板32の途中までしか切り込まないので固定端末32bは繋がった状態になっている。切り込み32cの形状は
図8のように線状に形成してもよい。短冊状の金属製板バネ30の側面30cが殆ど接触するぐらいに接近しているので、短冊状の金属製板バネがお互いに支え合うので捩じれにくい。
図9のように隙間30eを形成するように切り込み32cを設けてもよい。短冊状の金属製板バネ30の隣り合う側面30cがお互いに大きな隙間30eを形成するので、隙間30eにダストが詰まりにくいことから円滑な搖動運動が維持できる。
図10のように短冊状の金属製板バネ30の自由端末30a側は線状の切り込み32cを形成し、固定端末30b側には隙間30eを形成するように切り込みを設けてもよい。チップ20及び自由端末30aが摺動運動できるのでチップ20が捩じれにくい。又、隙間30eにダストが堆積しないので円滑な搖動運動を維持できる。
【符号の説明】
【0043】
10:ベルトクリーナ
20:チップ
20a:チップ側面
20b:貫通孔
21:ネジ
22:ナット
23:当て板
23a:貫通孔
240:摺動用ガイド
240a:(摺動用ガイドの)側面
241:摺動用ガイドブロック
241a:(摺動用ガイドブロックの)側面
242:摺動用ガイドプレート
242a:(摺動用ガイドプレートの)側面
30:短冊状の金属製板バネ
30a:自由端末
30b:固定端末
30c:(短冊状の金属製板バネの隣り合う)側面
30d:貫通孔
30e:隙間
30f:背面
31:屈曲部
31a:くの字状屈曲部
31b:円弧状屈曲部
32:金属板
32a:自由端末
32b:固定端末
32c:切り込み
40:架台
40a:溝
41:押し付け板
42:受け板
43:底板
44:押え板
45:押し付けボルト
46:ナット
50:戻り側ベルト
W:チップ幅
W1:摺動用ガイドブロックの幅
W2:摺動用ガイドプレートの幅
B:短冊状の金属製板バネの幅
【要約】 (修正有)
【課題】チップを短冊状金属製板バネの自由端末にネジ止めして架台に列設したベルトクリーナにおいて、ベルト表面の摩耗状況や付着物の付着力に応じて柔軟にチップが追随して確実に付着物を掻き取ることができるようにし、強固な付着物やエンドレスの剥がれなどの障害物に対してはこれらのチップが逃げられるようにし、かつ該金属製板バネの製作と取付けを容易にした構造を提供する。
【解決手段】短冊状金属製板バネ30にくの字31aや円弧の屈曲部31を設け、バネの長さを長くすることにより、狭いスペースにおいて短冊状の金属製板バネの剛性設定を容易にして、高速で走行するベルトの突起物に対しては瞬間的に大きく撓んで回避可能し、通常は大きな押し付け力により付着物を掻き取れるようにした。又、チップ20の後面側にガイドを設け円滑な摺動ができるようにした。
【選択図】
図1