(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記積層段階は、圧雪層が目標厚さに達するまで、圧雪層ごとに、氷粒の粒径の調整と氷粒の含水率の調整とを連動させながら、前記積層段階および前記圧雪段階を繰り返し、それにより、圧雪層を形成する、請求項1に記載の圧雪層の形成方法。
互いに平行に外周面を対向させて所定の間隔を隔てて配置され、上方から最狭部に向かう向きに回転可能である一対の破砕ドラムであって、該一対の破砕ドラムの間の前記最狭部より上のスペースに、投入される氷片を受けることが可能なように配置された一対の破砕ドラムを設け、前記最狭部の間隔を調整することにより、破砕される氷粒の粒径を調整する、請求項1に記載の圧雪層の形成方法。
目標厚みに向かって形成中の圧雪層の表面に対してタイヤを押し当てながら、タイヤおよび/またはインナードラムを回転することにより、圧雪層の形成とオンラインでタイヤの雪上試験に利用する、請求項5に記載の圧雪層の形成方法。
目標厚みの圧雪層を形成した後に、圧雪層の表面に対してタイヤを押し当てながら、タイヤおよび/またはインナードラムを回転することにより、圧雪層の形成とオフラインでタイヤの雪上試験に利用する、請求項5に記載の圧雪層の形成方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る圧雪層の形成装置の実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
以下では、本発明に係る圧雪層の形成装置10をタイヤの雪上試験に適用する場合を例として、詳細に説明する。
【0015】
図1および
図2に示すように、圧雪層形成装置10は、雪を生成する雪生成ユニット16と、生成された雪に所定含水率の水分を含水する含水ユニット18と、圧雪が完了するまで含水させた雪中の水分が凍結しないように、圧雪層形成面11を取り囲む密閉スペース20を所定温度および所定湿度に制御する温度湿度制御ユニット22と、含水した雪を密閉スペース20内で、圧雪層形成面11に向かって圧送する雪圧送ユニット24と、圧雪層形成面11に積層した積雪の上面27から圧雪層形成面11に向かって所定の押圧力で面圧する圧雪ユニット26と、圧雪層形成面11と圧雪ユニット26との間で相対移動を行う相対移動ユニット19と、から概略構成されている。
【0016】
圧雪層形成面11は、長手方向に延びる直線状であり、圧雪層形成装置10により、上面に雪を積雪し、圧雪するようにしてあり、圧雪層形成装置10は、圧雪層形成面11の上面を上方から覆うように配置されるケーシング21を有し、ケーシング21は、下向きに開放する開口を有し、ケーシング21の内部において、圧雪層形成面11に雪を積雪し、圧雪するように構成している。
より詳細には、圧雪層形成装置10は、たとえば、油圧あるいは電動モータが駆動源である相対移動ユニット19により、自走式であり、各ユニットはケーシング21に連結され、あるいは固定され、ケーシング21はローラー12により、相対移動ユニット19により、圧雪層形成面11に対して圧雪層形成面11の長手方向に相対移動可能に構成され、ケーシング21は移動しながら、その内部において圧雪層形成面11に雪を積雪し、圧雪するようにしている。
【0017】
ケーシング21の圧雪層形成面11の長手方向の前後面それぞれの下部には、カーテン23が圧雪層形成面11をなでるように設けられ、ケーシング21の内部をより密閉化するようにしている。
ケーシング21の上面には、後に説明する雪生成ユニット16の搬送管、含水ユニット18の水供給管、および温度湿度制御ユニット22の空調用空気供給管それぞれが貫通し、この貫通部により、それぞれの管が固定支持されており、これらの管は、可撓性を有する管であり、圧雪層形成装置10が圧雪層形成面11の長手方向に移動する際、圧雪層形成装置10の移動に支障のないように、それぞれ余裕のある長さを有する。
【0018】
図2に示すように、ケーシング21はビニールシート25により上方から覆いかぶせておくことにより、ケーシング21の内部スペースを略密閉空間として、後に説明する温度湿度制御ユニット22により、内部スペースを所定温度および所定湿度に保持しやすくしてあり、それにより、後に説明するように、所望の雪質の圧雪層を効率的に圧雪層形成面11に形成することが可能となるようにしてあり、それとともに圧雪層形成装置10が位置する前後それぞれの方向の圧雪層形成面11をビニールシート25で覆うことにより、温度湿度を保持しやすいようにしている。
【0019】
図3に示すように、雪生成ユニット16は、氷粒の破砕装置126を備え、破砕装置126の下部には雪供給手段であるフィーダを設けて、フィーダには先端に噴出ノズル43を有する可撓性の雪用の搬送管170を接続してあり、搬送管170にはインバータにより送風量が制御される空気圧送手段であるブロワ46からの風によりフィーダ内の雪が送り込まれ、搬送空気により雪が噴出ノズル43まで搬送されるようにしている。
【0020】
図12に示すように、破砕装置126は、主に、上部に配置されたロータリーフィーダー46と、下部に配置された一対の破砕ドラム106とからなり、氷片をロータリーフィーダー46により分量化して一対の破砕ドラム106に供給し、一対の破砕ドラム106により破砕して、所定粒径の氷粒として供給するようにしている。
氷片の破砕装置26は、氷片を内部に投入する開口部102を有するケーシング104と、ケーシング104内に配置される一対の破砕ドラム106とを有する。
【0021】
ロータリーフィーダー46は、従来既知のタイプであり、その詳しい説明は省略するが、ロータリーシャフト(図示せず)が水平に配置され、上方から投入される粉粒化すべき材料を分量化して回転式に下方に供給するように構成される。
より詳細には、ロータリーフィーダー46は、複数枚の回転羽根(図示せず)を放射状に配設したロータがケーシング104内で回転する際、ホッパー等から落下する粉粒体を隣設する羽根間にためて回転し、下側の排出口から落とすようにしている。より具体的には、ロータにおいて、複数の回転羽根を、ケーシング104を介して支持されたロータリーシャフトを中心に放射状に配設し、隣設する回転羽根の間に粉粒体を詰めるためのロータポケットを形成しており、たとえば、駆動モータ(図示せず)によりロータリーシャフとを駆動するようしている。
【0022】
図12および
図13に示すように、一対の破砕ドラム106は、ケーシング104内で、互いに平行に外周面108を対向させて所定の間隔を隔てて配置され、上方から最狭部110に向かう向きに回転可能なように、ケーシング104の内表面116に対して非接触形態で支持される。
このために、
図13に示すように、一対の破砕ドラム106の水平投影上の外輪郭とケーシング104の内表面116との間には、必然的に隙間が形成され、氷片が一対の破砕ドラム106に供給される際、氷片には最狭部110を通らずにこの隙間を介してバイパスしようとするものがある。特に、一対の破砕ドラム106の間において、最狭部110の上方にスパイラル式振り分けローラー(図示せず)が設けられる場合には、それにより、一対の破砕ドラム106の間の最狭部110より上のスペースに受けられる氷片は、一対の破砕ドラム106のドラム軸線方向に振り分けられるようにしている。このため、最狭部110より上のスペースに溜まる氷片は、ドラム軸線方向に均されるものの、一対の破砕ドラム106それぞれのドラム軸線方向の端面118とケーシング104の内表面116との間からよりバイパスしやすくなる。
一対の破砕ドラム106は、一対の破砕ドラム106の間の最狭部110より上のスペースに、投入される氷片を受けることが可能なように配置される。最狭部110の間隔は、氷片を破砕して氷粒にするのに必要な粒径がどれぐらいであるかにより決定される。
【0023】
より具体的には、
図16に示すように、一対の破砕ドラム106のドラム軸はそれぞれ、ドラムの軸線方向に間隔を隔てたケーシング104の対向面によって軸受(図示せず)を介して回転可能に支持され、軸受のうち、少なくとも一方のドラムを回転可能に支持する軸受の軸受ケース150には、一方のドラムのドラム軸のまわりに、一方のドラムの軸線P1と偏心する中心点P3を中心に、互いに円周方向に所定角度間隔を隔てた複数の円弧状開口部154が設けられる。
【0024】
対向面には、円弧状開口部154と対応する位置に、その外表面から非貫通のボルト穴(図示せず)が設けられるとともに、搬送路170と対応する位置に開口部(図示せず)が設けられ、円弧状開口部154および対応するボルト穴に対して、外部よりボルト152を締結することにより、軸受ケース150を対応する対向面の外表面に対して固定可能であり、一方、ボルト152を弛めることにより、軸受ケース150が円弧状開口部154を介してボルト152に支持されつつ、中心点P3を中心に回転可能であり、それにより一対の破砕ドラム106の所定間隔Dを調整可能である、構成としている。
【0025】
以上の構成を有する破砕機によれば、一対の破砕ドラム106をケーシング104て外部より回転可能に支持する軸受ケース150をドラム軸と偏心するように配置するとともに、軸受けケース150を偏心した軸線を中心に回転可能に支持することから、軸受けケース150を回転することにより、一対の破砕ドラム106の所定間隔Dを調整可能であり、所望粒径に簡易に調整可能である。
【0026】
また、円弧状開口部154の互いに対向する円弧状縁部は、ボルト152の案内部を構成するのがよい。
さらに、開口部は、搬送路170の断面形状と一致するように、最狭部110に向かって上方に先細に形成されるのがよい。加えて、軸受ケース150の中心点P3の一方のドラムの軸線からの偏心量は、一方のドラムと他方のドラムとの間の所定間隔Dに要求される変動幅に応じて決定され、それに応じて、円弧状開口部154の開口長さが決定されるのがよい。
【0027】
一対の破砕ドラム106は、高速回転の破砕ドラム106と、低速回転の送りドラム112とを有する。破砕装置126は、従来既知のタイプであり、その詳しい説明は省略するが、両ドラムで氷片をクラッシュして人工雪とするようにしてあり、破砕装置126のケーシング104内に設けた一対のドラムについて、各ドラムの外周には、三角錐状の突歯が円周方向に形成された突歯列をドラムの回転軸線方向全体に亘って複数列形成してある。各ドラムは、たとえば、駆動モータ(図示せず)によって反対方向に回転させられ、ドラム間に落下させられた氷片を最狭部110において破砕して人工雪を形成するようにしている。
突歯は、三角錐の底面が二等辺三角形をなし、長辺からなる二等辺がドラム円周方向に、短辺がドラムの円周方向と直角をなすように、ドラムの外周面上に形成されている。特に、短辺と三角錐の頂点が形成する三角形状の切削面は、回転方向に対して例えば6°程度後退させてドラムの外周面に形成されるのが好ましい。
【0028】
これらの三角錐形状の突歯が、ドラムの外周面上で連設されて突歯列を形成し、一方の破砕ドラム106において、突歯列は、ドラムの回転軸線方向に互いに数mmの間隔を開けて複数列形成され、同様の構造をした送りドラム112とで一対をなし、互いに反対方向に同期回転することでフレーク状氷片を砕氷化し、人工雪を生成する。
【0029】
一対の破砕ドラム106により破砕された氷粒は、ケーシング104内に設けられた搬送管170により噴出ノズル43に向かって搬送されるようにしてある。
より詳細には、搬送管170は、ケーシング104内において、一対の破砕ドラム106の最狭部110の下方に、ドラム軸方向に延びる向きに形成され(
図13において、表裏方向)、ケーシング104のドラム軸を回転可能に支持する両側面にはそれぞれ、搬送管170を密封可能に貫通する開口172が設けられる。
図12に示すように、搬送管170は、一対の破砕ドラム106それぞれの最狭部110より下方レベルの外周面108がその内壁面の一部を形成するように設けられる。より具体的には、搬送管170は、一対の破砕ドラム106の最狭部110に向かって、最狭部110より下方レベルの外周面108を覆うように下方から設けられる細長プレート150により、形成される。
【0030】
細長プレート150は、断面が湾曲形状、たとえば半円状であり、搬送管170の閉断面は、細長プレート150が一対の破砕ドラム106それぞれの外周面を覆うことにより形成されるようにしている。
このように、一対の破砕ドラム106の外周面108を利用して、搬送管170を形成することにより、搬送管170を一対の破砕ドラム106の直下方に設けることが可能であり、それにより、ケーシング104内において、破砕された氷粒の及ぶ領域を制限することが可能であり、ケーシング104内での氷粒の付着のリスクを低減することができる。
【0031】
図13に示すように、一対の破砕ドラム106のドラム軸方向の各端部には、ケーシング104の内表面116と一対の破砕ドラム106の対応する端面118との間の隙間Cを塞ぐように、一対の破砕ドラム106の間の最狭部110より下に配置されたバイパス防止板材120が最狭部110まわりに設けられる。
両バイパス防止板材120は、その構造は同じであるので、一方について、以下説明する。
【0032】
バイパス防止板材120は、ケーシング104の内表面116と一対の破砕ドラム106の対応する端面118との間隔以上の厚みを有する樹脂製、たとえばポリウレタンエラストマー製、あるいはフッ素樹脂であり、それにより、一対の破砕ドラム106の回転とともに、バイパス防止板材120の厚みが間隔に適合するようにされる。より詳細には、一対の破砕ドラム106の回転を通じて、時間経過とともに、端面118に当接するバイパス防止板材120の面が摩耗して、バイパス防止板材120の厚みがケーシング104の内表面116と一対の破砕ドラム106の対応する端面118との間隔と同じになり、これにより、バイパス防止板材120により隙間を完全に塞ぐことが可能である。
バイパス防止板材120は、開口部160を有し、開口部160が搬送管170に連通するように配置される。
【0033】
含水ユニット18は、水タンク58を備えており、タンク内の水がポンプ59によって給水管61から噴出ノズル43に供給されるようになっている。含水ユニット18は、含水率制御ユニット50をさらに有し、含水率制御ユニット50は、圧雪層Lの層厚さ検出手段52と、圧雪層Lの硬度検出手段54と、検出した層厚さおよび硬度に応じて水分の供給量を調整する供給量調整手段56とを有し、供給量調整手段56は、給水管61に設けた流量計63により、ノズルへの水の供給量をポンプ59を制御することにより調節する。
なお、
図1において、2本の搬送管170を設けているが、いずれも
図3の構成により、生成した雪、およびこの雪に含水させる水を供給している。
ちなみに、水の圧送をポンプ59ではなく、圧縮空気で行ってもよい。この場合、密閉水タンク58の気相部へ圧縮機から圧力空気を供給して水をノズルに送るようにして、水の供給量調節は圧送用空気の圧力を調節して行なうのがよい。
【0034】
図4(C)に示すように、搬送管170の噴出開口33から流出する微小氷粒に対して水を噴霧する水スプレー43は、雪と水を均一に混合せしめ、先端から所要の含水率の雪粒として噴出せしめるものであり、噴出開口33に対向して設ける拡散用斜板75により雪が拡散しているところに、水を噴射するように水スプレー43を配置している。
水スプレー43は、傾斜面74により拡散する雪粒に対して、目標積雪面に積雪する前に、水を雪粒の噴雪流に向かって拡散状に噴射し、それにより、目標積雪面の上方に、噴雪流と噴水流との混合空間が形成されるようにしている。
【0035】
変形例として、
図4(A)に示すように、搬送管170の周方向に互いに間隔を隔てた適数個の水吹出管60を、筒体軸線の延長線上に向けて筒体の外周に設け、筒体からの雪に噴射水を吹きつけて雪粒として噴出せしめるように構成してもよいし、
図4(B)に示すように、搬送管170の噴出開口33のまわりに水スプレー43を設けずに、噴出開口33から噴出した雪に対して、水を噴射するように水スプレー43を配置してもよい。
【0036】
図1において、水スプレー48は、水スプレー43と異なり、搬送管170から流出する雪粒に対して水を噴射するものでなく、圧雪層形成面11に積雪する雪の上面に向かって水を噴射するものであり、これにより、後に説明するように、圧雪層形成面11上に形成した所定厚みの圧雪層の上にさらに所定厚みの圧雪層を形成する際、これらの圧雪層間の接合性を確保するようにしている。
なお、後に説明するサイクロン部66をこれらの水スプレー43の上流側に設けてもよい。
変形例として、一流体ノズルである水スプレー48によれば、水滴径が大きくなり、それにより雪質にむらが生じる可能性があるところ、一流体ノズルの代わりに、加圧水とともに加圧空気を混合した二流体ノズルとしてもよく、これによると、微小なミスト(水滴)が生成可能であり、水垂れが少なく、しかも水滴径および噴霧量を空気圧と水圧との組み合わせにより調整可能であるという技術利点がある。
【0037】
圧送空気の温度および湿度を調整するための圧送空気温度湿度制御部(図示せず)がさらに設けられ、密閉スペース20内に流入する圧送空気により、密閉スペース20内の温度湿度が乱されないようにしており、これにより、温度湿度制御ユニット22による密閉スペース20内の温度湿度の制御を容易にしている。
【0038】
図5に示すように、雪圧送ユニット24は、雪粒を空気圧送する搬送管170の先端側に、サイクロン部66を有し、雪粒を搬送空気に乗せて圧雪層形成面11まで到達させつつ、圧雪層形成面11に積もる雪粒を乱さない程度に、サイクロン方式により、搬送空気と、雪粒とを一部分離するようにしている。
【0039】
より詳細には、サイクロン部66の内部には、上下方向に伸延して固気分離する固気分離空間68が形成されている。固気分離空間68は、旋回流を発生しやすいように、下方に向かって先細の形状、たとえば円錐形状を有し、サイクロン部66には、固気分離空間68が、搬送管170の搬送空間を搬送空気により圧送されてくる氷雪から、搬送空気等の気体を、氷雪等の固体粒子と、遠心力により分離し得るように、それら固体粒子が旋回流を形成し得るように形成されている。また、サイクロン部66の上方の側面には、搬送管170に接続した流入口70が形成されており、サイクロン部66には、流入口70が、搬送空気により圧送されてくる氷雪を搬送空気と、共に、固気分離空間68に取込み得るように設けられている。
【0040】
サイクロン部66の下方には、氷雪排出口72が、下方(図中下方)に向けて開口する形で設けられており、即ち、サイクロン部66には、氷雪排出口72が、サイクロン部66により分離された氷雪等の固体粒子を外部に排出し得るように設けられている。サイクロン部66には、サイクロン部66により分離された搬送空気等の気体を取り出す空気取出管69が、サイクロン部66の上部を、サイクロン部66の中心を通って、貫通する形で設けられており、空気取出管69の端部には、抽出口71と、給気口73がそれぞれ形成されている。このうち空気取出管69の抽出口71は、サイクロン部66の固気分離空間68において、下方(図中下方)に向けて開口しており、また、抽出口71は、サイクロン部66の流入口70よりも下方に形成されている。なお、空気取出管69がサイクロン部66を貫通した部分は、気密状態を保持する形で貫通して設けられている。
【0041】
特に、空気取出管69には、調整弁67が設けられ、調整弁67の開度を調整することにより、氷雪排出口72から排出される搬送空気の割合を調整し、氷雪排出口72から排出される氷粒と、搬送空気とを一部分離することが可能となるようにしている。より詳細には、調整弁67を全開とすれば、氷粒と、搬送空気とが完全分離されるところ、それでは、氷雪排出口72から排出される搬送空気を利用して、氷粒を圧雪層形成面11に供給することが困難となる一方、調整弁67を全閉とすれば、氷粒と、搬送空気とがまったく分離されず、氷雪排出口72から排出される搬送空気により、圧雪層形成面11上の積雪が乱され、積雪面に凹凸が生じたりするところ、調整弁67の開度を適宜調整することにより、圧雪層形成面11上の積雪が乱されないようにしつつ、氷雪排出口72から排出される搬送空気を利用して、氷粒を圧雪層形成面11に供給することが可能となるように、氷粒と、搬送空気とを一部分離するようにしている。
【0042】
搬送管170内で空気搬送により雪粒を搬送し、搬送管170の下流側に連通して接続されたサイクロン部66の流出開口を圧雪層形成面11から所定距離Hに配置して、雪粒を流出口から搬送空気の噴流により、圧雪層形成面11まで到達させる。
雪粒の粒子の大きさ、およびサイクロン部66における雪粒の旋回流の最大径に応じて、搬送空気の搬送速度を調整することにより、サイクロン方式により、搬送空気と、雪粒とを一部分離する。
【0043】
図6に示すように、内部において搬送空気により噴出開口33に向かって雪粒を下向きに圧送する搬送管170の噴出開口33に対して対向するように配置された傾斜面74が設けられ、傾斜面74は、噴出開口33から噴出する雪粒の噴雪流が傾斜面74に衝突することにより、噴雪流が噴出開口33より下方レベルの圧雪形成面11上に拡散して積雪するように、雪粒の噴出方向に対して所定角度α傾斜する向きとされる。
【0044】
傾斜面74は、所定角度α傾斜する向きと、する際、噴出開口33の雪粒の噴出方向への傾斜面74への投影領域が、傾斜面74内に包含されるような大きさを有する。これにより、噴出開口33から噴出する雪粒のすべてが、傾斜面74に衝突して確実に拡散するにしている。これにより、傾斜面74により拡散する雪粒に対して、目標積雪面に積雪する前に、水噴射ノズル43により雪粒の噴雪流に向かって水を拡散状に噴射することにより、目標積雪面の上方に、噴雪流と、噴水流との混合空間が形成されるようにしている。
【0045】
図6(B)に示すように、噴出開口33は、円形であり、傾斜面74は、搬送管170により支持された傾斜円板75の上面27が構成し、上面27は、たとえばテフロン加工の難着雪性であり、噴出開口33に向かって凹状の湾曲面部76と、湾曲面の下端78に連続的に滑らかに連なる平面部80とを有し、湾曲面部76から平面部80に向かって下方に延びるように配置される。湾曲面部76が設けられる側は、傾斜面74により雪を拡散させながら飛散させる向きの遅れ側である。
【0046】
図6(D)(
図6(C)の線A−Aに沿う断面図)に示すように、拡散領域の厚みDは、雪粒の初期噴出速度と、雪粒と搬送空気との混合比とにより大きく影響を受けるところ、特に、雪粒の初期噴出速度を所定速度以上に確保したうえで、混合比を調整することで所望の拡散効果を得ることが可能である。この場合、噴出開口33と圧雪形成面11との間隔が近く、圧雪形成面11に対する搬送空気の影響が強く、圧雪形成面11上の積雪が乱される可能性がある場合には、サイクロン部66により、調整弁67の開度を上げることにより、氷雪排出開口72から流出する搬送空気を低減すればよい。
図6(A)に示すように、傾斜円板75は、棒状部材80を介して搬送管170により支持される。棒状部材80は、上端が、搬送管170に連結され、搬送管170の略中心軸線上を延び、下端78が傾斜円板75の中心部に連結し、それにより、傾斜円板75は、搬送管170により支持される。これにより、雪粒が噴出開口33から噴出する際、棒状部材80により阻害されないようにしている。
なお、傾斜円板75は、搬送管170と、同心状に配置され、傾斜円板75の中心を通る鉛直方向を中心に回転可能と、され、それにより、雪粒の噴雪流の目標積雪面に対する拡散領域82が連続的に変更されるようにしてもよい。
また、変形例として、上述のように、一定方向に雪を飛散させつつ拡散させるのでなく、傾斜円板75により放射状に雪を拡散したい場合には、たとえば傾斜円板75の代わりに、円錐面を設けてもよい。
【0047】
図7および
図8に示すように、圧雪ユニット26は、圧雪荷重板85を有し、この圧雪荷重板85は、ケーシング21により支持され、圧雪層形成面11に積層した積雪の上面27に面接触可能な面接触部84と、面接触部84を圧雪層形成面11に向かって押圧する押圧部86とを有する。
面接触部84は、プレート状であり、巾はケーシング21の幅より若干狭く、圧雪層Lに接触する接触面は、難着雪性の材質あるいは表面加工され、さらに、面接触部84の圧雪層形成面11に対するレベル決め手段88が設けられる。
【0048】
面接触部84は、圧雪層形成面11の形状に沿って形成された圧雪部90と、レベル決め手段88により面接触部84を圧雪層形成面11に対してレベル決めした際、接触面と、圧雪層形成面11との間隔が圧雪部90に向かって徐々に狭まるように湾曲し、かつ圧雪部90の一端に対して連続的に滑らかに連結した案内部92とを有する。
図7に示すように、圧雪部90は、圧雪層形成面11の形状に沿って形成され、
図7(A)に示すように、圧雪層形成面11が平面状の場合は、平面状、
図7(B)に示すように、圧雪層形成面11が凹状の場合は、凹状、
図7(C)に示すように、圧雪層形成面11が凸状の場合は、凸状である。
さらに、押圧部86は、
図1に示すようなバネ87により、圧雪部90を圧雪層形成面11に向かって付勢するように構成され、それにより、レベル決め手段88により圧雪層形成面11に対してレベル決めされた面接触部84を用いて、相対移動ユニット19により、圧雪層形成面11上に積層した雪を案内部92に通して、案内部92により案内されながら、圧雪部90により積層した雪を圧雪する。
【0049】
案内部92は、積層した雪を圧雪部90に円滑に案内することが可能な湾曲形状および/または材質および/またはプレート厚みであり、少なくとも圧雪部90より柔軟な材質である。
図8に示すように、面接触部84は、プレート部の接触面と反対側に中実本体部94をさらに有し、中実本体部94は、案内部92から圧雪部90まで徐々に硬度が増大するようにしてある。そのために、中実本体部94について、たとえば、案内部92については、案内部92から圧雪部90に向かって、スポンジ製、ゴム製とし、一方圧雪部90を金属製の材質で構成してもよい。
湾曲形状は、谷部および山部を含む1波長分の正弦波状であるのがよい。
【0050】
図9に示すように、さらに、密閉スペース20内を氷点以下の温度に保持した状態で、形成した圧雪層Lの上面27に凹凸を形成して、次の圧雪層Lが絡みやすいようにする手段を設ける。具体的には、回転ブラシ101と、回転ブラシ101のレベル決めをするのに圧雪層Lの上面27を検知する検知手段103を設け、検知手段103と、回転ブラシ101とを連結することにより、回転ブラシ101の回転により、圧雪層Lの上面27に凹凸を形成し、形成された圧雪層Lの表面に対して、次の圧雪層Lが絡みやすいようにしている。
図10に示すように、圧雪層形成面11の延び方向への圧雪層Lの滑りを防止する機械的絡み合い部98が設けられる。具体的には、
図10(A)および(B)に示すように、それぞれ上端部にフック部を設けた多数の細長突起部材を圧雪層形成面11に設けたり、
図10(C)に示すように、圧雪層形成面11の表面をその長手方向と、交差する向きに延びる凹凸部を設けたりするのが好ましい。これにより、圧雪層形成面11上の積雪を圧雪荷重板85により圧雪する際、圧雪層Lの下面と、圧雪層形成面11と、の間に滑りが発生するのを防止し、積雪が確実に圧雪荷重板85に案内されるようにしている。細長突起部材あるいは凹凸部の高さhは、この観点より、定めればよい。
【0051】
さらに、インサイドドラム12の内部温度を調整するに内部温度調整手段(図示せず)をさらに有し、それにより圧雪層Lが形成される内周面14の温度を調整する。
【0052】
以上の構成を有する圧雪層形成装置を用いた圧雪層の形成方法について、タイヤの雪上試験を説明しながら、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、圧雪層形成面11に圧雪層を形成するために、以下の工程を行う。
【0053】
図12に示すように、圧雪層の形成方法は、圧雪用の雪の造雪工程(ステップ1)、造雪した雪を積雪するスぺースの温度湿度管理工程(ステップ2)、造雪した雪をスペース内の圧雪層形成予定面に圧送する圧送工程(ステップ3)、造雪した雪を積雪する前に含水させる含水工程(ステップ4)、含水した雪をインサイドドラムへ積雪させる積雪工程(ステップ5)、積雪した雪を圧雪する圧雪工程(ステップ6)、圧雪層が所望厚みに達したかを判断して、達していない場合には、圧送工程、含水工程、積雪工程、圧雪工程を繰り返することにより、所望厚みの圧雪層を形成し、形成した圧雪層の上面を表面処理する表面処理工程(ステップ7)と、から概略構成される。
各ステップごとに、以下、詳細に説明する。なお、圧雪層形成装置10は、相対移動ユニット19により、圧雪層形成面11の長手方向に沿って移動させながら、圧送工程、含水工程、積雪工程、および圧雪工程を行うようにしており、移動速度はこの観点から決定すればよい。
【0054】
本圧雪層の形成方法は、所定厚さの積雪層を何層か積み重ねることにより圧雪層を形成する際、氷粒に水分を含有させ、圧雪するまで含有させた水分を凍結しないように密閉スペース20の温度および湿度を調整して凍結速度を調整することにより、各層における氷粒同士の接着性、および層同士の接着性を確保するだけでなく、さらに積極的に、氷粒の水分含有率に着目し、所定温度および所定湿度のもとで積雪を圧雪にするときの押圧力の値と押圧のタイミングと、氷粒の水分含有率との関係を調整することにより、圧雪全体に亘って圧雪のかさ密度および硬度それぞれを独立に所望に達成可能とするものである。
【0055】
ここに、積雪の密度(単位体積当たりの重量)は、積雪から一定の体積を切り出す道具として、従来既知の密度サンプラーを用いて、測定すればよい。
積雪の硬度Rは、ばねの先に取り付けられた面積Sの円柱を雪面に垂直に押し付け、雪面を破壊し貫入させるときの積雪の反抗力Fを測定することにより、R=F/Sで定義され、その際、従来既知のプッシュプルゲージを用いればよい。
【0056】
自然雪が路面に積雪する場合、雪の種類に応じて、粒径およびかさ密度は、以下のように分類される。
新雪は、密度が100前後(kg/m3)であり、こな雪は、粒径が、0.05ないし0.3ミリ、密度が270ないし410(kg/m3)であり、つぶ雪は、粒径が、0.3ミリ以上、密度が280ないし500(kg/m3)であり、圧雪は、粒径が、0.05ないし0.3ミリ、密度が450ないし750(kg/m3)であり、氷膜は、厚さが1ミリ以下であり、氷板は、厚さが1ミリ以上、密度が750以上(kg/m3)であり、水べた雪は、含水率が約30%以上、粒径が、1ミリ以上、密度が800ないし960(kg/m3)である。なお、ここに、粒径は、粒径分布で表した際に、重量割合での最頻度粒径を意味する。
【0057】
本明細書において、積雪の硬度として、60kg/cm2以下を低、60kg/cm2ないし80kg/cm2を中、80kg/cm2以上を高と分類し、積雪のかさ密度として、300kg/m3以下を小、300kg/m3ないし600kg/m3を中、600kg/m3以上を大と分類し、積雪面の表面粗さの分類として、0.1mm以下を滑らか、0.1mmないし0.4mm以下を中、0.4mm以上を粗いものと分類している。
本発明による圧雪層の形成方法によれば、各工程(造雪工程、砕氷工程、温度湿度管理工程、搬送工程、含水工程、積雪工程、および圧雪工程)における各種パラメータを適切に設定することにより、上述のあらゆる雪の種類の圧雪層を形成することが可能であり、硬度とかさ密度とは、ほぼ比例関係にあるところ、後に詳述するように、特に、新雪の上を車両が往来することにより圧雪が形成される場合のように、かさ密度が小さく、硬度が高い雪も人工雪として模擬することが可能である。
【0058】
より具体的には、まず、圧雪層の形成開始前に、各工程において、所望の雪質に応じて、各種パラメータを設定する。
図14に示すように、たとえば、かさ密度が小さく、硬度が高い雪質を所望する場合、まず、雪粒の粒度分布を設定する。これは、破砕機の一対の破砕ドラム106同士の隙間を調整することにより行う。次いで、設定した粒度分布に基づいて、単位時間、単位面積当たりの破砕された氷粒の供給量を小さく設定する。具体的には、圧送空気の流量を調整するとともに、拡散用斜板75の傾斜角度を調整して、拡散面積を調整する。この場合、圧送空気の流量を低く、一方拡散面積を小さく設定するか、または圧送空気の流量を高く、一方拡散面積を大きく設定することにより、単位時間、単位面積当たりの破砕された氷粒の供給量を小さく設定することが可能であるが、どちらにするかは、たとえば、破砕機による氷片の破砕処理速度、および形成すべき圧雪面の所望面積に応じて、決定すればよく、破砕機による氷片の破砕処理速度が大きく、形成すべき圧雪面の所望面積が狭い場合には、圧送空気の流量を高く、一方拡散面積を小さく設定し、一方、破砕機による氷片の破砕処理速度が小さく、形成すべき圧雪面の所望面積が広い場合には、圧送空気の流量を低く、一方拡散面積を大きく設定すればよい。次いで、設定した単位面積、単位面積当たりの破砕氷粒の供給量に基づいて、含水率を低く設定する。これは、噴出ノズル43からの水の流量調整により行う。含水率の調整により、水分を含んだ氷粒が再凍結する際のかさ密度を変えることが可能である。
【0059】
次いで、設定した含水率に基づいて、押圧力を調整する。より具体的には含水率を大きくすれば、かさ密度は大きくなり、含水率を小さくすると、かさ密度は小さくなる。
次いで、設定した含水率に基づいて、押圧力を調整する。より具体的には、荷重板85による押圧力値を小さく設定する一方、押圧力負荷のタイミングを遅く設定する。これにより、フワッとした態様で積雪させた積雪層をそのままの状態に保持することができる。したがって、押圧力を小さくしながら、密閉スペース20の周囲温度をおよび周囲湿度をそれぞれ低く設定することにより、押圧力負荷のタイミングを遅くし、再凍結した後に押圧力負荷すれば、かさ密度が小さく、高硬度の雪質となり、一方押圧力負荷のタイミングを早くし、再凍結する前に押圧力負荷すれば、かさ密度が大きく、それに応じて高硬質の雪質となり、より含水率を大きくすれば、更にかさ密度の大きい雪質を実現することが可能である。一方含水率を小さくし、押圧力負荷を小さくし、押圧力のタイミングを遅くして、更に密閉スペース20の周囲温度および周囲湿度をより高く設定することによって、かさ密度が小さく低硬度の雪質も実現することが可能である。
【0060】
図15に示すように、以上のように設定した各パラメータ値に基づいて、氷片の氷粒への破砕工程、圧送空気および拡散用斜板75を利用した氷粒の供給工程、水スプレーによる供給された氷粒への含水工程、含水した氷粒による積雪工程、積雪層を押圧することによる圧雪工程を各層ごとに繰り返し行う。このような調整を積雪層ごとに個別に行うが、パラメータ値の設定値は、上下方向に隣接する積雪層間の接着性が確保可能である限り、積雪層間で共通でよい。
【0061】
なお、形成した圧雪層の表面粗さも調整する場合には、圧雪層の頂面を構成することになる最終層を形成する際、表面粗さを粗くする場合には、それに応じて破砕機の一対の破砕ドラム106同士の隙間を大きく設定し、一方表面粗さを滑らかにする場合には、それに応じて破砕機の一対の破砕ドラム106同士の隙間を小さく設定すればよい。
この場合、正確には、一対の破砕ドラム106による氷粒の破砕により、所定の粒度分布が生じるところ、一対の破砕ドラム106同士の隙間を調整することにより、生じる粒度分布のピークにおける粒径を増減させることが可能である。
【0062】
このように、本発明は、小さいかさ密度と、高い硬度という一見すると両立性の困難な雪質でさえ、氷粒を利用して圧雪を形成する場合の種々のパラメータ間の関係調整により、達成可能とするものである。
以上のように、所望の雪質、特にかさ密度と硬度とを独立に調整可能とすることにより、単に自然雪が降雪した直後の状態だけでなく、たとえば、自然雪の積雪層上に繰り返し車両が通過して、圧雪される場合、自然雪の積雪層上に車両がアイドリング状態で長時間通過して、積雪面が融雪する場合等圧雪状態をきめ細かく模擬した試験を行うことが可能である。
【0063】
以上により設定した各種パラメータに基づいて、以下のように、各工程を行う。
ステップ1において、雪生成ユニットにより、圧雪層の形成に利用する雪を準備する。より詳細には、たとえば、製氷し、製氷した氷を破砕して所定粒径(0.2ミリないし0.3ミリ)の微小氷とする。
この場合、軸受ケース150を中心点P3を中心に所望角度に亘って回転させることにより、一対の破砕ドラム106間の最狭部110の間隔を調整することにより、粒径を調整する。
ステップ2において、圧雪層形成面11を取り囲む密閉スペース20を所定温度かつ所定湿度に管理する。所定温度は、−10℃ないし0℃であり、所定湿度は、60%以上であり、より好ましくは、−3℃ないし0℃、80%以上である。
【0064】
ステップ3において、密閉スペース20内に導かれる搬送管170を介して、圧送空気により微小氷からなる雪粒を密閉スペース20内まで搬送する。
この場合、搬送管170の先端部のサイクロン部66により、搬送空気と、雪粒とを一部分離し、それにより、搬送空気により圧雪層形成面11に積雪中の雪を乱すことがないようにしている。
具体的には、サイクロン方式により、空気搬送される雪粒に対して遠心力により旋回流を生じさせることで、搬送空気と、雪粒とを一部分離し、雪粒が搬送空気に乗って圧雪層形成面11まで達する一方、圧雪層形成面11に積もる雪粒を乱さないようにすることで、搬送空気により圧雪層形成面11上の積雪が巻き上がることなく、圧雪層形成面11に効率的に積雪させることが可能である。
【0065】
さらに、一部分離された雪粒が噴出開口33から噴出する際、拡散用斜板75に衝突させることにより、雪粒が噴出方向の横方向に拡散し、圧雪層形成面11の広い範囲に亘って、偏りなく積雪させることが可能である。
具体的には、搬送管170内において搬送空気により噴出開口33に向かって雪粒を下向きに圧送する場合、傾斜面74を噴出開口33に対して対向するように配置する際、傾斜面74を雪粒の噴出方向に対して所定角度α傾斜する向きとしたうえで、傾斜面74において、噴出開口33の雪粒の噴出方向への傾斜面74への投影領域が、傾斜面74内に包含されるような大きさとすることにより、搬送管170内を搬送空気により圧送される雪粒が噴出開口33より噴出する際、雪粒の噴雪流が確実に傾斜面74に衝突することにより、傾斜面74の雪粒の噴出方向に対する傾斜角度αに応じて、雪粒は噴出開口33より下方レベルの目標積雪面に到達するまでに拡散することから、雪を目標積雪面上に効率的かつ一様に積雪させることが可能である。
【0066】
ステップ4において、含水ユニット18により、所定の含水率で雪に含水させる。
【0067】
ステップ5において、密閉スペース20内で、温度および湿度管理された圧雪層の形成面11に含水した雪を供給して、雪を所定厚みにて積層させる。1工程の積層段階における所定の積雪層の厚みは、3ミリないし5ミリであり、これを繰り返して、所定厚みを形成する。
この場合、含水段階および積層段階は、所定温度および所定湿度に管理された圧送空気を用いて、搬送管170により微小氷を空気圧送しつつ、密閉スペース20内で、搬送管170の噴出口33において、噴出口33から流出する氷粒に対して水を噴霧させる。
【0068】
ステップ6において、積層した雪の上面から圧雪層形成面11に向かって所定の押圧力で面圧しつつ、含水する水分を氷結させることにより、積層した雪を圧雪する。圧雪段階は、圧雪層の硬度を検出して、目標硬度に対して押圧力をフィードバック制御する。
この場合、中実本体部94は、案内部92から圧雪部90まで徐々に硬度が増大するようにしてあるとともに、案内部92について圧雪層形成面11との間隔が圧雪部90に向かって徐々に狭まるように湾曲してあるので、積層した雪は、相対移動ユニット19により案内部92と圧雪層形成面11との間に達する際、圧雪層形成面11との間で滑りを生じたり、案内部92が抵抗となることなく、圧雪部90に向かって円滑に案内される。
【0069】
その際、圧雪が完了するまでは、含水させた水分が凍結しないように制御するのに、 たとえば、非接触温度センサー(赤外線放射温度計)により、圧雪プレート出口部の雪表面温度を測定し、ここの温度が-1〜0℃になるように 空気温度を制御する。後述の接触式の測定空間が点であるのに対し、非接触式は、直径数百ミリの円の面平均温度となるので、非接触式の方が雪面全体の雪質むらをおさえられる。 あるいは、接触式温度センサーを用いると精度が低下するが、安価である。さらには、誘電率測定による方法もある。誘電率式は雪中の水分量に応じた誘電変化から含水率を測る方法で、これによると凍結が完了しているか判断可能である。なお、圧雪出口において完全に凍結していなくともよく、再積雪させるまでに含水させた水分が凍結していればよい。
【0070】
この場合、圧雪層形成面11には、形成予定面の延び方向への圧雪層の滑りを防止する機械的絡み合いが設けられることから、圧雪層は、滑りを生じることなく、圧雪荷重板85と、圧雪層形成面11との間に案内され、圧雪荷重板85により面圧されることにより、圧雪層内から空気を追い出し、圧雪層のかさ密度を増大するとともに、焼結作用を積極的に促進することにより、含水させた水を圧雪層形成面11と雪粒、および雪粒同士の接着に利用することが可能である。
圧雪層が目標厚さに達するまで、圧雪層形成装置10を相対移動ユニット19により、再度初期位置まで戻すことにより、積層段階および圧雪段階を繰り返し、それにより、圧雪層を形成する。積層段階および圧雪段階を繰り返す際、積層段階により次の圧雪層を形成する前に、直前の圧雪段階により形成された圧雪層の表面に対して、次の圧雪層が絡みやすいように、回転ブラシ101により、凹凸を形成しておくとともに、水スプレー48により、圧雪層の表面に水を散布して、次の圧雪層が付着しやすいようにする。
なお、回転ブラシ101による凹凸の形成および/または水スプレー48による水の散布は、圧雪層形成装置10を初期位置に戻す間に行ってもよい。
【0071】
ステップ7において、密閉スペース20内を氷点以下の温度に保持した状態で、形成した圧雪層の上面を上面に平行な向きに研磨するように表面処理する。これにより、たとえば、いわゆるつるつる路面の摩擦係数をほぼ再現した路面を模擬することが可能である。
以上で、圧雪層の形成が完了する。
【0072】
この場合において、圧雪層形成ユニット10をビニールシート25により上方から覆いかぶせておくことにより、圧雪層形成ユニット10内の密閉スペース20を一定温度および一定湿度の保持することが容易となるとともに、相対移動ユニット19により、圧雪層形成ユニット10を自走式に圧雪層形成面11に対して圧雪層形成面11の長手方向に沿って相対移動させるとしても、ビニールシート25の可撓性ゆえに、移動中の圧雪層形成ユニット10まわりのビニールシート25の部分だけが盛り上がり、それ以外のビニールシート25の部分は、略平らとなり、この盛り上がり部が、円滑に移動することが可能であるとともに、圧雪層形成ユニット10が位置する長手方向前後方向の圧雪層形成面11もビニールシート25で覆うことが可能であり、総じて、圧雪層形成ユニット10を圧雪層形成面11の長手方向に沿って相対移動させつつ、圧雪層形成面11への積雪および圧雪を完了することが可能である。
【0073】
以上の工程により、圧雪層が形成されたら、目標厚みに向かって形成中の圧雪層の表面に対してタイヤを押し当てながら、タイヤおよび/またはインナードラムを回転することにより、圧雪層の形成と、オンラインでタイヤの雪上試験に利用する。なお、試験タイヤ はホイールリムをつけて所要の空気圧を充填したタイヤを用い、ホイールリムの軸孔に支持軸を挿入している。
この場合、インナードラムの内部温度を調整することにより、圧雪層が形成される内周面の温度を調整する。
なお、ロードセル(図示せず)で検出した計測データは演算処理装置(図示せず)へ出力され、ここで計測データが記憶回路に取り込まれて演算処理されることにより、種々の条件下でのスリップ率、摩擦係数μ などを算出するとよく、また演算処理装置 には、演算処理した結果を表示する計測結果表示手段(図示せず)を付設してもよい。
【0074】
以上の圧雪層の形成方法によれば、製氷した氷を破砕して所定粒径の微小氷とする一方、圧送管により微小氷を空気圧送しつつ、圧送管の流出口において、流出口から流出する微小氷に対して水を噴霧させることにより、所定の含水率で雪に含水させることにより、微小氷の粒径の調整と微小氷の含水率の調整とを独立に行いながら、互いに連動させて、圧雪層ごとに所望の雪質の圧雪層を形成可能としつつ、流出する微小氷に対して水を噴霧させたうえで、凍結させることにより、上下方向に隣接する圧雪層同士の接着と、各圧雪層内の微小氷同士の焼結を確保可能とし、以て、所望のかさ密度および/または所望の硬度の圧雪層を効率的に形成可能である。
特に、圧雪層の雪の所望かさ密度が300kg/m3以下、かつその所望硬度が80kg/cm2以上である場合に、所望かさ密度に基づいて、所定含水率を設定し、所望硬度に基づいて、密閉スペース20内の所定温度および所定湿度を設定することにより、圧雪層の形成予定面に積層した氷粒の再凍結速度を調整しつつ、積雪内の空気が押し出されないように、圧雪層の形成予定面に積層した氷粒が再凍結してから、所定の押圧力で圧雪する。
【0075】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、圧雪層の形成装置をタイヤの雪上試験に適用する場合として説明したが、それに限定されることなく、圧雪層の雪質、すなわち硬度、かさ密度、場合により表面状態が重視される限り、滑り摩擦試験関係としては、冬用の靴の滑り防止試験、スキー、スノーボートの滑走性試験、あるいは寒冷地における「そり」を利用した移動体の試験、圧雪工程がなく含水した雪を敷き詰める技術として利用する場合には、含水状態の積雪用途として、鉄道車両が走行した際に、線路上の含水した雪が巻き上げられる現象があり、巻き上げられた雪が車両に付着し、この付着した雪が はがれて後部に衝突したり、線路に敷き詰めた石に衝突すると石がはじかれて 石が後部を損傷したり、石が対抗車に衝突する雪害が生じる(バラスト現象という)ところ、この試験用に利用できる可能性がある。
【0076】
たとえば、本実施形態において、圧雪層形成装置10は、相対移動ユニット19により、圧雪層形成面11の長手方向に沿って移動させながら、圧送工程、含水工程、積雪工程、および圧雪工程を行う場合を説明したが、それに限定されることなく、圧雪層形成装置10が相対移動ユニット19により圧雪層形成面11の長手方向所定位置に達したら、そこでいったん停止して、圧送工程、含水工程、積雪工程、および圧雪工程を行い、これらの工程が完了したら、圧雪層形成装置10の移動を開始し、これを繰り返してもよい。
【0077】
たとえば、本実施形態において、氷粒等の人工雪を利用して、圧雪層の形成に利用する場合を説明したが、それに限定されることなく、自然雪を利用してもよいし、結晶の人工雪を利用してもよい。
たとえば、本実施形態において、単一の圧雪荷重板85をインサイドドラム12の内部に設けるものとして説明したが、それに限定されることなく、インサイドドラム12の内周面に沿って、互いに所定角度間隔を隔てて複数の圧雪荷重板85を設け、それぞれの圧雪荷重板85により積雪を圧雪してもよい。
たとえば、本実施形態において、目標厚みの圧雪層Lを形成した後に、圧雪層Lの表面に対してタイヤを押し当てながら、タイヤおよび/またはインサイドドラム12を回転することにより、圧雪層Lの形成と、オフラインでタイヤの雪上試験に利用するものとして説明したが、それに限定されることなく、圧雪層Lの形成と、オンラインでタイヤの雪上試験に利用してもよい。
【解決手段】製氷片を破砕して人工雪を準備する段階と、圧雪層の形成予定面を所定温度かつ湿度に管理する段階と、氷粒を空気圧送し、流出する氷粒に対して水を噴霧させて含水させる段階と、温度および湿度管理された圧雪層の形成予定面に、氷粒を供給し、所定厚みにて積層させる段階と、積層した雪の上面を押圧し、水分を氷結させて雪を圧雪する段階とを有する圧雪層の形成方法であって、圧雪層に要求される表面粗さに応じて、粒径を設定し、圧雪層に要求されるかさ密度に応じて、氷粒の単位時間、単位面積当たりの供給量を設定し、圧雪層に要求される硬度に応じて、含水率、押圧力、密閉スペース内の温度および湿度を設定し、それにより、圧雪層の形成開始前に所望雪質に応じたパラメータ設定段階を有することを特徴とする圧雪層の形成方法。