(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
薄膜トランジスタのドレインに画素電極が接続され、前記画素電極と対向電極との間に液晶層が形成されるとともに、前記画素電極と補助容量線との間に補助容量が形成された液晶表示装置の駆動方法であって、
前記液晶表示装置は、前記薄膜トランジスタのソースに接続され、前記補助容量線と交差する領域を有する信号線と、前記補助容量線と前記信号線とが交差している領域において、前記補助容量線と前記信号線との間に絶縁膜を介して上下方向に互いに重なり、前記補助容量線と前記信号線とが交差している交差領域の全体を覆うように設けられ、前記補助容量線と前記信号線とが交差していない領域において、前記補助容量線と互いに重ならないように設けられている寄生容量遮蔽配線と、を有し、
一定期間毎に電圧レベルが第1の電圧レベルVLと第2の電圧レベルVHとの間で交互に切り換わる第1の信号を、前記対向電極に供給し、
連続する2つの前記一定期間を1つの周期とし、前記周期を複数含む一つのフレーム期間に、前記薄膜トランジスタをオン状態にするオン電圧と、前記薄膜トランジスタをオフ状態にするオフ電圧とを、前記薄膜トランジスタのゲートに、それぞれ1回供給し、
連続する複数の前記フレーム期間の各々において、前記オン電圧と前記オフ電圧の供給を行い、
前記オン電圧を継続印加する期間を前記一定期間とし、
第1のフレーム期間において、前記薄膜トランジスタのゲートに対して前記オン電圧の印加が開始されるタイミングから1つの前記周期に対応する時間までの間は前記第1の信号に等しい信号を前記補助容量線に供給し、
その後の前記周期の1/2に対応する時間までの間は電圧レベルVcがVL<Vc<VHの範囲に設定された第2の信号を前記補助容量線に供給し、
さらにその後、前記第1のフレーム期間の直後の第2のフレーム期間において、前記薄膜トランジスタに前記オン電圧の印加が開始されるタイミングまでの間に亘って前記補助容量線をフローティング状態にし、
前記寄生容量遮蔽配線に固定電位の電圧及び前記第1の信号の何れか一方を印加する、
液晶表示装置の駆動方法。
薄膜トランジスタのドレインに画素電極が接続され、前記画素電極と対向電極との間に液晶層が形成されるとともに、前記画素電極と補助容量線との間に補助容量が形成された液晶表示装置あって、
一定期間毎に電圧レベルが第1の電圧レベルVLと第2の電圧レベルVHとの間で交互に切り換わる第1の信号を、前記対向電極に供給する第1の駆動回路と、
連続する2つの前記一定期間を1つの周期とし、前記周期を複数含む一つのフレーム期間に、前記薄膜トランジスタをオン状態にするオン電圧と、前記薄膜トランジスタをオフ状態にするオフ電圧とを、前記薄膜トランジスタのゲートに、それぞれ1回供給し、前記オン電圧を前記一定期間に継続印加し、連続する複数の前記フレーム期間の各々において前記オン電圧と前記オフ電圧の供給を行う第2の駆動回路と、
第1のフレーム期間において、前記薄膜トランジスタのゲートに対して前記第2の駆動回路により前記オン電圧の印加が開始されるタイミングから1つの前記周期に対応する時間までの間は前記第1の信号に等しい信号を前記補助容量線に供給し、
その後の前記周期の1/2に対応する時間までの間は電圧レベルVcがVL<Vc<VHの範囲に設定された第2の信号を前記補助容量線に供給し、
さらにその後、前記第1のフレーム期間の直後の第2のフレーム期間において、前記薄膜トランジスタに前記オン電圧の印加が開始されるタイミングまでの間に亘って前記補助容量線をフローティング状態にする第3の駆動回路と、
前記薄膜トランジスタのソースに接続され、前記補助容量線と交差する領域を有する信号線と、
前記補助容量線と前記信号線とが交差している領域において、前記補助容量線と前記信号線との間に絶縁膜を介して上下方向に互いに重なり、前記補助容量線と前記信号線とが交差している交差領域の全体を覆うように設けられ、前記補助容量線と前記信号線とが交差していない領域において、前記補助容量線と互いに重ならないように設けられている寄生容量遮蔽配線と、
を備える、液晶表示装置。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は、液晶からなる各画素に設けられた薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子で液晶へ電圧が印加される。
図21は、従来の液晶表示装置の1画素分100を模式的に示す図であり、
図22は一行分の画素構造を模式的に示す図である。
画素電極(Pix)101は、トランジスタ102を介してソース電位に充電される。対向電極(COM)103には対向電極を駆動する電圧(Vcom)が印加され、対向電極103と画素電極101との電位差が液晶駆動電圧(Vlcd)となる。基板104側には補助容量電極(Cs)105が設けられている。補助容量電極105は、トランジスタ102のゲート電位変動やオフ時のリーク電流に起因して画素電極101に生じる電位変動を緩和している。この補助容量電極105の配線は通常、ゲート配線と平行に敷設されている。この配線は対向電極103と接続される。これにより、補助容量電極105の電位は対向電極103と共通電位となっている。液晶は、焼き付きや電気分解を防ぐため交流駆動される。
【0003】
図23は、上記液晶表示装置における駆動波形の一例を示すタイムチャートであり、(A)が対向電極に印加される電圧波形を、(B)が信号線電圧波形を、(C)が走査線電圧波形を、(D)が液晶駆動電圧波形を示している。図示するように、対向電極に印加される電圧波形(Vcom)及びトランジスタのソース電極に印加される電圧波形(Vs)は矩形波であり、走査線電圧はトランジスタのゲート電極に印加される電圧(Vg)である。
図23(C)に示すように、ゲートにハイレベルの電圧が印加されたときトランジスタは導通し、ゲートに印加される電圧がローレベルになったときトランジスタは非導通(オフ)となる。トランジスタがオフとなる保持期間の間、液晶駆動電圧(Vlcd)は、対向電極に印加される電圧(Vcom)の波形に合わせて全体が上下するので、液晶駆動電圧はゲートに印加される電圧の周期毎に正及び負の電圧となることで交流駆動される。
【0004】
液晶表示装置の駆動には、交流駆動のために±4〜5V程度の電圧が必要とされている。
図23に示すように、信号線電圧(Vs)と対向電極電圧(Vcom)の矩形波の組み合わせによって、交流駆動用電圧を生成する。これらの信号波形はドライバLSIから供給されている。近年、LSIの低電圧化が進み、VcomとVsとの間の電圧は最大で約4.8Vとなっている。この電圧制約は絶対的なものではないが、ドライバLSIからこれ以上の電圧を出力するためには、LSIの耐圧設計を変更する必要があり、LSIの面積やコストが大幅に増加する。液晶表示装置の駆動には前述のように約±4〜5Vの電圧が必要なのでぎりぎりのバランスといえる。しかし、近年開発されている新モードの液晶表示装置(垂直配向モード、横電界モードのn型液晶等)ではその性能を充分に発揮するために5Vを超える電圧を必要とするものもあり、現状のLSIでは能力が不足気味になるケースが出てきていた。
【0005】
ところで、特許文献1に開示されている液晶表示装置では、補助容量電極と対向電極とを接続しないで、別に補助容量線駆動回路を設けている。この場合、補助容量は、補助容量電極と画素電極とこれらの電極間に挿入されている絶縁層とから形成される。特許文献1では、補助容量線駆動回路から補助容量電極へ対向電極とは異なる電圧を加える液晶表示装置が開示されている。
図24、
図25及び
図26は、それぞれ特許文献1に開示されている液晶表示装置のブロック図、ゲート信号及び補助容量線駆動信号の波形、画素に印加される波形を示す図である。
【0006】
図24において点線で示す表示領域111は、所定の画像を複数の画素で表示する表示部である。表示部は走査線G
1、G
2、G
3・・・G
nによって走査され、信号線S
1、S
2、S
3・・・S
mによって表示信号が与えられる。
【0007】
走査線G
1、G
2、G
3・・・G
nと信号線S
1、S
2、S
3・・・S
mとの交差部に薄膜トランジスタ(TFT)114が配置される。各薄膜トランジスタ114のドレインに接続された画素電極部に液晶セル115が配置される。トランジスタのゲートは走査線Gに接続され、ソースは信号線Sに接続される。
【0008】
走査線駆動回路116は各走査線G
1、G
2、G
3・・・G
nを順次に走査して1水平期間毎に1行分の画素列を選択する。信号線駆動回路117は各信号線S
1、S
2、S
3・・・S
mを通して表示信号を出力し、1水平期間内で走査線駆動回路116により選択された1行分の液晶セルに対してトランジスタ114を介して画素電圧を与える。また各液晶セル115を挟んで対向電極118とその配線ラインとが第2の透明基板に設けられている。これらの2つの基板は、液晶セル115を挟んでいる。
【0009】
対向電極駆動回路119は、対向電極118を介して全ての液晶セルに共通の対向電極電圧Vcomを印加する。各画素に設けられた補助容量112の一端が各トランジスタ114のドレインに接続され、他端は走査線毎に異なる補助容量線113に接続される。走査線G
1に対応した補助容量線113は補助容量線駆動回路110の第1出力端に接続され、走査線G
2に対応した補助容量線113は補助容量線駆動回路110の第2出力端に接続される。走査線G
3〜G
nに対応した補助容量線113も同様に接続される。走査線G
1〜G
nに対応して異なるタイミングで補助容量駆動電圧Vst1〜Vstnが補助容量線駆動回路110の第1出力端〜第n出力端からそれぞれ出力される。
【0010】
図25は、特許文献1の液晶表示装置の動作を示すタイミング図である。
図25(A)は各走査線G
1、G
2・・・から出力されるゲート信号G
sig,1、G
sig,2・・・を示し、
図25(B)は補助容量線駆動回路110から出力される補助容量線駆動電圧Vst1、Vst2・・・の変化を示す。ゲート信号G
sig,1、G
sig,2・・・は
図24の走査線駆動回路116から出力され走査線を選択するパルスであり、1フレームの繰り返し周期を有している。ゲート信号G
sigの電圧は1行分の各画素の選択時には電圧Vghになり、非選択時には電圧Vglに保持される。補助容量線駆動電圧Vst1、Vst2・・・はΔVstの振幅を持った2値の電圧信号である。図示するように、補助容量112を介して各液晶セル115の一端に印加される。また走査線G
1に対する補助容量線駆動電圧Vst1は、ゲート信号G
sig,1が立ち下がった後、少し遅れて振幅がΔVstだけ変化する。補助容量線駆動電圧Vst2・・・についても同様に振幅が変化する。
【0011】
図26は特許文献1の液晶表示装置の各画素に印加される電圧の波形図である。同図に示すゲート信号G
sigは走査線駆動回路116から選択された走査線Gi(i=1〜n)に対して出力される。1行分の各画素の選択時には電圧がVghとなり、非選択時には電圧がVglになる。直流の対向電極電圧Vcomは対向電極駆動回路119から出力される。Vcomは一定である。トランジスタ114のドレインから出力される出力電圧Vdは、1フレーム周期で出力レベルが対向電極電圧Vcomを中心に正及び負側に変化する。当該ゲートの選択時、その走査線上にある液晶セル115の画素電極は、信号線Sを介して供給される信号電圧Vsigに充電されるが、トランジスタ114の寄生容量であるドレイン−ゲート間の容量Cdgの影響で、ゲート信号G
sigがVghからVglに変化したとき、出力電圧VdがVsigより更にVptだけ低くなった電圧に変化する。その後、図に示すように、補助容量線駆動回路110の補助容量駆動電圧VstがΔVst電圧だけ立ち下がると、K・ΔVstだけ出力電圧Vdが更に低下する。ここで、Kは、容量結合に含まれる容量の値に依存する定数である。こうして、対向電極電圧Vcomと画素電極の電圧Vdの差の電圧Vdlが液晶セル115の駆動電圧として印加される。
【0012】
さらに詳しくは、上記の定数Kは次の(1)式で与えられる。
K=Cst/(Clc+Cst+Cdg) (1)
ここで、Cstは補助容量112の容量、Clcは液晶セル115の容量、Cdgはトランジスタ114のドレイン−ゲート間の寄生容量である。
【0013】
次のフレームで同一走査線の各液晶セル115に表示信号を書き込むときは、当該走査線G
iの再度の選択時に、当該画素(i,j)の液晶セル115に対して信号線S
jを介して供給される信号電圧Vsigにより充電を行う。Vsigは、Vcomのレベルを中心として、実質的に対称な波形を有している。
図26に示すように、トランジスタ114においてドレイン−ゲート間の寄生容量Cdgの影響で、ゲート信号G
sig,iの電圧がVghからVglに変化したとき、出力電圧VdがVptだけ低下する。その後、補助容量線駆動回路110の補助容量駆動電圧VstがΔVstだけ立ち上がると現在の電圧からK・ΔVstだけ出力電圧Vdが上昇する。ここで、Kは上記定数である。この後は上昇した電圧が保持され、出力電圧Vdと対向電極電圧Vcomとの差が駆動電圧Vdlとして液晶セル115に印加される。このように、液晶パネルが1フレ−ム周期で交流駆動される。
【0014】
図25に示すように対向電極電圧Vcomに対して出力電圧Vdが低くなる場合は、補助容量線駆動回路110からの信号により出力電圧Vdは(Vsig+Vpt)より更にK・ΔVstだけ対向電極電圧Vcomに対して低い方向にシフトする。また、対向電極圧Vcomに対し出力電圧Vdが高くなる場合は、補助容量線駆動回路110からの信号により出力電圧Vdは(Vsig−Vpt)より更にK・ΔVstだけ対向電極電圧Vcomに対して高い方向にシフトする。
【0015】
従って、特許文献1によれば、液晶セル115を黒表示するため、駆動電圧VdlをVdl0より高い値Vdl1に設定した場合、所定の駆動電圧Vdl1に対する信号電圧Vsigの値を小さくできる。このように、液晶セル115に与える出力電圧VdがK・ΔVstだけ対向電極電圧Vcomから離れる方向にシフトするため、信号線の振幅Vspp’は、従来の液晶セルにおける信号線の振幅Vsppより小さくすることができる。
【0016】
特許文献1に記載の補助容量電極の駆動方法では、対向電極には直流電圧が印加され、補助容量電極の電位を対向電極とは独立にフレーム周期に同期させて駆動することで、液晶駆動電圧(Vlcd)の向上が図られている。しかしながら、補助容量線駆動回路110からの出力信号Vst1は△Vstの振幅を持った2値の電圧信号であり、ゲート信号G
sig,1が立ち下がった後、少し遅れて振幅をΔVstだけ変化させている。従って、走査線G
1に対する補助容量線駆動電圧Vst1を、走査線G
1がオンとなる周期からずれた波形とする必要がある。このため、補助容量線駆動回路の信号は、信号線、走査線及び対向電極に印加される何れの波形とも異なるために、その回路構成が複雑であった。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。
図1は本発明の液晶表示装置1の構成を示すブロック図であり、
図2〜4は本発明の液晶表示装置1における表示部10の一例を示している。
図1に示すように、本発明の液晶表示装置1は、点線で囲んだ表示部10と、表示部10の周辺に、走査線駆動回路20と信号線駆動回路22と対向電極駆動回路24と補助容量線駆動回路26と、が配置されて構成されている。
【0034】
液晶表示装置1は、図示しない第1の透明基板上に複数の行からなる走査線及び複数の列からなる信号線が配設され、走査線と信号線との交差部にスイッチング素子12が配設され、スイッチング素子12の出力端に接続された画素電極13と対向電極14との間には液晶セルからなる画素15が配設され、スイッチング素子12の出力端に補助容量16の一端が接続されている。ここで、行は1≦i≦mの任意の自然数からなり、列は1≦j≦nの任意の自然数からなる。なお、i行j列のスイッチング素子12は、スイッチング素子12
ijと表記する。
【0035】
図示の場合、表示部10は、m行×n列のマトリクス状に配列された複数の画素15を有している。この場合、各行の画素15に配置されるスイッチング素子12の各ゲート電極(制御電極とも呼ぶ)は互いに接続されて、ゲート電極配線を形成している。従って、1,2,3〜m行の各ゲート電極配線は、それぞれ走査線駆動回路20の走査線G
1,G
2,G
3〜G
mに接続し、走査される。
【0036】
各列の画素15に配置されるスイッチング素子12において、ソース電極(第1主電極とも呼ぶ)は互いに接続されて、ソース電極配線を形成している。従って、1,2,3〜n列のソース電極配線は、それぞれ信号線駆動回路22の信号線S
1,S
2,S
3〜S
nに接続されており、表示用信号が印加される。
【0037】
対向電極14と各スイッチング素子12のドレイン電極(第2主電極とも呼ぶ)に接続された画素電極13との間に液晶セル15が配置される。スイッチング素子12は、例えばトランジスタである。トランジスタ12は、図示しない第1の透明基板上にアモルファスシリコンや低温ポリシリコンを用いて作製された薄膜トランジスタを用いることができる。上記したように、トランジスタ12のゲートは走査線に接続され、ソースは信号線Sに接続されている。各液晶セル15を挿んで対向電極14と対向電極14の配線が図示しない第2の透明基板に設けられている。
【0038】
走査線駆動回路20は、各行の走査線に対しスイッチング素子12がオンとなるオン期間及びオフとなる保持期間を有する走査線用駆動信号を出力する。走査線駆動回路20は、各走査線G
1,G
2,G
3〜G
mを順次に走査することで1水平期間毎に1行分の画素列を選択する。
【0039】
信号線駆動回路22は、各列の信号線に対してスイッチング素子12のオン期間とほぼ同期する所定のタイミングの信号線用駆動信号を出力する。つまり、各信号線S
1,S
2,S
3〜S
nを通して表示信号を出力する。1水平期間内で走査線駆動回路20により選択された1行分の液晶セルに対して、信号線駆動回路22はトランジスタ12を介して画素電圧を出力する。
【0040】
対向電極駆動回路24は対向電極用駆動信号を出力し、図示しない第2の透明基板に形成された対向電極14を介して全ての液晶セル15に共通の対向電極電圧(Vcom)を印加する。
【0041】
トランジスタ12のドレインが接続される画素電極13に補助容量16の一端が接続され、この補助容量16の他端は、補助容量線駆動回路26に接続されている。
図1に示すように、つまり、各行の画素15に配設される補助容量16の他端は共通に配線され、補助容量線駆動回路26に接続される補助容量線を形成している。従って、1,2,3〜m行の補助容量線は、それぞれ補助容量線駆動回路26の第1出力端子〜第m出力端子に接続される。第1出力端子〜第m出力端子からは、それぞれVcs1〜Vcsmが出力される。
なお、上記の場合には液晶表示装置1を白黒表示として説明しているカラー表示に対応した画素でもよい。
【0042】
図2は、本発明の第1の実施形態としてのカラー液晶表示装置1における第1の基板41の一部を示す透過平面図であり、
図3(A)は
図2のX−X線に沿う断面図、
図3(B)は
図2のY−Y線に沿う部分における第2の基板42を含む断面図を示している。
【0043】
図2に示すように、第1の基板41上には複数の走査線44、複数の信号線45がそれぞれ行方向、列方向に延びて設けられている。両線44,45の各交差部近傍には、両線44,45に接続された薄膜トランジスタ46とこの薄膜トランジスタ46によって駆動される画素電極47とが配置されている。また、画素電極47を挾んで走査線44とは反対側に補助容量線48が画素電極47と重ね合わされて行方向に沿って設けられている。
【0044】
図3(B)に示すように、このカラー液晶表示装置1では、第1の基板41とこの第1の基板41の上方に位置する対向基板となる第2の基板42とがほぼ方形枠状のシール材(図示せず)を介して貼り合わされ、シール材と両基板41,42との間に画成された空間に液晶43が封入されている。
【0045】
次に、薄膜トランジスタ46等の具体的な構造について
図3(A)を参照して説明する。第1の基板41の上面、すなわち第2の基板42との対向面の一方の所定の箇所にはゲート電極51を含む走査線44が設けられ、他方の所定箇所には補助容量線48が設けられ、その上面全体にはゲート絶縁膜52が設けられている。
【0046】
ゲート絶縁膜52の上面の所定箇所には真性アモルファスシリコンからなる半導体薄膜53が設けられている。半導体薄膜53の上面において、半導体薄膜53とゲート電極51との交差部よりも所定量内側には、チャネル保護膜54が設けられている。チャネル保護膜54の上面両側およびその両側における半導体薄膜53の上面にはn型アモルファスシリコンからなるコンタクト層55,56が設けられている。
【0047】
一方のコンタクト層55の上面にはドレイン電極57が設けられている。他方のコンタクト層56の上面およびゲート絶縁膜52の上面の所定の箇所にはソース電極58を含む信号線45が設けられている。
【0048】
ゲート電極51、ゲート絶縁膜52、半導体薄膜53、チャネル保護膜54、コンタクト層55、56、ドレイン電極57およびソース電極58により、薄膜トランジスタ46が構成されている。
【0049】
薄膜トランジスタ46等を含むゲート絶縁膜52の上面全体には絶縁材料からなるオーバーコート膜59が設けられている。このオーバーコート膜59は平坦化膜であってもよい。オーバーコート膜59のドレイン電極57の所定箇所に対応する部分にはコンタクトホール60が設けられている。オーバーコート膜59の上面の所定箇所には、画素電極47が設けられている。画素電極47はITOからなる透明電極で形成されている。画素電極47はコンタクトホール60を介してドレイン電極57に接続されている。
【0050】
次に、第2の基板42について
図3(B)を参照して説明する。第2の基板42の下面(第1の基板41との対向面)の各所定箇所にはブラックマトリクス61およびR、G、Bのカラーフィルタ要素62R、62G、62Bが設けられている。このうちカラーフィルタ要素62R、62G、62Bは、対応する画素電極47に対向して設けられている。
【0051】
ブラックマトリクス61及びカラーフィルタ要素62R、62G、62Bの下面には、ITOからなる透明電極で対向電極63が形成されている。画素電極47とこれに対向配置した対向電極63との間に封入される液晶43によって画素容量部が形成されている。この場合、画素電極47の面積は同じであるので、画素容量部の画素容量は同じである。
【0052】
ここで、
図2に示すように、補助容量線48のうち画素電極47と重ね合わされた部分は各画素に設けられる補助容量電極48aとなっている。そして、この重ね合わされた部分によって
図1に示す補助容量16が形成されている。つまり、補助容量16は、
図2及び
図3に示したカラー液晶表示装置1では、第1の基板41上に設けた配線の一部である補助容量電極48aと、この配線上に設けた絶縁膜52,59と、この絶縁膜52,59上に設けた透明電極からなる画素電極47と、により形成されている。
【0053】
一方、各カラーフィルタ要素62R、62G、62Bに対応する各画素電極47は、オーバーコート膜59上に設けられているため、同一の平面上に配置されている。従って、R、G、Bの各画素におけるギャップの寸法はdである(
図3(B)参照)。
【0054】
図1の画素15に接続されるスイッチング素子12である薄膜トランジスタは勿論のこと、走査線駆動回路20、信号線駆動回路22、補助容量線駆動回路26の少なくとも1回路又は全ての回路は、
図2〜
図3の液晶表示装置1上に形成することができる。例えば、薄膜トランジスタ12及び上記の各駆動回路は、低温ポリシリコンを用いて第1の透明基板41に形成され、TFTアレイ基板が構成される。ここで、第1の基板41と第2の基板42との間隙に液晶43が充填される。
なお、補助容量16は、
図2及び
図3に示したカラー液晶表示装置1では、第1の基板41上に設けた補助容量電極48aと絶縁膜52,59と画素電極47とにより形成されているが、カラー液晶表示装置1の画素構造に応じて他の構造を用いてもよい。
【0055】
図4は、1行3列の画素構造の等価回路を示すブロック図であり、Clcは画素容量を、Ccsは補助容量16を示している。スイッチング用素子12の添え字は行及び列を示し、1行目の補助容量線をCS1で示している。
【0056】
いま、信号線及び対向電極に対して矩形波信号が印加されることで、走査線が選択され、走査線(G
1)に接続される画素15のスイッチング素子12がオン状態となって画素電極13に表示信号に基づく電圧が印加される。即ちオン状態において、
図1に示す補助容量線駆動回路26は、補助容量16の他端、つまり、補助容量電極17に対して対向電極用駆動信号の第1周期には第1の電圧を印加する。続いて、対向電極用駆動信号の第1周期の後のp+1/2周期(ここで、pは0又は自然数)には第2の電圧を印加し、p+1/2周期の後の保持期間中を開状態とする信号を出力する。この対向電極用駆動信号は、各行の走査線用駆動信号に合わせて所定のタイミングで出力される。
これにより、画素電極13と対向電極14との電位差の絶対値を増加させることができる。
【0057】
図5は本発明に係る液晶表示装置1の駆動方法の一例を示す波形で、それぞれ、(A)が対向電極用駆動信号を、(B)が補助容量線用駆動信号を、(C)が信号線用駆動信号を、(D)が走査線用駆動信号を、(E)が画素電極13の電圧と共に画素15に印加される電圧(画素電極13と対向電極14との電圧差)を示している。
図5(A)に示すように、対向電極用駆動信号は、走査線用駆動信号のパルス幅に対応して、ハイレベル(VcomH)及びローレベル(VcomL)の振幅を繰り返す矩形波であり、走査線用駆動信号がオンとなるt0〜t1及びt5〜t6ではそれぞれ、ハイレベル(VcomH)及びローレベル(VcomL)の振幅を有するような波形である。
図5(C)に示した波形は、液晶に最大電圧を与える場合の信号線用駆動信号の一例である。
図5(D)に示すように、走査線用駆動信号は矩形波であり、t0〜t1及びt5〜t6の期間が充電期間となる所謂ハイレベルの振幅と、t1〜t5及びt6〜t10の期間が保持期間となるローレベルの振幅とを有している。t1〜t5の時間周期においては、図に示す数周期ではなく、数百以上のパルスで占められていることに注意すべきである。同様に、対向電極用駆動信号Vcomのレベルは、t5〜t6の時間周期においては、t1〜t2の時間周期とは反転した信号になることに注意すべきである。これは、各フレームで繰り返される。
【0058】
ここで、対向電極用駆動信号、補助容量線用駆動信号及び信号線用駆動信号において、t0〜t2を第1の周期、t2〜t4を第2の周期と呼ぶ。また、走査線用駆動信号の1周期は、スイッチング素子12を導通状態とするオン期間(充電期間とも呼ぶ)とスイッチング素子12を非導通状態のオフとする保持期間とからなる。
【0059】
補助容量線用駆動信号について説明する。
図5(B)に示すように、補助容量線用駆動信号Vcsは、走査線用駆動信号が充電期間(t0〜t1の期間)のとき第1の電圧、つまり、対向電極14に印加される電圧VcomHと同じ電圧Vcs1(Vcs1=VcomH)であり、t1〜t2のとき対向電極14に印加される電圧と同じVcomLであり、次のt2〜t3のとき対向電極14に印加される電圧VcomHとは異なる第2の電圧(Vcs2)である。t3〜t5のとき、補助容量16は補助容量線駆動回路26によりフローティング状態となる。つまり、各走査線が選択され、走査線(G
1)に接続される画素15のスイッチング素子12がオン状態となり画素電極13に表示信号に基づく電圧が印加されたとき、補助容量線駆動回路26は、各補助容量線に対して対向電極用駆動信号の第1周期には第1の電圧を印加する。次に、対向電極用駆動信号のオン期間(t0からt2)の次の半周期(t2〜t3)には、補助容量線駆動回路26は各補助容量線に対してこの半周期に同期した別の第2の電圧を印加し、この半周期の後の保持期間(t3〜t6)では開状態とする信号を出力する。補助容量線駆動回路26は、各行の走査線用駆動信号毎に各行の補助容量線に対して上記の電圧信号を印加する。
【0060】
これにより、画素15で生じた電圧差は次の書き込みまで保持される。このように、補助容量線48と対向電極14へそれぞれ印加されるVcomとVcsは、何れも走査信号のパルス間の間、50%デュティーの矩形波である。選択/充電動作は、走査線信号Vg(t0〜t1)がハイレベルのときに行われる。VcomとVcsのレベルが、t2〜t3の期間の充電の後、ローレベルに戻ると、Vcsは、ハイレベルからローレベルに変化し、液晶43には大きな電圧差が生じる。この後(t3以降)、補助容量線48の電圧Vcsは、画素15の液晶43に生じた大きな電圧差を維持するためにフローティング状態にされる。画素15を交流(AC)モードで駆動するために、これらの信号のハイレベルとローレベルの役割は、次のフレームで反転される。従って、次のフレーム(
図5のt5〜t10参照)では、Vcsのレベルは、t5〜t10の期間においてVcomLから高い電圧となる。
なお、第2の電圧を印加する期間は半周期に限らず、p+1/2周期(ここで、pは0又は自然数)としてもよい。以下の説明においては、第2の電圧を印加する期間は半周期として説明する。
【0061】
図5(B)に示すように、補助容量線用駆動信号は、t5〜t6のとき、つまり、走査線用駆動信号が充電期間のとき、対向電極14に印加される電圧と同じ電圧VcomLであり、t6〜t7のとき対向電極14に印加される電圧と同じ第1の電圧Vcs1(Vcs1=VcomH)であり、次のt7〜t8のとき対向電極14に印加される電圧(VcomL)とは異なる第2の電圧(Vcs2)である。t8〜t10のとき補助容量16の他端、つまり、補助容量電極17を含む補助容量線48は補助容量線駆動回路26によりフローティング状態とされる。
【0062】
本発明の駆動方法の動作原理をさらに詳しく説明する。
対向電極14と画素電極13との間の容量(Clc)と、画素電極13と捕助容量電極17との聞の容量(Ccs)は、液晶の誘電率変化を考慮しなければ一定である。さらに、画素電極13と補助容量電極17との間の容量(Ccs)も一定である。画素15の充電が終了したときの画素電極13の電位をVpixl、充電中の対向電極14の電位をVcomW、充電中の補助容量電極17の電位をVcslとすると、画素電極13(Pix)には、
Q=Clc×(Vpix1−VcomW)+Ccs×(Vpixl−Vcsl)
で示す電荷が充電されている。画素15の充電(例えば、
図5のt1参照)が終了すれば画素15のトランジスタ12がオフになるため、画素15はフローティング状態となり、このQは次の充電まで一定のまま保持される。従来例では、この状態からVpixを含めた全体の電位が、対向電極14の電位に合わせて
図15のように振動する。
【0063】
ここで、補助容量電極17の電圧のみVcslからVcs2に変化させると、QとClc、Ccsが一定であるため、充電直後とは電位開係が変化する。変化後の画素電位をVpix2とすると、
Q=Clc×(Vpixl−VcomW)+Ccs×(Vpixl−Vcsl)
=Clc×(Vpix2−VcomW)+Ccs×(Vpix2−Vcs2)
の関係が成り立ち、このため画素電極の電位Vpixは
Vpix2−Vpixl=Ccs/(Clc+Ccs)×(Vcs2−Vcsl)だけ変化する。液晶に印加される電圧はVpix−Vcomなので、Vpix2−Vpixl>0、すなわちVcs2−Vcsl>0(
図5のt7〜t8参照)であるようにVcs2を設定すれば画素15の電圧が昇圧されることになる。Vcs2<Vcsl(
図5のt2〜t3参照)であれば降圧となる。これはLSI内部で昇圧に用いられているチャージポンプと類似の現象であるが、Vcomという電位が関与する点が異なる。
【0064】
補助容量電極17には、画素15の充電時にVcsl(Vcom相当)を与え、その1周期後(即ち、対向電極の電位が充電時と同電位になったとき)のt2〜t3(又はt7〜t8)のときにVcs2を与える。これ以外のタイミングでは、補助容量電極17の駆動電源は、補助容量電極17を開状態、つまり高インピーダンスにして補助容量線をフローティング状態とする。このような駆動を行うことで、Vcs2の印加による画素電圧(Vpix)の昇圧状態を保持期間中維持することが可能になる。すなわち、ドライバLSIの電圧制限内のVcs1、Vcs2を使用しながら画素15の電位を昇圧して、4.8Vを超えることが可能になる。
ここでポイントとなるのが、補助容量電極17の電圧をVcslからVcs2に変化させるとき、Vcomが画素15の充電時と同じ電位であることである。Vcsl、Vcs2が共にドライバLSIから供給可能な電圧(Vsとの差が4.8V以内)であることはこのタイミングで実現できる。対向電極駆動用信号の第1周期の後のp+1/2周期(pは0又は自然数)とは、この条件が満たされる周期を示している。
【0065】
第1の実施形態では、補助容量電極17の電位を変化させて、これによって画素電位を押し上げるチャージポンプ類似の回路動作としたので、LSIの出力電圧以上の電圧で液晶を駆動することが可能になる。これにより補助容量線48を対向電極配線から独立させたので、このような昇圧動作に必要な信号を自由に印加できる。
【0066】
第1の実施形態では、一例として、補助容量電極17をドライバLSIからの配線で駆動するようにしたが、表示エリアに隣接してアモルファスのシリコン又はポリシリコンからなる薄膜トランジスタを用いた駆動回路を作り込み、これで駆動しても良い。この場合、薄膜トランジスタ12や液晶の表示部10周辺の配線数が減少するためLSIを大きくしなくても良いという効果を得られる。
【0067】
第1の実施形態では、補助容量16の昇圧を補助容量電極17へ印加する電圧変化で行っている。従来の画素補助容量の構成は同一にしたままで、補助容量16として別電極を追加することでも同様の効果を得ることができる。
図6、
図7(A)、(B)は、本発明の別の実施形態を示している。
図6は、補助容量16と画素補助容量18とを別々に設けた場合のブロック図を示し、
図7(A)、(B)は具体的な画素構造を示す図である。
図6に示すように、補助容量は第1及び第2の補助容量16,18からなっている。この構成の場合には、第1の補助容量16を単に補助容量と呼び、第2の補助容量を画素補助容量18と呼ぶ。補助容量16を形成する他端の補助容量電極17がCS端子に接続され、画素補助容量18の他端の電極がCOM電極(対向電極14にも接続される)に接続されているので、補助容量16と画素補助容量18との電極には独立に電圧が印加される。つまり、補助容量16及び画素補助容量18の一端が画素電極13に共通に接続され、補助容量16と画素補助容量18との他端はそれぞれ個別に配設されている。補助容量16の他端が補助容量線駆動回路26に接続されると共に、画素補助容量18の他端が対向電極14に接続されている。つまり、画素補助容量18は画素15と並列に接続される。
【0068】
図7において、(A)は画素構造の平面図であり、(B)はその断面図を示している。この場合、各行の画素15に配設される補助容量16の他端には補助容量電極17が形成され、各補助容量電極17が補助容量線48によって相互に接続されている。この補助容量16の電極配線は、画素補助容量18の電極配線と平行に配設することができる。従って、パターンレイアウトの上で自由度が増える利点がある。例えば、補助容量16及び画素補助容量18を形成するための対向する電極のパターンをそれぞれ任意に設計する。これにより、画素に蓄積させる電荷の保持するための蓄積容量を十分にし、同時に、液晶セル15に印加される電圧(Vpp、ピーク間電圧)を昇圧するような補助容量16を形成することができる。
【0069】
図8は、本発明の液晶表示装置30における第2の実施形態を示すブロック図である。補助容量線駆動回路26は、各走査線(G
1〜G
m)で駆動される補助容量16毎に接続される第1及び第2の補助容量駆動用トランジスタ31,32を含んで構成されている。
走査線駆動回路20の各走査線に接続されるn個の画素電極13は、補助容量16の一端が接続され、補助容量16の他端が共通電極として形成されている。この共通電極は、走査線駆動回路20の本数分だけ設けられている。この補助容量16の共通電極からなる配線を補助容量線(Cs1〜Csm)48と呼ぶ。つまり、補助容量線48のそれぞれは、1本ずつ分離された状態となり、その両端に設けた第1及び第2の補助容量駆動用トランジスタ31,32で駆動される。
【0070】
第1の補助容量駆動用トランジスタ31は、図示するように走査線の本数であるm個が走査線駆動回路20に沿って一列に配置されるので、CTr
11〜CTr
1mと呼ぶ。同様に、第2の補助容量駆動用トランジスタ32は、走査線の本数であるm個がスイッチング素子12のn列に沿って配置されるので、CTr
21〜CTr
2mと呼ぶ。
【0071】
画素電極13は、トランジスタ12のドレインに接続されている。一行の対応する画素電極13と共に液晶セル15を形成する対向電極14は、全て互いに接続され、第1の補助容量駆動用トランジスタ31の第2主電極に接続されている。1行目の画素電極13と共に補助容量16を形成する補助容量電極17は互いに接続され、第1の補助容量駆動用トランジスタ31の第1主電極に接続されてる。第1の補助容量駆動用トランジスタ31の各制御電極は、対応する各走査線に接続される。2行目及び3行目の画素も同様に構成されている。そして、画素補助容量18のための対向電極14は、全て第1の共通電極となる対向電極配線(COM1と呼ぶ)に接続されている。図示するように、第2の補助容量駆動用トランジスタ32の第2主電極は全て第2の共通電極配線(COM2と呼ぶ)に接続されている。2行目及び3行目の画素も同様に構成されている。このようにして、画素補助容量18を形成する他端の電極である対向電極14の電圧は常時COM1の電圧レベルに制御される。補助容量線48に印加される電圧は、第1の補助容量駆動用トランジスタ31と第2の補助容量駆動用トランジスタ32のスイッチング状態によってCOM2の電圧レベルに制御される。
【0072】
i行目の第1の補助容量駆動用トランジスタ31において、第1主電極はi行目の補助容量16に接続される補助容量線48と接続され、第2主電極は第1の共通電極となる対向電極配線(COM1)と接続され、制御電極がi行目の走査線G
iと接続されている。
【0073】
i+2行目の第2の補助容量駆動用トランジスタ32において、第1主電極はi行目の第1の補助容量駆動用トランジスタ31の第1主電極及び補助容量16に接続される補助容量線48に接続され、第2主電極は全て第2の共通電極配線(COM2)と接続され、制御電極はi+2行目の走査線G
i+2と接続されている。従って、1行目のn個の画素15(15
11〜15
1n)の制御には、第1の補助容量駆動用トランジスタCTr
11と第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
23とが使用される。同様に、i行の各画素15の制御には、トランジスタCTr
1iとトランジスタCTr
r(i+2)が使用される。
【0074】
なお、m−1行目のn個の画素15の制御には、第1の補助容量駆動用トランジスタCTr
1(m-1)と第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
21とが使用される。m行目のn個の画素制御には、第1の補助容量駆動用トランジスタCTr
1mと第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
22とが使用される。
【0075】
補助容量線駆動回路26は、走査線毎に第1及び第2の補助容量駆動用トランジスタ31,32が接続され、第1の補助容量駆動用トランジスタ31の第2主電極には対向電極配線(COM1)が接続され、第2の補助容量駆動用トランジスタ32の第2主電極が第2の共通電極配線(COM2)と接続されている。走査線が1行目のG
1の場合には、第1の補助容量駆動用トランジスタ31の制御電極が1行目の走査線G
1に接続され、第2の補助容量駆動用トランジスタ32の制御電極は3行目の走査線G
3に接続されている。
【0076】
共通電極配線(COM2)には、対向電極配線(COM1)の逆相電圧を印加することができる。この場合には、もちろんCOM反転信号生成回路をCOMドライバに設けてもよいが、図示しない薄膜トランジスタからなるインバータ回路を、対向電極駆動回路24に接続し、インバータ回路の出力を共通電極配線(COM2)に接続することで容易に実現することができる。
図9は1画素15の等価回路を模式的に示すものである。
【0077】
図8において、走査線G
1,G
2,G
3〜G
mが順次選択されていく。走査線G
1が選択されたとき、走査線G
1に接続されたスイッチング素子12が導通(オン)状態になって各画素15の液晶及び補助容量16がそれぞれ接続された信号線S
1,S
2,S
3〜S
mの電位に充電される。このときの選択/充電期間で、走査線G
1に対応する補助容量線48は、第1の補助容量駆動用トランジスタCTr
11によって対向電極14の電圧(COM1)が印加される。このとき、補助容量16に接続された第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
23は、走査線G
3が非選択なので遮断(オフ)状態である。従って、Vcom2は、補助容量16を形成する補助容量電極17の電圧に影響しない。補助容量電極17は第1の補助容量駆動用トランジスタCTr
11によってのみ駆動されている。
【0078】
走査線G
1の選択/充電期間が終了して非選択状態になり、走査線G
2が選択されているときは、第1及び第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
11及びCTr
23は、ゲートがローレベルであるので共にオフ状態になっている。従って、補助容量電極17及び画素電極13はフローティング状態となり、走査線G
1の選択時に充電された電荷が保持されており、対向電極14と同じ電位(COM1)を維持する。これにより、Vcom1が変化しても、当該液晶15と補助容量16との間の電圧差は同じ状態を保つ。
【0079】
走査線G
2の選択/充電期間が終了して非選択状態になり、走査線G
3が選択されると、第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
23がオン状態になる。これは、第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
23のゲートへ接続される走査線G
3がハイレベルであることによる。
これにより、COM2ラインの電圧であるVcom2が、1行中の補助容量線48(Cs1)へ第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
23を介して印加される。補助容量電極17には第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
23経由で補助容量線駆動回路からの電圧(COM2)が印加される。このとき、COM2の電位は、COM1とは異なる電位であり、補助容量電極17の電位はCOM1からCOM2に変化する。従って、このとき1行中の液晶セル15の対向電極14には電圧Vcom1が供給され、一方、補助容量線48(Cs1)には電圧Vcom2が供給される。この電位変化が、補助容量線48経由で画素電極13とCOM1の電位差を広げる。すなわち、チャージポンプと類似の効果で液晶印加電圧を昇圧する。
【0080】
上記したように、走査線G
3の選択が終了した後は、次に走査線G
1が選択されるまでの期間は保持期間となり、第1及び第2の補助容量駆動用トランジスタCTr
11及びCTr
23は共にオフ状態が継続する。すなわち、補助容量16には、COM2の書き込みで充電された電荷が保持され、この効果で走査線G
1上の画素電圧の昇圧状態が維持される。画素15の昇圧は、COM1と電位差を生じた状態で維持される。これは、補助容量線48(Cs1,Cs2〜Csm)がフローティング状態だからである。
【0081】
図10は、本発明の液晶表示装置30の駆動方法を示す波形であり、それぞれ、(A)が対向電極用駆動信号を、(B)が第2の共通電極用駆動信号(Vcom2)を、(C)が信号線用駆動信号を、(D)が走査線G
1の駆動信号を、(E)が走査線G
2の駆動信号を、(F)が走査線G
3の駆動信号を、(G)が補助容量線48に印加される補助容量線駆動信号を、(H)が当該画素15の画素電極13における電圧と、画素電極13と対向電極14との間に生じる液晶セル15の電圧差と、を示している。
図10(A)に示すように、対向電極用駆動信号(Vcom1)は矩形波であり、第2の共通電極用駆動信号(Vcom2)は対向電極用駆動信号(Vcom1)の逆相信号である(
図10(B)参照)。
図10(C)に示すように、信号線用駆動信号は、対向電極用駆動信号とは逆相の矩形波である。
図10(D)〜(F)に示すように、走査線用駆動信号は矩形波であり、選択/充電期間がハイレベルの振幅を有している。走査線用駆動信号G
1において、t0〜t1及びt5〜t6が充電のオンとなるハイレベルの振幅を有し、上記のオン期間以外は、全てオフ、つまりローレベルの振幅を有するような波形である。同様に、走査線用駆動信号G
2は、t1〜t2及びt6〜t7が充電のオンとなるハイレベルの振幅を有しており、上記のオン期間以外は、全てオフ、つまりローレベルの振幅を有するような波形である。走査線用駆動信号G
3は、t2〜t3及びt7〜t8が充電のオンとなるハイレベルの振幅を有しており、上記のオン期間以外は、全てオフ、つまりローレベルの振幅を有するような波形である。上記走査線用駆動信号のローレベルとなる期間を「保持時間」と呼ぶ。
【0082】
図10(G)は補助容量電極17に印加される波形を示しており、走査線用駆動信号G
1がオン(ハイレベル)したとき(t0〜t1)、第1の補助容量駆動用トランジスタ31が導通し、この期間Vcom1が補助容量電極17に印加される。走査線用駆動信号G
3がオンしたとき(t2〜t3)、第2の補助容量駆動用トランジスタ32が導通し、この期間Vcom2が、画素電極13に対向して配置されている補助容量電極17に印加される。上記期間以外のt3〜t5は、第1及び第2の補助容量駆動用トランジスタ31,32は導通しないので、補助容量電極17はフローティング状態とされる。このような駆動信号とすることで、補助容量電極17の電位(Vcs)は、第1の補助容量駆動用トランジスタ31に印加される走査線用駆動信号G
1及び第2の補助容量駆動用トランジスタ32に印加される走査線用駆動信号G
3の周期毎に信号中心が上下する波形となる。上記で説明したと同様な理由によって、この変化で画素電位の昇圧が可能になる。
【0083】
図10(H)は画素電極13と共に液晶画素15の電圧差の波形を示している。図示するように、t2〜t3の期間で補助容量線48の電圧の影響で画素電極13の波形が変化し、t3〜t5の期間で画素15に印加される電圧が向上する。これにより、補助容量線駆動回路26を用いることで画素電極13と対向電極14との電位差の絶対値を増加させる昇圧効果が得られる。
【0084】
第2実施形態の補助容量線駆動回路26では、既存の走査線駆動からの信号を、第1及び第2の補助容量駆動用トランジスタ31,32の制御信号として用いている。同様に、第1の補助容量駆動用トランジスタ31の主電極に印加される電圧(Vcom1)は、対向電極駆動回路24から供給することができる。さらに、第2の補助容量駆動用トランジスタ32の主電極に印加するVcom2には、対向電極駆動回路24からの反転信号を供給することができる。従って、第2実施形態の補助容量線駆動回路26では、補助容量駆動のための信号形成が容易になる。また、補助容量駆動のための新規な内外の配線が不要となり、液晶表示装置30の補助容量駆動用端子を、新たに液晶表示装置30の駆動用LSIや液晶表示装置30の回路に設ける必要がないという有利な効果も生じる。
【0085】
Vcom1とVcom2の波形やそれらの値は、多くの態様と変形例が可能である。第2の実施形態では、補助容量駆動の信号をVcom反転信号としたが、この信号はVcomの振幅中心に相当する直流電圧(VcomDC)であっても良い。この場合、信号(Vcom2)の供給が更に容易になる効果がある。もちろん、Vcom反転のタイミングや振幅中心を維持したままで振幅を小さくしても良い。振幅が0になった状態がミニマムで、これがVcomDCである。
さらに、
図10に示すVcom2の振幅は、
図10(B)に示す値よりも小さな値に変更することができる。Vcom2に対しては、液晶セル15に印加される電圧を昇圧させる限り、Vcom2の電圧や周期は多くの変形が可能である。
【0086】
第2の実施形態においても,第1の実施形態と同様、画素用補助容量(Cp)18を昇圧用の補助容量(Cs)16と異なるものとして設けても良い。
図6及び
図7に示すように、液晶を形成する画素補助容量18と並列に別の補助容量を設けてもよい。このような例を
図11に示す。
図11は画素補助容量18と補助容量16とを別々に設けた場合のブロック図を示し、
図12は具体的な画素構造を示す図である。
図11に示すように、画素補助容量18と補助容量16との一端は画素電極13に共通に接続され、画素補助容量18と他端と補助容量16との他端となる補助容量電極17は、それぞれ個別に配設されている。図示の場合には、画素補助容量18の他端は対向電極14に接続されると共に、補助容量16の他端は補助容量線駆動回路26に接続されている。
【0087】
図12において、(A)は画素構造の平面図、(B)はその断面図を示している。この場合、各行の画素15に配設される補助容量16の他端は補助容量線48を形成している。この補助容量線48は、画素補助容量線と平行に配設することができる。従って、パターンレイアウトのうえで自由度が増える利点がある。
図11及び
図12に示すように、各画素に関する補助容量16と画素補助容量18の構造は、
図6及び
図7に示す構造と同様のものである。
上記例では、独立に駆動される補助容量線48は、画素容量の対向する電極に接続される容量線とは平行に配設されている。従って、パターンレイアウトのうえで自由度が増える利点がある。容量を形成するための対向する電極及び容量線のパターンは任意に設計することができるので、パターン設計の自由度が達成される。これが利点である。例えば、補助容量16及び画素補助容量18を形成するための対向する電極のパターンを、それぞれ任意に設計する。これにより、画素15に蓄積させる電荷の保持するための蓄積容量を十分にし、同時に、液晶セル15に印加される電圧(Vpp、ピーク間電圧)を昇圧するように画素電極13と補助容量電極17とで生じる容量結合を得るようにすることができる。
ここで、補助容量線駆動回路26は、表示部10に隣接して設けることができる。補助容量線駆動回路26は、
図2及び
図3で説明したように、画素15に接続されるスイッチング素子12と同様に、アモルファスシリコン又はポリシリコンを用いて第1の透明基板41に形成し、TFTアレイ基板を構成することができる。
【0088】
上記の液晶表示装置1,30の実施形態において、各補助容量線48は、信号線45と交差している。
図13は
図2に示した画素の信号線45と補助容量線48との交差部を示す断面模式図である。
図13は
図2のA−A線に沿う断面図であり、各補助容量線48は信号線45と交差しているので、各交差部で寄生容量Cstを形成する。
【0089】
図14は、液晶表示装置30において寄生容量Cstを含む等価回路を示す図である。
図14に示すように、補助容量線48と信号線45との交差部に寄生容量Cstが形成されているので、フローティング状態の補助容量線48は、寄生容量C(各交差部に発生する寄生容量)×信号線の本数nの合成容量を有している。このため、補助容量線48は、合成容量Cnを介して信号線45の平均電位の影響を受けて電位変動してしまう。補助容量線48の電位変動は、補助容量線48と接続されている画素列の昇圧変化をもたらすため、信号線電位、即ち画像データによって、補助容量線48単位で画素電圧が影響を受ける。
【0090】
次に、液晶表示装置1,30において、信号線45と補助容量線48との交差部に生じる寄生容量を遮蔽することができる画素の変形例について説明する。
図15は、画素の変形例の構成を示す部分透視平面図であり、
図16は、
図15のX−X線に沿った断面図を示している。
図15に示すように、画素70は、信号線45と補助容量線48との間に生じる寄生容量Cstを遮蔽するための寄生容量遮蔽配線72を備えている。
図15に示すように、寄生容量遮蔽配線72は、直線部72aと凸部72bとを有している。
寄生容量遮蔽配線72は、補助容量線48とスイッチング素子46との間の領域において補助容量線48及び補助容量電極48a側に、かつ平行に配設されており、補助容量線48に平行な直線部7aと、補助容量線48と信号線45との交差部とを覆う凸部72bと、を有している。この凸部72bは、信号直線部72aから紙面上方に垂直に折れ曲がるように延出している。このため、寄生容量遮蔽配線72は、各列の信号線45と各行の補助容量線48との交差部を通過するように配設されている。なお、凸部72bは信号線45と補助容量線48との交差部に設けられているので、単に交差部とも呼ぶ。
【0091】
図16に示すように、画素70においては、
図2及び
図3に示した液晶表示装置1の第1の基板41上に形成されているゲート絶縁膜52を、第1のゲート絶縁膜74と第2のゲート絶縁膜75の順に積層した2層構造とし、第1のゲート絶縁膜74上に寄生容量遮蔽配線72となるパターンが形成されている。補助容量線48を第1の基板41上に形成するのは、液晶表示装置1と同じである。
【0092】
画素70においては、
図2及び
図3に示す液晶表示装置1のゲート絶縁膜52上に形成されていた補助容量線48及び信号線45が、第2のゲート絶縁膜75上に形成されている。寄生容量遮蔽配線72は、
図1に示す各補助容量線Cs1,Cs2〜Csmに対応してm本形成されている。
【0093】
図17は、画素70における寄生容量遮蔽配線72の追加によって寄生容量遮蔽配線72と信号線の交差部に生じる容量を示す断面模式図である。図示するように、補助容量線48と寄生容量遮蔽配線72とは、第1のゲート絶縁膜74を挟んで対向しているので、補助容量線48と寄生容量遮蔽配線72との間に第1の交差部容量76が生じる。さらに、寄生容量遮蔽配線72と信号線45とは第2のゲート絶縁膜75を挟んで対向しているので、寄生容量遮蔽配線72と信号線45との間に第2の交差部容量77が生じる。従って、補助容量線48と信号線45との間には、共に寄生容量遮蔽配線72との間に第1及び第2の交差部容量76,77が形成されるが、補助容量線48と信号線45との間には直接結合する寄生容量が形成されなくなる。
【0094】
寄生容量遮蔽配線72は、
図1に示す各補助容量線Cs1,Cs2〜Csmに対応してm本形成されているが、m本全てに共通電位を与える。m本の寄生容量遮蔽配線72に共通に印加される共通電位は、例えばGND等の固定電位とすることができる。寄生容量遮蔽配線72の材料は、印加される共通電位となる電圧信号の遅延を防ぐために低抵抗の金属を用いることが好ましい。
【0095】
以上説明したように、画素70では、補助容量線48と信号線45との間に生じる不利な寄生容量は、除去される。そして、上記で説明したように、フローティング状態にある補助容量線48(Cs1,Cs2〜Csm)を利用した昇圧効果は、寄生容量遮蔽配線72を設けることによって信号線45の電位変動の影響を受けることがなくなるため、画素70の昇圧状態を安定して維持することが可能となる。
【0096】
画素70の寄生容量遮蔽配線72の電位をGND等の固定電位としたが、対向電極14に印加される電圧(COM1)とすることもできる。この場合、寄生容量遮蔽配線72と画素電極47とが重なっている領域には容量が形成される。この容量は、所謂従来の画素用補助容量と同様に画素70の電位の安定化に効果がある。
【0097】
画素70は以下の製造方法により作製することができる。
第1の基板41上に金属層を堆積し、パターンニングすることでゲート電極51と補助容量線48のパターンを形成する。金属層は、遮光性のクロム、クロム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン等を用いることができる。
次に、ゲート電極51及び補助容量線48のパターンが形成された第1の基板41の表面全体を覆うように所定の厚さの第1のゲート絶縁膜74を堆積する。第1のゲート絶縁膜74は、ゲート絶縁膜52と同様に窒化シリコンや酸化シリコン等の絶縁材料から構成されている。
次に、第1のゲート絶縁膜74上に金属層を堆積し、パターンニングすることで寄生容量遮蔽配線72を形成する。寄生容量遮蔽配線72の材料は、ゲート電極51及び補助容量線48となる金属層と同様の材料を用いることができる。
寄生容量遮蔽配線72のパターンが形成された第1のゲート絶縁膜74の表面全体に所定の厚さの第2のゲート絶縁膜75を堆積する。第2のゲート絶縁膜75は、ゲート絶縁膜52と同様に窒化シリコンや酸化シリコン等の絶縁材料を用いることができ、第1の絶縁膜74と同じ材料でもよい。これ以降の工程は、
図2の液晶表示装置1において説明した製造工程と同様に行なえばよい。
【0098】
次に、液晶表示装置1,30に用いることができるさらに別の画素80について説明する。
図18は、画素80の構成を示す部分透視平面図であり、
図19は、
図18のX−X線に沿った断面図を示している。
図示するように、画素80では、寄生容量遮蔽配線82は、第1の基板41上に補助容量線48と平行になるように配設されている直線部82aと、第2のゲート絶縁膜75上の補助容量線48と信号線45との交差部となる領域に配置される凸部82bと、から構成されている。第1のゲート絶縁膜74には、寄生容量遮蔽配線82を露出させるコンタクトホール84が配設されている。寄生容量遮蔽配線の凸部82bは、第2のゲート絶縁膜75上に配設されると共に、コンタクトホール84を介して寄生容量遮蔽配線の直線部82aと接続されている。
【0099】
図20は、画素80における寄生容量遮蔽配線82と信号線45との交差部に生じる容量を示す断面模式図である。
図示するように、補助容量線48と寄生容量遮蔽配線の凸部82bは第1のゲート絶縁膜74を挟んで対向しているので、補助容量線48と寄生容量遮蔽配線の凸部82bとの間に第1の交差部容量76が生じる。さらに、寄生容量遮蔽配線の凸部82bと信号線45とは第2のゲート絶縁膜75を挟んで対向しているので、寄生容量遮蔽配線の凸部72bと信号線45との間に第2の交差部容量77が生じる。従って、補助容量線48と信号線45との間には、共に寄生容量遮蔽配線82との間に第1及び第2の交差部容量76,77が形成されるが、補助容量線48と信号線45との間には直接結合する寄生容量Cstが形成されなくなる。寄生容量遮蔽配線の凸部82bは、コンタクトホール84を介して寄生容量遮蔽配線の直線部82aと接続されているので、補助容量線48と信号線45との間には画素70と同様に寄生容量遮蔽配線82で遮蔽されることになる。
【0100】
図18では、コンタクトホール84を信号線45と寄生容量遮蔽配線82との重なり部に形成するように図示したが、これは必要条件ではなく、寄生容量遮蔽配線82上であれば任意の位置に形成することができる。
【0101】
上記実施形態において、画素80の寄生容量遮蔽配線82には、画素70における寄生容量遮蔽配線72と同様に、GND等の固定電位又は対向電極14に印加される電圧(COM1)が印加される。このため、寄生容量遮蔽配線82を設けることによって信号線S
1,S
2,S
3〜S
nの電位変動の影響を受けることがなくなるため画素80の昇圧状態を安定して維持することが可能となる。
【0102】
上記実施形態において、寄生容量遮蔽配線82に対向電極14と同電位が印加された場合には、従来の画素用の補助容量が追加された効果を有し、画素80の電位の安定性が向上する。
【0103】
図18に示す実施形態の画素80は、次のようにして製造することができる。
先ず、第1の基板41上に補助容量線48と寄生容量遮蔽配線の直線部82aとを同一の低抵抗の導電膜を用いてパターンを形成する。次に、第1のゲート絶縁膜74を所定の厚さに堆積し、寄生容量遮蔽配線の直線部82a上にコンタクトホール84を設ける。
続いて、寄生容量遮蔽配線の凸部82bとなる電極層を所定の厚さに堆積し、寄生容量遮蔽配線の直線部82aと接続するパターンを形成する。寄生容量遮蔽配線の凸部82bの材料は静電遮蔽できればよい。このため、寄生容量遮蔽配線の凸部82bは、
図15に示す画素70の寄生容量遮蔽配線72のように電圧信号の遅延を防ぐための低抵抗の金属を用いる必要はなく、ITO等の透明導電膜を使用することができる。これにより、画素80は、上記画素70よりも開口効率が向上する。
次に、第1のゲート絶縁膜74の全面に第2のゲート絶縁膜75を所定の厚さに堆積する。この工程以降は、
図2の液晶表示装置において説明した製造工程と同様に行えばよい。
【0104】
なお、上記した
図5,10及び23では、トランジスタ12のゲートとドレインの間に生じる寄生容量に関しては明確には記載していないことに留意しなければならない。しかしながら、
図26のVptで示されるように、この寄生容量で生じる小さな電圧降下は、実際には、駆動波形を適正に決定する上で考慮すべきことは言うまでもないことである。
【0105】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した液晶表示装置及びその駆動方法の発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることは明らかである。