特許第5771936号(P5771936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771936
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】パラメータ調整装置及び音響調整卓
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
   H04R3/00
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-228469(P2010-228469)
(22)【出願日】2010年10月8日
(65)【公開番号】特開2011-135562(P2011-135562A)
(43)【公開日】2011年7月7日
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】特願2009-271892(P2009-271892)
(32)【優先日】2009年11月30日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
(72)【発明者】
【氏名】寺田 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤田 啓明
【審査官】 ▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−282597(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0225038(US,A1)
【文献】 特開2006−262079(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0152984(US,A1)
【文献】 特開2009−176114(JP,A)
【文献】 特開2006−034754(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/088641(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器に対するタッチ操作に基づいてオーディオ信号処理に関する複数のパラメータの値を調整するパラメータ調整装置において、
前記タッチパネル式表示器に前記パラメータを選択するための複数のパラメータ画像を表示する表示制御手段と、
前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が開始されたとき、当該第1タッチ操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータの選択を開始して、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータの選択状態を維持し、該第1タッチ操作とは別の第2タッチ操作による別のパラメータ選択を行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの選択を終了する選択手段と、
前記パラメータを選択する前記第1タッチ操作が継続している状態で、前記タッチパネル式表示器に対する前記第2タッチ操作が検出されたとき、当該第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて、前記選択手段により選択中の前記パラメータの値を変更する変更手段
を備えることを特徴とするパラメータ調整装置。
【請求項2】
前記表示制御手段が、前記タッチパネル式表示器に前記複数個のパラメータ画像を密集した配置で表示することを特徴とする請求項1に記載のパラメータ調整装置。
【請求項3】
前記パラメータ画像が仮想操作子画像であることを特徴とする請求項1に記載のパラメータ調整装置。
【請求項4】
前記変更手段が、前記第2タッチ操作により入力された移動距離と移動方向に基づいてパラメータの値を変更するものであることを特徴とする請求項1に記載のパラメータ調整装置。
【請求項5】
多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器に対するタッチ操作に基づいてオーディオ信号処理に関する複数のパラメータの値を調整する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、
前記タッチパネル式表示器に前記パラメータを選択するための複数のパラメータ画像を表示する表示制御手順と、
前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が開始されたとき、当該第1タッチ操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータの選択を開始して、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータの選択状態を維持し、該第1タッチ操作とは別の第2タッチ操作による別のパラメータ選択を行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの選択を終了する選択手順と、
前記パラメータを選択する前記第1タッチ操作が継続している状態で、前記タッチパネル式表示器に対する前記第2タッチ操作が検出されたとき、当該第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて、前記選択手段により選択中の前記パラメータの値を変更する変更手順
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
オーディオ信号処理に関する複数のパラメータの値を調整する音響調整卓において、
多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器と、
前記タッチパネル式表示器に前記パラメータを選択するための複数のパラメータ画像を表示する表示制御手段と、
前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が開始されたとき、当該第1タッチ操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータの選択を開始して、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータの選択状態を維持し、該第1タッチ操作とは別の第2タッチ操作による別のパラメータ選択を行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの選択を終了する選択手段と、
前記パラメータを選択する前記第1タッチ操作が継続している状態で、前記タッチパネル式表示器に対する前記第2タッチ操作が検出されたとき、当該第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて、前記選択手段により選択中の前記パラメータの値を変更する変更手段と
を備えることを特徴とする音響調整卓。
【請求項7】
前記表示制御手段が、前記タッチパネル式表示器に前記複数個のパラメータ画像を密集した配置で表示することを特徴とする請求項6に記載の音響調整卓。
【請求項8】
前記パラメータ画像が仮想操作子画像であることを特徴とする請求項6に記載の音響調整卓。
【請求項9】
前記変更手段が、前記第2タッチ操作により入力された移動距離と移動方向に基づいてパラメータの値を変更するものであることを特徴とする請求項6に記載の音響調整卓。
【請求項10】
パラメータを割り当て可能なノブ型物理操作子を更に備え、
前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が検出されたとき、該第1タッチ操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータを前記ノブ型物理操作子に割り当てて、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータを割り当てた状態を維持し、該第1タッチ操作とは別のタッチ操作による別のパラメータ割り当てを行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの割り当てを終了するパラメータ割り当て手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の音響調整卓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オーディオ信号処理に関するパラメータの値を調整するためのパラメータ調整装置及び音響調整卓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数チャンネルのオーディオ信号に対してミキシング処理、効果付与処理、及び音量レベル制御処理などのオーディオ信号処理を行い、処理後のオーディオ信号を出力するオーディオミキサが知られている。近年では、内部的な信号処理をデジタル処理で行うデジタルオーディオミキサ(以下、デジタルミキサ又はミキサとも言う)が開発されている。ミキサの操作パネルには、複数チャンネルのオーディオ信号に対する信号処理に関する操作を行うための複数の操作子が1チャンネル分ずつ並べて設けられている。各チャンネルの各操作子にはそれぞれ異なるパラメータが制御対象として割り当てられる。ユーザは、操作パネルの操作子を使って、ミキシング処理等の各種信号処理に関する操作を行う。
【0003】
従来のデジタルミキサにおいて、操作パネルにタッチパネル式表示器を備え、その表示器の画面上に、それぞれ異なるパラメータを表す複数のノブ型仮想操作子画像(以下、ノブ画像)を表示するものがあった。かかるデジタルミキサにおいて、画面に接触する操作(タッチ操作)により1つのノブ画像をユーザに選択させて、選択されたノブ画像が表すパラメータを操作パネルに設けられた物理操作子に割り当てることで、その物理操作子を使ってパラメータの値を調整できた(例えば下記特許文献1を参照)。
【0004】
ところで、デジタルミキサにおいては、一般的に、「操作パネル上に提示する操作子等の部品点数を減らして、操作パネルのサイズをできるだけコンパクト且つシンプルに構成したい」という設計的な要求がある。その一方で、アナログオーディオミキサ的に良好な操作性を実現するために「操作パネル上にできるだけ多くのパラメータを提示して、提示されたパラメータの値を調整可能としたい」という設計的な要求もある。この点に関して、上記特許文献1等に記載された従来のデジタルミキサは、表示器に複数のパラメータ(ノブ画像)を表示することで、操作パネルのコンパクト化及びシンプル化を図り、且つ、表示器の1つの画面上にできるだけ多くのパラメータ(ノブ画像)を並べて表示することで、操作性に関する要求に応えていた。このため、表示器の1つの画面上には、多数のノブ画像が密集した配置で表示されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006‐262080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のデジタルミキサでは、ノブ画像はパラメータの値の提示と操作子に割り当てるパラメータの選択スイッチとして機能するのみであり、パラメータの値を調整する機能はなかった。このため、タッチパネル式表示器に表示されたパラメータを調整する操作に、若干の手間がかるという不都合があった。
【0007】
また、仮に、従来のデジタルミキサにおいて、タッチパネル式表示器に表示されたノブ画像の接触操作に応じてパラメータの値を調整する機能を搭載したとしても、上述の通り、ノブ画像が1つの画面上に密集した配置で表示されていたため、特定の1つのノブ画像のみを、他のノブ画像に触れることなく操作することは極めて困難だった。
【0008】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器に対するタッチ操作に基づいてオーディオ信号処理に関する複数のパラメータの値を調整するパラメータ調整装置及び音響調整卓において、パラメータの値を調整する作業の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器に対するタッチ操作に基づいてオーディオ信号処理に関する複数のパラメータの値を調整するパラメータ調整装置において、前記タッチパネル式表示器に前記パラメータを選択するための複数のパラメータ画像を表示する表示制御手段と、前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が開始されたとき、当該第1タッチ操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータの選択を開始して、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータの選択状態を維持し、該第1タッチ操作とは別の第2タッチ操作による別のパラメータ選択を行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの選択を終了する選択手段と、前記パラメータを選択する前記第1タッチ操作が継続している状態で、前記タッチパネル式表示器に対する前記第2タッチ操作が検出されたとき、当該第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて、前記選択手段により選択中の前記パラメータの値を変更する変更手段を備えることを特徴とするパラメータ調整装置である。
【0010】
また、この発明のパラメータ調整装置において、前記表示制御手段が、前記タッチパネル式表示器に前記複数個のパラメータ画像を密集した配置で表示するよう構成できる。また、この発明のパラメータ調整装置において、前記パラメータ画像が仮想操作子画像であってよい。また、この発明のパラメータ調整装置において、前記変更手段が、前記第2タッチ操作により入力された移動距離と移動方向に基づいてパラメータの値を変更するよう構成できる。
【0011】
また、この発明は、多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器に対するタッチ操作に基づいてオーディオ信号処理に関する複数のパラメータの値を調整する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記タッチパネル式表示器に前記パラメータを選択するための複数のパラメータ画像を表示する表示制御手順と、前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が開始されたとき、当該第1タッチ操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータの選択を開始して、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータの選択状態を維持し、該第1タッチ操作とは別の第2タッチ操作による別のパラメータ選択を行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの選択を終了する選択手順と、前記パラメータを選択する前記第1タッチ操作が継続している状態で、前記タッチパネル式表示器に対する前記第2タッチ操作が検出されたとき、当該第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて、前記選択手段により選択中の前記パラメータの値を変更する変更手順を実行させることを特徴とするプログラムとして構成することもできる。
【0012】
更に、この発明は、オーディオ信号処理に関する複数のパラメータの値を調整する音響調整卓において、多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器と、前記タッチパネル式表示器に前記パラメータを選択するための複数のパラメータ画像を表示する表示制御手段と、前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が開始されたとき、当該第1タッチ操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータの選択を開始して、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータの選択状態を維持し、該第1タッチ操作とは別の第2タッチ操作による別のパラメータ選択を行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの選択を終了する選択手段と、前記パラメータを選択する前記第1タッチ操作が継続している状態で、前記タッチパネル式表示器に対する前記第2タッチ操作が検出されたとき、当該第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて、前記選択手段により選択中の前記パラメータの値を変更する変更手段とを備えることを特徴とする音響調整卓である。
【0013】
また、この発明の音響調整卓において、前記表示制御手段が、前記タッチパネル式表示器に前記複数個のパラメータ画像を密集した配置で表示するよう構成できる。また、この発明の音響調整卓において、前記パラメータ画像が仮想操作子画像であってよい。また、この発明の音響調整卓において、前記変更手段が、前記第2タッチ操作により入力された移動距離と移動方向に基づいてパラメータの値を変更するよう構成できる。更に、この発明の音響調整卓において、パラメータを割り当て可能なノブ型物理操作子を更に備え、前記タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、前記パラメータ画像に対する第1タッチ操作が検出されたとき、該第1タッチ 操作によりタッチされたパラメータ画像が表すパラメータを前記ノブ型物理操作子に割り当てて、該第1タッチ操作を終了するまで前記パラメータを割り当てた状態を維持し、該第1タッチ操作とは別のタッチ操作による別のパラメータ割り当てを行わない一方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき、前記パラメータの割り当てを終了するパラメータ割り当て手段を備えるよう構成できる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、タッチパネル式表示器に対するタッチ操作が行われていない状態で、パラメータ画像に対する第1タッチ操作によりパラメータが選択され、当該パラメータを選択する第1タッチ操作が継続している状態で、第2タッチ操作を行うことにより、当該第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて選択中のパラメータの値を変更できる。このとき、第1タッチ操作を終了するまで、その第1タッチ操作に係るパラメータの選択状態が維持され、該第1タッチ操作とは別のタッチ操作に応じた別のパラメータの選択を開始しない。この構成により、1つの画面上にパラメータ画像が密集した配置で表示された画面構成であっても、タッチパネル式表示器に対するタッチ操作により、特定の1つのパラメータ画像が表すパラメータの値のみを簡単且つ確実に調整できる。したがって、パラメータの値を調整する作業の操作性が向上するという優れた効果を奏する。また、この発明によれば、操作パネルをコンパクト且つシンプルに構成し、且つ、操作パネル上にできるだけ多くのパラメータを提示するという設計的な要求のいずれも満たした上で、パラメータ値調整作業の操作性を向上できるので、複数チャンネルのオーディオ信号に対する信号処理に用いる多数のパラメータを、パラメータ毎に調整するパラメータ調整装置及びデジタルミキサの音響調整卓において、特に有利な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明に係る音響調整卓の一実施形態であるデジタルオーディオミキサの構成例を示すブロック図。
図2図1のデジタルオーディオミキサにおける信号処理構成を説明するブロック図。
図3図1のデジタルオーディオミキサにおけるタッチパネル式表示器の画面構成例を説明する図。
図4】タッチパネル式表示器の画面上に対するタッチ操作の概要を説明する図。
図5】タッチ操作に応じてCPUが実行する処理を説明するフローチャート。
図6】この発明の別の実施形態として、デジタルミキサコンソールとデジタルミキサエンジンとからなるミキシングシステムの構成例を示すブロック図。
図7】この発明の別の実施形態として、デジタルミキサとタブレット型コンピュータとからなるミキシングシステムの構成例を示すブロック図。
図8】この発明の別の実施形態として、デジタルミキサコンソールとデジタルミキサエンジンとタブレット型コンピュータとからなるミキシングシステムの構成例を示すブロック図。
図9】この発明の別の実施形態として、デジタルミキサエンジンとタブレット型コンピュータとからなるミキシングシステムの構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施形態として、多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器を備えたデジタルオーディオミキサについて、添付図面を参照して、説明する。
【0017】
図1は、デジタルオーディオミキサ(「デジタルミキサ」又は、単に「ミキサ」とも言う)のハードウェア構成を示すブロック図である。デジタルミキサ1は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)10、フラッシュメモリ11、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)12、波形入出力インターフェース(波形I/O)13、信号処理部(DSP(Digital Signal Processing)部)14、操作子15、音量レベル制御用操作子(電動フェーダ)16、表示器17、及び、その他I/O18を備え、各構成要素が及びバスライン19を介して接続される。
【0018】
CPU10は、フラッシュメモリ11又はRAM12に記憶された制御プログラムを実行して、デジタルミキサ1の全体動作を制御する。フラッシュメモリ11は、CPU10が実行する各種のプログラムや各種のデータなどを格納した不揮発性メモリである。RAM12は、CPU10が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。また、フラッシュメモリ11には、オーディオ信号処理に関する各種パラメータの値(カレントデータ)を記憶したカレントメモリが設けられている。
【0019】
表示器17は、ミキサ1の操作パネル上に設けられた表示器であって、画面に接触(タッチ)するタッチ操作による入力が可能なタッチパネル式表示器により構成される。本実施例では、タッチパネル式表示器17として、多点認識可能なタッチパネル式表示器を適用する。多点認識可能なタッチパネル式表示器17とは、同じ時点で発生している少なくとも2点以上の複数点のタッチ操作を、タッチ操作毎に個々に認識できるものである。かかる多点認識可能なタッチパネル式表示器17の構成は、少なくとも、各タッチ操作の位置(座標)を示す位置情報を検出信号として出力可能なものであれば、従来から知られるどのような構成を適用してもよい。
【0020】
タッチパネル式表示器17には、CPU10からバス19を介して与えられた表示制御信号に基づく各種情報が、仮想操作子画像や文字列等により表示される。操作者(ユーザ)は、例えば手指や「スタイラス」といわれるペン型入力手段等、なんらかの接触手段を用いて表示器17の画面に対するタッチ操作を行う。表示器17は、タッチ操作に応じた検出信号を、バス19を介してCPU10に供給する。CPU10は、該供給された検出信号に基づいて、タッチ操作により指摘された領域に応じた動作を実行する。
【0021】
ミキサ1の操作パネル上には、オーディオ信号処理に関する各種パラメータの値の調整を含む各種指示を入力するために使用される複数の操作子15及び音量レベル制御用操作子(電動フェーダ)16が設けられている。パラメータの値の調整ないし変更とは、ユーザの操作に応じて当該パラメータのカレントデータを変更し、カレントデータの変更をDSP部14の信号処理や表示器17の表示に反映することである。
【0022】
波形I/O13は、オーディオ信号を入出力するためのインターフェースであって、アナログオーディオ信号を入力する複数の入力端子、アナログオーディオ信号を出力するための複数の出力端子、及び、複数チャンネルのデジタル信号を入出力可能なデジタルオーディオ端子を含む複数のオーディオ端子を含む複数の端子と、アナログデジタル変換(AD変換)、デジタルアナログ変換(DA変換)、及びデジタル変換(フォーマット変換)を行うための機構を含む。ミキサ1は、波形I/O13を介して、アナログオーディオ信号の入力(図において下向き矢印で示す)、アナログオーディオ信号を出力(図において上向き矢印で示す)、及びデジタルオーディオ信号の入出力(図において双方向矢印で示す)を行う。また、ミキサ1は、その他I/O18を介して、他の周辺機器と接続可能である。その他I/O18は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子のような汎用インターフェースである。
【0023】
DSP部14は、1つのDSP(Digital Signal Processor)で構成してもよいし、バスで相互接続された複数のDSPで構成し、複数のDSPで信号処理を分散処理するようにしてもよい。DSP部14は、CPU10の指示に基づいて各種のマイクロプログラムを実行することにより、カレントメモリ(フラッシュメモリ11)に記憶された各種パラメータのカレントデータに基づいて、波形I/O13を経由で入力されたデジタルオーディオ信号(波形データ)に対するデジタル信号処理を行い、処理後のオーディオ信号を波形I/O13経由で外部に出力する。DSP部14が実行するデジタル信号処理は、ミキシング処理、効果付与処理及び音量レベル制御処理等の各種オーディオ信号処理である。
【0024】
図2は、図1のミキサ1におけるオーディオ信号処理の構成を説明するブロック図である。図2に示す各部の動作は、波形I/O13の動作及び、CPU10の制御に基づいてDSP部14が実行するマイクロプログラムの処理により実現される。アナログ入力部(A入力)20及びデジタル入力部(D入力)21は、波形I/O13のオーディオ信号入力機能に相当する。A入力20は、例えばマイク等からのアナログオーディオ信号の入力を示す。D入力21は、デジタルオーディオ信号の入力を示す。なお、以下において「チャンネル」との文言を「ch」と表記することもある。
【0025】
CPU10は、入力パッチ部22に対して、入力元(A入力20,D入力21)毎に、その出力先となる入力ch23を割り当てるパッチ設定を行う。本明細書において、「パッチ」とは、オーディオ信号の入力元に出力先を論理的に接続することである。ユーザは、ミキサ1のユーザインターフェース(操作子15及び表示器17)を使って、任意に入力パッチ部22のパッチ設定を行うことで、入力元(A入力20,D入力21)と入力chの接続を任意に設定できる。
【0026】
入力ch部23は、DSP部14の信号処理により実現される論理的な信号処理チャンネルであって、所定の複数本の入力ch(本実施例では48ch)により構成される。入力ch部23の各入力chには、入力パッチ部22のパッチ設定に基づく1つの入力元のオーディオ信号が入力される。
【0027】
入力ch部23の各入力chには、例えばヘッドアンプゲイン、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替え、EQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、チャンネルオン・オフ、後段のMIXバス24へのセンドレベル、及びパン等、多数のパラメータが設けられている。入力ch部23の各入力chに入力されたオーディオ信号は、カレントメモリ(フラッシュメモリ11)に記憶された各種パラメータのカレントデータに基づく信号処理を受けた後、後段のMIXバス24へ出力される。なお、入力ch部23に備わるパラメータの種類は、先述のものに限定されない。
【0028】
入力ch部23の各入力chから出力されたオーディオ信号は、24本のMIXバス24のうちの、任意の1又は複数のバスに供給される。MIXバス24の各バスは、入力部ch23から供給されたオーディオ信号をミキシングする。各バスにおけるミキシング結果のオーディオ信号は、そのバスに対応する1つの出力chへ出力される。
【0029】
MIX出力ch部25は、DSP部14の信号処理により実現される論理的な信号処理チャンネルであって、24本のMIXバス24の1つずつに対応する24本の出力chにより構成される。各MIX出力ch25には、それぞれ、EQ、コンプレッサ、音量レベル、及びチャンネルオン・オフ等の多数のパラメータが設けられている。各MIX出力ch25に入力されたオーディオ信号は、カレントメモリ(フラッシュメモリ11)に記憶された各種パラメータのカレントデータに基づく信号処理を受けた後、出力パッチ部26へ出力される。
【0030】
CPU10は、出力パッチ部26に対して、出力ch部25の各出力ch毎に、その出力先となる出力ポート(A出力27又はD出力28)を割り当てるパッチ設定を行う。ユーザは、ミキサ1のユーザインターフェース(操作子15及び表示器17)を使って出力パッチ部26のパッチ設定を行い、各MIX出力ch25と出力ポート(A出力27、D出力28)の接続を任意に設定できる。
【0031】
アナログ出力部(A出力)27及びデジタル出力部(D出力)28は、波形I/O13のオーディオ信号出力機能に相当する。A出力27はアナログオーディオ信号の出力を示す。D出力28はデジタルオーディオ信号の出力を示す。A出力27及びD出力28の各出力端子には、出力パッチ部26のパッチ設定に基づいて1つの出力chの出力信号が供給される。
【0032】
図3は、ミキサ1の操作パネル構成とタッチパネル式表示器17に表示される画面の構成を詳細に説明する図である。図3において、枠30で示す1列が1つの信号処理チャンネルに対応するチャンネルストリップである。操作パネルには、複数ch分のchストリップ30が設けられている。1つのchストリップ30は、対応する信号処理chのパラメータ設定状況を表示するために表示器17の画面上に確保された領域31と、操作パネル上に設けられた物理ノブ操作子(物理ノブ)33からなる。物理ノブ33は図1の操作子15に含まれるものである。
【0033】
表示器17における1chストリップ分の領域31において、複数のノブ型仮想操作子画像(ノブ画像)32は、回転操作式のノブ型物理操作子に似せた形状で描画された画像であって、それぞれ、異なるパラメータを表し、当該パラメータを選択するためのスイッチとして機能する。1つの領域31に表示された複数のノブ画像32は、例えば、そのchストリップ30に割り当てられた1つの入力chから複数のバスへのセンドレベルを表す(1つのノブ画像32が1つのバスへのセンドレベルを表す)。1つの領域31には、ノブ画像32の他にも、仮想押しボタンスイッチ画像(ボタン画像)や、EQの特性を描画するグラフなど、オーディオ信号処理に関するパラメータを表す多数のパラメータ画像が表示される。表示器17の1つの画面上には、かかる1chストリップ分の領域31が複数ch分並列して表示される。したがって、表示器17の1つの画面上には、非常に多数のノブ画像32等のパラメータ画像が密集した配置で表示される。ここで、密集した配置とは、例えば1つのノブ画像に対して回転操作(パラメータの値を調整するためのタッチ操作)を行うときに、他のパラメータ画像に触れることなく、その回転操作を行うことが困難な程度に複数のパラメータ画像が互いに近接している配置である。このように1画面上に複数のパラメータ画像を並べて表示する画面構成は、アナログオーディオミキサのように直感的な操作性をユーザに提供できるという利点がある。
【0034】
各chストリップ30の物理ノブ33は、制御対象のパラメータを任意に割り当てることができる操作子である。ユーザは、各chストリップ30の物理ノブ33に対して、そのchストリップの領域31に表示された複数のパラメータ画像32が表す複数のパラメータのうちから選択された1つのパラメータを制御対象として割り当てることができる。ユーザは、物理ノブ33を使って、その物理ノブ33に割り当てられたパラメータの値を調整できる。
【0035】
図4は、パラメータの値を調整するためにユーザが行うタッチ操作の概要を説明する図であって、図3に示す1つのchストリップ30の一部分を拡大して示している。
【0036】
ユーザが行うタッチ操作には次に述べる2つのタッチ操作がある。
(1)ユーザは、タッチパネル式表示器17の画面において、所望の1つのノブ画像32aに対する第1タッチ操作を行うことで、そのノブ画像32aを選択する。図4において、「(1)」は、第1タッチ操作により選択中のノブ画像32aであって、当該選択中ノブ画像32aを、他のノブ画像32bとは異なる表示態様(網掛け表示)で示す。第1タッチ操作は、1つのパラメータを選択するために、そのパラータを表すノブ画像32が描画された領域に対して点的に接触する操作である。タッチパネル式表示器17上で何らのタッチ操作もされていないとき、或いは、少なくとも第1タッチ操作が継続されていないときに、新たに行われる最初のタッチ操作が、「第1タッチ操作」として検出される。第1タッチ操作によってノブ画像32aが選択された状態(パラメータ選択中の状態)は、当該ノブ画像32aに対するタッチ操作が維持されている間(ユーザの手指等が表示器17の画面に触れている間)、継続する。
(2)ユーザは、第1タッチ操作により1つのノブ画像32a(パラメータ)が選択された状態で、第2タッチ操作を行う。第2タッチ操作は、選択中のパラメータの値を調整するために、表示器17の画面に接触して物理量を入力する操作である。第1タッチ操作が継続しているときに行われるタッチ操作が、「第2タッチ操作」として検出される。本実施例では、第2タッチ操作として、タッチ操作による画面に対する接触点を、略円状の軌道を描くように移動させることで、物理量として移動距離及び移動方向を入力する操作(回転式ノブ操作子を回転操作する動作を仮想的に行う線的な接触、便宜上「第2タッチ操作の移動」、ないし、「回転操作」という)を想定している。図4において「(2)」の円弧は、「第2タッチ操作の移動」に応じた接触点の軌道を示している。ユーザは、第2タッチ操作の移動距離及び移動方向により、現在選択中のパラメータの値を変更する指示を入力できる。
【0037】
例えば、ユーザは、表示器17に表示されたいずれのノブ画像32も選択されていない状態で、1つの手指により任意の1つのノブ画像32を押えることにより第1タッチ操作を行う。そして、ユーザは、その第1タッチ操作を維持したまま(ノブ画像32を押えたまま)、別の手指で画面上の任意の箇所に接触し、第1タッチ操作を行った手指を略中心とする円弧を描く動作を行うことで、第2タッチ操作を行う。この場合、ユーザは、片手で、ノブ画像32の選択(第1タッチ操作)と、選択されたノブ画像32が表すパラメータの値の調整(第2タッチ操作)とを行うことができる。
【0038】
図5は、表示器17の画面に対するタッチ操作に応じてCPU10が実行する処理を説明するフローチャートである。この処理は、表示器17の画面に対する新たなタッチ操作が検出さたとき(新たなタッチ操作が開始されたとき)に起動する処理であって、第1タッチ操作及び第2タッチ操作のいずれの操作に応じても起動する。また、図5の処理は、タッチ操作毎に独立して起動する。言い換えれば、1つのタッチ操作により1つの図5の処理が起動する。従って、複数のタッチ操作が行われているときは、複数のタッチ操作のそれぞれに対応する複数の図5の処理が起動する。
【0039】
ステップS1において、CPU10は、現時点でノブ画像32に対する第1タッチ操作が継続中(パラメータ選択中)であるかどうかを判断する。第1タッチ操作が継続中であるか否か(いずれかのノブ画像が選択中であるか否か)の判断の方法としては、タッチパネルのどこかが既にタッチされている状態(いずれかの1つのノブ画像がユーザによって立ちされている状態)であれば継続中と判断し、同タッチされていなければ継続中ではないと判断する方法がある。別の方法として、今回のタッチ操作によって起動している図5の処理以外に既に他の図5の処理が第1タッチ操作の処理として起動されていれば継続中と判断し、他の第1タッチ操作の処理が起動されていなければ継続中でないと判断する方法がある。
【0040】
現時点で選択中のノブ画像32がない場合、つまり、タッチパネル式表示器17に対して、パラメータを選択するためのタッチ操作(第1タッチ操作)が継続されていない状態で、今回のタッチ操作が検出された場合(ステップS1のNO)、CPU10は、ステップS2〜S5の処理を実行する。一方、現時点で選択中のノブ画像32がある場合、つまり、パラメータを選択する第1タッチ操作が継続している状態で、新たなタッチ操作が開始された場合(ステップS1のYES)、CPU10は、今回新たに開始したタッチ操作を、第2タッチ操作(パラメータの値の調整)として認識し、ステップS7〜S9による「第2タッチ操作に応じた処理」を実行する
【0041】
ステップS2において、CPU10は、今回検出されたタッチ操作がノブ画像32に対するものであるかどうかを判断する。表示器17がタッチ操作により指摘された領域の位置情報をCPU10に供給するので、CPU10は供給された位置情報に基づいて、今回開始したタッチ操作により接触された領域がノブ画像32を表示した領域かどうかを判断できる。
【0042】
今回開始したタッチ操作が、ノブ画像32に対するタッチ操作であった場合(ステップS2のYES)、CPU10は、今回開始されたタッチ操作を、第1タッチ操作として認識し、ステップS3において、当該第1タッチ操作によりタッチされたノブ画像32が表すパラメータを、そのノブ画像32が属するチャンネルストリップの物理ノブ33の制御対象に割り当てる。他方、今回開始したタッチ操作が、ノブ画像32以外の領域に対するタッチ操作だった場合(ステップS2のNO)、CPU10は、ステップS10において、タッチ操作によりタッチされた箇所に該当する処理を実行し、今回検出されたタッチ操作に応じた処理を終了する。第1タッチ操作に応じた処理(ステップS3〜S5)では、CPU10は、タッチされた位置(座標)を認識するのみであり、そのタッチ操作の動き(移動)は認識しない。
【0043】
ステップS4において、CPU10は、第1タッチ操作によりタッチされたノブ画像32が選択された状態(ノブ画像32が表すパラメータを選択した状態)を開始する。なお、CPU10は、「パラメータを選択した状態」の開始に伴い、選択中ノブ画像32の表示形態を他のノブ画像と異ならせる制御(例えば表示色を変える等)を更に行ってもよい。
【0044】
ステップS5において、CPU10は、第1タッチ操作の終了を検出したか否かを判断し、当該第1タッチ操作の継続中(ステップS9のNO)は、ステップS5の判断処理をループする。このループ処理により、今回の第1タッチ操作が終了するまで(例えば、ユーザが選択中ノブ画像32から手指を離すまで)の間は、パラメータ選択中の状態(ノブ画像32が選択された状態)が継続する。他方、当該第1タッチ操作の終了が検出されたとき(ステップS5のYES)、CPU10は、ステップS5のループを抜けて、当該第1タッチ操作に基づくパラメータの選択を終了する(ステップS6)。これにより、パラメータ選択中の状態(ノブ画像32が選択された状態)が終了する。そして、CPU10は、今回の第1タッチ操作に応じて起動した処理を終了する。ただし、前記ステップS3において物理ノブ33に対して割り当てたパラメータは、その物理ノブ33の制御対象として設定されたまま残る。すなわち、ステップS1,S2,S4,S5及びS6によりCPU10は、パラメータ画像に対する第1タッチ操作が開始されたとき当該パラメータ画像が表すパラメータの選択を開始し、他方、第1タッチ操作の終了が検出されたとき前記パラメータの選択を終了する選択手段として機能する。
【0045】
パラメータを選択する第1タッチ操作が継続している状態(パラメータを選択中の状態、ステップS5の判断処理をループ中)で、表示器17の画面に対する新たなタッチ操作が検出されたとき、CPU10は、今回新たに検出されたタッチ操作を第2タッチ操作として認識し、当該継続中の第1タッチ操作に関する処理(ステップS5のループ)とは別に、今回検出された第2タッチ操作に関して図5に示す処理を起動する。そして、第2タッチ操作に関して起動した図5の処理において、CPU10は、ステップS1をYESに分岐して、処理をステップS7に進める。
【0046】
ステップS7において、CPU10は、「第2タッチ操作の移動」が検出されたかどうかを判断する。CPU10は、例えば、表示器17から供給される位置情報の変化を連続する複数時点にわたって調べることで第2タッチ操作の移動の有無を検出でき、また、複数時点にわたる位置情報の変化に基づいて第2タッチ操作の移動の距離及びその方向を検出できる。第2タッチ操作の移動が検出されない場合(ステップS7のNO)、CPU10は、処理をステップS9に進める。
【0047】
第2タッチ操作の移動が検出された場合(ステップS7のYES)、CPU10は、ステップS8において、当該第2タッチ操作により入力された移動距離及び移動方向に基づいて、現在選択中のパラメータの値を変更する。これにより、フラッシュメモリ11(カレントメモリ)に記憶された選択中パラメータの値(カレントデータ)が、第2タッチ操作により入力された物理量(移動距離及び移動方向)に基づいて変更される。すなわち、ステップS7,S8によりCPU10は、第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて選択中のパラメータの値を変更する変更手段として機能する。
図4に示す操作例の場合は、ユーザは、画面上の任意の位置に接触し、その位置(移動開始点)から、「(2)」の軌道に沿って画面上で円弧を描くように接触点を移動させることで、パラメータの値の変更量を入力する。CPU10は、第2タッチ操作の移動の距離に基づいてパラメータの値の変更量を決定し、その移動の方向で現在値から値を増加させるか又は減少させるかを決定する。なお、パラメータの値の変更に伴い、CPU10は当該選択中ノブ画像32におけるツマミ部の回転位置を、変更後の値に応じた回転位置に更新する表示更新処理を行ってもよい。
【0048】
CPU10が前記ステップS7及びステップS8を実行するケースとは、第1タッチ操作により選択された1つのノブ画像32が表すパラメータを選択中の状態(ステップS1がYESの場合)に限られる。従って、CPU10は、第2タッチ操作の移動距離及び移動方向(回転操作)を、現在選択中のパラメータの値を変更する指示としてのみ認識できる。
【0049】
ステップS9において、CPU10は、第2タッチ操作が終了したか否かを判断し、当該第2タッチ操作が継続中(ステップS9のNO)は、ステップS7〜S9の処理をループして、当該第2タッチ操作による移動距離及び移動方向の入力を検出するたびに(ステップS7のYES)、当該第2タッチ操作により入力された移動距離及び移動方向に基づいて選択中のパラメータの値を変更する(ステップS8)。他方、CPU10は、第2タッチ操作の終了を検出したとき(ステップS9のYES)、ステップS7〜S9のループ処理を抜けて、当該第2タッチ操作に関して起動した処理を終了する。なお、図5の処理によれば、第1タッチ操作、或いは、第2タッチ操作が検出されたときに、表示器17に表示されたパラメータ画像を他の画像へ切り替える処理(そのタッチ操作に応じて、パラメータの値を調整するための特殊な画像(例えば、選択されたノブ画像32を拡大した画像や、そのノブ画像32に対応するポップアップ画像等)を、新たしく表示する処理)は行っておらず、元の画像の表示が維持される。つまり、図5の処理によれば、CPU10は、表示器17に表示された画像を切り替えることなく元の画像の表示を保持したまま、タッチ操作に応じて選択中のパラメータの値を変更できる。
【0050】
ステップS1、及びS7〜S9による「第2タッチ操作に応じた処理」によれば、第1タッチ操作の継続中に新たなタッチ操作が検出された場合、CPU10は、第2タッチ操作による物理量の入力(回転操作)以外は認識しない。言い換えれば、第1タッチ操作の継続中(ノブ画像32の選択中)に別のノブ画像32に対するタッチ操作が行われたとしても、CPU10は、それを新たな第1タッチ操作として認識しない。これにより、結果的に、選択中のノブ画像32以外のノブ画像に対するタッチ操作を無効とすることができる。タッチ操作を無効とするとは、当該ノブ画像がタッチ操作(第1タッチ操作)されたときに、CPU10がそのタッチ操作に応じて実行すべき処理を実行しないようにすることである。本実施例では、第1タッチ操作の継続中(ノブ画像32の選択中)は、表示器17の全画面で新たなタッチ操作によるノブ画像32の選択(パラメータ選択)機能が無効になる。
例えば、図4において「(2)」に示す操作軌道のように、ノブ画像32aの選択中に行われた第2タッチ操作において、ユーザの手指がノブ画像32bに接触しても、CPU10はノブ画像32bについて「第1タッチ操作に応じた処理」(ステップS1〜S5)を実行しない。また、第2タッチ操作によりボタン画像34にユーザの手指が接触した場合であっても、同様に、接触されたボタン画像34に該当する処理をCPU10は実行しない。
【0051】
第1タッチ操作の継続中は、選択中パラメータに関する第2タッチ操作以外のタッチ操作を無効にするので、表示器17の画面上に多数のパラメータ画像が密集した配置で表示される画面構成において、他のパラメータ画像に対する意図しない接触を気にすることなく、表示器17に表示されたノブ画像32を使って、選択中のノブ画像32が表すパラメータの値のみを確実に調整できる。
【0052】
以上説明した本願発明に係る実施例によれば、第1タッチ操作の継続中に、新たなタッチ操作が検出されたとき、当該新たなタッチ操作を選択中パラメータに関する第2タッチ操作として認識して(選択中パラメータに関する第2タッチ操作以外のタッチ操作を無効にして)、この第2タッチ操作により入力された物理量に基づいて、選択中のパラメータの値を変更する(選択中パラメータに関する第2タッチ操作以外のタッチ操作を無効にする)ことにより、1つの画面上にノブ画像32等のパラメータ画像が密集した配置で表示された画面構成であっても、表示器に表示されたパラメータ画像を使って(表示器の画面に対するタッチ操作により)、特定の1つのノブ画像が表すパラメータの値(カレントデータ)のみを調整できるようになる。したがって、パラメータの値を調整する作業の操作性が向上するという優れた効果を奏する。本発明は、操作パネルをコンパクト且つシンプルに構成し、且つ、操作パネル上にできるだけ多くのパラメータを提示するという設計的な要求のいずれも満たした上で、パラメータ値調整作業の操作性を向上できるので、複数チャンネルのオーディオ信号に対する信号処理に用いる多数のパラメータを、パラメータ毎に調整するデジタルミキサの音響調整卓において、特に有利な効果を奏する。
【0053】
図5では、ステップS9において、今回検出された第2タッチ操作の終了を検出し、第2タッチ操作が終了したときに(第2タッチ操作を解いたときに)、S7〜S9のループ処理を抜ける構成を例示した。ステップS9の変更例として、継続中の第1タッチ操作(選択中のパラメータを選択した第1タッチ操作)の終了を検出したかどうかを判断し、第1タッチ操作が継続中(ノブ画像32の選択中)であれば、ステップS9をNOに分岐して、ステップS7〜S9の処理をループし、他方、第1タッチ操作が終了したときに(第1タッチ操作を解いたときに)、S7〜S9のループ処理を抜ける構成としてもよい。この場合、第1タッチ操作の終了時に、今回検出された第2タッチ操作による接触は無効になる。したがって、仮に、第1タッチ操作の終了時点で、その第2タッチ操作による画面に対する接触が継続していたとしても、その第2タッチ操作に基づいて図5に示す処理をCPU10が実行することはない。
【0054】
この変更例の場合、第1タッチ操作が継続中(ノブ画像32の選択中)であれば、この間に行われた新たな第2タッチ操作は、全て、現在選択中のパラメータの値を調整するための操作としてCPU10に認識される。よって、第1タッチ操作の継続中(ノブ画像32の選択中)であれば、第2タッチ操作を何回行っても、これらタッチ操作について新たに図5の処理を立ち上げることなく、選択中のパラメータの値を変更する処理を行うことができる。
【0055】
なお、上記実施例では、S7〜S9による「第2タッチ操作に応じた処理」実行中には、表示器17の全画面において第1タッチ操作によるノブ画像32の選択(パラメータの選択)機能が無効になる構成を説明したが、S7〜S9による「第2タッチ操作に応じた処理」実行中には、表示器17の画面上の所定の領域においてのみタッチ操作によるノブ画像32の選択(パラメータの選択)機能が無効になる構成であってもよい。この場合、ステップS1の判断では、ノブ画像32選択中に検出された当該無効になる所定の領域に対するタッチ操作のみを、第2タッチ操作として認識することになる。パラメータ選択機能が無効になる所定の領域としては、例えば、選択中ノブ画像32の周辺の所定範囲や、選択中ノブ画像32が属するchストリップ30内など、が考えられる。
【0056】
また、第1タッチ操作により選択する画像はパラメータを表すパラメータ画像でさえあれば、ノブ画像32に限らず、ボタン画像などその他の形態の仮想操作子画像や、数値入力ボックス、グラフなど、どのようなパラメータ画像であってもよい。
【0057】
また、第1タッチ操作の一例として選択したいノブ画像32に対する点的な接触を想定して説明したが、第1タッチ操作は画面に対するタッチ操作により1つのパラメータ画像を選択できさえすれば、どのような方法のタッチ操作であってもよい。
【0058】
また、上記実施例では、第1タッチ操作の選択の対象となるパラメータ(ノブ画像32が表すパラメータ)の一例としてセンドレベルを説明したが、第1タッチ操作の選択の対象となるパラメータ、言い換えれば、第2タッチ操作の制御対象となるパラメータは、センドレベルに限らず、どのような種類のパラメータであってもよい。第2タッチ操作の制御対象となるパラメータは、2値以上の数値範囲で値を調整するパラメータが好ましい。
【0059】
また、上記図4では、第2タッチ操作の操作形態として、選択中のノブ画像32aを略中心とする略円弧軌道に沿う回転操作を説明したが、第2タッチ操作により移動距離及び移動方向を入力する操作形態の変更例として、第2タッチ操作の接触点を略円状の軌道に沿って移動させる(エンドレスに回転する物理ノブの操作を仮想的に行う)操作形態であってもよい。また、第2タッチ操作の操作形態は、回転操作に限らず、画面上で第2タッチ操作の接触点を上下方向又は左右方向に移動させる操作(略直線状の軌道に沿って、第2タッチ操作による移動距離及び移動方向を入力する操作形態)、あるいは、複数線分を組み合わせた形状の軌道に沿って、第2タッチ操作による移動距離及び移動方向を入力する操作形態などであってもよい。要するに、第2タッチ操作の移動距離及び移動方向によりパラメータの値を調整できるのであれば、その軌道の形状はどのようなものであってもよい。
【0060】
また、図5のステップS8において、第2タッチ操作により入力された移動距離及び移動方向に基づき、選択中パラメータの値を変更する構成を説明したが、ステップS8は、第2タッチ操作により入力された物理量(移動距離以外の物理量)に基づき、選択中パラメータの値を変更する構成であればよい。物理量の具体例としては、第2タッチ操作の移動速度や、あるいは、第2タッチ操作の押圧力に基づき、選択中パラメータの値を変更するよう構成することが可能である。また、第2タッチ操作により入力された複数種類の物理量(移動距離、移動方向、移動速度、或いは、押圧力など)を任意に組み合わせて、選択中パラメータの値を変更する構成であってもよい。
【0061】
また、第2タッチ操作により入力する物理量の更に別の例として、タップ操作(画面を叩く操作)の回数を採用してもよい。その場合、図5のステップS8は、今回の第2タッチ操作として検出されたタップ操作の回数に応じて、選択中パラメータの値を変更するよう構成できる。
【0062】
また、第1タッチ操作によるパラメータ選択及びパラメータ選択の終了について、ノブ画像32に対するタッチ操作毎に、パラメータ選択状態及び同パラメータの選択解除がトグル動作で切り替わる構成、つまり、ノブ画像32に対するタッチ操作が行われたとき、そのタッチ操作を第1タッチ操作として検出して、そのノブ画像32が表すパラメータを選択した状態を開始し、その後、当該ノブ画像32に対するタッチ操作が行われたときに、パラメータが選択された状態を解除する構成を採用することができる。この変更例の構成では、第1タッチ操作によりパラメータ選択した後、選択されたノブ画像32から手指等を離しても第1タッチ操作の継続中と認識され、選択中ノブ画像32に対するタッチ操作がもう一度検出されたとき(選択中ノブ画像32を手指等の接触手段で接触したとき)に、パラメータ選択状態を終了する。この構成を採用する場合、第2タッチ操作は、選択中ノブ画像32以外の領域に対する接触でなければならない。また、この構成を採用する場合、タッチパネル式表示器17は1点認識のみ可能なタイプで構成されていても実現可能である。
【0063】
この発明の実施形態は、上述したデジタルオーディオミキサ1に限定されない。以下に、この発明の他の実施形態(図1とは別の実施形態)について、図6図9を参照して説明する。
【0064】
図6は、この発明に係るパラメータ調整装置の実施形態として、デジタルミキサコンソール100(コンソール)とデジタルミキサエンジン200(エンジン)からなるミキシングシステムの構成を示すブロック図である。図6において、コンソール100は、CPU110、フラッシュメモリ111、RAM112、波形I/O113、タッチパネル式表示器114、操作子115、電動フェーダ116、及び、その他I/O117を備える。エンジン200は、CPU210、フラッシュメモリ211、RAM212、波形I/O213、信号処理部214(DSP部)、及び、その他I/O215を備える。コンソール100とエンジン200は、その他I/O117、215を介して接続され、両装置間で、オーディオ信号(波形データ)とコントロールデータ(リモート制御用の制御データ)を通信できる。図6のミキシングシステムにおいて、コンソール100はユーザの操作に基づいてコントロールデータを生成し、生成したコントロールデータに基づいてエンジン200をリモート制御する。エンジン200は、コンソール100によるリモート制御に基づいてオーディオ信号処理を行う。すなわち、図2に示すオーディオ信号処理は、エンジン200のDSP部214、波形I/O213及びCPU210、並びに、コンソール100のCPU110及び波形I/O113等が協働して実行する。なお、エンジン200のリモート制御自体は周知の技術を用いて行うものである。
図6において、コンソール100が、この発明に係るパラメータ調整装置として機能する。すなわち、図3及び図4に示す画面及びパラメータ画像32等は、コンソール100のタッチパネル式表示器114に表示され、また、図5のフローチャートに示す処理は、コンソール100のCPU110により実行される。
【0065】
図7は、デジタルオーディオミキサ1とタブレット型コンピュータ300とからなるミキシングシステムの構成を示すブロック図である。図7において、タブレット型コンピュータ300は、多点接触を識別可能なタッチパネル式表示器313を有する持ち運び可能な小規模コンピュータであり、CPU310、フラッシュメモリ311、RAM312、タッチパネル式表示器313、操作子314、及び、その他I/O315を備える。ミキサ1は図1を参照して説明したものと同様に構成される。コンピュータ300は、その他I/O315を介してミキサ1に接続され、両装置間でコントロールデータを通信できる。図7において、コンピュータ300はユーザの操作に基づいてコントロールデータを生成し、生成したコントロールデータに基づいてミキサ1をリモート制御する。ミキサ1は、コンピュータ300によるリモート制御に基づいてオーディオ信号処理を行う。すなわち、図2に示すオーディオ信号処理は、コンピュータ300のCPU310、並びに、ミキサ1の波形I/O13、DSP部14及びCPU10等が協働して実行する。
図7において、タブレット型コンピュータ300が、この発明に係るパラメータ調整装置として機能する。すなわち、図3及び図4に示す画面及びパラメータ画像32等は、タブレット型コンピュータ300のタッチパネル式表示器313に表示され、また、図5のフローチャートに示す処理は、タブレット型コンピュータ300のCPU310により実行される。
【0066】
図8は、コンソール100、エンジン200、及びタブレット型コンピュータ300からなるミキシングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。コンソール100及びエンジン200は、図6に示すものと同様に構成されており、その他I/O117、215を使ってオーディオデータ及びコントロールデータの通信可能に接続される。タブレット型コンピュータ300は、図7に示すものと同様に構成されており、その他I/O315を使ってコンソール100に対してコントロールデータを通信可能に接続され、コンソール100を介してエンジン200によるオーディオ信号処理をリモート制御する。すなわち、図2のオーディオ信号処理は、コンピュータ300のCPU310、コンソール100のCPU110及び波形I/O113、ならびに、エンジン200のDSP部214、波形I/O213及びCPU210等が協働して実行する。
図8においても、タブレット型コンピュータ300が、この発明に係るパラメータ調整装置として機能する。すなわち、図3及び図4に示す画面及びパラメータ画像32等は、タブレット型コンピュータ300のタッチパネル式表示器313に表示され、また、図5のフローチャートに示す処理は、タブレット型コンピュータ300のCPU310により実行される。
【0067】
図9は、エンジン200とタブレット型コンピュータ300とからなるミキシングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。エンジン200は図6に示すものと同様に構成される。タブレット型コンピュータ300は、図7に示すものと同様に構成されており、その他I/O315を使ってエンジン200に対してコントロールデータを通信可能に接続され、エンジン200によるオーディオ信号処理をリモート制御する。すなわち、図2に示すオーディオ信号処理は、コンピュータ300のCPU310、並びに、エンジン200の波形I/O13、DSP部14及びCPU10等が協働して実行する。
図9においても、タブレット型コンピュータ300が、この発明に係るパラメータ調整装置として機能する。すなわち、図3及び図4に示す画面及びパラメータ画像32等は、タブレット型コンピュータ300のタッチパネル式表示器313に表示され、また、図5のフローチャートに示す処理は、タブレット型コンピュータ300のCPU310により実行される。
【0068】
上記図6図9によれば、この発明に係るパラメータ調整装置として機能するコンソール100又はタブレット型コンピュータ300のCPU110又は310は、タッチパネル式表示器114又は313に対するタッチ操作が行われていない状態で、パラメータ画像32に対する新たなタッチ操作が検出されたとき、当該パラメータ画像32が表すパラメータを選択し(図5のステップS1,S2及びS4)、パラメータを選択するタッチ操作が継続している状態で、新たなタッチ操作が検出されたとき、新たなタッチ操作により入力された物理量に基づいて選択中の前記パラメータの値(カレントデータ)を変更できる(図5のステップS1,S7及びS8)。したがって、タッチパネル式表示器に対するタッチ操作により、選択されたパラメータの値のみを簡単且つ確実に調整でき、パラメータの値を調整する作業の操作性が向上するという優れた効果を奏する。
【符号の説明】
【0069】
1 デジタルオーディオミキサ、10 CPU、11 フラッシュメモリ、12 RAM、13 波形I/O 14 信号処理部(DSP)、15 操作子、16 音量レベル調整用操作子(音量フェーダ)、17 タッチパネル式表示器、18 その他I/O、19 バスライン、20 アナログ入力部、21 デジタル入力部、22 入力パッチ部、23 入力チャンネル部、24 MIXバス、25 MIX出力チャンネル部、26 出力パッチ部、27 アナログ出力部、28 デジタル出力部、29 インサートエフェクタ、30 チャンネルストリップ、31 1chストリップ分の領域、32 ノブ型仮想操作子画像(パラメータ画像)、33 ノブ型物理操作子、34 ボタン画像、100 デジタルミキサコンソール、200 デジタルミキサエンジン、300 タブレット型コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9