特許第5771951号(P5771951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771951
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】パワーモジュール用基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20150813BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   H01L23/36 C
   H01L23/12 J
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-243829(P2010-243829)
(22)【出願日】2010年10月29日
(65)【公開番号】特開2012-99546(P2012-99546A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2013年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】柳田 雅博
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 敏之
【審査官】 麻川 倫広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−081202(JP,A)
【文献】 特開2008−010520(JP,A)
【文献】 特開2009−065144(JP,A)
【文献】 特開2007−250638(JP,A)
【文献】 特開2000−106153(JP,A)
【文献】 特開平10−223620(JP,A)
【文献】 JISハンドブック非鉄,日本,日本規格協会,2004年 1月,p.648
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12−23/15
23/29
23/34−23/36
23/373−23/427
23/44
23/467−23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス基板と、前記セラミックス基板の一方の面に積層されたアルミニウムからなる第1金属層と、前記セラミックス基板の他方の面に積層されたJIS規格の1000番台のアルミニウムからなる第2金属層とを備え、前記第1金属層の厚さよりも前記第2金属層の厚さの方が大きく形成されたパワーモジュール用基板の製造方法であって、
前記第2金属層となる金属板として、前記第1金属層となる金属板よりもFe及びSiの含有量が多く、前記第2金属層となる金属板はFe及びSiの合計で0.45質量%〜0.95質量%含有しており、エッチングレートが両金属板の厚さに対応して第1金属層となる金属板のエッチングレートの1.4倍〜1.6倍速い金属板を用い、両金属板を前記セラミックス基板に接合した後、両金属板をエッチングすることにより前記第1金属層及び前記第2金属層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
【請求項2】
前記セラミックス基板を複数個製作できるセラミックス平板を用意するとともに、前記第1金属層となる金属板及び前記第2金属層となる金属板をそれぞれ前記第1金属層及び前記第2金属層を複数個製作できる大きさに形成しておき、前記セラミックス平板の両面にそれぞれ前記金属板を接合した後、両金属板を同時にエッチングして前記第1金属層及び前記第2金属層の外形に形成し、その後、前記セラミックス平板を分割することを特徴とする請求項1記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1金属層は、厚さが0.2mm〜0.6mmで、前記第1金属層となる金属版はFeの含有量が0.15質量%以下、Siの含有量が0.15質量%以下であり、第2金属層は、厚さが0.3mm〜0.9mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパワーモジュールとして、例えば特許文献1に示されように、セラミックス基板の一方の面に、回路層となるアルミニウム金属層を積層し、この回路層の上に半導体チップ等の電子部品がはんだ付けされ、一方、セラミックス基板の他方の面に放熱層となるアルミニウム金属層が形成され、この金属層にヒートシンクが接合された構成のものが知られている。
このようなセラミックス基板に回路層又は放熱層となるアルミニウム金属層を積層状態に形成する方法として、セラミックス基板に、Al−Si系又はAl−Ge系のろう材を介在させてアルミニウム金属層を重ね合わせ、その積層体を加圧、加熱することにより、ろう材を溶融させて、セラミックス基板とアルミニウム金属層とを接合するようにしている。
また、一般に、複数個のパワーモジュール用基板を製作できる大きさのセラミックス平板に、アルミニウムの金属板をろう付けにより接合した後、個々のパワーモジュール用基板とするために、金属板をエッチングにより所望の外形の複数の金属層に加工し、その後、その金属層を含む個々のセラミックス基板に分割することにより、パワーモジュール用基板が形成される。
【0003】
ところで、回路層及び放熱層とも同じ厚さの金属層で形成されるのが一般的であったが、高熱膨張係数のヒートシンクとの間の熱伸縮差を緩和する緩衝機能を放熱層自身に持たせるために、放熱層を厚肉に形成することが検討されている。その結果、回路層と放熱層との厚さに差が生じることから、金属層の外形をエッチングにより加工する場合に、厚肉の放熱層のエッチング時間に合わせると、薄肉の回路層側のエッチング時間が長くなり過ぎることから、回路層においては、エッチング量が多くなって所望の外形より小さくなってしまうという問題がある。逆に、薄肉の回路層のエッチング時間に全体を合わせると、厚肉の放熱層側のエッチング時間が短か過ぎて加工しきれない、という問題となる。
【0004】
このエッチング加工は、金属層を覆うエッチングマスクの隙間からエッチング液が浸入して金属層を腐食する加工であるが、図3に模式的に示したように、エッチング液による腐食作用は、金属層Mの厚さ方向だけでなく、エッチングマスクEの裏側に回り込んで面方向にも生じるので、エッチングマスクEの隙間Gの設計においては、このエッチング液の面方向の腐食によるエッチング部分(以下、エッチングしろSと称す)も見込んで隙間寸法を決めておく必要がある。
セラミックス基板の表裏で異なる厚さの金属層を用いる場合、厚肉の金属層のエッチング時間に合わせると薄肉の金属層のエッチングしろSが大きくなるので、その分、薄肉の金属層用のエッチングマスクの隙間をその厚さに対応する通常の設計値よりも小さく設定しておくことにより、薄肉の金属層が所望の外形に仕上げられるのとほぼ同じタイミングで、厚肉の金属層のエッチング加工を終了させることができるはずである。
【0005】
しかしながら、エッチングマスクの設計が難しくなるとともに、エッチングマスクの隙間を小さくするには限界があり、例えば0.3mm未満の隙間では、エッチング加工時に金属層のアルミニウムがエッチングマスクの裏面から抜け出せず、精度良くエッチング加工できないという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−311296
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、厚さの異なる両金属層に対するエッチングマスクを同様の基準で設計することができ、製造が容易であるとともに、エッチング加工精度を高めることができるパワーモジュール用基板の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板と、前記セラミックス基板の一方の面に積層されたアルミニウムからなる第1金属層と、前記セラミックス基板の他方の面に積層されたJIS規格の1000番台のアルミニウムからなる第2金属層とを備え、前記第1金属層の厚さよりも前記第2金属層の厚さの方が大きく形成されたパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記第2金属層となる金属板として、前記第1金属層となる金属板よりもFe及びSiの含有量が多く、前記第2金属層となる金属板はFe及びSiの合計で0.45質量%〜0.95質量%含有しており、エッチングレートが両金属板の厚さに対応して第1金属層となる金属板のエッチングレートの1.4倍〜1.6倍速い金属板を用い、両金属板を前記セラミックス基板に接合した後、両金属板をエッチングすることにより前記第1金属層及び前記第2金属層を形成することを特徴とする。
また、前記セラミックス基板を複数個製作できるセラミックス平板を用意するとともに、前記第1金属層となる金属板及び前記第2金属層となる金属板をそれぞれ前記第1金属層及び前記第2金属層を複数個製作できる大きさに形成しておき、前記セラミックス平板の両面にそれぞれ前記金属板を接合した後、両金属板を同時にエッチングして前記第1金属層及び前記第2金属層の外形に形成し、その後、前記セラミックス平板を分割することを特徴とする。
【0009】
第1金属層よりも厚さが大きい第2金属層をエッチングするのに要する時間は、両金属層とも同じエッチングレートであるとすると、厚さが大きい分、時間がかかることになるが、両金属層のアルミニウムに含有されるFe及びSiは、エッチングによる腐食を促進させる効果があり、その含有量が異なることから、これらの含有量に応じたエッチングレートでエッチングされる。この場合、厚さの大きい第2金属層の方がFe及びSiの含有量が多いので、第1金属層よりもエッチングレートが大きく、その分、厚さが大きくても、その厚さ分をエッチングするのに要する時間は、厚さの小さい第1金属層のエッチング時間とほぼ合わせることが可能になる。したがって、両金属層とも、ほぼ同じタイミングでエッチング加工を終了させることができる。
【0010】
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法において、前記第1金属層は、厚さが0.2mm〜0.6mmで、前記第1金属層となる金属版はFeの含有量が0.15質量%以下、Siの含有量が0.15質量%以下であり、第2金属層は、厚さが0.3mm〜0.9mmであるとよい。
ろう付け前の組成で前記第1金属層として、アルミニウム純度が99.80%以上のアルミニウム、第2金属層として、アルミニウム純度が99.0〜99.5%のアルミニウムを用いるとよい。
エッチング液としては、塩化第二鉄を主成分とするものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、厚さの大きい第2金属層の方がFe及びSiの含有量が多いので、第1金属層よりもエッチングレートが大きくなり、その結果、両金属層とも、ほぼ同じタイミングでエッチング加工を終了させることができる。したがって、両金属層に対するエッチングマスクを同様の基準で設計することができ、エッチング加工の管理等、製造が容易になるとともに、エッチング精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の製造方法が適用されるパワーモジュールの全体構成を示す縦断面図である。
図2図1に示されるパワーモジュール用基板を製作する際のエッチング加工前の状態を示す縦断面図である。
図3】金属層のエッチング加工時に生じるエッチングしろを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールを示している。この図1に示されるパワーモジュール1は、セラミックス等からなるセラミックス基板2を有するパワーモジュール用基板3と、パワーモジュール用基板3の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品4と、パワーモジュール用基板3の裏面に接合されたヒートシンク5とから構成されている。
【0014】
パワーモジュール用基板3は、セラミックス基板2の表面側に回路層となる第1金属層7がろう付けにより積層されるとともに、裏面側に放熱のための熱伝達層となる第2金属層8がろう付けにより積層されており、第1金属層の表面に電子部品4が搭載され、第2金属層8の表面にヒートシンク5が取り付けられる構成である。
また、セラミックス基板2は、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、若しくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスにより形成される。
【0015】
第1金属層7は、ろう付け前の組成で、アルミニウム純度99.80質量%以上のアルミニウムからなり、第2金属層8は、同じくろう付け前の組成でアルミニウム純度99.0〜99.5質量%のアルミニウムとされている。この場合、アルミニウムに含まれる不純物成分としては、Fe及びSiが含有されており、ろう付け後の組成として、第1金属層7においては、Feの含有量が0.15質量%以下、Siの含有量が0.15質量%以下とされ、第2金属層8は、Fe及びSiの合計の含有量が0.45質量%〜0.95質量%とされている。その他の不純物成分として、Cu、Mn、Zn、Ti等を含有していてもよいが、Si及びFeを含有していることが重要である。第2金属層8の方が第1金属層7に比べてFe及びSiの含有量が多いので、第2金属層8の方がエッチングにより腐食され易く、エッチングレートが大きくなっている。
JIS規格品では、第1金属層7として1N99、第2金属層8として1000番台のアルミニウムを用いることができる。
また、第1金属層8の厚さは0.2mm〜0.6mmとされ、第2金属層7の厚さは0.3mm〜0.9mmとされる。第2金属層7の方が第1金属層8よりも0.1mm〜0.3mm厚く形成される。
なお、セラミックス基板2の厚さは限定されるものではないが、例えば0.635mmとされる。
【0016】
また、これらセラミックス基板2、第1金属層7、第2金属層8の相互間は、Al−Si系、Al−Ge系、Al−Cu系、Al−Mg系またはAl−Mn系等のろう材によって接合されている。第2金属層8とヒートシンク5との間は、ろう材又はSn−Ag−Cu系、Zn−Al系若しくはPb−Sn系等のはんだ材によって接合され、あるいは、シリコングリースによって密着させた状態でねじによって機械的に固定される。
【0017】
ヒートシンク5は、その形状等は特に限定されないが、アルミニウムの押し出し成形によって形成され、パワーモジュール用基板3に接合される筒体15と、筒体15の内部を複数の流路16に区画する縦壁17とが一体に形成された構成とされている。筒体15の天板部15aは、パワーモジュール用基板3の第2金属層8より大きい四角形状の平面形状を有しており、各縦壁17は、筒体15の幅方向に等間隔で相互に平行に並べられ、筒体15の長さ方向に沿って設けられている。なお、このヒートシンク5は、構造材として強度が比較的高いアルミニウムが用いられ、JIS規格では例えばA6063のアルミニウムとされる。
【0018】
そして、第1金属層7の表面に、Sn−Ag−Cu系、Zn−Al系若しくはPb−Sn系等のはんだ材によって電子部品4が接合される。図中符号18がそのはんだ接合層を示す。また、電子部品4と第1金属層7の端子部との間は、アルミニウムからなるボンディングワイヤ(図示略)により接続される。
【0019】
そして、このような構成のパワーモジュール用基板3を製造するには、図2に示すように、セラミックス基板2を複数個製作できる大きさのセラミックス平板21の両面にろう材箔を介して第1金属層7及び第2金属層8となる金属板22,23をそれぞれ積層し、これら積層体を不活性ガス雰囲気、還元ガス雰囲気又は真空雰囲気において積層方向に加圧した状態で加熱し、ろう材箔を溶融させることによって両金属板22,23をそれぞれセラミックス平板21に接合する。この場合、両金属板22,23もセラミックス平板21と同様に、複数個のパワーモジュール用基板3を製作できる大きさに形成されている。
【0020】
次いで、エッチング加工により両金属板22,23を所望の外形に形成する。このとき、両金属板22,23の表面にフォトレジスト法によりエッチングマスク24,25を形成する。この場合、両金属板22,23は、その不純物の含有量が前述したように相違していることから、ほぼ厚さに対応したエッチングレートとされている。すなわち、第1金属層7となる金属板22の厚さが0.2mm〜0.6mm、第2金属層8となる金属板23の厚さが0.3mm〜0.9mmであり、不純物含有量は、第1金属層7となる金属板22で、Feの含有量が0.15質量%以下、Siの含有量が0.15質量%以下、第2金属層8となる金属板23で、Fe及びSiの合計の含有量が0.45質量%〜0.95質量%とされている。このような各金属層7,8の厚さと不純物含有量との関係により、第2金属層7となる金属板23のエッチングレートは、第1金属層7となる金属板22のエッチングレートの1.4倍〜1.6倍、速くなる。このため、両金属層7,8を同時にエッチング加工すれば、ほぼ同じタイミングでそれぞれの厚さ分のエッチング加工が終了する。
【0021】
したがって、両金属板22,23の表面を覆うエッチングマスク24,25の設計においては、それぞれのエッチングレートに対応した隙間26,27を設定すればよく、前述したエッチングしろS(図3参照)において、他方の金属板のエッチング終了時期との調整分を見込んでおく必要はない。
そして、両金属板22,23の表面にエッチングマスク24,25を形成した後、これらをエッチング液に浸漬する。エッチング液としては、塩化第二鉄を主成分とするものが用いられ、例えばFeCl≧44%、FeCl≦0.13%、HCl≦0.15%の濃度の溶液とされる。
【0022】
このようにしてエッチングにより両金属層7,8の外形を加工した後、セラミックス平板21を分割することによりパワーモジュール用基板3が作成され、このパワーモジュール用基板3に、その第2金属層8にヒートシンク5が接合されるとともに、第1金属層7の上に電子部品4がはんだ付けされる。このはんだ付け作業は窒素と水素を混合した還元ガス雰囲気中で行われる。また、冷却後に、大気中で電子部品4と第1金属層7との間でワイヤボンディングされる。
この一連の工程によってパワーモジュール1が完成する。
【0023】
本発明の効果確認のために、第1金属層としてアルミニウム純度が99.99wt%のアルミニウム、第2金属層としてアルミニウム純度が99.2wt%のアルミニウムを用い、これらを窒化アルミニウムのセラミックス基板の片面にそれぞれろう付けした。Fe及びSiの含有量は、第1金属層がFe:0.003質量%、Si:0.005質量%であり、第2金属層はFeとSiの合計で0.7質量%であった。金属層の厚さは、第1金属層が0.4mm、第2金属層が0.6mmとした。そして、各金属層にエッチング幅を0.35mmとしてエッチングマスクを形成した。
エッチング液としては、FeCl:40%、FeCl:0.1%、HCl:0.15%濃度の溶液を用いた。
このエッチング液にセラミックス基板と各金属層との積層体をそれぞれ浸漬し、金属層のエッチング所要時間を調べたところ、第1金属層が8分、第2金属層が8分であった。
比較例として、第1金属層と第2金属層とを同じアルミニウム純度が99.0wt%のアルミニウムとする以外は、上記の実験条件と同じ条件でエッチングをした場合、エッチング所要時間は、第1金属層が8分、第2金属層が12分であった。
したがって、本実施形態の構成とすることにより、両金属層をほぼ同じタイミングでエッチング終了させることができることが確認された。
【0024】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
実施形態では、回路層側を厚さの小さい第1金属層、放熱層側を厚さの大きい第2金属層としたが、逆に、回路層側を厚さが大きい第2金属層、放熱層側を厚さの小さい第1金属層とするものにも適用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 パワーモジュール
2 セラミックス基板
3 パワーモジュール用基板
4 電子部品
5 ヒートシンク
7 第1金属層
8 第2金属層
15 筒体
16 流路
17 縦壁
18 はんだ接合層
21 セラミックス平板
22,23 金属板
24,25 エッチングマスク
26,27 隙間
図1
図2
図3