【実施例】
【0035】
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、各例における部は質量部を示し、%は質量%を表す。
〔製造例1、変性中空シリカ微粒子(ゾル)の製造〕
第1工程として、平均粒子径5nm、シリカ(SiO
2)濃度20%のシリカゾルと純水とを混合して反応母液を調製し、80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同反応母液にSiO
2として1.17%の珪酸ナトリウム水溶液と、アルミナ(Al
2O
3)として0.83%のアルミン酸ナトリウム水溶液とを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHは、珪酸ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムの添加直後12.5に上昇し、その後ほとんど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20%のSiO
2・Al
2O
3一次粒子分散液(核粒子分散液)を調製した。
【0036】
次いで、第2工程として、このSiO
2・Al
2O
3一次粒子分散液を採取し、純水を加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、濃度0.5%の硫酸ナトリウムを添加した。続いて、SiO
2として濃度1.17%の珪酸ナトリウム水溶液と、Al
2O
3として濃度0.5%のアルミン酸ナトリウム水溶液とを添加して複合酸化物微粒子分散液(核粒子に第1シリカ被覆層を形成した微粒子分散液)を得た。そして、これを限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13%の複合酸化物微粒子分散液とした。
【0037】
第3工程として、この複合酸化物微粒子分散液に純水を加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lとを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、洗浄して固形分濃度20%のシリカ系微粒子(1)の水分散液を得た。
【0038】
第4工程として、前記固形分濃度20%のシリカ系微粒子(1)の水分散液と、純水、エタノール及び28%アンモニア水との混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO
2が28%)を添加してシリカ被膜(第2シリカ被覆層)を形成した。続いて、純水5Lを加えながら、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20%のシリカ系微粒子(2)の分散液を調製した。
【0039】
最後に第5工程として、再びシリカ系微粒子(2)の分散液を200℃にて11時間水熱処理した。その後、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20%に調整した。そして、限外濾過膜を用いて、この分散液の分散媒をエタノールに置換し、固形分濃度20%のオルガノゾルを得た。このオルガノゾルは、平均粒子径が60nmで、比表面積が110m
2/gの中空シリカ微粒子が分散されたオルガノゾル(以下、「中空シリカゾルA」と称する。)であった。
【0040】
該中空シリカゾルA(シリカ固形分濃度20%)200gを用意し、限外濾過膜にて、メタノールへの溶媒置換を行い、SiO
2分が20%のオルガノゾル100g(水分量はSiO
2分に対して0.5%)を調製した。そこへ28%アンモニア水溶液を前記オルガノゾル100gに対してアンモニアとして100ppmとなるように加え、十分に混合し、次にγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン〔商品名:KBM5103、信越化学工業(株)製〕3.6gを添加し、反応液とした。
【0041】
これを50℃に加温し、撹拌しながら50℃で6時間加熱を行なった。加熱終了後、反応液を常温まで冷却し、さらにロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールへ溶媒置換を行い、SiO
2濃度20%の被覆中空微粒子からなるオルガノゾルを得た。このオルガノゾルは、平均粒子径が60nm、屈折率1.25、空隙率40〜45%で、比表面積が130m
2/g、熱質量測定法(TG)による質量減少割合が3.6%の変性中空シリカ微粒子が分散されたオルガノゾル(変性中空シリカ微粒子ゾル)であった。
〔製造例2、低屈折率層用塗液の調製〕
(製造例2−1、低屈折率層用塗液(L−1)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で1部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを4308部混合して低屈折率層用塗液L−1を調製した。
(製造例2−2、低屈折率層用塗液(L−2)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で2.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを4188部混合して低屈折率層用塗液L−2を調製した。
(製造例2−3、低屈折率層用塗液(L−3)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−3を調製した。
(製造例2−4、低屈折率層用塗液(L−4)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で7.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3788部混合して低屈折率層用塗液L−4を調製した。
(製造例2−5、低屈折率層用塗液(L−5)の調製)
(a)ペンタエリスリトールトリアクリレート〔共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPE−3A、3官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で10部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3588部混合して低屈折率層用塗液L−5を調製した。
(製造例2−6、低屈折率層用塗液(L−6)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で12.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3388部混合して低屈折率層用塗液L−6を調製した。
(製造例2−7、低屈折率層用塗液(L−7)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で25部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを2388部混合して低屈折率層用塗液L−7を調製した。
(製造例2−8、低屈折率層用塗液(L−8)の調製)
(a)1,10-ジアクリロイルオキシ-2,9-ジヒドロキシ-4,4,5,5,6,6,7,7,-オクタフルオロデカン〔OD2H2A〕を100部、(b) 前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で12.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3388部混合して低屈折率層用塗液L−8を調製した。
(製造例2−9、低屈折率層用塗液(L−9)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で233部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で10部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を16.7部及びイソプロピルアルコールを4911部混合して低屈折率層用塗液L−9を調製した。
(製造例2−10、低屈折率層用塗液(L−10)の調製)
(a)ペンタエリスリトールトリアクリレート〔共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPE−3A、3官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で100部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で6部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を10部及びイソプロピルアルコールを3110部混合して低屈折率層用塗液L−10を調製した。
(製造例2−11、低屈折率層用塗液(L−11)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で67部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を8.4部及びイソプロピルアルコールを2664部混合して低屈折率層用塗液L−11を調製した。
(製造例2−12、低屈折率層用塗液(L−12)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で43部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で4.3部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を7.2部及びイソプロピルアルコールを2337部混合して低屈折率層用塗液L−12を調製した。
(製造例2−13、低屈折率層用塗液(L−13)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/1の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−13を調製した。
(製造例2−14、低屈折率層用塗液(L−14)の調製)
(a)ペンタエリスリトールトリアクリレート〔共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPE−3A、3官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−14を調製した。
(製造例2−15、低屈折率層用塗液(L−15)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリビニルスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で2.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを4188部混合して低屈折率層用塗液L−15を調製した。
(製造例2−16、低屈折率層用塗液(L−16)の調製)
(a) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリアクリル酸エチルスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で7.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3788部混合して低屈折率層用塗液L−16を調製した。
(製造例2−17、低屈折率層用塗液(L−17)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリアクリル酸エチルスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で25部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを2388部混合して低屈折率層用塗液L−17を調製した。
(製造例2−18、低屈折率層用塗液(L−18)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリチエニルメチルスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−18を調製した。
(製造例2−19、低屈折率層用塗液(L−19)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3−メチルチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で1部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを4308部混合して低屈折率層用塗液L−19を調製した。
(製造例2−20、低屈折率層用塗液(L−20)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−20を調製した。
(製造例2−21、低屈折率層用塗液(L−21)の調製)
(a)ペンタエリスリトールトリアクリレート〔共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPE−3A、3官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3−メチル−4メトキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で10部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3588部混合して低屈折率層用塗液L−21を調製した。
(製造例2−22、低屈折率層用塗液(L−22)の調製)
(a)1,10-ジアクリロイルオキシ-2,9-ジヒドロキシ-4,4,5,5,6,6,7,7,-オクタフルオロデカン〔OD2H2A〕を100部、(b) 前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3−メチル−4メトキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で12.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3388部混合して低屈折率層用塗液L−22 を調製した。
(製造例2−23、低屈折率層用塗液(L−23)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3―ヘキシルオキシチオフェン)/ポリアクリル酸エチルスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で12.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3388部混合して低屈折率層用塗液L−23を調製した。
(製造例2−24、低屈折率層用塗液(L−24)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(2―メチルアニリン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−24を調製した。
(製造例2−25、低屈折率層用塗液(L−25)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3―イソブチルアニリン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−25を調製した。
(製造例2−26、低屈折率層用塗液(L−26)の調製)
(a)ペンタエリスリトールトリアクリレート〔共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPE−3A、3官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3―ブチルピロール)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−26を調製した。
(製造例2−27、低屈折率層用塗液(L−27)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3―メチル−4−ヘキシルオキシピロール)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−27を調製した。
(製造例2−28、低屈折率層用塗液(L−28)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(オキシ−1,4−フェニレン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−28を調製した。
(製造例2−29、低屈折率層用塗液(L−29)の調製)
(a)ペンタエリスリトールトリアクリレート〔共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPE−3A、3官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを4388部混合して低屈折率層用塗液L−29を調製した。
(製造例2−30、低屈折率層用塗液(L−30)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で37.5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを1388部混合して低屈折率層用塗液L−30を調製した。
(製造例2−31、低屈折率層用塗液(L−31)の調製)
(a)ペンタエリスリトールトリアクリレート〔共栄社化学(株)製、商品名:ライトアクリレートPE−3A、3官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で25部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で3.8部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を6.3部及びイソプロピルアルコールを2090部混合して低屈折率層用塗液L−31を調製した。
(製造例2−32、低屈折率層用塗液(L−32)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で400部、(c) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/2.5の複合体を固形分換算で15部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を25部及びイソプロピルアルコールを7175部混合して低屈折率層用塗液L−32を調製した。
(製造例2−33、低屈折率層用塗液(L−33)の調製)
(a)UV7600B〔日本合成化学工業(株)製、商品名:紫光UV7600B、6官能ウレタンアクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/0.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−33を調製した。
(製造例2−34、低屈折率層用塗液(L−34)の調製)
(a)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を100部、(b)前記製造例1で得られた変性中空シリカ微粒子ゾルを固形分換算で150部、(c)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸=1/6.5の複合体を固形分換算で5部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を12.5部及びイソプロピルアルコールを3988部混合して低屈折率層用塗液L−34を調製した。
(実施例1−1)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡績(株)製、商品名:A4300〕の上に前記製造例2−1で調製した低屈折率層用塗液(L−1)を、光学膜厚がkλ/4(k:1、λ:550nm)になるようにグラビアコート法で塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cm
2の出力にて紫外線を照射して硬化させることにより、反射防止フィルムを作製した。
【0042】
得られた反射防止フィルムについて、視感度反射率、表面抵抗率、耐熱性及び耐擦傷性の評価を以下に記載する方法で行い、それらの評価結果を表1に示した。
(視感度反射率)
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で想定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率(%)とした。
(表面抵抗率)
デジタル絶縁計〔東亜DKK(株)製、商品名:SM−8220〕を用いて、反射防止フィルムの表面抵抗率(Ω/□)を測定した。なお、表1〜表3において、「RANGE OVER」は表面抵抗率が測定限界を超えるほど高くなったことを意味する。
(3)耐熱性
反射防止フィルムを80℃に設定された恒温槽の中に放置し、1000時間後に恒温槽から取り出して表面抵抗率を測定した。恒温槽に入れる前に測定した表面抵抗率と比較して、表面抵抗率の上昇が2桁以内に抑えられていれば○、表面抵抗率が3桁以上上昇した場合には×とした。
(4)耐擦傷性
(株)本光製作所製消しゴム摩耗試験機の先端に、#0000のスチールウールを固定し、2.5N(250gf)及び1N(100gf)の荷重をかけて、反射防止フィルム表面上を10回往復摩擦した後の表面の傷を目視で観察し、以下のA〜Eの6段階で評価した。
【0043】
A:傷なし、A':傷1〜3本、B:傷4〜10本、C:傷11〜20本、D:傷21〜30本、E:31本以上
(実施例1−2〜実施例1−14)
実施例1−1において、低屈折率層用塗液(L−1)の代わりに、製造例2−2〜製造例2−14で調製した低屈折率層用塗液(L−2〜L−14)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、視感度反射率、表面抵抗率、耐熱性及び耐擦傷性の評価を行い、それらの結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
表1に示したように、実施例1−1〜実施例1−14では、単層構成で十分な反射防止性能を有し、帯電防止性能にも優れ、かつ耐熱性及び耐擦傷性も良好な反射防止フィルムを得ることができた。
(実施例2−1〜実施例2−4)
実施例1−1において、低屈折率層用塗液(L−1)の代わりに、製造例2−15〜製造例2−18で調製した低屈折率層用塗液(L−15〜L−18)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、視感度反射率、表面抵抗率、耐熱性及び耐擦傷性の評価を行い、それらの結果を表2に示した。
【0045】
【表2】
表2に示したように、実施例2−1〜実施例2−4では、単層構成で良好な反射防止性能を有し、帯電防止性能が良く、かつ耐熱性及び耐擦傷性も良好な反射防止フィルムを得ることができた。
(実施例3−1〜実施例3−5)
実施例1−1において、低屈折率層用塗液(L−1)の代わりに、製造例2−19〜製造例2−23で調製した低屈折率層用塗液(L−19〜L−23)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、視感度反射率、表面抵抗率、耐熱性及び耐擦傷性の評価を行い、それらの結果を表3に示した。
【0046】
【表3】
表3に示したように、実施例3−1〜実施例3−5では、単層構成で良好な反射防止性能を有し、帯電防止性能が良好で、かつ耐熱性及び耐擦傷性も良好な反射防止フィルムを得ることができた。
(
参考例4−1〜
参考例4−5)
実施例1−1において、低屈折率層用塗液(L−1)の代わりに、製造例2−24〜製造例2−28で調製した低屈折率層用塗液(L−24〜L−28)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、視感度反射率、表面抵抗率、耐熱性及び耐擦傷性の評価を行い、それらの結果を表4に示した。
【0047】
【表4】
表4に示したように、
参考例4−1〜
参考例4−5では、単層構成で良好な反射防止性能を有し、帯電防止性能が良く、かつ耐熱性及び耐擦傷性も良好な反射防止フィルムを得ることができた。
(比較例1−1〜比較例1−6)
実施例1−1において、低屈折率層用塗液(L−1)の代わりに、比較例1−1では製造例2−29で調製した低屈折率層用塗液(L−29)を用い、比較例1−2では製造例2−30で調製した低屈折率層用塗液(L−30)を用い、比較例1−3では製造例2−31で調製した低屈折率層用塗液(L−31)を用い、比較例1−4では製造例2−32で調製した低屈折率層用塗液(L−32)を用い、比較例1−5では製造例2−33で調製した低屈折率層用塗液(L−33)を用い、比較例1−6では製造例2−34で調製した低屈折率層用塗液(L−34)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、反射防止フィルムを得た。得られた反射防止フィルムについて、視感度反射率、表面抵抗率、耐熱性及び耐擦傷性の評価を行い、それらの結果を表5に示した。
【0048】
【表5】
表5に示したように、比較例1−1では、π共役系導電性高分子とドーパントからなる複合体を有していないことから、帯電防止性能が発現されないという結果に到った。また、比較例1−2では、π共役系導電性高分子とドーパントからなる複合体の含有量が多いため、相対的に多官能(メタ)アクリレートの含有量が減少し、耐擦傷性が悪化するという結果であった。比較例1−3では、中空シリカ微粒子の含有量が過少であるため、硬化膜の屈折率が十分に低下せず、視感度反射率が高くなって反射防止性能が劣るという結果を招いた。
【0049】
また、比較例1−4では、中空シリカ微粒子の含有量が過剰であるため、相対的に多官能(メタ)アクリレートの含有量が減少し、耐擦傷性が悪化するという結果に到った。比較例1−5では、π共役系導電性高分子に対してドーパントの量が過少であるため、π共役系導電性高分子が十分にドーピングされず、導電性が低くなり、帯電防止性が低下した。さらに、比較例1−6では、π共役系導電性高分子に対してドーパントの量が多過ぎるため、過剰に存在するドーパントの影響により、耐熱性が悪化した。