(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理対象のオブジェクトを端末オブジェクトとし、その端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた場合に、当該端末装置の近隣に通信接続が可能な前記表示装置が存在しているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により表示装置が存在していることが判別された場合に、その表示装置を出力モニタとして特定する特定手段と、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記出力モニタとして特定した表示装置に前記通信手段を介して前記モニタリンク・オブジェクトを表示させるための制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、
図1〜
図15を参照して詳細に説明する。
本実施形態は、携帯端末装置として携帯電話機に適用したもので、
図1は、携帯電話機1が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、近距離通信機能などが備え、最寄りの基地局2から無線通信網(移動体通信網)3に接続されると、その無線通信網3を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となる。
【0011】
また、携帯電話機1は、無線通信網3を介してインターネット4に接続されると、電子メールの送受信が可能となったり、Webサイトをアクセスして閲覧可能となったり、また、情報配信装置5から配信される画像データなどの各種のデータをインターネット4、無線通信網3を介してダウンロードしたり、携帯電話機1から画像データなどの各種のデータを無線通信網3、インターネット4を介してアップロードしたりすることが可能となっている。なお、情報配信装置5は、データを暗号化して送受信するプロトコルを使用することで機密性が高く安全な通信を確保することができる業者側のネットワークサーバで、クラウド・サーバサービスを提供し、各ユーザから提供された各種のデータを保管したり、そのユーザ側の端末装置に配信したりするようにしている。
【0012】
また、携帯電話機1は、外部機器(表示部を備えた電子機器)としての表示装置6との間で直接的又は間接的にデータ通信が可能となっている。表示装置6は、家庭内に設置された各種の電子機器で、タッチパネル付き表示画面(タッチ表示画面)を有し、例えば、テレビ受信機6A、プロジェクタ6B、デジタルフォトフレーム6C、パーソナルコンピュータ(PC)6D、車載端末6Eなどであり、家庭内に構築された無線LAN(構内通信網)7に接続されている。表示装置6は、無線LAN(構内通信網)7を介してインターネット4に接続されると、情報配信装置5から画像データなどの各種のデータをダウンロードして表示可能となっている。このように表示装置6は、情報配信装置5に接続されることにより携帯電話機1と表示装置6とは、情報配信装置5を介して間接的に通信接続されるようになっている。また、携帯電話機1と表示装置6とは、近距離通信、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を介して直接的に通信接続されるようになっている。
【0013】
ここで、携帯電話機1と表示装置6とが近距離通信により直接的に通信接続されるのは、表示装置6に対する操作デバイス(ポインティングデバイス:マウス)として自身を機能させる場合である。すなわち、携帯電話機1は、処理対象のオブジェクトに対してアクセス操作が行われた際に、つまり、携帯電話機1と表示装置6とを近距離通信を介してリンクさせるために後述するモニタリンク・ボタンが操作された際に、携帯電話機1の近隣(例えば、半径5m以内)に通信接続(近距離通信)が可能な表示装置6が存在しているか否かを探索し、近隣に表示装置6が存在していれば、その表示装置6を当該携帯電話機1の出力モニタとして特定するようにしている。
【0014】
このように表示装置6を携帯電話機1に対する出力モニタとし、携帯電話機1をその出力モニタに対する操作デバイスとして、携帯電話機1と表示装置6とをリンクさせることを希望する場合に、上述のモニタリンク・ボタンを操作するようにしている。ここで、処理対象のオブジェクトとは、携帯電話機1側で保持されているリンク情報、受信情報、アイコン、ファイル、画像データ、テキストデータなどであり、例えば、受信メール内に付加されているURL(Uniform Resource Locator)、携帯電話機1側で保存されているデータ、端末画面上に表示されているアイコン、画像などのデータである。
【0015】
そして、携帯電話機1は、処理対象のオブジェクトに対してアクセス操作が行われた際(モニタリンク・ボタンMBが操作された際)に、そのオブジェクト又はその処理結果を、出力モニタとして特定した表示装置6に表示させるための制御を行うようにしている。すなわち、上述の処理対象のオブジェクト、つまり、携帯電話機1側でアクセス可能なオブジェクト(携帯電話機1側が保持するオブジェクト)を端末オブジェクトと称し、出力モニタとして特定した表示装置6に表示させる当該オブジェクト又はその処理結果を、モニタリンク・オブジェクトと称すると、携帯電話機1は、端末オブジェクトへのアクセス操作に応じて表示装置6にモニタリンク・オブジェクトを表示させるための制御を行うようにしている。
【0016】
例えば、携帯電話機1は、端末オブジェクトがリンク情報(例えば、ネットワーク上の格納場所、サーバ上のファイル保管場所をリンク先とする情報)であれば、そのリンク情報の処理結果(リンク先から受信取得されたデータ)を、モニタリンク・オブジェクトとして表示装置6に表示させるために、情報配信装置5に対してそのリンク先に格納されているファイルなどのデータを、表示装置6に対して送信すべきことを依頼する依頼通信(間接通信)を行うようにしている。また、端末オブジェクトがリンク情報以外のデータ、例えば、アイコンであれば、その端末オブジェクト(アイコン)をモニタリンク・オブジェクトとして表示装置6に表示させるために、その表示装置6に近距離通信を介して送信する直接通信を行うようにしている。
【0017】
このようにして携帯電話機1の出力モニタとして特定した表示装置6のタッチ表示画面上にモニタリンク・オブジェクトを表示させる制御を行った後、携帯電話機1は、表示装置6に対する操作デバイスモード(ポインティングデバイスモード:マウスモード)に移行するようにしている。このマウスモードにおいては、携帯電話機1の移動操作に応じて表示装置6上のカーソルを移動表示させたり、後述するモニタリンク・ボタンの押下操作に応じて、表示装置6上のモニタリンク・オブジェクトに関する処理、つまり、そのモニタリンク・オブジェクト対応の端末オブジェクトに対する処理(後述する)を実行したりする。
【0018】
一方、表示装置6は、そのタッチ表示画面に対してタッチアクション(後述する)が行われた際に、そのタッチ位置及びアクション内容を携帯電話機1に対して送信するようにしている。携帯電話機1は、表示装置6からタッチ操作信号を受信した場合に、そのタッチ位置及びアクション内容に応じた処理(後述する)を実行するようにしている。このように表示装置6を携帯端末装置1の出力モニタとして利用する以外に、携帯電話機1と表示装置6との相互で操作デバイスとして利用できるようにしている。つまり、表示装置6側でのタッチ操作を携帯電話機1側での操作として取り扱う(認識する)ようにしている。
【0019】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯電話機1は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、近距離通信機能などを備え、CPU11を中核とし、電源部12、記憶部13、メモリ14、無線通信部15、音声信号処理部16、操作部17、タッチ表示部18、マウスセンサ19、近距離通信部20、無線LANモジュール21、筐体向き検出部22、引出検出部23を有する構成となっている。
【0020】
CPU11は、二次電池(図示省略)を備えた電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部13には、
図7〜
図9に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。なお、記憶部13は、例えば、SDカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しない所定の外部サーバ上の記憶領域を含む構成であってもよい。メモリ14は、フラグ情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域で、後述する表示位置管理テーブルDTが設けられている。
【0021】
無線通信部15は、通話機能の動作時に受信信号を受信ベースバンド信号に復調した後、音声信号処理部16を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部16から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、アンテナ(図示省略)から発信出力させる。操作部17は、押しボタン式の電源キー、メニューキーなどのサイドキーSKのほか、モニタリンク・ボタンMBなどを有し、CPU11は、この操作部17からの入力操作信号に応じて所定の処理を実行する。モニタリンク・ボタンMBは、携帯電話機1を表示装置6に対する操作デバイス(マウス)として機能させる際に使用したり、表示装置6に表示されているモニタリンク・オブジェクトを操作する際に使用したりするキーである。
【0022】
タッチ表示部18は、携帯電話機1を構成する筐体の表面側に配設され、例えば、高精細液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで、文字データ、待受画像、各種のオブジェクトなどを表示したり、ソフトキーボードなどのタッチキー群を表示したりするもので、縦横比の異なる画面を有し、その画面上の全域に透明タッチセンサ(図示省略)を積層配設することにより、指などによるタッチ操作を感知して、そのタッチ操作に応じたデータを入力するタッチスクリーンを構成する。なお、タッチセンサとしては、軽量化、光透過性、耐久性などに優れた静電容量方式を採用し、ソフトキー(タッチキー)に対するキー操作を検出したり、タッチアクション操作(例えば、タップ操作、スクロール操作など)を検出したりする。
【0023】
マウスセンサ19は、赤外線又はレーザ光による光学式マウスの発光部及び受光部を構成するもので、マウスモードにおいて携帯電話機1の移動方向や移動量などを光学的に検出する。近距離通信部20は、ブルートゥース通信を行うもので、その通信可能エリアは、例えば、略半径5mとなっており、ブルートゥース通信されるデータに対してシリアル/パラレル変換などを行う。無線LANモジュール21は、家庭内の無線LAN通信機能を構成し、高速無線通信が可能なものである。また、筐体向き検出部22は、筐体の向き(姿勢)を検出する加速度センサである。引出検出部23は、携帯電話機1内に引き出し可能に収納されているマウスセンサ19が引き出された状態にあるかを磁気的、機械的、電気的のいずれかより検出するようにしているが、その検出方法は任意である。
【0024】
図3は、表示位置管理テーブルDTを説明するための図である。
表示位置管理テーブルDTは、携帯電話機1側に表示されているオブジェクトの表示位置と表示装置6側に表示されているオブジェクトの表示位置とを対応付けて管理するテーブルで、「オブジェクト」、「端末オブジェクトの表示位置」、「モニタリンク・オブジェクトの表示位置」の項目を有している。すなわち、表示位置管理テーブルDTは、「オブジェクト」“a”、”b”、…に対応して、その表示装置6上での「モニタリンク・オブジェクトの表示位置」と、携帯電話機1上での「端末オブジェクトの表示位置」とを対応付けて記憶管理するテーブルである。
【0025】
図4は、表示装置6であるテレビ受信機6Aの基本的な構成要素を示したブロック図である。
テレビ受信機6Aは、CPU61を中核として、電源部62、記憶部63、テレビ放送受信部64、操作部65、タッチ表示部66、スピーカ67の基本的な各構成要素のほか、本実施形態においては、赤外線通信部68、近距離通信部69、無線LANモジュール70を有する構成となっている。記憶部63には、
図10及び
図11に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。
【0026】
タッチ表示部66は、タッチ入力機能を構成するもので、その画面上の全域に透明タッチセンサ(図示省略)を積層配設することにより、指などによるタッチ操作を感知して、そのタッチ操作に応じたデータを入力するタッチスクリーンである。なお、タッチセンサとしては、静電容量方式を採用し、ソフトキー(タッチキー)に対するキー操作を検出したり、タッチアクション操作を検出したりする。ここで、タッチアクション操作とは、タップ操作、ダブルタップ操作のほか、ホールド(保持)操作、ピッチイン・ピッチアウト(拡大縮小)操作、フリック(払い=スクロール)操作、ドラッグ(移動)操作などである。
【0027】
テレビ受信機6Aは、その赤外線通信部68を介してテレビリモコン(図示省略)との間で赤外線通信が可能となり、また、近距離通信部68を介して携帯電話機1との間で近距離通信(ブルートゥース通信)を行うことが可能となっている。また、テレビ受信機6Aは、無線LANモジュール69を介してインターネット4に接続されることにより情報配信装置5から配信されたデータを受信可能となっている。
【0028】
携帯電話機1とテレビ受信機6Aとは、ブルートゥース通信による通信リンクが確立(通信接続が設定)されることで、携帯電話機1側の近距離通信部20とテレビ受信機6A側の近距離通信部68を介して携帯電話機1とテレビ受信機6Aとの相互でデータ通信が可能となる。この場合、携帯電話機1から接続相手を特定するためのモニタ探索操作(リンク操作:ペアリング操作)が行われると、携帯電話機1は、近隣に通信接続が可能な表示装置6が存在しているか否かを探索するためのモニタ探索信号を発信した後、それに対するテレビ受信機6Aからの応答信号を受信することにより、携帯電話機1とテレビ受信機6Aとの通信リンクが確立される。
【0029】
図5及び
図6は、携帯電話機1の概略外観図で、
図5(1)は、携帯電話機1を表面(正面)の方向から見た図、
図5(2)は、背面(裏面)の方向から見た図であり、
図6(1)及び(2)は、携帯電話機1の一側面の方向から見た図である。
携帯電話機1は、その筐体全体が長方体を成し、
図6(1)に示すように筐体の背面は、弧状にやや盛り上がった曲線形を成している。この携帯電話機1の表面には、
図5(1)に示すように縦横比の異なるタッチ表示部18が配設されている。
図5(1)は、タッチ表示部18が縦画面となるように筐体を縦向きにした状態を示した携帯電話機1の表面図で、この縦画面の長手方向一端側(図中、上側)には通話用スピーカSPが配設され、縦画面の長手方向他端側(図中、下側)には通話用マイクMCが配設されている。更に、縦画面の長手方向他端側(図中、下側)には、引出部24が引き出し可能に収納されている。また、筐体の背面略中心部には、上述した押しボタン式のモニタリンク・ボタンMBが配設されている。
【0030】
引出部24は、筐体内に引き出し可能(スライド可能)に収納されたもので、携帯電話機1をポインティングデバイス(マウス)として使用する際に、
図6(2)に示すように、携帯電話機1を構成する筐体の一端部内から引出部24を引き出すようにしている。
図6(1)は、筐体内に引出部24を収納した状態を示し、
図6(2)は、筐体内から引出部24を引き出した状態を示している。
図6(1)、(2)は、筐体の表面側を図中、下側にして、平面(例えば、机面)などに載置した状態を示している。この状態において、筐体内から引出部24を引き出すと、引出部24の先端面とタッチ表示部18の表示面との間に段差(gp)により空間が形成されるように引出部24を筺体に取り付けられている。この場合、引出部24は、筺体の表面側の一端部付近から斜め方向(図示の例では、斜め略60°方向)に引き出される。これによって引出部24の先端部と筺体の表面側の他端部とが平面(例えば、机面)上に接触した状態(2点接触の状態)で平面上に載置されることになる。
【0031】
このように筐体の表面一端部付近から斜め方向に引出部24が引き出されることにより、筐体の一端側が立ち上がった状態となり、つまり、筐体全体が斜めに立ち上がって上方向に曲線的にせり出したような形状となり、筐体を机面などの平面に載置して筺体の背面側を掌で包むように筺体を挟持する際に、その形状は、マウスとして持ち易い(使い易い)フォームとなる。なお、上述のように筐体の背面は弧状にやや盛り上がった曲線形を成しているが、引出部24の全体もやや弧状の流線型とすることで、引出部24を引き出した際に、引出部24の外表面と筐体端部の外表面とが曲線的に連続するようになっている。
【0032】
引出部24には、図示省略したが、係止機構及びストッパ機構が付属されている。この係止機構は、筐体内から引出部24を引き出し終わった状態と、筐体内に完全に収納し終わった状態で引出部24を弾性的に係止することにより、その状態を保持するようにしたもので、その弾性力に抗して引出部24が引き出されると、その係止が外れる構成となっている。また、ストッパ機構は、
図6(2)に示した最長の引き出し量以上の引き出しを抑制するために、引出部24の引き出しをその最長の位置で規制するストッパを有する構成となっている。なお、係止機構及びストッパ機構については、一般に使用されている機構を使用するようにしているため、その図示や詳細な説明は省略するものとする。
【0033】
また、
図6(2)で示した部分拡大図に示すように、引出部24内には、赤外線又はレーザ光による光学式のマウスセンサ19を構成する発光部及び受光部が配設され、筐体を載置した机面などを照射してその反射光を受光するようにしている。なお、上述した引出検出部23は、引出部24(マウスセンサ19)が引き出されたか否かを検出する際に、引出部24がその最長の引き出し位置まで引き出された状態であるか否かを検出するようにしている。なお、引出部24内には電源部12の電源電池(例えば、ボタン電池)12aが出し入れ自由(交換可能)に収納されている。
【0034】
次に、本実施形態における携帯電話機1及び表示装置6(テレビ受信機6A)の動作概念を
図7〜
図11に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
なお、
図7〜
図9は、携帯電話機1の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この
図7〜
図9のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0035】
図7〜
図9は、モニタリンク・ボタン操作(ペアリング操作)により実行開始される携帯電話機1の動作を示したフローチャートである。また、
図10及び
図11は、表示装置6(テレビ受信機6A)側の動作を示したフローチャートである。
図12及び
図13は、携帯電話機1側の画面と表示装置6側の画面とがリンクしている状態の表示例を示した図である。
図14及び
図15は、表示装置6に対する操作デバイスとして携帯電話機1を利用したり、携帯電話機1に対する操作デバイスとして表示装置6を利用したりする場合の他の操作例及び表示例を示した図である。以下、
図7〜
図11のフローを
図12〜
図15を参照して具体的に説明するものとする。
【0036】
先ず、CPU11は、筐体向き検出部22及び引出検出部23の検出結果に基づいて、マウス・スタイルであるか、つまり、
図6(2)に示すように筐体から引出部24が引き出されることにより筐体の背面部側がせり上がった状態(マウス・スタイル)であるかを調べる(
図7のステップA1)。いま、筺体の背面側を掌で包むように筺体を挟持した状態、例えば、筐体の表面(タッチ表示部18やマウスセンサ19)が下向きとなる姿勢であることが筐体向き検出部22により検出され、かつ、筐体から引出部24が引き出されていることが引出検出部23により検出されている状態(マウス・スタイル)であれば(ステップA1でYES)、タッチ表示部18に処理対象の端末オブジェクトが表示されている状態であるかを調べる(ステップA2)。
【0037】
また、マウス・スタイルでなければ(ステップA1でNO)、又はマウス・スタイルであっても端末オブジェクトが表示中でなければ(ステップA2でNO)、今回のモニタリンク・ボタンの操作を無効とするために、
図7〜
図9のフローから抜けるが、携帯電話機1側で端末オブジェクトが表示されている状態であれば(ステップA2でYES)、近隣に存在している表示装置6を探索するために近距離通信部20からモニタ探索信号を発信させた後(ステップA3)、周囲の表示装置6からその応答を近距離通信により受信したかを調べる(ステップA4)。いま、表示装置6からの応答が無ければ(ステップA4でNO)、近隣の表示装置6に対して近距離通信部20から電源オン信号を発信させた後(ステップA5)、再び、モニタ探索信号を発信させて(ステップA6)、それに対して周囲の表示装置6から応答を受信したかを調べる(ステップA7)。
【0038】
図10は、表示装置6(テレビ受信機6A)の動作として、外部から電源オン信号を受信することにより実行開始されるフローチャートである。
先ず、CPU61は、外部から電源オン信号を受信すると、電源部62を制御してメイン電源をオンさせた後(
図10のステップB1)、携帯電話機1からの電源オン信号であるかを調べる(ステップB2)。いま、赤外線通信部68を介してテレビリモコン(図示省略)から電源オン信号を受信したときには(ステップB2でNO)、テレビ放送受信部64を起動させてテレビ映像をタッチ表示部66から出力させると共に、テレビ音声をスピーカ67から出力させる(ステップB3)。
【0039】
そして、テレビリモコンなどでテレビ操作が行われた場合に(ステップB4でYES)、それが電源オフ操作でなければ(ステップB5でNO)、その操作に対応する処理として、例えば、チャンネル切替、音量調整などの処理を行うと共に、テレビ出力処理を継続する(ステップB6)。そして、上述のステップB4に戻り、テレビ操作待ち状態となる。ここで、電源オフ操作が行われたときには(ステップB5でYES)、この時点でメイン電源をオフする処理に移行する。また、携帯電話機1から近距離通信により電源オン信号を受信したときには(ステップB2でYES)、電源オン信号を受信してから所定時間内(例えば、3秒以内)に携帯電話機1からモニタ探索信号を受信したかを調べ(ステップB7)、モニタ探索信号を受信しなければ(ステップB7でNO)、この時点でメイン電源をオフする処理に移行する。
【0040】
携帯電話機1からモニタ探索信号を受信したときには(ステップB7でYES)、
図11のフローに移る。
図11は、表示装置6(テレビ受信機6A)の動作として、携帯電話機1からモニタ探索信号を受信したときに実行開始されるフローチャートである。
先ず、CPU61は、表示装置6が動作中か、つまり、タッチ表示部66の画面(モニタ画面)にテレビ映像を表示しているテレビ表示中であるかを調べ(
図11のステップB11)、テレビ映像を表示しているテレビ表示中であれば(ステップB11でYES)、予め設定されている自己の識別情報(モニタID)を読み出して、このモニタIDを表示中フラグ(図示省略)と共に携帯電話機1に送信してモニタ探索信号に対する応答を行う(ステップB12)。そして、携帯電話機1からモニタリンク・オブジェクトを近距離通信により受信したかを調べ(ステップB13)、モニタリンク・オブジェクトを受信しなければ(ステップB13でNO)、テレビ出力処理を継続したまま、この時点で
図11のフローの割込処理から抜ける。
【0041】
また、テレビ表示中ではなく、テレビ映像を表示していない非表示中であれば(ステップB11でNO)、自己の識別情報(モニタID)を非表示中フラグ(図示省略)と共に携帯電話機1に送信してモニタ探索信号に対する応答を行った後(ステップB23)、携帯電話機1からモニタリンク・オブジェクトを受信したかを調べる(ステップB24)。ここで、モニタリンク・オブジェクトを受信しなければ(ステップB24でNO)、応答から所定時間(例えば、3秒)が経過してタイムアウトになったかを調べ(ステップB26)、タイムアウトになるまで上述のステップB24に戻り、受信待ちの状態となるが、タイムアウトになったときには(ステップB26でYES)、メイン電源をオフする処理に移行する。
【0042】
一方、携帯電話機1において、上述のようなモニタ探索信号の発信に対して、周囲の表示装置6からその応答を受信したときには(
図7のステップA4又はステップA7でYES)、複数の表示装置6からの応答を受信したかを調べ(ステップA8)、単一の表示装置6から応答を受けたときには(ステップA8でNO)、その表示装置6を出力モニタとして特定して、その受信ID(モニタID)をメモリ14内に一時記憶させる(ステップA13)。また、複数の表示装置6からの応答を受信したときには(ステップA8でYES)、その応答時に受信した表示中フラグ/非表示中フラグを参照して、応答のあった各表示装置6のうち、非表示中フラグを送信した非表示中の表示装置6が存在しているかを調べる(ステップA9)。
【0043】
その結果、非表示中の表示装置6が存在していれば(ステップA9でYES)、その一台の表示装置6を出力モニタとして特定して、その受信ID(モニタID)をメモリ14内に一時記憶させる(ステップA10)。なお、非表示中の表示装置6が複数台存在している場合には、電波強度などの受信状況に応じて距離的に最も近い表示装置6、予め設定されている画面サイズを比較して最もサイズの大きい表示装置6を選択するようにしている。また、非表示中の表示装置6が存在していなければ(ステップA9でNO)、応答した各表示装置6のモニタIDを受信してリスト表示させ(ステップA11)、そのリストの中からユーザ操作により任意のモニタIDが選択指定されると(ステップA12)、選択されたモニタID対応の表示装置6を出力モニタとして特定して、その受信ID(モニタID)をメモリ14内に一時記憶させる(ステップA13)。
【0044】
このようにして表示装置6を特定した後は、
図8のフローに移る。なお、出力モニタとして特定した表示装置6を、単に出力モニタと呼称するものとする。先ず、表示中フラグ/非表示中フラグを参照して、出力モニタは現在、テレビ映像を表示中であるかを調べる(
図8のステップA14)。いま、出力モニタがテレビ映像を表示していない非表示中であれば(ステップA14でNO)、タッチ表示部18の画面(端末画面)の全体内容、つまり、端末オブジェクトを含む表示内容の全体をそのままモニタリンク・オブジェクトとして、出力モニタに対して送信する(ステップA15)。また、出力モニタが表示中であれば(ステップA14でYES)、端末画面内に表示されている端末オブジェクトは、URLなどのリンク情報であるかを調べる(ステップA16)。
【0045】
ここで、端末オブジェクトがURLなどのリンク情報であれば(ステップA16でYES)、端末画面内に表示されているリンク情報が一つであるかを調べる(ステップA17でYES)。端末オブジェクト(リンク情報)が一つであれば(ステップA17でYES)、インターネット4を介して情報配信装置5に依頼送信を行う(ステップA19)。すなわち、端末オブジェクト(リンク情報)で指定されるデータの存在場所(リンク先)から表示対象のデータを取得し、それをモニタリンク・オブジェクトとして出力モニタに送信すべきことを依頼する送信を情報配信装置(サーバ)5に対して行う。
【0046】
また、端末画面内に表示されている各端末オブジェクトが複数のリンク情報であれば(ステップA17でNO)、この複数のリンク情報をモニタリンク・オブジェクトとして出力モニタに近距離通信により直接送信する処理を行う(ステップA18)。一方、端末オブジェクトがリンク情報でなければ(ステップA16でNO)、アイコンなどの端末オブジェクトをモニタリンク・オブジェクトとして出力モニタに近距離通信により直接送信する(ステップA20)。
【0047】
他方、出力モニタは、テレビ非表示中において(
図11のステップB11でNO)、携帯電話機1から直接又は情報配信装置5を介して間接的にモニタリンク・オブジェクトを受信したときには(ステップB23でYES)、モニタ画面の全体領域にモニタリンク・オブジェクトを表示させる(ステップB24)。また、テレビ表示中において(ステップB11でYES)、携帯電話機1から直接又は情報配信装置5を介して間接的にモニタリンク・オブジェクトを受信したときには(ステップB13でYES)、モニタ画面の隅部にモニタリンク・オブジェクトをテレビ映像に重ね合わせて表示させる(ステップB14)。
【0048】
図12(1)は、端末画面に表示されている端末オブジェクトがリンク情報の場合で、出力モニタがテレビ映像を表示していない非表示中の場合(
図8のステップA14でNO)の表示例を示したもので、
図8のステップA15の実行により端末オブジェクト(リンク情報)を含む端末画面の全体が出力モニタに全面表示された場合である。この場合、端末オブジェクト(リンク情報)がモニタリンク・オブジェクトとして全面表示されると共に、このモニタリンク・オブジェクトの近傍にカーソルが表示される。
【0049】
図12(2)は、端末画面に端末オブジェクトとして一つのリンク情報が表示されている場合で、出力モニタがテレビ映像を表示している表示中の場合(
図8のステップA14でYES、ステップA16及びA17でYES)の表示例を示したもので、
図8のステップA19の実行により携帯電話機1から情報配信装置5への依頼送信に応じて情報配信装置5を介して取得した画像データ(人物の顔画像)がモニタ画面の隅部(図中、左下部)にテレビ映像に重ね合わせられて表示された場合である。この場合、端末オブジェクトの処理結果である画像データ(人物の顔画像)がモニタリンク・オブジェクトとして画面隅部に表示されると共に、その近傍にカーソルが表示される。
【0050】
図12(3)は、端末画面に端末オブジェクトとして複数(三つ)のリンク情報が表示されている場合で、出力モニタがテレビ映像を表示している表示中の場合(
図8のステップA14でYES、ステップA16でYES、ステップA17でNO)の表示例を示したもので、
図8のステップA18の実行により複数のリンク情報がモニタ画面の隅部(図中、左下部)にテレビ映像に重ね合わせられて表示された場合である。この場合、複数のリンク情報がモニタリンク・オブジェクトとして画面隅部に表示されると共に、その近傍にカーソルが表示される。
【0051】
図13(1)は、端末画面に端末オブジェクトとしてリンク情報以外の情報(例えば、複数のアイコン)が表示されている場合で、出力モニタがテレビ映像を表示していない非表示中の場合(
図8のステップA14でNO)の表示例を示したもので、
図8のステップA15の実行により端末オブジェクト(複数のアイコン)を含む端末画面の全体が出力モニタに全面表示された場合である。この場合、複数のアイコンがモニタリンク・オブジェクトとして全面表示されると共に、このモニタリンク・オブジェクトの近傍にカーソルが表示される。
【0052】
図13(2)は、端末画面に端末オブジェクトとしてリンク情報以外の情報(例えば、複数のアイコン)が表示されている場合で、出力モニタがテレビ映像を表示している表示中の場合(
図8のステップA14でYES、ステップA16でNO)の表示例を示したもので、
図8のステップA20の実行により複数のアイコンがモニタ画面の隅部(図中、左下部)にテレビ映像に重ね合わせられて表示された場合である。この場合、複数のアイコンがモニタリンク・オブジェクトとして画面隅部に表示されると共に、その近傍にカーソルが表示される。
【0053】
このように出力モニタは、モニタリンク・オブジェクトを表示させた後(
図11のステップB14又はステップB25)、モニタリンク・オブジェクトの表示位置を検出して携帯電話機1に対して送信する(ステップB15)。そして、タッチ表示部66に対するタッチアクション操作の有無を調べたり(ステップB16)、新たなモニタリンク・オブジェクトを受信したかを調べたり(ステップB18)、携帯電話機1からリンク終了の指示を受信したかを調べたりする(ステップB20)。いま、タッチアクション操作として、タップ操作、ダブルタップ操作、ホールド操作、ピッチイン・ピッチアウト操作、フリック操作、ドラッグ操作などのいずれかが行われると(ステップB16でYES)、そのタッチ位置及びアクション内容を検出取得して(ステップB17)、タッチ操作信号として携帯電話機1に送信した後(ステップB18)、上述のステップB16に戻る。
【0054】
また、出力モニタは、新たなモニタリンク・オブジェクトを受信したときには(ステップB19でYES)、テレビ表示中かを調べ(ステップB20)、テレビ表示中であれば(ステップB20でYES)、上述の重ね合わせ表示(ステップB14)に戻るが、テレビ非表示中であれば(ステップB20でNO)、上述の全面表示(ステップB25)に戻り、以下、上述の動作を繰り返す。また、携帯電話機1からリンク終了の指示を受信したときには(ステップB21でYES)、テレビ表示中かを調べ(ステップB22)、テレビ表示中であれば(ステップB22でYES)、
図11のフローの割込処理から抜けるが、テレビ非表示中であれば(ステップB22でNO)、メイン電源をオフする処理に移行する。
【0055】
携帯電話機1は、出力モニタからモニタリンク・オブジェクトの表示位置を受信すると(
図8のステップA21)、このモニタリンク・オブジェクトに対応する端末オブジェクトの表示位置を検出し、この端末オブジェクトの表示位置とモニタリンク・オブジェクトの表示位置とを対応付けて表示位置管理テーブルDTに記憶させる(ステップA22)。そして、操作デバイスモード(マウスモード)に移行させた後(ステップA23)、
図9のフローに移り、モニタリンク・オブジェクトに関する処理(モニタリンク・オブジェクト対応の端末オブジェクトに対する処理)を実行する。
【0056】
すなわち、このモニタリンク・オブジェクトに関する処理(モニタリンク・オブジェクト対応の端末オブジェクトに対する処理)の開始に先立って、出力モニタからの受信有無を調べたり(
図9のステップA24)、携帯電話機1をマウスとして移動させる移動操作やモニタリンク・ボタンMBが操作されたかを調べたり(ステップA35)、マウス・スタイルが解除されたか、つまり、
図6(2)に示すように筐体から引出部24が引き出されてマウスセンサ19が下向きとなっているかを調べたりする(ステップA37)。いま、出力モニタからの受信有りを検出すると(ステップA24でYES)、出力モニタからのタッチ操作信号(タッチ位置及びアクション内容)を受信取得し(ステップA25)、そのタッチ位置は、モニタリンク・オブジェクトの表示位置であるかを調べる(ステップA26)。いま、タッチ位置とモニタリンク・オブジェクトの表示位置とが一致していれば(ステップA26でYES)、そのアクション内容に対応したコマンドを生成する(ステップA27)。
【0057】
例えば、アクション内容がタップ、ダブルタップ、ホールド、ピッチイン・ピッチアウト、フリック、ドラッグのいずれかであれば、それに応じたコマンドを生成する。そして、表示位置管理テーブルDTを参照し、モニタリンク・オブジェクト対応の端末オブジェクトに対して上述の生成コマンドに応じた処理を実行する(ステップA28)。例えば、オブジェクト選択処理、オブジェクト移動処理、オブジェクト拡大・縮小処理などを実行する。そして、その処理結果を新たなモニタリンク・オブジェクトとして出力モニタに送信する(ステップA29)。そして、上述の新たなモニタリンク・オブジェクトの表示位置を出力モニタから受信取得した後(ステップA30)、このモニタリンク・オブジェクトの表示位置と端末オブジェクトの表示位置とを対応付けて表示位置管理テーブルDTに記憶させる(ステップA31)。その後、上述のステップA24に戻る。
【0058】
図14は、端末画面に端末オブジェクトとして複数(三つ)のアイコンが表示され、出力モニタにもこの複数のアイコンがモニタリンク・オブジェクトとして表示(図示の例では端末画面の内容が全面表示)されている状態において、モニタ画面上でのタッチアクションとして所望するアイコン位置がタッチされた場合の表示例を示した図である。図示の例では、アイコン“a”の位置がタッチされることにより、出力モニタは、そのタッチ位置及びアクション内容(タップ)を携帯電話機1に送信し、携帯電話機1は、アクション内容(タップ)対応のアイコン処理を実行し、その処理結果を端末画面に表示すると共に、出力モニタに新たなモニタリンク・オブジェクトとして送信するため、モニタ画面には、新たなモニタリンク・オブジェクトが表示(図示の例では全面表示)される。
【0059】
また、携帯電話機1は、タッチ位置及びアクション内容を受信した場合に(ステップA25)、そのタッチ位置がモニタリンク・オブジェクトの表示位置に一致していなければ(ステップA26でNO)、そのアクション内容に対応したコマンドを生成した後(ステップA32)、この生成コマンドに応じて端末画面の全体を制御する処理として、例えば、スクロール処理、拡大・縮小処理などを実行する(ステップA33)。そして、この画面制御の処理結果に応じて更新された端末画面の内容を、新たなモニタリンク・オブジェクトとして出力モニタに送信する(ステップA34)。そして、上述の新たなモニタリンク・オブジェクトの表示位置を出力モニタから受信取得した後(ステップA30)、このモニタリンク・オブジェクトの表示位置と端末オブジェクトの表示位置とを対応付けて表示位置管理テーブルDTに記憶させる(ステップA31)。その後、上述のステップA24に戻る。
【0060】
図15は、端末画面に端末オブジェクトとして画像が表示され、出力モニタにもこの画像がモニタリンク・オブジェクトとして表示(図示の例では、端末画面の内容が全面表示)されている状態において、モニタ画面上でのタッチアクションとして、画像の拡大を指示するピッチアウトのタッチ操作が行われた場合の表示例を示した図である。図示の例では、ピッチアウトのタッチ操作が行われることにより、出力モニタは、そのタッチ位置及びアクション内容(ピッチアウト)を携帯電話機1に送信し、携帯電話機1は、アクション内容(ピッチアウト)対応の拡大処理を実行し、その処理結果を端末画面に表示すると共に、出力モニタに新たなモニタリンク・オブジェクトとして送信するため、モニタ画面には、新たなモニタリンク・オブジェクトが表示(図示の例では全面表示)される。
【0061】
また、携帯電話機1をマウスとして移動させる移動操作又はモニタリンク・ボタンMBが操作された場合には(ステップA35でYES)、操作に応じた処理を行った後(ステップA36)、上述のステップA37に移る。この場合、移動操作か行われたときには、カーソル移動信号を出力モニタに送信した後、出力モニタから移動後のカーソル位置を受信する処理を実行する。モニタリンク・ボタンMBが操作されたときには、出力モニタのモニタ画面において、カーソルの表示位置がモニタリンク・オブジェクトの表示位置が一致していれば、そのモニタリンク・オブジェクトに関する処理(モニタリンク・オブジェクト対応の端末オブジェクトに対する処理)を実行する。また、マウス・スタイルが解除されたときには(ステップA37でYES)、ポインティングデバイスモード(マウスモード)を解除するためにリンク終了信号を出力モニタに送信した後(ステップA38)、
図7〜
図9のフローから抜ける。
【0062】
以上のように、本実施形態において携帯電話機1は、処理対象の端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた場合に、その端末オブジェクト又はその処理結果をモニタリンク・オブジェクトとして、表示装置6に表示させるための制御を行うと共に、その表示装置6側で行われたタッチ操作に応じた処理を、当該モニタリンク・オブジェクト対応の端末オブジェクトに対して実行するようにしたので、表示装置6を携帯電話機1の出力モニタとして利用する場合に、表示装置6にオブジェクトを表示させた状態で行われた表示装置6側でのタッチ操作を、携帯電話機1側の操作として認識してそのオブジェクトに関する処理を実行することができ、操作性と利便性を兼ね備えることが可能となる。
【0063】
従って、ユーザにあっては、携帯電話機1の制御下で表示装置6に表示させたモニタリンク・オブジェクトを見ながらその画面上をタッチする操作を行うことができる。すなわち、表示装置6に対する操作デバイスとして携帯電話機1を利用できるほか、携帯電話機1に対する操作デバイスとして表示装置6を利用することができ、相互が操作デバイスとして利用可能となり、それを適宜、使い分けることにより操作性と利便性を兼ね備えることが可能となる。
【0064】
携帯電話機1は、処理対象の端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた場合に、近隣に通信接続が可能な表示装置6が存在していれば、その表示装置6を出力モニタとして特定して、タッチ操作に応じた処理を実行するようにしたので、携帯電話機1を所持するユーザが何処に居たとしても、その近隣に通信接続が可能な表示装置6があれば、その表示装置6との通信接続や操作デバイスモードへの切り替えを意識しなくても、タッチ操作に応じた処理を実行することができる。
【0065】
携帯電話機1は、端末オブジェクトがリンク情報であれば、出力モニタとして特定した表示装置6の識別情報(モニタID)とリンク情報を情報配信装置5に対して通知することで、情報配信装置5からそのリンク情報で指定されるデータをその表示装置6に送信させることにより、当該データをモニタリンク・オブジェクトとして表示装置6に表示させるための制御を行うようにしたので、その表示装置6のスペックが高解像度の表示や負荷の大きな表示処理(高解像度動画処理など)が可能な場合にそのスペックを充分に生かした表示を実現することができる。
【0066】
携帯電話機1は、出力モニタとして特定した表示装置6に対して端末オブジェクトを近距離通信により送信させることにより、その端末オブジェクトをモニタリンク・オブジェクトとして表示装置6に表示させるための制御を行うようにしたので、課金されない送信が可能となり、経済的であるほか、通信可能範囲が狭いので、セキュリティ面でも有効なものとなる。
【0067】
携帯電話機1端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた際に、近距離通信により発信された探索信号に対していずれの表示装置6からも応答が無かった場合には、電源オン信号を発信させた後の再度の探索信号の発信に対して、いずれかの表示装置から応答が有ったか否を判別するようにしたので、近隣の表示装置6が電源オフ状態であっても、予め特別な操作を行うことなく、それを出力モニタとすることができる。
【0068】
携帯電話機1は、出力モニタとして特定した表示装置6にモニタリンク・オブジェクトを表示させるための制御を行う場合に、表示装置6に既に他の表示データが表示されていれば、当該他の表示データと共にモニタリンク・オブジェクトを表示させるようにしたので、モニタリンク・オブジェクトを表示させたとしても既に表示中の他の表示データ(例えば、テレビ映像など)を見ることができる。
【0069】
携帯電話機1は、表示装置6に既に他の表示データが表示されていなければ、端末オブジェクトを含む表示内容の全体をそのままモニタリンク・オブジェクトとして表示装置8に表示させるようにしたので、モニタリンク・オブジェクトが見易くなる。
【0070】
筐体向き検出部22により検出された筐体の姿勢(向き)に基づいて、操作デバイスモード(マウスモード)を解除するようにしたので、特別なキー操作を行うことなく、筐体の姿勢(向き)を変えるだけで、マウスモードを解除することができる。
【0071】
なお、上述した実施形態においては、携帯電話機1と表示装置6との間での近距離通信として、ブルートゥース通信を使用するようにしたが、赤外線通信などであってもよい。また、インターネット4を介して情報配信装置5に接続するようにしたが、構内通信網を介して接続するようにしてもよい。
【0072】
携帯電話機1をポインティングデバイス(マウス)として使用する際に、
図6(2)に示すように、筐体の表面側を下向き、つまりタッチ表示部18を平面(例えば、机面)に向けて載置する場合を示したが、その平面は、水平面に限らず、垂直面(例えば、壁面)などであってもよい。また、上述した実施形態においては、携帯電話機1をマウス機能として使用するようにしたが、タッチパット機能(ポインティングデバイス)として使用したり、モーションセンサ機能(空間移動操作デバイス)として使用したりしてもよい。
【0073】
上述した実施形態においては、表示装置6に既に他の表示データが表示されていれば、当該他の表示データと共にモニタリンク・オブジェクトを重ね合わせて表示させるようにしたが、同一画面内に他の表示データとモニタリンク・オブジェクトとを並列表示させるようにしてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態において携帯端末装置として、携帯電話機に適用した場合を例示したが、これに限らず、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0075】
また、上述した実施形態において示した“機”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0076】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
処理対象のオブジェクトに対する操作に応じて当該オブジェトを処理する携帯端末装置であって、
外部機器としての表示装置との間で直接的又は間接的にデータ通信を行う通信手段と、
前記処理対象のオブジェクトを端末オブジェクトとし、その端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた場合に、前記端末オブジェクト又はその処理結果をモニタリンク・オブジェクトとして、前記表示装置に前記通信手段を介して表示させるための制御を行う表示制御手段と、
前記通信手段を介して受信取得した前記表示装置側のモニタリンク・オブジェクトの表示位置を前記端末オブジェクトに対応付けて記憶管理する管理手段と、
前記表示装置側の表示内容に対する操作に応答してその表示操作信号を、前記通信手段を介して受信取得した場合に、当該モニタリンク・オブジェクト対応の前記端末オブジェクトに対して前記表示操作信号が示す操作内容に応じた処理を実行する処理手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の携帯端末装置において、
前記処理対象のオブジェクトを端末オブジェクトとし、その端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた場合に、当該端末装置の近隣に通信接続が可能な前記表示装置が存在しているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により表示装置が存在していることが判別された場合に、その表示装置を出力モニタとして特定する特定手段と、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記出力モニタとして特定した表示装置に前記通信手段を介して前記モニタリンク・オブジェクトを表示させるための制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記通信手段は、ネットワーク経由で情報配信装置を介して前記表示装置との間で間接的に通信接続するネットワーク通信手段であり、
前記端末オブジェクトは、表示対象のデータの存在場所を指定するリンク情報であり、
前記表示制御手段は、前記表示装置の識別情報を取得し、この識別情報及び前記リンク情報を前記情報配信装置に対して通知することで、当該情報配信装置からそのリンク情報で指定されるデータを前記識別情報で指定される表示装置に送信させることにより、当該データを前記モニタリンク・オブジェクトとして前記表示装置に表示させるための制御を行う、
ようにしたことを特徴とする携帯端末装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記通信手段は、近隣に存在している表示装置との間で直接的に近距離通信を行う近距離通信手段であり、
前記表示制御手段は、前記表示装置に対して前記端末オブジェクトを、前記近距離通信手段を介して送信させることにより、当該端末オブジェクトを前記モニタリンク・オブジェクトとして前記表示装置に表示させるための制御を行う、
ようにしたことを特徴とする携帯端末装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記通信手段は、近隣に存在している表示装置との間で直接的に近距離通信を行う近距離通信手段であり、
前記判別手段は、前記端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた際に、前記通信手段から発信された探索信号に対していずれかの前記表示装置から応答が有ったか否かに応じて当該端末装置の近隣に通信接続が可能な表示装置が存在しているか否かを判別し、いずれの表示装置からも応答が無かった場合に、前記通信手段から表示装置の電源オンを指示する電源オン信号を発信させた後の再度の探索信号の発信に対して、いずれかの表示装置から応答が有ったか否かに応じて、当該端末装置の近隣に通信接続が可能な表示装置が存在しているか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする携帯端末装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記表示制御手段は、前記出力モニタとして特定した表示装置に前記モニタリンク・オブジェクトを表示させるための制御を行う場合に、当該表示装置に既に他の表示データが表示されているか否かを判別し、既に他の表示データが表示されていれば、当該他の表示データと共に前記モニタリンク・オブジェクトを表示させるための制御を行う、
ようにしたことを特徴とする携帯端末装置である。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の携帯端末装置において、
当該端末装置の端末画面に前記端末オブジェクトが表示されている状態において、前記表示制御手段は、前記出力モニタとして特定した表示装置に他の表示データが表示されていないと判別した場合に、前記端末画面に表示されている端末オブジェクトを含む表示内容の全体をそのまま前記モニタリンク・オブジェクトとして当該表示装置に表示させるための制御を行う、
ようにしたことを特徴とする携帯端末装置である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記表示装置に対する操作デバイスとして当該端末装置を機能させる操作デバイスモードに移行させるモード制御手段と、
筐体の姿勢を検出する姿勢検出手段と
を更に備え、
前記モード制御手段は、前記姿勢検出手段の検出結果に基づいて、前記操作デバイスモードを解除する、
ようにしたことを特徴とする携帯端末装置である。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記表示装置側の表示内容に対する操作は、タッチ画面上でのタッチアクションであり、
前記処理手段は、前記通信手段を介して受信取得したそのタッチ操作信号が示すアクション内容に応じた処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする記載の携帯端末装置である。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、
コンピュータに対して、
外部機器としての表示装置との間で直接的又は間接的にデータ通信を行う機能と、
処理対象のオブジェクトを端末オブジェクトとし、その端末オブジェクトに対してアクセス操作が行われた場合に、前記端末オブジェクト又はその処理結果をモニタリンク・オブジェクトとして、前記表示装置に前記データ通信を介して表示させるための制御を行う機能と、
前記データ通信を介して受信取得した前記表示装置側のモニタリンク・オブジェクトの表示位置を前記端末オブジェクトに対応付けて記憶管理する機能と、
前記表示装置側の表示内容に対する操作に応答してその表示操作信号を、前記データ通信を介して受信取得した場合に、当該モニタリンク・オブジェクト対応の前記端末オブジェクトに対して前記表示操作信号が示す操作内容に応じた処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラムである。