特許第5772178号(P5772178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772178
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】車両のエンジンオイル供給装置
(51)【国際特許分類】
   F01M 1/16 20060101AFI20150813BHJP
   F01M 1/08 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   F01M1/16 F
   F01M1/08 B
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-92974(P2011-92974)
(22)【出願日】2011年4月19日
(65)【公開番号】特開2012-225237(P2012-225237A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】石川 直也
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−299573(JP,A)
【文献】 実開平07−008536(JP,U)
【文献】 特開平10−266879(JP,A)
【文献】 特開平09−169225(JP,A)
【文献】 特開2010−236377(JP,A)
【文献】 特開2009−156186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 1/16
F01M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンオイルを圧送するオイルポンプと、
前記オイルポンプに接続された主供給路から分岐され、エンジンオイルの油圧により排気バルブを強制開弁して圧縮開放ブレーキを作動させる強制開弁機構にエンジンオイルを供給する第一供給路と、
前記オイルポンプに接続された主供給路から分岐され、ピストンにエンジンオイルを吹き付けるオイルジェットノズルにエンジンオイルを供給する第二供給路と、
前記第一供給路を開放・遮断する第一電磁弁と、
前記第二供給路を開放・遮断する第二電磁弁と、
前記第一電磁弁及び前記第二電磁弁の開閉を切替制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、車両が減速あるいは惰行している状態かどうかを判定し、車両が減速あるいは惰行している状態であると判定したときは前記第一供給路を開放することにより、前記圧縮開放ブレーキの作動前に前記強制開弁機構へのエンジンオイル供給を準備させると共に前記第二供給路を遮断し、車両が減速も惰行もしていない状態であると判定したときは、前記第二供給路を開放することにより、車両状態が高負荷運転状態となる前に、前記オイルジェットノズルへのエンジンオイル供給を準備させると共に、前記第一供給路を遮断することを特徴とする車両のエンジンオイル供給装置。
【請求項2】
前記強制開弁機構は、前記第一供給路が開放されている状態にて、前記圧縮開放ブレーキの作動時に、エンジンオイルの油圧により前記排気バルブを強制開弁し、
前記オイルジェットノズルは、前記第二供給路が開放されている状態にて、車両の高負荷運転時に、前記ピストンにエンジンオイルを吹き付ける
請求項1記載の車両のエンジンオイル供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃費の悪化を招くことなくエンジンオイルの需要先の増加が可能な車両のエンジンオイル供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンが搭載された車両では、エンジンや変速機を潤滑・冷却する目的でエンジンオイルが循環される。図3に示されるように、エンジンオイル供給装置31は、エンジンオイルを圧送するオイルポンプ2と、エンジンオイルが使用される複数の需要先3a,3bへのエンジンオイル供給路4a,4bとを備える。
【0003】
エンジンオイルがオイルポンプ2により圧送されるので、潤滑・冷却のほかにエンジンオイルの油圧が利用できる。エンジンオイルの油圧を利用する油圧アクチュエータにより様々な補機が駆動可能である。
【0004】
例えば、大型車両では、主ブレーキの他に補助ブレーキが不可欠であるが、その補助ブレーキとして、排気バルブをカムシャフトが与えるタイミングとは異なるタイミング(具体的には、クランク角度が圧縮上死点近傍となるタイミング)で強制開弁させる圧縮開放ブレーキがある。圧縮開放ブレーキの実施時に排気バルブを強制開弁させる強制開弁機構は、エンジンオイルの油圧を利用する油圧アクチュエータとして構成される。
【0005】
近年、大型車両の安全確保のため圧縮開放ブレーキの装備が義務づけられようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−266879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、車両においては、燃費を改善するために車両内のあらゆるフリクションの低減が求められる。当然、オイルポンプ2に関してもフリクションの低減が求められる。
【0008】
しかし、圧縮開放ブレーキが可能となるよう強制開弁機構が搭載された車両では、強制開弁機構が搭載されない車両に比べて、強制開弁機構でエンジンオイルが消費される分、オイルポンプ2が圧送する油量が増加する。圧送する油量を増加するためには、オイルポンプ2の台数を増加したり、オイルポンプ2を大型化したりすることになるが、このようにして圧送される油量が増加されると、オイルポンプ2におけるフリクションが増加し、燃費の悪化を招く。
【0009】
強制開弁機構に限らず、エンジンオイルの需要先が増加すれば、同様の結果を招く。すなわち、図4に示されるように、エンジンオイル供給装置31に新たな需要先3cが加わると、圧送される油量が増加するので、オイルポンプ2の容量増加が必要となり、燃費が悪化する。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、燃費の悪化を招くことなくエンジンオイルの需要先の増加が可能な車両のエンジンオイル供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の車両のエンジンオイル供給装置は、エンジンオイルを圧送するオイルポンプと、前記オイルポンプに接続された主供給路から分岐され、エンジンオイルの油圧により排気バルブを強制開弁して圧縮開放ブレーキを作動させる強制開弁機構にエンジンオイルを供給する第一供給路と、前記オイルポンプに接続された主供給路から分岐され、ピストンにエンジンオイルを吹き付けるオイルジェットノズルにエンジンオイルを供給する第二供給路と、前記第一供給路を開放・遮断する第一電磁弁と、前記第二供給路を開放・遮断する第二電磁弁と、前記第一電磁弁及び前記第二電磁弁の開閉を切替制御する制御部と、を備え、前記制御部は、車両が減速あるいは惰行している状態かどうかを判定し、車両が減速あるいは惰行している状態であると判定したときは前記第一供給路を開放することにより、前記圧縮開放ブレーキの作動前に前記強制開弁機構へのエンジンオイル供給を準備させると共に前記第二供給路を遮断し、車両が減速も惰行もしていない状態であると判定したときは、前記第二供給路を開放することにより、車両状態が高負荷運転状態となる前に、前記オイルジェットノズルへのエンジンオイル供給を準備させると共に、前記第一供給路を遮断する。
【0012】
前記強制開弁機構は、前記第一供給路が開放されている状態にて、前記圧縮開放ブレーキの作動時に、エンジンオイルの油圧により前記排気バルブを強制開弁し、前記オイルジェットノズルは、前記第二供給路が開放されている状態にて、車両の高負荷運転時に、前記ピストンにエンジンオイルを吹き付ける
【発明の効果】
【0013】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0014】
(1)燃費の悪化を招くことなくエンジンオイルの需要先の増加が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態を示すエンジンオイル供給装置の構成図である。
図2】本発明のエンジンオイル供給装置を搭載した車両の動作を示すフローチャートである。
図3】従来のエンジンオイル供給装置の構成図である。
図4】新たな需要先が追加された従来のエンジンオイル供給装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0017】
図1に示されるように、本発明に係るエンジンオイル供給装置1は、エンジンオイルを圧送するオイルポンプ2と、車両状態に応じてエンジンオイル供給が必要となる複数の需要先3a,3b,3cへのエンジンオイル供給路4a,4b,4cと、ある需要先3cでエンジンオイル供給が必要な車両状態となったとき、その車両状態ではエンジンオイル供給が必要ない他の需要先3bへのエンジンオイル供給路4bを遮断して、エンジンオイル供給が必要な需要先3cへのエンジンオイル供給路4cを開放する切替手段5とを備える。
【0018】
オイルポンプ2から各エンジンオイル供給路4a,4b,4cに至る主供給路6には、リリーフ弁7が接続されている。リリーフ弁7は、従来よりあるもので、主供給路6におけるオイル圧が設定値を超えると、主供給路6内のエンジンオイルがオイルパン8に抜け出るようになっている。オイルポンプ2のオイル吐出量がエンジン回転速度に依存するため、エンジン高回転時にはオイル圧が過剰に高くなってオイルポンプ2のフリクションが増加するが、リリーフ弁7からエンジンオイルが抜け出ることで、オイル圧が設定値を超えず、フリクションが増加しない。
【0019】
ここで、エンジンオイルの需要先として、シリンダヘッド3aと、ピストンにエンジンオイルを吹き付けるオイルジェットノズル3bと、エンジンオイルの油圧により排気バルブを強制開弁する強制開弁機構3cとを例にとる。
【0020】
シリンダヘッド3aには、エンジン運転時は負荷の有無にかかわらず、常時、エンジンオイルが供給されるようになっている。シリンダヘッド3aに供給されたエンジンオイルは、動弁系の潤滑・冷却に働いた後、滴下してオイルパン8に回収される。
【0021】
オイルジェットノズル3bは、ピストンの背面にエンジンオイルを吹き付けてピストンを冷却するものである。ピストンの背面に吹き付けられたエンジンオイルは、ピストンの冷却に働いた後、滴下してオイルパン8に回収される。
【0022】
従来は、エンジン運転時は負荷の有無にかかわらず、常時、オイルジェットノズル3bからエンジンオイルが噴射されるようになっている。これに対し、本発明では、車両の加速時、登坂時などエンジンが高負荷運転されているときに、オイルジェットノズル3bからエンジンオイルが噴射され、車両の減速時やエンジンが低負荷運転されているときにはオイルジェットノズル3bからエンジンオイルが噴射されないように制御される。
【0023】
強制開弁機構3cは、圧縮開放ブレーキを作動させるために、排気バルブをクランク角度の圧縮上死点近傍で強制開弁させるものである。強制開弁機構3cの詳細は図示しないが、エンジンオイルが油圧シリンダに給排されることで排気バルブがストロークされるようになっている。油圧シリンダから排出されるエンジンオイルは低圧のエンジンオイル排出路(図示せず)を経てオイルパン8に回収される。
【0024】
ここで、3つの需要先3a,3b,3cについてエンジンオイル供給が必要な車両状態を検討すると、シリンダヘッド3aは、エンジン運転時であれば動弁系が動作しているので、常時、エンジンオイル供給が必要である。オイルジェットノズル3bは、エンジンが高負荷運転のときピストンが高熱になるのでエンジンオイル供給が必要となるが、エンジンが低負荷運転のときは、エンジンオイル供給は必要でない。強制開弁機構3cは、車両を強力に減速したい圧縮開放ブレーキのときのみエンジンオイル供給が必要である。
【0025】
以上の検討より、オイルジェットノズル3bと強制開弁機構3cは、エンジンオイル供給が必要となる車両状態が互いに一致しないことが分かる。すなわち、オイルジェットノズル3bへのエンジンオイル供給が必要なエンジン高負荷運転時は、強制開弁機構3cへのエンジンオイル供給が必要でなく、強制開弁機構3cへのエンジンオイル供給が必要な圧縮開放ブレーキ時は、オイルジェットノズル3bへのエンジンオイル供給が必要でない。
【0026】
そこで、切替手段5は、強制開弁機構3cへのエンジンオイル供給路4cを開放・遮断する第一電磁弁51と、オイルジェットノズル3bへのエンジンオイル供給路4bを開放・遮断する第二電磁弁52と、これらの電磁弁を切替制御する制御部53とから構成される。制御部53は、電子制御装置(Electronical Control Unit;ECU)にソフトウェアとして搭載されるのが好ましい。
【0027】
切替手段5は、高負荷運転時に、強制開弁機構3cへのエンジンオイル供給路4cを遮断して、オイルジェットノズル3bへのエンジンオイル供給路4bを開放し、圧縮開放ブレーキ時に、オイルジェットノズル3bへのエンジンオイル供給路4bを遮断して、強制開弁機構3cへのエンジンオイル供給路4cを開放することになる。
【0028】
以下、エンジンオイル供給装置1の動作を図2に従って説明する。
【0029】
今、車両が加速走行したことによりエンジンが高負荷運転された後、車両が定常走行に移行しつつあるものとする。このとき、第一電磁弁51はエンジンオイル供給路4cを遮断しており、第二電磁弁52はエンジンオイル供給路4bを開放している。
【0030】
ステップS1にて、車両の走行中に、切替手段5の制御部53は、燃料噴射量が0かどうかを判定する。この判定は、車両が減速あるいは惰行している状態かどうかを調べるものである。判定結果がNOであれば、車両が減速でも惰行でもない状態であると認識し、制御部53は、現在の切替状態を維持し、車両の動作はリターンに進む。判定結果がYESであれば、制御部53は、車両が減速あるいは惰行している状態であると認識し、ステップS2に進む。
【0031】
ステップS2にて、制御部53は、第一電磁弁51にエンジンオイル供給路4cを開放させ、第二電磁弁52にエンジンオイル供給路4bを遮断させる。これにより、強制開弁機構3cへのエンジンオイル供給が準備され、オイルジェットノズル3bへのエンジンオイル供給は不可能となる。
【0032】
車両の動作はステップS3に進む。この状態にて、圧縮開放ブレーキが作動した場合、車両の動作はステップS4に進む。圧縮開放ブレーキが作動しないときは、車両の動作はステップS5に進む。
【0033】
ステップS4のように、圧縮開放ブレーキが作動すると、クランク角度が圧縮上死点近傍にあるタイミングで強制開弁機構3cの油圧シリンダにエンジンオイルが給排され排気バルブが強制開弁される。圧縮開放ブレーキの作動は、圧縮開放ブレーキスイッチが装備された車両では圧縮開放ブレーキスイッチがオンされたとき、フットブレーキのストローク量(又は速度、加速度)センサが装備された車両ではフットブレーキが強く踏まれたことが検出されたときなどに行われる。
【0034】
ステップS5のように、圧縮開放ブレーキが作動していないときは、オイル圧が設定値を超えるとリリーフ弁7のリリーフ動作によりエンジンオイルが抜き出される。これにより、オイルポンプ2の駆動力が低減される。
【0035】
なお、圧縮開放ブレーキが作動中であっても、クランク角度が圧縮上死点近傍でないときは、強制開弁機構3cでエンジンオイルが消費されないので、オイル圧が設定値を超えるとリリーフ弁7が働く。
【0036】
図示しないが、この後、燃料噴射量が0でなくなると、車両が減速でも惰行でもない状態となるので、切替手段5の制御部53は、第一電磁弁51にエンジンオイル供給路4cを遮断させ、第二電磁弁52にエンジンオイル供給路4bを開放させる。これにより、強制開弁機構3cへのエンジンオイル供給が不可能となり、オイルジェットノズル3bへのエンジンオイル供給が準備される。従って、車両状態が高負荷運転に転じると、ただちにオイルジェットノズル3bからピストン背面へのオイル吹きつけが開始できる。
【0037】
以上説明したように、本発明のエンジンオイル供給装置1によれば、ある需要先3cでエンジンオイル供給が必要な車両状態となったとき、その車両状態ではエンジンオイル供給が必要ない他の需要先3bへのエンジンオイル供給路4bを遮断して、エンジンオイル供給が必要な需要先3cへのエンジンオイル供給路4cを開放するので、オイルポンプ2が圧送する油量は、常時必要な需要先3aの他には、需要先3b,3cの両方をまかなう必要はなく、いずれか一方(多い方)が満足できれば十分である。従って、需要先3a,3bを有する構成に対して新たに需要先3cが追加されても、圧送する油量の増加が抑えられ、オイルポンプ2におけるフリクションが増加しないので、燃費は悪化しない。
【0038】
本実施形態では、エンジンオイルの需要先として、シリンダヘッド3a、オイルジェットノズル3b、強制開弁機構3cを説明したが、エンジンオイルの需要先はこれだけに限らない。従来からある需要先はもとより、新規に追加される油圧アクチュエータ、油圧でエネルギを蓄積するエネルギ蓄積器、潤滑・冷却が必要な機構などがエンジンオイルの需要先となる。こうした複数の需要先でエンジンオイル供給が必要な車両状態が互いに一致しない組み合わせがあれば、本実施形態のオイルジェットノズル3bと強制開弁機構3cの組み合わせのように切替の対象となる。
【0039】
例えば、従来より変速機において歯車の潤滑・冷却の目的でオイル噴射が行われるが、変速機の負荷トルクが小さいときは歯車の発熱が小さいので、変速機でのオイル噴射は止めてもよい。すなわち、車両の惰行時やエンジン軽負荷時、あるいは車両の減速時(エンジンブレーキ時を含む)に、変速機の負荷トルクは車両の加速時に比べて小さいので、変速機のオイル噴射部材にはエンジンオイル供給が必要でなくなる。よって、これらの車両状態でのみエンジンオイル供給が必要な他の需要先があれば、切替の対象となる。
【0040】
本実施形態では、強制開弁機構3cが排気バルブを強制開弁させるものとしたが、強制開弁機構3cは、排気バルブに限らず、吸気バルブを強制開弁させてもよい。強制開弁機構3cは、カムシャフトにより決まるタイミング以外の所望のタイミングで吸気バルブや排気バルブを強制開弁させることができるので、圧縮開放ブレーキ以外にも利用される。利用目的に応じて強制開弁機構3cにエンジンオイル供給が必要な車両状態は異なるが、強制開弁機構3cにエンジンオイル供給が必要でない車両状態のみにエンジンオイル供給が必要な他の需要先があれば、切替の対象となる。
【0041】
本実施形態では、燃料噴射量が0かどうかにより車両の状態を判定したが、判定に利用されるパラメータはこれに限定されない。例えば、車速から車両の減速時が判定でき、アクセル、フットブレーキなどからも判定が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 エンジンオイル供給装置
2 オイルポンプ
3a 需要先(シリンダヘッド)
3b 需要先(オイルジェットノズル)
3c 需要先(強制開弁機構)
4a,4b,4c エンジンオイル供給路
5 切替手段
図1
図2
図3
図4