(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772215
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】エレベーターの巻上機
(51)【国際特許分類】
B66B 7/12 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
B66B7/12 Z
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2011-115713(P2011-115713)
(22)【出願日】2011年5月24日
(65)【公開番号】特開2012-240836(P2012-240836A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 告
【審査官】
藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−130578(JP,U)
【文献】
特開2004−323217(JP,A)
【文献】
特開2010−037032(JP,A)
【文献】
特開2003−238050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸に対して回転自在に設けられた綱車と、
前記綱車の外周面に形成され、エレベーターのかごを懸架するための主ロープが巻き掛けられた綱溝と、
前記綱車の下方に設けられた支持台と、
前記支持台に取り付けられた清掃用ブラシと、
前記清掃用ブラシが設けられたブラシ保持具と、
前記清掃用ブラシの下方に配置され、前記清掃用ブラシを伝って流れ落ちてきた油塵を受けるための油塵受けと、
を備え、
前記清掃用ブラシは、前記ブラシ保持具がボルトによって前記支持台の所定位置に固定されることにより、エレベーターの通常運転時、その先端部が前記綱溝に対して下方から常に接触し、
前記綱車の外周面に、複数の前記綱溝が形成され、
前記ブラシ保持具は、前記綱溝毎に配置され、それぞれが前記支持台に対して個別に着脱自在な
ことを特徴とするエレベーターの巻上機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、綱車の清掃機能を備えたエレベーターの巻上機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、エレベーターの保守時に、巻上機に備えられた綱車を清掃するための装置が開示されている。特許文献1に記載のものでは、ゴム製の清掃へらを綱車の綱溝に当てた状態で綱車を低速回転させ、綱溝に付着している油塵を取り除いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−54854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものでは、綱車の綱溝に当てる清掃へらがゴム製であるため、摺動抵抗が極めて大きい。このため、エレベーターの保守員は、エレベーターの保守時にわざわざ清掃へら(を備えた清掃具)を巻上機に設置しなければならず、手間が大きいといった問題があった。また、清掃時には巻上機を低速運転させなければならず、保守時間が長くなるといった問題もあった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、清掃に必要な作業を大幅に簡素化できるとともに、綱車の綱溝を常にきれいな状態に保つことができるエレベーターの巻上機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターの巻上機は、所定の軸に対して回転自在に設けられた綱車と、綱車の外周面に形成され、エレベーターのかごを懸架するための主ロープが巻き掛けられた綱溝と、綱車の下方に設けられた支持台と、支持台に取り付けられた清掃用ブラシと、
清掃用ブラシが設けられたブラシ保持具と、清掃用ブラシの下方に配置され、清掃用ブラシを伝って流れ落ちてきた油塵を受けるための油塵受けと、を備え、清掃用ブラシは、
ブラシ保持具がボルトによって支持台の所定位置に固定されることにより、エレベーターの通常運転時、その先端部
が綱溝に対して下方から常に接触
し、綱車の外周面に、複数の綱溝が形成され、ブラシ保持具は、綱溝毎に配置され、それぞれが支持台に対して個別に着脱自在なものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベーターの巻上機であれば、清掃に必要な作業を大幅に簡素化できる。また、エレベーターの保守時だけでなく、常に、綱車の綱溝をきれいな状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの巻上機の要部を示す正面図である。
【
図2】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの巻上機の要部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの巻上機の要部を示す正面図、
図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの巻上機の要部を示す側面図である。
【0011】
1はエレベーターのかご(図示せず)を駆動するための巻上機である。巻上機1には、綱車2と清掃装置3とが備えられている。
綱車2は、所定の軸に対して回転自在に設けられている。具体的に、綱車2は、基台4にベアリング等を介して回転自在に支持された支持軸5に固定されている。綱車2は、外形が円筒状を呈しており、その外周面に複数の綱溝6が形成されている。各綱溝6には、エレベーターのかごを懸架する主ロープ(図示せず)が巻き掛けられている。エレベーターのかごは、綱車2の回転に連動して主ロープがその長手に移動することにより、主ロープの移動方向に応じた方向に、昇降路内を昇降する。
【0012】
主ロープには、その内部の心綱に油が含まれているため、その油が主ロープの表面からしみ出し、綱車2の綱溝6に付着する。このため、綱車2の綱溝6には、塵埃も付着し易い。清掃装置3は、綱車2の綱溝6を清掃するためのものである。清掃装置3は、例えば、支持台7及び8、清掃用ブラシ9、ブラシ保持具10、油塵受け11により、その要部が構成される。
【0013】
支持台7は、ボルト12によって巻上機1の基台4に、支持台8は、ボルト13によって支持台7の上面に設けられている。支持台7及び8は、綱車2の直下部に配置されている。
【0014】
清掃用ブラシ9は、綱溝6を実際に清掃する清掃具を構成する。清掃用ブラシ9は、ブラシ保持具10の一面から突出するように、ブラシ保持具10に設けられている。14は、ブラシ保持具10を支持台8の上面に固定するためのボルトである。清掃用ブラシ9は、ブラシ保持具10がボルト14によって支持台8に固定されることにより、ブラシ保持具10を介して支持台7及び8に取り付けられる。なお、ブラシ保持具10がボルト14によって支持台8の所定の位置に固定されると、清掃用ブラシ9は、その先端部が、綱溝6に対して下方から接触するように配置される。
【0015】
清掃用ブラシ9は、綱溝6に接触するその先端部が、綱溝6の溝形状に合わせて凸状に形成されている。また、清掃用ブラシ9(及び、ブラシ保持具10)は、綱溝6毎に個別に設けられている。即ち、清掃用ブラシ9(及び、ブラシ保持具10)は、1本の綱溝6に対して1つ設けられており、それぞれが、支持台8に対して個別に取り付け及び取り外しができるように構成されている。
【0016】
油塵受け11は、清掃用ブラシ9を伝って流れ落ちてきた油塵を受けるためのものである。油塵受け11は、清掃用ブラシ9の下方に配置されており、清掃用ブラシ9を伝ってきた油塵を受け、その油塵が、巻上機1の基台4や、機械室・昇降路内の各機器に付着することを防止する。本実施の形態では、油塵受け11を巻上機1の基台4と支持台7との間に配置し、油塵受け11を、ボルト12によって支持台7とともに基台4に固定する場合を示している。
【0017】
上記構成の清掃装置3は、エレベーターの新設時、即ち、エレベーターの稼動開始時から基台4に取り付けられている。本清掃装置3は、ブラシ製の清掃具によって綱溝6を清掃するため、エレベーターの通常運転時に清掃を行っても特に問題は生じない。このため、本清掃装置3では、綱車2が高速回転するエレベーターの通常運転時も、清掃用ブラシ9の先端部を綱溝6に対して下方から常に接触させ、各綱溝6の清掃を行う。
【0018】
上記構成の巻上機1であれば、綱溝6の清掃に必要な作業を大幅に簡素化できるとともに、綱溝6を常にきれいな状態に保つことができる。エレベーターの保守時は、従来のように、清掃具の着脱を行ったり、綱溝6の清掃のために低速運転を行ったりする必要がなく、その手間と作業時間とを大幅に低減させることができる。
【0019】
なお、清掃用ブラシ9が汚れたり、先端部が変形して清掃機能が低下したりした場合は、エレベーターの保守時に、交換が必要な清掃用ブラシ9のみを新品のものに取り替えれば良い。
更に、上記構成の巻上機1であれば、巻上機1の内部やその周囲に油塵が飛び散ることもなく、清潔な状態を常に保つことができる。
【符号の説明】
【0020】
1 巻上機
2 綱車
3 清掃装置
4 基台
5 支持軸
6 綱溝
7、8 支持台
9 清掃用ブラシ
10 ブラシ保持具
11 油塵受け
12、13、14 ボルト