(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光偏向要素は、前記光源が配される面に近いほど、第一主面内における前記光偏向要素の占める面積が少なく、前記光源が配される面から離れるほど、前記光偏向要素の占める面積が多くなる疎密分布で配されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の導光体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、導光板は、側端面に配置された光源からの入射光を光偏向要素によって射出面側へと立ち上げ、面全体を光らせる面光源である。光入射面近傍は光量が多いため、光偏向要素は疎に配置され、光入射面から遠ざかるにつれ光量が少なくなるため、光偏向要素は徐々に密となる疎密で配置される。ここで、光偏向要素の形状が変化すると、光偏向要素によって射出面側へ立ち上げられる光のみならず、光入射面から遠ざかる方向への導光にも影響が出るため、面内で輝度ムラが生じる。よって、導光板の光偏向要素の形状精度要求は非常に高い。
【0009】
一方、射出成形法や押出成形法により、平板成形と同時に光偏向要素を賦形する場合、光偏向要素を転写する型が必要となるが、導光板の光偏向要素に求められる形状精度を満たす型を用意することは非常に困難である。例えば押出成形法に用いられる型として、一般的にはロール金型が用いられる。ロール金型に形状を彫刻する方法としては、レーザー彫刻やマスクを用いての腐食、エッチング、ダイヤモンドバイト等工具による切削などが挙げられる。しかしながら、いかに彫刻設備の精度を高めても、ロール金型は経時で変形を起こす。それは、ロール金型表面金属の熱膨張や、ロール軸のずれなどが生じるためである。
【0010】
また、押出成形法のみならず、射出成形法や熱・UV転写法など、型を用いて光偏向要素を平板へ転写する場合には上述のような問題が生じる。さらに、導光板のサイズが大きくなればなるほど、この影響は大きくなる。
【0011】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたものであり、型を用いて平板に光偏向要素を転写をしても大きな輝度ムラの生じない導光体、該導光体を備える照明装置、及び該照明装置を用いた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の問題を解決するために、以下のような手段を講じる。
即ち、本発明による導光体は、第一主面と、前記第一主面と対向する第二主面と、前記第一主面と前記第二主面とを接続する4つの側端面を有し、前記4つの側端面の少なくとも1つの面に光源が配され、前記光源から入射された光を前記第一主面に形成された複数の光偏向要素によって第二主面から射出する透光性の導光体であって、前記光偏向要素は、光立上げレンズと、前記光立上げレンズよりも高さの低いバッファーレンズとで構成され、前記光立上げレンズと前記バッファーレンズとの一部が重なって形成される複合レンズである
とともに、前記複合レンズは、凸形状である前記光立上げレンズと凸形状である前記バッファーレンズとが一部重なって形成されてなり、 前記凸形状であるバッファーレンズの単位形状の中心位置は、前記凸形状である光立上げレンズの単位形状の中心位置に対して、前記光偏向要素に最近接である光源から離れる方向にシフトしてなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の導光体は、前記複合レンズは、凹形状である前記光立上げレンズと凹形状である前記バッファーレンズとが一部重なって形成されてなり、前記凹形状であるバッファーレンズの単位形状の中心位置は、前記凹形状である光立上げレンズの単位形状の中心位置に対して、前記光偏向要素に最近接である光源の方向にシフトしてなることが好ましい。
【0014】
また、本発明の導光体は、前記複合レンズは、凸形状である前記光
立上げレンズと凸形状である前記バッファーレンズとが一部重なって形成されてなり、前記凸形状であるバッファーレンズの単位形状の中心位置は、前記凸形状である光立上げレンズの単位形状の中心位置に対して、前記光偏向要素に最近接である光源から離れる方向にシフトしてなる構成としてもよい。
【0015】
また、本発明の導光体は、前記光偏向要素に対して最近接である光源の方向に沿い、かつ、第一主面と直交する断面において、前記バッファーレンズのレンズ面の接線と前記第一主面とのなす角度のうち最大となる角度θaは、前記光立ち上げレンズのレンズ面の接線と前記第一主面とのなす角度のうち最大となる角度θbよりも小さいことが好ましい。
【0016】
また、本発明の導光体は、前記光偏向要素に対して最近接である光源の方向に沿い、かつ、第一主面と直交する断面において、前記光立ち上げレンズと前記バッファーレンズとの交点を通る前記バッファーレンズのレンズ面の接線と前記第一主面とは略平行であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の導光体は、前記光偏向要素に対して最近接である光源の方向に沿い、かつ、第一主面と直交する断面において、前記光立ち上げレンズと前記バッファーレンズとの交点の位置は、前記バッファーレンズの単位形状の中心点の位置と略一致することが好ましい。
【0018】
また、本発明による導光体は、前記バッファーレンズの曲率半径と、前記光立ち上げレンズの曲率半径とは同一であることが好ましい。
【0019】
また、本発明による導光体は、前記光偏向要素は、前記光源が配される面に近いほど、第一主面内における前記光偏向要素の占める面積が少なく、前記光源が配される面から離れるほど、前記光偏向要素の占める面積が多くなる疎密分布で配されることが好ましい。
【0020】
また、本発明による導光体は、前記光偏向要素は、前記第一主面の一部の領域においては、前記光立上げレンズのみで構成されてもよい。
【0021】
また、本発明による導光体は、前記光偏向要素は、前記光源が配される面から最も離れた領域においては、前記光立上げレンズのみで構成されてもよい。
【0022】
また、本発明による導光体は、
隣合う前記光偏向要素において一方の前記バッファーレンズと他方の前記光立上げレンズが重なっていることが好ましい。
【0023】
また、本発明による導光体は、前記光立ち上げレンズと前記バッファーレンズとは、一次元方向に延在するシリンドリカルレンズであることが好ましい。
【0024】
さらに、本発明は、前記光源と、前記導光体と、前記第一主面側に、反射シートを備える照明装置を提供する。
【0025】
本発明による照明装置は、前記導光体の前記第二主面側に、光を散乱、屈折、吸収、反射の少なくともいずれか1つの機能を有する光学シートを備えることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明は、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、前記照明装置と、を具備することを特徴とする表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、型を用いて光偏向要素を転写しても、大きな輝度ムラが生じない導光体、該導光体を備える照明装置、及び該照明装置を用いた表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による表示装置1を示すものである。
図1に示すように、表示装置1は、画像表示装置(液晶表示素子)2と、この画像表示素子2の光Kの入射側に配置された照明装置3とを備えたエッジライト方式のものである。
画像表示素子2は、1組の偏光板10、11と、その間に挟持された液晶層9とで構成されている。
照明装置3は、拡散性光学シート28、集光シート20、拡散シート8、導光体(導光板)7、及び反射板5の順に配置した積層体と、導光体7の側面に配置された光源6を少なくとも含んで構成される。この照明装置3は、拡散性光学シート28が画像表示素子2と対向するように配置される。
拡散シート8は、導光体7から射出される光を拡散する機能を有する。集光シート20は拡散シート8によって拡散された光を、観察者側Fへと集光する機能を有する。拡散性光学シート28は、集光シート20によって集光された光を拡散し、また集光シート20を保護する機能、及び集光シート20に形成される周期構造と画像表示素子2の周期構造とによるモアレ干渉縞の発生を抑制する機能を有する。あるいは、集光シート20によって集光された光の偏光を分離する機能を有していても良い。
【0030】
光源6としては例えば点光源が挙げられる。点光源としては、LED(発光ダイオード)が挙げられ、LEDとしては白色LEDや光の3原色である赤色、緑色、青色のチップで構成されるRGB−LED等が挙げられる。または光源6はCCFL(冷陰極管)に代表される蛍光管であっても良い。
図1では、光源6が導光体7の1つの端面7Lに、端面7Lの長手方向に沿って複数配置された例を示している。また導光体7の形状は、
図1に示すような平板形状ではなく、楔形状等であっても良い。
【0031】
導光体7は、導光体7の観察者側Fが射出面7b(第二主面)であり、射出面7bとは反対側の面が光偏向面7a(第一主面)である。光偏向面7aには、光源6からの入射光を射出面7b側へと偏向する複数の光偏向要素18が形成されている。この光偏向要素18による射出面7b側への光偏向量は、光偏光面7aにおける単位面積当りの光偏向要素18の占める面積が大きいほど多くなる。
【0032】
図2は、光偏向要素18の断面であって、光偏向要素18から光源6に向かう方向に沿い、かつ、光偏光面7aと直交する断面における断面拡大図である。光偏向要素18は、凹形状の所謂マイクロレンズ(円、または楕円ドット形状)形状を有しており、二次元方向に独立して複数配置されている。光偏向要素18は、凹形状のバッファーレンズ181と凹形状の光立上げレンズ182とで構成されている。また、凹形状のバッファーレンズ181と凹形状の光立上げレンズ182とは、一部が重なって形成されている複合レンズである。
バッファーレンズ181の断面単位形状は、
図2において実線と点線とで表わされる湾曲形状である。ここでバッファーレンズ181の点線部は、光立上げレンズ182と重なっている仮想線である。
【0033】
ここで、バッファーレンズ181のレンズ面の接線と光偏光面7aとのなす角度のうち最大となる角度(以下、最大接角と呼ぶ)をθaとする。また、光立ち上げレンズ182とのレンズ面の接線と光偏光面7aとのなす角度のうち最大となる角度をθbとする。そして、本実施形態の導光体7の光偏向要素18においては、最大接角θaは、最大接角θbよりも小さい。
【0034】
また、バッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182の曲率半径は略同一である。よって、バッファーレンズ181の光偏光面7aからの高さは、光立ち上げレンズ182の光偏光面7aからの高さよりも低く形成されている。
【0035】
バッファーレンズ181の単位形状の中心位置181cは、光立上げレンズ182の単位形状の中心位置182cに対して、最近接の光源6側にシフトしている。即ち、バッファーレンズ181の単位形状の中心位置181cは、光立上げレンズ182の単位形状の中心位置182cに対して、光源6側にシフトしている。
【0036】
また、
図2の断面において、バッファーレンズ181の一部と光立ち上げレンズ182の一部とが重なることによる、バッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182の交点
の水平方向の位置は、バッファーレンズ181の単位形状の中心位置181cと略一致している。
【0037】
さらに、バッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182の交点を通るバッファーレンズ181の接線と、光偏向面7aとのなす角度は略0度である。即ち、バッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182の交点を通るバッファーレンズ181の接線と、光偏向面7aとは略平行である。
前述したように、バッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182の交点と、中心位置181cとは略一致しているため、バッファーレンズ181の単位形状の中心位置181cにおける接線と、光偏向面7aとのなす角度は略0度である。
【0038】
図3は、バッファーレンズ181と光立上げレンズ182との複合レンズである光偏向要素18に入射する光とその反射光について説明する図である。光源6からの光L1,L2が、導光体7の入射面7Lから入射する。ここで光L1は、光偏向面7aに形成されたバッファーレンズ181によって進行方向が偏向されるものの、バッファーレンズ181と光偏光面7aとがなす角度θa(
図2参照)が小さいため、その進行方向は大きくは偏向されずに導光体7の射出面7bへと向かう。そして、射出面7bと空気との界面における全反射によって導光する。
一方、光L2は、光偏向面7aに形成された光立上げレンズ182によって進行方向が偏向される。光立ち上げレンズ182と光偏光面7aとがなす角度θb(
図2参照)が十分大きいため、その進行方向は大きく偏向されて導光体7の射出面7bへと向かう。そして、射出面7bと空気との界面において屈折して射出される。
【0039】
このように、光偏向要素18はバッファーレンズ181と光立上げレンズ182との複合レンズで形成されるが、バッファーレンズ181は導光体7に入射した光を射出する効果は低い。導光体7に入射した光を射出する効果が高いのは光立ち上げレンズ182であり、特に
図3に太線で示される、光立ち上げレンズ182の光源6側の領域、すなわちバッファーレンズの中心位置181cと光立ち上げレンズ182の中心位置182cとの間の領域が、光源6から導光体7に入射した光を射出する効果が高い領域である。
【0040】
導光体7は光偏向要素18の形状精度要求が高いことを先述した。
図4は、光偏向要素18の形状変化による影響を示す図と表である。
図4(a)は導光体7を光の進行方向に10分割して考えたとき、簡易的に、光源6から100の光量が入力したとすると、10分割された領域からは、それぞれ10の光量が射出されるとする。そのとき、それぞれの領域に入射する光量と、それぞれの領域で射出される光量との比を射出率としたとき、最も光源6に近い領域では100の光量のうち10の光量を射出するので射出率は10%、次の領域では90の光量のうち10の光量を射出するので射出率は11%、となる。
このように、光源6に近い領域ほど射出率を低く、光源6から遠ざかるほど射出率を高くするため、光偏光面7aにおける光偏向要素18の占める面積は、光源6に近いほど少なく、光源6から離れるほど多くなっている。即ち、光偏向要素18は、光源6に近いほど疎に、光源6から遠ざかるほど密となる疎密で配置される。
【0041】
図4(b)は、光偏向要素18の形状が変化することで、変化する前に比べて光を射出する効果が5%低下した場合を表している。光源6に最も近い領域では、
図4(a)では10の光量を射出していたが、
図4(b)では9.5の光量しか射出されない。そして次の領域には、
図4(a)では90の光量が入射されて、10の光量を射出していたが、
図4(b)では90.5の光量が入射されて9.6の光量を射出することとなる。そして最も光源6から離れた領域では、
図4(a)では10の光量が入射されて10の光量を射出していたが、
図4(b)では11.5の光量が入射されて10.9の光量を射出することとなる。光偏向要素18が導光体7に入射した光を射出する効果が5%低下したことで、光源6に近い領域は光の射出量が減り、一方で光源6から離れた領域では反対に、光の射出量が増えることとなる。
【0042】
図5は、
図4に表された10分割された領域の射出光量をグラフとしてプロットしたものである。光偏向要素18の形状が変化し、射出光量が5%変化することで、光源6近傍の領域は5%輝度が低下する。一方で光源6から離れるほど射出光量は増加し、最も光源6から離れた領域では10%輝度が上昇する。すなわち、光偏向要素18の形状が変化することによる射出光量の低下は5%であるのに対して、導光体7全体の輝度ムラは15%まで大きくなることを示している。従って、導光体7の光偏向面7aに形成される光偏向要素18に求められる形状精度は高くなる。
【0043】
光偏向要素18の形状精度を高めるには、まず、導光体7に光偏向要素18を転写する型の精度が重要となる。しかしながら先述したように、金属型に彫刻する場合、彫刻する設備の精度や、彫刻中の温度変化による金属型の熱膨張など、様々な要因でズレが生じる。例えば、
図6には、集光シート20のように三角プリズムが隙間無く配置する場合の金属型100の例を示している。このような型は、隣り合う三角プリズムが連続して彫刻されるため、例え彫刻中に金属型100が変形して、金属型100の表面が100aのように変動したとしても、三角プリズムの型を金属型100の表面100aよりも十分深く彫刻することで大きなズレが生じることはない。
【0044】
一方で導光体7の光偏向面7aに形成される光偏向要素18は、光源6に近いほど疎に配置され、光源6から遠ざかるほど密に配置される疎密配置となる。従って、各々の光偏向要素18の間には平坦面が存在する。従って、
図7(a)に示されるように、光偏向要素18を形成するための金属型100Aにおいては、設計に基づいて光偏向要素18と平坦面30の型を金属型100Aの表面100bに彫刻する。
しかしながら、
図7(b)に示されるように、金属型100の表面が表面100cのよういに変動すると、光偏向要素18、及び平坦面30が変化し、導光体7に入射した光の射出光量が変化してしまう。
【0045】
本実施形態の光偏向要素18は、バッファーレンズ181と光立上げレンズ182との複合レンズ形状である。
図8に示されるように、型200の表面200aに形成されるバッファーレンズ型281の高さd1は、型200の表面200aの変動幅△以上の大きさである。先述したように、本実施形態の光偏向要素18は、
図3に示されるように、光立上げレンズ182の光源6側の領域、すなわちバッファーレンズ181の単位形状中心位置181cと光立上げレンズ182の単位形状中心位置182cとの間の領域に入射した光を射出する効果が高い。従って、この領域の形状が大きく変化すると、光偏向要素18による射出光量が大きく変動することとなる。しかしながら、型200の表面200aの変動幅△以上の大きさであるバッファーレンズ型281と、光立上げレンズ型282とが形成された型200によって光偏向要素18が転写されるため、図中、太点線で示されている領域、すなわちバッファーレンズ型281の単位形状中心位置281cと光立上げレンズ型282の単位形状中心位置282cとの間の領域は変化しないため、型200の表面200aが変動しても、導光体7に入射した光を射出する効果は大きく変動しない。
【0046】
本実施形態の光偏向要素18は型の変動幅△以上の大きさであるバッファーレンズ181と、光立上げレンズ182との複合レンズであるため、転写型の変動影響を大きく受けず、設計からほとんどズレの無い射出が出来るため、大きな輝度ムラが生じることはない。
【0047】
また、バッファーレンズ181と光立上げレンズ182とが交差する位置がバッファーレンズ181の単位形状中心位置181cと一致することが好ましいがこれに限ることはなく、交差する位置とバッファーレンズ181の単位形状中心位置181cの位置をずらしても効果は大きく変わらない。例えば、
図9に示されるように、バッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182とが交差する位置をXとしたとき、光立ち上げレンズ182と交差位置Xとの間の領域の形状が変化しないことが本発明の主旨であるためである。
【0048】
また、バッファーレンズ181は光立上げレンズ182に対して、片側のみに形成されるだけでなく、両側に形成しても良い。両側に形成されることで、片側に形成される場合よりも型変動の影響を小さくすることが可能となるためである。
【0049】
本実施形態のバッファーレンズ181の曲率半径は、光立上げレンズ182の曲率半径と略同一であることが望ましい。すなわち1つの切削工具によってバッファーレンズ型281と光立上げレンズ型282とを彫刻することが望ましい。1つの切削工具でバッファーレンズ型281と光立上げレンズ型282とを彫刻することで、バッファーレンズ型281の単位形状中心位置281cと光立上げレンズ型282の単位形状中心位置282cとの相対的な位置を精度高く位置決め出来るためである。異なる切削工具でバッファーレンズ型281と光立ち上げレンズ型282とを彫刻した場合、2つの切削工具による彫刻位置合わせ精度を高める必要が生じる。従って、1つの切削工具でバッファーレンズ型281と光立ち上げレンズ型282とを彫刻した型を用いた方が、バッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182との相対位置精度が高まるため望ましい。
【0050】
導光体7の光偏向面7aに形成される光偏向要素18は、光源6に近いほど疎に配置され、光源6から離れるほど密に配置される疎密配置をとる。複数の光偏向要素18は、光偏向要素18である複合レンズが密に形成される位置においては、隣合う複合レンズ18のバッファーレンズ181と光立ち上げレンズ182とが近づくことによって、
図10のように重なることが望ましい。先述したように、光立上げレンズ182に対して、バッファーレンズ181を片側のみならず両側に形成することと同じ効果が得られるためである。
【0051】
または、隣合う複合レンズ18のバッファーレンズ181と光立上げレンズ182とが重なるほど密に配置する場合、光偏向要素18は光立上げレンズ182のみで構成されても良い。隣合う光立上げレンズ182の間に生じる平坦面が小さくなるため、
図8に示されるような型200の表面変動幅△の影響が小さくなるためである。また、隣合う光立上げレンズ182の間に生じる平坦面に入射する光が減少するためでもある。
【0052】
バッファーレンズ型281の高さd1は、
図8で示されるように、型200の表面変動幅△以上の大きさであることが望ましい。例えば、バッファーレンズ型281の高さd1と型200の表面変動幅△が等しいとき、バッファーレンズ型281は型200に彫刻されないことが有り得る。従って、このような場合においては、導光体7の光偏向面7aに形成される光偏向要素18は、局所的に光立上げレンズ182のみが形成される。
【0053】
前述したように、複合レンズ18は、
図11(a)に示されるように、マイクロレンズ形状であるバッファーレンズ181と、マイクロレンズ形状ある光立上げレンズ182との複合形状である。
ただし、複合レンズ18は、このような形状に限ることはなく、
図11(b)に示されるように、その長手方向が光の入射方向に直交する方向に一次元方向に延在するシリンドリカル形状であるバッファーレンズ181Aと、同じくシリンドリカル形状である光立上げレンズ182Aとの複合形状としてもよい。さらに、これらに限らず、プリズム形状やピラミッド形状、その他多角形状であっても良い。
【0054】
ここまで、光偏向要素18が凹形状であるバッファーレンズ181と凹形状である光立ち上げレンズ182の複合レンズである場合の効果について説明したが、光偏向要素18が凸形状であるバッファーレンズ183と凸形状である光立ち上げレンズ184の複合レンズである場合について説明する。
図12に示されるように、バッファーレンズ183の単位形状中心位置183cは、光立ち上げレンズ184の単位形状中心位置184cに対して、光源6から遠ざかる方向へとシフトする。そして、光偏向要素18によって導光体7に入射した光を射出する効果が最も高い領域は、
図9中で太線で示された、バッファーレンズ183の単位形状中心位置183cと光立ち上げレンズ184の単位形状中心位置184cとの間の領域となる点が凹レンズ形状である場合と異なる点である。
【0055】
本実施形態の導光体7は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)に代表されるアクリル樹脂、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等の透明樹脂を用いて、当該技術分野では良く知られている押出成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって、光偏向要素18を平板と一体で成形する。または、平板の導光体7を上述した製法で成形した後、光偏向要素18を印刷法や、UV硬化樹脂、放射線硬化樹脂などを用いて形成しても良い。
【0056】
本実施形態の導光体7は上述した製法のうち、特に押出成形法を用いて、光偏向要素18を平板と一体に成形している。これにより、導光体7を作製するための工程数が減り、またロール・トゥ・ロールでの成形であるため、量産性が向上する。
本実施形態の導光体7に形成される光偏向要素18は、バッファーレンズ181と光立上げレンズ182との複合レンズ18であるため、精度要求が厳しい導光体7を成形することが出来る。
【0057】
また、本実施形態の導光体7の射出面7bは平坦面であるが、凹凸面としても良い。例えば、光入射面7Lと直交する方向へと延在するプリズムレンズやシリンドリカルレンズが形成されても良い。射出面が平坦面である場合と比べて、照明装置3の輝度が向上するためである。または、3D表示装置1用の照明装置3として使用する場合、スキャニングが可能となるためである。
【0058】
画像表示素子2は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する素子であることが好ましい。画素単位で光を透過/遮光して画像を表示するものであれば、本実施形態の照明装置3により、観察者側Fへの輝度が向上され、光強度の視角度依存性が低減され、さらに、光偏向要素18の視認性が低減された光を有効に利用して、画像品位の高い画像を表示させることができる。
画像表示素子2は、液晶表示素子であることが好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子に比べて、画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0059】
なお、光源6は導光体7の1つの端面7Lに配置される構成としたが、これに限らず、2つの端面に配置する場合、または4つの端面に配置される場合などもあり得る。複数の端面に光源を配置する場合は、光立ち上げレンズに対するバッファーレンズの位置は、最近接である光源6を考慮して決定される。即ち、光偏向要素が凹形状とされている場合、バッファーレンズの単位形状の中心位置は、光立ち上げレンズの単位形状の中心位置に対して、光偏向要素に最近接である光源の方向にシフトするように形成される。
【0060】
以上、本発明の照明装置3、並びに表示装置1の実施形態について説明したが、本発明の照明装置3は表示装置1のみに適用されるものではない。すなわち光源6から射出された光を効率的に集光する機能を有する照明装置3として例えば照明機器などにも使用できることは想像に難しくない。
以下、実施例に基づいて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例)
【0061】
以下に示す2つの導光体7(比較例1、実施例1)を作製した。
比較例1、実施例1の導光体7は、310mm×540mmの24インチサイズの直方体であり、厚みを4mmとした。導光体7の1つの長辺(540mm側)を光入射面7Lとした。
【0062】
比較例1の光立上げレンズ182Bは、
図13に示されるような楕円ドット形状とした。楕円短軸側の端部における最大接角θBを約45度とし、楕円長軸側の端部における最大接角θCを約30度とした。そして、楕円ドット形状の光立上げレンズ182Bを、光入射面7Lに近いほど疎に、離れるほど密となる疎密配置パターンで形成した。さらに、全光立上げレンズ182Bについて、光立上げ効率(
図4で示した射出率)が設計値に対して一律約15%低下するように、光立上げレンズ182Bの高さを低く設定した。
【0063】
実施例1の導光体7は、
図14(a)に示されるような楕円ドット形状の光立上げレンズ182Aとバッファーレンズ181Aとの複合レンズ18Aとした。光立上げレンズ182Aの楕円短軸側の最大接角θBが約45度、楕円長軸側の最大接角θCは約30度、バッファーレンズ181Aの最大接角θAを約15度とした。
図14(b)に示されるように、バッファーレンズ181Aの単位形状中心181cは、光立上げレンズ182Aの外形輪郭と一致するように形成した。また、楕円長軸方向の中心位置については、バッファーレンズ181Aと光立上げレンズとを一致させた。
そして比較例1と同じだけ、光立上げレンズ182A、及びバッファーレンズ181Aの高さを低く設定した。
【0064】
光立上げレンズ182Aの高さが大きいほど、光立上げ効率は大きくなる。本実施例では、型200に対して設計値よりも浅く光立上げレンズ型282、及びバッファーレンズ型281を彫刻した場合を想定している。そしてその影響が、照明装置3の輝度ムラにどのような変化をもたらすかについて確認した。
【0065】
実施例1、比較例1の導光体7の1つの長辺側(光入射面7L)に光源6としてLEDを複数配置した。導光体7の光偏向面7a側には白色で反射率が98%である光反射シート5を配置し、導光体7の射出面7b側には、マイクロレンズシート8、集光シート20として90度プリズムシート20、DBEF−D(3M社製)28の順で配置した照明装置3を得た。
【0066】
本実施例で得られた照明装置3の輝度ムラへの影響を確認した結果が、
図15(a)、(b)である。
図15(a)に示されるような照明装置3の垂直断面V1−V2の輝度ムラを評価した結果が
図15(b)である。
設計値は、導光体7の中心が最も輝度が高くなる、湾曲した輝度分布となるようにした。
比較例1は、光立上げレンズ182Bの光立上げ効率が約15%低下しているため、V1側では設計値に対して輝度が大きく下がり、V2側で設計値に対して輝度が大きく上昇していることが見て取れる。また輝度ピーク位置も、導光体7の中心からV2側へと大きくシフトしてしまい、輝度ピーク位置からV2までほとんど輝度分布がフラットとなり、設計値である湾曲した輝度分布とは大きく変化していることが見て取れる。
一方で実施例1は、バッファーレンズ181Aの効果により、複合レンズ18Aの光立上げ効率が大きくは低下していない。輝度ピーク位置が若干導光体7中心からV2側へとシフトしているが、全体的に設計値である湾曲した輝度分布からは大きく変化のない輝度分布であることが見て取れる。
【0067】
本実施例によって、光偏向要素18Aをバッファーレンズ181Aと光立上げレンズ182Aとを組合わせた複合レンズ18Aとすることで、光偏向要素18を転写する型200が経時による熱収縮や、機械的な彫刻ズレが生じても、大きな輝度ムラが生じない導光体7を得ることが出来た。