(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この主流の空気は、周方向に沿って配列された複数の前向き羽根により半径方向の外側に送られ、その大半は多翼送風機の吹出口を通じて外部に吹き出されるが、一部は送風機内において羽根車の半径方向外側の空間を通ってベルマウスに向かって環流し、ベルマウスの外周面(裏面)に沿って再び羽根車に流れ込み、主流と合流する(以下、前記のように環流し、ベルマウスの裏面に沿って羽根車に再流入する流れを旋回流れという。)。このように主流の一部が分岐した旋回流れは、羽根車の回転方向の成分を有しているため、回転軸の方向に近い方向に向いて流れる主流のベクトルに対して差が生じている。このようなベクトルの差は、多翼送風機の送風効率の低下及び送風音の増加の原因となる。
【0005】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、旋回流れに起因する送風効率の低下及び送風音の増加を抑制できる多翼送風機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の多翼送風機は、回転軸(A)を中心とする周方向に沿って複数の前向き羽根(31)が配列された羽根車(3)と、前記回転軸(A)を中心とする内周面(27a)及びその裏面(27b)を有するベルマウス(27)が設けられ、前記羽根車(3)を収容するケース(2)と、を備えている。前記ベルマウス(27)は、前記裏面(27b)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の案内壁(51)を有し、各案内壁(51)は、前記回転軸(A)の方向及び前記ベルマウス(27)の半径方向に平行である。
前記多翼送風機において、前記ベルマウス(27)の前記裏面(27b)は、前記回転軸(A)の方向における前記羽根車(3)とは反対側に溝状に凹む湾曲面を有している。
【0007】
この構成では、ベルマウス(27)は、裏面(27b)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の案内壁(51)を有し、各案内壁(51)は、回転軸(A)の方向及びベルマウス(27)の半径方向に平行である。したがって、旋回流れは、複数の案内壁(51)によって羽根車(3)に案内される際に、旋回流れの方向が回転軸(A)の方向に近づくように矯正される。これにより、旋回流れのベクトルは、主流のベクトルの差が小さくなる。よって、旋回流れに起因する送風効率の低下及び送風音の増加を抑制できる。
またこの構成では、旋回流れF2は、溝状に凹む湾曲面に囲まれた空間に流入してこの空間に設けられた案内壁51によって整流された後、当該空間から流出する。この構成では、案内壁51による整流効果に加え、さらに溝状の湾曲面自体の整流効果も得られるので、旋回流れF2を整流するより高い効果が得られる。
【0010】
本発明の他の局面に係る多翼送風機は、回転軸(A)を中心とする周方向に沿って複数の前向き羽根(31)が配列された羽根車(3)と、前記回転軸(A)を中心とする内周面(27a)及びその裏面(27b)を有するベルマウス(27)が設けられ、前記羽根車(3)を収容するケース(2)と、を備えている。前記ベルマウス(27)は、前記裏面(27b)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の案内壁(51)を有し、各案内壁(51)は、前記回転軸(A)の方向及び前記ベルマウス(27)の半径方向に平行である。前記多翼送風機において、前記ベルマウス(27)は、前記内周面(27a)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の内側案内壁(61)を有し、各内側案内壁(61)は、前記回転軸(A)の方向及び前記ベルマウス(27)の半径方向に平行であ
る。
【0011】
この構成では、ベルマウス(27)は、裏面(27b)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の案内壁(51)を有し、各案内壁(51)は、回転軸(A)の方向及びベルマウス(27)の半径方向に平行である。したがって、旋回流れは、複数の案内壁(51)によって羽根車(3)に案内される際に、旋回流れの方向が回転軸(A)の方向に近づくように矯正される。これにより、旋回流れのベクトルは、主流のベクトルの差が小さくなる。よって、旋回流れに起因する送風効率の低下及び送風音の増加を抑制できる。またこの構成では、ベルマウス(27)は、内周面(27a)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の内側案内壁(61)を有し、各内側案内壁(61)は、回転軸(A)の方向及びベルマウス(27)の半径方向に平行である。したがって、内周面(27a)に沿って羽根車(3)に案内される主流の方向を回転軸(A)の方向により近づけることができる。よって、主流と旋回流れとのベクトルの差をより小さくできる。
【0012】
前記多翼送風機において、各内側案内壁(61)における半径方向内側の面は、前記内周面(27a)に沿う湾曲面を有しているのが好ましい。
【0013】
この構成では、複数の内側案内壁(61)を設けることに起因してベルマウス(27)の流入時の空気抵抗が高まるのを抑制できる。
【0014】
本発明のさらに他の局面に係る多翼送風機は、回転軸(A)を中心とする周方向に沿って複数の前向き羽根(31)が配列された羽根車(3)と、前記回転軸(A)を中心とする内周面(27a)及びその裏面(27b)を有するベルマウス(27)が設けられ、前記羽根車(3)を収容するケース(2)と、を備えている。前記ベルマウス(27)は、前記裏面(27b)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の案内壁(51)を有し、各案内壁(51)は、前記回転軸(A)の方向及び前記ベルマウス(27)の半径方向に平行である。前記多翼送風機において、各案内壁(51)の半径方向外側の端部は、前記前向き羽根(31)の後縁よりも半径方向外側に位置してい
る。
【0015】
この構成では、ベルマウス(27)は、裏面(27b)の全周にわたって所定の間隔で配列された複数の案内壁(51)を有し、各案内壁(51)は、回転軸(A)の方向及びベルマウス(27)の半径方向に平行である。したがって、旋回流れは、複数の案内壁(51)によって羽根車(3)に案内される際に、旋回流れの方向が回転軸(A)の方向に近づくように矯正される。これにより、旋回流れのベクトルは、主流のベクトルの差が小さくなる。よって、旋回流れに起因する送風効率の低下及び送風音の増加を抑制できる。またこの構成では、各案内壁(51)は、前向き羽根(31)の後縁(31B)よりも半径方向外側を流れる旋回流れ(F2)を効果的にキャッチすることができるので、旋回流れF2の整流効果をより高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、多翼送風機において、旋回流れに起因する送風効率の低下及び送風音の増加を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る多翼送風機1について図面を参照して説明する。
【0019】
<第1実施形態>
本実施形態に係る多翼送風機1は、例えば空気調和機、冷蔵機、冷凍機、ヒートポンプ給湯機などのように冷媒回路を備えた冷凍装置用の送風機として用いられる。
図1及び
図2に示すように、多翼送風機1は、ケース2と、このケース2内に収容された羽根車3と、モータ41とを備えている。羽根車3は、モータ41により回転軸Aを中心に回転方向Dに回転する。
【0020】
ケース2は、スクロール形状を有している。ケース2は、回転軸Aの方向の正面側に設けられた空気の吸込口25と、回転軸Aに対して半径方向外側に開口する空気の吹出口26とを有している。ケース2は、ケース本体20と、ケース本体20に固定された円環板24とを含む。ケース本体20は、正面板21と、背面板22と、これらをつなぐ側面板(胴板)23とを含む。正面板21は、円環板24が取り付けられる円形の開口部を有している。
【0021】
羽根車3は、主板30と、複数の前向き羽根31と、リング部(側板)32とを含む。主板30は、正面視で回転軸Aを中心とする円形状を有している。主板30の半径方向外側部位30aは、背面板22に近接している。主板30の半径方向内側部位30bは、半径方向外側部位30aから正面側に凹む凹形状を有している。半径方向内側部位30bの中心には、モータ41のシャフト42が取り付けられるモータ取付部33が設けられている。モータ41は、ケース2の背面板22の内面に固定されている。半径方向内側部位30bには、周方向に並ぶ複数の貫通口34が設けられている。
【0022】
各前向き羽根31は、羽根出口が回転方向に傾いている。各前向き羽根31は、背面側の端部が主板30の半径方向外側部位30aに固定されている。複数の前向き羽根31は、互いに所定の間隔をあけて周方向に沿って配列されている。リング部32は、複数の前向き羽根31における正面側の端部に固定されている。リング部32は、複数の前向き羽根31の周囲を囲むように配置されている。
【0023】
図3(A),(B)に示すように、ケース2の円環板24は、ベルマウス27と、ケース2の正面板21の開口部に固定される外縁部28とを含む。外縁部28は、その内面の一部が正面側に環状に凹む段差面28aを有している。この段差面28aは、正面板21の開口部の内縁に設けられた段差面21aと対向している(
図2参照)。段差面28aと段差面21aとは例えば融着などの手段により互いに接合されている。
【0024】
ベルマウス27は、吸込口25を形成する内周面27aを有している。内周面27aは、その内径が背面側に向かうにつれて小さくなる湾曲形状を有している。内周面27aは、空気を羽根車3に案内する役割を果たす。
【0025】
図4(A),(B)は、円環板24の一部を拡大した断面図である。なお、
図4(A)では、
図4(B)に示す案内壁51の図示を省略している。
図4(A)に示すように、ベルマウス27は、内周面27aの裏側に裏面27bを有している。裏面27bは、回転軸Aを中心に円環状に設けられている。裏面27bは、回転軸Aの方向の正面側(羽根車3とは反対側)に溝状に凹む湾曲面である。裏面27bは、半径方向内側の領域の曲率半径R1が半径方向外側の領域の曲率半径R2よりも小さい。
【0026】
この溝状の裏面27bでは、
図4(A)に示す断面において、旋回流れF2の流入する領域である半径方向外側の縁部27e1における接線と、旋回流れF1の流出する領域である半径方向内側の縁部27e2における接線とを比較すると、次のような特徴がある。すなわち、半径方向内側の縁部27e2における接線は、半径方向外側の縁部27e1における接線よりも回転軸Aとなす角度が小さい。
【0027】
すなわち、旋回流れF2が溝状の裏面27bに囲まれる空間に流入しやすいように、半径方向外側の縁部27e1における接線は、回転軸Aに対して大きく傾斜している。その一方で、旋回流れF2が溝状の裏面27bに囲まれる空間から流出するときにはその流出方向が回転軸Aに近づくように、半径方向内側の縁部27e2における接線は、回転軸Aの方向に近づけられている。
【0028】
ベルマウス27における正面側の外面は、裏面27bの湾曲形状に沿った湾曲面であり、外縁部28における正面側の外面よりも正面側にわずかに突出している。
【0029】
図3(A),(B)及び
図4(B)に示すように、ベルマウス27は、裏面27bの全周にわたって所定の間隔で配列された多数の案内壁51を有している。各案内壁51は、回転軸Aの方向及びベルマウス27の半径方向に平行である。
【0030】
各案内壁51は、背面側の端面51cと、周方向の一方と他方に位置する一対の側面51g,51hとを有している。一対の側面51g,51hは互いにほぼ平行である。案内壁51の側面51gと、これに周方向に対向する案内壁51の側面51hと、裏面27bとは、旋回流れF2を整流する旋回流路27F2を形成している。したがって、ベルマウス27には、周方向に並んだ複数の旋回流路27F2が形成されている。
【0031】
各案内壁51の半径方向外側の外端部
51bは、前向き羽根31の後縁31Bよりも半径方向外側に位置している。各案内壁51の半径方向内側の内端部51aは、半径方向において、前向き羽根31の前縁31Fと後縁31Bとの間に位置している。ベルマウス27の端面27cは、半径方向において、前向き羽根31の前縁31Fと後縁31Bとの間に位置している。
【0032】
各案内壁51の端面(背面側の表面)51cは、回転軸Aの方向において、ベルマウス27の端面(内縁部における背面側の表面)27cと同じ位置にある。各案内壁51の端面51cは、回転軸Aの方向において、案内壁51に対して半径方向外側に隣接する円環板24の内面24aと同じ位置にある。すなわち、端面51c、端面27c及び内面24aは、同一平面上に位置している。
【0033】
各案内壁51における正面側の縁部は、ベルマウス27の裏面27bに沿った湾曲形状を有している。したがって、各案内壁51における正面側の縁部51dは、半径方向内側の領域の曲率半径が半径方向外側の領域の曲率半径よりも小さい。
図4(B)に示すように、縁部51dにおける最も正面側に位置する頂部51eは、案内壁51における半径方向の中心よりも半径方向内側に位置している。
【0034】
図3(B)に示すように、案内壁51間の隙間の大きさは、案内壁51の厚みよりも大きい。案内壁51の厚みとは、半径方向及び回転軸Aの方向に直交する方向の案内壁51の寸法をいう。案内壁51間の隙間の大きさは、案内壁51の内端部51aから外端部
51bまでの長さよりも小さい。案内壁51の内端部51aから外端部
51bまでの長さは、ベルマウス27の端面27cの半径方向の長さよりも大きい。
【0035】
各案内壁51は、半径方向に延びている。すなわち、複数の案内壁51は、回転軸Aを中心に放射状に配置されている。隣り合う案内壁51,51同士のなす角度θは、例えば1〜10度程度に設定するのが好ましい。本実施形態では、角度θを約2.5度に設定した場合を例示している。
【0036】
図5(A)は、第1実施形態に係る多翼送風機1における空気の流れを示す概略図であり、
図5(B)は、参考例の多翼送風機における空気の流れを示す概略図である。
図5(B)に示す参考例の多翼送風機は、案内壁51を有していない点のみが第1実施形態に係る多翼送風機1と異なっている。
【0037】
図5(B)に示すように、参考例の多翼送風機では、主流F1の一部がケース内において羽根車3の半径方向外側の空間を通ってベルマウス27に向かって環流し、ベルマウス27の裏面27bに沿って再び羽根車3に流れ込む旋回流れF2が生じる。この旋回流れF2は、ベルマウス27の内周面27aに沿ってケース内に導入される主流F1と合流する。しかしながら、旋回流れF2は、羽根車3の回転方向Dの速度成分が多く含まれているため、回転軸Aの方向に近い方向に向いて流れる主流F1のベクトルに対して大きな差が生じている。このようなベクトルの差は、多翼送風機の送風効率の低下及び送風音の増加の原因となる。
【0038】
一方、第1実施形態に係る多翼送風機1では、ベルマウス27の裏面27bに複数の案内壁51が設けられている。上述したように、各案内壁51は、回転軸Aの方向及びベルマウス27の半径方向に平行である。したがって、
図5(A)に示すように、旋回流れF2は、複数の案内壁51によって羽根車3に案内される際に、旋回流れF2の方向が回転軸Aの方向に近づくように矯正される。これにより、旋回流れF2のベクトルは、主流F1のベクトルとの差が小さくなる。よって、旋回流れF2に起因する送風効率の低下及び送風音の増加を抑制できる。
【0039】
<第2実施形態>
図6(A),(B)、
図7(A),(B)及び
図8に示すように、第2実施形態に係る多翼送風機1は、ベルマウス27に複数の内側案内壁61がさらに設けられている点が第1実施形態に係る多翼送風機1と異なっている。以下では、第1実施形態との相違点を説明し、他の構成については第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
ベルマウス27は、内周面27aの全周にわたって所定の間隔で配列された複数の内側案内壁61を有している。各内側案内壁61は、回転軸Aの方向及びベルマウス27の半径方向に平行である。各内側案内壁61は、ベルマウス27の内周面27aから回転軸Aの方向に延びている。内側案内壁61は、案内壁51に対して半径方向内側に位置し、案内壁51に対して半径方向に直線状に並んでいる。
【0041】
各内側案内壁61は、半径方向内側の内面61dと、背面側の端面61cと、この端面61cの反対側(正面側)の正面側端面61fと、周方向の一方と他方に位置する一対の側面61g,61hとを有している。各内側案内壁61における半径方向外側の部位61eがベルマウス27の内周面27aにつながっている。
【0042】
各内側案内壁61の内面61dは、ベルマウス27の内周面27aに沿って湾曲している。各内面61dは、その内径が背面側に向かうにつれて小さくなる湾曲形状を有している。各端面61cは、回転軸Aの方向において、ベルマウス27の端面27cと同じ位置にある。回転軸Aの方向において、内側案内壁61の端面61c、案内壁51の端面51c、端面27c及び内面24aは、同一平面上に位置している。
【0043】
各内側案内壁61の正面側端面61fは、端面61cと平行である。一対の側面61g,61hは互いにほぼ平行である。内側案内壁61の側面61gと、これに周方向に対向する内側案内壁61の側面61hと、内周面27aとは、主流F1の流れを整流する主流路27F1を形成している。したがって、ベルマウス27は、周方向に並んだ複数の主流路27F1を有している。
【0044】
各内側案内壁61の半径方向内側の端部61aは、前向き羽根31の後縁31Bと同じ位置、又は後縁31Bよりも半径方向内側に位置している。各
内側案内壁61の半径方向外側の
端部61bは、半径方向において、前向き羽根31の前縁31Fと後縁31Bとの間に位置している。
【0045】
図6(B)に示すように、内側案内壁61間の隙間の大きさは、内側案内壁61の厚みよりも大きい。内側案内壁61の厚みとは、半径方向及び回転軸Aの方向に直交する方向の内側案内壁61の寸法をいう。内側案内壁61間の隙間の大きさは、内側案内壁61の端部61aから端部61bまでの長さよりも小さい。隣り合う内側案内壁61,61同士のなす角度は、上述した案内壁51,51同士のなす角度と同様に設定されている。内側案内壁61の端部61aから端部61bまでの長さは、ベルマウス27の端面27cの半径方向の長さよりも大きい。
【0046】
図8は、第2実施形態に係る多翼送風機1における空気の流れを示す概略図である。第2実施形態に係る多翼送風機1では、ベルマウス27が複数の案内壁51を有していることにより、
図5(A)に示す第1実施形態のような効果が得られることに加え、さらに、ベルマウス27が複数の内側案内壁61を有しているので、次の効果が得られる。
【0047】
すなわち、各内側案内壁51は、回転軸Aの方向及びベルマウス27の半径方向に平行である。したがって、
図8に示すように、主流F1は、複数の内側案内壁61によって羽根車3に導入される際に、回転軸Aの方向により近づくように矯正される。これにより、主流F1のベクトルは、旋回流れF2のベクトルとの差が第1実施形態に比べてさらに小さくなる。よって、旋回流れF2に起因する送風効率の低下及び送風音の増加をさらに抑制できる。
【0048】
図9は、第1実施形態に係る多翼送風機1の騒音特性と、第2実施形態に係る多翼送風機1の騒音特性と、参考例の多翼送風機の騒音特性とを比較したグラフである。
図9に示すように、第1実施形態及び第2実施形態の多翼送風機1では、参考例の多翼送風機に比べて比騒音が低減されていることがわかる。特に、第2実施形態に係る多翼送風機1では、第1実施形態に係る多翼送風機1よりも騒音低減効果が高い。
【0049】
以上のように、本実施形態では、ベルマウス27は、裏面27bの全周にわたって所定の間隔で配列された複数の案内壁51を有し、各案内壁51は、回転軸Aの方向及びベルマウス27の半径方向に平行である。したがって、旋回流れF2は、複数の案内壁51によって羽根車3に案内される際に、旋回流れF2の方向が回転軸Aの方向に近づくように矯正される。これにより、旋回流れF2のベクトルは、主流F1のベクトルの差が小さくなる。よって、旋回流れF2に起因する送風効率の低下及び送風音の増加を抑制できる。
【0050】
また、第2実施形態では、ベルマウス27は、内周面27aの全周にわたって所定の間隔で配列された複数の内側案内壁61を有し、各内側案内壁61は、回転軸Aの方向及びベルマウス27の半径方向に平行である。したがって、内周面27aに沿って羽根車3に案内される主流F1の方向を回転軸Aの方向により近づけることができる。よって、主流F1と旋回流れF2とのベクトルの差をより小さくできる。
【0051】
また、第2実施形態では、各内側案内壁61における半径方向内側の面61dが内周面27aに沿う湾曲面を有しているので、複数の内側案内壁61を設けることに起因してベルマウス27の流入時の空気抵抗が高まるのを抑制できる。
【0052】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、各案内壁51の半径方向外側の外端部
51bが前向き羽根31の後縁31Bよりも半径方向外側に位置しているので、各案内壁51は、前向き羽根31の後縁31Bよりも半径方向外側を流れる旋回流れF2を効果的にキャッチすることができる。これにより、旋回流れF2の整流効果をより高めることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
【0054】
例えば、前記実施形態では、ベルマウス27の裏面27bが正面側に溝状に凹む湾曲面である場合を例示したが、これに限定されない。ベルマウス27の裏面27bは、例えば
図10(A)に示すように、内周面27aの湾曲に沿った湾曲面部27b1と、この湾曲面部27b1の半径方向外側端部から半径方向にほぼ平行に延びる平面部27b2とを有する形状であってもよい。そして、各案内壁51は、例えば湾曲面部27b1に設けられていてもよく、湾曲面部27b1と平面部27b2とに跨がるように設けられていてもよい。この場合、各案内壁51の半径方向外側の外端部は、
図10(A)に示すように前向き羽根31の後縁よりも半径方向外側に位置しているのが好ましい。これにより、各案内壁51は、旋回流れをより上流側においてキャッチすることができるので、旋回流れの整流効果をより高めることができる。さらに、
図10(B)に示すように、ベルマウス27の内周面27aに内側案内壁61が設けられていてもよい。
【0055】
前記実施形態では、円環板24と正面板21とが別体であり、これらを互い接合する場合を例示したが、これらは一体成形されたものであってもよい。
【0056】
前記実施形態では、案内壁51の端面51c、内側案内壁61の端面61c、端面27c及び内面24aは、同一平面上に位置している場合を例示したが、これに限定されない。例えば案内壁51の端面51cが端面27c及び内面24aよりも背面側に突出していてもよい。これにより、旋回流れF2の整流効果をより高めることができる。また、内側案内壁61の端面61cが端面27cよりも背面側に突出していてもよい。これにより、主流F1の整流効果をより高めることができる。
【0057】
前記実施形態では、各内側案内壁61における半径方向内側の内面61dが内周面27aに沿う湾曲面を有している場合を例示したが、これに限定されない。内面61dは、例えば回転軸Aに平行な平面であってもよい。また、内面61dは、角張った形状であってもよい。
【0058】
前記実施形態では、各案内壁51の半径方向外側の外端部
51bは、前向き羽根31の後縁31Bよりも半径方向外側に位置している場合を例示したが、前向き羽根31の後縁31Bと同じ位置であってもよく、後縁31Bよりも半径方向内側に位置していてもよい。
【0059】
前記実施形態では、案内壁51における一対の側面51g,51hが互いに平行である場合を例示したが、これらの側面51g,51hは、一方が他方に対して多少傾斜していてもよい。内側案内壁61における一対の側面61g,61hが互いに平行である場合を例示したが、これらの側面61g,61hは、一方が他方に対して多少傾斜していてもよい。