特許第5772542号(P5772542)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772542
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】車両用前照灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/12 20060101AFI20150813BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20150813BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150813BHJP
【FI】
   F21S8/12 123
   F21W101:10
   F21Y101:02
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-256718(P2011-256718)
(22)【出願日】2011年11月24日
(65)【公開番号】特開2013-114744(P2013-114744A)
(43)【公開日】2013年6月10日
【審査請求日】2014年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大久保 泰宏
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−028979(JP,A)
【文献】 特開2011−034875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/12
F21W 101/10
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体型光源と、
前記半導体型光源からの光を反射して所定の配光パターンで車両の前方に照射する反射面と、
を備え、
前記半導体型光源は、前記反射面の基準焦点もしくはその近傍に配置されていて、
前記反射面は、前記半導体型光源から光が放射される方向であって、前記半導体型光源の中心もしくはその近傍を通る法線に対して上下に分割されていて、
上下の前記反射面のうち、いずれか一方は、収束型拡散反射面であり、他方は、発散型拡散反射面であり、
上下の前記反射面のうち、前記半導体型光源に近い上下の前記反射面は、前記所定の配光パターンのうちの全体外形の配光パターンを形成する反射面であり、
上下の前記反射面のうち、前記半導体型光源に遠い上下の前記反射面は、前記所定の配光パターンのうちの高光度帯の配光パターンを形成する反射面であり、
上下の前記反射面のうち、前記半導体型光源に近い上下の前記反射面と前記半導体型光源に遠い上下の前記反射面との間の上下の前記反射面は、前記半導体型光源から離れるに従って、全体外形の配光パターンを形成する比率から高光度帯の配光パターンを形成する比率が高くなる反射面である、
ことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
半導体型光源と、
前記半導体型光源からの光を反射して所定の配光パターンで車両の前方に照射する反射面と、
を備え、
前記半導体型光源は、前記反射面の基準焦点もしくはその近傍に配置されていて、
前記反射面は、前記半導体型光源から光が放射される方向であって、前記半導体型光源の中心もしくはその近傍を通る法線に対して上下に分割されていて、
上下の前記反射面のうち、いずれか一方は、収束型拡散反射面であり、他方は、発散型拡散反射面であり、
上下の前記反射面は、前記法線に対して垂直に複数のセグメントに分割されていて、
前記複数のセグメントのうち、前記半導体型光源に最も近いセグメントの上下の前記反射面は、前記所定の配光パターンのうちの全体外形の配光パターンを形成する反射面であり、
前記複数のセグメントのうち、前記半導体型光源から最も遠いセグメントの上下の前記反射面は、前記所定の配光パターンのうちの高光度帯の配光パターンを形成する反射面であり、
前記複数のセグメントのうち、前記半導体型光源に最も近いセグメントと前記半導体型光源から最も遠いセグメントとの間のセグメントの上下の前記反射面は、全体外形の配光パターンと高光度帯の配光パターンとの間をつなげる中間の配光パターンを形成する反射面である、
ことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項3】
前記複数のセグメントの上下の前記反射面のうち、いずれか一方は、全てのセグメントにおいて収束型拡散反射面であり、他方は、全てのセグメントにおいて発散型拡散反射面である、
ことを特徴とする請求項に記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体型光源と、反射面と、を備える車両用前照灯に関するものである。すなわち、この発明は、半導体型光源の発光チップを反射面の基準光軸方向(横方向)に設ける横置きタイプで、かつ、半導体型光源からの光を反射面で反射させて所定の配光パターンを車両の前方に照射する反射タイプ(リフレクタタイプ)の車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用前照灯について説明する。従来の車両用前照灯は、LED光源と、第1反射面と、第2反射面と、を備えるものである。従来の車両用前照灯は、LED光源からの光が、第1反射面で反射して水平カットオフラインを有する第1部分配光パターンとして、また、第2反射面で反射して斜めのカットオフラインを有する第2部分配光パターンとして、それぞれ車両の前方に照射される。すなわち、従来の車両用前照灯は、ロービーム用配光パターン(すれ違い用配光パターン)を車両の前方に照射するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−34875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記の従来の車両用前照灯は、反射面を、LED光源に近い第1反射面と、LED光源から離れた第2反射面と、に分割するものである。このために、前記の従来の車両用前照灯は、ロービーム用配光パターンの代わりに、ハイビーム用配光パターン(走行用配光パターン)を車両の前方に照射すると、図8に示すように、光軸(図8中のスクリーンの上下の垂直線VU−VD)に対して左右対称でないハイビーム用配光パターンHPB(高光度帯SPBを含む)となる。このように、前記の従来の車両用前照灯では、図7に示す理想に近いハイビーム用配光パターンHPA(高光度帯SPAを含む)を形成することが難しい。なお、理想に近いハイビーム用配光パターンHPAとは、図7に示すように、光軸(図7中のスクリーンの上下の垂直線VU−VD)に対してほぼ左右対称であるハイビーム用配光パターンである。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用前照灯では、理想に近いハイビーム用配光パターンを形成することが難しい、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、半導体型光源と、半導体型光源からの光を反射して所定の配光パターンで車両の前方に照射する反射面と、を備え、半導体型光源が、反射面の基準焦点もしくはその近傍に配置されていて、反射面が、半導体型光源から光が放射される方向であって、半導体型光源の中心もしくはその近傍を通る法線に対して上下に分割されていて、上下の反射面のうち、いずれか一方が収束型拡散反射面であり、他方が発散型拡散反射面であり、上下の反射面のうち、半導体型光源に近い上下の反射面が、所定の配光パターンのうちの全体外形の配光パターンを形成する反射面であり、上下の反射面のうち、半導体型光源に遠い上下の反射面が、所定の配光パターンのうちの高光度帯の配光パターンを形成する反射面であり、上下の反射面のうち、半導体型光源に近い上下の反射面と半導体型光源に遠い上下の反射面との間の上下の反射面が、半導体型光源から離れるに従って、全体外形の配光パターンを形成する比率から高光度帯の配光パターンを形成する比率が高くなる反射面である、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項にかかる発明)は、半導体型光源と、半導体型光源からの光を反射して所定の配光パターンで車両の前方に照射する反射面と、を備え、半導体型光源が、反射面の基準焦点もしくはその近傍に配置されていて、反射面が、半導体型光源から光が放射される方向であって、半導体型光源の中心もしくはその近傍を通る法線に対して上下に分割されていて、上下の反射面のうち、いずれか一方が収束型拡散反射面であり、他方が発散型拡散反射面であり、上下の反射面が、半導体型光源から光が放射される方向であって、半導体型光源の中心もしくはその近傍を通る法線に対して垂直に複数のセグメントに分割されていて、複数のセグメントのうち、半導体型光源に最も近いセグメントの上下の反射面が、所定の配光パターンのうちの全体外形の配光パターンを形成する反射面であり、複数のセグメントのうち、半導体型光源から最も遠いセグメントの上下の反射面が、所定の配光パターンのうちの高光度帯の配光パターンを形成する反射面であり、複数のセグメントのうち、半導体型光源に最も近いセグメントと半導体型光源から最も遠いセグメントとの間のセグメントの上下の反射面が、全体外形の配光パターンと高光度帯の配光パターンとの間をつなげる中間の配光パターンを形成する反射面である、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項にかかる発明)は、複数のセグメントの上下の反射面のうち、いずれか一方が全てのセグメントにおいて収束型拡散反射面であり、他方が全てのセグメントにおいて発散型拡散反射面である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明(請求項1、2にかかる発明)の車両用前照灯は、上下の反射面のうちいずれか一方の収束型拡散反射面で反射して形成されるハイビーム用配光パターンの一部の配光パターンと、上下の反射面のうちいずれか他方の発散型拡散反射面で反射して形成されるハイビーム用配光パターンの一部の配光パターンと、がほぼ左右対称となる。このために、この発明(請求項1、2にかかる発明)の車両用前照灯は、上下の反射面のうちいずれか一方の収束型拡散反射面で形成されるハイビーム用配光パターンの一部の配光パターンと、上下の反射面のうちいずれか他方の発散型拡散反射面で形成されるハイビーム用配光パターンの一部の配光パターンと、を重畳(合成)することにより、光軸に対してほぼ左右対称である理想に近いハイビーム用配光パターンを確実に形成することができる。
【0011】
この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、半導体型光源に近い上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角が大きいので、その上下の反射面で半導体型光源からの光を大きく拡散させて所定の配光パターンのうちの全体外形の配光パターンを形成するのに最適である。また、この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、半導体型光源に遠い上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角が半導体型光源に近い上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角と比較して小さいので、その上下の反射面で半導体型光源からの光を小さく拡散させてかつ集中させて所定の配光パターンのうちの高光度帯の配光パターンを形成するのに最適である。さらに、この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、半導体型光源に近い上下の反射面と半導体型光源に遠い上下の反射面との間の上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角が半導体型光源に近い上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角と比較して小さくかつ半導体型光源に遠い上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角と比較して大きいので、その上下の反射面で半導体型光源からの光を全体外形の配光パターンよりも小さくかつ高光度帯の配光パターンよりも大きく拡散させて全体外形の配光パターンと高光度帯の配光パターンとの間をつなげる中間の配光パターンを形成するのに最適である。
【0012】
この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、前記の発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯と同様に、半導体型光源に最も近いセグメントの上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角が大きいので、そのセグメントの上下の反射面で半導体型光源からの光を大きく拡散させて所定の配光パターンのうちの全体外形の配光パターンを形成するのに最適である。また、この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、半導体型光源から最も遠いセグメントの上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角が半導体型光源に最も近い上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角と比較して小さいので、そのセグメントの上下の反射面で半導体型光源からの光を小さく拡散させてかつ集中させて所定の配光パターンのうちの高光度帯の配光パターンを形成するのに最適である。さらに、この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、半導体型光源に最も近いセグメントの上下の反射面と半導体型光源から最も遠いセグメントの上下の反射面との間のセグメントの上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角が半導体型光源に最も近いセグメントの上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角と比較して小さくかつ半導体型光源から最も遠いセグメントの上下の反射面に入射する半導体型光源からの光の立体角と比較して大きいので、そのセグメントの上下の反射面で半導体型光源からの光を全体外形の配光パターンよりも小さくかつ高光度帯の配光パターンよりも大きく拡散させて全体外形の配光パターンと高光度帯の配光パターンとの間をつなげる中間の配光パターンを形成するのに最適である。
【0013】
この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、複数のセグメントの上下の反射面のうち、いずれか一方が全てのセグメントにおいて収束型拡散反射面であり、他方が全てのセグメントにおいて発散型拡散反射面であるから、法線方向(左右方向)に隣り合う複数のセグメントの反射面が収束型拡散反射面あるいは発散型拡散反射面として連続するものである。このために、この発明(請求項にかかる発明)の車両用前照灯は、複数のセグメントを、半導体型光源からの光の損失が無く、滑らかに連続的に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態を示す要部の正面概略説明図(車両の前方から反射面の基準光軸方向に見た概略説明図)である。
図2図2は、半導体型光源の発光チップを示す説明図である。
図3図3は、図1におけるIII−III線断面概略説明図である。
図4図4は、図1におけるIV−IV線断面概略説明図である。
図5図5は、上側の収束型拡散反射面から反射されてスクリーンに照射された発光チップの反射像群を示す説明図である。
図6図6は、下側の発散型拡散反射面から反射されてスクリーンに照射された発光チップの反射像群を示す説明図である。
図7図7は、理想に近いハイビーム用配光パターンを示す説明図である。
図8図8は、従来の車両用前照灯により得られるハイビーム用配光パターンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図5図8において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。また、図5図7は、コンピュータシミュレーションにより作図された説明図である。さらに、図3図4において、リフレクタの断面のハッチングは、省略してある。なお、この明細書および特許請求の範囲において、「上、下、前、後、左、右」とは、この発明にかかる車両用前照灯を車両(自動車)に取り付けた際の車両の「上、下、前、後、左、右」である。
【0016】
(構成の説明)
以下、この実施形態における車両用前照灯の構成について説明する。この実施形態における車両用前照灯1は、図7に示す理想に近いハイビーム用配光パターンHPA(高光度帯SPAを含む)を車両の前方に照射するハイビーム用の車両用前照灯すなわちヘッドランプである。前記車両用前照灯1は、図示しない車両の前部の左側(もしくは右側)に取り付けられる車両用前照灯である。車両の前部の右側(もしくは左側)に取り付けられる車両用前照灯は、この実施形態の車両用前照灯1の半導体型光源および反射面の配置がほぼ左右逆となる。このために、車両の前部の右側(もしくは左側)に取り付けられる車両用前照灯の構成の説明は、省略する。
【0017】
前記車両用前照灯1は、半導体型光源2と、反射面31U、32U、33U、34U、31D、32D、33D、34Dを有するリフレクタ3と、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、を備えるものである。前記半導体型光源2と前記リフレクタ3とは、ヘッドランプユニットを構成する。前記ランプハウジングと前記ランプレンズ(所謂、アウターカバー)とは、灯室(図示せず)を区画する。前記ヘッドランプユニット(前記半導体型光源2および前記リフレクタ3)は、前記灯室内に光軸調整機構(図示せず)を介して光軸調整可能に配置されている。なお、前記灯室内には、前記ヘッドランプユニット(前記半導体型光源2および前記リフレクタ3)以外のランプユニット、たとえば、フロントクリアランスランプユニット、フロントターンシグナルランプ、デイタイムランニングランプなどが配置されている場合がある。
【0018】
前記半導体型光源2は、ヒートシンク部材(図示せず)を介して前記ランプハウジングもしくは前記リフレクタ3のうち少なくともいずれか一方に取り付けられている。前記半導体型光源2は、この例では、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この例ではLED)を使用する。前記半導体型光源2は、基板20と、前記基板20に設けられている発光チップ21と、前記発光チップ21を封止する封止樹脂部材(図示せず)と、から構成されている。前記半導体型光源2は、取付部材(図示せず)により前記ヒートシンク部材に取り付けられている。前記半導体型光源2の前記発光チップ21は、前記取付部材および前記基板20を介して電流が供給されて発光する。
【0019】
前記発光チップ21は、図2に示すように、平面矩形形状(平面長方形状)をなす。すなわち、4個の正方形のチップを前記反射面31U〜34Dの基準光軸Z方向に配列してなるものである。なお、1個の長方形のチップ、あるいは、1個の正方形のチップ、を使用しても良い。前記発光チップ21の中心Oは、前記反射面31U〜34Dの基準焦点Fもしくはその近傍に位置し、かつ、前記反射面31U〜34Dの基準光軸Z上もしくはその近傍に位置する。前記発光チップ21の発光面は、この実施形態において、右側に向いている。
【0020】
図2において、X、Y、Zは、直交座標(X−Y−Z直交座標系)を構成する。X軸は、前記発光チップ21の中心Oもしくはその近傍を通る法線(垂線)、すなわち、前記発光チップ21の中心Oもしくはその近傍を通る左右方向の水平軸であって、この実施形態において、右側が+方向であり、左側が−方向である。また、Y軸は、前記発光チップ21の中心Oもしくはその近傍を通る上下方向の鉛直軸であって、この実施形態において、上側が+方向であり、下側が−方向である。さらに、Z軸は、前記反射面31U〜34Dの基準光軸Z、すなわち、前記発光チップ21の中心Oもしくはその近傍を通る前後方向の水平軸であって、この実施形態において、前側が+方向であり、後側が−方向である。
【0021】
前記リフレクタ3の内面すなわち前記発光チップ21の発光面と対向する面には、パラボラ系のたとえば自由曲面(NURBS曲面)の前記反射面31U〜34Dが設けられている。
【0022】
前記反射面31U〜34Dは、図1図3図4に示すように、X軸もしくはその近傍に対して、上側の反射面31U、32U、33U、34Uと、下側の反射面31D、32D、33D、34Dと、に分割されている。すなわち、前記反射面31U〜34Dは、図1図3図4に示すように、前記半導体型光源2から光(図3図4中の実線矢印参照)が放射される方向(X軸の+方向)であって、前記半導体型光源2の中心Oもしくはその近傍を通る法線に対して、上下に分割されている。前記反射面31U〜34Dは、図1に示すように、X軸(法線)に対して、上側のセグメント(上側の反射面31U〜34U)と下側のセグメント(下側の反射面31D〜34D)との上下2個のセグメントに分割されている。
【0023】
上下の前記反射面31U〜34Dは、前記法線(X軸もしくはその近傍)に対して垂直に複数この例では4個のセグメントに分割されている。すなわち、上下の前記反射面31U〜34Dは、第1セグメントの上下の第1反射面31U、31Dと、第2セグメントの上下の第2反射面32U、32Dと、第3セグメントの上下の第3反射面33U、33Dと、第4セグメントの上下の第4反射面34U、34Dと、に分割されている。この結果、前記反射面31U〜34Dは、上下左右に合計8個のセグメントに分割されている。なお、図3図4中の二点鎖線は、X軸方向の法線方向(左右方向)に隣り合う4個のセグメントの境界線を示す。
【0024】
前記4個のセグメントの上下の前記反射面31U〜34Dのうち、いずれか一方は、収束型拡散反射面であり、他方は、発散型拡散反射面である。この例では、前記4個のセグメントの上下の前記反射面31U〜34Dのうち、上側の反射面31U〜34Uは、4個全てのセグメントにおいて収束型拡散反射面であり、下側の反射面31D〜34Dは、4個全てのセグメントにおいて発散型拡散反射面である。
【0025】
前記4個のセグメントのうち、前記半導体型光源2に最も近い第1セグメントの上下の前記第1反射面31U、31Dは、図5(A)、図6(A)に示すように、前記ハイビーム用配光パターンHPAのうち全体外形の配光パターンP1L、P1Rを形成する反射面である。
【0026】
前記4個のセグメントのうち、前記半導体型光源2から最も遠い第4セグメントの上下の前記第4反射面34U、34Dは、図5(D)、図6(D)に示すように、前記ハイビーム用配光パターンHPAのうち高光度帯SPAの配光パターンP4L、P4Rを形成する反射面である。
【0027】
前記4個のセグメントのうち、前記半導体型光源2に最も近い第1セグメントと前記半導体型光源2から最も遠い第4セグメントとの間の第2セグメントの上下の前記第2反射面32U、32D、および、第3セグメントの上下の前記第3反射面33U、33Dは、図5(B)および(C)、図6(B)および(C)に示すように、前記全体外形の配光パターンP1L、P1Rと前記高光度帯の配光パターンP4L,P4Rとの間をつなげる中間の配光パターンP2L、P3L、P2R、P3Rを形成する反射面である。
【0028】
第2セグメントの上下の前記第2反射面32U、32Dと、第3セグメントの上下の前記第3反射面33U、33Dとは、前記半導体型光源2から離れるに従って、前記全体外形の配光パターンP1L、P1Rを形成する比率から高光度帯SPAの配光パターンP4L、P4Rを形成する比率が高くなる反射面である。すなわち、第2セグメントの上下の前記第2反射面32U、32Dは、第3セグメントの上下の前記第3反射面33U、33Dよりも、前記全体外形の配光パターンP1L、P1Rを形成する比率が高光度帯SPAの配光パターンP4L、P4Rを形成する比率よりも高い。逆に、第3セグメントの上下の前記第3反射面33U、33Dは、第2セグメントの上下の前記第2反射面32U、32Dよりも、前記高光度帯SPAの配光パターンP4L、P4Rを形成する比率が全体外形の配光パターンP1L、P1Rを形成する比率よりも高い。
【0029】
(作用の説明)
この実施形態にかかる車両用前照灯は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0030】
半導体型光源2の発光チップ21を点灯発光させる。すると、発光チップ21から放射される光は、図3図4中の実線矢印に示すように、リフレクタ3の反射面31U〜34Dにおいて反射される。この反射光は、所定の配光パターン、すなわち、図7に示す理想に近いハイビーム用配光パターンHPA(高光度帯SPAを含む)として、車両の前方に照射される。
【0031】
ここで、リフレクタ3の反射面31U〜34Dにおいて反射される反射光についてさらに詳細に説明する。
【0032】
まず、第1セグメントの上の第1反射面31Uにおいて反射された反射光は、図5(A)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ左側半分以上の全体外形の配光パターンP1Lとして、車両の前方に照射される。この第1セグメントの上の第1反射面31U(すなわち、発光チップ21に最も近くでかつX軸に対して上側の反射面31U)で得られる反射像群の大部分は、図5(A)に示すように、上側が内側(中央側、右側)にかつ下側が外側(左側)に傾斜している。この反射像群は、図7に示す理想に近いハイビーム用配光パターンHPA(高光度帯SPAを含む)の全体形状(山形もしくは富士山形)のうちの左側の全体形状、すなわち、上側が内側(中央側、右側)から外側(左側)にかけて傾斜していて、かつ、下側が内側(中央側、右側)から外側(左側)にかけてほぼ水平である全体形状に最適である。
【0033】
つぎに、第2セグメントの上の第2反射面32Uにおいて反射された反射光は、図5(B)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ左側半分以上の全体外形の配光パターンP1Lを形成する比率が高い中間の配光パターンP2Lとして、車両の前方に照射される。この第2セグメントの上の第2反射面32Uで得られる反射像郡の大部分は、先の第1セグメントの上の第1反射面31Uで得られる反射像群の大部分とほぼ同様に、上側が内側(中央側、右側)にかつ下側が外側(左側)に傾斜している。この第2セグメントの上の第2反射面32Uで得られる反射像郡は、先の第1セグメントの上の第1反射面31Uで得られる反射像群よりも集中している。
【0034】
さらに、第3セグメントの上の第3反射面33Uにおいて反射された反射光は、図5(C)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ左側半分以上の高光度帯SPAの配光パターンP4Lを形成する比率が高い中間の配光パターンP3Lとして、車両の前方に照射される。この第3セグメントの上の第3反射面33Uで得られる反射像郡の大部分は、先の第2セグメントの上の第2反射面32Uで得られる反射像群の大部分とほぼ同様に、上側が内側(中央側、右側)にかつ下側が外側(左側)に傾斜している。この第3セグメントの上の第3反射面33Uで得られる反射像郡は、先の第2セグメントの上の第2反射面32Uで得られる反射像群よりも集光している。
【0035】
そして、第4セグメントの上の第3反射面34Uにおいて反射された反射光は、図5(D)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ左側半分以上の高光度帯SPAの配光パターンP4Lとして、車両の前方に照射される。この第4セグメントの上の第4反射面34U(すなわち、発光チップ21に最も遠くでかつX軸に対して上側の反射面34U)で得られる反射像郡の大部分は、先の第3セグメントの上の第3反射面33Uで得られる反射像群の大部分とほぼ同様に、上側が内側(中央側、右側)にかつ下側が外側(左側)に傾斜している。この第4セグメントの上の第4反射面34Uで得られる反射像郡は、先の第3セグメントの上の第3反射面33Uで得られる反射像群よりも集光している。
【0036】
なお、図5(A)〜(D)に示される各配光パターンP1L〜P4Lの右側(HR)の部分は、図3に示されるリフレクタ3の4個のセグメントの上側の各収束型拡散反射面31U〜34Uのうち半導体型光源2の発光チップ21に近い部分において反射された反射光により形成される。また、図5(A)〜(D)に示される各配光パターンP1L〜P4Lの左側(HL)の部分は、図3に示されるリフレクタ3の4個のセグメントの上側の各収束型拡散反射面31U〜34Uのうち半導体型光源2の発光チップ21に遠い部分において反射された反射光により形成される。
【0037】
一方、第1セグメントの下の第1反射面31Dにおいて反射された反射光は、図6(A)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ右側半分以上の全体外形の配光パターンP1Rとして、車両の前方に照射される。この第1セグメントの下の第1反射面31D(すなわち、発光チップ21に最も近くでかつX軸に対して下側の反射面31D)で得られる反射像群の大部分は、図6(A)に示すように、上側が内側(中央側、左側)にかつ下側が外側(右側)に傾斜している。この反射像群は、図7に示す理想に近いハイビーム用配光パターンHPA(高光度帯SPAを含む)の全体形状(山形もしくは富士山形)のうちの右側の全体形状、すなわち、上側が内側(中央側、左側)から外側(右側)にかけて傾斜していて、かつ、下側が内側(中央側、左側)から外側(右側)にかけてほぼ水平である全体形状に最適である。また、この第1セグメントの下の第1反射面31Dで得られる反射像群の大部分と、先の第1セグメントの上の第1反射面31Uで得られる反射像群の大部分とは、スクリーンの上下の垂直線VU―VDに対して、ほぼ左右対称である。
【0038】
つぎに、第2セグメントの下の第2反射面32Dにおいて反射された反射光は、図6(B)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ右側半分以上の全体外形の配光パターンP1Rを形成する比率が高い中間の配光パターンP2Rとして、車両の前方に照射される。この第2セグメントの下の第2反射面32Dで得られる反射像郡の大部分は、先の第1セグメントの下の第1反射面31Dで得られる反射像群の大部分とほぼ同様に、上側が内側(中央側、左側)にかつ下側が外側(右側)に傾斜している。この第2セグメントの下の第2反射面32Dで得られる反射像郡は、先の第1セグメントの下の第1反射面31Dで得られる反射像群よりも集中している。また、この第2セグメントの下の第2反射面32Dで得られる反射像群の大部分と、先の第1セグメントの上の第2反射面32Uで得られる反射像群の大部分とは、スクリーンの上下の垂直線VU―VDに対して、ほぼ左右対称である。
【0039】
さらに、第3セグメントの下の第3反射面33Dにおいて反射された反射光は、図6(C)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ右側半分以上の高光度帯SPAの配光パターンP4Rを形成する比率が高い中間の配光パターンP3Rとして、車両の前方に照射される。この第3セグメントの下の第3反射面33Dで得られる反射像郡の大部分は、先の第2セグメントの下の第2反射面32Dで得られる反射像群の大部分とほぼ同様に、上側が内側(中央側、左側)にかつ下側が外側(右側)に傾斜している。この第3セグメントの下の第3反射面33Dで得られる反射像郡は、先の第2セグメントの下の第2反射面32Dで得られる反射像群よりも集光している。また、この第3セグメントの下の第3反射面33Dで得られる反射像群の大部分と、先の第3セグメントの上の第3反射面33Uで得られる反射像群の大部分とは、スクリーンの上下の垂直線VU―VDに対して、ほぼ左右対称である。
【0040】
最後に、第4セグメントの下の第3反射面34Dにおいて反射された反射光は、図6(D)の発光チップ21の反射像群に示すように、ハイビーム用配光パターンHPAのうちほぼ右側半分以上の高光度帯SPAの配光パターンP4Rとして、車両の前方に照射される。この第4セグメントの下の第4反射面34D(すなわち、発光チップ21に最も遠くでかつX軸に対して下側の反射面34D)で得られる反射像郡の大部分は、先の第3セグメントの下の第3反射面33Dで得られる反射像群の大部分とほぼ同様に、上側が内側(中央側、左側)にかつ下側が外側(右側)に傾斜している。この第4セグメントの下の第4反射面34Dで得られる反射像郡は、先の第3セグメントの下の第3反射面33Dで得られる反射像群よりも集光している。また、この第4セグメントの下の第4反射面34Dで得られる反射像群の大部分と、先の第4セグメントの上の第4反射面34Uで得られる反射像群の大部分とは、スクリーンの上下の垂直線VU―VDに対して、ほぼ左右対称である。
【0041】
なお、図6(A)〜(D)に示される各配光パターンP1R〜P4Rの左側(HL)の部分は、図4に示されるリフレクタ3の4個のセグメントの下側の各発散型拡散反射面31D〜34Dのうち半導体型光源2の発光チップ21に近い部分において反射された反射光により形成される。また、図6(A)〜(D)に示される各配光パターンP1R〜P4Rの右側(HR)の部分は、図4に示されるリフレクタ3の4個のセグメントの下側の各発散型拡散反射面31D〜34Dのうち半導体型光源2の発光チップ21に遠い部分において反射された反射光により形成される。
【0042】
(効果の説明)
この実施形態にかかる車両用前照灯は、以上のごとき構成作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0043】
この実施形態における車両用前照灯1は、リフレクタ3の上側4個のセグメントの収束型拡散反射面31U〜34Uで反射して形成されるハイビーム用配光パターンHPAの一部の配光パターンP1L〜P4Lと、リフレクタ3の下側4個のセグメントの発散型拡散反射面31D〜34Dで反射して形成されるハイビーム用配光パターンHPAの一部の配光パターンP1R〜P4Rと、が反射面31U〜34Dの基準光軸Z(図7中のスクリーンの上下の垂直線VU―VD)に対してほぼ左右対称となる。このために、この実施形態における車両用前照灯1は、リフレクタ3の上側4個のセグメントの収束型拡散反射面31U〜34Uで反射して形成されるハイビーム用配光パターンHPAの一部の配光パターンP1L〜P4Lと、リフレクタ3の下側4個のセグメントの発散型拡散反射面31D〜34Dで反射して形成されるハイビーム用配光パターンHPAの一部の配光パターンP1R〜P4Rと、を重畳(合成)することにより、反射面31U〜34Dの基準光軸Z(図7中のスクリーンの上下の垂直線VU―VD)に対してほぼ左右対称である理想に近いハイビーム用配光パターンHPA(高光度帯SPAを含む)を確実に形成することができる。
【0044】
この実施形態における車両用前照灯1は、半導体型光源2の発光チップ21に最も近い第1セグメントの上下の第1反射面31U、31Dに入射する半導体型光源2の発光チップ21からの光の立体角が大きいので、その第1セグメントの上下の第1反射面31U、31Dで半導体型光源2の発光チップ21からの光を大きく拡散させてハイビーム用配光パターンHPAのうちの全体外形の配光パターンP1L、P1Rを形成するのに最適である。また、この実施形態における車両用前照灯1は、半導体型光源2の発光チップ21から最も遠い第4セグメントの上下の第4反射面34U、34Dに入射する半導体型光源2の発光チップ21からの光の立体角が半導体型光源2の発光チップ21に最も近い上下の第1反射面31U、31Dに入射する半導体型光源2の発光チップ21からの光の立体角と比較して小さいので、その第4セグメントの上下の第4反射面34U、34Dで半導体型光源2の発光チップ21からの光を小さく拡散させてかつ集中させてハイビーム用配光パターンHPAのうちの高光度帯SPAの配光パターンP4L、P4Rを形成するのに最適である。さらに、この実施形態における車両用前照灯1は、半導体型光源2の発光チップ21に最も近い第1セグメントの上下の第1反射面31U、31Dと半導体型光源2の発光チップ21から最も遠い第4セグメントの上下の第4反射面34U、34Dとの間の第2セグメントの上下の第2反射面32U、32Dおよび第3セグメントの上下の第3反射面33U、33Dに入射する半導体型光源2の発光チップ21からの光の立体角が半導体型光源2の発光チップ21に最も近い第1セグメントの上下の第1反射面31U、31Dに入射する半導体型光源2の発光チップ21からの光の立体角と比較して小さくかつ半導体型光源2の発光チップ21から最も遠い第4セグメントの上下の第4反射面34U、34Dに入射する半導体型光源2の発光チップ21からの光の立体角と比較して大きいので、その第2セグメントの上下の第2反射面32U、32Dおよび第3セグメントの上下の第3反射面33U、33Dで半導体型光源2の発光チップ21からの光を全体外形の配光パターンP1L、P1Rよりも小さくかつ高光度帯SPAの配光パターンP4L、P4Rよりも大きく拡散させて全体外形の配光パターンP1L、P1Rと高光度帯SPAの配光パターンP4L、P4Rとの間をつなげる中間の配光パターンP2L、P2RおよびP3L、P3Rを形成するのに最適である。
【0045】
この実施形態における車両用前照灯1は、リフレクタ3の4個のセグメントの上下の反射面のうち、上側が4個全てのセグメントにおいて収束型拡散反射面31U〜34Uであり、下側が4個全てのセグメントにおいて発散型拡散反射面31D〜34Dであるから、X軸方向の法線方向(左右方向)に隣り合う4個のセグメントの上下の反射面が、上側の収束型拡散反射面31U〜31Dとして、また、下側の発散型拡散反射面31D〜34Dとして連続するものである。このために、この実施形態における車両用前照灯1は、4個のセグメントを、半導体型光源2の発光チップ21からの光の損失が無く、滑らかに連続的に構成することができる。
【0046】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、リフレクタ3の4個のセグメントのうち、上側の反射面が全て収束型拡散反射面31U〜34Uであり、下側の反射面が全て発散型拡散反射面31D〜34Dである。ところが、この発明においては、逆に、リフレクタ3の4個のセグメントのうち、上側の反射面を全て発散型拡散反射面31D〜34Dとし、下側の反射面を全て収束型拡散反射面31U〜34Uとしても良い。
【0047】
また、前記の実施形態においては、リフレクタ3の4個のセグメントのうち、上側の反射面が全て収束型拡散反射面31U〜34Uであり、下側の反射面が全て発散型拡散反射面31D〜34Dである。ところが、この発明においては、各セグメントの上下の反射面のうち、いずれか一方(上側または下側)を収束型拡散反射面とし、他方(下側または上側)を発散型拡散反射面としても良い。この場合において、収束型拡散反射面と発散型拡散反射面とがX軸方向の法線方向(左右方向)に隣り合う場合がある。
【0048】
さらに、前記の実施形態においては、リフレクタ3の上下の反射面31U〜34DがX軸方向の法線方向(左右方向)に対して垂直に4個のセグメントに分割されている。ところが、この発明においては、リフレクタの上下の反射面を3個のセグメントもしくは5個以上のセグメントに分割しても良い。
【0049】
さらにまた、前記の実施の形態においては、リフレクタ3の上下の反射面31U〜34Dを、境界線を有する4個のセグメントに分割して、第1反射面31U、31D〜第4反射面34U、34Dを設けるものである。ところが、この発明においては、リフレクタの上下の反射面を、境界線を有する複数のセグメントにより分割せずに、全体外形の配光パターンを形成する反射面と、中間の反射面を形成する反射面と、高光度帯の配光パターンを形成する反射面と、を滑らかに連続的に設けても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 車両用前照灯
2 半導体型光源
20 基板
21 発光チップ
3 リフレクタ
31U 上側の第1反射面(収束型拡散反射面)
32U 上側の第2反射面(収束型拡散反射面)
33U 上側の第3反射面(収束型拡散反射面)
34U 上側の第4反射面(収束型拡散反射面)
31D 上側の第1反射面(発散型拡散反射面)
32D 上側の第2反射面(発散型拡散反射面)
33D 上側の第3反射面(発散型拡散反射面)
34D 上側の第4反射面(発散型拡散反射面)
F 基準焦点
O 発光チップの中心
X X軸
Y Y軸(鉛直軸)
Z Z軸(基準光軸)
HL−HR スクリーンの左右の水平線
VU―VD スクリーンの上下の垂直線
HPA 理想に近いハイビーム用配光パターン
SPA 理想に近いハイビーム用配光パターンの高光度帯
HPB 従来の車両用前照灯のハイビーム用配光パターン
SPB 従来の車両用前照灯の近いハイビーム用配光パターンの高光度帯
P1L 左側の全体外形の配光パターン
P1R 右側の全体外形の配光パターン
P2L、P3L 左側の中間の配光パターン
P2R、P3R 右側の中間の配光パターン
P4L 左側の高光度帯の配光パターン
P4R 右側の高光度帯の配光パターン
図1
図2
図3
図4
図7
図8
図5
図6