特許第5772577号(P5772577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772577
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
   F24F11/02 P
   F24F11/02 103C
   F24F11/02 104A
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-287090(P2011-287090)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-137112(P2013-137112A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久
(74)【代理人】
【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二
(74)【代理人】
【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実
(74)【代理人】
【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也
(74)【代理人】
【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100131901
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 雅典
(74)【代理人】
【識別番号】100132012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩下 嗣也
(74)【代理人】
【識別番号】100141276
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 康二
(74)【代理人】
【識別番号】100143409
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100157093
【弁理士】
【氏名又は名称】間脇 八蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100163186
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 裕吉
(74)【代理人】
【識別番号】100163197
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100163588
【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 祥平
(72)【発明者】
【氏名】東山 伸
(72)【発明者】
【氏名】大西 新吾
(72)【発明者】
【氏名】林 万里央
(72)【発明者】
【氏名】上中 俊一
(72)【発明者】
【氏名】大月 真也
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−054065(JP,A)
【文献】 特開2008−101895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機(10)と室内機(20)とを備え、運転停止時に電力が前記室外機(10)に供給されない待機状態に移行するように構成された空気調和装置であって、
前記待機状態に移行するための前記室外機(10)の条件が充足しているか否かを判定し、前記条件を充足していると前記室外機(10)の待機許可信号を出力する移行判定部(10a)を備える一方、
前記室外機(10)は、前記移行判定部(10a)の待機許可信号に基づいて前記室外機(10)を待機状態の室外機(10)に移行させると共に、待機移行信号を出力する移行出力部(10b)を備え、
前記室内機(20)は、前記室外機(10)の待機移行信号を受信して前記室外機(10)の待機状態の移行を確認した後、前記室内機(20)を待機状態の室内機(20)に移行させる移行制御部(20b)を備えている
ことを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記移行判定部(10a)は、前記室外機(10)に設けられている
ことを特徴とする空気調和装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、前記室外機(10)と前記室内機(20)との間の通信における応答信号で構成された待機移行信号によって前記室外機(10)の待機状態の移行を確認する
ことを特徴とする空気調和装置。
【請求項4】
請求項1または2において、
前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、前記室外機(10)と前記室内機(20)との間の通信のロー状態で構成された待機移行信号によって前記室外機(10)の待機状態の移行を確認する
ことを特徴とする空気調和装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1において、
前記室内機(20)を操作するリモコン(30)は、待機状態の移行を要求する要求信号を前記室内機(20)に出力する要求制御部(20a)を備え、
前記室内機(20)は、前記リモコン(30)の要求信号に基づき前記室内機(20)が待機状態に移行するための条件を充足していると待機状態の移行を要求する要求信号を前記室外機(10)に出力する要求制御部(30a)を備え、
前記室外機(10)の移行出力部(10b)は、前記室内機(20)の要求信号に基づき待機状態の移行を判定する
ことを特徴とする空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関し、特に、空気調和装置の待機電力低減の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置には、特許文献1に開示されているように、待機電力を低減する目的で、運転待機時に室外機内の回路への給電を止めて待機状態にし、起動時に室内機から室外機に給電し、室外機の待機状態を解除して起動するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−243051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の空気調和装置においては、待機状態の移行手順については何ら考慮されていないという問題があった。つまり、室外機と室内機とが個々に待機状態に移行すると、本来必要な通信が行われなくなどの支障が生ずることになる。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、待機状態に円滑に移行するようにして信頼性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、室外機(10)と室内機(20)とを備え、運転停止時に電力が前記室外機(10)に供給されない待機状態に移行するように構成された空気調和装置である。そして、前記第1の発明は、前記待機状態に移行するための前記室外機(10)の条件が充足しているか否かを判定し、前記条件を充足していると前記室外機(10)の待機許可信号を出力する移行判定部(10a)を備える一方、前記室外機(10)が、前記移行判定部(10a)の待機許可信号に基づいて前記室外機(10)を待機状態の室外機(10)に移行させると共に、待機移行信号を出力する移行出力部(10b)を備え、前記室内機(20)が、前記室外機(10)の待機移行信号を受信して前記室外機(10)の待機状態の移行を確認した後、前記室内機(20)を待機状態の室内機(20)に移行させる移行制御部(20b)を備えていることを特徴としている。
【0007】
前記第1の発明では、例えば、空調運転の停止時において、前記室外機(10)が待機状態に移行するための条件を充足していると、待機状態の室外機(10)に移行させると共に、待機移行信号を出力する。その後、前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、前記室外機(10)の待機移行信号を受信すると、前記室外機(10)が待機状態の室外機(10)に移行したことを確認した後、前記室内機(20)を待機状態の室内機(20)に移行させる。よって、前記室外機(10)および室内機(20)は、円滑に待機状態の室外機(10)および室内機(20)に移行する。
【0008】
第2の発明は、前記第1の発明において、前記移行判定部(10a)が前記室外機(10)に設けられていることを特徴としている。
【0009】
前記第2の発明では、前記室外機(10)が待機状態の室外機(10)に移行するか否かを判定する。
【0010】
第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が、前記室外機(10)と前記室内機(20)との間の通信における応答信号で構成された待機移行信号によって前記室外機(10)の待機状態の移行を確認することを特徴としている。
【0011】
前記第3の発明では、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が前記室外機(10)と室内機(20)との間の通信における応答信号によって前記室外機(10)の待機状態の移行を確認する。
【0012】
第4の発明は、前記第1または第2の発明において、前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、前記室外機(10)と前記室内機(20)との間の通信のロー状態で構成された待機移行信号によって前記室外機(10)の待機状態の移行を確認することを特徴としている。
【0013】
前記第4の発明では、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が前記室外機(10)と室内機(20)との間の通信のロー状態で前記室外機(10)の待機状態の移行を確認する。
【0014】
第5の発明は、前記第1〜第4の何れか1の発明において、前記室内機(20)を操作するリモコン(30)が、待機状態の移行を要求する要求信号を前記室内機(20)に出力する要求制御部(20a)を備え、前記室内機(20)が、前記リモコン(30)の要求信号に基づき前記室内機(20)が待機状態に移行するための条件を充足していると待機状態の移行を要求する要求信号を前記室外機(10)に出力する要求制御部(30a)を備え、前記室外機(10)の移行出力部(10b)が、前記室内機(20)の要求信号に基づき待機状態の移行を判定することを特徴としている。
【0015】
前記第5の発明では、前記リモコン(30)の要求制御部(30a)が待機移行を要求する要求信号を室内機(20)に出力する。つまり、例えば、前記リモコン(30)は、運転停止信号が入力されると、前記室内機(20)に待機移行の要求信号を出力する。そして、前記室内機(20)の要求制御部(20a)は、前記リモコン(30)の要求信号に基づき前記室内機(20)が待機状態に移行するための条件を充足していると待機移行を要求する要求信号を前記室外機(10)に出力する。その後、前記室外機(10)の移行出力部(10b)が前記室内機(20)の要求信号に基づき待機状態の移行を判定する。よって前記リモコン(30)と前記室内機(20)と前記室外機(10)とが何れも協調して待機状態に移行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、室内機(20)の移行制御部(20b)が室外機(10)の待機状態の移行を確認した後、室内機(20)を待機状態に移行させるので、室外機(10)と室内機(20)とが協調して待機状態に移行することになる。この結果、前記室外機(10)と室内機(20)とが個々に待機状態に移行することによる支障を回避することができ、前記室外機(10)および室内機(20)を円滑に待機状態に移行させることができる。
【0017】
また、第2の発明よれば、室外機(10)が待機状態に移行するための条件を判定するので、信号伝送等の簡略化を図ることができる。
【0018】
また、第3の発明よれば、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が室外機(10)と室内機(20)との間の応答信号によって室外機(10)の待機状態の移行を確認するので、前記室内機(20)が正確に室外機(10)の待機状態の移行を確認することができる。
【0019】
また、第4の発明よれば、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が室外機(10)と室内機(20)との間のロー状態の信号によって室外機(10)の待機状態の移行を確認するので、前記室内機(20)が簡易な信号によって室外機(10)の待機状態の移行を確認することができる。
【0020】
また、第5の発明よれば、リモコン(30)の要求信号によって室内機(20)が待機移行の要要求信号を室外機(10)に出力し、室外機(10)が室内機(20)の要求信号に基づき待機状態の移行を判定するので、前記リモコン(30)と室内機(20)と室外機(10)とが何れも協調して待機状態に移行することになる。この結果、前記リモコン(30)と室外機(10)と室内機(20)とを円滑に待機状態に移行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施形態にかかる空気調和装置の制御系統の概略を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態にかかる空気調和装置の電装系統のブロック図である。
図3図3は、本実施形態における空気調和装置の状態遷移図である。
図4図4は、平滑コンデンサに充電される回路が形成された時点の各リレーの状態を示す図である。
図5図5は、充電状態への移行が完了した後の各リレーの状態を示す図である。
図6図6は、ウエイト状態への移行完了時における各リレーの状態を示す図である。
図7図7は、運転状態における各リレーの状態を示す図である。
図8図8は、サスペンド状態の移行を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0023】
《発明の実施形態》
〈全体構成〉
図1は、本発明の実施形態にかかる空気調和装置の制御系統の概略を示すブロック図であり、図2は、前記空気調和装置(1)の電装系統のブロック図である。空気調和装置(1)は、図2に示すように、室外機(10)、室内機(20)、及びリモートコントローラ(30)を備えている。なお、図示は省略するが、室外機(10)は、電動圧縮機、室外熱交換器、室外ファン、膨張弁などの機器が設けられ、室内機(20)には、室内熱交換器、室内ファンなどの機器が設けられている。空気調和装置(1)では、これらの機器によって、冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示は省略)が構成されている。また、前記リモートコントローラ(30)は、以下、リモコン(30)という。
【0024】
空気調和装置(1)では、室外機(10)で、商用交流電源(40)から交流(この例では200Vの三相交流)を受電して室外機(10)内の回路や前記電動圧縮機の電力として用いる他、その三相交流の2相分を室内機(20)に給電するようになっている。また、室外機(10)と室内機(20)との間では、室内機(20)側から室外機(10)を制御するため等の目的で、信号の通信を行うようになっている。そのため、空気調和装置(1)では、商用交流電源(40)(以下、単に交流電源とも言う)からの交流電力を送電する電力配線(L)と、前記信号を伝送する信号線(S)と、前記交流電力の送電と前記信号の伝送に共用する共通線(N)との4線(内外配線)が室外機(10)と室内機(20)との間に設けられている。
【0025】
この例では、電力配線(L)は、室外機(10)において交流電源(40)のR相に接続され、共通線(N)は、室外機(10)において交流電源(40)のS相に接続されている。すなわち、室内機(20)は、交流電源(40)のR相及びS相に接続されて単相交流が供給されている。信号線(S)は、前記信号の送受信の他に、後述するように、交流電力の送電にも使用する。そのため、信号線(S)は、送電電力に応じた電流容量を有する配線部材を採用している。本実施形態では、電力配線(L)や共通線(N)と同じ配線部材を信号線(S)に用いている。
【0026】
〈室外機(10)〉
室外機(10)は、電装系統として、第1室外側電源回路(14)、第2室外側電源回路(12)、室外機伝送回路(11)、室外側制御回路(13)、リレー(K13R,K14R,K15R)を備えている。
【0027】
−第1室外側電源回路(14)−
第1室外側電源回路(14)は、交流電源(40)から受電した4相交流を直流に変換し、いわゆるインテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、図中ではIPMと略記)や室外ファンモータに供給する。なお、インテリジェントパワーモジュールは、入力された直流を所定の周波数及び電圧の交流に変換し、前記電動圧縮機のモータに給電する。この例では、第1室外側電源回路(14)は、ノイズフィルタ(14a)、2つのメインリレー(14b)、2つのダイオードブリッジ回路(14c)、リアクトル(14d)、及び平滑コンデンサ(14e)を備えている。
【0028】
ノイズフィルタ(14a)は、コンデンサとコイルで形成されている。2つのメインリレー(14b)は、前記三相交流のR相、T相の供給ラインにそれぞれ設けられている。これらのメインリレー(14b)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。詳しくは、メインリレー(14b)は、ひとつの固定接点と、ひとつの可動接点とを有し、該メインリレー(14b)のコイルに通電すると、これらの接点が接続状態(オン)になる。2つのダイオードブリッジ回路(14c)のうち、一方は、前記三相交流のR相及びS相を入力とし、もう一方は、前記三相交流のS相及びT相を入力とし、入力された交流をそれぞれ全波整流する。これらのダイオードブリッジ回路(14c)の出力は、リアクトル(14d)を介して平滑コンデンサ(14e)に入力され、平滑コンデンサ(14e)で平滑化される。平滑コンデンサ(14e)で平滑化された直流は、前記インテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに供給される。
【0029】
−第2室外側電源回路(12)−
第2室外側電源回路(12)は、前記三相交流のR相及びS相の2相を直流(この例では5V)に変換し、室外側制御回路(13)に供給する。この例では、第2室外側電源回路(12)は、ダイオードブリッジ回路(12a)、平滑コンデンサ(12b)、及びスイッチング電源(12c)を備えている。ダイオードブリッジ回路(12a)は、一方の入力が、後に詳述するリレー(K13R)に接続され、もう一方の入力が、前記三相交流のS相に接続されている。ダイオードブリッジ回路(12a)の出力は、平滑コンデンサ(12b)で平滑化された後に、スイッチング電源(12c)に入力されている。スイッチング電源(12c)は、例えばDC-DCコンバータで構成され、入力された直流を所定の電圧(5V)に変換して室外側制御回路(13)に出力する。
【0030】
−室外機伝送回路(11)−
室外機伝送回路(11)は、室内機伝送回路(21)との間で信号の通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて、ハイレベル及びローレベルの2値のデジタル信号の通信を行う。室内機伝送回路(21)内の通信回路(図示は省略)は、一端が共通線(N)に接続され、通信回路の他端はリレー(K14R)を介して信号線(S)に接続されている。
【0031】
−リレー(K13R)−
リレー(K13R)は、第2室外側電源回路(12)への交流供給の経路を切り替えるリレーである。リレー(K13R)は、いわゆるC接点リレーで構成されている。詳しくは、リレー(K13R)は、2つの固定接点と、ひとつの可動接点を有し、該リレー(K13R)のコイルに通電されていない場合は、一方の固定接点(ノーマルクローズ接点とよぶ)と可動接点とが接続され、該コイルに通電されると、もう一方の固定接点(ノーマルオープン接点とよぶ)と可動接点とが接続される。リレー(K13R)の切換え(コイルへの通電の有無)は、室外側制御回路(13)が制御する。
【0032】
この例では、リレー(K13R)の可動接点は、ダイオードブリッジ回路(12a)の入力に接続されている。また、ノーマルクローズ接点は、信号線(S)に接続され、ノーマルオープン接点は、前記三相交流のR相に接続されている。すなわち、リレー(K13R)のコイルに通電されていない場合は、ノーマルクローズ接点と可動接点とが接続されて、ダイオードブリッジ回路(12a)の一方の入力は信号線(S)に接続される。リレー(K13R)のコイルに通電されると、可動接点とノーマルオープン接点とが接続されて、第2室外側電源回路(12)のダイオードブリッジ回路(12a)に交流が入力される状態になる。
【0033】
−リレー(K14R)−
リレー(K14R)は、信号線(S)と室外機伝送回路(11)との接続及び非接続を切り替えるリレーである。リレー(K14R)は、いわゆるA接点リレーで構成され、そのコイルに通電すると、固定接点と可動接点とがオン状態になる。リレー(K14R)のオンオフは、室外側制御回路(13)が制御する。この例では、リレー(K14R)は、可動接点が信号線(S)に接続され、もう固定接点が室外機伝送回路(11)内の通信回路(図示は省略)の一端に接続されている。勿論、A接点リレーでは、入力する信号等と各接点の対応関係は逆にしてもよい。
【0034】
−リレー(K15R)−
リレー(K15R)は、室外機伝送回路(11)への電力供給の有無を切り替えるリレーである。リレー(K15R)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。リレー(K15R)は、一方の接点が室外機伝送回路(11)の電源供給ノードに接続され、もう一方の接点が、前記三相交流のR相に接続されている。リレー(K15R)をオンにすれば、室外機伝送回路(11)は給電され、リレー(K15R)をオフにすれば室外機伝送回路(11)への給電が断たれる。リレー(K15R)のオンオフは、室外側制御回路(13)が制御する。
【0035】
−室外側制御回路(13)−
室外側制御回路(13)は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)と、それを動作させるプログラムを格納したメモリーを含んでいる(図示は省略)。室外側制御回路(13)は、例えば室外機伝送回路(11)が室内機伝送回路(21)から受信した信号に応じて前記電動圧縮機等の制御を行う他、室外機(10)の起動時の制御(後述)も行う。室外側制御回路(13)は、空気調和装置(1)がサスペンド状態(空気調和装置(1)全体として消費電力が最小になる状態。詳しくは後述)の場合には、電力供給が断たれて動作を停止する。
【0036】
〈室内機(20)〉
室内機(20)は、電装系統として、室内側電源回路(22)、室内機伝送回路(21)、室内側制御回路(23)、リレー(K2R)、第1ダイオード(D1)、及び第2ダイオード(D2)を備えている。
【0037】
−室内側電源回路(22)−
室内側電源回路(22)は、ノイズフィルター(22a)、ダイオードブリッジ回路(22b)、平滑コンデンサ(22c)、及びスイッチング電源(22d)を備えている。室内側電源回路(22)は、電力配線(L)及び共通線(N)を介して交流電源(40)から供給された交流を直流(この例では5Vの直流)に変換し、室内側制御回路(23)に供給する。
【0038】
この例では、ノイズフィルター(22a)は2つのコイルで形成されている。ダイオードブリッジ回路(22b)は、ノイズフィルター(22a)を介して電力配線(L)及び共通線(N)から入力された交流を全波整流する。平滑コンデンサ(22c)は、例えば電解コンデンサで形成され、ダイオードブリッジ回路(22b)の出力を平滑化する。スイッチング電源(22d)は、例えばDC-DCコンバータなどで構成され、平滑コンデンサ(22c)が平滑化した直流を所定の電圧(5V)に変換して室内側制御回路(23)に出力する。
【0039】
−室内機伝送回路(21)−
室内機伝送回路(21)は、既述の通り、室外機伝送回路(11)との間で信号の通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて、デジタル信号の通信を行うので、室内機伝送回路(21)の通信回路の一端は、第2ダイオード(D2)を介して信号線(S)に接続され、通信回路の他端は共通線(N)に接続されている。
【0040】
−リレー(K2R)、第1及び第2ダイオード(D1,D2)−
リレー(K2R)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。本実施形態では、リレー(K2R)と第1ダイオード(D1)は、室内機(20)内に設けられ、電力配線(L)と信号線(S)との間に直列接続されている。より詳しくは、リレー(K2R)の可動接点は、電力配線(L)と接続され、リレー(K2R)の固定接点は、第1ダイオード(D1)のカソードに接続されている。そして、第1ダイオード(D1)のアノードは信号線(S)に接続されている。
【0041】
リレー(K2R)は、電力配線(L)と信号線(S)間のオンオフを切り替えるスイッチとして機能する。リレー(K2R)のオンオフは、室内側制御回路(23)が制御する。リレー(K2R)は、本発明のオンオフスイッチの一例である。また、第1ダイオード(D1)は、室内機伝送回路(21)へ流入する方向の交流電流を阻止する。なお、第1ダイオード(D1)とリレー(K2R)の位置関係は逆にしてもよい。すなわち、第1ダイオード(D1)のカソードを電力配線(L)に接続するとともに、第1ダイオード(D1)のアノードをリレー(K2R)の一方の接点に接続し、リレー(K2R)のもう一方の接点を信号線(S)に接続するようにしてもよい。
【0042】
第2ダイオード(D2)のアノードは、第1ダイオード(D1)と信号線(S)の接続ノード(ND1)に接続され、カソードは、室内機伝送回路(21)における信号入力ノード(ND2)に接続されている。第2ダイオード(D2)は、室内機伝送回路(21)から流出する方向の交流電流を阻止する。空気調和装置(1)では共通線(N)が交流電源(40)のS相に接続されているので、室内機伝送回路(21)と室外機伝送回路(11)との通信信号には、該S相の交流が第2ダイオード(D2)で半波整流されて重畳されることになる。第1及び第2ダイオード(D1,D2)で、本発明の保護回路の一例を構成している。
【0043】
−室内側制御回路(23)−
室内側制御回路(23)は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)と、それを動作させるプログラムを格納したメモリーを含んでいる(図示は省略)。室内側制御回路(23)は、リモコン(30)からの指令を受けて、空気調和装置(1)の運転状態(後述)を制御する。室内側制御回路(23)は、リモコン(30)からの指令を受信するために、常に室内側電源回路(22)によって給電されている。
【0044】
〈リモコン(30)〉
リモコン(30)は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)を備え、ユーザーの操作を受け付けるとともに、ユーザーの操作に応じた信号を室内側制御回路(23)に送信する。ユーザーは、例えば、リモコン(30)のボタン操作により、空気調和装置(1)の運転開始、停止、設定温度調整などを行えるようになっている。リモコン(30)は、信号線で室内側制御回路(23)と結線されたいわゆるワイヤードリモコン(30)として構成してもよいし、赤外線や電波を用いて室内側制御回路(23)と通信を行う、いわゆるワイヤレスリモコン(30)として構成してもよい。
【0045】
〈通信構成〉
次に、本実施形態の特徴の1つであるサスペンド状態に移行するための通信構成について説明する。なお、前記サスペンド状態とは、本願発明における待機状態である。
【0046】
前記図1に示すように、前記リモコン(30)は、サスペンド状態の要求制御部(30a)と移行制御部(30b)を備え、前記室内機(20)は、サスペンド状態の要求制御部(20a)と移行制御部(20b)を備え、前記室外機(10)は、移行判定部(10a)とサスペンド状態の移行出力部(10b)を備えている。
【0047】
前記リモコン(30)の要求制御部(30a)は、サスペンド状態の移行を要求する要求信号を室内機(20)に出力するものであり、例えば、ユーザーの操作により空調運転の停止信号が入力されると、要求信号を室内機(20)に出力する。
【0048】
前記リモコン(30)の移行制御部(30b)は、室内機(20)から待機移行信号であるサスペンド移行信号を入力されると、リモコン(30)をサスペンド状態のリモコン(30)に移行させる。
【0049】
前記室内機(20)の要求制御部(20a)は、リモコン(30)の要求信号に基づき室内機(20)がサスペンド状態に移行するための条件を充足しているとサスペンド状態の移行を要求する要求信号を室外機(10)に出力する。
【0050】
前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、室外機(10)の待機移行信号であるサスペンド移行信号を受信して室外機(10)がサスペンド状態の室外機(10)に移行したことを確認した後、室内機(20)をサスペンド状態の室内機(20)に移行させると共に、リモコン(30)にサスペンド移行信号を出力する。また、前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、室外機(10)と室内機(20)との間の通信における応答信号で構成されたサスペンド移行信号によって室外機(10)のサスペンド状態の移行を確認する。
【0051】
前記室外機(10)の移行判定部(10a)は、前記室内機(20)の要求信号に基づいてサスペンド状態に移行するための室外機(10)の条件が充足しているか否かを判定し、前記条件を充足していないと室外機(10)の待機不許可信号であるサスペンド不許可信号を出力し、前記条件を充足していると室外機(10)の待機許可信号であるサスペンド許可信号を出力する。
【0052】
前記室外機(10)の移行出力部(10b)は、移行判定部(10a)のサスペンド許可信号に基づき、室外機(10)をサスペンド状態の室外機(10)に移行させると共に、サスペンド移行信号を室内機(20)に出力する。
【0053】
〈空気調和装置の動作〉
図4は、空気調和装置(1)の状態遷移図である。空気調和装置(1)は、以下に説明するサスペンド状態、充電状態、ウエイト状態、及び運転状態の4つの状態を遷移する。なお、以下において、待機電力とは「機器が非使用状態、若しくは何らかの入力(命令指示等)待ちの時に定常的に消費している電力」をいう。具体的に、空気調和装置(1)では、リモコン(30)の待ち受けのみを行うのに必要な電力が待機電力である。
【0054】
(1)サスペンド状態
サスペンド状態とは、室内機(20)には電力が供給され、室外機(10)には電力が供給されていない状態である。
【0055】
本実施形態のサスペンド状態は、一例として、空気調和装置(1)全体として消費電力が最小になる状態となっている。具体的に、本実施形態のサスペンド状態では、室外機(10)は電力を受電してそれを室内機(20)へ供給はするが、室外機(10)内部の各回路や前記電動圧縮機などには電力が供給されていない状態である。このように、サスペンド状態では、室外機(10)の各回路への電力供給が断たれ、待機電力の低減を図ることができる。
【0056】
一方、室内機(20)は、待機電力が最小となる状態であり、室内側制御回路(23)においてリモートコントローラ(30)からの信号受信にかかわる部分は、室内側電源回路(22)から電力を受けて動作している。なお、リモートコントローラ(30)も、待機電力が最小となる状態であり、時刻表示などの所定の表示やユーザーのボタン操作の受け付けは可能な状態である。なお、室内機(20)およびリモートコントローラ(30)の消費電力(待機電力)の程度はこれに限らない。
【0057】
(2)充電状態
充電状態とは、室外機(10)では、第2室外側電源回路(12)の平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成され、室外機伝送回路(11)と室内機伝送回路(21)の間の信号伝送が開始されるまでの期間における状態をいう。このとき、室内機(20)の電力消費は、サスペンド状態と同様である。
【0058】
(4)ウエイト状態
ウエイト状態とは、運転開始時には前記充電状態を抜けた状態であり、運転停止時には運転状態(後述)から遷移する状態であり、何れも、室外機(10)が、即時、運転状態(後述)へ移行可能な状態をいう。ウエイト状態では、室外機伝送回路(11)および室外側制御回路(13)の動作も可能である。特に、運転停止時のウエイト状態(運転状態から遷移するウエイト状態)は、電動圧縮機における冷媒圧力を均圧させるためや、運転開始と運転停止を繰り返すスクジュール運転が設定されている場合などのために設けられており、その時間は例えば10分である。なお、室内機(20)の電力消費はサスペンド状態と同様である。
【0059】
(4)運転状態
運転状態とは、メインリレー(14b)をオンにして、電動圧縮機や室外ファンが運転可能な状態、若しくは運転している状態をいう。いわゆる欠相通電やサーモオフ状態もこれにあたる。なお、室内機(20)では、室内ファン等が運転状態となり、電力消費は、前記の各状態よりも増える。また、リモコン(30)は、運転指示状態(例えば個々の運転状態を表示した状態)である。
【0060】
−空気調和装置(1)における状態遷移−
空気調和装置(1)では、運転開始する場合には、図4に実線矢印で示した順で、サスペンド状態から運転状態に遷移し、運転停止する場合には、同図に破線矢印で示した順で、運転状態からサスペンド状態に遷移する。以下では、一例としてサスペンド状態から運転状態までの遷移を説明する。
【0061】
〈サスペンド状態における電装系統〉
まず、サスペンド状態における電装系統の状態を説明する。図2では、サスペンド状態におけるリレーの状態を示している。サスペンド状態では、室外機(10)は、メインリレー(14b)のコイルには通電されておらず、第1室外側電源回路(14)からはインテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに電力供給されない。また、他のリレー(K13R,K14R,K15R)のコイルにも通電されていない。したがって、リレー(K14R)及びリレー(K15R)はオフ状態である。すなわち、室外機伝送回路(11)は、信号線(S)との接続が断たれるとともに、電力の供給も断たれている。また、リレー(K13R)は、ノーマルクローズ接点と可動接点とが接続された状態になる。つまり、第2室外側電源回路(12)のダイオードブリッジ回路(12a)は、一方の入力が信号線(S)に接続されている。この状態では第2室外側電源回路(12)には通電されず、室外側制御回路(13)への給電も行われない。以上の通り、サスペンド状態では、室外機(10)では待機電力をなくすことができる。
【0062】
サスペンド状態における室内機(20)では、リレー(K2R)のコイルには通電されず、オフ状態である。すなわち、信号線(S)と電力配線(L)とは電気的には非接続状態である。なお、既述の通り、室内機(20)では、室内側制御回路(23)においてリモコン(30)からの信号受信にかかわる部分は、室内側電源回路(22)から電力を受けて動作している。
【0063】
〈サスペンド状態から充電状態への移行〉
図4は、平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成された時点の各リレーの状態を示す図である。また、図5は、充電状態への移行が完了した後の各リレーの状態を示す図である。例えばユーザーがリモコン(30)を操作して、空気調和装置(1)の運転開始(例えば冷房運転の開始)を指示すると、室内側制御回路(23)は、リレー(K2R)のコイルに通電させる。そうすると、空気調和装置(1)では、前記三相交流のR相から、電力配線(L)、リレー(K2R)、第1ダイオード(D1)、信号線(S)、及びリレー(K13R)を介してダイオードブリッジ回路(12a)の一方の入力に到る送電経路(説明の便宜上、起動時送電経路とよぶ)が形成される。ダイオードブリッジ回路(12a)の他方の入力は、前記三相交流のS相に接続されているので、ダイオードブリッジ回路(12a)には、第1ダイオード(D1)で半波整流された単相交流が供給される。すなわち、平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成された状態になる(図4参照)。
【0064】
このとき、前記三相交流のR相の電位がS相の電位よりも高い場合(すなわちR相からS相に交流電流が流れる場合)は、第1ダイオード(D1)によって、電力配線(L)から室内機伝送回路(21)及び室外機(10)へ流入する方向の交流電流が阻止される。また、室内機伝送回路(21)は、室内側電源回路(22)を介してR相とつながるが、室内機伝送回路(21)から信号線(S)へ流出する方向の交流電流は、第2ダイオード(D2)によって阻止される。
【0065】
前記三相交流のS相の電位がR相の電位よりも高い場合(すなわちS相からR相に交流電流が流れる場合)は、ダイオードブリッジ回路(12a)に電流が流れる。この場合、室内機伝送回路(21)内の通信回路の一端は共通線(N)介して前記三相交流のS相に接続され、該通信回路の他端は、信号線(S)、リレー(K13R)、及びダイオードブリッジ回路(12a)を介して、やはり前記三相交流のS相に接続されている。つまり、室内機伝送回路(21)は、三相交流のうちの1相のみと繋がっている。それゆえ、信号線(S)を交流電力の送電に用いても、室内機伝送回路(21)内の通信回路に、その交流電流が流れることはない。以上のようにして、室外機伝送回路(11)が過電圧から保護される。
【0066】
平滑コンデンサ(12b)が充電されてスイッチング電源(12c)への入力が安定し、スイッチング電源(12c)が規定の直流電圧(この例では5V)を出力できるようになると、室外側制御回路(13)が起動する。起動した室外側制御回路(13)は、リレー(K13R)のコイルに通電させて、ノーマルオープン接点と可動接点とを接続状態とする。これにより、ダイオードブリッジ回路(12a)の一方の入力は、前記三相交流のR相に、室外機(10)内の送電経路を介して接続される。すなわち、室外側制御回路(13)は、信号線(S)を経由せずに交流電源(40)から電力供給された状態に切り換わる(図5参照)。これにより、空気調和装置(1)では、前記充電状態への移行が完了する。
【0067】
〈充電状態からウエイト状態への移行〉
図6は、ウエイト状態への移行完了時における各リレーの状態を示す図である。室内機(20)では、リレー(K2R)をオンにしてから所定の時間(室外側制御回路(13)が起動するに十分な時間)が経過した後に、リレー(K2R)をオフにする。これにより、信号線(S)を信号の送受信に使用できるようになる。
【0068】
室外機(10)では、リレー(K2R)がオフになったのを見計らって、室外側制御回路(13)は、リレー(K15R)をオンにし、室外機伝送回路(11)に電力が供給された状態にするとともに、リレー(K14R)をオンにする。これにより、室外機伝送回路(11)内の通信回路が、信号線(S)及び共通線(N)を介して室内機伝送回路(21)と接続され、室内機伝送回路(21)と通信可能な状態になる。これで、空気調和装置(1)は、前記充電状態を抜け、即時運転状態へ移行可能な状態(すなわちウエイト状態)となる。
【0069】
〈ウエイト状態から運転状態への移行〉
図7は、運転状態における各リレーの状態を示す図である。ウエイト状態から運転状態への移行する際には、室外側制御回路(13)は、2つのメインリレー(14b)をオンにする。これにより、第1室外側電源回路(14)によって、前記インテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに電力が供給されて、電動圧縮機などが運転状態になり、例えば冷房が行われる。
【0070】
〈サスペンド状態への移行〉
次に、本実施形態の特徴の1つであるサスペンド状態に移行する移行動作について、図8に基づき説明する。
【0071】
先ず、前記リモコン(30)は、ユーザーの操作により空調運転の停止信号Aが入力されると、停止信号B1を室内機(20)に出力する。該室内機(20)は、リモコン(30)の停止信号B1を受けて室外機(10)に停止信号B2を出力する。該室外機(10)は、室内機(20)の停止信号B2を受けて、圧縮機等の停止信号B4を出力する。
【0072】
一方、前記リモコン(30)の要求制御部(30a)は、停止信号Aを出力した後、所定時間後(例えば、10秒後)にサスペンド状態の移行を要求する要求信号C1を室内機(20)に出力する。該室内機(20)の要求制御部(20a)は、リモコン(30)の停止信号C1を受けて室外機(10)にサスペンド状態の移行の要求信号C2を出力する。該室外機(10)は、室内機(20)の要求信号C2を受けて、サスペンド状態の移行の要求信号C4を他の制御系統に出力する。そして、前記室外機(10)の移行判定部(10a)は、前記室内機(20)の要求信号C4に基づいてサスペンド状態に移行するための室外機(10)の条件が充足しているか否かを判定し、前記条件を充足していないと室外機(10)のサスペンド不許可信号を出力する。そして、前記移行判定部(10a)のサスペンド不許可信号に基づき、移行出力部(10b)は、サスペンド移行の拒否信号D1を室内機(20)に出力する。
【0073】
前記室内機(20)は、室外機(10)の拒否信号D1を受けて、サスペンド移行の拒否信号D2をリモコン(30)に出力する。該リモコン(30)は、サスペンド移行の拒否信号D4を他の制御系統に出力する。
【0074】
その後、前記リモコン(30)の要求制御部(30a)は、再度サスペンド状態の移行を要求する要求信号E1を室内機(20)に出力する。該室内機(20)の要求制御部(20a)は、リモコン(30)の停止信号E1を受けて室外機(10)にサスペンド状態の移行の要求信号E2を出力する。該室外機(10)は、室内機(20)の要求信号E2を受けて、サスペンド状態の移行の要求信号E4を他の制御系統に出力する。そして、前記室外機(10)の移行判定部(10a)は、前記室内機(20)の要求信号E4に基づき室外機(10)のサスペンド状態の移行を判定し、サスペンド状態に移行するための条件を充足していると、室外機(10)のサスペンド許可信号を出力する。そして、前記移行判定部(10a)のサスペンド不許可信号に基づき、移行出力部(10b)は、サスペンド状態の室外機(10)に移行させると共に、サスペンド移行信号F1を室内機(20)に出力する。
【0075】
なお、前記室外機(10)は、サスペンド移行信号F1を出力した後、リレー(K13R)のノーマルクローズ接点と可動接点とを接続し、第2室外側電源回路(12)への電力供給を遮断する。
【0076】
前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、室外機(10)のサスペンド移行信号F1を受けて、室外機(10)がサスペンド状態の室外機(10)に移行したことを確認した後、室内機(20)をサスペンド状態の室内機(20)に移行させると共に、リモコン(30)にサスペンド移行信号F2を出力する。前記リモコン(30)の移行制御部(30b)は、室内機(20)のサスペンド移行信号F2を受けて、サスペンド移行信号F4を他の制御系統に出力すると共に、リモコン(30)をサスペンド状態のリモコン(30)に移行させる。この結果、前記リモコン(30)と室内機(20)と室外機(10)の全てが最小電力状態となり、空気調和装置(1)がサスペンド状態に移行する。
【0077】
なお、前記室内機(20)の移行制御部(20b)は、室外機(10)と室内機(20)との間の通信における応答信号で構成されたサスペンド移行信号によって室外機(10)のサスペンド状態の移行を確認し、前記リモコン(30)の移行制御部(30b)は、室内機(20)とリモコン(30)との間の通信における応答信号で構成されたサスペンド移行信号によって室内機(20)のサスペンド状態の移行を確認する。
【0078】
〈本実施形態における効果〉
以上のように本実施形態によれば、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が室外機(10)のサスペンド状態の移行を確認した後、室内機(20)をサスペンド状態に移行させるので、室外機(10)と室内機(20)とが協調してサスペンド状態に移行することになる。この結果、前記室外機(10)と室内機(20)とが個々にサスペンド状態に移行することによる支障を回避することができ、前記室外機(10)および室内機(20)を円滑にサスペンド状態に移行させることができる。
【0079】
特に、前記リモコン(30)の要求信号によって室内機(20)がサスペンド移行の要要求信号を室外機(10)に出力し、室外機(10)が室内機(20)の要求信号に基づきサスペンド状態の移行を判定するので、前記リモコン(30)と室内機(20)と室外機(10)とが何れも協調してサスペンド状態に移行することになる。この結果、前記リモコン(30)と室外機(10)と室内機(20)とを円滑にサスペンド状態に移行させることができる。
【0080】
また、前記室外機(10)がサスペンド状態に移行するための条件を判定するので、信号伝送等の簡略化を図ることができる。
【0081】
また、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が室外機(10)と室内機(20)との間の応答信号によって室外機(10)のサスペンド状態の移行を確認するので、前記室内機(20)が正確に室外機(10)のサスペンド状態の移行を確認することができる。
【0082】
《その他の実施形態》
前記実施形態は、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が受けるサスペンド移行信号を室外機(10)と室内機(20)との間の通信における応答信号で構成し、前記リモコン(30)の移行制御部(30b)が受けるサスペンド移行信号を室内機(20)とリモコン(30)との間の通信における応答信号で構成した。
【0083】
しかし、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が受けるサスペンド移行信号は、室外機(10)と室内機(20)との間の通信のロー状態で構成してもよく、前記リモコン(30)の移行制御部(30b)が受けるサスペンド移行信号を室内機(20)とリモコン(30)との間の通信のロー状態で構成してもよい。つまり、前記室内機(20)は、室外機(10)がサスペンド状態に移行して信号がロー状態になるので、このロー信号をサスペンド移行信号として認識する。また、前記リモコン(30)は、室内機(20)がサスペンド状態に移行して信号がロー状態になるので、このロー信号をサスペンド移行信号として認識する。
【0084】
この結果、前記室内機(20)の移行制御部(20b)が室外機(10)と室内機(20)との間のロー状態の信号によって室外機(10)のサスペンド状態の移行を確認するので、前記室内機(20)が簡易な信号によって室外機(10)のサスペンド状態の移行を確認することができる。
【0085】
また、前記実施形態は、前記室内機(20)が室外機(10)のサスペンド移行信号F1に基づいて室外機(10)のサスペンド状態の移行を判定したが、下記のように判定してもよい。
【0086】
つまり、前記室外機(10)は、サスペンド状態へ移行するときにサスペンド移行信号(図8のF1)を送信する。そして、前記室内機(20)はサスペンド移行信号を受信した後、タイマー1(例えば、15秒)を動作させる。このタイマー1の所定時間が経過した場合、室内機(20)は室外機(10)がサスペンド状態に移行したと判断する。
【0087】
一方、前記室外機(10)は、サスペンド移行信号(図8のF1)を出力した後、リレー(K13R)を切り換えて電源を遮断すると同時にタイマー2(例えば、10秒)を動作させる。正常な状態においては、電源が遮断されるため、タイマー2が作動することなくマイコンも停止する。
【0088】
しかし、何らかの理由により前記リレー(K13R)が切り換わらず室外機(10)の電源が遮断されないままタイマー2の所定時間が経過した場合は、室外機(10)は、サスペンド移行信号(図8のF1)を取り下げる。例えば、室外機(10)は、タイマー2の所定時間が経過すると、サスペンド移行の拒否信号(図8のD1)を室内機(20)に出力する。そして、前記室内機(20)は、タイマー1の所定時間が経過する前にサスペンド移行信号(図8のF1)が取り下げられた場合、室外機(10)はサスペンド状態に移行できていないと判断する。その後、再度サスペンド状態の移行動作を実行する。
【0089】
また、前記リモコン(30)の移行制御部(30b)が室内機(20)とリモコン(30)との間のロー状態の信号によって室内機(20)のサスペンド状態の移行を確認するので、前記リモコン(30)が簡易な信号によって室内機(20)のサスペンド状態の移行を確認することができる。
【0090】
また、前記実施形態において、前記室外機(10)に移行判定部(10a)を設けたが、移行判定部(10a)を室内機(20)に設けてもよい。つまり、前記室内機(20)が室外機(10)の状態情報を受けて室内機(20)の移行判定部(10a)がサスペンド状態に移行するための室外機(10)の条件が充足しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0091】
なお、前記リレー(K2R)の代わりに半導体スイッチ(例えばトランジスタなど)を用いてもよい。
【0092】
また、前記商用交流電源(40)には単相交流を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、空気調和装置として有用である。
【符号の説明】
【0094】
1 空気調和装置
10 室外機
10a 移行判定部
10b 移行出力部
20 室内機
20a 要求制御部
20b 移行制御部
40 リモコン
40a 要求制御部
40b 移行制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8