(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
交流電源(40)からの交流を送電する電力配線(L)と、信号を伝送する信号線(S)と、前記交流の送電と前記信号の伝送に共用する共通線(N)とが室外機(10)と室内機(20)との間に設けられた空気調和装置(1)であって、
上記室内機(20)には、上記信号線(S)に接続された室内機伝送回路(21)と、上記信号線(S)及び電力配線(L)同士を接続するオン状態と該接続が遮断されたオフ状態とを切り換えるスイッチ(K2R)と、スイッチ(K2R)を制御する室内側制御回路(23)と、が設けられ、
上記室外機(10)には、室内側制御回路(23)によりスイッチ(K2R)がオンされることにより、上記交流電源(40)から信号線(S)及び電力配線(L)を経由する経路で電力供給を受けて起動し、起動後は、室内側制御回路(23)によりスイッチ(K2R)がオフされることにより、電力配線(L)及び信号線(S)を経由しない経路で交流電源から電力供給された状態に切り換わる室外側制御回路(13)と、上記信号線(S)に接続され、室外側制御回路(13)によって上記スイッチ(K2R)のオフ後に起動される室外機伝送回路(11)とが設けられ、
上記スイッチ(K2R)がオフからオンに切り換わる前と上記スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後とにそれぞれ少なくとも1回ずつ、上記室内機伝送回路(21)への入力信号に基づいて、上記室外機(10)及び室内機(20)間の誤配線を検出する処理を実行する誤配線検出手段(23)を備えており、
上記誤配線検出手段(23)は、上記スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後の上記室内機伝送回路(21)への入力信号に基づき、上記室外機伝送回路(11)に入力される信号波形の周波数と上記交流電源(40)の周波数との一致により、上記電力配線(L)と上記共通線(N)との誤配線を検出することを特徴とする空気調和装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1に示す空気調和装置では、室外機起動用のスイッチとして比較的構造が複雑なC接点リレーを採用しているので、コストが高くなりがちである。また、C接点リレーは、一度の切り換え操作で、2つの固定接点が切り換えに関与するので、いわゆるA接点リレーなどと比べ、アーク放電による接点融着などの信頼性の低下が懸念される。
【0005】
また、上記空気調和装置では、室内機と室外機との間を連絡配線(電力配線、信号線、及び共通線)で接続する際に、結線を誤って誤配線してしまう場合がある。この場合、室内機が立ち上がらなかったり、室内機及び室外機間の通信異常が生じたりする。
【0006】
そこで、例えば、室内機の起動時に室内機通信部(伝送回路)に入力される電圧信号に基づいて、誤配線が生じているか否かを検出することが考えられる。
【0007】
しかしながら、単に、室内機の起動時に誤配線検出処理を実行した場合、誤配線が生じているという事実は検出できても、その誤配線のパターンが、想定される複数の誤配線パターン(連絡配線の数が3線の場合は5通りのパターン)のうちのいずれに属するかまでは検出することができない。よって、ユーザが、例えば異常表示等を見て、誤配線が生じていることを知ったとしても、その誤配線パターンを特定するまでに時間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、交流電源からの交流を送電する電力配線と、信号を伝送する信号線と、前記交流の送電と前記信号の伝送に共用する共通線とが室外機と室内機との間に設けられた空気調和装置において、室外機及び室内機に設けられる室外機起動用のスイッチの信頼性の向上及び低コスト化を図りつつ、室外機及び室内機間に誤配線が生じている場合には、ユーザがその誤配線のパターンを容易に特定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、交流電源(40)からの交流を送電する電力配線(L)と、信号を伝送する信号線(S)と、前記交流の送電と前記信号の伝送に共用する共通線(N)とが室外機(10)と室内機(20)との間に設けられた空気調和装置(1)を対象とする。
【0010】
上記室内機(20)には、上記信号線(S)に接続された室内機伝送回路(21)と、上記信号線(S)及び電力配線(L)同士を接続するオン状態と該接続が遮断されたオフ状態とを切り換えるスイッチ(K2R)と、スイッチ(K2R)を制御する室内側制御回路(23)と、が設けられ、上記室外機(10)には、室内側制御回路(23)によりスイッチ(K2R)がオンされることにより、上記交流電源(40)から信号線(S)及び電力配線(L)を経由する経路で電力供給を受けて起動し、起動後は、室内側制御回路(23)によりスイッチ(K2R)がオフされることにより、電力配線(L)及び信号線(S)を経由しない経路で交流電源から電力供給された状態に切り換わる室外側制御回路(13)と、上記信号線(S)に接続され、室外側制御回路(13)によって上記スイッチ(K2R)のオフ後に起動される室外機伝送回路(11)とが設けられ、上記スイッチ(K2R)がオフからオンに切り換わる前と上記スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後とにそれぞれ少なくとも1回ずつ、上記室内機伝送回路(21)への入力信号に基づいて、上記室外機(10)及び室内機(20)間の誤配線を検出する処理を実行する誤配線検出手段(23)を備えて
おり、上記誤配線検出手段(23)は、上記スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後の上記室内機伝送回路(21)への入力信号に基づき、上記室外機伝送回路(11)に入力される信号波形の周波数と上記交流電源(40)の周波数との一致により、上記電力配線(L)と上記共通線(N)との誤配線を検出するものとする。
【0011】
第1の発明では、室内側制御回路(23)によってスイッチ(K2R)をオフ状態にしておくことで、室外機(10)(室外側制御回路(13)及び室外機伝送回路(11))への電力供給を遮断して、待機電力を低減することができる。
【0012】
室外機(10)の起動に際しては、先ず、室内側制御回路(23)によってスイッチ(K2R)がオンされる。これにより、交流電源から、電力配線(L)及び信号線(S)を経由する経路で室外側制御回路(13)に電力が供給されて、室外側制御回路(13)が起動する。室外側制御回路(13)が起動した後は、室内側制御回路(23)によってスイッチ(K2R)がオフされる。これにより、室外側制御回路(13)は、交流電源から電力配線(L)及び信号線(S)を経由しない経路で電力供給される状態に切り換わる。また、上記スイッチ(K2R)のオフ後は、室外側制御回路(13)によって室外機伝送回路(11)が起動される。これにより、室外機伝送回路(11)と室内機伝送回路(21)とが、信号線(S)を介して通信可能になる。
【0013】
そして、本発明では、この室外機(10)の起動に際して、誤配線検出手段(23)により、室内機伝送回路(21)への入力信号に基づいて、上記スイッチ(K2R)がオフからオンに切り換わる前と、上記第スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後とにそれぞれ少なくとも1回ずつ誤配線検出処理が実行される。すなわち、誤配線検出手段(23)により、室外機伝送回路(11)の起動する前後でそれぞれ少なくとも一回ずつ誤配線検出処理が実行される。
更に、誤配線検出手段(23)は、スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後に、上記室内機伝送回路(21)への入力信号に基づき、上記室外機伝送回路(11)に入力される信号波形の周波数と上記交流電源(40)の周波数とが一致するかことにより、上記電力配線(L)と上記共通線(N)との誤配線を検出する。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、上記誤配線検出手段(23)によって誤配線が検出された場合に、該誤配線の検出タイミングが上記スイッチ(K2R)のオン前であるか又はオフ後であるかに応じて、予め設定された設定情報をユーザに報知する報知手段(25)を備えているものとする。
【0015】
第2の発明では、上記誤配線検出手段(23)により誤配線が検出された場合には、報知手段(25)により、該誤配線の検出タイミングが上記スイッチ(K2R)のオン前であるか又はオフ後であるかに応じて、予め設定された設定情報がユーザに報知される。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、室外機起動用のスイッチ(K2R)を例えばA接点リレーで構成することができるので、スイッチ(K2R)の構造が簡単になり、待機電力の低減を図りつつ、信頼性の向上及び低コスト化を図ることができる。
また、電力配線(L)と共通線(N)との誤配線を検出することができる。
【0017】
また、誤配線検出手段(23)によりスイッチ(K2R)のオン前(室外機伝送回路(11)の起動前)に誤配線が検出されたか、又はスイッチ(K2R)のオフ後(室外機伝送回路(11)の起動後)に誤配線が検出されたかに基づいて、ユーザはその誤配線パターンを容易に特定することができる。よって、室外機(10)及び室内機(20)間の配線のやり直し作業を迅速に行って、空気調和装置(1)の運転を早期に開始させることができる。
【0018】
第2の発明によれば、誤配線検出手段(23)により誤配線が検出された場合には、この誤配線の検出タイミングに応じて、予め設定された設定情報が報知手段(25)によりユーザに報知される。ユーザは、この報知された設定情報を基に、誤配線パターンを容易に特定することができる。よって、第1の発明と同様の効果をより一層確実に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
《実施形態》
〈全体構成〉
図1は、本発明の実施形態にかかる空気調和装置(1)の電装系統のブロック図である。空気調和装置(1)は、
図1に示すように、室外機(10)、室内機(20)、及びリモートコントローラ(30)を備えている。なお、図示は省略するが、室外機(10)は、電動圧縮機、室外熱交換器、室外ファン、膨張弁などの機器が設けられ、室内機(20)には、室内熱交換器、室内ファンなどの機器が設けられている。空気調和装置(1)では、これらの機器によって、冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示は省略)が構成されている。
【0021】
空気調和装置(1)では、室外機(10)で、商用交流電源(40)から交流(この例では200Vの三相交流)を受電して室外機(10)内の回路や前記電動圧縮機の電力として用いる他、その三相交流の2相分を室内機(20)に給電するようになっている。また、室外機(10)と室内機(20)との間では、室内機(20)側から室外機(10)を制御するため等の目的で、信号の通信を行うようになっている。そのため、空気調和装置(1)では、商用交流電源(40)(以下、単に交流電源とも言う)からの交流電力を送電する電力配線(L)と、前記信号を伝送する信号線(S)と、前記交流電力の送電と前記信号の伝送に共用する共通線(N)との3線(内外配線)が室外機(10)と室内機(20)との間に設けられている。
【0022】
この例では、電力配線(L)は、室外機(10)において交流電源(40)のR相に接続され、共通線(N)は、室外機(10)において交流電源(40)のS相に接続されている。すなわち、室内機(20)は、交流電源(40)のR相及びS相に接続されて単相交流が供給されている。信号線(S)は、前記信号の送受信の他に、後述するように、交流電力の送電にも使用する。そのため、信号線(S)は、送電電力に応じた電流容量を有する配線部材を採用している。本実施形態では、電力配線(L)や共通線(N)と同じ配線部材を信号線(S)に用いている。
【0023】
〈室外機(10)〉
室外機(10)は、電装系統として、第1室外側電源回路(14)、第2室外側電源回路(12)、室外機伝送回路(11)、室外側制御回路(13)、リレー(K13R,K14R,K15R)を備えている。
【0024】
−第1室外側電源回路(14)−
第1室外側電源回路(14)は、交流電源(40)から受電した3相交流を直流に変換し、いわゆるインテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、図中ではIPMと略記)や室外ファンモータに供給する。なお、インテリジェントパワーモジュールは、入力された直流を所定の周波数及び電圧の交流に変換し、前記電動圧縮機のモータに給電する。この例では、第1室外側電源回路(14)は、ノイズフィルタ(14a)、2つのメインリレー(14b)、2つのダイオードブリッジ回路(14c)、リアクトル(14d)、及び平滑コンデンサ(14e)を備えている。
【0025】
ノイズフィルタ(14a)は、コンデンサとコイルで形成されている。2つのメインリレー(14b)は、前記三相交流のR相、T相の供給ラインにそれぞれ設けられている。これらのメインリレー(14b)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。詳しくは、メインリレー(14b)は、ひとつの固定接点と、ひとつの可動接点とを有し、該メインリレー(14b)のコイルに通電すると、これらの接点が接続状態(オン)になる。2つのダイオードブリッジ回路(14c)のうち、一方は、前記三相交流のR相及びS相を入力とし、もう一方は、前記三相交流のS相及びT相を入力とし、入力された交流をそれぞれ全波整流する。これらのダイオードブリッジ回路(14c)の出力は、リアクトル(14d)を介して平滑コンデンサ(14e)に入力され、平滑コンデンサ(14e)で平滑化される。平滑コンデンサ(14e)で平滑化された直流は、前記インテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに供給される。
【0026】
−第2室外側電源回路(12)−
第2室外側電源回路(12)は、前記三相交流のR相及びS相の2相を直流(この例では5V)に変換し、室外側制御回路(13)に供給する。この例では、第2室外側電源回路(12)は、ダイオードブリッジ回路(12a)、平滑コンデンサ(12b)、及びスイッチング電源(12c)を備えている。ダイオードブリッジ回路(12a)は、一方の入力が、後に詳述するリレー(K13R)に接続され、もう一方の入力が、前記三相交流のS相に接続されている。ダイオードブリッジ回路(12a)の出力は、平滑コンデンサ(12b)で平滑化された後に、スイッチング電源(12c)に入力されている。スイッチング電源(12c)は、例えばDC-DCコンバータで構成され、入力された直流を所定の電圧(5V)に変換して室外側制御回路(13)に出力する。
【0027】
−室外機伝送回路(11)−
室外機伝送回路(11)は、室内機伝送回路(21)との間で信号の通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて、ハイレベル及びローレベルの2値のデジタル信号の通信を行う。室内機伝送回路(21)内の通信回路(図示は省略)は、一端が共通線(N)に接続され、通信回路の他端はリレー(K14R)を介して信号線(S)に接続されている。
【0028】
−リレー(K13R)−
リレー(K13R)は、第2室外側電源回路(12)への交流供給の経路を切り替えるリレーである。リレー(K13R)は、いわゆるC接点リレーで構成されている。詳しくは、リレー(K13R)は、2つの固定接点と、ひとつの可動接点を有し、該リレー(K13R)のコイルに通電されていない場合は、一方の固定接点(ノーマルクローズ接点とよぶ)と可動接点とが接続され、該コイルに通電されると、もう一方の固定接点(ノーマルオープン接点とよぶ)と可動接点とが接続される。リレー(K13R)の切換え(コイルへの通電の有無)は、室外側制御回路(13)が制御する。
【0029】
この例では、リレー(K13R)の可動接点は、ダイオードブリッジ回路(12a)の入力に接続されている。また、ノーマルクローズ接点は、信号線(S)に接続され、ノーマルオープン接点は、前記三相交流のR相に接続されている。すなわち、リレー(K13R)のコイルに通電されていない場合は、ノーマルクローズ接点と可動接点とが接続されて、ダイオードブリッジ回路(12a)の一方の入力は信号線(S)に接続される。リレー(K13R)のコイルに通電されると、可動接点とノーマルオープン接点とが接続されて、第2室外側電源回路(12)のダイオードブリッジ回路(12a)に交流が入力される状態になる。
【0030】
リレー(K14R)は、信号線(S)と室外機伝送回路(11)との接続及び非接続を切り替えるリレーである。リレー(K14R)は、いわゆるA接点リレーで構成され、そのコイルに通電すると、固定接点と可動接点とがオン状態になる。リレー(K14R)のオンオフは、室外側制御回路(13)が制御する。この例では、リレー(K14R)は、可動接点が信号線(S)に接続され、もう固定接点が室外機伝送回路(11)内の通信回路(図示は省略)の一端に接続されている。勿論、A接点リレーでは、入力する信号等と各接点の対応関係は逆にしてもよい。
【0031】
−リレー(K15R)−
リレー(K15R)は、室外機伝送回路(11)への電力供給の有無を切り替えるリレーである。リレー(K15R)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。リレー(K15R)は、一方の接点が室外機伝送回路(11)の電源供給ノードに接続され、もう一方の接点が、前記三相交流のR相に接続されている。リレー(K15R)をオンにすれば、室外機伝送回路(11)は給電され、リレー(K15R)をオフにすれば室外機伝送回路(11)への給電が断たれる。リレー(K15R)のオンオフは、室外側制御回路(13)が制御する。
【0032】
−室外側制御回路(13)−
室外側制御回路(13)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリーを含んでいる(図示は省略)。室外側制御回路(13)は、例えば室外機伝送回路(11)が室内機伝送回路(21)から受信した信号に応じて前記電動圧縮機等の制御を行う他、室外機(10)の起動時の制御(後述)も行う。室外側制御回路(13)は、空気調和装置(1)がサスペンド状態(詳しくは後述)の場合には、電力供給が断たれて動作を停止する。
【0033】
〈室内機(20)〉
室内機(20)は、電装系統として、室内側電源回路(22)、室内機伝送回路(21)、室内側制御回路(23)、リレー(K2R)、第1ダイオード(D1)、及び第2ダイオード(D2)を備えている。
【0034】
−室内側電源回路(22)−
室内側電源回路(22)は、ノイズフィルター(22a)、ダイオードブリッジ回路(22b)、平滑コンデンサ(22c)、及びスイッチング電源(22d)を備えている。室内側電源回路(22)は、電力配線(L)及び共通線(N)を介して交流電源(40)から供給された交流を直流(この例では5Vの直流)に変換し、室内側制御回路(23)に供給する。
【0035】
この例では、ノイズフィルター(22a)は2つのコイルで形成されている。ダイオードブリッジ回路(22b)は、ノイズフィルター(22a)を介して電力配線(L)及び共通線(N)から入力された交流を全波整流する。平滑コンデンサ(22c)は、例えば電解コンデンサで形成され、ダイオードブリッジ回路(22b)の出力を平滑化する。スイッチング電源(22d)は、例えばDC-DCコンバータなどで構成され、平滑コンデンサ(22c)が平滑化した直流を所定の電圧(5V)に変換して室内側制御回路(23)に出力する。
【0036】
−室内機伝送回路(21)−
室内機伝送回路(21)は、既述の通り、室外機伝送回路(11)との間で信号の通信を行う。この通信では、信号線(S)と共通線(N)との間の電位差に基づいて、デジタル信号の通信を行うので、室内機伝送回路(21)の通信回路の一端は、第2ダイオード(D2)を介して信号線(S)に接続され、通信回路の他端は共通線(N)に接続されている。
【0037】
−リレー(K2R)、第1及び第2ダイオード(D1,D2)−
リレー(K2R)は、いわゆるA接点リレーで構成されている。本実施形態では、リレー(K2R)と第1ダイオード(D1)は、室内機(20)内に設けられ、電力配線(L)と信号線(S)との間に直列接続されている。より詳しくは、リレー(K2R)の可動接点は、電力配線(L)と接続され、リレー(K2R)の固定接点は、第1ダイオード(D1)のカソードに接続されている。そして、第1ダイオード(D1)のアノードは信号線(S)に接続されている。
【0038】
リレー(K2R)は、電力配線(L)と信号線(S)間のオンオフを切り替えるスイッチとして機能する。リレー(K2R)のオンオフは、室内側制御回路(23)が制御する。リレー(K2R)は、本発明のオンオフスイッチの一例である。また、第1ダイオード(D1)は、室内機伝送回路(21)へ流入する方向の交流電流を阻止する。なお、第1ダイオード(D1)とリレー(K2R)の位置関係は逆にしてもよい。すなわち、第1ダイオード(D1)のカソードを電力配線(L)に接続するとともに、第1ダイオード(D1)のアノードをリレー(K2R)の一方の接点に接続し、リレー(K2R)のもう一方の接点を信号線(S)に接続するようにしてもよい。
【0039】
第2ダイオード(D2)のアノードは、第1ダイオード(D1)と信号線(S)の接続ノード(ND1)に接続され、カソードは、室内機伝送回路(21)における信号入力ノード(ND2)に接続されている。第2ダイオード(D2)は、室内機伝送回路(21)から流出する方向の交流電流を阻止する。空気調和装置(1)では共通線(N)が交流電源(40)のS相に接続されているので、室内機伝送回路(21)と室外機伝送回路(11)との通信信号には、該S相の交流が第2ダイオード(D2)で半波整流されて重畳されることになる。第1及び第2ダイオード(D1,D2)で、本発明の保護回路の一例を構成している。
【0040】
−室内側制御回路(23)−
室内側制御回路(23)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリーを含んでいる(図示は省略)。室内側制御回路(23)は、リモートコントローラ(30)からの指令を受けて、空気調和装置(1)の運転状態(後述)を制御する。室内側制御回路(23)は、リモートコントローラ(30)からの指令を受信するために、常に室内側電源回路(22)によって給電されている。
【0041】
〈リモートコントローラ(30)〉
リモートコントローラ(30)は、ユーザーの操作を受け付けるとともに、ユーザーの操作に応じた信号を室内側制御回路(23)に送信する。ユーザーは、例えば、リモートコントローラ(30)のボタン操作により、空気調和装置(1)の運転開始、停止、設定温度調整などを行えるようになっている。リモートコントローラ(30)は、信号線で室内側制御回路(23)と結線されたいわゆるワイヤードリモコンとして構成してもよいし、赤外線や電波を用いて室内側制御回路(23)と通信を行う、いわゆるワイヤレスリモコンとして構成してもよい。
【0042】
〈空気調和装置の動作〉
図2は、空気調和装置(1)の状態遷移図である。空気調和装置(1)は、以下に説明するサスペンド状態、充電状態、ウエイト状態、及び運転状態の4つの状態を遷移する。なお、以下において、待機電力とは「機器が非使用状態、若しくは何らかの入力(命令指示等)待ちの時に定常的に消費している電力」をいう。具体的に、空気調和装置(1)では、リモートコントローラ(30)の待ち受けのみを行うのに必要な電力が待機電力である。
【0043】
(1)サスペンド状態
サスペンド状態とは、室内機(20)には電力が供給され、室外機(10)には電力が供給されていない状態である。
【0044】
本実施形態のサスペンド状態は、一例として、空気調和装置(1)全体として消費電力が最小になる状態となっている。具体的に、本実施形態のサスペンド状態では、室外機(10)は電力を受電してそれを室内機(20)へ供給はするが、室外機(10)内部の各回路や上記電動圧縮機などには電力が供給されていない状態である。このように、サスペンド状態では、室外機(10)の各回路への電力供給が断たれ、待機電力の低減を図ることができる。
【0045】
一方、室内機(20)は、待機電力が最小となる状態であり、室内側制御回路(23)においてリモートコントローラ(30)からの信号受信にかかわる部分は、室内側電源回路(22)から電力を受けて動作している。なお、リモートコントローラ(30)も、待機電力が最小となる状態であり、時刻表示などの所定の表示やユーザーのボタン操作の受け付けは可能な状態である。なお、室内機(20)およびリモートコントローラ(30)の消費電力(待機電力)の程度はこれに限らない。
【0046】
(2)充電状態
充電状態とは、室外機(10)では、第2室外側電源回路(12)の平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成され、室外機伝送回路(11)と室内機伝送回路(21)の間の信号伝送が開始されるまでの期間における状態をいう。このとき、室内機(20)の電力消費は、サスペンド状態と同様である。
【0047】
(3)ウエイト状態
ウエイト状態とは、運転開始時には上記充電状態を抜けた状態であり、運転停止時には運転状態(後述)から遷移する状態であり、何れも、室外機(10)が、即時、運転状態(後述)へ移行可能な状態をいう。ウエイト状態では、室外機伝送回路(11)および室外側制御回路(13)の動作も可能である。特に、運転停止時のウエイト状態(運転状態から遷移するウエイト状態)は、電動圧縮機における冷媒圧力を均圧させるためや、運転開始と運転停止を繰り返すスクジュール運転が設定されている場合などのために設けられており、その時間は例えば10分である。なお、室内機(20)の電力消費はサスペンド状態と同様である。
【0048】
(4)運転状態
運転状態とは、メインリレー(14b)をオンにして、電動圧縮機や室外ファンが運転可能な状態、若しくは運転している状態をいう。いわゆる欠相通電やサーモオフ状態もこれにあたる。なお、室内機(20)では、室内ファン等が運転状態となり、電力消費は、上記の各状態よりも増える。また、リモートコントローラ(30)は、運転指示状態(例えば個々の運転状態を表示した状態)である。
【0049】
−空気調和装置(1)における状態遷移−
空気調和装置(1)では、運転開始する場合には、
図2に実線矢印で示した順で、サスペンド状態から運転状態に遷移し、運転停止する場合には、同図に破線矢印で示した順で、運転状態からサスペンド状態に遷移する。以下では、一例としてサスペンド状態から運転状態までの遷移を説明する。
【0050】
〈サスペンド状態における電装系統〉
まず、サスペンド状態における電装系統の状態を説明する。
図1では、サスペンド状態におけるリレーの状態を示している。サスペンド状態では、室外機(10)は、メインリレー(14b)のコイルには通電されておらず、第1室外側電源回路(14)からはインテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに電力供給されない。また、他のリレー(K13R,K14R,K15R)のコイルにも通電されていない。したがって、リレー(K14R)及びリレー(K15R)はオフ状態である。すなわち、室外機伝送回路(11)は、信号線(S)との接続が断たれるとともに、電力の供給も断たれている。また、リレー(K13R)は、ノーマルクローズ接点と可動接点とが接続された状態になる。つまり、第2室外側電源回路(12)のダイオードブリッジ回路(12a)は、一方の入力が信号線(S)に接続されている。この状態では第2室外側電源回路(12)には通電されず、室外側制御回路(13)への給電も行われない。以上の通り、サスペンド状態では、室外機(10)では待機電力をなくすことができる。
【0051】
サスペンド状態における室内機(20)では、リレー(K2R)のコイルには通電されず、オフ状態である。すなわち、信号線(S)と電力配線(L)とは電気的には非接続状態である。なお、既述の通り、室内機(20)では、室内側制御回路(23)においてリモートコントローラ(30)からの信号受信にかかわる部分は、室内側電源回路(22)から電力を受けて動作している。
【0052】
〈サスペンド状態から充電状態への移行〉
図3は、平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成された時点の各リレーの状態を示す図である。また、
図4は、充電状態への移行が完了した後の各リレーの状態を示す図である。例えばユーザーがリモートコントローラ(30)を操作して、空気調和装置(1)の運転開始(例えば冷房運転の開始)を指示すると、室内側制御回路(23)は、リレー(K2R)のコイルに通電させる。そうすると、空気調和装置(1)では、前記三相交流のR相から、電力配線(L)、リレー(K2R)、第1ダイオード(D1)、信号線(S)、及びリ
レー(K13R)を介してダイオードブリッジ回路(12a)の一方の入力に到る送電経路(説明の便宜上、起動時送電経路とよぶ)が形成される。ダイオードブリッジ回路(12a)の他方の入力は、前記三相交流のS相に接続されているので、ダイオードブリッジ回路(12a)には、第1ダイオード(D1)で半波整流された単相交流が供給される。すなわち、平滑コンデンサ(12b)に充電される回路が形成された状態になる(
図3参照)。
【0053】
このとき、前記三相交流のR相の電位がS相の電位よりも高い場合(すなわちR相からS相に交流電流が流れる場合)は、第1ダイオード(D1)によって、電力配線(L)から室内機伝送回路(21)及び室外機(10)へ流入する方向の交流電流が阻止される。また、室内機伝送回路(21)は、室内側電源回路(22)を介してR相とつながるが、室内機伝送回路(21)から信号線(S)へ流出する方向の交流電流は、第2ダイオード(D2)によって阻止される。
【0054】
前記三相交流のS相の電位がR相の電位よりも高い場合(すなわちS相からR相に交流電流が流れる場合)は、ダイオードブリッジ回路(12a)に電流が流れる。この場合、室内機伝送回路(21)内の通信回路の一端は共通線(N)介して前記三相交流のS相に接続され、該通信回路の他端は、信号線(S)、リレー(K13R)、及びダイオードブリッジ回路(12a)を介して、やはり前記三相交流のS相に接続されている。つまり、室内機伝送回路(21)は、三相交流のうちの1相のみと繋がっている。それゆえ、信号線(S)を交流電力の送電に用いても、室内機伝送回路(21)内の通信回路に、その交流電流が流れることはない。以上のようにして、室外機伝送回路(11)が過電圧から保護される。
【0055】
平滑コンデンサ(12b)が充電されてスイッチング電源(12c)への入力が安定し、スイッチング電源(12c)が規定の直流電圧(この例では5V)を出力できるようになると、室外側制御回路(13)が起動する。起動した室外側制御回路(13)は、リレー(K13R)のコイルに通電させて、ノーマルオープン接点と可動接点とを接続状態とする。これにより、ダイオードブリッジ回路(12a)の一方の入力は、前記三相交流のR相に、室外機(10)内の送電経路を介して接続される。すなわち、室外側制御回路(13)は、信号線(S)を経由せずに交流電源(40)から電力供給された状態に切り換わる(
図4参照)。これにより、空気調和装置(1)では、前記充電状態への移行が完了する。
【0056】
〈充電状態からウエイト状態への移行〉
図5は、ウエイト状態への移行完了時における各リレーの状態を示す図である。室内機(20)では、リレー(K2R)をオンにしてから所定の時間(室外側制御回路(13)が起動するに十分な時間)が経過した後に、リレー(K2R)をオフにする。これにより、信号線(S)を信号の送受信に使用できるようになる。
【0057】
室外機(10)では、リレー(K2R)がオフになったのを見計らって、室外側制御回路(13)は、リレー(K15R)をオンにし、室外機伝送回路(11)に電力が供給された状態にするとともに、リレー(K14R)をオンにする。これにより、室外機伝送回路(11)内の通信回路が、信号線(S)及び共通線(N)を介して室内機伝送回路(21)と接続され、室内機伝送回路(21)と通信可能な状態になる。これで、空気調和装置(1)は、前記充電状態を抜け、即時運転状態へ移行可能な状態(すなわちウエイト状態)となる。
【0058】
〈ウエイト状態から運転状態への移行〉
図6は、運転状態における各リレーの状態を示す図である。ウエイト状態から運転状態への移行する際には、室外側制御回路(13)は、2つのメインリレー(14b)をオンにする。これにより、第1室外側電源回路(14)によって、前記インテリジェントパワーモジュールや室外ファンモータに電力が供給されて、電動圧縮機などが運転状態になり、例えば冷房が行われる。
【0059】
<誤配線検出について>
以上のように構成された空気調和装置(1)では、誤配線が生じていなければ、室内機(20)の電源端子(TL)、共通端子(TN)、信号端子(TS)がそれぞれ、室外機(10)の電源端子(TL)、共通端子(TN)、信号端子(TS)に結線される(
図1参照)。
【0060】
しかし、据付時に作業者が結線を誤って誤配線する場合があり、
図7には、空気調和装置(1)の誤配線パターンとして考えられる全て(5つ)のパターンを図示している。
【0061】
このような誤配線が生じていると、室内機伝送回路(21)及び室外機伝送回路(11)間に通信異常が生じたり、リレー(K2R)をオンした際に相関短絡が生じてリレー(K2R)が損傷したりする。したがって、誤配線が生じている場合にはユーザが配線をやり直すなどの対策を講じる必要がある。
【0062】
そこで、本実施形態では、室内側制御回路(23)によって、室内機伝送回路(21)への入力信号(本実施形態では、入力電圧信号)を監視して該入力信号に基づいて誤配線検出処理を実行するとともに、該誤配線検出処理によって誤配線が検出された場合には、空気調和装置(1)の運転を停止して異常表示部(25)に、誤配線の検出タイミングに応じて、予め設定された設定情報(本実施形態では、誤配線パターンに関する情報)を表示させるようにした。
【0063】
詳しくは、室内側制御回路(23)は、空気調和装置(1)の運転開始時に、リレー(K2R)のオン前とリレー(K2R)のオフ後とにそれぞれ1回ずつ合計2回の誤配線検出処理を実行するように構成されている。本実施形態では、室内側制御回路(23)における各誤配線検出処理は、後述するように、室内機伝送回路(21)に入力される電圧信号波形の周波数が電源周波数(50Hz又は60Hz)に一致しているか否かに基づいて行われる。
【0064】
図8は、考えられる全ての誤配線パターンについて、それぞれ、1回目の誤配線検出処理と2回目の誤配線検出処理とのいずれによって検出可能かをまとめた表である。表中の「−」は、1回目及び2回目のいずれの誤配線検出処理によっても検出不可能であることを意味している。
【0065】
この表に示すように、誤配線パターンB,Eは、室内側制御回路(23)における1回目の誤配線検出処理によって検出される。この誤配線パターンB,Eの検出アルゴリズムについて説明すると、パターンB,Eの誤配線が生じている場合には、室内機伝送回路(21)には、
図9及び
図10に太線で示す経路で交流電源電圧が直接印加される。したがって、この場合、室内機伝送回路(21)に入力される電圧信号波形の周波数が電源周波数に一致する。よって、室内側制御回路(23)において、この周波数の一致を検出することによりパターンB,Eの誤配線を検出することができる。
【0066】
具体的には、室内側制御回路(23)は、室内機伝送回路(21)への入力信号におけるLoからHiへの立ち上がりを検出して、この立ち上がりが生じる時間間隔(つまり周期)(T1)を計算し、この計算した時間間隔(T1)が16.6(=1/60×1000)msec〜20(=1/50×1000)msecであることを検出する度にカウント数を1ずつ増加させて、このカウント数が1秒間の間に所定回数(例えば50Hzの場合にはその80%の40回)を超える場合には、室内機伝送回路(21)への入力信号波形の周波数が電源周波数に一致しているものとして、パターンB又はEの誤配線が生じていることを検出する(
図14参照)。尚、時間間隔(T1)の閾値(本実施形態では16.6〜20msec)や上記所定回数は、電源周半数のふらつきを考慮して設定すればよい。
【0067】
室内側制御回路(23)では、この誤配線パターンB,Eを検出したときには、異常表示部(25)に「パターンB又はEの誤配線異常有り」と表示させる。この「パターンB又はEの誤配線異常有り」との情報が、誤配線の検出タイミングがリレー(K2R)のオン前である場合に対応して予め設定された設定情報である。
【0068】
一方、誤配線パターンCは、室内側制御回路(23)における2回目の誤配線検出処理によって検出される。このパターンCの誤配線が生じる状態では、上述した誤配線パターンB,Eのように、室内機伝送回路(21)に交流電源電圧が直接印加されることはない。このため、誤配線パターンCについては、室外機伝送回路(11)の起動前(リレー(K2R)のオン前)に実行される1回目の誤配線検出処理によっては検出することができない。
【0069】
しかし、パターンCの誤配線が生じている状態では、リレー(K2R)がオフされて室外機伝送回路(11)が起動した後に室内機伝送回路(21)に入力される信号波形の周波数が電源周波数に一致する。よって、このパターンCの誤配線は、室外機伝送回路(11)の起動後(リレー(K2R)のオフ後)に実行される2回目の誤配線検出処理によって検出することができる。
【0070】
この誤配線パターンCの検出アルゴリズムについて詳細に説明すると、パターンCの誤配線が生じている状態(
図11の状態)では、室外機伝送回路(11)の起動後に、該室外機伝送回路(11)から交流電源(40)のS相をグランドとしたDC60Vの電圧信号が出力される。しかし、室内機伝送回路(21)のグランドは、室外機伝送回路(11)のグランドとは異なる交流電源(40)のR相であるため、結局、室内機伝送回路(21)には60Vバイアスされた交流電圧が印加される。したがって、室外機伝送回路(11)に入力される電圧信号波形の周波数が電源周波数に一致することとなる。よって、室内側制御回路(23)において、この周波数の一致を検出することによりパターンCの誤配線を検出することができる。尚、この周波数の一致検出は、上述したように、例えば、室内機伝送回路(21)への入力信号におけるLoからHiへの立ち上がりを検出することで可能になる。
【0071】
室内側制御回路(23)では、このパターンCの誤配線を検出した場合には、異常表示部(25)に「パターンCの誤配線異常有り」と表示させる。この「パターンCの誤配線異常有り」との情報が、誤配線の検出タイミングがリレー(K2R)のオフ後である場合に対応して予め設定された設定情報である。
【0072】
パターンA、Dの誤配線が生じている場合には、室内機伝送回路(21)に交流電源電圧が直接印加されることもないし、室外機伝送回路(11)と室内機伝送回路(21)とでグランドが異なることもない(共にグランドがS相)。このため、誤配線パターンA,Dについては、1回目及び2回目の誤配線検出処理のいずれによっても検出することができない。
【0073】
しかし、パターンAの誤配線が生じている場合には、
図12に示すように、信号線(S)と共通線(N)とがテレコになっているため、室外機伝送回路(11)が起動しても、該室外機伝送回路(11)と室内機伝送回路(21)との間で通信が開始されない。本実施形態では、このことに着目して、1回目及び2回目の誤配線検出処理によって誤配線が検出されなかったにも拘わらず、両伝送回路(11,21)間の通信が開始しないときには、室内側制御回路(23)によってパターンAの誤配線が生じていることを検出するようにした。
【0074】
室内側制御回路(23)では、このパターンAの誤配線を検出した場合には、異常表示部(25)に「パターンAの誤配線異常有り」と表示させる。
【0075】
一方、パターンDの誤配線が生じている場合には、
図13の太線で示すように、室内側電源回路(22)のコンデンサ(22c)の正電極及び負電極が共に交流電源(40)のS相に接続されるため、コンデンサ(22c)に電荷が蓄積されず、このため、スイッチング電源(22d)により室内側制御回路(23)を起動することができない。したがって、パターンDの誤配線については、上記パターンA〜C及びEのように室内側制御回路(23)によって直接検出することはできない。しかし、パターンDの誤配線が生じている場合には、後述するように、そもそも室内側制御回路(23)が起動しないため、室内側制御回路(23)によってリモコン(30)を立ち上げることができない。このため、ユーザは、リモコン(30)により運転開始操作を行っても、リモコン(30)が立ち上がらない場合には、このパターンDの誤配線が生じている可能性が高いと判断することができる。
【0076】
〈本実施形態における効果〉
以上の如く、上記実施形態では、室内側制御回路(23)によって、リレー(K2R)がオフからオンに切り換えられる前と、リレー(K2R)がオンからオフに切り換えられた後とにそれぞれ1回数ずつ誤配線検出処理を実行するようにしたことで、パターンB,Eの誤配線とパターンCの誤配線とを明確に区別して検出することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、室外機(10)の起動後に両伝送回路(11,21)間が通信不能状態になっている場合には、室内側制御回路(23)によりパターンAの誤配線が生じていることを検出するようにしたことで、パターンAの誤配線を他の誤配線パターンB,C,Eと明確に区別して検出することができる。
【0078】
そして、室内側制御回路(23)によりパターンA〜C及びEの誤配線が検出された場合には、その誤配線パターンが異常表示部(25)に表示されるため、ユーザは、単に誤配線が生じている事実のみならず、その誤配線のパターンまでも容易に知ることができる。
【0079】
尚、異常表示部(25)に「パターンAの誤配線異常」と表示された場合に、ユーザが誤配線確認を行ってもパターンAの誤配線が生じていると認められないときには、ユーザは、室外機伝送回路(11)又は室内機伝送回路(21)に異常が生じている可能性が高いと判断すればよい。また、パターンDの誤配線については、上述の如く、室内側制御回路(23)によって直接検出することはできないが、パターンDの誤配線が生じている場合には、そもそも室内側制御回路(23)が起動しないため、室内側制御回路(23)からリモコン(30)に対して信号が出力されず、したがって、リモコン(30)の液晶画面に、運転開始時に本来表示されるべき初期画面が表示されない。したがって、ユーザは、リモコン(30)の液晶画面を見て、初期画面が表示されていない場合には、パターンDの誤配線が生じている可能性が高いと判断すればよい。
【0080】
このように、上記実施形態では、異常表示部(25)の表示内容を基に、ユーザは、誤配線が生じている事実のみならず、誤配線パターンをも容易に特定することができる。よって、配線のやり直し作業を迅速に行って、空気調和装置(1)の運転を早期に再開させることができる。
【0081】
また、上記実施形態では、通信用の信号及び交流電力の何れを信号線(S)に流すかの切替えを、A接点リレーで構成したスイッチとダイオードで構成した保護回路で実現した。A接点リレーにより、一組の接点でオンオフを実現するので、C接点リレーで前記切替えを行う従来の空気調和装置と比べ、構造の簡略化や、融着等に対する信頼性の向上が可能になる。また、A接点リレーは、一般的にC接点リレーよりも安価であり、ダイオードによる保護回路を追加したとしても、従来の空気調和装置よりも低コストにすることを期待できる。
【0082】
〈他の実施形態〉
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
【0083】
すなわち、上記実施形態では、室内側制御回路(23)によって、誤配線の検出タイミングが1回目である場合には、異常表示部(25)に「パターンB又はEの誤配線異常有り」と表示させて、誤配線の検出タイミングが2回目である場合には、異常表示部(25)に「パターンCの誤配線異常有り」と表示させるようにしているが、例えば、単に「異常を1回目で検出」、「異常を2回目で検出」と表示させるだけでもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、室内側制御回路(23)によって誤配線検出処理を実行するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、誤配線検出処理を実行するための専用MPUを別途設けるようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、一例として、室外機(10)と室内機(20)とを1台ずつ備えたペア型の空気調和装置(1)を示したが、これに限ったものではなく、例えば、マルチ型の空気調和装置(1)において、室外機(10)の親機と、室内機(20)の親機との間で誤配線が生じている場合にも、上記実施形態と同様にして誤配線を検出することができる。
【0086】
また、上記実施形態では、空気調和装置(1)の運転を停止させる際、運転状態からウエイト状態を経由してサスペンド状態に移行させるようにしているが、例えば、メインリレー(14b)とリレー(K13R,K14R,K15R)とを略同時にオフさせることで、運転状態からウエイト状態を介さずに一気にサスペンド状態に移行させるようにしてもよい。すなわち、上述のウエイト状態は必ずしも必要ではない。
【0087】
また、上記実施形態では、上記スイッチ(K2R)がオフからオンに切り換わる前と、上記スイッチ(K2R)がオンからオフに切り換わった後とにそれぞれ1回ずつ誤配線検出処理を実行するようにしているが、この誤配線検出処理を実行する回数は1回に限らず、例えば、2回以上実行するようにしてもよい。
【0088】
また、異常表示部(25)に換えて異常を報知するためのスピーカを設けるようにしてもよい。
【0089】
また、リレー(K2R)の代わりに半導体スイッチ(例えばトランジスタなど)を用いてもよい。
【0090】
また、商用交流電源(40)には単相交流を用いてもよい。