特許第5772584号(P5772584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772584
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】ピストンリング
(51)【国際特許分類】
   F16J 9/26 20060101AFI20150813BHJP
   F02F 5/00 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   F16J9/26 C
   F02F5/00 L
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-288913(P2011-288913)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-137080(P2013-137080A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】飯島 章
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−38295(JP,A)
【文献】 実開平5−42827(JP,U)
【文献】 特開昭62−256960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 1/00−10/04
F02F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンリング本体と、前記ピストンリング本体の外周摺動面に形成された多数のディンプルとを有するピストンリングにおいて、
前記多数のディンプルは、深さが複数種類となるように形成され、且つ、深さの異なる複数種類のディンプルが前記ピストンリング本体の周方向に交互に配設されることを特徴とするピストンリング。
【請求項2】
前記多数のディンプルは、深さが第1深さに形成された第1ディンプルと、深さが前記第1深さより浅い第2深さに形成された第2ディンプルとを含み、
前記第1深さが4〜5μmとされ、前記第2深さが2〜3μmとされる請求項1に記載のピストンリング。
【請求項3】
前記多数のディンプルは、深さが前記第2深さより浅い第3深さに形成された第3ディンプルをさらに含み、
前記第3深さが1〜1.5μmとされる請求項2に記載のピストンリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のピストンに装着されるピストンリングに関する。
【背景技術】
【0002】
通常内燃機関においては、ピストンにピストンリングが装着され、ピストンリングによりガスシール及びオイルシールを行う。近年燃費向上が要求されているが、燃費向上にはピストンリングのフリクション低減も重要な技術である。もちろんピストンリングの張力を下げるとピストンリングのフリクションは下がるが、むやみにピストンリングの張力を下げると、ピストンリングのガスシール性及びオイルシール性が低下する。
【0003】
そこで、ピストンリングの外周摺動面に微細な凹み(ディンプル)を多数設けることで、ディンプルがオイルを保持する機能を発揮し、ピストンリングのフリクションが下がることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−60873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ディンプルの深さが単一の場合、図7に示すように、低軸受特性数領域ではかえって摩擦係数が増えてしまう。これは、ピストンの上下死点(特に上死点)付近で摩擦が増え、ピストンリングの摩耗も増える可能性があることを示唆していると考えられる。オイル粘度μ(即ち、潤滑油の粘度)及び荷重W(即ち、ピストンリングの張力)はほぼ一定とみなすことができるので、低軸受特性数領域は摺動速度U(即ち、ピストンの速度)が低い領域に相当するためである。なお、図7の「ディンプル付き」は、ディンプルの直径が100μmであり、ディンプルの深さが5μmである場合である。
【0006】
一方、ディンプルの深さを浅くすると、低軸受特性数領域の摩擦係数を下げることはできる。ただし、ディンプルが浅すぎる場合は、ディンプルがオイルを保持する機能が弱くなり、内燃機関の長時間運転後に、ディンプルがピストンリングの摩耗により消失する可能性がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、低フリクションで且つ耐摩耗性の高いディンプル付きピストンリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明は、ピストンリング本体と、前記ピストンリング本体の外周摺動面に形成された多数のディンプルとを有するピストンリングにおいて、前記多数のディンプルは、深さが複数種類となるように形成され、且つ、深さの異なる複数種類のディンプルが前記ピストンリング本体の周方向に交互に配設されるものである。
【0009】
前記多数のディンプルは、深さが第1深さに形成された第1ディンプルと、深さが前記第1深さより浅い第2深さに形成された第2ディンプルとを含み、前記第1深さが4〜5μmとされ、前記第2深さが2〜3μmとされても良い。
【0010】
前記多数のディンプルは、深さが前記第2深さより浅い第3深さに形成された第3ディンプルをさらに含み、前記第3深さが1〜1.5μmとされても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低フリクションで且つ耐摩耗性の高いディンプル付きピストンリングを提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係るピストンリングの平面図であり、(b)はピストンリングの側面図であり、(c)は(a)のA−A線断面図である。
図2】(a)は本実施形態のディンプルのパターン図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
図3】(a)は深さが3種類の例を示すディンプルのパターン図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
図4】ディンプルの形成方法の一例を示す説明図である。
図5】(a)及び(b)は変形例に係るディンプルのパターン図である。
図6】(a)及び(b)は変形例に係るディンプルのパターン図である。
図7】ピストンリングの軸受特性数−摩耗係数線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0014】
図1に本実施形態に係るピストンリング10を示す。
【0015】
本実施形態に係るピストンリング(ディンプル付きピストンリング)10は、内燃機関(例えば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等)のピストンに装着されるものである。また、本実施形態に係るピストンリング10は、ピストンに設けられる複数のピストンリング溝のうち最上段に位置するトップリング溝に取り付けられるトップリングである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るピストンリング10は、ピストンリング本体11と、シリンダボア20の内周面21(図1(c)参照)に摺接するピストンリング本体11の外周摺動面12に規則的に設けられた多数のディンプル(微細な凹み)13(図1(b)参照)とを有する。
【0017】
ピストンリング本体11は、リングの一部を切り欠いて形成された合い口すきま(合い口)14を有する形状とされる。ピストンリング本体11は、例えば、ステンレス鋼(SUS材)からなる。
【0018】
ピストンリング本体11の外周面には、耐摩耗性の向上のための硬質被膜15が形成されている。硬質被膜15は、例えば、PVD或いはメッキによるCrN被膜からなる。硬質被膜15の厚さT(図1(c)参照)は、例えば、30〜40μmとされる。係る硬質被膜15が、ピストンリング10(ピストンリング本体11)の外周摺動面12を構成する。
【0019】
ピストンリング10の外周摺動面12(即ち、硬質被膜15)の表面には、多数のディンプル13が形成されている。本実施形態では、多数のディンプル13は、ピストンリング10(ピストンリング本体11)の周方向に関して等ピッチPx(図1(b)参照)で配置されていると共に、ピストンリング10(ピストンリング本体11)の軸方向に関して等ピッチPy(図1(b)参照)で配置されている。
【0020】
本実施形態に係るピストンリング10においては、深さが複数種類(本実施形態では、2種類)となるようにディンプル13を形成すると共に、深さの異なる複数種類のディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b)をピストンリング10の周方向に交互に配設している(図2参照)。
【0021】
図2に本実施形態のディンプル13のパターン図を示す。なお、図2(a)中、ハッチングを付した丸が深めのディンプル(第1ディンプル13a)を示し、白丸が浅めのディンプル(第2ディンプル13b)を示す。
【0022】
即ち、本実施形態では、多数のディンプル13は、深さが第1深さD1に形成された第1ディンプル13aと、深さが第1深さD1より浅い第2深さD2に形成された第2ディンプル13bとを含んでいる。
【0023】
例えば、第1深さD1は4〜5μm(好ましくは、5μm程度)とし、第2深さD2は2〜3μm(好ましくは、2.5μm程度)とする。即ち、本実施形態では、第2深さを第1深さの約1/2倍(約0.5倍)とする。また、多数のディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b)の直径R1、R2は、比較的大きくするものとし、深さの種類に拘わらず同じ径(例えば、100μm程度)とする。さらに、多数のディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b)の断面形状は、略円弧状とするのではなく、ディンプル13の容積を大きくするために略U字状とした(図2(b)参照)。
【0024】
図2(a)においては、深さの種類が同じディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b)を、ピストンリング10の外周摺動面12にピストンリング10の軸方向に対して傾斜配置している。即ち、複数の第1ディンプル13aを、ピストンリング10の軸方向と平行な方向に対して角度をつけて直線配置し、複数の第2ディンプル13bを、ピストンリング10の軸方向と平行な方向に対して角度をつけて直線配置している。
【0025】
また、図3にディンプル13の深さを3種類にした例(パターン図)を示す。なお、図3(a)中、ハッチングを付した丸が深めのディンプル(第1ディンプル13a)を示し、白丸が中くらいの深さのディンプル(第2ディンプル13b)を示し、×印を付した丸が浅めのディンプル(第3ディンプル13c)を示す。
【0026】
即ち、多数のディンプル13は、深さが第1深さD1に形成された第1ディンプル13aと、深さが第1深さD1より浅い第2深さD2に形成された第2ディンプル13bと、深さが第2深さD2より浅い第3深さD3に形成された第3ディンプル13cとを含んでいても良い。
【0027】
例えば、第1深さD1は4〜5μm(好ましくは、5μm程度)とし、第2深さD2は2〜3μm(好ましくは、2.5μm程度)とし、第3深さD3は1〜1.5μm(好ましくは、1.25μm程度)とする。即ち、第2深さを第1深さの約1/2倍(約0.5倍)とし、第3深さを第2深さの約1/2倍(約0.5倍)としている。また、多数のディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)の直径R1、R2、R3は、比較的大きくするものとし、深さの種類に拘わらず同じ径(例えば、100μm程度)とする。さらに、多数のディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)の断面形状は、略円弧状とするのではなく、ディンプル13の容積を大きくするために略U字状としている(図3(b)参照)。
【0028】
図3(a)においては、深さの種類が同じディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)を、ピストンリング10の外周摺動面12にピストンリング10の軸方向に対して傾斜配置している。即ち、複数の第1ディンプル13aを、ピストンリング10の軸方向と平行な方向に対して角度をつけて直線配置し、複数の第2ディンプル13bを、ピストンリング10の軸方向と平行な方向に対して角度をつけて直線配置し、複数の第3ディンプル13cを、ピストンリング10の軸方向と平行な方向に対して角度をつけて直線配置している。
【0029】
次に、ディンプル13の形成方法を例示する。
【0030】
〔1〕レーザー
ディンプル13の深さを3種類(第1深さD1、第2深さD2、第3深さD3)とした場合について説明する。
【0031】
レーザーとしては、例えば、エキシマレーザー等のガスレーザーを用いることができる。
【0032】
レーザーの場合は照射時間によってディンプル13の深さが変わる。そのため、パターンに応じてそれぞれのディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)の照射時間を変えることで、ディンプル13の深さをコントロールする。
【0033】
〔2〕エッチング
ディンプル13の深さを3種類(第1深さD1、第2深さD2、第3深さD3)とした場合について説明する。
【0034】
図4に示す3種類のフォトマスクA〜Cを用いて、それぞれのディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)のエッチング時間を変えることで、ディンプル13の深さをコントロールする。
【0035】
まず、光硬化樹脂に、第1ディンプル13a、第2ディンプル13b及び第3ディンプル13cのパターンを露光し、ピストンリング10の外周摺動面12上にフォトマスクAを作る。フォトマスクAを用いてエッチングし、全てのディンプル13にエッチングを行うことにより、全てのディンプル13を浅い状態(第3深さD3)にする。
【0036】
次に、光硬化樹脂に第1ディンプル13a及び第2ディンプル13bのパターンを露光し、フォトマスクA上にフォトマスクBを作る。フォトマスクBを用いてエッチングし、浅く残したいディンプル(第3ディンプル13c)以外のディンプル13にエッチングを行うことにより、浅く残したいディンプル(第3ディンプル13c)以外のディンプル13を中くらいの深さの状態(第2深さD2)とする。
【0037】
次に、光硬化樹脂に第1ディンプル13aのパターンを露光し、フォトマスクB上にフォトマスクCを作る。フォトマスクCを用いてエッチングし、深くしたいディンプル(第1ディンプル13a)のみにエッチングを行うことにより、深くしたいディンプル(第1ディンプル13a)のみを深い状態(第1深さD1)とする。
【0038】
最後に、フォトマスクA〜Cをピストンリング10の外周摺動面12から剥離させることにより、ディンプル13の深さを3種類(第1深さD1、第2深さD2、第3深さD3)としたピストンリング10が得られる。なお、フォトマスクB及びCをフォトマスクA上に順次重ねていくのではなく、エッチングが完了したフォトマスクAを剥離させ、フォトマスクB及びCを直接外周摺動面12上に作っても良い。
【0039】
〔3〕ショットブラスト
ディンプル13の深さを3種類(第1深さD1、第2深さD2、第3深さD3)とした場合について説明する。
【0040】
エッチングの場合と同様に図4に示す3種類のフォトマスクA〜Cを用いて、それぞれのディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)のショットブラスト時間を変えることで、ディンプル13の深さをコントロールする。なお、フォトマスク以外のマスクを用いてピストンリング10の外周摺動面12にマスキングを施しても良い。
【0041】
まず、光硬化樹脂に、第1ディンプル13a、第2ディンプル13b及び第3ディンプル13cのパターンを露光し、ピストンリング10の外周摺動面12上にフォトマスクAを作る。フォトマスクAを用いてショットブラストをし、全てのディンプル13にショットブラストを行うことにより、全てのディンプル13を浅い状態(第3深さD3)にする。
【0042】
次に、光硬化樹脂に第1ディンプル13a及び第2ディンプル13bのパターンを露光し、フォトマスクA上にフォトマスクBを作る。フォトマスクBを用いてショットブラストをし、浅く残したいディンプル(第3ディンプル13c)以外のディンプル13にショットブラストを行うことにより、浅く残したいディンプル(第3ディンプル13c)以外のディンプル13を中くらいの深さの状態(第2深さD2)とする。
【0043】
次に、光硬化樹脂に第1ディンプル13aのパターンを露光し、フォトマスクB上にフォトマスクCを作る。フォトマスクCを用いてショットブラストをし、深くしたいディンプル(第1ディンプル13a)のみにショットブラストを行うことにより、深くしたいディンプル(第1ディンプル13a)のみを深い状態(第1深さD1)とする。
【0044】
最後に、フォトマスクA〜Cをピストンリング10の外周摺動面12から剥離させることにより、ディンプル13の深さを3種類(第1深さD1、第2深さD2、第3深さD3)としたピストンリング10が得られる。なお、フォトマスクB及びCをフォトマスクA上に順次重ねていくのではなく、エッチングが完了したフォトマスクAを剥離させ、フォトマスクB及びCを直接外周摺動面12上に作っても良い。
【0045】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
【0046】
本実施形態に係るピストンリング10は、ピストンリング本体11と、ピストンリング本体11の外周摺動面12に形成された多数のディンプル13とを有するので、ディンプル13がオイルを保持する機能を発揮し、ピストンリング10のフリクションを下げることができる。
【0047】
特に、本実施形態に係るピストンリング10では、多数のディンプル13は、深さが複数種類(本実施形態では、2種類)となるように形成され、且つ、深さの異なる複数種類のディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b)がピストンリング10(ピストンリング本体11)の周方向に交互に配設されるので、低フリクションで且つ耐摩耗性の高いディンプル付きピストンリングを製作することが可能となる。
【0048】
即ち、多数のディンプル13は、深さが複数種類(本実施形態では、2種類)となるように形成されるので、深めのディンプル(第1ディンプル13a)によりピストンリング10の耐摩耗性を確保しつつ、浅めのディンプル(第2ディンプル13b)によりピストンリング10のフリクションを下げることができる。
【0049】
また、深さの異なる複数種類のディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b)がピストンリング10(ピストンリング本体11)の周方向に交互に配設されるので、ピストンリング10(ピストンリング本体11)の外周摺動面12(硬質被膜15)の周方向に関する偏摩耗が抑制される。また、内燃機関の長時間運転後に、たとえ浅めのディンプル(第2ディンプル13b)がピストンリング10の摩耗により消失してしまったとしても、残りのディンプル(第1ディンプル13a)がピストンリング10(ピストンリング本体11)の周方向に等ピッチ(Pxの2倍)で配置されている状態は維持される。
【0050】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
【0051】
図5及び図6にディンプル13の変形例を示す。図5(a)及び図5(b)においては、深さの種類が同じディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)を、ピストンリング10の外周摺動面12にピストンリング10の軸方向と平行な方向に沿って千鳥配置している。また、図6(a)及び図6(b)においては、深さの種類が同じディンプル(第1ディンプル13a、第2ディンプル13b、第3ディンプル13c)を、ピストンリング10の外周摺動面12にピストンリング10の軸方向と平行な方向に沿って直線配置している。
【0052】
また、上述の実施形態では、ピストンリング10はトップリングであるとしたが、これには限定はされず、本発明はトップリング以外のセカンドリングやオイルリングに適用することも可能である。なお、トップリングはセカンドリングやオイルリングと比較して外周摺動面が大きいので、本発明はトップリングに好適に適用される。
【符号の説明】
【0053】
10 ピストンリング
11 ピストンリング本体
12 外周摺動面
13a 第1ディンプル(ディンプル)
13b 第2ディンプル(ディンプル)
13c 第3ディンプル(ディンプル)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7