(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モニタ電圧出力回路(28)は、前記第1の発音体接続端子(+)にカソード端子が接続されるとともに、前記電位切替端子(Ts)に抵抗(28a)を介してアノード端子が接続された第1のダイオード(28b)と、前記第1のダイオード(28b)のアノード端子と前記抵抗(28a)の接続点にアノード端子が接続されるとともに、並列接続された抵抗(28d)およびコンデンサ(28e)から成る並列回路を介してカソード端子が前記第2の発音体接続端子(−)に接続された第2のダイオード(28c)と、を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
前記ショート故障判定手段により前記発音体(3)がショート故障であると判定された場合、前記発音体(3)が故障している旨をユーザに報知するショート故障報知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両接近通報装置。
前記オープン故障判定手段により前記発音体(3)がオープン故障であると判定された場合、前記発音体(3)が故障している旨をユーザに報知するオープン故障報知手段を備えたことを特徴とする請求項2、3、5のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両接近通報装置においては、スピーカに何らかの異常が発生して発音できなくなると、車両から歩行者に対して車両の接近を通報する機能が失われることになる。運転者がそれを知らずに運転し続けると、運転者は歩行者に対して車両接近通報音が発音されていることを前提として走行しているのにもかかわらず、実際には車両接近通報音が発音されておらず、歩行者が車両接近に気付き難くなり、かえって危険性が増してしまうという問題が発生する。このため、車両接近通報装置の異常について検出できるようにすることが必要となる。
【0005】
このような車両接近通報装置の異常検出方法として、スピーカ電流路に抵抗(検流抵抗)を挿入し、この検流抵抗でスピーカ電流を電圧に変換してモニタし、スピーカの異常を検出するという方法が考えられる。例えば、スピーカのオープン(断線)時にはスピーカ出力配線にスピーカ電流が流れず、検流抵抗の両端間の電圧は0ボルトとなり、また、スピーカのショート時にはスピーカ出力配線に過大な直流電流が流れ、検流抵抗の両端間の電圧はこの過大な直流電流と検流抵抗の抵抗値を乗算することによって得られる電圧値となるため、検流抵抗の両端間の電圧とスピーカのオープンもしくはショート異常判定用の閾値と比較することにより、それらの異常検出を行うことができる。
【0006】
しかし、このようなスピーカ電流路に直列に検流抵抗を挿入して、スピーカ電流を電圧に変換してモニタするような構成では、検流抵抗の抵抗値を大きくすると、スピーカ電流が小さくなりスピーカの音圧が低下してしまう。このため、検流抵抗の抵抗値を小さくする必要がある。
【0007】
しかし、検流抵抗の抵抗値を小さくした場合、モニタ電圧も小さくなるため、増幅回路の増幅率を大きくする必要が生じる。例えば、検流抵抗の抵抗値を1オームとした場合、モニタ電圧も小さくなるため、数十倍の増幅率の増幅器でモニタ電圧を増幅する必要が生じる。
【0008】
しかし、このように増幅率の大きな増幅器でモニタ電圧を増幅する構成では、スピーカ出力配線に車両内外で発生する外来ノイズが重畳すると、このノイズ成分まで大きな増幅率で増幅されることになる。特に、スピーカを接続するスピーカ出力配線のワイヤ長が数メートルにもなるような車両では、スピーカ出力配線に車両内外で発生する外来ノイズが重畳し易く、このスピーカ出力配線に重畳したノイズ成分が大きな増幅率で増幅されるとスピーカ故障の判定精度が低下してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みたもので、スピーカ故障の判定精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両に搭載された発音体(3)から通報音信号に応じた通報音を発音させることにより、車両の接近を通報する車両接近通報装置であって、通報音信号を生成し、当該通報音信号を発音体(3)を接続する第1、第2の発音体接続端子(+、−)を介して出力する通報音信号生成手段(21〜27)と、ハイレベルとローレベルの間で電位レベルが切り替わる電位切替端子(Ts)に接続され、第1、第2の発音体接続端子(+、−)を介して出力される通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧を出力端子(OUT)からモニタ出力する回路を有し、発音体(3)に通報音信号を出力する発音期間中に、電位切替端子(Ts)の電位がハイレベルになると、通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧が出力端子(OUT)からモニタ出力され、発音体(3)がショート故障している場合には出力端子(OUT)の電位がローレベルとなるモニタ電圧出力回路(28)と、発音期間中であるか非発音期間中であるか否かを判定する発音期間判定手段と、発音期間判定手段により発音期間中であると判定された場合、電位切替端子(Ts)の電位をハイレベルにして出力端子(OUT)からのモニタ出力を監視し、発音体(3)のショート故障を判定するショート故障判定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、ハイレベルとローレベルの間で電位レベルが切り替わる電位切替端子(Ts)に接続され、第1、第2の発音体接続端子(+、−)を介して出力される通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧を出力端子(OUT)からモニタ出力する回路を有し、発音体(3)に通報音信号を出力する発音期間中に、電位切替端子(Ts)の電位がハイレベルになると、通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧が出力端子(OUT)からモニタ出力され、発音体(3)がショート故障している場合には出力端子(OUT)の電位がローレベルとなるモニタ電圧出力回路(28)を備え、発音期間中であるか非発音期間中であるか否かを判定し、発音期間中であると判定された場合、電位切替端子(Ts)の電位をハイレベルにして出力端子(OUT)からのモニタ出力を監視し、発音体(3)のショート故障を判定するので、スピーカ電流路に直列に検流抵抗を挿入して、スピーカ電流を電圧に変換してモニタする構成時のように、増幅率の大きな増幅器でモニタ電圧を増幅する必要がなく、車両内外で発生する外来ノイズの影響を受けにくくすることができ、スピーカ故障の判定精度を向上することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、車両に搭載された発音体(3)から通報音信号に応じた通報音を発音させることにより、車両の接近を通報する車両接近通報装置であって、通報音信号を生成し、当該通報音信号を発音体(3)を接続する第1、第2の発音体接続端子(+、−)を介して出力する通報音信号生成手段(21〜27)と、ハイレベルとローレベルの間で電位レベルが切り替わる電位切替端子(Ts)に接続され、第1、第2の発音体接続端子(+、−)を介して出力される通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧を出力端子(OUT)からモニタ出力する回路を有し、発音体(3)に通報音信号を出力しない非発音期間中に、電位切替端子(Ts)の電位レベルが変化すると
、出力端子(OUT)の電位がローレベルとなり、発音体(3)がオープン故障している場合にはオープン故障時特有のモニタ電圧を出力端子(OUT)から出力するモニタ電圧出力回路(28)と、発音期間中であるか非発音期間中であるか否かを判定する発音期間判定手段と、発音期間判定手段により非発音期間中であると判定された場合、電位切替端子(Ts)の電位のレベルを変化させて出力端子(OUT)からのモニタ出力を監視し、発音体(3)のオープン故障を判定するオープン故障判定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、ハイレベルとローレベルの間で電位レベルが切り替わる電位切替端子(Ts)に接続され、第1、第2の発音体接続端子(+、−)を介して出力される通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧を出力端子(OUT)からモニタ出力する回路を有し、発音体(3)に通報音信号を出力しない非発音期間中に、電位切替端子(Ts)の電位レベルが変化すると
、出力端子(OUT)の電位がローレベルとなり、発音体(3)がオープン故障している場合にはオープン故障時特有のモニタ電圧を出力端子(OUT)から出力するモニタ電圧出力回路(28)を備え、発音期間中であるか非発音期間中であるか否かを判定し、非発音期間中であると判定された場合、電位切替端子(Ts)の電位のレベルを変化させて出力端子(OUT)からのモニタ出力を監視し、発音体(3)のオープン故障を判定するので、スピーカ電流路に直列に検流抵抗を挿入して、スピーカ電流を電圧に変換してモニタする構成時のように、増幅率の大きな増幅器でモニタ電圧を増幅する必要がなく、車両内外で発生する外来ノイズの影響を受けにくくすることができ、スピーカ故障の判定精度を向上することができる。
【0014】
なお、請求項3に記載の発明のように、モニタ電圧出力回路は、更に、発音体(3)に通報音信号を出力しない非発音期間中に、電位切替端子(Ts)の電位レベルが変化すると
、出力端子(OUT)の電位がローレベルとなり、発音体(3)がオープン故障している場合にはオープン故障時特有のモニタ電圧を出力端子(OUT)から出力するようになっており、発音期間判定手段により非発音期間中であると判定された場合、電位切替端子の電位のレベルを変化させてモニタ電圧を監視し、発音体(3)のオープン故障を判定するオープン故障判定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、発音体(3)のショート故障と発音体(3)のオープン故障の両方を判定することができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明のように、モニタ電圧出力回路(28)は、第1の発音体接続端子(+)にカソード端子が接続されるとともに、電位切替端子(Ts)に抵抗(28a)を介してアノード端子が接続された第1のダイオード(28b)と、第1のダイオード(28b)のアノード端子と抵抗(28a)の接続点にアノード端子が接続されるとともに、並列接続された抵抗(28d)およびコンデンサ(28e)から成る並列回路を介してカソード端子が第2の発音体接続端子(−)に接続された第2のダイオード(28c)と、を用いて構成することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、オープン故障判定手段は、電位切替端子の電位のレベルを定期的に変化させてモニタ電圧を監視することを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、電位切替端子の電位のレベルを定期的に変化させてモニタ電圧を監視するので定期的にオープン故障の判定を行うことができる。また、非発音期間中に、電位切替端子(Ts)の電位をハイレベルに固定した状態にしておくと発音体が励磁して性能が低下しまうことが考えられるが、電位切替端子の電位のレベルを定期的に変化させることで、発音体が励磁して性能が低下しまうことを防止することが可能である。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、ショート故障判定手段により発音体(3)がショート故障であると判定された場合、発音体(3)が故障している旨をユーザに報知するショート故障報知手段を備えたことを特徴としている。
【0020】
このような構成では、発音体(3)がショート故障であると判定された場合、発音体(3)が故障している旨をユーザに報知するので、運転者が発音体の故障に気付かずに運転し続けてしまうようなことを防止することができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、オープン故障判定手段により発音体(3)がオープン故障であると判定された場合、発音体(3)が故障している旨をユーザに報知するオープン故障報知手段を備えたことを特徴としている。
【0022】
このような構成では、発音体(3)がオープン故障であると判定された場合、発音体(3)が故障している旨をユーザに報知するので、運転者が発音体の故障に気付かずに運転し続けてしまうようなことを防止することができる。
【0023】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態に係る車両接近通報装置の構成を
図1に示す。本車両接近通報装置2には、車速センサ1、スピーカ3およびインジケータ4が接続されている。本車両接近通報装置2は、車両に搭載されたスピーカ3から通報音信号に応じた通報音を発音させることにより、車両の接近を通報するものである。
【0026】
車速センサ1は、車両の走行速度に応じた車速信号を車両接近通報装置2へ出力する。車両接近通報装置2は、車速信号に基づいて車両の走行速度を特定し、車両の発進から時速20キロメートル(km/h)の速度域で通報音信号をスピーカ3へ出力する。
【0027】
スピーカ3は、車両のエンジンルーム等に設置され、スピーカ出力配線を介して接続された車両接近通報装置2より入力される通報音信号に応じた接近通報音を出力する。
【0028】
インジケータ4は、スピーカの故障を報知するためのものであり、メータパネル内に設けられている。インジケータ4には、スピーカ3がショート故障していることを表すインジケータと、スピーカ3がオープン故障していることを表すインジケータがある。各インジケータ4は、車両接近通報装置2からの故障通知信号の入力に応じて点灯するようになっている。
【0029】
車両接近通報装置2は、マイコン21、D/A変換回路22、カップリングコンデンサ23、24、27、ローパスフィルタ(以下、LPFと記す)24、アンプ(以下、AMPと記す)26およびモニタ電圧出力回路28を備えている。
【0030】
マイコン21は、RAM、ROM、I/O等を有しており、ROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。また、本実施形態におけるマイコン21は、A/D入力端子より入力されるアナログ信号を一定間隔毎にサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換機能と、ハイレベルまたはローレベルの信号を出力する出力ポートを有している。
【0031】
D/A変換回路22は、マイコン21より入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するものである。D/A変換回路22は、複数のラダー抵抗22aを梯子型に接続したR−2Rラダー抵抗群を有している。マイコン21の各データ出力端子D0〜D7の電圧レベルに応じてR−2Rラダー抵抗群の合成抵抗が段階的に変化し、D/A変換回路22からR−2Rラダー抵抗群の合成抵抗値に応じた電圧が出力される。
【0032】
コンデンサ23、24、27は、信号に含まれるDC成分をカットし、AC成分のみを通過させるものである。
【0033】
LPF24は、コンデンサ23を介してD/A変換回路22より出力される信号に含まれる高調波等の高周波成分を除去して低周波成分を通過させる。本実施形態におけるLPF24は、抵抗とコンデンサを用いて構成されている。
【0034】
AMP26は、コンデンサ23、LPF24およびコンデンサ25を介してD/A変換回路22より入力される信号の電圧を予め定められた増幅率で増幅し、この増幅した通報音信号を、スピーカ3が接続される第1スピーカ接続端子+および第2スピーカ接続端子−を介して出力する。
【0035】
モニタ電圧出力回路28は、第1、第2スピーカ接続端子+、−に印加される電圧をモニタ出力するものである。マイコン21およびD/A変換回路22から予め定められた周波数の通報音信号が出力される。この通報音信号は、AMP26によって増幅され、増幅された通報音信号が第1、第2スピーカ接続端子+、−を介してスピーカ3に入力され、スピーカ3から接近通報音が出力される。モニタ電圧出力回路28は、スピーカ3の出力配線が接続された第1、第2スピーカ接続端子+、−に印加される電圧を整流して積分し、その積分値に応じた電圧をマイコン21のA/D入力端子へ出力する。
【0036】
具体的には、モニタ電圧出力回路28は、充電電流制限抵抗28a、第1のダイオード28b、第2のダイオード28c、放電抵抗28d、コンデンサ28e、抵抗28fおよびコンデンサ28gを備えている。
【0037】
第1のダイオード28bは、第1スピーカ接続端子+にカソード端子が接続されるとともに、マイコン21の出力ポートに接続された電位切替端子Tsに充電電流制限抵抗28aを介してアノード端子が接続されている。なお、電位切替端子Tsの電位は、マイコン21の出力ポートの電位に応じてハイレベルとローレベルの間で電位レベルが切り替わる。
【0038】
また、第2のダイオード28cは、第1のダイオード28bのアノード端子と充電電流制限抵抗28aの接続点にアノード端子が接続されるとともに、並列接続された放電抵抗28eおよびコンデンサ28dから成る並列回路を介してカソード端子が第2スピーカ接続端子−に接続されている。
【0039】
また、第2のダイオード28cのカソード端子は、抵抗28fおよびコンデンサ28gから成るローパスフィルタを介して出力端子OUTと接続されている。
【0040】
第1のダイオード28bと第2のダイオード28cの各アノード端子は互いに接続されており、また、第2のダイオード28cの順方向降下電圧VFは第1のダイオード28bと等しくなっている。このため、第2のダイオード28cのカソード端子には、第1のダイオード28bのカソード端子とほぼ等しい電位が現れる。
【0041】
また、第1スピーカ接続端子+に対して第1のダイオード28bを逆接続した状態としてあるので、AMP26より出力される通報音信号を半波整流した信号の電圧波形が、第2のダイオード28cのカソード電位として現れる。
【0042】
また、互いのアノードが接続された第1、第2のダイオード28b、28cを用いた構成となっているので、第1、第2のダイオード28b、28cの各順方向降下電圧VFよりも振幅の小さな半波整流波形でもモニタ出力することが可能である。
【0043】
また、第2のダイオード28cのカソード端子には、放電抵抗28eおよびコンデンサ28dから成る並列回路が接続されている。AMP26より出力される通報音信号の電位が上昇すると、第2のダイオード28cのカソード端子の電位も上昇する。このとき、充電電流制限抵抗28aを介してコンデンサ28eの充電が行われる。そして、通報音信号の電位がピークに達した後、下降し始めると、放電抵抗28dを介してコンデンサ28eの放電が行われる。このように、通報音信号に同期してコンデンサ28eの充放電が繰り返し行われる。
【0044】
ここで、放電抵抗28dの抵抗値は、充電電流制限抵抗28aと比較して十分大きな値となっている。具体的には、放電抵抗28dの抵抗値は、充電電流制限抵抗28aの100倍程度となっている。
【0045】
したがって、コンデンサ28eの充電は急速に行われ、コンデンサ28eの放電はゆっくりと行われる。本モニタ電圧出力回路28では、コンデンサ28eの放電が終わる前に、コンデンサ28eの充電が開始されるようになっており、放電抵抗28eおよびコンデンサ28dから成る並列回路は、ピークホールド回路として作動する。
【0046】
このように、通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧が、コンデンサ28dの充電電圧として、抵抗28fおよびコンデンサ28gから成るローパスフィルタを介して出力端子OUTから出力される。
【0047】
図2に、車両接近通報装置2の各部の波形を示す。(a)は、AMP26の出力波形、(b)は、電位切替端子Tsの電圧波形、(c)は、スピーカ正常時の出力端子OUTの電圧波形、(d)は、スピーカオープン故障時の出力端子OUTの電圧波形、(e)は、スピーカショート故障時の出力端子OUTの電圧波形を表している。
【0048】
図2(a)、(b)に示すように、スピーカ3に通報音信号を出力する発音期間中(発音中)に、電位切替端子Tsの電位がハイレベルになると、
図2(c)、(d)に示すように、スピーカ3の正常時およびオープン故障時には、通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧が第2のダイオード28cのカソード端子に接続された出力端子OUTからモニタ出力されるが、
図2(e)に示すように、スピーカ3がショート故障している場合には出力端子OUTの電位がローレベルとなる。
【0049】
また、
図2(a)、(b)に示すように、スピーカ3に通報音信号を出力しない非発音期間中(発音中以外)に、電位切替端子Tsの電位レベルが断続的に変化すると、
図2(c)、(e)に示すように、スピーカ3の正常時およびショート故障時には、第2のダイオード28cのカソード端子に接続された出力端子OUTの電位はローレベルとなるが、
図2(d)に示すように、スピーカ3のオープン故障時には電位切替端子Tsの電位レベルに同期するようにオープン故障時特有のモニタ電圧が出力端子OUTから出力される。
【0050】
なお、非発音期間中に、電位切替端子Tsの電位をハイレベルに固定した状態にしておくと発音体が励磁して性能が低下しまうことが考えられるため、本実施形態では、電位切替端子Tsの電位のレベルを定期的に変化させて、発音体が励磁して性能が低下しまうことを防止している。
【0051】
車両接近通報装置2は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両に搭載されている。車両接近通報装置2は、車速信号に基づいて車両の走行速度を特定し、
図3に示すように、車両の発進から時速20キロメートル(km/h)の速度域で接近通報音を発音するように通報音信号をスピーカ3へ出力し、車両の走行速度が時速20キロメートル(km/h)を超過した場合には、接近通報音を停止するように通報音信号をスピーカ3へ出力しない。ただし、車両の発進から時速20キロメートル(km/h)の速度域であっても、エンジンを使用して走行している場合には、接近通報音を停止するように通報音信号をスピーカ3へ出力しない。このように、本実施形態では、車速およびエンジンの使用有無を接近通報音の発音条件として、この発音条件が成立したか否かに基づいて接近通報音の発音または停止を決定している。
【0052】
次に、
図4に従って、マイコン21の処理について説明する。車両のイグニッションスイッチがオン状態になると、本車両接近通報装置2は動作状態となり、マイコン21は、
図4に示す処理を周期的に実施する。
【0053】
まず、発音中か否かを判定する(S100)。具体的には、上記した接近通報音の発音条件が成立したか否かに基づいて発音中か否かを判定する。
【0054】
ここで、例えば、車両がモータ走行で発進し、接近通報音の発音条件が成立している場合、S100の判定はYESとなり、出力ポートからハイレベルの信号を出力し、電位切替端子Tsの電位レベルをハイレベルに設定する(S112)。
【0055】
次に、A/D入力端子に接続された出力端子OUTのモニタ電圧を監視する(S114)。具体的には、出力端子OUTのモニタ電圧をデジタル信号にA/D変換し、出力端子OUTのモニタ電圧を特定する。
【0056】
次に、出力端子OUTのモニタ電圧がスピーカショート故障判定閾値以下であるか否かを判定する(S116)。
【0057】
ここで、出力端子OUTのモニタ電圧がスピーカショート故障判定閾値以下の場合、S116の判定はYESとなり、スピーカ3がショート故障であると確定し(S118)、次に、スピーカ3がショート故障であることをインジケータ4に表示させ、ドライバに通知する(S120)。具体的には、スピーカ3がショート故障していることを表す故障通知信号をインジケータ4に出力する。これにより、メータ内に設けられたスピーカ3がショート故障していることを表すインジケータ4が点灯する。
【0058】
また、出力端子OUTのモニタ電圧がスピーカショート故障判定閾値よりも大きい場合、S116の判定はNOとなり、インジケータ4の表示を行うことなく、本処理を終了する。
【0059】
また、例えば、車両の走行速度が時速20キロメートル(km/h)を超えて、接近通報音の発音条件が成立しなくなった場合、S100の判定はNOとなり、出力ポートから断続的にハイレベルの信号を出力し、電位切替端子Tsの電位レベルを断続的にハイレベルとローレベルの間で変化させる(S102)。
【0060】
次に、A/D入力端子に接続された出力端子OUTのモニタ電圧を監視する(S104)。具体的には、出力端子OUTのモニタ電圧をデジタル信号にA/D変換し、出力端子OUTのモニタ電圧を特定する。
【0061】
次に、出力端子OUTのモニタ電圧がスピーカオープン故障判定閾値以上であるか否かを判定する(S106)。
【0062】
ここで、出力端子OUTのモニタ電圧がスピーカショート故障判定閾値以上の場合、S106の判定はYESとなり、スピーカ3がオープン故障であると確定し(S108)、次に、スピーカ3がオープン故障であることをインジケータ4に表示させ、ドライバに通知する(S110)。具体的には、スピーカ3がオープン故障していることを表す故障通知信号をインジケータ4に出力する。これにより、メータ内に設けられたスピーカ3がオープン故障していることを表すインジケータ4が点灯する。
【0063】
上記した構成によれば、ハイレベルとローレベルの間で電位レベルが切り替わる電位切替端子Tsに接続され、第1、第2のスピーカ接続端子+、−を介して出力される通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧を出力端子OUTからモニタ出力する回路を有し、スピーカ3に通報音信号を出力する発音期間中に、電位切替端子Tsの電位がハイレベルになると、通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧が出力端子OUTからモニタ出力され、スピーカ3がショート故障している場合には出力端子OUTの電位がローレベルとなるモニタ電圧出力回路28を備え、発音期間中であるか非発音期間中であるか否かを判定し、発音期間中であると判定された場合、電位切替端子Tsの電位をハイレベルにして出力端子OUTからのモニタ出力を監視し、スピーカ3のショート故障を判定するので、スピーカ電流路に直列に検流抵抗を挿入して、スピーカ電流を電圧に変換してモニタする構成時のように、増幅率の大きな増幅器でモニタ電圧を増幅する必要がなく、車両内外で発生する外来ノイズの影響を受けにくくすることができ、スピーカ故障の判定精度を向上することができる。
【0064】
また、ハイレベルとローレベルの間で電位レベルが切り替わる電位切替端子Tsに接続され、第1、第2のスピーカ接続端子+、−を介して出力される通報音信号を半波整流して積分した信号の電圧を出力端子OUTからモニタ出力する回路を有し、スピーカ3に通報音信号を出力しない非発音期間中に、電位切替端子Tsの電位レベルが変化すると、第2のダイオード28cのカソード端子に接続された出力端子OUTの電位がローレベルとなり、スピーカ3がオープン故障している場合にはオープン故障時特有のモニタ電圧を出力端子OUTから出力するモニタ電圧出力回路28を備え、発音期間中であるか非発音期間中であるか否かを判定し、非発音期間中であると判定された場合、電位切替端子Tsの電位のレベルを変化させて出力端子OUTからのモニタ出力を監視し、スピーカ3のオープン故障を判定するので、スピーカ電流路に直列に検流抵抗を挿入して、スピーカ電流を電圧に変換してモニタする構成時のように、増幅率の大きな増幅器でモニタ電圧を増幅する必要がなく、車両内外で発生する外来ノイズの影響を受けにくくすることができ、スピーカ故障の判定精度を向上することができる。
【0065】
また、スピーカ3のショート故障とスピーカ3のオープン故障の両方を判定することができる。
【0066】
また、モニタ電圧出力回路28は、第1のスピーカ接続端子+にカソード端子が接続されるとともに、電位切替端子Tsに充電電流制限抵抗28aを介してアノード端子が接続された第1のダイオード28bと、第1のダイオード28bのアノード端子と充電電流制限抵抗28aの接続点にアノード端子が接続されるとともに、並列接続された抵抗28dおよびコンデンサ28eから成る並列回路を介してカソード端子が第2のスピーカ接続端子−に接続された第2のダイオード28cと、を用いて構成することができる。
【0067】
また、電位切替端子の電位のレベルを定期的に変化させてモニタ電圧を監視するので定期的にオープン故障の判定を行うことができる。また、非発音期間中に、電位切替端子(Ts)の電位をハイレベルに固定した状態にしておくと発音体が励磁して性能が低下しまうことが考えられるが、電位切替端子の電位のレベルを定期的に変化させることで、発音体が励磁して性能が低下しまうことを防止することが可能である。
【0068】
また、スピーカ3がショート故障であると判定された場合、スピーカ3が故障している旨をユーザに報知するので、運転者が発音体の故障に気付かずに運転し続けてしまうようなことを防止することができる。
【0069】
また、スピーカ3がオープン故障であると判定された場合、スピーカ3が故障している旨をユーザに報知するので、運転者が発音体の故障に気付かずに運転し続けてしまうようなことを防止することができる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0071】
例えば、上記実施形態では、本車両接近通報装置2がハイブリッド車両に搭載された例を示したが、ハイブリッド車両に限定されるものではなく、例えば、電気自動車等に搭載されるようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、発音体としてスピーカ3を用いたが、ブザー等を用いることもできる。
【0073】
また、上記実施形態では、マイコン21、D/A変換回路22およびAMP26等により通報音信号を生成する構成を示したが、このような回路に限定されるものではない。
【0074】
また、上記実施形態では、スピーカ3のオープン故障またはショート故障をインジケータ4に表示させてスピーカの故障をユーザに報知する例を示したが、例えば、スピーカ3のオープン故障またはショート故障を故障情報として記憶媒体に記憶させるようにし、その内容を自動車ディーラー等の修理工場等で故障診断に活用するようにするなど、インジケータ4への表示以外の手法を用いてオープン故障およびショート故障を報知するようにしてもよい。
【0075】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S100が発音期間判定手段に相当し、S116、S118がショート故障判定手段に相当し、S106、S108がオープン故障判定手段に相当し、S120がショート故障報知手段に相当し、S110がオープン故障報知手段に相当する。