(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パスワード設定手段は、前記電子メールに設定された複数の送信先に、前記記憶手段に記憶されていない送信先が予め定めた条件を満たす数だけ含まれる場合には、前記記憶手段に記憶されている送信先に対しても当該電子メールに添付されたファイルに対して前記パスワード生成手段により生成されたパスワードを設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記パスワード設定手段により設定されたパスワードを、前記電子メールの送信元に対して通知するパスワード通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおけるシステム構成の一例を示す図である。尚、
図1に示す各種端末の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム100には、クライアント端末101、システム管理者が利用する管理者用クライアント端末102、内部メールサーバ104が設置されており、それら端末は、ローカルエリアネットワーク(LAN)103を介して相互に通信可能に接続されており、内部システムとして構築されている。
【0023】
また、クライアント端末101は、広域ネットワーク105を介して、少なくとも1以上の外部メールサーバ106と相互に通信可能に接続されている。また、LAN103と広域ネットワーク105との間には不図示のファイアウォール装置が設置されており、あらかじめ決められた規則に従った通信制御処理が行われている。
【0024】
内部メールサーバ104は、クライアント端末101による電子メール中継のためのサーバ装置であり、クライアント端末101のSMTP通信内容を特定し、その通信内容に応じて後述する各種の処理を行うことになる。
【0025】
管理者用クライアント端末102は、内部メールサーバ104の設定、管理を行うことになる。
【0026】
次に、
図1に示す内部メールサーバ104の各種端末のハードウェア構成について、
図2を用いて説明する。尚、クライアント端末101、及び管理者用クライアント端末102についても同様な構成を備えるため説明は省略する。
【0027】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各クライアント装置の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0028】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0029】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードや不図示のマウス等のポインティングデバイスを示す入力部209からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。
【0030】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0031】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0032】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0033】
本発明を実現するためのパスワード通知メールの送信処理を実行するためのプログラム等は、外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行される。
【0034】
本発明に係わるパスワード通知メールの送信処理が用いる定義情報及び各種情報テーブルについても、外部メモリ211に記憶されている。これらについての詳細な説明は、後述する。
【0035】
図3は、情報処理システム100に係る機能構成を示す模式図であり、各々の機能に関して概要を説明する。尚、この模式図に限らず
図4に示すフローチャートと合わせて、各機能内容を説明する。
【0036】
図3に示すように、クライアント端末101は、クライアントメール送信手段301を備えており、クライアントメール送信手段301は、LAN103を介して、内部メールサーバ104と接続されている。
【0037】
クライアントメール送信手段301は、電子メールを送信指示するためのソフトウェアによって実現される機能を備えており、例えば、
図5に示すメール作成画面500を、ディスプレイ装置210に表示し、ユーザは、入力部209を用いて、電子メールの送信先アドレスを示す宛先501、及びCC(Carbon Copy)502、電子メールのタイトルを示す件名503、電子メール本文504、電子メールに対して添付されたファイルを示す添付ファイル505等に対して、入力あるいは添付等を行う。
【0038】
そして、ユーザは、電子メールを送信するにあたり、メール作成画面500に備えられた送信ボタン506を押下することで、入力部209を用いて作成した電子メールを、宛先501及びCC502に設定された送信先アドレスへ送信する。
【0039】
また、メール作成画面500は、添付ボタン507を備えており、ユーザは、添付ファイル505を電子メールに添付する際に、添付ボタン507を押下することにより、クライアント端末101に存在するファイルを指定するための画面(不図示)をディスプレイ装置210に表示し、当該画面に表示されたファイルから入力部209を用いて選択指定することで、添付対象となるファイルを電子メールへ添付する。
【0040】
クライアント端末101は、クライアントメール受信手段302を備えており、クライアントメール受信手段302は、ネットワーク103を介して、内部メールサーバ104と接続されている。
【0041】
クライアントメール受信手段302は、内部システムに存在するクライアント端末101や内部システム以外の外部システムに存在するクライアント端末から、内部メールサーバ104を介して、電子メールの受信を行う。
【0042】
受信されたメールは、
図5に示すメール作成画面500の宛先501、CC502、件名503、電子メール本文504、及び添付ファイル505等の各項目を含んで、ディスプレイ装置210に表示され、ユーザは、受信された電子メールの内容を確認する。
【0043】
内部メールサーバ104は、サーバメール受信手段303を備えており、サーバメール受信手段303は、クライアント端末101や、広域ネットワーク105を介して、少なくとも1以上の外部メールサーバ106と接続されている。
【0044】
サーバメール受信手段303は、内部システムに存在するクライアント端末101や内部システム以外の外部システムに存在するクライアント端末から電子メールの受信を行う。
【0045】
内部メールサーバ104は、パスワード設定判定手段304、パスワード記憶手段305、メール生成手段306、サーバメール送信手段307、パスワード通知メール生成手段308、及びパスワード通知メール送信手段309を備えている。
【0046】
パスワード設定判定手段304は、サーバメール受信手段303、パスワード記憶手段305、メール生成手段306、及びパスワード通知メール生成手段308に接続されている。
【0047】
パスワード設定判定手段304は、サーバメール受信手段303において電子メールを受信した旨の通知を受け取ると、当該電子メールの内容を解析する。解析内容の概要としては、添付ファイルが存在する電子メールであれば、電子メールの宛先(CCを含めても良い)を抽出し、この宛先に対応する所定のパスワードを特定するか、あるいは、自動でランダムにパスワードを生成する。ここでランダムに生成されるパスワードとは、いわゆるワンタイムパスワードのようなパスワードである。
【0048】
本実施形態においては、添付ファイルについてパスワードを設定するものとして説明するが、添付ファイルだけでなく電子メール全体を暗号化してもよい。
【0049】
つまり、宛先に設定されている相手先に対しては、所定のパスワードを用いて、添付ファイルに対してパスワードを設定する運用を行っているようであれば、添付ファイルに設定するための所定のパスワードを特定する。
【0050】
所定のパスワードを用いる運用を行っていないようであれば、電子メールを送信する度に、自動でランダムにパスワードを生成する(パスワード生成手段)。
【0051】
このような宛先に応じて設定すべくパスワードは、パスワード記憶手段305を構成するテーブルに予め記憶されており、このテーブルの構成例として、
図11に示されるパスワードテーブル1100があげられる。
【0052】
パスワードテーブル1100は、添付ファイルに所定のパスワードを設定する対象とすべく宛先を示すメールアドレス1101、所定のパスワードを示す添付ファイル用パスワード1102、添付ファイルに設定されたパスワードを通知する電子メールを送信した時の日付を示す利用日時1103を含む構成を有する。
【0053】
パスワード設定判定手段304は、抽出した宛先に対応する所定のパスワードがパスワード記憶手段305(パスワードテーブル1100)に存在するか否かの判定を行い、存在するようであれば、前述したように、所定のパスワードを用い、存在しないようであれば、自動でランダムにパスワードを生成する。
【0054】
あるいは、存在するとしても、相互に、電子メールを送信する度に、自動でランダムに生成したパスワードを用いる運用を行い、存在しない場合、添付ファイルに対してパスワードを設定しない運用を取ることも可能であり、この場合、パスワードテーブル1100の添付ファイル用パスワード1102には、自動でランダムにパスワードを生成する旨の情報を設定しておいても良い。
【0055】
パスワード設定判定手段304は、電子メールの解析を行った後、抽出した宛先に対応するパスワードがパスワード記憶手段305に存在する場合、メール生成手段306に対して、パスワード、及び解析終了結果を通知し、存在しない場合、メール生成手段306に対して、解析終了結果を通知する。
【0056】
また、抽出した宛先に対応する所定のパスワードがパスワード記憶手段305に存在する場合、パスワード通知メール生成手段308に対して、解析終了結果と共に、抽出した宛先、及びパスワード等を通知するが、これらの項目に限らず、送信先に通知を行いたい内容(後述)を電子メールから特定されうる限り、項目を通知することも可能である。
【0057】
メール生成手段306は、サーバメール送信手段307とも接続されており、パスワード設定判定手段304によって、パスワード、及び解析終了結果の通知を受け取った場合、サーバメール受信手段303によって受信した電子メールの添付ファイルを抽出し、当該添付ファイルに対して、通知されたパスワードを設定して、再度、当該電子メールにパスワードが設定された添付ファイルを添付して、サーバメール送信手段307に出力する。
【0058】
また、パスワード設定判定手段304によって、解析終了結果の通知を受け取った場合、サーバメール受信手段303によって受信した電子メールを、サーバメール送信手段307に出力する。
【0059】
サーバメール送信手段307は、クライアント端末101や、広域ネットワーク105を介して、少なくとも1以上の外部メールサーバ106と接続されている。
【0060】
サーバメール送信手段307は、メール生成手段306から、電子メールの出力を受け取ると、内部システムに存在するクライアント端末101や内部システム以外の外部システムに存在するクライアント端末に対して当該電子メールの送信を行う。
【0061】
パスワード通知メール生成手段308は、パスワード通知メール送信手段309と接続されており、パスワード設定判定手段304から、解析終了結果と共に、抽出した宛先、及びパスワード等の通知を受け取ると、添付ファイルに設定されたパスワードを通知するための電子メールの生成を行う。
【0062】
添付ファイルに設定されたパスワードを通知する電子メールの一例として、
図6に示されるパスワード通知画面600があげられ、パスワード通知画面600は、電子メールの送信先アドレスを示す宛先601、CC(Carbon Copy)602、電子メールのタイトルを示す件名603、及び電子メール本文604を備えている。
【0063】
宛先601及びCC602は、記載順に、パスワード設定判定手段304から通知された宛先(メール作成画面500の宛先501)及びCC(メール作成画面500のCC502)が、この記載順に設定され、件名603には、本電子メールが、添付ファイルに設定されたパスワードを通知する電子メールであることを示す内容(例えば、パスワード通知)等を設定する。
【0064】
また、電子メール本文604には、宛先に対応する名称や、パスワード設定判定手段304から通知されたパスワードを出力する。但し、前述したように、パスワード設定判定手段304から通知される情報として、サーバメール受信手段303によって受信した電子メールから抽出可能な情報、例えば、件名503に設定されたタイトルなど、添付ファイルが存在する電子メールを特定し易い情報を出力しても良い。
【0065】
パスワード通知メール生成手段308は、添付ファイルに設定されたパスワードを通知する電子メールの生成が完了すると、パスワード通知メール送信手段309に対して、生成完了を通知する。
【0066】
パスワード通知メール送信手段309は、クライアント端末101や、広域ネットワーク105を介して、少なくとも1以上の外部メールサーバ106と接続されている。
【0067】
パスワード通知メール送信手段309は、パスワード通知メール生成手段308から、生成完了通知を受け取ると、内部システムに存在するクライアント端末101や内部システム以外の外部システムに存在するクライアント端末に対して添付ファイルに設定されたパスワードを通知する電子メールの送信を行う。
【0068】
管理者用クライアント端末102は、パスワード設定手段310を備えており、パスワード設定手段310は、内部メールサーバ104と接続されており、宛先に応じたパスワードを設定するための画面(不図示)をディスプレイ装置210へ表示し、管理者へ入力を行わせる。
【0069】
パスワード設定手段310によって入力されたパスワードは、ネットワーク103を介して、内部メールサーバ104へ送信され、パスワード記憶手段305(パスワードテーブル800)へ記憶される。
【0070】
つまり、パスワード設定手段310における宛先に応じたパスワードを設定するための画面(不図示)は、パスワードテーブル800における各項目(少なくともメールアドレス801、及び添付ファイル用パスワード802の項目)を入力可能な構成を備えている。
【0071】
次に、
図4には、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおけるパスワード通知メールの送信処理を表すフローチャートが示されている。尚、各ステップで実行される処理については、内部メールサーバ104のCPU201の制御の下、処理が実行される。
【0072】
ステップS101では、サーバメール受信手段303は、クライアント端末101のクライアントメール送信手段301によって送信された電子メールを受信する。
【0073】
ステップS102では、パスワード設定判定手段304は、ステップS101で受信した電子メールに添付ファイルが存在するか否かを判定する。
【0074】
添付ファイルが存在すると判定した場合(ステップS102:YES)は、処理をステップS103へ進める。
【0075】
添付ファイルが存在しないと判定した場合(ステップS102:NO)は、処理をステップS119へ進め、当該電子メールを当該電子メールに設定された送信先に送信する。
【0076】
ここで、本実施形態においては、ステップS102において添付ファイルの有無を判断している。これは、電子メールのうち添付ファイルに対してパスワードを設定する構成を採用した場合の処理である。そのため、添付ファイルだけでなく、電子メール全体を暗号化(パスワード設定)する構成の場合は、ステップS102の処理は不要である。
【0077】
同様に、後述するステップS106、S108、S113、S115の処理も、添付ファイルだけを暗号化する場合に必要な処理であるため、電子メール全体を暗号化する場合には不要となる。
【0078】
ステップS103では、パスワード設定判定手段304は、電子メールから宛先(送信先)に関する情報を取得する。
【0079】
ステップS104では、パスワード設定判定手段304は、ステップS103において取得した送信先に該当するパスワードテーブル1100のメールアドレス1101に対応する添付ファイル用パスワード1102を取得して、当該送信先に対応するパスワードを特定する。
【0080】
パスワードテーブル1100に宛先に該当するメールアドレス1101が存在しない場合は、当該宛先に対応するパスワードが存在しない旨を特定する。
【0081】
ステップS101で取得した電子メールに複数の送信先(To,CC、BCC)が設定されている場合は、それぞれの送信先毎にステップS103およびS104の処理を実行する。
【0082】
ステップS105では、パスワード設定判定手段304は、ステップS104においてパスワードの特定がなされた結果、ステップS101で取得した電子メールに設定された送信先の全てが、所定のパスワードを用いる送信先であるか否かを判断する。
【0083】
すべての送信先が所定のパスワードを用いる送信先であると判断された場合(ステップS105:YES)は、処理をステップS106に移行する。
【0084】
1つでも所定のパスワードを用いない送信先が含まれている場合(ステップS105:NO)は、処理をステップS112に移行する。
【0085】
ステップS105における判定方法としては、添付ファイル用パスワード1102に所定のパスワードを設定し、パスワードテーブル1100に存在しない宛先については自動でランダムにパスワードを生成するという構成の場合は、「添付ファイル用パスワード1102に宛先に対応する所定のパスワードが存在するか否か」により判定する。
【0086】
また、別の判定方法として、添付ファイル用パスワード1102に所定のパスワードあるいは自動でランダムにパスワードを生成する旨の情報を設定しておく構成の場合は、「添付ファイル用パスワード1102に設定された情報が、所定のパスワードであるか否か」により判定する。
【0087】
なお、この別の判定方法を用いる場合、フローチャート上図示されてはいないが、パスワードテーブル1100に宛先が存在しない場合は、添付ファイルにパスワードを設定せず、当該電子メールを送信しても良い。
【0088】
ステップS106では、メール生成手段306は、ステップS101で受信した電子メールの添付ファイルを抽出する。
【0089】
ステップS107では、メール生成手段306は、ステップS106において抽出した添付ファイルに対して、ステップS104で特定したパスワードを設定する。
【0090】
ステップS108では、メール生成手段306は、ステップS107においてパスワードが設定された添付ファイルを、電子メールに対して、再度、添付する。
【0091】
ここで、ステップS106〜ステップS108の処理については、対象の電子メールのエンベロープを送信先ごとのエンベロープに分割して実行する。
【0092】
なお、既にエンベロープ分割が行われている場合や、送信先が1つしか設定されていない場合には、エンベロープ分割処理は行わない。電子メールのエンベロープ分割のイメージを
図13に示す。
【0093】
図13は、電子メールのエンベロープ分割のイメージを示す図である。
図13中のエンベロープ分割前の電子メールは、電子メールのエンベロープに複数の送信先(A,B,C)が設定されている。
【0094】
このような電子メールデータに対してエンベロープ分割を行うと、エンベロープ分割後のようになる。即ち、1つ1つの送信先がエンベロープに個別に設定された複数の電子メール(分割メール)が作成されることになる(分割メール生成手段)。
図13のエンベロープ分割後の電子メールからもわかるように、元の電子メールのエンベロープに設定された送信先(A,B,C)がそれぞれ1つずつ設定された電子メールが作成される。
以上が、電子メールのエンベロープ分割の説明である。
【0095】
ステップS109では、パスワード通知メール生成手段308は、ステップS101で取得した電子メールの送信元に対して、ステップS107で設定したパスワードを通知するためのメール(パスワード通知メール)を作成する。
【0096】
図6や
図8がステップS109で作成されるパスワード通知メールの一例である。
【0097】
ステップS110では、サーバメール送信手段307は、ステップS108で生成した電子メールを送信する。
【0098】
ステップS111では、サーバメール送信手段307は、ステップS109で生成したパスワード通知メールを、ステップS101で取得した電子メールの送信元に対して送信する。
そして本フローチャートに示す処理を終了する。
【0099】
次に、ステップS105で、ランダムなパスワードを用いる送信先が含まれていると判断された場合の処理について説明する。
【0100】
ステップS112では、パスワード生成手段(不図示)が、ワンタイムパスワード等のランダムなパスワードを生成する。
【0101】
ステップS113では、メール生成手段306は、ステップS101で受信した電子メールの添付ファイルを抽出する。
【0102】
ステップS114では、メール生成手段306は、ステップS119において抽出した添付ファイルに対して、ステップS112で生成したパスワードを設定する。
【0103】
ステップS115では、メール生成手段306は、ステップS107においてパスワードが設定された添付ファイルを、電子メールに対して、再度、添付する。
【0104】
ここで、ステップS113〜ステップS115の処理については、対象の電子メールのエンベロープを送信先ごとのエンベロープに分割して実行する。
【0105】
ステップS114では、いずれの送信先に対するメールの添付ファイルに対しても、同一のパスワードを設定する。
【0106】
エンベロープ分割についての説明は、上述のステップS106〜ステップS108の処理と同様である。
【0107】
ステップS116では、パスワード通知メール生成手段308は、ステップS103で取得した宛先とステップS112で生成したパスワードとを用いて、添付ファイルに設定されたパスワードを通知する電子メールを生成する。この電子メールの1例は、前述した様に、
図10に示す構成を有している。
【0108】
ステップS117では、サーバメール送信手段307は、ステップS115で生成した電子メールを、宛先(CCを含む)に対して送信する。
【0109】
ステップS118では、パスワード通知メール送信手段309は、ステップS116で生成したパスワード通知メールを、ステップS101で取得した電子メールの送信元に対して送信する。
【0110】
図5は、送信元「aaa@example.co.jp」から送信先「abcdef@ppp.co.jp」に対して送信される電子メールの一例を示す図である。添付ファイル505として2つのファイルが添付されている。
【0111】
図6は、
図5の電子メールに対応するパスワード通知メールの一例である。
図5に示す電子メールの送信先である「aaa@example.co.jp」が宛先601に設定されている。
【0112】
また、パスワードとしては、「abcdef@ppp.co.jp」に対応するパスワードである「2012yamada0101」が記載されている(604)。
【0113】
このパスワードは、
図11に示すパスワードテーブル1100からメールアドレスに基づき取得された添付ファイル用パスワードである。
【0114】
図7は、「abcdef@ppp.co.jp」、「zzzaaa@ppp.co.jp」、「bbbddd@ppp.co.jp」の3つの送信先に対して送信される電子メールの一例を示す図である。
図5と同様に添付ファイルが存在する。
【0115】
図8は、
図7に示す電子メールに対応するパスワード通知メールの一例を示す図である。
【0116】
図7に示す電子メールの送信先は、いずれも所定のパスワードを用いる送信先である。そのため、パスワード通知メールに記載されるパスワードは、それぞれの送信先に対応したパスワード(
図11のパスワードテーブルに登録されたパスワード)となる。
【0117】
図9は、「abcdef@ppp.co.jp」、「xyz@abc.co.jp」、「12345@xyz.co.jp」の3つの送信先に対して送信される電子メールの一例を示す図である。
図5と同様に添付ファイルが存在する。
【0118】
図10は、
図9に示す電子メールに対応するパスワード通知メールの一例を示す図である。
【0119】
図9に示す送信先のうち、「abcdef@ppp.co.jp」はパスワードテーブル(
図11)に登録されているため、所定パスワードを用いる送信先であると判断される。
【0120】
これに対して、「xyz@abc.co.jp」、「12345@xyz.co.jp」は、パスワードテーブルに登録されていないため、ランダムなパスワードを用いる送信先である。
【0121】
このように、同一の電子メールに所定パスワードを用いる送信先と、ランダムなパスワードを用いる送信先とが混在している場合には、所定パスワードを用いる送信先に対してもランダムなパスワードを用いることになる。
【0122】
そのため、
図10に示すパスワード通知メールには、すべての送信先に対して、ランダムに生成された同一のパスワードが記載されている。
[第2の実施形態]
【0123】
次に、
図14を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施例において説明した
図4のフローチャートと同一の処理については、ここでの説明を省略する。
【0124】
ステップS201では、メールサーバ104のCPU201は、ステップS104におけるパスワード特定処理の結果、ランダムパスワードを適用する送信先が予め定められた数存在するかを判断する。
【0125】
すなわち、ステップS101で取得した電子メールに設定された送信先メールアドレスのうち、パスワードテーブル(
図11)に登録されていないメールアドレスの数が、所定数以上であるかを判断する。
【0126】
ランダムパスワードを適用する送信先メールアドレスが所定数以上、存在する場合(ステップS201:YES)は、処理をステップS112に移行する。そして、ステップS112〜S118までの処理を実行する。
図14におけるステップS112〜S118の処理は、
図4で説明したステップS112〜S118の処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0127】
ここで、ステップS201の判断基準の設定について説明する。
図15に示す画面が、同一のワンタイムパスワードを適用するか否かの判断基準となる送信先数を設定する画面である。
【0128】
図15に示す入力欄1501にユーザから数値が入力され、登録ボタン1502が押下されると、同一のワンタイムパスワードを適用するか否かの判断基準となる送信先数が登録される。
【0129】
そして、ワンタイムパスワードを適用する送信先の数が、当該登録された数値以上である場合、すべての送信先への添付ファイルに対して同一のワンタイムパスワードが適用される。
【0130】
例えば、入力欄1501に「3」が入力され、登録ボタン1502が押下された場合を考える。例えば、ステップS101で取得した電子メールの送信先のうち、固定パスワードを適用する送信先が2つ、ワンタイムパスワードを適用する送信先が4つ設定されていたとする(ステップS201:YES)。この場合、ワンタイムパスワードを適用する送信先が、登録された数値以上であるため、固定パスワードを適用する送信先(2つ)とワンタイムパスワードを適用する送信先(4つ)の全てに対して、同一のワンタイムパスワードが適用されることになる(
図14におけるステップS112〜S118の処理が実行されることになる)。
【0131】
他方、ワンタイムパスワードを適用する送信先の数が2つであった場合(ステップS201:NO)は、ステップS202の処理へ移行する。ステップS202以降の処理については後述する。
【0132】
ランダムパスワードを適用する送信先メールアドレスが所定数以上存在しない場合(ステップS201:NO)は、処理をステップS202に移行する。
【0133】
ステップS202では、メールサーバ104のCPU201は、ステップS101で取得した電子メールに設定された送信先メールアドレスのすべてが所定パスワードを適用する送信先メールアドレスであるか否かを判断する。
【0134】
すべての送信先メールアドレスが所定パスワードを適用すると判断された場合(ステップS202:YES)は、処理をステップS106に移行する。そして、ステップS106〜ステップS111の処理を実行する。
図14におけるステップS106〜S111の処理については、
図4で説明したステップS106〜S111の処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0135】
すべての送信先メールアドレスが所定パスワードを適用する送信先ではない場合(少なくとも1つはランダムパスワードを適用する送信先が含まれている場合)は、処理をステップS203に移行する。
【0136】
すなわち、ランダムパスワードを適用する送信先の数が、
図15の設定画面により設定された送信先数よりは少ないものの、1以上含まれている場合は、ステップS203以降の処理を実行する。ステップS203以降の処理においては、固定パスワード(所定パスワード)を適用する送信先に対しては、固定パスワードを適用し、ランダムパスワードを適用する送信先に対しては、統一されたランダムパスワードを適用する処理である。
【0137】
ステップS203では、メールサーバ104のCPU201は、ワンタイムパスワードなどのランダムなパスワードを生成する。
【0138】
ステップS204では、メールサーバ104のCPU201は、ステップS101で取得した電子メールに添付されたファイルを抽出する。
【0139】
ステップS205では、メールサーバ104のCPU201は、ステップS204で抽出したファイルに対してパスワードを設定する。
【0140】
ここで設定されるパスワードは、ステップS104で固定パスワードを適用する送信先であると判断された送信先に送信するファイルについては、当該固定パスワードを適用する。他方、固定パスワードを適用しない(ワンタイムパスワードなどのランダムパスワードを適用する)と判断された送信先に送信するファイルについては、ステップS203で生成したパスワードを適用する。この際、固定パスワードを適用しないと判断された送信先が複数存在する場合には、それぞれ同一のパスワードを適用する。
【0141】
ステップS206では、メールサーバ104のCPU201は、パスワードを設定したファイルを再度電子メールに添付する。
【0142】
ステップS207では、メールサーバ104のCPU201は、パスワード通知メールを作成する。
【0143】
図16は、ステップS207で作成されるパスワード通知メールの一例を示した図である。
【0144】
このパスワード通知メールは、ステップS101で取得した電子メールの送信者に対して送信されるものであり、どの送信先に対してどのパスワードが適用されたかを通知するメールである。
【0145】
図16に示す例は、固定パスワードを適用する送信先として、「abcdef@ppp.co.jp」と「zzzaaa@ppp.co.jp」と「bbbddd@ppp.co.jp」の3つが設定され、ワンタイムパスワードを適用する送信先として「abcdef@ppp.co.jp」の1つが設定された場合のパスワード通知メールを示している。
【0146】
「abcdef@ppp.co.jp」と「zzzaaa@ppp.co.jp」と「bbbddd@ppp.co.jp」については、パスワードテーブルに登録されたパスワードがそれぞれ設定されている。
【0147】
他方、「abcdef@ppp.co.jp」については、パスワードテーブルに登録されていないため、ワンタイムパスワードである「D41ZJdkG」が設定されている。
【0148】
このように、固定パスワードが適用された送信先と、ワンタイムパスワードが適用された送信先とが混在することになる。そのため、パスワード通知メールにおいて、固定パスワードが適用された送信先と、ワンタイムパスワードが適用された送信先とを、識別しやすいように記載している。具体的には本実施例においては、固定パスワードが適用された送信先は「◎」を付け、ワンタイムパスワードが適用された送信先には「★」を付けて識別可能にしている。
【0149】
また、ワンタイムパスワードを適用した送信先に対しては、パスワードを送信先に通知する必要があるので、その旨を促す記載もしている。
【0150】
ステップS208では、メールサーバ104のCPU201は、ステップS206でファイルを添付した電子メールを、送信先に対して送信する。
【0151】
ステップS209では、メールサーバ104のCPU201は、ステップS207で作成したパスワード通知メールを、ステップS101で取得した電子メールの送信元に対して送信する。
そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0152】
以上の処理により、「固定パスワードを適用する送信先だけの場合」には、それぞれの送信先に対して予め登録されたパスワードを適用した電子メールを送信することが可能となる。これにより、電子メールの受信者はいつも使っているパスワードで復号できるので、パスワードを探し出す手間などがかからず負担を軽減できる。電子メールの送信者にとっても、パスワードを通知する必要がないため、負担を軽減することが可能となる。
【0153】
また、「ワンタイムパスワードを適用する送信先と固定パスワードを適用する送信先が混在し、ワンタイムパスワードを適用する送信先の数が所定の数以上の場合」には、すべての送信先に対して同一のワンタイムパスワードが設定された電子メールを送信することが可能となる。これにより、電子メールの送信者は、すべての送信先に対して一律に同じパスワードを通知すればよいため、どの送信先にはパスワードの通知が必要で、どの送信先に対してはパスワードの通知が不要であるかを判断する手間がかからず、パスワード通知の負担を軽減することが可能となる。
【0154】
また、「ワンタイムパスワードを適用する送信先と固定パスワードを適用する送信先が混在し、ワンタイムパスワードを適用する送信先の数が所定の数に満たない場合」には、固定パスワードを適用する送信先には予め登録された固定パスワードを適用した電子メールを送信し、固定パスワードの登録がされていない送信先には、ワンタイムパスワードを適用した電子メールを送信することが可能となる。
【0155】
これにより、普段固定パスワードを使っている受信者は、普段と同じパスワードにより復号できるため、パスワードを探し出す手間などがかからず負担を軽減できる。
【0156】
また、メールの送信者においても、パスワードを通知する通知先が少なくなるため、負担は軽減される。ここで、メール送信者は、パスワードの通知が必要な送信先(ワンタイムパスワードを適用した送信先)と、通知する必要のない送信先(固定パスワードを適用した送信先)とを判断する必要が生じるが、パスワード通知メールにおいて、ワンタイムパスワードを適用した送信先と、固定パスワードを適用した送信先とを識別可能に通知することで、より負担は軽減される。
[第3の実施形態]
【0157】
次に第3の実施形態に関して説明するが、第1の実施形態とほぼ同様な構成及び処理等をとるため、同一の構成及び処理については、同様な符号を用いて、以後、説明を行う。
【0158】
第1の実施形態においては、電子メールの送信先のアドレスに応じて、利用するパスワードを決定していた。これに対して、第3の実施形態では、電子メールの送信元及び送信先の両方のメールアドレスに応じて、利用するパスワードを決定する。
【0159】
第1の実施形態と異なる点として、まず、
図11に示すパスワードテーブル1100はメールアドレスが1つであったのに対して、本実施形態では、さらにメールアドレスを追加している(
図12_1201)。
【0160】
このパスワードテーブル1200を利用して、添付ファイルに対するパスワードの設定を行う。
【0161】
具体的には、ステップS103で、ステップS101で取得した電子メールの送信元と送信先を取得する。そして、ステップS104で、ステップS103で取得した送信元のアドレスと送信先のアドレスとの組み合わせを用いて、
図12のテーブルからパスワードを決定する。
【0162】
そして、ステップS107以後の処理では、ステップS104で特定した、送信先及び送信元の組み合わせに対応するパスワードを用いて処理を行う。
【0163】
以上、本発明によれば、電子メールの添付ファイルには、所定のパスワードまたはすべての送信先に対して統一されたパスワードが設定される。
【0164】
そのため、設定されたパスワードを送信先に通知する際に、通知する者は、どの送信先にどのパスワードを通知すればよいのかを迷い混乱することがなくなり、利便性に資することができる。
【0165】
また、本発明は、例えば、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【0166】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることができる。
【0167】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0168】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0169】
また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0170】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。