(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような作業機械でフックを使用して吊り作業を行う場合、リングピンを取り外した上でフック格納ピンをスライドさせてフックを解放する必要がある。また、掘削等の通常作業を行う場合には、フックをフック格納ピンに係止して格納した上で、再度リングピンをフック格納ピンに装着することになっている。
【0006】
ここで、リングピンの例を
図13に示す。リングピン420が装着されるバケットリンクの面を基準面12Sとする。
【0007】
フック格納ピン16には、バケットリンクのピン穴に対する装着状態で基準面12Sから突出する端部において、同ピンの径方向に貫通する固定穴19が形成されている。固定穴19に挿入されるリングピン420は、ブロック状の基部21と、基部21から延びるピン部22と、端部が基部21に軸支されたリング部423とを有する。
【0008】
リング部423は、リング状の線バネであり、基準面12Sに近接してリングピン420が固定穴19から抜けるのを禁止する抜け止め姿勢(
図13に示す姿勢)と、基準面12Sから離間してリングピン420が固定穴19から抜けるのを許容する抜き姿勢との間で回動可能に構成されている。リング部423は、
図13(a),(c)で見ると分かるようにピン部22の軸に関して左右非対称の構成となっており、弾性力(バネ力)によって抜け止め姿勢から抜き姿勢に容易に回動しないようになっている。
【0009】
かかる構成のため、リングピンの脱着が比較的固い場合があり、脱着性を向上させたいという要請がある。一方、掘削等の作業時にはリングピンが外れないようにする必要がある。
【0010】
そこで本発明は、作業機械の被挿入部材に形成されたピン穴に対して抜き差し可能に挿入された抜き差しピンが抜けるのを防止するピン抜け止め構造において、リングピンの脱着を容易にしたピン抜け止め構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、作業機械の被挿入部材に形成されたピン穴に対して抜き差し可能に挿入された抜き差しピンが抜けるのを防止するピン抜け止め構造であって、抜き差しピンには、ピン穴に対する装着状態で被挿入部材の基準面から突出する一端部において、抜き差しピンの径方向に貫通する固定穴が形成され、固定穴には、基部と、基部から延びるピン部と、端部が基部に軸支されたリング部とを有する抜け止めリングピンが挿入され、リング部は、回動軸を中心として、被挿入部材の基準面に近接して抜け止めリングピンが固定穴から抜けるのを禁止する抜け止め姿勢と、被挿入部材の基準面から離間して抜け止めリングピンが固定穴から抜けるのを許容する抜き姿勢との間で回動可能に構成され、リング部は、抜け止め姿勢において被挿入部材の基準面との間に隙間を形成するように突出する突起を有
し、被挿入部材の基準面に対する突起の高さは、基準面に対するリング部の回動軸の高さよりも低いことを特徴とする作業機械のピン抜け止め構造を提供している。
【0013】
更に、突起は、基準面に対する高さが一定である平行部を有するのが好ましい。
【0014】
また、被挿入部材には、抜き差しピンが装着状態で被挿入部材の基準面から突出する一端部の外周を囲むように、基準面にボス部が立設され、抜け止めリングピンは、抜け止め姿勢において、ピン部が挿入方向に完全に挿入された第一位置と、ピン部が第一位置から抜け方向に移動してリング部がボス部と当接することにより抜け方向への移動が規制される第二位置との間で移動可能であるように、所定の遊びが設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の作業機械のピン抜け止め構造によれば、リング部は、抜け止め姿勢において被挿入部材の基準面との間に隙間を形成するように突出する突起を有する。このため、リングピンの脱着時(特に取り外す時)に、リング部の突起に指を引っかけることが容易になり、脱着性が向上する。
また、被挿入部材の基準面に対する突起の高さは、抜け止めリングピンのリング部の回動軸の高さよりも低い。かかる構成によれば、例えば掘削作業時における土砂による外力を考慮すると、リング部に外力がかかったとしても、リング部が外れる方向(リング部が被挿入部材の基準面から離れる方向)に発生する荷重は小さい。このため、掘削作業時等において、土砂等の外力によって抜け止めリングピンが不意に外れることを抑制することができる。
【0017】
請求項2記載の作業機械のピン抜け止め構造によれば、突起は、基準面に対する高さが一定である平行部を有するため、基準面に対する突起の高さを抑えつつ、抜け止めリングピンの脱着時に指を入れるスペースを広く確保することができる。
【0018】
請求項3記載の作業機械のピン抜け止め構造によれば、被挿入部材には、抜き差しピンが装着状態で被挿入部材の基準面から突出する一端部の外周を囲むように、基準面にボス部が立設され、抜け止めリングピンは、抜け止め姿勢において、ピン部が挿入方向に完全に挿入された第一位置と、ピン部が第一位置から抜け方向に移動してリング部がボス部と当接することにより抜け方向への移動が規制される第二位置との間で移動可能であるように、所定の遊びが設けられている。リングピンを取り外す際、作業者はリングピンの基部を押さえた状態でリング部を持ち上げて回動させる必要があるが、上記のような遊びが設けられていることにより、リング部とボス部との干渉が押さえられ、取外しをスムーズに行うことができる。リングピンの装着時についても同様である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態による作業機械のピン抜け止め構造について
図1乃至
図8に基づき説明する。本実施形態では、作業機械の一例として、フック付きの油圧ショベルを例にとって説明する。
【0021】
油圧ショベルは、
図1に示すようにクローラ式の下部走行体1上に上部旋回体2を旋回自在に搭載し、上部旋回体2に作業アタッチメント3を取り付けて構成されている。
【0022】
作業アタッチメント3 は、ブーム4と、ブーム4の先端に取付けられたアーム5と、アーム5の先端に取付けられたバケット6、そして、これらを作動させるためのブーム、アーム、バケット各シリンダ7、8、9とによって構成されている。
【0023】
バケット6は、
図2に拡大して示すように、底面の背面側に設けられた左右一対の板材から成るバケットブラケット10を介してアーム5の先端部にバケット取付ピン11によって回動可能に取り付けられている。
【0024】
また、バケットシリンダ9の伸縮運動をバケット6の回動運動として伝えるバケットリンク12、バケットリンク12の動きを規制するアイドラリンク13、バケットリンク12の先端をバケットブラケット10に取り付けるためのリンク取付ピン14が設けられている。
【0025】
バケットリンク12は、
図3、
図4に示すように左右平行に設けられた一対のリンク板12a,12aと、両リンク板12a,12a間に設けられた蓋板12bとによって構成されており、両リンク板12a,12aの一端がバケットシリンダ9及びアイドラリンク13に、他端がバケットブラケット10にそれぞれ連結されている。
【0026】
このような油圧ショベルにおいて、軽い吊り作業を行うためのフック15がアタッチメント先端部、すなわち、バケット6の背面側におけるバケットリンク12とバケットブラケット10との連結部分に、リンク取付ピン14をフック支軸として同ピンまわりに回動可能に取り付けられている。
【0027】
フック15は、吊り作業時(フック使用時)には
図2に実線で示すように自重によって垂下する吊り位置にセットされ、ショベル本来の掘削作業時(フック不使用時)には、土砂と接触して損傷しないように
図2の点線で示すようにバケットリンク12内(両リンク板12a,12a間)に格納される。
【0028】
フック15をこの格納状態に保持する構造として、フック格納ピン16が、バケットリンク12の両リンク板12a,12aに設けられたピン穴17,17に跨って抜き差し自在に挿入され、フック15がフック格納ピン16に係止して格納位置に保持される。
【0029】
なお、
図4に示すようにバケットリンク12の蓋板12bに、フック15を格納位置で左右方向に位置規制(振れ止め)する左右一対の振れ止めプレート18,18が設けられ、フック格納ピン16は振れ止めプレート18,18を貫通する状態で両リンク板12a,12a(ピン穴17,17)に跨って差し込まれる。
【0030】
フック格納ピン16は、一端側に取付けられた抜け止めリングピン20によって軸方向に固定され、吊り作業時には、リングピン20を取り外した上でフック格納ピン16を
図4の二点鎖線で示すように一方向にスライドさせて抜き取ることにより、フック15を解放して吊り位置に垂下させる。
【0031】
リングピン20は、フック格納ピン16の一端部の固定穴19(
図4)に挿入されて同ピン16に着脱自在に装着される。リングピン20の構造については後述する。
【0032】
なお、別の構造として、フック格納ピン16の中間部にストッパを設けて、同ピン16が一方のピン穴17及びフック15から離脱し他方のピン穴17からは離脱しない半抜き状態となる範囲に規制するようにしてもよい。
【0033】
次に、
図5から
図7を参照して、リングピン20の構成について説明する。ここで、リングピン20が装着される側のバケットリンク12(リンク板12a)の面を基準面12Sとする。
【0034】
基準面12Sには、ピン穴17の周囲にわたって円筒状のボス部12Fが立設されている。ボス部12Fは、フック格納ピン16が装着された状態でバケットリンク12の基準面12Sから突出するフック格納ピン16の端部の外周を囲むように構成されている。
【0035】
また、
図3及び
図4に示すように、基準面12Sには、リングピン20の両側においてリングピン20を保護する保護壁12Wが立設されている。なお
図5以降では、保護壁12Wの図示を省略している。
【0036】
フック格納ピン16には、ピン穴17に対する装着状態で基準面12Sから突出する端部において、同ピンの径方向に貫通する固定穴19(
図4、
図6(a))が形成されている。
【0037】
固定穴19に挿入されるリングピン20は、ブロック状の基部21と、基部21から延びるピン部22と、端部が基部21に軸支されたリング部23とを有する。ピン部22は、基部21に固定された丸棒状の部材である。
【0038】
リング部23は、リング状の線バネであり、
図6(a),(c)に示すように、ピン部22の軸に関して左右非対称に構成されている。より具体的には、基部21に軸支されるリング部23の左右の基端部24A,24Bは、ピン部22の軸方向に関して軸支される位置がずれている。また、左右の基端部24A,24Bは、基準面12Sに垂直な方向に関しても軸支される位置がずれている。
【0039】
これにより、基部21に対するリング部23の回動軸Rは、
図6(a)に示すように基端部24A,24Bの略中間に位置している。回動軸Rは、ピン部22の軸と略垂直である。
【0040】
リング部23は、回動軸Rを中心として、基準面12Sに近接してリングピン20が固定穴19から抜けるのを禁止する抜け止め姿勢(
図6)と、基準面12Sから離間してリングピン20が固定穴19から抜けるのを許容する抜き姿勢(
図7)との間で回動可能に構成されている。
【0041】
リング部23は、抜け止め姿勢において回動軸Rの方向から見た場合に(
図6(b))、基端部24A,24Bから基準面12Sに向かって傾斜する第一傾斜部23Aと、第一傾斜部23Aと連続し基準面12Sに当接する当接部23Bと、当接部23Bと連続し基準面12Sから離れるように傾斜する第二傾斜部23Cとを有し、全体として略「く」の字状に曲げられたリングとなっている。
【0042】
リング部23には、上述した左右非対称の構成のため、抜け止め姿勢において、基準面12Sに対して押し付けられるように弾性力(バネ力)がはたらいており、当接部23Bが基準面12Sに押し付けられた状態で抜け止め姿勢が保持されている。
【0043】
リング部23の先端(基部21から離れた側の端部)には、抜け止め姿勢においてバケットリンク12の基準面12Sとの間に隙間G1を形成するように突出する突起25が設けられている。本実施形態の突起25は、基準面12Sに垂直な方向から見ると(
図6(a))基部21から離れる方向に突出するような形状である。一方、ピン部22の軸方向から見ると(
図6(c))、突起25は、基準面12Sに対して平行な平行部25Aを有している。よって、この方向から見て隙間G1は台形状となっている。
【0044】
このように突起25が設けられていることにより隙間G1が形成され、リングピン20の脱着時(特に取り外す時)に、突起25に指を引っかけることが容易になり、脱着性が向上する。
【0045】
図8に示すように、リング部23は、バケットリンク12の基準面12Sに対する突起25の高さH1が、基準面12Sに対するリング部23の回動軸Rの高さH2よりも低くなるように構成されている。
【0046】
例えば、掘削作業時においては、土砂による外力として、主として
図8の矢印Fで示す力がリング部23に対してはたらく。リング部23にこのような力Fがかかったとしても、リング部23の回動軸Rよりも基準面12S側に力Fの作用点があるため、リング部23が外れる方向(
図8の矢印Dで示す方向。リング部23が基準面12Sから離れる方向)に発生する荷重は小さい。仮にそのような荷重が発生した場合でも、リング部23の押圧バネ力がはたらいているため外れにくい。更に、リング部23を回動させるには矢印Eで示すように作業者がリングピン20の基部21を押さえる(テコとなる押さえ)必要があるため、土砂等の外力によってリングピン20が外れる可能性は小さい。以上により、掘削作業等においてリングピン20が不意に外れることを抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態の突起25は、上述したように、基準面12Sに対する高さが一定である平行部25Aを有する。このため、基準面12Sに対する突起の高さH1を抑えつつ、リングピン20を取り外す際に指を入れるスペースを広く確保することができる。
【0048】
また、リングピン20は、抜け止め姿勢において、ピン部22が挿入方向に完全に挿入された第一位置(
図6に示す位置)と、ピン部22が第一位置から抜け方向に移動してリング部23がボス部12Fと当接することにより抜け方向への移動が規制される第二位置との間で移動可能であるように、
図6(a)に示すように所定の遊びPが設けられている。
【0049】
リングピン20を取り外す際、上述のとおり作業者は矢印E(
図8)で示すようにリングピン20の基部21を押さえた状態でリング部23を持ち上げて回動させる必要があるが、上記のような遊びPが設けられていることにより、リング部23回動時のリング部23とボス部12Fとの干渉が押さえられ、取外しをスムーズに行うことができる。リングピン20の装着時についても同様である。
【0050】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態による作業機械のピン抜け止め構造について
図9に基づき説明する。第二実施形態による作業機械のピン抜け止め構造の構成は、リングピンのリング部を除き、第一実施形態による作業機械のピン抜け止め構造と同様である。
【0051】
第二実施形態によるリングピン120のリング部123は、回動軸Rと平行に構成された突起125を有する。
【0052】
第一実施形態と同様に、リング部123は、抜け止め姿勢において回動軸Rの方向から見た場合に(
図9(b))、抜け止め姿勢において基端部124A,124Bから基準面12Sに向かって傾斜する第一傾斜部123Aと、第一傾斜部123Aと連続し基準面12Sに当接する当接部123Bと、当接部123Bと連続し基準面12Sから離れるように傾斜する第二傾斜部123Cとを有し、全体として略「く」の字状に曲げられたリングとなっている。
【0053】
突起125は、リング部123の先端(基部21から離れた側の端部)において、抜け止め姿勢にて基準面12Sとの間に隙間G2を形成するように設けられている。突起125は平行部125Aを有しており、平行部125Aは、
図9(c)に示すように基準面12Sに対して平行であるとともに、
図9(a)に示すようにリング部123の回動軸Rとも平行である。
【0054】
第二実施形態の突起125の平行部125Aは、第一実施形態の平行部25Aよりも長く構成されている。このため、ピン部22の軸方向から見て(
図9(c))、隙間G2は、第一実施形態の隙間G1よりも細長い台形状となっている。
【0055】
第二実施形態によれば、リング部123は、第一実施形態の平行部25Aよりも長い平行部125Aを有するため、リングピン120の脱着時に隙間G2に手を入れて突起125に指を引っかけることが更に容易となる。よって、脱着性が更に向上する。
【0056】
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態による作業機械のピン抜け止め構造について
図10に基づき説明する。第三実施形態による作業機械のピン抜け止め構造の構成は、リングピンのリング部を除き、第一実施形態による作業機械のピン抜け止め構造と同様である。
【0057】
第三実施形態によるリングピン220のリング部223においても、先端(基部21から離れた側の端部)に突起225が設けられている。第一及び第二実施形態と異なり、突起225は、基準面12Sに垂直な方向から見て(
図10(a))、基部21から離れる方向に突出していない。即ち、リング部223は、突起225の部分も含めてボス部12Fの外周に沿うように円環状となっている。
【0058】
図10(b)に示すように、リング部223は、抜け止め姿勢において基端部224A,224Bから基準面12Sに向かって傾斜する第一傾斜部223Aと、第一傾斜部223Aと連続し基準面12Sに当接する当接部223Bとを有する。
【0059】
図10(c)に示すように、突起225は、抜け止め姿勢において基準面12Sとの間に隙間G3を形成する。本実施形態の突起225は、第一及び第二実施形態のように平行部を有さず円弧状となっており、隙間G3は平べったい釣り鐘状である。
【0060】
第三実施形態によれば、上述のようにリング部223は、突起225の部分も含めてボス部12Fの外周に沿うように円状となっており(
図10(a))、また、隙間G3を形成するために突起225が基準面12Sから突出する部分も小さい(
図10(c))。従って、コンパクトな構成を実現できるため、周囲に部品を配置し易く、レイアウト上有利である。
【0061】
<第四実施形態>
本発明の第四実施形態による作業機械のピン抜け止め構造について
図11に基づき説明する。第四実施形態による作業機械のピン抜け止め構造の構成は、リングピンのリング部を除き、第一実施形態による作業機械のピン抜け止め構造と同様である。
【0062】
第四実施形態によるリングピン320のリング部323には、第一実施形態の突起25と同様の形状を有する突起325が設けられている。ただし、本実施形態の突起325は、第一実施形態と異なり、ピン部22の延長線上ではなく、
図11(a)で見て左側にずれた位置に設けられている。
【0063】
図11(b)に示すように、リング部323は、抜け止め姿勢において基端部324A,324Bから基準面12Sに向かって傾斜する第一傾斜部323Aと、第一傾斜部323Aと連続し基準面12Sに当接する当接部323Bと、当接部323Bと連続し基準面12Sから離れるように傾斜する第二傾斜部323Cとを有する。
【0064】
突起325は、抜け止め姿勢において基準面12Sとの間に隙間G4を形成する。突起325は、第一実施形態と同様に基準面12Sに対して平行な平行部325Aを有しており、
図11(a)の矢印Kの方向から見て、隙間G4は第一実施形態と同様に台形状となっている。
【0065】
本実施形態のように、リング部の突起を、ピン部22の延長線上ではなく、何れかの側にずれた位置に設けてもよい。
【0066】
<変形例>
本発明による作業機械のピン抜け止め構造は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0067】
例えば、上述した実施形態では、バケットリンクの基準面に対する突起の高さが、基準面に対するリング部の回動軸の高さよりも低くなるようにリング部を構成した。しかし、基準面に対する突起の高さが、基準面に対するリング部の回動軸の高さ以上であってもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、バケットリンクに装着されるフック格納ピンの抜け止めリングピンに対して本発明を適用した。しかし、本発明はこのような例に限定されず、他の抜き差しピン(作業者が抜き差しを行うピン)に対しても適用可能である。
【0069】
<関連構成>
本発明に関連する構成として、
図12に示すように、バケットリンク12に凹部12cを形成することによりリング部423の先端部425をつかみ易くする構成も考えられる。凹部12cの形状及び大きさは、指の入れ易さ等を考慮して適宜決めればよい。このような構成によっても、リングピンの脱着性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 下部走行体、 2 上部旋回体、 3 作業アタッチメント、 4 ブーム、
5 アーム、 6 バケット、 7 ブームシリンダ、 8 アームシリンダ、
9 バケットシリンダ、 10 バケットブラケット、 11 バケット取付ピン、
12 バケットリンク、 12F ボス部、 12S 基準面、 保護壁12W
12a リンク板、 12b 蓋板、 12c 凹部、 13 アイドラリンク、
14 リンク取付ピン、 15 フック、 16 フック格納ピン、
17 ピン穴、 18 プレート、 19 固定穴、 20 リングピン、
21 基部、 22 ピン部、 23 リング部、 23A 第一傾斜部、
23B 当接部、 23C 第二傾斜部、 24A,24B 基端部、
25 突起、 25A 平行部、 120 リングピン、 123 リング部、
123A 第一傾斜部、 123B 当接部、 123C 第二傾斜部、
124A,124B 基端部、 125 突起、 125A 平行部、
220 リングピン、 223 リング部、 223A 第一傾斜部、
223B 当接部、 224A,224B 基端部、 225 突起、
320 リングピン、 323 リング部、 323A 第一傾斜部、
323B 当接部、 323C 第二傾斜部、 324A,324B 基端部、
325 突起、 325A 平行部、 420 リングピン、
423 リング部、425 先端部。