(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反応槽に前記試薬を供給する際には、前記試薬用ポンプによって前記試薬槽から前記試薬供給管に前記試薬を導入しつつ、前記空気供給管から前記試薬供給管に圧送空気を供給し、前記試薬供給管の前記圧送ポイントの下流側に導入された前記試薬を総て前記反応槽に圧送して供給し、
前記測定液の分析が終了した際には、前記反応槽内の測定液を含む液体を廃液として前記反応槽から排出し、
前記廃液を前記反応槽から排出する際には、少なくとも前記反応槽から前記廃液用ポンプまでの前記排液管内の廃液が総て無くなるまで、前記廃液用ポンプによって前記廃液を吸引するように構成された請求項1に記載の分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
尚、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
(分析装置)
本発明に係る一実施形態を、有害物質の一つであるクロムを分析する装置を例にとって説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る分析装置1を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る分析装置1は、測定部2と、演算制御部3(制御装置)と、記憶部4と、入出力部5と、を備えている。
【0016】
演算制御部3は、分析装置1を統括制御すると共に測定部2から受け取った検出信号に必要な演算処理を加えて記憶部4や入出力部5に受け渡す。
記憶部4は、演算制御部3の演算処理に用いられる校正データ、算出濃度、各種設定項目等を記憶する。例えば、設定項目は、現在の日時、測定レンジ、校正周期、校正後の洗浄回数等がある。これらは、予め設定され、入出力部5を介して設置現場において設定・変更可能になっている。
【0017】
入出力部5は、外部からのキー操作入力、信号入力を受け付けたり、外部にデータを出力したりする。例えば、入出力部5は、タッチパネル式の表示器あるいは液晶表示器、シートキー等の表示・入力部と、外部(遠隔にある端末等)とデータの送受信を行うためのインターフェースと、を備えている。入出力部5により、各種設定を行ったり、表示器に校正データや算出された濃度を表示したり、外部にデータを送信したりすることが可能になっている。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態に係る分析装置1の測定部2を示す模式図である。
図2に示すように、測定部2は、反応槽10と、廃液槽11と、試薬槽12と、pH調整剤槽13と、純水槽14と、校正液槽15と、を備えている。
また、測定部2は、排液管20と、第1排液分岐管21と、第2排液分岐管22と、試薬供給管23と、空気供給管24と、試料水供給管25と、pH調整剤供給管26と、純水供給管(洗浄水供給管)27と、校正液供給管28と、検出流路形成管29と、を備えている。
また、測定部2は、三方電磁弁40と、廃液用ポンプ30と、試薬用ポンプ31と、エアポンプ32と、試料水用ポンプ33と、pH調整剤用ポンプ34と、純水用ポンプ35と、校正液用ポンプ36と、検出用ポンプ37と、検出部41と、を備えている。
【0019】
反応槽10の底部はすり鉢状になっている。反応槽10では、測定液(試料水又は校正液)等の液体6を貯留する。反応槽10では、測定液とpH調整剤と試薬とを混合して反応させる。
廃液槽11は、反応槽10から排出された廃液を貯留する。廃液槽11には、貯留している廃液の水位を検出するセンサが設けられていてもよい。
【0020】
排液管20の上流端Bは反応槽10のすり鉢状底部の下端10a近傍に挿入されている。排液管20の下流端は三方電磁弁40に接続されている。排液管20は、反応槽10内の液体6を廃液として排出するために用いられる。
第1排液分岐管21の上流端は三方電磁弁40に接続されている。第1排液分岐管21の下流端は廃液槽11に接続されている。第1排液分岐管21は、反応槽10から排出された廃液を廃液槽11に排出するために用いられる。
第2排液分岐管22の上流端は三方電磁弁40に接続されている。第2排液分岐管22の下流端は外部(out)に接続されている。第2排液分岐管22は、反応槽10から排出された有害物質を含まない廃液を外部(out)に排出するために用いられる。
三方電磁弁40は、排液管20、第1排液分岐管21及び第2排液分岐管22の接続部分に設けられている。三方電磁弁40は、排液管20と連通する配管を、第1排液分岐管21又は第2排液分岐管22のいずれか一方に切り替える。
【0021】
廃液用ポンプ30は、排液管20の分岐ポイント20pと三方電磁弁40との間(排液管20の分岐ポイント20pより下流側の部分20b)に設けられている。廃液用ポンプ30は、三方電磁弁40によって排液管20と連通する配管が第1排液分岐管21に切り替えられている場合、第1排液分岐管21を介して廃液を廃液槽11に排出する。一方、三方電磁弁40によって排液管20と連通する配管が第2排液分岐管22に切り替えられている場合には、第2排液分岐管22を介して有害物質を含まない廃液を外部に排出する。
【0022】
試薬槽12は、反応槽10に供給される試薬を貯留する。試薬はジフェニルカルバジド(DPC)である。六価クロムは、酸性条件下でジフェニルカルバジドと反応して赤紫の錯体を生成することが知られている。例えば、JIS K 0102では、クロム(六価クロム、全クロム)測定のためのジフェニルカルバジド吸光光度法が規定されている。
試薬供給管23の上流端は、試薬槽12に接続されている。試薬供給管23の下流端は、排液管20の分岐ポイント20pに接続されている。試薬供給管23の下流端と排液管20の分岐ポイント20pとは、T字管によって接続される。試薬供給管23は、試薬槽12に貯留された試薬を反応槽10に供給するために用いられる。
試薬用ポンプ31は、試薬供給管23の分岐ポイントA(圧送ポイント)と試薬槽12との間(試薬供給管23の分岐ポイントAより上流側の部分23a)に設けられている。試薬用ポンプ31は、試薬供給管23を介して試薬を反応槽10に供給する。試薬用ポンプ31は、シリンジポンプ、ペリスタポンプ等の定量性のポンプを用いる。
図示はしないが、試薬供給管23における試薬用ポンプ31の前後には、逆止弁が設けられている。これにより、反応槽10に向けて供給される試薬が逆流しないようになっている。
【0023】
空気供給管24の下流端は試薬供給管23の分岐ポイントAに接続されている。空気供給管24の下流端と試薬供給管23の分岐ポイントAとは、T字管によって接続される。空気供給管24は、圧送空気を試薬供給管23の圧送ポイントAの下流側に供給するために用いられる。
空気供給管24には、エアポンプ32が設けられている。エアポンプ32は、試薬用ポンプ31によって試薬供給管23の圧送ポイントAの下流側に導入された試薬を反応槽10に向けて圧送する。
図示はしないが、空気供給管24におけるエアポンプ32と圧送ポイントAとの間には、逆止弁が設けられている。これにより、反応槽10に向けて圧送される空気が逆流しないようになっている。
【0024】
エアポンプ32は、空気供給管24、試薬供給管23の圧送ポイントAより下流側の部分23b及び排液管20の分岐ポイント20pより上流側の部分20aを介して、圧送ポイントAより下流側に導入された試薬を反応槽10に向けて圧送する。
空気供給管24と試薬供給管23の圧送ポイントAより下流側の部分23bは略直線状に接続されている。また、試薬供給管23の圧送ポイントAより下流側の部分23bと排液管20の分岐ポイント20pより上流側の部分20aも略直線状に接続されている。これにより、圧送ポイントAより下流側に導入された試薬をスムーズに圧送することができる。
【0025】
試料水供給管25の下流端は、反応槽10の内部に配置されている。試料水供給管25の下流端は、反応槽10に測定液等の液体6が供給されても、常に液面よりも上方に配置される。試料水供給管25は、試料水を反応槽10に供給するために用いられる。試料水は、工場の工程水や排水、河川等の水源から採取した水である。
試料水用ポンプ33は、試料水供給管25に設けられている。試料水用ポンプ33は、試料水供給管25を介して試料水を反応槽10に供給する。
【0026】
pH調整剤槽13は、反応槽10に供給されるpH調整剤を貯留する。pH調整剤は硫酸である。
pH調整剤供給管26の下流端は、反応槽10の内部に配置されている。pH調整剤供給管26の下流端は、反応槽10に測定液等の液体6が供給されても、常に液面よりも上方に配置される。pH調整剤供給管26は、pH調整剤槽13に貯留されたpH調整剤を反応槽10に供給するために用いられる。
pH調整剤用ポンプ34は、pH調整剤供給管26に設けられている。pH調整剤用ポンプ34は、pH調整剤供給管26を介してpH調整剤を反応槽10に供給する。
【0027】
純水槽14は、ゼロ校正や反応槽10の洗浄に用いる純水(洗浄水)を貯留する。
純水供給管27の下流端は、反応槽10の内部に配置されている。純水供給管27の下流端は、反応槽10に測定液等の液体6が供給されても、常に液面よりも上方に配置される。純水供給管27は、純水槽14に貯留された純水を反応槽10に供給するために用いられる。
純水用ポンプ35は、純水供給管27に設けられている。純水用ポンプ35は、純水供給管27を介して純水を反応槽10に供給する。
【0028】
校正液槽15は、既知濃度の校正液を貯留する。校正液は、例えばCr
6+1.00mg/L標準液である。
校正液供給管28の下流端は、反応槽10の内部に配置されている。校正液供給管28の下流端は、反応槽10に測定液等の液体6が供給されても、常に液面よりも上方に配置される。校正液供給管28は、校正液槽15に貯留された校正液を反応槽10に供給するために用いられる。
校正液用ポンプ36は、校正液供給管28に設けられている。校正液用ポンプ36は、校正液供給管28を介して校正液を反応槽10に供給する。
【0029】
検出流路形成管29の上流端は、反応槽10のすり鉢状底部の下端10a近傍に挿入されている。検出流路形成管29の下流端は、反応槽10の内部に配置されている。検出流路形成管29の下流端は、反応槽10に測定液等の液体6が供給されても、常に液面よりも上方に配置される。検出流路形成管29は、反応槽10に貯留された液体6を検出部41に供給するために用いられる。
検出用ポンプ37は、検出流路形成管29に設けられている。検出用ポンプ37は、検出流路形成管29を介して反応槽10内の液体6を検出部41に供給する。
検出部41は、検出流路形成管29に設けられている。検出部41はフローセルタイプの吸光光度計である。検出部41の測定波長は、六価クロムとジフェニルカルバジドとが反応して得られる赤紫色の錯体を検知できる500nm〜600nmの範囲で設定される。
演算制御部3(
図1参照)は、測定部2全体の動作を制御する。
【0030】
(分析方法)
以下、本実施形態の分析装置1の動作について説明する。
分析装置1は、演算制御部3(
図1参照)による制御によって、例えば、(1)分析準備、(2)洗浄、(3)校正(ゼロ校正、スパン校正)、(2)洗浄、(4)分析、(2)洗浄、(4)分析、(2)洗浄、(4)分析、(2)洗浄、・・・、(3)校正、(2)洗浄の順に動作する。
【0031】
(1)分析準備
分析準備は、分析装置1の動作開始時に行われる。分析準備は、以下の順に行う。
先ず、試薬を圧送ポイントA(
図2参照)まで充填する。試薬を圧送ポイントAまで充填するには、試薬用ポンプ31及びエアポンプ32を同時に作動させる。具体的には、試薬用ポンプ31を作動させ試薬槽12から試薬供給管23における圧送ポイントAを超えるまで試薬を供給しつつ、エアポンプ32を作動させ試薬供給管23における圧送ポイントAを超えた部分に存在する試薬を反応槽10に圧送して排出する。その後、試薬用ポンプ31を先に停止し、圧送ポイントAより下流側の試薬がすべて反応槽10に排出されてからエアポンプ32を停止させる。
尚、試薬を圧送ポイントAまで充填するには、以下の方法で行ってもよい。
先ず、試薬用ポンプ31を作動させ、試薬が試薬供給管23における圧送ポイントAを超えるまで供給した後、試薬用ポンプ31を停止させる。
次に、エアポンプ32を作動させ、試薬供給管23における圧送ポイントAを超えた部分に存在する試薬を反応槽10に圧送して排出した後、エアポンプ32を停止させる。
いずれの場合も、圧送の際には、圧送ポイントAから排液管20の上流端Bの間に試薬が残留しないようにする。これにより、以降の(3)校正、(4)分析で、試薬用ポンプ31で定量的に送液した分だけの試薬が反応槽10に供給されることとなり、正確に定量された試薬の供給をする準備ができる。
【0032】
(2)洗浄
洗浄は、(1)分析準備、(3)校正、(4)分析等を行った後に、その都度、反応槽10内の液体6を廃液として排出し、その後、反応槽10を洗浄するために行われる。洗浄は、以下の順に行う。
先ず、三方電磁弁40を第1排液分岐管21側開の状態で、廃液用ポンプ30を作動させ、反応槽10内の液体6を排液管20から吸い上げて排出する。また、検出用ポンプ37も作動させて検出流路形成管29内の液体6も排出する((1)分析準備の後はこの動作を省略できる。)。その後、純水用ポンプ35を作動させ、純水槽14から反応槽10に所定量の純水を供給した後、純水用ポンプ35を停止させる。
次に、検出用ポンプ37を作動させ、検出流路形成管29と検出部41を純水で洗浄し、洗浄に用いた純水を反応槽10に排出する((1)分析準備の後はこの動作を省略できる。)。
次に、三方電磁弁40を第2排液分岐管22側開の状態で、廃液用ポンプ30を作動させ、反応槽10内の純水を、排液管20から吸い上げて排出する。排出は、少なくとも排液管20の上流端Bから廃液用ポンプ30までの流路が空になるまで行う。洗浄は、反応槽10や検出部41等が十分洗浄されるよう予め定めた回数を繰り返し行う。
【0033】
(3)校正(ゼロ校正、スパン校正)
ゼロ校正は、以下の順に行う、
先ず、純水用ポンプ35を作動させ、純水槽14から反応槽10に所定量の純水を供給した後、純水用ポンプ35を停止させる。
次に、pH調整剤用ポンプ34を作動させ、pH調整剤槽13から反応槽10に所定量のpH調整剤を供給した後、pH調整剤用ポンプ34を停止させる。
次に、試薬用ポンプ31及びエアポンプ32を同時に作動させる。(1)分析準備によって、既に圧送ポイントAまで試薬が充填されているので、試薬用ポンプ31で送液された試薬と等しい量の試薬が圧送ポイントAを超える。そして、圧送ポイントAを超えた部分の試薬はすべて圧送空気により反応槽10に圧送される。そして、試薬用ポンプ31が所定量の試薬を送液して停止した後、圧送ポイントAより下流側の試薬がすべて反応槽10に圧送された後、エアポンプ32を停止させる。
次に、反応槽10内の校正液、pH調整剤及び試薬を混合させ、所定の反応時間が経過するまで待機する。
次に、検出用ポンプ37を作動させ、検出部41に反応後の純水を導入した後、検出用ポンプ37を停止させる。
次に、検出部41から出力される信号を、ゼロ校正値として記憶部4に記憶させる。
次に、検出用ポンプ37を逆回転させ、検出部41内の純水を反応槽10に排出させる。
次に、三方電磁弁40を第2排液分岐管22側開の状態で、廃液用ポンプ30を作動させ、反応槽10に排出された純水を、排液管20から吸い上げて排出した後、廃液用ポンプ30を停止させる。尚、排出の際には、反応槽10内の液体6が完全に無くなるようにする。
【0034】
スパン校正は、以下の順に行う。
先ず、校正液用ポンプ36を作動させ、校正液槽15から反応槽10に所定量の校正液を供給した後、校正液用ポンプ36を停止させる。
次に、pH調整剤用ポンプ34を作動させ、pH調整剤槽13から反応槽10に所定量のpH調整剤を供給した後、pH調整剤用ポンプ34を停止させる。
次に、試薬用ポンプ31及びエアポンプ32を同時に作動させる。(1)分析準備によって、既に圧送ポイントAまで試薬が充填されているので、試薬用ポンプ31で送液された試薬と等しい量の試薬が圧送ポイントAを超える。そして、圧送ポイントAを超えた部分の試薬はすべて圧送空気により反応槽10に圧送される。そして、試薬用ポンプ31が所定量の試薬を送液して停止した後、圧送ポイントAより下流側の試薬がすべて反応槽10に圧送された後、エアポンプ32を停止させる。
次に、反応槽10内の校正液、pH調整剤及び試薬を混合させ、所定の反応時間が経過するまで待機する。
次に、検出用ポンプ37を作動させ、検出部41に反応後の校正液を供給した後、検出用ポンプ37を停止させる。
次に、検出部41から出力される信号を、スパン校正値として記憶部4に記憶させる。
次に、検出用ポンプ37を逆回転させ、検出部41内の校正液を反応槽10に排出させる。
次に、三方電磁弁40を第1排液分岐管21側開の状態で、廃液用ポンプ30を作動させ、反応槽10に排出された校正液を、排液管20から吸い上げて排出した後、廃液用ポンプ30を停止させる。尚、排出の際には、反応槽10内の液体が完全に無くなるようにする。
【0035】
(4)分析
例えば、分析は、以下の順に行う。
先ず、試料水用ポンプ33を作動させ、反応槽10に所定量の試料水を供給した後、試料水用ポンプ33を停止させる。
次に、試薬用ポンプ31及びエアポンプ32を同時に作動させる。(1)分析準備によって、既に圧送ポイントAまで試薬が充填されているので、試薬用ポンプ31で送液された試薬と等しい量の試薬が圧送ポイントAを超える。そして、圧送ポイントAを超えた部分の試薬はすべて圧送空気により反応槽10に圧送される。そして、試薬用ポンプ31が所定量の試薬を送液して停止した後、圧送ポイントAより下流側の試薬がすべて反応槽10に圧送された後、エアポンプ32を停止させる。
次に、pH調整剤用ポンプ34を作動させ、pH調整剤槽13から反応槽10に所定量のpH調整剤を供給した後、pH調整剤用ポンプ34を停止させる。
次に、反応槽10内の試料水、試薬及びpH調整剤を混合させ、所定の反応時間が経過するまで待機する。
次に、検出用ポンプ37を作動させ、検出部41に反応後の試料水を供給した後、検出用ポンプ37を停止させる。
次に、検出部41から出力される信号と、ゼロ校正値及びスパン校正値、あるいはこれらの校正値から求めた検量線や係数等の校正データとから、試料水中のクロム濃度を算出し、算出結果を記憶部4に記憶させる。
次に、検出用ポンプ37を逆回転させ、検出部41内の試料水を反応槽10に排出させる。
次に、三方電磁弁40を第1排液分岐管21側開の状態で、廃液用ポンプ30を作動させ、反応槽10に排出された試料水を、排液管20から吸い上げて排出した後、廃液用ポンプ30を停止させる。尚、排出の際には、反応槽10内の液体が完全に無くなるようにする。
【0036】
本実施形態によれば、洗浄終了後は圧送ポイントAから排液管20の上流端Bの間の流路をすべて空気層とすることができる。そのため、試薬が反応槽10に落下する問題を解消することができる。また、廃液用ポンプ30から分岐ポイント20pの間の流路も空気層となるので、試薬が通過する圧送ポイントAから排液管20の上流端Bの間に廃液が混入するおそれがなくなる。
(3)校正、(4)分析で試薬を反応槽10に供給するときは反応槽10の液体6に浸漬された排出管20の上流端Bから試薬が吐出されるので、試薬の結晶の析出を抑制することができる。
【0037】
本実施形態では、クロムを分析する例を挙げて説明したが、クロム以外の物質を分析する場合においても本発明を適用可能である。例えば、試薬として過マンガン酸カリウムを用いる吸光光度法によるCOD分析計、試薬として蛍光基質を用いる消光式シリカ分析計にも適用できる。
【0038】
また、本実施形態では、空気供給管24にエアポンプ32が設けられた例を挙げて説明したが、これに限らない。エアポンプ32を設けることに替えて、計装エアを用いてもよい。すなわち、計装エアによって試薬供給管23に供給された試薬を反応槽10に向けて圧送してもよい。
また、本実施形態では、洗浄水として純水を用いた例を挙げて説明したが、これに限らない。分析対象や分析精度によっては、洗浄水として水道水を用いることも可能である。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本実施形態に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【実施例】
【0040】
以下、本発明の効果を明らかにするための実験例を示す。
[試薬等]
以下の実験例で用いたCr
6+1.00mg/L標準液は、関東化学株式会社製クロム標準液1(Cr−100)を水で100倍に希釈して調整した。また、ジフェニルカルバジドの0.2gをエチルアルコールの50mLに加え溶解させた後、純水で全量を100mLにして試薬とした。
【0041】
[実施例]
本実施形態の分析装置1を用いて、Cr
6+1.00mg/L標準液の5mLを硫酸の0.5mL、試薬の0.5mLと混合し、室温(22〜24℃、相対湿度22〜28%)にて5分間反応させた後に、525nmの吸光度を測定した。この分析と洗浄の工程を約30分サイクルで繰り返し行った。
【0042】
[比較例]
試薬供給管23の下流端を分岐ポイント20pに接続せず、試薬供給管23の下流端が反応槽10の上方に配置されているものを用いた。その他は実施例と同様にしてCr
6+1.00mg/L標準液を測定した。
【0043】
実施例に係る分析結果と比較例に係る分析結果との比較結果について
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、実施例に係る分析結果を示す図である。
図4は、比較例に係る分析結果を示す図である。
図3及び
図4において、横軸は時間(時刻)であり、縦軸は指示値[mg/L]である。尚、指示値は、吸光度測定結果と検量線に基づき算出したクロム濃度である。
【0044】
図3に示すように、実施例においては、初回の分析(9:33)から約9時間後(18:33)まで指示値が安定している。このように、本実施形態によれば、クロム濃度の分析精度が低下することを抑制することができることが分かった。その結果、析出した結晶の落下等の問題を解消することができることが確認された。
【0045】
図4に示すように、比較例においては、初回の分析(10:17)から約2時間後(12:07)までは指示値が安定しているが、その後指示値が急激に低下し、かつ、不安定な状態になる。この理由は、試薬注入ノズルの先端近傍で試薬の結晶が析出し、析出した結晶が反応槽に落下したためであると考えられる。