特許第5772901号(P5772901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5772901非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772901
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20150813BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20150813BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20150813BHJP
【FI】
   H01M10/0567
   H01M10/0569
   H01M10/052
【請求項の数】9
【全頁数】99
(21)【出願番号】特願2013-165401(P2013-165401)
(22)【出願日】2013年8月8日
(62)【分割の表示】特願2007-118487(P2007-118487)の分割
【原出願日】2007年4月27日
(65)【公開番号】特開2014-3029(P2014-3029A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2013年9月5日
(31)【優先権主張番号】特願2006-124043(P2006-124043)
(32)【優先日】2006年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆
(72)【発明者】
【氏名】島 紀子
(72)【発明者】
【氏名】大橋 洋一
(72)【発明者】
【氏名】木下 信一
【審査官】 宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−203341(JP,A)
【文献】 特開2005−203343(JP,A)
【文献】 特開2007−273395(JP,A)
【文献】 特開2006−294519(JP,A)
【文献】 特開2005−209377(JP,A)
【文献】 特開2003−173819(JP,A)
【文献】 特開2002−270230(JP,A)
【文献】 特開2005−251556(JP,A)
【文献】 特開2004−031244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05−10/0567
H01M 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、該負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含む非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液であって、
不飽和結合を有するカーボネートと、下記式(4)、(5)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを一つ以上有する鎖状化合物とを少なくとも含有し、
上記の式(4)、(5)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である
ことを特徴とする、非水系電解液。
【化1】
【化2】
(一般式(2)中、
Aは、上記式(4)、(5)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを表わし、
1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい、炭素数1以上、20以下の炭化水素基を表わす。)
【請求項2】
リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、該負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含む非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液であって、
不飽和結合を有するカーボネートと、下記式(4)〜(7)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを一つ以上有する鎖状化合物とを少なくとも含有し、
上記の式(4)〜(7)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である
ことを特徴とする、非水系電解液。
【化3】
【化4】
(一般式(3)中、
3は、ハロゲン原子を有していてもよい、炭素数1以上、20以下の炭化水素基を表わし、
Aは、上記式(4)〜(7)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを表わし、
zは、2以上、4以下の整数を表わし、
4は、ハロゲン原子を有していてもよい、z個の結合部分を有する炭素数2以上、4以下であって直鎖状の炭化水素基を表わす。
なお、z個のR3及びAは、それぞれ互いに同じでもよく、異なっていてもよい。)
【請求項3】
非水系電解液中における上記式(4)、(5)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物の濃度が、0.01重量%以上、10重量%以下である
ことを特徴とする、請求項に記載の非水系電解液。
【請求項4】
非水系電解液中における上記式(4)〜(7)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物の濃度が、0.01重量%以上、10重量%以下である
ことを特徴とする、請求項2に記載の非水系電解液。
【請求項5】
非水系電解液中における上記の不飽和結合を有するカーボネートの濃度が、0.01重量%以上、70重量%以下である
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項6】
上記の不飽和結合を有するカーボネートが、ビニレンカーボネート、及びビニルエチレンカーボネート、並びにこれらの誘導体よりなる群から選ばれる1種以上のカーボネートである
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項7】
エチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートを更に含有する
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項8】
ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、及びジ−n−プロピルカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカーボネートを更に含有する
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項9】
リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、
該負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含有するとともに、
該非水系電解液が、請求項1〜8の何れか一項に記載の非水系電解液である
ことを特徴とする、非水系電解液二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池に関する。詳しくは、Si原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を用いた非水系電解液二次電池に使用した場合に、優れた充放電サイクル特性が得られる非水系電解液、並びにその非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電気製品の軽量化、小型化に伴い、高いエネルギー密度を持つ非水系電解液二次電池、例えばリチウム二次電池の開発が進められている。また、リチウム二次電池の適用分野が拡大するにつれて、電池特性のより一層の改善が要望されている。
【0003】
このような状況において、金属リチウムを負極とする二次電池が、高容量化を達成できる電池として研究されてきた。しかしながら、金属リチウムには、充放電の繰り返しにより金属リチウムがデンドライト状に成長し、これが正極に達し電池内部での短絡が生じてしまうという課題があり、これが金属リチウムを負極とするリチウム二次電池を実用化する際の最大の障害となっている。
【0004】
これに対し、金属リチウムに代えて、コークス、人造黒鉛又は天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質材料を負極に用いた非水系電解液二次電池が提案されている。このような非水系電解液二次電池では、リチウムがデンドライト状に成長しないため、電池寿命と安全性とを向上させることができる。これらグラファイト類を負極として用いた場合、容量としては通常300mAh・g-1、500mAh・cm-3程度であることが知られている。
【0005】
近年、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、鉛(Pb)など、リチウムと合金化し得る金属元素の単体や、これらの金属元素を少なくとも含む合金、これらの金属元素を含有する金属化合物などを用いた負極活物質(以下「Si、Sn、Pb等を有する負極活物質」という場合がある。)が提案されている。これらは、体積当たりの容量が2000mAh・cm-3程度又はそれ以上と、グラファイト類の4倍程度或いはそれ以上である為、これらを用いることにより、より高い容量を得る事が出来る。
【0006】
しかし、Si、Sn、Pb等を有する負極活物質を用いた二次電池は、高容量化に適しているものの、安全性が低下するという課題や、充放電によって負極活物質が劣化し、充放電効率が低下してサイクル特性が悪化するという課題があった。
【0007】
そこで、このような二次電池に用いられる非水系電解液として、安全性を確保しつつ電池の放電容量の低下を防止するために、電解液中に環状炭酸エステル又は炭酸エステルの多量体と、リン酸トリエステルを含有する非水系電解液が提案されている(特許文献1参照)。また、電池の充放電サイクル特性を向上することを目的に、環内に硫黄原子及び/又は酸素原子を含む複素環式化合物を非水系電解液に加え、負極活物質の表面に被膜を形成して電池の充放電サイクル特性を向上させる方法も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−176470号公報
【特許文献2】特開2004−87284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2等の従来の二次電池では、負極材料にケイ素(Si)等の元素を使用することでより高い容量が得られるものの、より長期の充放電サイクルでの性能、特に放電容量維持率の点で未だ不十分であった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、Si、Sn及びPbのうち少なくとも一種を有する負極活物質を用いた非水系電解液二次電池において、高い充電容量を有すると共に、長期に亘り優れた特性を有し、特に放電容量維持率に優れた非水系電解液二次電池、及びそれに使用する非水系電解液を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、Si原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を用いた非水系電解液二次電池において、非水系電解液に不飽和結合及びハロゲン原子のうち少なくとも一方を有するカーボネートと、後述の式(1)で表わされる含硫黄官能基を有する鎖状化合物(特定化合物)とを含有させることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち、本発明の要旨は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、該負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含む非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液であって、不飽和結合を有するカーボネートと、下記式(4)、(5)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを一つ以上有する鎖状化合物とを少なくとも含有し、上記の式(4)、(5)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である
することを特徴とする、非水系電解液に存する(請求項1)。
【化1】
【化2】
(一般式(2)中、Aは、上記式(4)、(5)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを表わし、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい、炭素数1以上、20以下の炭化水素基を表わす。)
また、本発明の別の要旨は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、該負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含む非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液であって、不飽和結合を有するカーボネートと、下記式(4)〜(7)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを一つ以上有する鎖状化合物とを少なくとも含有し、上記の式(4)〜(7)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする、非水系電解液に存する(請求項2)。
【化3】
【化4】
(一般式(3)中、R3は、ハロゲン原子を有していてもよい、炭素数1以上、20以下の炭化水素基を表わし、Aは、上記式(4)〜(7)、(9)、(10)で表される含硫黄官能基の何れかを表わし、zは、2以上、4以下の整数を表わし、R4は、ハロゲン原子を有していてもよい、z個の結合部分を有する炭素数2以上、4以下であって直鎖状の炭化水素基を表わす。なお、z個のR3及びAは、それぞれ互いに同じでもよく、異なっていてもよい。)
【0016】
また、非水系電解液中における上記式(4)、(5)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物の濃度が、0.01重量%以上、10重量%以下であることが好ましい(請求項)。
また、非水系電解液中における上記式(4)〜(7)、(9)、(10)で表わされる含硫黄官能基の何れかを有する鎖状化合物の濃度が、0.01重量%以上、10重量%以下であることが好ましい(請求項4)。
【0017】
また、非水系電解液中における上記の不飽和結合を有するカーボネートの濃度が、0.01重量%以上、70重量%以下であることが好ましい(請求項)。
【0018】
また、上記の不飽和結合又はハロゲン原子を有するカーボネートが、ビニレンカーボネート、及びビニルエチレンカーボネート、並びにこれらの誘導体よりなる群から選ばれる1種以上のカーボネートであることが好ましい(請求項)。
【0019】
また、エチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートを更に含有することが好ましい(請求項)。
【0020】
また、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、及びジ−n−プロピルカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカーボネートを更に含有することが好ましい(請求項)。
【0021】
また、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、該負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含有するとともに、該非水系電解液が上述の非水系電解液である非水系電解液二次電池、に存する(請求項)。
【発明の効果】
【0022】
本発明の非水系電解液は、非水系電解液二次電池に使用することにより、高い充電容量を有すると共に、長期に亘り優れた特性を有し、特に放電容量維持率に優れた二次電池を実現できる。
本発明の非水系電解液二次電池は、高い充電容量を有すると共に、長期に亘り優れた特性を有し、特に放電容量維持率に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されるものではない。
【0024】
[I.非水系電解液]
まず、本発明の非水系電解液について説明する。
本発明の非水系電解液は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、該負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含有する非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液である。
【0025】
本発明の非水系電解液は、一般的な非水系電解液と同様、通常はその主成分として、電解質及びこれを溶解する非水溶媒を有する。更に、後述の式(1)で表わされる含硫黄官能基を一つ以上有する鎖状化合物(以下適宜、「特定化合物」という。)と、不飽和結合及びハロゲン原子のうち少なくとも一方を有するカーボネート(以下適宜、「特定カーボネート」という。)とを、それぞれ少なくとも1種含有する。加えて、その他の成分(添加剤等)を含有していてもよい。
【0026】
以下の記載では、まず特定化合物及び特定カーボネートについて説明し、続いて電解質及び非水溶媒について説明した上で、その他の成分についても触れることにする。
【0027】
〔I−1.特定化合物〕
<I−1−1.式(1)で表わされる含硫黄官能基>
本発明に係る特定化合物は、下記式(1)で表わされる含硫黄官能基を一つ以上有する鎖状化合物である。
【0028】
【化5】
【0029】
上記式(1)中、m及びnはそれぞれ独立に、0又は1の整数を表わす。
xは、1又は2の整数を表わす。
yは、0以上、2以下の整数を表わす。
【0030】
上記式(1)で表わされる含硫黄官能基の具体例としては、
−S−、
−O−S−、
−O−S−O−、
−S(=O)−、
−S(=O)2−、
−O−S(=O)−、
−O−S(=O)2−、
−O−S(=O)−O−、
−O−S(=O)2−O−、
−S−S−、
−S(=O)−S−、
−S(=O)2−S−、
−O−S−S−、
−O−S(=O)−S−、
−O−S(=O)2−S−、
−O−S−S−O−、
−O−S(=O)−S−O−、
−O−S(=O)2−S−O−、
−S(=O)−S(=O)−、
−S(=O)2−S(=O)−、
−S(=O)2−S(=O)2−、
−O−S(=O)−S(=O)−、
−O−S(=O)2−S(=O)−、
−O−S(=O)2−S(=O)2−、
−O−S(=O)−S(=O)−O−、
−O−S(=O)2−S(=O)−O−、
−O−S(=O)2−S(=O)2−O−、等が挙げられる。
【0031】
中でも、工業的な入手のしやすさ及び化学的安定性の観点から、上記式(1)で表わされる含硫黄官能基は、下記式(4)〜(10)で表される官能基の中から選択されることが好ましい。
【0032】
【化6】
【0033】
本発明に係る特定化合物が有する、上記式(1)で表される含硫黄官能基の数は、一分子当たり一個以上であれば、その上限は特に制限されないが、通常6個以下、中でも4個以下であることが好ましい。
【0034】
本発明に係る特定化合物は、上記式(1)で表される含硫黄官能基を少なくとも一個有していれば、その他は特に制限されないが、中でも、下記一般式(2)で表される鎖状化合物、又は、下記一般式(3)で表わされる鎖状化合物であることが好ましい。
【0035】
<I−1−2.一般式(2)で表わされる鎖状化合物>
【化7】
【0036】
上記一般式(2)中、Aは、上記式(1)で表される含硫黄官能基を表わす。
1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい、炭素数1以上、10以下の炭化水素基を表わす。
【0037】
上記一般式(2)において、R1、R2の炭化水素基の種類は特に制限されない。即ち、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合したものであってもよい。脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和結合(炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合)を含んでいてもよい。また、脂肪族炭化水素基は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状の場合は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。更には、鎖状と環状とが結合したものであってもよい。
【0038】
1、R2の炭化水素基の炭素数は、通常1以上、また、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。R1、R2の炭化水素基の炭素数が多過ぎると、非水電解液に対する溶解性が低下する傾向がある。
【0039】
1、R2として好ましい炭化水素基の具体例を下記に挙げる。
【0040】
飽和鎖状炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、等が挙げられる。
【0041】
飽和環状炭化水素基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等が挙げられる。
【0042】
不飽和結合を有する炭化水素基(以下適宜「不飽和炭化水素基」と略称する。)の具体例としては、ビニル基、1−プロペン−1−イル基、1−プロペン−2−イル基、アリル基、クロチル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、2−トルイル基、3−トルイル基、4−トルイル基、キシリル基、ベンジル基、シンナミル基、等が挙げられる。
【0043】
以上例示した炭化水素基の中でも、R1、R2としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、2−トルイル基、3−トルイル基、4−トルイル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、ベンジル基等が、非水系電解液への溶解度、工業的な入手のしやすさ等の観点から好ましい。特に好ましいのは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基である。
【0044】
上記一般式(2)におけるR1、R2の炭化水素基は、炭素原子に結合する水素原子の一部又は全てがハロゲン原子によって置換されたものでもよい。
【0045】
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、更にはフッ素原子、塩素原子が、化学的な安定性或いは電気化学的な安定性の観点からより好ましい。
【0046】
1、R2の炭化水素基がハロゲン原子で置換されている場合、ハロゲン原子の数は特に制限さず、炭化水素基の一部の水素原子がハロゲン原子に置き換わっただけでもよく、また、全ての水素原子がハロゲン原子に置き換わっていてもよい。なお、R1、R2の炭化水素基がそれぞれ複数のハロゲン原子を有する場合、それらのハロゲン原子は互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
【0047】
1、R2として好ましい、ハロゲン原子で置換された炭化水素基の具体例を下記に挙げる。
【0048】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基の具体例としては、
フルオロメチル基、
ジフルオロメチル基、
トリフルオロメチル基、
1−フルオロエチル基、
2−フルオロエチル基、
1,1−ジフルオロエチル基、
1,2−ジフルオロエチル基、
2,2−ジフルオロエチル基、
2,2,2−トリフルオロエチル基、
パーフルオロエチル基、
1−フルオロ−n−プロピル基、
2−フルオロ−n−プロピル基、
3−フルオロ−n−プロピル基、
1,1−ジフルオロ−n−プロピル基、
1,2−ジフルオロ−n−プロピル基、
1,3−ジフルオロ−n−プロピル基、
2,2−ジフルオロ−n−プロピル基、
2,3−ジフルオロ−n−プロピル基、
3,3−ジフルオロ−n−プロピル基、
3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、
2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、
パーフルオロ−n−プロピル基、
1−フルオロイソプロピル基、
2−フルオロイソプロピル基、
1,2−ジフルオロイソプロピル基、
2,2−ジフルオロイソプロピル基、
2,2’−ジフルオロイソプロピル基、
2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、
1−フルオロ−n−ブチル基、
2−フルオロ−n−ブチル基、
3−フルオロ−n−ブチル基、
4−フルオロ−n−ブチル基、
4,4,4−トリフルオロ−n−ブチル基、
パーフルオロ−n−ブチル基、
2−フルオロ−tert−ブチル基、
パーフルオロ−tert−ブチル基、等が挙げられる。
【0049】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基の具体例としては、
1−フルオロシクロプロピル基、
2−フルオロシクロプロピル基、
パーフルオロシクロプロピル基、
1−フルオロシクロペンチル基、
2−フルオロシクロペンチル基、
3−フルオロシクロペンチル基、
パーフルオロシクロペンチル基、
1−フルオロシクロヘキシル基、
2−フルオロシクロヘキシル基、
3−フルオロシクロヘキシル基、
4−フルオロシクロヘキシル基、
パーフルオロシクロヘキシル基、等が挙げられる。
【0050】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基の具体例としては、
2−フルオロフェニル基、
3−フルオロフェニル基、
4−フルオロフェニル基、
2,3−ジフルオロフェニル基、
2,4−ジフルオロフェニル基、
3,5−ジフルオロフェニル基、
2,4,6−トリフルオロフェニル基、
パーフルオロフェニル基、
3−フルオロ−2−メチルフェニル基、
4−フルオロ−2−メチルフェニル基、
5−フルオロ−2−メチルフェニル基、
6−フルオロ−2−メチルフェニル基、
2−フルオロ−3−メチルフェニル基、
4−フルオロ−3−メチルフェニル基、
5−フルオロ−3−メチルフェニル基、
6−フルオロ−3−メチルフェニル基、
2−フルオロ−4−メチルフェニル基、
3−フルオロ−4−メチルフェニル基、
パーフルオロトルイル基、
2−フルオロナフタレン−1−イル基、
3−フルオロナフタレン−1−イル基、
4−フルオロナフタレン−1−イル基、
5−フルオロナフタレン−1−イル基、
6−フルオロナフタレン−1−イル基、
7−フルオロナフタレン−1−イル基、
8−フルオロナフタレン−1−イル基、
1−フルオロナフタレン−2−イル基、
3−フルオロナフタレン−2−イル基、
4−フルオロナフタレン−2−イル基、
5−フルオロナフタレン−2−イル基、
6−フルオロナフタレン−2−イル基、
7−フルオロナフタレン−2−イル基、
8−フルオロナフタレン−2−イル基、
パーフルオロナフチル基、
1−フルオロビニル基、
2−フルオロビニル基、
1,2−ジフルオロビニル基、
2,2−ジフルオロビニル基、
パーフルオロビニル基、
1−フルオロアリル基、
2−フルオロアリル基、
3−フルオロアリル基、
パーフルオロアリル基、
(2−フルオロフェニル)メチル基、
(3−フルオロフェニル)メチル基、
(4−フルオロフェニル)メチル基、
(パーフルオロフェニル)メチル基、等が挙げられる。
【0051】
塩素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基の具体例としては、
クロロメチル基、
ジクロロメチル基、
トリクロロメチル基、
1−クロロエチル基、
2−クロロエチル基、
1,1−ジクロロエチル基、
1,2−ジクロロエチル基、
2,2−ジクロロエチル基、
2,2,2−トリクロロエチル基、
パークロロエチル基、
1−クロロ−n−プロピル基、
2−クロロ−n−プロピル基、
3−クロロ−n−プロピル基、
1,1−ジクロロ−n−プロピル基、
1,2−ジクロロ−n−プロピル基、
1,3−ジクロロ−n−プロピル基、
2,2−ジクロロ−n−プロピル基、
2,3−ジクロロ−n−プロピル基、
3,3−ジクロロ−n−プロピル基、
3,3,3−トリクロロ−n−プロピル基、
2,2,3,3,3−ペンタクロロ−n−プロピル基、
パークロロ−n−プロピル基、
1−クロロイソプロピル基、
2−クロロイソプロピル基、
1,2−ジクロロイソプロピル基、
2,2−ジクロロイソプロピル基、
2,2’−ジクロロイソプロピル基、
2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサクロロイソプロピル基、
1−クロロ−n−ブチル基、
2−クロロ−n−ブチル基、
3−クロロ−n−ブチル基、
4−クロロ−n−ブチル基、
4,4,4−トリクロロ−n−ブチル基、
パークロロ−n−ブチル基、
2−クロロ−tert−ブチル基、
パークロロtert−ブチル基、等が挙げられる。
【0052】
塩素原子で置換された環状飽和炭化水素基の具体例としては、
1−クロロシクロプロピル基、
2−クロロシクロプロピル基、
パークロロシクロプロピル基、
1−クロロシクロペンチル基、
2−クロロシクロペンチル基、
3−クロロシクロペンチル基、
パークロロシクロペンチル基、
1−クロロシクロヘキシル基、
2−クロロシクロヘキシル基、
3−クロロシクロヘキシル基、
4−クロロシクロヘキシル基、
パークロロシクロヘキシル基、等が挙げられる。
【0053】
塩素原子で置換された不飽和炭化水素基の具体例としては、
2−クロロフェニル基、
3−クロロフェニル基、
4−クロロフェニル基、
2,3−ジクロロフェニル基、
2,4−ジクロロフェニル基、
3,5−ジクロロフェニル基、
2,4,6−トリクロロフェニル基、
パークロロフェニル基、
3−クロロ2−メチルフェニル基、
4−クロロ2−メチルフェニル基、
5−クロロ2−メチルフェニル基、
6−クロロ2−メチルフェニル基、
2−クロロ3−メチルフェニル基、
4−クロロ3−メチルフェニル基、
5−クロロ3−メチルフェニル基、
6−クロロ3−メチルフェニル基、
2−クロロ4−メチルフェニル基、
3−クロロ4−メチルフェニル基、
パークロロトルイル基、
2−クロロナフタレン−1−イル基、
3−クロロナフタレン−1−イル基、
4−クロロナフタレン−1−イル基、
5−クロロナフタレン−1−イル基、
6−クロロナフタレン−1−イル基、
7−クロロナフタレン−1−イル基、
8−クロロナフタレン−1−イル基、
1−クロロナフタレン−2−イル基、
3−クロロナフタレン−2−イル基、
4−クロロナフタレン−2−イル基、
5−クロロナフタレン−2−イル基、
6−クロロナフタレン−2−イル基、
7−クロロナフタレン−2−イル基、
8−クロロナフタレン−2−イル基、
パークロロナフチル基、
1−クロロビニル基、
2−クロロビニル基、
1,2−ジクロロビニル基、
2,2−ジクロロビニル基、
パークロロビニル基、
1−クロロアリル基、
2−クロロアリル基、
3−クロロアリル基、
パークロロアリル基、
(2−クロロフェニル)メチル基、
(3−クロロフェニル)メチル基、
(4−クロロフェニル)メチル基、
(パークロロフェニル)メチル基、等が挙げられる。
【0054】
これらの中でも、化学的及び電気化学的安定性、工業的な入手のしやすさ等の観点からフッ素原子で置換された炭化水素基が好ましい。具体例としては、
フルオロメチル基、
ジフルオロメチル基、
トリフルオロメチル基、
1−フルオロエチル基、
2−フルオロエチル基、
2,2,2−トリフルオロエチル基、
パーフルオロエチル基、
3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、
2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、
パーフルオロ−n−プロピル基、
2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、
パーフルオロ−n−ブチル基、
2−フルオロ−tert−ブチル基、
パーフルオロ−tert−ブチル基、
2−フルオロシクロヘキシル基、
3−フルオロシクロヘキシル基、
4−フルオロシクロヘキシル基、
パーフルオロシクロヘキシル基、
2−フルオロフェニル基、
3−フルオロフェニル基、
4−フルオロフェニル基、
2,3−ジフルオロフェニル基、
2,4−ジフルオロフェニル基、
3,5−ジフルオロフェニル基、
2,4,6−トリフルオロフェニル基、
パーフルオロフェニル基、
1−フルオロビニル基、
2−フルオロビニル基、
パーフルオロビニル基、
(2−フルオロフェニル)メチル基、
(3−フルオロフェニル)メチル基、
(4−フルオロフェニル)メチル基、
(パーフルオロフェニル)メチル基、等が挙げられる。
【0055】
続いて、上記一般式(2)で表される化合物の具体例を、上記式(1)で表される含硫黄官能基の種類毎に分類して、以下に挙げる。
【0056】
・式(4)の官能基を有する鎖状化合物:
まず、上記式(4)で表される官能基を有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0057】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジメチルスルフィド、
ジエチルスルフィド、
ジ−n−プロピルスルフィド、
ジイソプロピルスルフィド、
ジ−n−ブチルスルフィド、
ジイソブチルスルフィド、
ジ−tert−ブチルスルフィド、等が挙げられる。
【0058】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジシクロペンチルスルフィド、
ジシクロヘキシルスルフィド、等が挙げられる。
【0059】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジフェニルスルフィド、
ジ(2−トルイル)スルフィド、
ジ(3−トルイル)スルフィド、
ジ(4−トルイル)スルフィド、
ジビニルスルフィド、
ジアリルスルフィド、
ジベンジルスルフィド、等が挙げられる。
【0060】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(フルオロメチル)スルフィド、
ビス(ジフルオロメチル)スルフィド、
ビス(トリフルオロメチル)スルフィド、
ジ(1−フルオロエチル)スルフィド、
ジ(2−フルオロエチル)スルフィド、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)スルフィド、
ビス(パーフルオロエチル)スルフィド、
ビス(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
ビス(パーフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
ジ(2−フルオロイソプロピル)スルフィド、
ビス(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルフィド、
ビス(パーフルオロ−n−ブチル)スルフィド、
ジ(2−フルオロ−tert−ブチル)スルフィド、
ビス(パーフルオロ−tert−ブチル)スルフィド、等が挙げられる。
【0061】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
ジ(3−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
ジ(4−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
ビス(パーフルオロシクロヘキシル)スルフィド、等が挙げられる。
【0062】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロフェニル)スルフィド、
ジ(3−フルオロフェニル)スルフィド、
ジ(4−フルオロフェニル)スルフィド、
ビス(2,3−ジフルオロフェニル)スルフィド、
ビス(2,4−ジフルオロフェニル)スルフィド、
ビス(3,5−ジフルオロフェニル)スルフィド、
ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルフィド、
ビス(パーフルオロフェニル)スルフィド、
ジ(1−フルオロビニル)スルフィド、
ジ(2−フルオロビニル)スルフィド、
ビス(パーフルオロビニル)スルフィド、
ビス[(2−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
ビス[(3−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
ビス[(4−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
ビス[(パーフルオロフェニル)メチル]スルフィド、等が挙げられる。
【0063】
1及びR2が異なる炭化水素基である化合物の具体例としては、
エチルメチルスルフィド、
メチルプロピルスルフィド、
メチルイソプロピルスルフィド、
メチルn−ブチルスルフィド、
メチルイソブチルスルフィド、
メチルtert−ブチルスルフィド、
メチルシクロペンチルスルフィド、
メチルシクロヘキシルスルフィド、
メチルフェニルスルフィド、
メチル(2−トルイル)スルフィド、
メチル(3−トルイル)スルフィド、
メチル(4−トルイル)スルフィド、
メチルビニルスルフィド、
メチルアリルスルフィド、
メチルベンジルスルフィド、
エチルプロピルスルフィド、
エチルイソプロピルスルフィド、
エチルn−ブチルスルフィド、
エチルイソブチルスルフィド、
エチルtert−ブチルスルフィド、
エチルシクロペンチルスルフィド、
エチルシクロヘキシルスルフィド、
エチルフェニルスルフィド、
エチル(2−トルイル)スルフィド、
エチル(3−トルイル)スルフィド、
エチル(4−トルイル)スルフィド、
エチルビニルスルフィド、
エチルアリルスルフィド、
エチルベンジルスルフィド、
フェニルプロピルスルフィド、
フェニルイソプロピルスルフィド、
フェニルn−ブチルスルフィド、
フェニルイソブチルスルフィド、
フェニルtert−ブチルスルフィド、
フェニルシクロペンチルスルフィド、
フェニルシクロヘキシルスルフィド、
フェニル(2−トルイル)スルフィド、
フェニル(3−トルイル)スルフィド、
フェニル(4−トルイル)スルフィド、
フェニルビニルスルフィド、
フェニルアリルスルフィド、
フェニルベンジルスルフィド、等が挙げられる。
【0064】
1及びR2が異なる炭化水素基であるとともに、その少なくとも一方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
メチル(フルオロメチル)スルフィド、
メチル(ジフルオロメチル)スルフィド、
メチル(トリフルオロメチル)スルフィド、
メチル(1−フルオロエチル)スルフィド、
メチル(2−フルオロエチル)スルフィド、
メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルフィド、
メチル(パーフルオロエチル)スルフィド、
メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
メチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
メチル(パーフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
メチル(2−フルオロイソプロピル)スルフィド、
メチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルフィド、
メチル(パーフルオロ−n−ブチル)スルフィド、
メチル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルフィド、
メチル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルフィド、
メチル(2−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
メチル(3−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
メチル(4−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
メチル(パーフルオロシクロヘキシル)スルフィド、
メチル(2−フルオロフェニル)スルフィド、
メチル(3−フルオロフェニル)スルフィド、
メチル(4−フルオロフェニル)スルフィド、
メチル(2,3−ジフルオロフェニル)スルフィド、
メチル(2,4−ジフルオロフェニル)スルフィド、
メチル(3,5−ジフルオロフェニル)スルフィド、
メチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルフィド、
メチル(パーフルオロフェニル)スルフィド、
メチル(1−フルオロビニル)スルフィド、
メチル(2−フルオロビニル)スルフィド、
メチル(パーフルオロビニル)スルフィド、
メチル[(2−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
メチル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
メチル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
メチル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルフィド、
エチル(フルオロメチル)スルフィド、
エチル(ジフルオロメチル)スルフィド、
エチル(トリフルオロメチル)スルフィド、
エチル(1−フルオロエチル)スルフィド、
エチル(2−フルオロエチル)スルフィド、
エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルフィド、
エチル(パーフルオロエチル)スルフィド、
エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
エチル(パーフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
エチル(2−フルオロイソプロピル)スルフィド、
エチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルフィド、
エチル(パーフルオロ−n−ブチル)スルフィド、
エチル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルフィド、
エチル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルフィド、
エチル(2−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
エチル(3−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
エチル(4−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
エチル(パーフルオロシクロヘキシル)スルフィド、
エチル(2−フルオロフェニル)スルフィド、
エチル(3−フルオロフェニル)スルフィド、
エチル(4−フルオロフェニル)スルフィド、
エチル(2,3−ジフルオロフェニル)スルフィド、
エチル(2,4−ジフルオロフェニル)スルフィド、
エチル(3,5−ジフルオロフェニル)スルフィド、
エチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルフィド、
エチル(パーフルオロフェニル)スルフィド、
エチル(1−フルオロビニル)スルフィド、
エチル(2−フルオロビニル)スルフィド、
エチル(パーフルオロビニル)スルフィド、
エチル[(2−フルオロフェニル)エチル]スルフィド、
エチル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
エチル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
エチル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルフィド、
フェニル(フルオロメチル)スルフィド、
フェニル(ジフルオロメチル)スルフィド、
フェニル(トリフルオロメチル)スルフィド、
フェニル(1−フルオロエチル)スルフィド、
フェニル(2−フルオロエチル)スルフィド、
フェニル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルフィド、
フェニル(パーフルオロエチル)スルフィド、
フェニル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
フェニル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
フェニル(パーフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
フェニル(2−フルオロイソプロピル)スルフィド、
フェニル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルフィド、フェニル(パーフルオロ−n−ブチル)スルフィド、
フェニル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルフィド、
フェニル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルフィド、
フェニル(2−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
フェニル(3−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
フェニル(4−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
フェニル(パーフルオロシクロヘキシル)スルフィド、
フェニル(2−フルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(3−フルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(4−フルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(2,3−ジフルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(2,4−ジフルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(3,5−ジフルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(パーフルオロフェニル)スルフィド、
フェニル(1−フルオロビニル)スルフィド、
フェニル(2−フルオロビニル)スルフィド、
フェニル(パーフルオロビニル)スルフィド、
フェニル[(2−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
フェニル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
フェニル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、
フェニル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルフィド、等が挙げられる。
【0065】
1及びR2が異なる鎖状飽和炭化水素基であるとともに、その双方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(フルオロメチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(ジフルオロメチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(トリフルオロメチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロエチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロエチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロエチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロイソプロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−ブチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロ−tert−ブチル)スルフィド、(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−tert−ブチル)スルフィド、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロシクロヘキシル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,3−ジフルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4−ジフルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,5−ジフルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロフェニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロビニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロビニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロビニル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(2−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、(2,2,2−トリフルオロエチル)[(3−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、(2,2,2−トリフルオロエチル)[(4−フルオロフェニル)メチル]スルフィド、(2,2,2−トリフルオロエチル)[(パーフルオロフェニル)メチル]スルフィド、等が挙げられる。
【0066】
・式(5)の官能基を有する鎖状化合物:
次に、上記式(5)で表される官能基を有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0067】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、
ジ−n−プロピルジスルフィド、
ジイソプロピルジスルフィド、
ジ−n−ブチルジスルフィド、
ジイソブチルジスルフィド、
ジ−tert−ブチルジスルフィド、等が挙げられる。
【0068】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジシクロペンチルジスルフィド、
ジシクロヘキシルジスルフィド、等が挙げられる。
【0069】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジフェニルジスルフィド、
ジ(2−トルイル)ジスルフィド、
ジ(3−トルイル)ジスルフィド、
ジ(4−トルイル)ジスルフィド、
ジビニルジスルフィド、
ジアリルジスルフィド、
ジベンジルジスルフィド、等が挙げられる。
【0070】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(フルオロメチル)ジスルフィド、
ビス(ジフルオロメチル)ジスルフィド、
ビス(トリフルオロメチル)ジスルフィド、
ジ(1−フルオロエチル)ジスルフィド、
ジ(2−フルオロエチル)ジスルフィド、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジスルフィド、
ビス(パーフルオロエチル)ジスルフィド、
ビス(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
ビス(パーフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
ジ(2−フルオロイソプロピル)ジスルフィド、
ビス(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)ジスルフィド、
ビス(パーフルオロ−n−ブチル)ジスルフィド、
ジ(2−フルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
ビス(パーフルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、等が挙げられる。
【0071】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
ジ(3−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
ジ(4−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
ビス(パーフルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、等が挙げられる。
【0072】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフィド、
ジ(3−フルオロフェニル)ジスルフィド、
ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、
ビス(2,3−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
ビス(2,4−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
ビス(3,5−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ジスルフィド、
ビス(パーフルオロフェニル)ジスルフィド、
ジ(1−フルオロビニル)ジスルフィド、
ジ(2−フルオロビニル)ジスルフィド、
ビス(パーフルオロビニル)ジスルフィド、
ビス[(2−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
ビス[(3−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
ビス[(4−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
ビス[(パーフルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、等が挙げられる。
【0073】
1及びR2が異なる炭化水素基である化合物の具体例としては、
エチルメチルジスルフィド、
メチルプロピルジスルフィド、
メチルイソプロピルジスルフィド、
メチルn−ブチルジスルフィド、
メチルイソブチルジスルフィド、
メチルtert−ブチルジスルフィド、
メチルシクロペンチルジスルフィド、
メチルシクロヘキシルジスルフィド、
メチルフェニルジスルフィド、
メチル(2−トルイル)ジスルフィド、
メチル(3−トルイル)ジスルフィド、
メチル(4−トルイル)ジスルフィド、
メチルビニルジスルフィド、
メチルアリルジスルフィド、
メチルベンジルジスルフィド、
エチルプロピルジスルフィド、
エチルイソプロピルジスルフィド、
エチルn−ブチルジスルフィド、
エチルイソブチルジスルフィド、
エチルtert−ブチルジスルフィド、
エチルシクロペンチルジスルフィド、
エチルシクロヘキシルジスルフィド、
エチルフェニルジスルフィド、
エチル(2−トルイル)ジスルフィド、
エチル(3−トルイル)ジスルフィド、
エチル(4−トルイル)ジスルフィド、
エチルビニルジスルフィド、
エチルアリルジスルフィド、
エチルベンジルジスルフィド、
フェニルプロピルジスルフィド、
フェニルイソプロピルジスルフィド、
フェニルn−ブチルジスルフィド、
フェニルイソブチルジスルフィド、
フェニルtert−ブチルジスルフィド、
フェニルシクロペンチルジスルフィド、
フェニルシクロヘキシルジスルフィド、
フェニル(2−トルイル)ジスルフィド、
フェニル(3−トルイル)ジスルフィド、
フェニル(4−トルイル)ジスルフィド、
フェニルビニルジスルフィド、
フェニルアリルジスルフィド、
フェニルベンジルジスルフィド、等が挙げられる。
【0074】
1及びR2が異なる炭化水素基であるとともに、その少なくとも一方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
メチル(フルオロメチル)ジスルフィド、
メチル(ジフルオロメチル)ジスルフィド、
メチル(トリフルオロメチル)ジスルフィド、
メチル(1−フルオロエチル)ジスルフィド、
メチル(2−フルオロエチル)ジスルフィド、
メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)ジスルフィド、
メチル(パーフルオロエチル)ジスルフィド、
メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
メチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
メチル(パーフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
メチル(2−フルオロイソプロピル)ジスルフィド、
メチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)ジスルフィド、メチル(パーフルオロ−n−ブチル)ジスルフィド、
メチル(2−フルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
メチル(パーフルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
メチル(2−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
メチル(3−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
メチル(4−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
メチル(パーフルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
メチル(2−フルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(3−フルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(2,3−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(2,4−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(3,5−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(パーフルオロフェニル)ジスルフィド、
メチル(1−フルオロビニル)ジスルフィド、
メチル(2−フルオロビニル)ジスルフィド、
メチル(パーフルオロビニル)ジスルフィド、
メチル[(2−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
メチル[(3−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
メチル[(4−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
メチル[(パーフルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
エチル(フルオロメチル)ジスルフィド、
エチル(ジフルオロメチル)ジスルフィド、
エチル(トリフルオロメチル)ジスルフィド、
エチル(1−フルオロエチル)ジスルフィド、
エチル(2−フルオロエチル)ジスルフィド、
エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)ジスルフィド、
エチル(パーフルオロエチル)ジスルフィド、
エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
エチル(パーフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
エチル(2−フルオロイソプロピル)ジスルフィド、
エチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)ジスルフィド、エチル(パーフルオロ−n−ブチル)ジスルフィド、
エチル(2−フルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
エチル(パーフルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
エチル(2−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
エチル(3−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
エチル(4−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
エチル(パーフルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
エチル(2−フルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(3−フルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(2,3−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(2,4−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(3,5−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(パーフルオロフェニル)ジスルフィド、
エチル(1−フルオロビニル)ジスルフィド、
エチル(2−フルオロビニル)ジスルフィド、
エチル(パーフルオロビニル)ジスルフィド、
エチル[(2−フルオロフェニル)エチル]ジスルフィド、
エチル[(3−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
エチル[(4−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
エチル[(パーフルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
フェニル(フルオロメチル)ジスルフィド、
フェニル(ジフルオロメチル)ジスルフィド、
フェニル(トリフルオロメチル)ジスルフィド、
フェニル(1−フルオロエチル)ジスルフィド、
フェニル(2−フルオロエチル)ジスルフィド、
フェニル(2,2,2−トリフルオロエチル)ジスルフィド、
フェニル(パーフルオロエチル)ジスルフィド、
フェニル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
フェニル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
フェニル(パーフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
フェニル(2−フルオロイソプロピル)ジスルフィド、
フェニル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)ジスルフィド、
フェニル(パーフルオロ−n−ブチル)ジスルフィド、
フェニル(2−フルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
フェニル(パーフルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
フェニル(2−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
フェニル(3−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
フェニル(4−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
フェニル(パーフルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
フェニル(2−フルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(3−フルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(2,3−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(2,4−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(3,5−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(2,4,6−トリフルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(パーフルオロフェニル)ジスルフィド、
フェニル(1−フルオロビニル)ジスルフィド、
フェニル(2−フルオロビニル)ジスルフィド、
フェニル(パーフルオロビニル)ジスルフィド、
フェニル[(2−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
フェニル[(3−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
フェニル[(4−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
フェニル[(パーフルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、等が挙げられる。
【0075】
1及びR2が異なる鎖状飽和炭化水素基であるとともに、その双方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(フルオロメチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(ジフルオロメチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(トリフルオロメチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロエチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロエチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロエチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−プロピル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロイソプロピル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−ブチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−tert−ブチル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロシクロヘキシル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,3−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,5−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4,6−トリフルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロフェニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロビニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロビニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロビニル)ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(2−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(3−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(4−フルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(パーフルオロフェニル)メチル]ジスルフィド、等が挙げられる。
【0076】
・式(6)の官能基を有する鎖状化合物:
次に、上記式(6)で表される官能基を有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0077】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド、
ジ−n−プロピルスルホキシド、
ジイソプロピルスルホキシド、
ジ−n−ブチルスルホキシド、
ジイソブチルスルホキシド、
ジ−tert−ブチルスルホキシド、等が挙げられる。
【0078】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジシクロペンチルスルホキシド、
ジシクロヘキシルスルホキシド、等が挙げられる。
【0079】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジフェニルスルホキシド、
ジ(2−トルイル)スルホキシド、
ジ(3−トルイル)スルホキシド、
ジ(4−トルイル)スルホキシド、
ジビニルスルホキシド、
ジアリルスルホキシド、
ジベンジルスルホキシド、等が挙げられる。
【0080】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(フルオロメチル)スルホキシド、
ビス(ジフルオロメチル)スルホキシド、
ビス(トリフルオロメチル)スルホキシド、
ジ(1−フルオロエチル)スルホキシド、
ジ(2−フルオロエチル)スルホキシド、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホキシド、
ビス(パーフルオロエチル)スルホキシド、
ビス(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
ビス(パーフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
ジ(2−フルオロイソプロピル)スルホキシド、
ビス(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホキシド、
ビス(パーフルオロ−n−ブチル)スルホキシド、
ジ(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、
ビス(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、等が挙げられる。
【0081】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
ジ(3−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
ジ(4−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
ビス(パーフルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
ジ(2−フルオロフェニル)スルホキシド、
ジ(3−フルオロフェニル)スルホキシド、
ジ(4−フルオロフェニル)スルホキシド、
ビス(2,3−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
ビス(2,4−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
ビス(3,5−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホキシド、
ビス(パーフルオロフェニル)スルホキシド、
ジ(1−フルオロビニル)スルホキシド、
ジ(2−フルオロビニル)スルホキシド、
ビス(パーフルオロビニル)スルホキシド、
ビス[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
ビス[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
ビス[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
ビス[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホキシド、等が挙げられる。
【0082】
1及びR2が異なる炭化水素基である化合物の具体例としては、
エチルメチルスルホキシド、
メチルプロピルスルホキシド、
メチルイソプロピルスルホキシド、
メチルn−ブチルスルホキシド、
メチルイソブチルスルホキシド、
メチルtert−ブチルスルホキシド、
メチルシクロペンチルスルホキシド、
メチルシクロヘキシルスルホキシド、
メチルフェニルスルホキシド、
メチル(2−トルイル)スルホキシド、
メチル(3−トルイル)スルホキシド、
メチル(4−トルイル)スルホキシド、
メチルビニルスルホキシド、
メチルアリルスルホキシド、
メチルベンジルスルホキシド、
エチルプロピルスルホキシド、
エチルイソプロピルスルホキシド、
エチルn−ブチルスルホキシド、
エチルイソブチルスルホキシド、
エチルtert−ブチルスルホキシド、
エチルシクロペンチルスルホキシド、
エチルシクロヘキシルスルホキシド、
エチルフェニルスルホキシド、
エチル(2−トルイル)スルホキシド、
エチル(3−トルイル)スルホキシド、
エチル(4−トルイル)スルホキシド、
エチルビニルスルホキシド、
エチルアリルスルホキシド、
エチルベンジルスルホキシド、
フェニルプロピルスルホキシド、
フェニルイソプロピルスルホキシド、
フェニルn−ブチルスルホキシド、
フェニルイソブチルスルホキシド、
フェニルtert−ブチルスルホキシド、
フェニルシクロペンチルスルホキシド、
フェニルシクロヘキシルスルホキシド、
フェニル(2−トルイル)スルホキシド、
フェニル(3−トルイル)スルホキシド、
フェニル(4−トルイル)スルホキシド、
フェニルビニルスルホキシド、
フェニルアリルスルホキシド、
フェニルベンジルスルホキシド、等が挙げられる。
【0083】
1及びR2が異なる炭化水素基であるとともに、その少なくとも一方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
メチル(フルオロメチル)スルホキシド、
メチル(ジフルオロメチル)スルホキシド、
メチル(トリフルオロメチル)スルホキシド、
メチル(1−フルオロエチル)スルホキシド、
メチル(2−フルオロエチル)スルホキシド、
メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホキシド、
メチル(パーフルオロエチル)スルホキシド、
メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
メチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
メチル(パーフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
メチル(2−フルオロイソプロピル)スルホキシド、
メチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホキシド、メチル(パーフルオロ−n−ブチル)スルホキシド、
メチル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、
メチル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、
メチル(2−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
メチル(3−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
メチル(4−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
メチル(パーフルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
メチル(2−フルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(3−フルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(4−フルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(2,3−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(2,4−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(3,5−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(パーフルオロフェニル)スルホキシド、
メチル(1−フルオロビニル)スルホキシド、
メチル(2−フルオロビニル)スルホキシド、
メチル(パーフルオロビニル)スルホキシド、
メチル[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
メチル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
メチル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
メチル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
エチル(フルオロメチル)スルホキシド、
エチル(ジフルオロメチル)スルホキシド、
エチル(トリフルオロメチル)スルホキシド、
エチル(1−フルオロエチル)スルホキシド、
エチル(2−フルオロエチル)スルホキシド、
エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホキシド、
エチル(パーフルオロエチル)スルホキシド、
エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
エチル(パーフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
エチル(2−フルオロイソプロピル)スルホキシド、
エチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホキシド、エチル(パーフルオロ−n−ブチル)スルホキシド、
エチル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、
エチル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、
エチル(2−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
エチル(3−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
エチル(4−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
エチル(パーフルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
エチル(2−フルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(3−フルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(4−フルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(2,3−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(2,4−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(3,5−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(パーフルオロフェニル)スルホキシド、
エチル(1−フルオロビニル)スルホキシド、
エチル(2−フルオロビニル)スルホキシド、
エチル(パーフルオロビニル)スルホキシド、
エチル[(2−フルオロフェニル)エチル]スルホキシド、
エチル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
エチル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
エチル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
フェニル(フルオロメチル)スルホキシド、
フェニル(ジフルオロメチル)スルホキシド、
フェニル(トリフルオロメチル)スルホキシド、
フェニル(1−フルオロエチル)スルホキシド、
フェニル(2−フルオロエチル)スルホキシド、
フェニル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホキシド、
フェニル(パーフルオロエチル)スルホキシド、
フェニル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
フェニル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
フェニル(パーフルオロ−n−プロピル)スルホキシド、
フェニル(2−フルオロイソプロピル)スルホキシド、
フェニル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホキシド、
フェニル(パーフルオロ−n−ブチル)スルホキシド、
フェニル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、
フェニル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホキシド、
フェニル(2−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
フェニル(3−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
フェニル(4−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
フェニル(パーフルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
フェニル(2−フルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(3−フルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(4−フルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(2,3−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(2,4−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(3,5−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(パーフルオロフェニル)スルホキシド、
フェニル(1−フルオロビニル)スルホキシド、
フェニル(2−フルオロビニル)スルホキシド、
フェニル(パーフルオロビニル)スルホキシド、
フェニル[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
フェニル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
フェニル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
フェニル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホキシド、等が挙げられる。
【0084】
1及びR2が異なる鎖状飽和炭化水素基であるとともに、その双方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(フルオロメチル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(ジフルオロメチル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(トリフルオロメチル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロエチル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロエチル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロエチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−プロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロイソプロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−ブチル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロ−tert−ブチル)スルフィド、(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−tert−ブチル)スルフィド、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロシクロヘキシル)スルフィド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロシクロヘキシル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,3−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,5−ジフルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロフェニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロビニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロビニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロビニル)スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホキシド、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホキシド、等が挙げられる。
【0085】
・式(7)の官能基を有する鎖状化合物:
次に、上記式(7)で表される官能基を有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0086】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジメチルスルホン、
ジエチルスルホン、
ジ−n−プロピルスルホン、
ジイソプロピルスルホン、
ジ−n−ブチルスルホン、
ジイソブチルスルホン、
ジ−tert−ブチルスルホン、等が挙げられる。
【0087】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジシクロペンチルスルホン、
ジシクロヘキシルスルホン、等が挙げられる。
【0088】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジフェニルスルホン、
ジ(2−トルイル)スルホン、
ジ(3−トルイル)スルホン、
ジ(4−トルイル)スルホン、
ジビニルスルホン、
ジアリルスルホン、
ジベンジルスルホン、等が挙げられる。
【0089】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(フルオロメチル)スルホン、
ビス(ジフルオロメチル)スルホン、
ビス(トリフルオロメチル)スルホン、
ジ(1−フルオロエチル)スルホン、
ジ(2−フルオロエチル)スルホン、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホン、
ビス(パーフルオロエチル)スルホン、
ビス(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホン、
ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホン、
ビス(パーフルオロ−n−プロピル)スルホン、
ジ(2−フルオロイソプロピル)スルホン、
ビス(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホン、
ビス(パーフルオロ−n−ブチル)スルホン、
ジ(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホン、
ビス(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホン、等が挙げられる。
【0090】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
ジ(3−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
ジ(4−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
ビス(パーフルオロシクロヘキシル)スルホン、等が挙げられる。
【0091】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロフェニル)スルホン、
ジ(3−フルオロフェニル)スルホン、
ジ(4−フルオロフェニル)スルホン、
ビス(2,3−ジフルオロフェニル)スルホン、
ビス(2,4−ジフルオロフェニル)スルホン、
ビス(3,5−ジフルオロフェニル)スルホン、
ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホン、
ビス(パーフルオロフェニル)スルホン、
ジ(1−フルオロビニル)スルホン、
ジ(2−フルオロビニル)スルホン、
ビス(パーフルオロビニル)スルホン、
ビス[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
ビス[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
ビス[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
ビス[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホン、等が挙げられる。
【0092】
1及びR2が異なる炭化水素基である化合物の具体例としては、
エチルメチルスルホン、
メチルプロピルスルホン、
メチルイソプロピルスルホン、
メチルn−ブチルスルホン、
メチルイソブチルスルホン、
メチルtert−ブチルスルホン、
メチルシクロペンチルスルホン、
メチルシクロヘキシルスルホン、
メチルフェニルスルホン、
メチル(2−トルイル)スルホン、
メチル(3−トルイル)スルホン、
メチル(4−トルイル)スルホン、
メチルビニルスルホン、
メチルアリルスルホン、
メチルベンジルスルホン、
エチルプロピルスルホン、
エチルイソプロピルスルホン、
エチルn−ブチルスルホン、
エチルイソブチルスルホン、
エチルtert−ブチルスルホン、
エチルシクロペンチルスルホン、
エチルシクロヘキシルスルホン、
エチルフェニルスルホン、
エチル(2−トルイル)スルホン、
エチル(3−トルイル)スルホン、
エチル(4−トルイル)スルホン、
エチルビニルスルホン、
エチルアリルスルホン、
エチルベンジルスルホン、
フェニルプロピルスルホン、
フェニルイソプロピルスルホン、
フェニルn−ブチルスルホン、
フェニルイソブチルスルホン、
フェニルtert−ブチルスルホン、
フェニルシクロペンチルスルホン、
フェニルシクロヘキシルスルホン、
フェニル(2−トルイル)スルホン、
フェニル(3−トルイル)スルホン、
フェニル(4−トルイル)スルホン、
フェニルビニルスルホン、
フェニルアリルスルホン、
フェニルベンジルスルホン、等が挙げられる。
【0093】
1及びR2が異なる炭化水素基であるとともに、その少なくとも一方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
メチル(フルオロメチル)スルホン、
メチル(ジフルオロメチル)スルホン、
メチル(トリフルオロメチル)スルホン、
メチル(1−フルオロエチル)スルホン、
メチル(2−フルオロエチル)スルホン、
メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホン、
メチル(パーフルオロエチル)スルホン、
メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホン、
メチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホン、
メチル(パーフルオロ−n−プロピル)スルホン、
メチル(2−フルオロイソプロピル)スルホン、
メチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホン、
メチル(パーフルオロ−n−ブチル)スルホン、
メチル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホン、
メチル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホン、
メチル(2−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
メチル(3−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
メチル(4−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
メチル(パーフルオロシクロヘキシル)スルホン、
メチル(2−フルオロフェニル)スルホン、
メチル(3−フルオロフェニル)スルホン、
メチル(4−フルオロフェニル)スルホン、
メチル(2,3−ジフルオロフェニル)スルホン、
メチル(2,4−ジフルオロフェニル)スルホン、
メチル(3,5−ジフルオロフェニル)スルホン、
メチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホン、
メチル(パーフルオロフェニル)スルホン、
メチル(1−フルオロビニル)スルホン、
メチル(2−フルオロビニル)スルホン、
メチル(パーフルオロビニル)スルホン、
メチル[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
メチル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
メチル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
メチル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホン、
エチル(フルオロメチル)スルホン、
エチル(ジフルオロメチル)スルホン、
エチル(トリフルオロメチル)スルホン、
エチル(1−フルオロエチル)スルホン、
エチル(2−フルオロエチル)スルホン、
エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホン、
エチル(パーフルオロエチル)スルホン、
エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホン、
エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホン、
エチル(パーフルオロ−n−プロピル)スルホン、
エチル(2−フルオロイソプロピル)スルホン、
エチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホン、
エチル(パーフルオロ−n−ブチル)スルホン、
エチル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホン、
エチル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホン、
エチル(2−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
エチル(3−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
エチル(4−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
エチル(パーフルオロシクロヘキシル)スルホン、
エチル(2−フルオロフェニル)スルホン、
エチル(3−フルオロフェニル)スルホン、
エチル(4−フルオロフェニル)スルホン、
エチル(2,3−ジフルオロフェニル)スルホン、
エチル(2,4−ジフルオロフェニル)スルホン、
エチル(3,5−ジフルオロフェニル)スルホン、
エチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホン、
エチル(パーフルオロフェニル)スルホン、
エチル(1−フルオロビニル)スルホン、
エチル(2−フルオロビニル)スルホン、
エチル(パーフルオロビニル)スルホン、
エチル[(2−フルオロフェニル)エチル]スルホン、
エチル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
エチル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
エチル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホン、
フェニル(フルオロメチル)スルホン、
フェニル(ジフルオロメチル)スルホン、
フェニル(トリフルオロメチル)スルホン、
フェニル(1−フルオロエチル)スルホン、
フェニル(2−フルオロエチル)スルホン、
フェニル(2,2,2−トリフルオロエチル)スルホン、
フェニル(パーフルオロエチル)スルホン、
フェニル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホン、
フェニル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホン、
フェニル(パーフルオロ−n−プロピル)スルホン、
フェニル(2−フルオロイソプロピル)スルホン、
フェニル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホン、
フェニル(パーフルオロ−n−ブチル)スルホン、
フェニル(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホン、
フェニル(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホン、
フェニル(2−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
フェニル(3−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
フェニル(4−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
フェニル(パーフルオロシクロヘキシル)スルホン、
フェニル(2−フルオロフェニル)スルホン、
フェニル(3−フルオロフェニル)スルホン、
フェニル(4−フルオロフェニル)スルホン、
フェニル(2,3−ジフルオロフェニル)スルホン、
フェニル(2,4−ジフルオロフェニル)スルホン、
フェニル(3,5−ジフルオロフェニル)スルホン、
フェニル(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホン、
フェニル(パーフルオロフェニル)スルホン、
フェニル(1−フルオロビニル)スルホン、
フェニル(2−フルオロビニル)スルホン、
フェニル(パーフルオロビニル)スルホン、
フェニル[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
フェニル[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
フェニル[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
フェニル[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホン、等が挙げられる。
【0094】
1及びR2が異なる鎖状飽和炭化水素基であるとともに、その双方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(フルオロメチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(ジフルオロメチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(トリフルオロメチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロエチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロエチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロエチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−プロピル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロイソプロピル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−ブチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロ−tert−ブチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−tert−ブチル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロシクロヘキシル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロシクロヘキシル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロフェニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロフェニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロフェニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,3−ジフルオロフェニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4−ジフルオロフェニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,5−ジフルオロフェニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4,6−トリフルオロフェニル)スルホン、(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロフェニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロビニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロビニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロビニル)スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(2−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(3−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(4−フルオロフェニル)メチル]スルホン、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(パーフルオロフェニル)メチル]スルホン、等が挙げられる。
【0095】
・式(8)の官能基を有する鎖状化合物:
次に、上記式(8)で表される官能基を有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0096】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジメチルサルファイト、
ジエチルサルファイト、
ジ−n−プロピルサルファイト、
ジイソプロピルサルファイト、
ジ−n−ブチルサルファイト、
ジイソブチルサルファイト、
ジ−tert−ブチルサルファイト、等が挙げられる。
【0097】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジシクロペンチルサルファイト、
ジシクロヘキシルサルファイト、等が挙げられる。
【0098】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジフェニルサルファイト、ジ(2−トルイル)サルファイト、
ジ(3−トルイル)サルファイト、
ジ(4−トルイル)サルファイト、
ジビニルサルファイト、
ジアリルサルファイト、
ジベンジルサルファイト、等が挙げられる。
【0099】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(フルオロメチル)サルファイト、
ビス(ジフルオロメチル)サルファイト、
ビス(トリフルオロメチル)サルファイト、
ジ(1−フルオロエチル)サルファイト、
ジ(2−フルオロエチル)サルファイト、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)サルファイト、
ビス(パーフルオロエチル)サルファイト、
ビス(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
ビス(パーフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
ジ(2−フルオロイソプロピル)サルファイト、
ビス(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルファイト、
ビス(パーフルオロ−n−ブチル)サルファイト、
ジ(2−フルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
ビス(パーフルオロ−tert−ブチル)サルファイト、等が挙げられる。
【0100】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
ジ(3−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
ジ(4−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
ビス(パーフルオロシクロヘキシル)サルファイト、等が挙げられる。
【0101】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロフェニル)サルファイト、
ジ(3−フルオロフェニル)サルファイト、
ジ(4−フルオロフェニル)サルファイト、
ビス(2,3−ジフルオロフェニル)サルファイト、
ビス(2,4−ジフルオロフェニル)サルファイト、
ビス(3,5−ジフルオロフェニル)サルファイト、
ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルファイト、
ビス(パーフルオロフェニル)サルファイト、
ジ(1−フルオロビニル)サルファイト、
ジ(2−フルオロビニル)サルファイト、
ビス(パーフルオロビニル)サルファイト、
ビス[(2−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
ビス[(3−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
ビス[(4−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
ビス[(パーフルオロフェニル)メチル]サルファイト、等が挙げられる。
【0102】
1及びR2が異なる炭化水素基である化合物の具体例としては、
エチルメチルサルファイト、
メチルプロピルサルファイト、
メチルイソプロピルサルファイト、
メチルn−ブチルサルファイト、
メチルイソブチルサルファイト、
メチルtert−ブチルサルファイト、
メチルシクロペンチルサルファイト、
メチルシクロヘキシルサルファイト、
メチルフェニルサルファイト、
メチル(2−トルイル)サルファイト、
メチル(3−トルイル)サルファイト、
メチル(4−トルイル)サルファイト、
メチルビニルサルファイト、
メチルアリルサルファイト、
メチルベンジルサルファイト、
エチルプロピルサルファイト、
エチルイソプロピルサルファイト、
エチルn−ブチルサルファイト、
エチルイソブチルサルファイト、
エチルtert−ブチルサルファイト、
エチルシクロペンチルサルファイト、
エチルシクロヘキシルサルファイト、
エチルフェニルサルファイト、
エチル(2−トルイル)サルファイト、
エチル(3−トルイル)サルファイト、
エチル(4−トルイル)サルファイト、
エチルビニルサルファイト、
エチルアリルサルファイト、
エチルベンジルサルファイト、
フェニルプロピルサルファイト、
フェニルイソプロピルサルファイト、
フェニルn−ブチルサルファイト、
フェニルイソブチルサルファイト、
フェニルtert−ブチルサルファイト、
フェニルシクロペンチルサルファイト、
フェニルシクロヘキシルサルファイト、
フェニル(2−トルイル)サルファイト、
フェニル(3−トルイル)サルファイト、
フェニル(4−トルイル)サルファイト、
フェニルビニルサルファイト、
フェニルアリルサルファイト、
フェニルベンジルサルファイト、等が挙げられる。
【0103】
1及びR2が異なる炭化水素基であるとともに、その少なくとも一方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
メチル(フルオロメチル)サルファイト、
メチル(ジフルオロメチル)サルファイト、
メチル(トリフルオロメチル)サルファイト、
メチル(1−フルオロエチル)サルファイト、
メチル(2−フルオロエチル)サルファイト、
メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)サルファイト、
メチル(パーフルオロエチル)サルファイト、
メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
メチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
メチル(パーフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
メチル(2−フルオロイソプロピル)サルファイト、
メチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルファイト、メチル(パーフルオロ−n−ブチル)サルファイト、
メチル(2−フルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
メチル(パーフルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
メチル(2−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
メチル(3−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
メチル(4−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
メチル(パーフルオロシクロヘキシル)サルファイト、
メチル(2−フルオロフェニル)サルファイト、
メチル(3−フルオロフェニル)サルファイト、
メチル(4−フルオロフェニル)サルファイト、
メチル(2,3−ジフルオロフェニル)サルファイト、
メチル(2,4−ジフルオロフェニル)サルファイト、
メチル(3,5−ジフルオロフェニル)サルファイト、
メチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルファイト、
メチル(パーフルオロフェニル)サルファイト、
メチル(1−フルオロビニル)サルファイト、
メチル(2−フルオロビニル)サルファイト、
メチル(パーフルオロビニル)サルファイト、
メチル[(2−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
メチル[(3−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
メチル[(4−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
メチル[(パーフルオロフェニル)メチル]サルファイト、
エチル(フルオロメチル)サルファイト、
エチル(ジフルオロメチル)サルファイト、
エチル(トリフルオロメチル)サルファイト、
エチル(1−フルオロエチル)サルファイト、
エチル(2−フルオロエチル)サルファイト、
エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)サルファイト、
エチル(パーフルオロエチル)サルファイト、
エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
エチル(パーフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
エチル(2−フルオロイソプロピル)サルファイト、
エチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルファイト、エチル(パーフルオロ−n−ブチル)サルファイト、
エチル(2−フルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
エチル(パーフルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
エチル(2−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
エチル(3−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
エチル(4−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
エチル(パーフルオロシクロヘキシル)サルファイト、
エチル(2−フルオロフェニル)サルファイト、
エチル(3−フルオロフェニル)サルファイト、
エチル(4−フルオロフェニル)サルファイト、
エチル(2,3−ジフルオロフェニル)サルファイト、
エチル(2,4−ジフルオロフェニル)サルファイト、
エチル(3,5−ジフルオロフェニル)サルファイト、
エチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルファイト、
エチル(パーフルオロフェニル)サルファイト、
エチル(1−フルオロビニル)サルファイト、
エチル(2−フルオロビニル)サルファイト、
エチル(パーフルオロビニル)サルファイト、
エチル[(2−フルオロフェニル)エチル]サルファイト、
エチル[(3−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
エチル[(4−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
エチル[(パーフルオロフェニル)メチル]サルファイト、
フェニル(フルオロメチル)サルファイト、
フェニル(ジフルオロメチル)サルファイト、
フェニル(トリフルオロメチル)サルファイト、
フェニル(1−フルオロエチル)サルファイト、
フェニル(2−フルオロエチル)サルファイト、
フェニル(2,2,2−トリフルオロエチル)サルファイト、
フェニル(パーフルオロエチル)サルファイト、
フェニル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
フェニル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
フェニル(パーフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
フェニル(2−フルオロイソプロピル)サルファイト、
フェニル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルファイト、
フェニル(パーフルオロ−n−ブチル)サルファイト、
フェニル(2−フルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
フェニル(パーフルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
フェニル(2−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
フェニル(3−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
フェニル(4−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
フェニル(パーフルオロシクロヘキシル)サルファイト、
フェニル(2−フルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(3−フルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(4−フルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(2,3−ジフルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(2,4−ジフルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(3,5−ジフルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(パーフルオロフェニル)サルファイト、
フェニル(1−フルオロビニル)サルファイト、
フェニル(2−フルオロビニル)サルファイト、
フェニル(パーフルオロビニル)サルファイト、
フェニル[(2−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
フェニル[(3−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
フェニル[(4−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
フェニル[(パーフルオロフェニル)メチル]サルファイト、等が挙げられる。
【0104】
1及びR2が異なる鎖状飽和炭化水素基であるとともに、その双方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(フルオロメチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(ジフルオロメチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(トリフルオロメチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロエチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロエチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロエチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−プロピル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロイソプロピル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−ブチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−tert−ブチル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロシクロヘキシル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロシクロヘキシル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,3−ジフルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4−ジフルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,5−ジフルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロフェニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロビニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロビニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロビニル)サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(2−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(3−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(4−フルオロフェニル)メチル]サルファイト、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(パーフルオロフェニル)メチル]サルファイト、等が挙げられる。
【0105】
・式(9)の官能基を有する鎖状化合物:
次に、上記式(9)で表される官能基を有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0106】
鎖状飽和炭化水素基を有する脂肪族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
メタンスルホン酸メチル、
メタンスルホン酸エチル、
メタンスルホン酸n−プロピル、
メタンスルホン酸イソプロピル、
メタンスルホン酸n−ブチル、
メタンスルホン酸イソブチル、
メタンスルホン酸tert−ブチル、
エタンスルホン酸メチル、
エタンスルホン酸エチル、
エタンスルホン酸n−プロピル、
エタンスルホン酸イソプロピル、
エタンスルホン酸n−ブチル、
エタンスルホン酸イソブチル、
エタンスルホン酸tert−ブチル、等が挙げられる。
【0107】
環状飽和炭化水素基を有する脂肪族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
メタンスルホン酸シクロペンチル、
メタンスルホン酸シクロヘキシル、
エタンスルホン酸シクロペンチル、
エタンスルホン酸シクロヘキシル、等が挙げられる。
【0108】
不飽和炭化水素基を有する脂肪族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
メタンスルホン酸フェニル、
メタンスルホン酸(2−トルイル)、
メタンスルホン酸(3−トルイル)、
メタンスルホン酸(4−トルイル)、
メタンスルホン酸ビニル、
メタンスルホン酸アリル、
メタンスルホン酸ベンジル、
エタンスルホン酸フェニル、
エタンスルホン酸(2−トルイル)、
エタンスルホン酸(3−トルイル)、
エタンスルホン酸(4−トルイル)、
エタンスルホン酸ビニル、
エタンスルホン酸アリル、
エタンスルホン酸ベンジル、等が挙げられる。
【0109】
フッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸のエステル誘導体の具体例としては、
トリフルオロメタンスルホン酸メチル、
トリフルオロメタンスルホン酸エチル、
トリフルオロメタンスルホン酸n−プロピル、
トリフルオロメタンスルホン酸イソプロピル、
トリフルオロメタンスルホン酸n−ブチル、
トリフルオロメタンスルホン酸イソブチル、
トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチル、
トリフルオロメタンスルホン酸シクロペンチル、
トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシル、
トリフルオロメタンスルホン酸フェニル、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−トルイル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(3−トルイル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(4−トルイル)、
トリフルオロメタンスルホン酸ビニル、
トリフルオロメタンスルホン酸アリル、
トリフルオロメタンスルホン酸ベンジル、
トリフルオロメタンスルホン酸(フルオロメチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(ジフルオロメチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(トリフルオロメチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(1−フルオロエチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−フルオロエチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2,2,2−トリフルオロエチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロエチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロ−n−プロピル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−フルオロイソプロピル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロ−n−ブチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−フルオロ−tert−ブチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロ−tert−ブチル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−フルオロシクロヘキシル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(3−フルオロシクロヘキシル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(4−フルオロシクロヘキシル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロシクロヘキシル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−フルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(3−フルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(4−フルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2,3−ジフルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2,4−ジフルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(3,5−ジフルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2,4,6−トリフルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロフェニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(1−フルオロビニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−フルオロビニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロビニル)、
トリフルオロメタンスルホン酸(2−フルオロフェニル)メチル、
トリフルオロメタンスルホン酸(3−フルオロフェニル)メチル、
トリフルオロメタンスルホン酸(4−フルオロフェニル)メチル、
トリフルオロメタンスルホン酸(パーフルオロフェニル)メチル、等が挙げられる。
【0110】
エステル部位の水素原子がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸エステル誘導体の具体例としては、
メタンスルホン酸(フルオロメチル)、
メタンスルホン酸(ジフルオロメチル)、
メタンスルホン酸(トリフルオロメチル)、
メタンスルホン酸(1−フルオロエチル)、
メタンスルホン酸(2−フルオロエチル)、
メタンスルホン酸(2,2,2−トリフルオロエチル)、
メタンスルホン酸(パーフルオロエチル)、
メタンスルホン酸(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)、
メタンスルホン酸(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)、
メタンスルホン酸(パーフルオロ−n−プロピル)、
メタンスルホン酸(2−フルオロイソプロピル)、
メタンスルホン酸(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)、
メタンスルホン酸(パーフルオロ−n−ブチル)、
メタンスルホン酸(2−フルオロ−tert−ブチル)、
メタンスルホン酸(パーフルオロ−tert−ブチル)、
エタンスルホン酸(フルオロメチル)、
エタンスルホン酸(ジフルオロメチル)、
エタンスルホン酸(トリフルオロメチル)、
エタンスルホン酸(1−フルオロエチル)、
エタンスルホン酸(2−フルオロエチル)、
エタンスルホン酸(2,2,2−トリフルオロエチル)、
エタンスルホン酸(パーフルオロエチル)、
エタンスルホン酸(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)、
エタンスルホン酸(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)、
エタンスルホン酸(パーフルオロ−n−プロピル)、
エタンスルホン酸(2−フルオロイソプロピル)、
エタンスルホン酸(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)、
エタンスルホン酸(パーフルオロ−n−ブチル)、
エタンスルホン酸(2−フルオロ−tert−ブチル)、
エタンスルホン酸(パーフルオロ−tert−ブチル)、等が挙げられる。
【0111】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する脂肪族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
メタンスルホン酸(2−フルオロシクロヘキシル)、
メタンスルホン酸(3−フルオロシクロヘキシル)、
メタンスルホン酸(4−フルオロシクロヘキシル)、
メタンスルホン酸(パーフルオロシクロヘキシル)、
エタンスルホン酸(2−フルオロシクロヘキシル)、
エタンスルホン酸(3−フルオロシクロヘキシル)、
エタンスルホン酸(4−フルオロシクロヘキシル)、
エタンスルホン酸(パーフルオロシクロヘキシル)、等が挙げられる。
【0112】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基を有する脂肪族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
メタンスルホン酸(2−フルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(3−フルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(4−フルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(2,3−ジフルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(2,4−ジフルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(3,5−ジフルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(2,4,6−トリフルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(パーフルオロフェニル)、
メタンスルホン酸(1−フルオロビニル)、
メタンスルホン酸(2−フルオロビニル)、
メタンスルホン酸(パーフルオロビニル)、
メタンスルホン酸(2−フルオロフェニル)メチル、
メタンスルホン酸(3−フルオロフェニル)メチル、
メタンスルホン酸(4−フルオロフェニル)メチル、
メタンスルホン酸(パーフルオロフェニル)メチル、
エタンスルホン酸(2−フルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(3−フルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(4−フルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(2,3−ジフルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(2,4−ジフルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(3,5−ジフルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(2,4,6−トリフルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(パーフルオロフェニル)、
エタンスルホン酸(1−フルオロビニル)、
エタンスルホン酸(2−フルオロビニル)、
エタンスルホン酸(パーフルオロビニル)、
エタンスルホン酸(2−フルオロフェニル)メチル、
エタンスルホン酸(3−フルオロフェニル)メチル、
エタンスルホン酸(4−フルオロフェニル)メチル、
エタンスルホン酸(パーフルオロフェニル)メチル、等が挙げられる。
【0113】
鎖状飽和炭化水素基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
ベンゼンスルホン酸メチル、
ベンゼンスルホン酸エチル、
ベンゼンスルホン酸n−プロピル、
ベンゼンスルホン酸イソプロピル、
ベンゼンスルホン酸n−ブチル、
ベンゼンスルホン酸イソブチル、
ベンゼンスルホン酸tert−ブチル、
p−トルエンスルホン酸メチル、
p−トルエンスルホン酸エチル、
p−トルエンスルホン酸n−プロピル、
p−トルエンスルホン酸イソプロピル、
p−トルエンスルホン酸n−ブチル、
p−トルエンスルホン酸イソブチル、
p−トルエンスルホン酸tert−ブチル、等が挙げられる。
【0114】
環状飽和炭化水素基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
ベンゼンスルホン酸シクロペンチル、
ベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、
p−トルエンスルホン酸シクロペンチル、
p−トルエンスルホン酸シクロヘキシル、等が挙げられる。
【0115】
不飽和炭化水素基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
ベンゼンスルホン酸フェニル、
ベンゼンスルホン酸(2−トルイル)、
ベンゼンスルホン酸(3−トルイル)、
ベンゼンスルホン酸(4−トルイル)、
ベンゼンスルホン酸ビニル、
ベンゼンスルホン酸アリル、
ベンゼンスルホン酸ベンジル、
p−トルエンスルホン酸フェニル、
p−トルエンスルホン酸(2−トルイル)、
p−トルエンスルホン酸(3−トルイル)、
p−トルエンスルホン酸(4−トルイル)、
p−トルエンスルホン酸ビニル、
p−トルエンスルホン酸アリル、
p−トルエンスルホン酸ベンジル、等が挙げられる。
【0116】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
ベンゼンスルホン酸(フルオロメチル)、
ベンゼンスルホン酸(ジフルオロメチル)、
ベンゼンスルホン酸(トリフルオロメチル)、
ベンゼンスルホン酸(1−フルオロエチル)、
ベンゼンスルホン酸(2−フルオロエチル)、
ベンゼンスルホン酸(2,2,2−トリフルオロエチル)、
ベンゼンスルホン酸(パーフルオロエチル)、
ベンゼンスルホン酸(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)、
ベンゼンスルホン酸(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)、
ベンゼンスルホン酸(パーフルオロ−n−プロピル)、
ベンゼンスルホン酸(2−フルオロイソプロピル)、
ベンゼンスルホン酸(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)、ベンゼンスルホン酸(パーフルオロ−n−ブチル)、
ベンゼンスルホン酸(2−フルオロ−tert−ブチル)、
ベンゼンスルホン酸(パーフルオロ−tert−ブチル)、
p−トルエンスルホン酸(フルオロメチル)、
p−トルエンスルホン酸(ジフルオロメチル)、
p−トルエンスルホン酸(トリフルオロメチル)、
p−トルエンスルホン酸(1−フルオロエチル)、
p−トルエンスルホン酸(2−フルオロエチル)、
p−トルエンスルホン酸(2,2,2−トリフルオロエチル)、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロエチル)、
p−トルエンスルホン酸(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)、
p−トルエンスルホン酸(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロ−n−プロピル)、
p−トルエンスルホン酸(2−フルオロイソプロピル)、
p−トルエンスルホン酸(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロ−n−ブチル)、
p−トルエンスルホン酸(2−フルオロ−tert−ブチル)、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロ−tert−ブチル)、等が挙げられる。
【0117】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、
ベンゼンスルホン酸(2−フルオロシクロヘキシル)、
ベンゼンスルホン酸(3−フルオロシクロヘキシル)、
ベンゼンスルホン酸(4−フルオロシクロヘキシル)、
ベンゼンスルホン酸(パーフルオロシクロヘキシル)、
p−トルエンスルホン酸(2−フルオロシクロヘキシル)、
p−トルエンスルホン酸(3−フルオロシクロヘキシル)、
p−トルエンスルホン酸(4−フルオロシクロヘキシル)、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロシクロヘキシル)、等が挙げられる。
【0118】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物としては、
ベンゼンスルホン酸(2−フルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(3−フルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(4−フルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(2,3−ジフルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(2,4−ジフルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(3,5−ジフルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(2,4,6−トリフルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(パーフルオロフェニル)、
ベンゼンスルホン酸(1−フルオロビニル)、
ベンゼンスルホン酸(2−フルオロビニル)、
ベンゼンスルホン酸(パーフルオロビニル)、
ベンゼンスルホン酸(2−フルオロフェニル)メチル、
ベンゼンスルホン酸(3−フルオロフェニル)メチル、
ベンゼンスルホン酸(4−フルオロフェニル)メチル、
ベンゼンスルホン酸(パーフルオロフェニル)メチル、
p−トルエンスルホン酸(2−フルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(3−フルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(4−フルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(2,3−ジフルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(2,4−ジフルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(3,5−ジフルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(2,4,6−トリフルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロフェニル)、
p−トルエンスルホン酸(1−フルオロビニル)、
p−トルエンスルホン酸(2−フルオロビニル)、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロビニル)、
p−トルエンスルホン酸(2−フルオロフェニル)メチル、
p−トルエンスルホン酸(3−フルオロフェニル)メチル、
p−トルエンスルホン酸(4−フルオロフェニル)メチル、
p−トルエンスルホン酸(パーフルオロフェニル)メチル、等が挙げられる。
【0119】
・式(10)の官能基を有する鎖状化合物:
次に、上記式(10)で表される官能基を有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0120】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジメチルサルフェート、
ジエチルサルフェート、
ジ−n−プロピルサルフェート、
ジイソプロピルサルフェート、
ジ−n−ブチルサルフェート、
ジイソブチルサルフェート、
ジ−tert−ブチルサルフェート、等が挙げられる。
【0121】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジシクロペンチルサルフェート、
ジシクロヘキシルサルフェート、等が挙げられる。
【0122】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジフェニルサルフェート、
ジ(2−トルイル)サルフェート、
ジ(3−トルイル)サルフェート、
ジ(4−トルイル)サルフェート、
ジビニルサルフェート、
ジアリルサルフェート、
ジベンジルサルフェート、等が挙げられる。
【0123】
フッ素原子で置換された鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(フルオロメチル)サルフェート、
ビス(ジフルオロメチル)サルフェート、
ビス(トリフルオロメチル)サルフェート、
ジ(1−フルオロエチル)サルフェート、
ジ(2−フルオロエチル)サルフェート、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)サルフェート、
ビス(パーフルオロエチル)サルフェート、
ビス(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
ビス(パーフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
ジ(2−フルオロイソプロピル)サルフェート、
ビス(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルフェート、
ビス(パーフルオロ−n−ブチル)サルフェート、
ジ(2−フルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
ビス(パーフルオロ−tert−ブチル)サルフェート、等が挙げられる。
【0124】
フッ素原子で置換された環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
ジ(3−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
ジ(4−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
ビス(パーフルオロシクロヘキシル)サルフェート、等が挙げられる。
【0125】
フッ素原子で置換された不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ジ(2−フルオロフェニル)サルフェート、
ジ(3−フルオロフェニル)サルフェート、
ジ(4−フルオロフェニル)サルフェート、
ビス(2,3−ジフルオロフェニル)サルフェート、
ビス(2,4−ジフルオロフェニル)サルフェート、
ビス(3,5−ジフルオロフェニル)サルフェート、
ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルフェート、
ビス(パーフルオロフェニル)サルフェート、
ジ(1−フルオロビニル)サルフェート、
ジ(2−フルオロビニル)サルフェート、
ビス(パーフルオロビニル)サルフェート、
ビス[(2−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
ビス[(3−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
ビス[(4−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
ビス[(パーフルオロフェニル)メチル]サルフェート、等が挙げられる。
【0126】
1及びR2が異なる炭化水素基である化合物の具体例としては、
エチルメチルサルフェート、
メチルプロピルサルフェート、
メチルイソプロピルサルフェート、
メチルn−ブチルサルフェート、
メチルイソブチルサルフェート、
メチルtert−ブチルサルフェート、
メチルシクロペンチルサルフェート、
メチルシクロヘキシルサルフェート、
メチルフェニルサルフェート、
メチル(2−トルイル)サルフェート、
メチル(3−トルイル)サルフェート、
メチル(4−トルイル)サルフェート、
メチルビニルサルフェート、
メチルアリルサルフェート、
メチルベンジルサルフェート、
エチルプロピルサルフェート、
エチルイソプロピルサルフェート、
エチルn−ブチルサルフェート、
エチルイソブチルサルフェート、
エチルtert−ブチルサルフェート、
エチルシクロペンチルサルフェート、
エチルシクロヘキシルサルフェート、
エチルフェニルサルフェート、
エチル(2−トルイル)サルフェート、
エチル(3−トルイル)サルフェート、
エチル(4−トルイル)サルフェート、
エチルビニルサルフェート、
エチルアリルサルフェート、
エチルベンジルサルフェート、
等が挙げられる。
【0127】
1及びR2が異なる炭化水素基であるとともに、その少なくとも一方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
メチル(フルオロメチル)サルフェート、
メチル(ジフルオロメチル)サルフェート、
メチル(トリフルオロメチル)サルフェート、
メチル(1−フルオロエチル)サルフェート、
メチル(2−フルオロエチル)サルフェート、
メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)サルフェート、
メチル(パーフルオロエチル)サルフェート、
メチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
メチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
メチル(パーフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
メチル(2−フルオロイソプロピル)サルフェート、
メチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルフェート、メチル(パーフルオロ−n−ブチル)サルフェート、
メチル(2−フルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
メチル(パーフルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
メチル(2−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
メチル(3−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
メチル(4−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
メチル(パーフルオロシクロヘキシル)サルフェート、
メチル(2−フルオロフェニル)サルフェート、
メチル(3−フルオロフェニル)サルフェート、
メチル(4−フルオロフェニル)サルフェート、
メチル(2,3−ジフルオロフェニル)サルフェート、
メチル(2,4−ジフルオロフェニル)サルフェート、
メチル(3,5−ジフルオロフェニル)サルフェート、
メチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルフェート、
メチル(パーフルオロフェニル)サルフェート、
メチル(1−フルオロビニル)サルフェート、
メチル(2−フルオロビニル)サルフェート、
メチル(パーフルオロビニル)サルフェート、
メチル[(2−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
メチル[(3−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
メチル[(4−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
メチル[(パーフルオロフェニル)メチル]サルフェート、
エチル(フルオロメチル)サルフェート、
エチル(ジフルオロメチル)サルフェート、
エチル(トリフルオロメチル)サルフェート、
エチル(1−フルオロエチル)サルフェート、
エチル(2−フルオロエチル)サルフェート、
エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)サルフェート、
エチル(パーフルオロエチル)サルフェート、
エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
エチル(パーフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
エチル(2−フルオロイソプロピル)サルフェート、
エチル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルフェート、エチル(パーフルオロ−n−ブチル)サルフェート、
エチル(2−フルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
エチル(パーフルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
エチル(2−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
エチル(3−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
エチル(4−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
エチル(パーフルオロシクロヘキシル)サルフェート、
エチル(2−フルオロフェニル)サルフェート、
エチル(3−フルオロフェニル)サルフェート、
エチル(4−フルオロフェニル)サルフェート、
エチル(2,3−ジフルオロフェニル)サルフェート、
エチル(2,4−ジフルオロフェニル)サルフェート、
エチル(3,5−ジフルオロフェニル)サルフェート、
エチル(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルフェート、
エチル(パーフルオロフェニル)サルフェート、
エチル(1−フルオロビニル)サルフェート、
エチル(2−フルオロビニル)サルフェート、
エチル(パーフルオロビニル)サルフェート、
エチル[(2−フルオロフェニル)エチル]サルフェート、
エチル[(3−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
エチル[(4−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
エチル[(パーフルオロフェニル)メチル]サルフェート、
フェニル(フルオロメチル)サルフェート、
フェニル(ジフルオロメチル)サルフェート、
フェニル(トリフルオロメチル)サルフェート、
フェニル(1−フルオロエチル)サルフェート、
フェニル(2−フルオロエチル)サルフェート、
フェニル(2,2,2−トリフルオロエチル)サルフェート、
フェニル(パーフルオロエチル)サルフェート、
フェニル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
フェニル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
フェニル(パーフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
フェニル(2−フルオロイソプロピル)サルフェート、
フェニル(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルフェート、
フェニル(パーフルオロ−n−ブチル)サルフェート、
フェニル(2−フルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
フェニル(パーフルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
フェニル(2−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
フェニル(3−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
フェニル(4−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
フェニル(パーフルオロシクロヘキシル)サルフェート、
フェニル(2−フルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(3−フルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(4−フルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(2,3−ジフルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(2,4−ジフルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(3,5−ジフルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(パーフルオロフェニル)サルフェート、
フェニル(1−フルオロビニル)サルフェート、
フェニル(2−フルオロビニル)サルフェート、
フェニル(パーフルオロビニル)サルフェート、
フェニル[(2−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
フェニル[(3−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
フェニル[(4−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
フェニル[(パーフルオロフェニル)メチル]サルフェート、等が挙げられる。
【0128】
1及びR2が異なる鎖状飽和炭化水素基であるとともに、その双方がフッ素原子で置換されている化合物の具体例としては、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(フルオロメチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(ジフルオロメチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(トリフルオロメチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロエチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロエチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロエチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−プロピル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロイソプロピル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−n−ブチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロ−tert−ブチル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロシクロヘキシル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロシクロヘキシル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(4−フルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,3−ジフルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4−ジフルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,5−ジフルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,4,6−トリフルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロフェニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(1−フルオロビニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(2−フルオロビニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)(パーフルオロビニル)サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(2−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(3−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(4−フルオロフェニル)メチル]サルフェート、
(2,2,2−トリフルオロエチル)[(パーフルオロフェニル)メチル]サルフェート、等が挙げられる。
【0129】
以上例示した、上記一般式(2)で表わされる化合物の中でも、合成及び工業的な入手のしやすさ等の観点から、本発明に係る特定化合物としては、
ジメチルスルフィド、
ジエチルスルフィド、
ジブチルスルフィド、
ジフェニルスルフィド、
ジベンジルスルフィド、
ジアリルスルフィド、
ブチルメチルスルフィド、
ブチルエチルスルフィド、
メチルフェニルスルフィド、
エチルフェニルスルフィド、
ジメチルジスルフィド、
ジエチルジスルフィド、
ジブチルジスルフィド、
ジフェニルジスルフィド、
ジベンジルジスルフィド、
ジアリルジスルフィド、
ブチルメチルジスルフィド、
ブチルエチルジスルフィド、
メチルフェニルジスルフィド、
エチルフェニルジスルフィド、
ジメチルスルホキシド、
ジブチルスルホキシド、
ジフェニルスルホキシド、
ジベンジルスルホキシド、
メチルフェニルスルホキシド、
フェニルビニルスルホキシド、
ジメチルスルホン、
ジエチルスルホン、
ジブチルスルホン、
ジフェニルスルホン、
ジビニルスルホン、
メチルフェニルスルホン、
エチルフェニルスルホン、
アリルフェニルスルホン、
フルオロメチルフェニルスルホン、
フェニルビニルスルホン、
ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、
ジメチルサルファイト、
ジエチルサルファイト、
ジ−n−プロピルサルファイト、
ジプロパルギルサルファイト、
ジフェニルサルファイト、
ビス(2,2,2−トリフルオロメチル)サルファイト、
エチルメチルサルファイト、
1−フルオロエチルメチルサルファイト、
2−フルオロエチルメチルサルファイト、
トリフルオロエチルメチルサルファイト、
メタンスルホン酸メチル、
メタンスルホン酸エチル、
メタンスルホン酸フェニル、
メタンスルホン酸(2,2,2−トリフルオロエチル)、
2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸メチル、
ベンゼンスルホン酸メチル、
ベンゼンスルホン酸エチル、
ベンゼンスルホン酸フェニル、
p−トルエンスルホン酸メチル、
p−トルエンスルホン酸エチル、
p−トルエンスルホン酸フェニル、
ジメチルサルフェート、
ジエチルサルフェート、
ジイソプロピルサルフェート、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)サルフェート、等が好ましい。
【0130】
<I−1−3.一般式(3)で表わされる鎖状化合物>
【化8】
【0131】
上記一般式(3)中、R3は、ハロゲン原子を有していてもよい、炭素数1以上、20以下の炭化水素基を表わす。
Aは、上記式(1)で表される含硫黄官能基を表わす。
zは、2以上、4以下の整数を表わす。
4は、ハロゲン原子を有していてもよい、z個の結合部分を有する炭素数1以上、20以下の炭化水素基を表わす。
なお、z個のR3及びAは、それぞれ互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
【0132】
上記一般式(3)で表される鎖状化合物は、z個(即ち2個以上4個以下)の含硫黄官能基Aを有しているが、これらの含硫黄官能基Aの組み合わせとしては、以下のものが挙げられる。
【0133】
・z=2の場合:
式(4)と式(4)、式(5)と式(5)、式(6)と式(6)、式(7)と式(7)、式(8)と式(8)、式(9)と式(9)、式(10)と式(10)、式(4)と式(5)、式(4)と式(6)、式(4)と式(7)、式(4)と式(8)、式(4)と式(9)、式(4)と式(10)、式(5)と式(6)、式(5)と式(7)、式(5)と式(8)、式(5)と式(9)、式(5)と式(10)、式(6)と式(7)、式(6)と式(8)、式(6)と式(9)、式(6)と式(10)、式(7)と式(8)、式(7)と式(9)、式(7)と式(10)、式(8)と式(9)、式(8)と式(10)、式(9)と式(10)等が挙げられる。
【0134】
・z=3の場合:
式(4)と式(4)と式(4)、式(5)と式(5)と式(5)、式(6)と式(6)と式(6)、式(7)と式(7)と(7)、式(8)と式(8)と式(8)、式(9)と式(9)と式(9)、式(10)と式(10)と式(10)、式(4)と式(4)と式(5)、式(4)と式(4)と(6)、式(4)と式(4)と式(7)、式(4)と式(4)と式(8)、式(4)と式(4)と式(9)、式(4)と式(4)と(10)、式(4)と式(5)と式(5)、式(4)と式(5)と(6)、式(4)と式(5)と式(7)、式(4)と式(5)と式(8)、式(4)と式(5)と式(9)、式(4)と式(5)と(10)、式(4)と式(6)と(6)、式(4)と式(6)と式(7)、式(4)と式(6)と式(8)、式(4)と式(6)と式(9)、式(4)と式(6)と(10)、式(4)と式(7)と式(7)、式(4)と式(7)と式(8)、式(4)と式(7)と式(9)、式(4)と式(7)と(10)、式(4)と式(8)と式(8)、式(4)と式(8)と式(9)、式(4)と式(8)と(10)、式(4)と式(9)と式(9)、式(4)と式(9)と(10)、式(4)と式(10)と(10)、式(5)と式(5)と(6)、式(5)と式(5)と式(7)、式(5)と式(5)と式(8)、式(5)と式(5)と式(9)、式(5)と式(5)と(10)、式(5)と式(6)と(6)、式(5)と式(6)と式(7)、式(5)と式(6)と式(8)、式(5)と式(6)と式(9)、式(5)と式(6)と(10)、式(5)と式(7)と式(7)、式(5)と式(7)と式(8)、式(5)と式(7)と式(9)、式(5)と式(7)と(10)、式(5)と式(8)と式(8)、式(5)と式(8)と式(9)、式(5)と式(8)と(10)、式(5)と式(9)と式(9)、式(5)と式(9)と(10)、式(5)と式(10)と(10)、式(6)と式(6)と式(7)、式(6)と式(6)と式(8)、式(6)と式(6)と式(9)、式(6)と式(6)と(10)、式(6)と式(7)と式(7)、式(6)と式(7)と式(8)、式(6)と式(7)と式(9)、式(6)と式(7)と(10)、式(6)と式(8)と式(8)、式(6)と式(8)と式(9)、式(6)と式(8)と(10)、式(6)と式(9)と式(9)、式(6)と式(9)と(10)、式(6)と式(10)と(10)、式(7)と式(7)と式(8)、式(7)と式(7)と式(9)、式(7)と式(7)と(10)、式(7)と式(8)と式(8)、式(7)と式(8)と式(9)、式(7)と式(8)と(10)、式(7)と式(9)と式(9)、式(7)と式(9)と(10)、式(7)と式(10)と(10)、式(8)と式(8)と式(9)、式(8)と式(8)と(10)、式(8)と式(9)と式(9)、式(8)と式(9)と(10)、式(8)と式(10)と(10)、式(9)と式(9)と(10)、式(9)と式(10)と(10)等が挙げられる。
【0135】
・z=4の場合:
式(4)と式(4)と式(4)と式(4)、式(5)と式(5)と式(5)と式(5)、式(6)と式(6)と式(6)と式(6)、式(7)と式(7)と式(7)と(7)、式(8)と式(8)と式(8)と式(8)、式(9)と式(9)と式(9)と式(9)、式(10)と式(10)と式(10)と式(10)、式(4)と式(4)と式(4)と式(5)、式(4)と式(4)と式(4)と式(6)、式(4)と式(4)と式(4)と式(7)、式(4)と式(4)と式(4)と式(8)、式(4)と式(4)と式(4)と式(9)、式(4)と式(4)と式(4)と式(10)、式(4)と式(4)と式(5)と式(5)、式(4)と式(4)と式(5)と式(6)、式(4)と式(4)と式(5)と式(7)、式(4)と式(4)と式(5)と式(8)、式(4)と式(4)と式(5)と式(9)、式(4)と式(4)と式(5)と式(10)、式(4)と式(4)と式(6)と式(6)、式(4)と式(4)と式(6)と式(7)、式(4)と式(4)と式(6)と式(8)、式(4)と式(4)と式(6)と式(9)、式(4)と式(4)と式(6)と式(10)、式(4)と式(4)と式(7)と式(7)、式(4)と式(4)と式(7)と式(8)、式(4)と式(4)と式(7)と式(9)、式(4)と式(4)と式(7)と式(10)、式(4)と式(4)と式(8)と式(8)、式(4)と式(4)と式(8)と式(9)、式(4)と式(4)と式(8)と式(10)、式(4)と式(4)と式(9)と式(9)、式(4)と式(4)と式(9)と式(10)、式(4)と式(4)と式(10)と式(10)、式(4)と式(5)と式(5)と式(5)、式(4)と式(5)と式(5)と式(6)、式(4)と式(5)と式(5)と式(7)、式(4)と式(5)と式(5)と式(8)、式(4)と式(5)と式(5)と式(9)、式(4)と式(5)と式(5)と式(10)、式(4)と式(5)と式(6)と式(6)、式(4)と式(5)と式(6)と式(7)、式(4)と式(5)と式(6)と式(8)、式(4)と式(5)と式(6)と式(9)、式(4)と式(5)と式(6)と式(10)、式(4)と式(5)と式(7)と式(7)、式(4)と式(5)と式(7)と式(8)、式(4)と式(5)と式(7)と式(9)、式(4)と式(5)と式(7)と式(10)、式(4)と式(5)と式(8)と式(8)、式(4)と式(5)と式(8)と式(9)、式(4)と式(5)と式(8)と式(10)、式(4)と式(5)と式(9)と式(9)、式(4)と式(5)と式(9)と式(10)、式(4)と式(5)と式(10)と式(10)、式(4)と式(6)と式(6)と式(6)、式(4)と式(6)と式(6)と式(7)、式(4)と式(6)と式(6)と式(8)、式(4)と式(6)と式(6)と式(9)、式(4)と式(6)と式(6)と式(10)、式(4)と式(6)と式(7)と式(7)、式(4)と式(6)と式(7)と式(8)、式(4)と式(6)と式(7)と式(9)、式(4)と式(6)と式(7)と式(10)、式(4)と式(6)と式(8)と式(8)、式(4)と式(6)と式(8)と式(9)、式(4)と式(6)と式(8)と式(10)、式(4)と式(6)と式(9)と式(9)、式(4)と式(6)と式(9)と式(10)、式(4)と式(6)と式(10)と式(10)、式(4)と式(7)と式(7)と式(7)、式(4)と式(7)と式(7)と式(8)、式(4)と式(7)と式(7)と式(9)、式(4)と式(7)と式(7)と式(10)、式(4)と式(7)と式(8)と式(8)、式(4)と式(7)と式(8)と式(9)、式(4)と式(7)と式(8)と式(10)、式(4)と式(7)と式(9)と式(9)、式(4)と式(7)と式(9)と式(10)、式(4)と式(7)と式(10)と式(10)、式(4)と式(8)と式(8)と式(8)、式(4)と式(8)と式(8)と式(9)、式(4)と式(8)と式(8)と式(10)、式(4)と式(8)と式(9)と式(9)、式(4)と式(8)と式(9)と式(10)、式(4)と式(8)と式(10)と式(10)、式(4)と式(9)と式(9)と式(9)、式(4)と式(9)と式(9)と式(10)、式(4)と式(9)と式(10)と式(10)、式(4)と式(10)と式(10)と式(10)、式(5)と式(5)と式(5)と式(6)、式(5)と式(5)と式(5)と式(7)、式(5)と式(5)と式(5)と式(8)、式(5)と式(5)と式(5)と式(9)、式(5)と式(5)と式(5)と式(10)、式(5)と式(5)と式(6)と式(6)、式(5)と式(5)と式(6)と式(7)、式(5)と式(5)と式(6)と式(8)、式(5)と式(5)と式(6)と式(9)、式(5)と式(5)と式(6)と式(10)、式(5)と式(5)と式(7)と式(7)、式(5)と式(5)と式(7)と式(8)、式(5)と式(5)と式(7)と式(9)、式(5)と式(5)と式(7)と式(10)、式(5)と式(5)と式(8)と式(8)、式(5)と式(5)と式(8)と式(9)、式(5)と式(5)と式(8)と式(10)、式(5)と式(5)と式(9)と式(9)、式(5)と式(5)と式(9)と式(10)、式(5)と式(5)と式(10)と式(10)、式(5)と式(6)と式(6)と式(6)、式(5)と式(6)と式(6)と式(7)、式(5)と式(6)と式(6)と式(8)、式(5)と式(6)と式(6)と式(9)、式(5)と式(6)と式(6)と式(10)、式(5)と式(6)と式(7)と式(7)、式(5)と式(6)と式(7)と式(8)、式(5)と式(6)と式(7)と式(9)、式(5)と式(6)と式(7)と式(10)、式(5)と式(6)と式(8)と式(8)、式(5)と式(6)と式(8)と式(9)、式(5)と式(6)と式(8)と式(10)、式(5)と式(6)と式(9)と式(9)、式(5)と式(6)と式(9)と式(10)、式(5)と式(6)と式(10)と式(10)、式(5)と式(7)と式(7)と式(7)、式(5)と式(7)と式(7)と式(8)、式(5)と式(7)と式(7)と式(9)、式(5)と式(7)と式(7)と式(10)、式(5)と式(7)と式(8)と式(8)、式(5)と式(7)と式(8)と式(9)、式(5)と式(7)と式(8)と式(10)、式(5)と式(7)と式(9)と式(9)、式(5)と式(7)と式(9)と式(10)、式(5)と式(7)と式(10)と式(10)、式(5)と式(8)と式(8)と式(8)、式(5)と式(8)と式(8)と式(9)、式(5)と式(8)と式(8)と式(10)、式(5)と式(8)と式(9)と式(9)、式(5)と式(8)と式(9)と式(10)、式(5)と式(8)と式(10)と式(10)、式(5)と式(9)と式(9)と式(9)、式(5)と式(9)と式(9)と式(10)、式(5)と式(9)と式(10)と式(10)、式(5)と式(10)と式(10)と式(10)、式(6)と式(6)と式(6)と式(7)、式(6)と式(6)と式(6)と式(8)、式(6)と式(6)と式(6)と式(9)、式(6)と式(6)と式(6)と式(10)、式(6)と式(6)と式(7)と式(7)、式(6)と式(6)と式(7)と式(8)、式(6)と式(6)と式(7)と式(9)、式(6)と式(6)と式(7)と式(10)、式(6)と式(6)と式(8)と式(8)、式(6)と式(6)と式(8)と式(9)、式(6)と式(6)と式(8)と式(10)、式(6)と式(6)と式(9)と式(9)、式(6)と式(6)と式(9)と式(10)、式(6)と式(6)と式(10)と式(10)、式(6)と式(7)と式(7)と式(7)、式(6)と式(7)と式(7)と式(8)、式(6)と式(7)と式(7)と式(9)、式(6)と式(7)と式(7)と式(10)、式(6)と式(7)と式(8)と式(8)、式(6)と式(7)と式(8)と式(9)、式(6)と式(7)と式(8)と式(10)、式(6)と式(7)と式(9)と式(9)、式(6)と式(7)と式(9)と式(10)、式(6)と式(7)と式(10)と式(10)、式(6)と式(8)と式(8)と式(8)、式(6)と式(8)と式(8)と式(9)、式(6)と式(8)と式(8)と式(10)、式(6)と式(8)と式(9)と式(9)、式(6)と式(8)と式(9)と式(10)、式(6)と式(8)と式(10)と式(10)、式(6)と式(9)と式(9)と式(9)、式(6)と式(9)と式(9)と式(10)、式(6)と式(9)と式(10)と式(10)、式(6)と式(10)と式(10)と式(10)、式(7)と式(7)と式(7)と式(8)、式(7)と式(7)と式(7)と式(9)、式(7)と式(7)と式(7)と式(10)、式(7)と式(7)と式(8)と式(8)、式(7)と式(7)と式(8)と式(9)、式(7)と式(7)と式(8)と式(10)、式(7)と式(7)と式(9)と式(9)、式(7)と式(7)と式(9)と式(10)、式(7)と式(7)と式(10)と式(10)、式(7)と式(8)と式(8)と式(8)、式(7)と式(8)と式(8)と式(9)、式(7)と式(8)と式(8)と式(10)、式(7)と式(8)と式(9)と式(9)、式(7)と式(8)と式(9)と式(10)、式(7)と式(8)と式(10)と式(10)、式(7)と式(9)と式(9)と式(9)、式(7)と式(9)と式(9)と式(10)、式(7)と式(9)と式(10)と式(10)、式(7)と式(10)と式(10)と式(10)、式(8)と式(8)と式(8)と式(9)、式(8)と式(8)と式(8)と式(10)、式(8)と式(8)と式(9)と式(9)、式(8)と式(8)と式(9)と式(10)、式(8)と式(8)と式(10)と式(10)、式(8)と式(9)と式(9)と式(9)、式(8)と式(9)と式(9)と式(10)、式(8)と式(9)と式(10)と式(10)、式(8)と式(10)と式(10)と式(10)、式(9)と式(9)と式(9)と式(10)、式(9)と式(9)と式(10)と式(10)、式(9)と式(10)と式(10)と式(10)等が挙げられる。
【0136】
この中でも、式(4)と式(4)の組み合わせ、式(4)と式(6)の組み合わせ、式(7)と式(7)の組み合わせ、式(8)と式(8)の組み合わせ、式(9)と式(9)の組み合わせ、式(9)と式(9)と式(9)の組み合わせが合成及び工業的な入手のしやすさ等の観点から好ましい。
【0137】
上記一般式(3)におけるR3の炭化水素基の種類、炭素数、具体例等の詳細は、上記一般式(2)のR1、R2について上述したものと同様である。また、R3の炭化水素基がハロゲン原子で置換されている場合の詳細も、上記一般式(2)のR1、R2について上述したものと同様である。
【0138】
上記一般式(3)におけるR4は、炭素数20以下の任意の炭化水素からz個(即ち、2個以上、4個以下)の水素原子を取り除いて得られる、z価(即ち、2価以上、4価以下)の炭化水素基である。その炭化水素基の種類は特に制限されない。脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合したものであってもよい。脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和結合(炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合)を含んでいてもよい。また、脂肪族炭化水素基は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状の場合は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。更には、鎖状と環状とが結合したものであってもよい。
【0139】
4の炭化水素基の炭素数は、通常1以上、また、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。R4の炭化水素基の炭素数が多過ぎると、非水電解液に対する溶解性が低下する傾向がある。
【0140】
4として好ましい炭化水素基の具体例を下記に挙げる。
【0141】
2個の連結部位を有するR4の具体例としては、
1,1−二置換メタン、
1,1−二置換エタン、
1,2−二置換エタン、
1,1−二置換プロパン、
1,2−二置換プロパン、
1,3−二置換プロパン、
1,1−二置換ブタン、
1,2−二置換ブタン、
1,3−二置換ブタン、
1,4−二置換ブタン、
2,3−二置換ブタン、
2,2−ジメチル−1,3−二置換プロパン、
1,1−二置換エチレン、
1,2−二置換エチレン、
1,1−二置換プロピレン、
1,2−二置換プロピレン、
1,3−二置換プロピレン、
2,2−二置換プロピレン、
2,3−二置換プロピレン、
3,3−二置換プロピレン、
1,1−二置換−1−ブチレン、
1,2−二置換−1−ブチレン、
1,3−二置換−1−ブチレン、
1,4−二置換−1−ブチレン、
2,3−二置換−1−ブチレン、
2,4−二置換−1−ブチレン、
3,3−二置換−1−ブチレン、
3,4−二置換−1−ブチレン、
4,4−二置換−1−ブチレン、
1,1−二置換−2−ブチレン、
1,2−二置換−2−ブチレン、
1,3−二置換−2−ブチレン、
1,4−二置換−2−ブチレン、
2,3−二置換−2−ブチレン、
1,1−二置換−2−ブチン、
1,4−二置換−2−ブチン、等が挙げられる。
【0142】
3個の連結部位を有するR4の具体例としては、
1,1,1−三置換メタン、
1,1,2−三置換エタン、
1,1,3−三置換プロパン、
1,2,2−三置換プロパン、
1,2,3−三置換プロパン、
1,1,1−三置換ブタン、
1,1,2−三置換ブタン、
1,1,3−三置換ブタン、
1,1,4−三置換ブタン、
1,2,2−三置換ブタン、
1,2,3−三置換ブタン、
1,2,4−三置換ブタン、
1,3,3−三置換ブタン、
2,2,3−三置換ブタン、等が挙げられる。
【0143】
4個の連結部位を有するR4の具体例としては、
1,1,1,1−四置換メタン、
1,1,1,2−四置換エタン、
1,1,2,2−四置換エタン、
1,1,1,2−四置換プロパン、
1,1,1,3−四置換プロパン、
1,1,2,2−四置換プロパン、
1,1,2,3−四置換プロパン、
1,2,2,3−四置換プロパン、
1,1,1,2−四置換ブタン、
1,1,1,3−四置換ブタン、
1,1,1,4−四置換ブタン、
1,1,2,2−四置換ブタン、
1,1,2,3−四置換ブタン、
1,1,2,4−四置換ブタン、
1,1,3,3−四置換ブタン、
1,1,3,4−四置換ブタン、
1,2,2,3−四置換ブタン、
1,2,2,4−四置換ブタン、
1,2,3,4−四置換ブタン、
1,3,3,4−四置換ブタン、
2,2,3,3−四置換ブタン、等が挙げられる。
【0144】
これらの中でも、化学的安定性、工業的入手のしやすさの観点から、
1,2−二置換エタン、
1,2−二置換プロパン、
1,3−二置換プロパン、
1,2−二置換ブタン、
1,3−二置換ブタン、
1,4−二置換ブタン、
2,3−二置換ブタン、
2,2−ジメチル−1,3−二置換プロパン、
1,2−二置換エチレン、
1,4−二置換−2−ブチレン、
1,2,3−三置換プロパン、
1,2,3−三置換ブタン、
1,2,4−三置換ブタン、
1,2,3,4−四置換ブタン、が好ましい。
【0145】
上記一般式(3)におけるR4の炭化水素基は、炭素原子に結合する水素原子の一部又は全てがハロゲン原子によって置換されたものでもよい。
【0146】
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、更にはフッ素原子、塩素原子が、化学的な安定性或いは電気化学的な安定性の観点からより好ましい。
【0147】
4の炭化水素基がハロゲン原子で置換されている場合、ハロゲン原子の数は特に制限されず、炭化水素基の一部の水素原子がハロゲン原子に置き換わっただけでもよく、また、全ての水素原子がハロゲン原子に置き換わってもいてもよい。なお、R4の炭化水素基が複数のハロゲン原子を有する場合、それらのハロゲン原子は互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
【0148】
続いて、上記一般式(3)で表される化合物の具体例を、上記式(1)で表される含硫黄官能基の種類毎に分類して、以下に挙げる。
【0149】
・式(4)の官能基を二つ有する鎖状化合物:
まず、上記式(4)で表される官能基を二つ有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0150】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(メチルチオ)メタン、
ベンズアルデヒドジエチルメルカプタール、
ビス(フェニルチオ)メタン、
1,2−ビス(エチルチオ)エタン、
1−{[2−(プロピルチオ)エチル]チオ}プロパン、
フェニルプロピルサルフェート、
フェニルイソプロピルサルフェート、
フェニルn−ブチルサルフェート、
フェニルイソブチルサルフェート、
フェニルtert−ブチルサルフェート、
フェニルシクロペンチルサルフェート、
フェニルシクロヘキシルサルフェート、
フェニル(2−トルイル)サルフェート、
フェニル(3−トルイル)サルフェート、
フェニル(4−トルイル)サルフェート、
フェニルビニルサルフェート、
フェニルアリルサルフェート、
フェニルベンジルサルフェート、等が挙げられる。
【0151】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(シクロペンチルチオ)メタン、
ビス(シクロヘキシルチオ)メタン、
1,2−ビス(シクロヘキシルチオ)エタン、等が挙げられる。
【0152】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
{[2−(フェニルチオ)エチル]チオ}ベンゼン、等が挙げられる。
【0153】
フッ素原子を有する炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)メタン、
ビス(2−フルオロフェニルチオ)メタン、
ビス(3−フルオロフェニルチオ)メタン、
ビス(4−フルオロフェニルチオ)メタン、等が挙げられる。
【0154】
・式(4)の官能基と式(6)の官能基とを有する鎖状化合物:
次に、上記式(4)で表される官能基と上記式(6)で表される官能基とを有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0155】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
メチル(メチルスルフィニルメチル)スルフィド、
エチル(エチルスルフィニルメチル)スルフィド、等が挙げられる。
【0156】
・式(7)の官能基を二つ有する鎖状化合物:
次に、上記式(7)で表される官能基を二つ有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0157】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
1,4−ビス(メチルスルホニル)ブタン、
1,4−ビス(エチルスルホニル)ブタン、
1,4−ビス(tert−ブチルスルホニル)ブタン、等が挙げられる。
【0158】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
1,4−ビス(シクロペンチルスルホニル)ブタン、
1,4−ビス(シクロヘキシルスルホニル)ブタン、
1,4−ビス(2−フルオロシクロヘキシルスルホニル)ブタン、等が挙げられる。
【0159】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
1,2−ビス(フェニルスルホニル)エタン、
1−{[4−(ビニルスルホニル)ブチル]スルホニル}エチレン、等が挙げられる。
【0160】
・式(8)の官能基を二つ有する鎖状化合物:
次に、上記式(8)で表される官能基を二つ有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0161】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
1,2−ビス(メトキシスルフィニルオキシ)エタン、
1,2−ビス(エトキシスルフィニルオキシ)エタン、
(メトキシスルフィニルオキシエチル)エチルサルファイト、
1,2−ビス(シクロヘキシルオキシスルフィニルオキシ)エタン、
1,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシスルフィニルオキシ)エタン、等が挙げられる。
【0162】
・式(9)の官能基を二つ有する鎖状化合物:
次に、上記式(9)で表される官能基を二つ有する鎖状化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0163】
鎖状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
1,2−エタンジスルホン酸ジメチル、
1,2−エタンジスルホン酸ジエチル、
1,2−エタンジスルホン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、
1,3−プロパンジスルホン酸ジメチル、
1,3−プロパンジスルホン酸ジエチル、
1,3−プロパンジスルホン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、
1,3−パーフルオロプロパンジスルホン酸ジメチル、
1,3−パーフルオロプロパンジスルホン酸ジエチル、
1,3−パーフルオロプロパンジスルホン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、ブスルファン、
1,4−ブタンジスルホン酸ジメチル
1,4−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ブタン、
1,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルオキシ)ブタン、
等が挙げられる。
【0164】
環状飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
1,2−ビス(メトキシスルホニル)シクロヘキサン、
1,3−ビス(メトキシスルホニル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(メトキシスルホニル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシスルホニル)シクロヘキサン、
シクロヘキサン−1,2−ジスルホン酸ジメチル、
シクロヘキサン−1,2−ジスルホン酸ジエチル、
シクロヘキサン−1,2−ジスルホン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、
シクロヘキサン−1,3−ジスルホン酸ジメチル、
シクロヘキサン−1,4−ジスルホン酸ジメチル、等が挙げられる。
【0165】
不飽和炭化水素基を有する化合物の具体例としては、
1,2−エタンジスルホン酸ジフェニル、
1,3−プロパンジオールジ−p−トシレート、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ−p−トシレート、
1,2−ベンゼンジスルホン酸ジメチル、
1,2−ベンゼンジスルホン酸ジエチル、
1,2−ベンゼンジスルホン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、
1,3−ベンゼンジスルホン酸ジメチル、
1,4−ベンゼンジスルホン酸ジメチル、等が挙げられる。
【0166】
・式(9)の官能基を三つ有する鎖状化合物:
最後に、上記式(9)で表される官能基を三つ有する鎖状化合物としては、
1,2,4−トリス(メタンスルホニルオキシ)ブタン、
1,2,4−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ブタン、
1,2,4−トリス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルオキシ)ブタン、
等が挙げられる。
【0167】
以上例示した、上記一般式(2)で表わされる化合物の中でも、入手のしやすさ、化学的な安定性等の観点から、本発明に係る特定化合物としては、
ビス(メチルチオ)メタン、
ビス(フェニルチオ)メタン、
ブスルファン、
1,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルオキシ)ブタン、
1,2,4−トリス(メタンスルホニルオキシ)ブタン、等が好ましい。
【0168】
<I−1−4.その他>
なお、特定化合物の分子量に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常60以上、好ましくは90以上である。また、上限に特に制限は無いが、粘性が上昇する傾向があることから、通常600以下、好ましくは400以下が実用的である。
【0169】
また、特定化合物の製造方法にも特に制限は無く、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。
【0170】
以上説明した特定化合物は、本発明の非水系電解液中に、何れか1種を単独で含有させてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有させてもよい。
【0171】
また、本発明の非水系電解液に対する特定化合物の配合量に特に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の非水系電解液に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下の濃度で含有させることが望ましい。この範囲の下限を下回ると、本発明の非水系電解液を非水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現し難くなる場合がある。一方、この範囲の上限を上回ると、非水系電解液内での反応性が上昇し、上記の非水系電解液二次電池の電池特性が低下する場合がある。
【0172】
〔I−2.特定カーボネート〕
本発明に係る特定カーボネートは、不飽和結合及びハロゲン原子のうち少なくとも一方を有するカーボネートである。即ち、本発明に係る特定カーボネートは、不飽和結合のみを有していてもよく、ハロゲン原子のみを有していてもよく、不飽和結合及びハロゲン原子の双方を有していてもよい。
【0173】
不飽和結合を有するカーボネート(これを適宜「不飽和カーボネート」と略称する。)としては、炭素−炭素二重結合や炭素−炭素三重結合等の炭素−炭素不飽和結合を有するカーボネートであればその他に制限は無く、任意の不飽和カーボネートを用いることができる。なお、芳香環を有するカーボネートも、不飽和結合を有するカーボネートに含まれるものとする。
【0174】
不飽和カーボネートの例としては、ビニレンカーボネート誘導体類、芳香環又は炭素−炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導体類、フェニルカーボネート類、ビニルカーボネート類、アリルカーボネート類等が挙げられる。
【0175】
ビニレンカーボネート誘導体類の具体例としては、
ビニレンカーボネート、
メチルビニレンカーボネート、
4,5−ジメチルビニレンカーボネート、
フェニルビニレンカーボネート、
4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、
カテコールカーボネート、等が挙げられる。
【0176】
芳香環又は炭素−炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導体類の具体例としては、
ビニルエチレンカーボネート、
4,5−ジビニルエチレンカーボネート、
フェニルエチレンカーボネート、
4,5−ジフェニルエチレンカーボネート、等が挙げられる。
【0177】
フェニルカーボネート類の具体例としては、
ジフェニルカーボネート、
エチルフェニルカーボネート、
メチルフェニルカーボネート、
t−ブチルフェニルカーボネート、等が挙げられる。
【0178】
ビニルカーボネート類の具体例としては、
ジビニルカーボネート、
メチルビニルカーボネート、等が挙げられる。
【0179】
アリルカーボネート類の具体例としては、
ジアリルカーボネート、
アリルメチルカーボネート、等が挙げられる。
【0180】
これらの不飽和カーボネートの中でも、特定カーボネートとしては、ビニレンカーボネート誘導体類、芳香環又は炭素−炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導体類が好ましく、特に、ビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートは、安定な界面保護被膜を形成するので、より好適に用いられる。
【0181】
一方、ハロゲン原子を有するカーボネート(これを適宜「ハロゲン化カーボネート」と略称する。)としては、ハロゲン原子を有するものであれば、その他に特に制限は無く、任意のハロゲン化カーボネートを用いることができる。
【0182】
ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。この中でも、好ましくはフッ素原子又は塩素原子であり、フッ素原子が特に好ましい。また、ハロゲン化カーボネートが有するハロゲン原子の数も、1以上であれば特に制限されないが、通常6以下、好ましくは4以下である。ハロゲン化カーボネートが複数のハロゲン原子を有する場合、それらは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
【0183】
ハロゲン化カーボネートの例としては、エチレンカーボネート誘導体類、ジメチルカーボネート誘導体類、エチルメチルカーボネート誘導体類、ジエチルカーボネート誘導体類等が挙げられる。
【0184】
エチレンカーボネート誘導体類の具体例としては、
フルオロエチレンカーボネート、
クロロエチレンカーボネート、
4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、
4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、
4,4−ジクロロエチレンカーボネート、
4,5−ジクロロエチレンカーボネート、
4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、
4−クロロ−4−メチルエチレンカーボネート、
4,5−ジフルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、
4,5−ジクロロ−4−メチルエチレンカーボネート、
4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、
4−クロロ−5−メチルエチレンカーボネート、
4,4−ジフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、
4,4−ジクロロ−5−メチルエチレンカーボネート、
4−(フルオロメチル)−エチレンカーボネート、
4−(クロロメチル)−エチレンカーボネート、
4−(ジフルオロメチル)−エチレンカーボネート、
4−(ジクロロメチル)−エチレンカーボネート、
4−(トリフルオロメチル)−エチレンカーボネート、
4−(トリクロロメチル)−エチレンカーボネート、
4−(フルオロメチル)−4−フルオロエチレンカーボネート、
4−(クロロメチル)−4−クロロエチレンカーボネート、
4−(フルオロメチル)−5−フルオロエチレンカーボネート、
4−(クロロメチル)−5−クロロエチレンカーボネート、
4−フルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、
4−クロロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、
4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、
4,5−ジクロロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、
4,4−ジフルオロ−5,5−ジメチルエチレンカーボネート、
4,4−ジクロロ−5,5−ジメチルエチレンカーボネート、等が挙げられる。
【0185】
ジメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、
フルオロメチルメチルカーボネート、
ジフルオロメチルメチルカーボネート、
トリフルオロメチルメチルカーボネート、
ビス(フルオロメチル)カーボネート、
ビス(ジフルオロ)メチルカーボネート、
ビス(トリフルオロ)メチルカーボネート、
クロロメチルメチルカーボネート、
ジクロロメチルメチルカーボネート、
トリクロロメチルメチルカーボネート、
ビス(クロロメチル)カーボネート、
ビス(ジクロロ)メチルカーボネート、
ビス(トリクロロ)メチルカーボネート、等が挙げられる。
【0186】
エチルメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、
2−フルオロエチルメチルカーボネート、
エチルフルオロメチルカーボネート、
2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、
2−フルオロエチルフルオロメチルカーボネート、
エチルジフルオロメチルカーボネート、
2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、
2,2−ジフルオロエチルフルオロメチルカーボネート、
2−フルオロエチルジフルオロメチルカーボネート、
エチルトリフルオロメチルカーボネート、
2−クロロエチルメチルカーボネート、
エチルクロロメチルカーボネート、
2,2−ジクロロエチルメチルカーボネート、
2−クロロエチルクロロメチルカーボネート、
エチルジクロロメチルカーボネート、
2,2,2−トリクロロエチルメチルカーボネート、
2,2−ジクロロエチルクロロメチルカーボネート、
2−クロロエチルジクロロメチルカーボネート、
エチルトリクロロメチルカーボネート、等が挙げられる。
【0187】
ジエチルカーボネート誘導体類の具体例としては、
エチル−(2−フルオロエチル)カーボネート、
エチル−(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、
ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、
エチル−(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、
2,2−ジフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、
ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、
2,2,2−トリフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、
2,2,2−トリフルオロエチル−2’,2’−ジフルオロエチルカーボネート、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、
エチル−(2−クロロエチル)カーボネート、
エチル−(2,2−ジクロロエチル)カーボネート、
ビス(2−クロロエチル)カーボネート、
エチル−(2,2,2−トリクロロエチル)カーボネート、
2,2−ジクロロエチル−2’−クロロエチルカーボネート、
ビス(2,2−ジクロロエチル)カーボネート、
2,2,2−トリクロロエチル−2’−クロロエチルカーボネート、
2,2,2−トリクロロエチル−2’,2’−ジクロロエチルカーボネート、
ビス(2,2,2−トリクロロエチル)カーボネート、等が挙げられる。
【0188】
これらのハロゲン化カーボネートの中でも、フッ素原子を有するカーボネートが好ましく、フッ素原子を有するエチレンカーボネート誘導体類が更に好ましく、特にフルオロエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−エチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートは、界面保護被膜を形成するので、より好適に用いられる。
【0189】
更に、特定カーボネートとしては、不飽和結合とハロゲン原子とを共に有するカーボネート(これを適宜「ハロゲン化不飽和カーボネート」と略称する。)を用いることもできる。ハロゲン化不飽和カーボネートとしては、特に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意のハロゲン化不飽和カーボネートを用いることができる。
【0190】
ハロゲン化不飽和カーボネートの例としては、ビニレンカーボネート誘導体類、芳香環又は炭素−炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導体類、アリルカーボネート類等が挙げられる。
【0191】
ビニレンカーボネート誘導体類の具体例としては、
フルオロビニレンカーボネート、
4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、
4−フルオロ−5−フェニルビニレンカーボネート、
クロロビニレンカーボネート、
4−クロロ−5−メチルビニレンカーボネート、
4−クロロ−5−フェニルビニレンカーボネート、等が挙げられる。
【0192】
芳香環又は炭素−炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導体類の具体例としては、
4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、
4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、
4,4−ジフルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、
4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、
4−クロロ−5−ビニルエチレンカーボネート、
4,4−ジクロロ−5−ビニルエチレンカーボネート、
4,5−ジクロロ−4−ビニルエチレンカーボネート、
4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、
4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、
4−クロロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、
4,5−ジクロロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、
4−フルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、
4−フルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、
4,4−ジフルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、
4,5−ジフルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、
4−クロロ−4−フェニルエチレンカーボネート、
4−クロロ−5−フェニルエチレンカーボネート、
4,4−ジクロロ−5−フェニルエチレンカーボネート、
4,5−ジクロロ−4−フェニルエチレンカーボネート、
4,5−ジフルオロ−4,5−ジフェニルエチレンカーボネート、
4,5−ジクロロ−4,5−ジフェニルエチレンカーボネート、等が挙げられる。
【0193】
フェニルカーボネート類の具体例としては、
フルオロメチルフェニルカーボネート、
2−フルオロエチルフェニルカーボネート、
2,2−ジフルオロエチルフェニルカーボネート、
2,2,2−トリフルオロエチルフェニルカーボネート、
クロロメチルフェニルカーボネート、
2−クロロエチルフェニルカーボネート、
2,2−ジクロロエチルフェニルカーボネート、
2,2,2−トリクロロエチルフェニルカーボネート、等が挙げられる。
【0194】
ビニルカーボネート類の具体例としては、
フルオロメチルビニルカーボネート、
2−フルオロエチルビニルカーボネート、
2,2−ジフルオロエチルビニルカーボネート、
2,2,2−トリフルオロエチルビニルカーボネート、
クロロメチルビニルカーボネート、
2−クロロエチルビニルカーボネート、
2,2−ジクロロエチルビニルカーボネート、
2,2,2−トリクロロエチルビニルカーボネート、等が挙げられる。
【0195】
アリルカーボネート類の具体例としては、
フルオロメチルアリルカーボネート、
2−フルオロエチルアリルカーボネート、
2,2−ジフルオロエチルアリルカーボネート、
2,2,2−トリフルオロエチルアリルカーボネート、
クロロメチルアリルカーボネート、
2−クロロエチルアリルカーボネート、
2,2−ジクロロエチルアリルカーボネート、
2,2,2−トリクロロエチルアリルカーボネート、等が挙げられる。
【0196】
上述したハロゲン化不飽和カーボネートの例の中でも、特定カーボネートとしては、単独で用いた場合に効果が高いビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート及び4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、並びにこれらの誘導体よりなる群から選ばれる1種以上のものを用いることが特に好ましい。
【0197】
なお、特定カーボネートの分子量に特に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常50以上、好ましくは80以上、また、通常250以下、好ましくは150以下である。分子量が大き過ぎると、非水系電解液に対する特定カーボネートの溶解性が低下し、本発明の効果を十分に発現し難くなる場合がある。
【0198】
また、特定カーボネートの製造方法にも特に制限は無く、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。
【0199】
以上説明した特定カーボネートについても、本発明の非水系電解液中に、何れか1種を単独で含有させてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有させてもよい。
【0200】
また、本発明の非水系電解液に対する特定カーボネートの配合量に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の非水系電解液に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下の濃度で含有させることが望ましい。この範囲の下限を下回ると、本発明の非水系電解液を非水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現し難くなる場合があり、また、特定カーボネートの比率が大き過ぎると、本発明の非水系電解液を非水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水系電解液二次電池の高温保存特性及びトリクル充電特性が低下する傾向があり、特に、ガス発生量が多くなり、放電容量維持率が低下する場合がある。
【0201】
〔I−3.特定化合物と特定カーボネートとの比率〕
本発明の非水系電解液において、特定化合物と特定カーボネートとの比率も任意であるが、「特定化合物の重量/特定カーボネートの重量」で表わされる両者の相対重量比が、通常0.0001以上、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上、また、通常1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは10以下の範囲であることが望ましい。上記相対重量比が低過ぎても高過ぎても、相乗効果が得られ難くなる場合がある。
【0202】
上記の特定化合物と特定カーボネートとを非水系電解液に含有させると、その非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上させることが可能となる。この理由の詳細は明らかではないが、次のように推定される。即ち、非水系電解液中に含まれる特定化合物と特定カーボネートとがともに反応することによって、負極活物質の表面に良好な保護被膜層を形成し、これにより副反応が抑えられ、サイクル劣化が抑制されるものと推察される。詳細は不明であるが、特定化合物と特定カーボネートとが同時に電解液中に存在することで、何らかの形で保護被膜の特性を向上させることに寄与しているものと推察される。
【0203】
〔I−4.非水溶媒〕
本発明の非水系電解液が含有する非水溶媒としては、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、任意のものを用いることができる。なお、非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0204】
通常使用される非水溶媒の例としては、
環状カーボネート、
鎖状カーボネート、
鎖状及び環状カルボン酸エステル、
鎖状及び環状エーテル類、
含リン有機溶媒、
含硫黄有機溶媒、などが挙げられる。
【0205】
環状カーボネートの種類に特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、前述の特定カーボネートに該当するカーボネート以外では、
エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネート、等が挙げられる。
【0206】
これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが、誘電率が高いため溶質が溶解し易く、非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良いという点で好ましい。従って、本発明の非水系電解液は、非水溶媒として、前述の特定カーボネートに該当するカーボネートの他に、エチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートを含むことが好ましい。
【0207】
また、鎖状カーボネートの種類にも特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、前述の特定カーボネートに該当するカーボネート以外では、
ジメチルカーボネート、
エチルメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、
メチル−n−プロピルカーボネート、
エチル−n−プロピルカーボネート、
ジ−n−プロピルカーボネート、等が挙げられる。
【0208】
従って、本発明の非水系電解液は、非水溶媒として、前述の特定カーボネートに該当するカーボネートの他に、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの中でも、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネートが好ましく、特にジエチルカーボネートが非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良い点で好ましい。
【0209】
更に、鎖状カルボン酸エステルの種類にも特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、
酢酸メチル、
酢酸エチル、
酢酸−n−プロピル、
酢酸−i−プロピル、
酢酸−n−ブチル、
酢酸−i−ブチル、
酢酸−t−ブチル、
プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル、
プロピオン酸−n−プロピル、
プロピオン酸−i−プロピル、
プロピオン酸−n−ブチル、
プロピオン酸−i−ブチル、
プロピオン酸−t−ブチル、等が挙げられる。
これらの中でも、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルがより好ましい。
【0210】
また、環状カルボン酸エステルの種類にも特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、
γ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、
δ−バレロラクトン、等が挙げられる。
これらの中でも、γ−ブチロラクトンがより好ましい。
【0211】
更に、鎖状エーテルの種類にも特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ジメトキシメタン、
ジメトキシエタン、
ジエトキシメタン、
ジエトキシエタン、
エトキシメトキシメタン、
エトキシメトキシエタン、等が挙げられる。
これらの中でも、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンがより好ましい。
【0212】
また、環状エーテルの種類にも特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、等が挙げられる。
【0213】
更に、含リン有機溶媒の種類にも特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、
リン酸トリメチル、
リン酸トリエチル、
リン酸トリフェニル、等のリン酸エステル類;
亜リン酸トリメチル、
亜リン酸トリエチル、
亜リン酸トリフェニル、等の亜リン酸エステル類;
トリメチルホスフィンオキシド、
トリエチルホスフィンオキシド、
トリフェニルホスフィンオキシド、等のホスフィンオキシド類;などが挙げられる。
【0214】
また、含硫黄有機溶媒の種類にも特に制限は無いが、通常使用されるものの例としては、
エチレンサルファイト、
1,3−プロパンスルトン、
1,4−ブタンスルトン、
メタンスルホン酸メチル、
ブスルファン、
スルホラン、
スルホレン、
ジメチルスルホン、
ジフェニルスルホン、
メチルフェニルスルホン、
ジブチルジスルフィド、
ジシクロヘキシルジスルフィド、
テトラメチルチウラムモノスルフイド、
N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、
N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、等が挙げられる。
【0215】
これらの中でも、環状カーボネートであるエチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートを用いることが好ましく、更にこれらと鎖状カーボネートとを併用することが好ましい。
【0216】
このように環状カーボネートと鎖状カーボネートとを非水溶媒として併用する場合、本発明の非水系電解液中の非水溶媒中に占める鎖状カーボネートの好適な含有量は、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、また、通常95重量%以下、好ましくは90重量%以下である。一方、本発明の非水系電解液中の非水溶媒中に占める環状カーボネートの好適な含有量は、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下である。鎖状カーボネートの割合が少な過ぎると、本発明の非水系電解液の粘度が上昇する場合があり、鎖状カーボネートの割合が多過ぎると、電解質であるリチウム塩の解離度が低下して、本発明の非水系電解液の電気伝導率が低下する場合がある。
【0217】
〔I−5.電解質〕
本発明の非水系電解液に用いる電解質に制限は無く、目的とする非水系電解液二次電池に電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に採用することができる。本発明の非水系電解液をリチウム二次電池に用いる場合には、通常は、電解質としてリチウム塩を用いる。
【0218】
電解質の具体例としては、
LiClO4
LiAsF6
LiPF6
Li2CO3
LiBF4、等の無機リチウム塩;
LiCF3SO3
LiN(CF3SO22
LiN(C25SO22
リチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミド、
リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、
LiN(CF3SO2)(C49SO2)、
LiC(CF3SO23
LiPF4(CF32
LiPF4(C252
LiPF4(CF3SO22
LiPF4(C25SO22
LiBF2(CF32
LiBF2(C252
LiBF2(CF3SO22
LiBF2(C25SO22、等の含フッ素有機リチウム塩;
リチウムビス(オキサラト)ボレート、
リチウムトリス(オキサラト)フォスフェート、
リチウムジフルオロオキサラトボレート、等の含ジカルボン酸錯体リチウム塩;
KPF6
NaPF6
NaBF4
NaCF3SO3、等のナトリウム塩又はカリウム塩;などが挙げられる。
【0219】
これらのうち、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミドが好ましく、特にLiPF6、LiBF4が好ましい。
【0220】
また、電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。中でも、特定の無機リチウム塩の2種を併用したり、無機リチウム塩と含フッ素有機リチウム塩とを併用したりすると、トリクル充電時のガス発生が抑制され、若しくは高温保存後の劣化が抑制されるので好ましい。特に、LiPF6とLiBF4との併用や、LiPF6、LiBF4等の無機リチウム塩と、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22等の含フッ素有機リチウム塩とを併用することが好ましい。
【0221】
更に、LiPF6とLiBF4とを併用する場合、電解質全体に対してLiBF4が通常0.01重量%以上、20重量%以下の比率で含有されていることが好ましい。LiBF4は解離度が低く、比率が高過ぎると電解液の抵抗を高くする場合がある。
【0222】
一方、LiPF6、LiBF4等の無機リチウム塩と、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22等の含フッ素有機リチウム塩とを併用する場合、電解質全体に占める無機リチウム塩の割合は、通常70重量%以上、99重量%以下の範囲であることが望ましい。一般に含フッ素有機リチウム塩は無機リチウム塩と比較して分子量が大きく、比率が高過ぎると電解液全体に占める溶媒の比率が低下し電解液の抵抗を高くする場合がある。
【0223】
また、本発明の非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、本発明の効果を著しく行なわない限り任意であるが、通常0.5mol・dm-3以上、好ましくは0.6mol・dm-3以上、より好ましくは0.8mol・dm-3以上、また、通常3mol・dm-3以下、好ましくは2mol・dm-3以下、より好ましくは1.5mol・dm-3以下の範囲である。この濃度が低過ぎると、非水系電解液の電気伝導率が不十分となる場合があり、濃度が高過ぎると、粘度上昇のため電気伝導率が低下し、本発明の非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池の性能が低下する場合がある。
【0224】
〔I−6.添加剤〕
本発明の非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、各種の添加剤を含有していることが好ましい。添加剤としては、従来公知のものを任意に用いることができる。なお、添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0225】
添加剤の例としては、過充電防止剤や、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤などが挙げられる。
【0226】
過充電防止剤の具体例としては、
ビフェニル、
アルキルビフェニル、
ターフェニル、
ターフェニルの部分水素化体、
シクロヘキシルベンゼン、
t−ブチルベンゼン、
t−アミルベンゼン、
ジフェニルエーテル、
ジベンゾフラン、等の芳香族化合物;
2−フルオロビフェニル、
o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、
p−シクロヘキシルフルオロベンゼン、等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;
2,4−ジフルオロアニソール、
2,5−ジフルオロアニソール、
2,6−ジフルオロアニオール、等の含フッ素アニソール化合物;などが挙げられる。
【0227】
なお、これらの過充電防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0228】
本発明の非水系電解液が過充電防止剤を含有する場合、その濃度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して通常0.1重量%以上、5重量%以下の範囲とすることが望ましい。非水系電解液に過充電防止剤を含有させることによって、過充電による非水系電解液二次電池の破裂・発火を抑制することができ、非水系電解液二次電池の安全性が向上するので好ましい。
【0229】
一方、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤の具体例としては、
コハク酸、
マレイン酸、
フタル酸、等のジカルボン酸の無水物;
エリスリタンカーボネート、
スピロービスージメチレンカーボネート、等の特定カーボネートに該当するもの以外のカーボネート化合物;
エチレンサルファイト、
1,3−プロパンスルトン、
1,4−ブタンスルトン、
メタンスルホン酸メチル、
ブスルファン、
スルホラン、
スルホレン、
ジメチルスルホン、
ジフェニルスルホン、
メチルフェニルスルホン、
ジブチルジスルフィド、
ジシクロヘキシルジスルフィド、
テトラメチルチウラムモノスルフイド、
N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、
N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、等の含硫黄化合物;
1−メチル−2−ピロリジノン、
1−メチル−2−ピペリドン、
3−メチル−2−オキサゾリジノン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルスクシイミド、等の含窒素化合物;
ヘプタン、
オクタン、
シクロヘプタン、等の炭化水素化合物;
フルオロベンゼン、
ジフルオロベンゼン、
ベンゾトリフルオライド、等の含フッ素芳香族化合物など;が挙げられる。
【0230】
なお、これらの助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0231】
本発明の非水系電解液が助剤を含有する場合、その濃度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して通常0.1重量%以上、5重量%以下の範囲とすることが好ましい。
【0232】
[II.非水系電解液二次電池]
本発明のリチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備え、負極がSi原子、Sn原子及びPb原子よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含有するとともに、非水系電解液が上述の本発明の非水系電解液であることを特徴とするものである。
【0233】
〔II−1.電池構成〕
本発明の非水系電解液二次電池は、負極及び非水系電解液以外の構成については、従来公知の非水系電解液二次電池と同様であり、通常は、本発明の非水系電解液が含浸されている多孔膜(セパレータ)を介して正極と負極とが積層され、これらがケース(外装体)に収納された形態を有する。従って、本発明の非水系電解液二次電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等の何れであってもよい。
【0234】
〔II−2.非水系電解液〕
非水系電解液としては、上述の本発明の非水系電解液を用いる。なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本発明の非水系電解液に対し、その他の非水系電解液を混合して用いることも可能である。
【0235】
〔II−3.負極〕
本発明の非水系電解液二次電池における負極は、Si(ケイ素)原子、Sn(スズ)原子及びPb(鉛)原子(これらを以下「特定金属元素」という場合がある。)よりなる群から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質を含有する。
【0236】
特定金属元素から選ばれる少なくとも一種の原子を有する負極活物質の例としては、何れか一種の特定金属元素の金属単体、二種以上の特定金属元素からなる合金、一種又は二種以上の特定金属元素とその他の一種又は二種以上の金属元素とからなる合金、並びに、一種又は二種以上の特定金属元素を含有する化合物が挙げられる。負極活物質としてこれらの金属単体、合金又は金属化合物を用いることで、電池の高容量化が可能である。
【0237】
一種又は二種以上の特定金属元素を含有する化合物の例としては、一種又は二種以上の特定金属元素を含有する炭化物、酸化物、窒化物、硫化物、燐化物等の複合化合物が挙げられる。
また、これらの複合化合物が、金属単体、合金、又は非金属元素等の数種の元素と複雑に結合した化合物も例として挙げることができる。より具体的には、例えばSiやSnでは、これらの元素と負極として動作しない金属との合金を用いることができる。また例えばSnでは、SnとSi、Sn、Pb以外で負極として作用する金属と、さらに負極として動作しない金属と、非金属元素との組み合わせで5〜6種の元素を含むような複雑な化合物も用いることができる。
【0238】
これらの負極活物質の中でも、電池にしたときに単位重量当りの容量が大きいことから、何れか一種の特定金属元素の金属単体、二種以上の特定金属元素の合金、特定金属元素の酸化物や炭化物、窒化物等が好ましく、特に、Si及び/又はSnの金属単体、合金、酸化物や炭化物、窒化物等が、単位重量当りの容量及び環境負荷の観点から好ましい。
【0239】
また、金属単体又は合金を用いるよりは単位重量当りの容量には劣るものの、サイクル特性に優れることから、Si及び/又はSnを含有する以下の化合物も好ましい。
・Si及び/又はSnと酸素との元素比が通常0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.3、更に好ましくは0.9〜1.1の、Si及び/又はSnの酸化物。
・Si及び/又はSnと窒素との元素比が通常0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.3、更に好ましくは0.9〜1.1の、Si及び/又はSnの窒化物。
・Si及び/又はSnと炭素との元素比が通常0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.3、更に好ましくは0.9〜1.1の、Si及び/又はSnの炭化物。
【0240】
なお、上述の負極活物質は、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0241】
本発明の非水系電解液二次電池における負極は、常法に従って製造することが可能である。具体的に、負極の製造方法としては、例えば、上述の負極活物質に結着剤や導電材等を加えたものをそのままロール成型してシート電極とする方法や、圧縮成形してペレット電極とする方法も挙げられるが、通常は負極用の集電体(以下「負極集電体」という場合がある。)上に塗布法、蒸着法、スパッタ法、メッキ法等の手法により、上述の負極活物質を含有する薄膜層(負極活物質層)を形成する方法が用いられる。この場合、上述の負極活物質に結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、これを負極集電体に塗布、乾燥した後にプレスして高密度化することにより、負極集電体上に負極活物質層を形成する。
【0242】
負極集電体の材質としては、鋼、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス等が挙げられる。これらのうち、薄膜に加工し易いという点及びコストの点から、銅箔が好ましい。
【0243】
負極集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。負極集電体の厚さが厚過ぎると、電池全体の容量が低下し過ぎることがあり、逆に薄過ぎると取り扱いが困難になることがある。
【0244】
なお、表面に形成される負極活物質層との結着効果を向上させるため、これら負極集電体の表面は、予め粗面化処理しておくことが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理、粗面ロールによる圧延、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法等が挙げられる。
【0245】
また、負極集電体の重量を低減させて電池の重量当たりのエネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの負極集電体を使用することもできる。このタイプの負極集電体は、その開口率を変更することで、重量も自在に変更可能である。また、このタイプの負極集電体の両面に負極活物質層を形成させた場合、この穴を通してのリベット効果により、負極活物質層の剥離が更に起こり難くなる。しかし、開口率があまりに高くなった場合には、負極活物質層と負極集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。
【0246】
負極活物質層を形成するためのスラリーは、通常は負極材に対して結着剤、増粘剤等を加えて作製される。なお、本明細書における「負極材」とは、負極活物質と導電材とを合わせた材料を指すものとする。
【0247】
負極材中における負極活物質の含有量は、通常70重量%以上、特に75重量%以上、また、通常97重量%以下、特に95重量%以下であることが好ましい。負極活物質の含有量が少な過ぎると、得られる負極を用いた二次電池の容量が不足する傾向があり、多過ぎると相対的に結着剤等の含有量が不足することにより、得られる負極の強度が不足する傾向にある。なお、二以上の負極活物質を併用する場合には、負極活物質の合計量が上記範囲を満たすようにすればよい。
【0248】
負極に用いられる導電材としては、銅やニッケル等の金属材料;黒鉛、カーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。特に、導電材として炭素材料を用いると、炭素材料が活物質としても作用するため好ましい。負極材中における導電材の含有量は、通常3重量%以上、特に5重量%以上、また、通常30重量%以下、特に25重量%以下であることが好ましい。導電材の含有量が少な過ぎると導電性が不足する傾向があり、多過ぎると相対的に負極活物質等の含有量が不足することにより、電池容量や強度が低下する傾向となる。なお、二以上の導電材を併用する場合には、導電材の合計量が上記範囲を満たすようにすればよい。
【0249】
負極に用いられる結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安全な材料であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン・ブタジエンゴム・イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。結着剤の含有量は、負極材100重量部に対して通常0.5重量部以上、特に1重量部以上、また、通常10重量部以下、特に8重量部以下であることが好ましい。結着剤の含有量が少な過ぎると得られる負極の強度が不足する傾向があり、多過ぎると相対的に負極活物質等の含有量が不足することにより、電池容量や導電性が不足する傾向となる。なお、二以上の結着剤を併用する場合には、結着剤の合計量が上記範囲を満たすようにすればよい。
【0250】
負極に用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。増粘剤は必要に応じて使用すればよいが、使用する場合には、負極活物質層中における増粘剤の含有量が通常0.5重量%以上、5重量%以下の範囲で用いることが好ましい。
【0251】
負極活物質層を形成するためのスラリーは、上記負極活物質に、必要に応じて導電剤や結着剤、増粘剤を混合して、水系溶媒又は有機溶媒を分散媒として用いて調製される。水系溶媒としては、通常、水が用いられるが、これにエタノール等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の環状アミド類などの有機溶媒を、水に対して30重量%以下の範囲で併用することもできる。また、有機溶媒としては、通常、N−メチルピロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド類、アニソール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類が挙げられ、中でも、N−メチルピロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド類等が好ましい。なお、これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0252】
得られたスラリーを上述の負極集電体上に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより、負極活物質層が形成される。塗布の手法は特に制限されず、それ自体既知の方法を用いることができる。乾燥の手法も特に制限されず、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の公知の手法を用いることができる。
【0253】
上記手法により負極活物質を電極化した際の電極構造は特には限定されないが、集電体上に存在している活物質の密度は、好ましくは1g・cm-3以上、より好ましくは1.2g・cm-3以上、更に好ましくは1.3g・cm-3以上であり、上限として2g・cm-3以下、好ましくは1.9g・cm-3以下、より好ましくは1.8g・cm-3以下、更に好ましくは1.7g・cm-3以下の範囲である。この範囲を上回ると活物質粒子が破壊され、初期不可逆容量の増加や、集電体/活物質界面付近への非水系電解液の浸透性低下による高電流密度充放電特性悪化を招く場合がある。また下回ると活物質間の導電性が低下し、電池抵抗が増大し、単位容積当たりの容量が低下する場合がある。
【0254】
〔II−4.正極〕
本発明の非水系電解液二次電池における正極は、通常の非水系電解液二次電池と同様、正極活物質を含有してなる。
【0255】
正極活物質としては、遷移金属の酸化物、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物)、遷移金属の硫化物、金属酸化物等の無機化合物、リチウム金属、リチウム合金若しくはそれらの複合体が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物;LiCoO2又は基本組成がLiCoO2であるリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2又は基本組成がLiNiO2であるリチウムニッケル複合酸化物、LiMn24若しくはLiMnO2又は基本組成がLiMn24若しくはLiMnO2であるリチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物;TiS、FeS等の遷移金属硫化物;SnO2、SiO2等の金属酸化物が挙げられる。中でも、リチウム遷移金属複合酸化物、具体的には、特にLiCoO2又は基本組成がLiCoO2であるリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2又は基本組成がLiNiO2であるリチウムニッケル複合酸化物、LiMn24若しくはLiMnO2又は基本組成がLiMn24若しくはLiMnO2であるリチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物は、高容量と高サイクル特性とを両立させ得るので好適に用いられる。また、リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト、ニッケル又はマンガンの一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等の他の金属で置換することにより、その構造を安定化させることができるので好ましい。これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0256】
本発明の非水系電解液二次電池における正極は、常法に従って製造することが可能である。具体的に、正極の製造方法としては、例えば、上述の正極活物質に結着剤や導電材等を加えたものをそのままロール成型してシート電極とする方法、圧縮成形してペレット電極とする方法、正極用の集電体(以下「正極集電体」という場合がある。)上に活物質を塗布して正極活物質層を形成する方法(塗布法)、正極集電体上に蒸着法、スパッタ法、メッキ法等の手法により、上述の正極活物質を含有する薄膜層(正極活物質層)を形成する方法等が挙げられるが、通常は、塗布法を用いて正極活物質層を形成する。
【0257】
塗布法を用いる場合、上述の正極活物質に結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、これを正極集電体に塗布、乾燥した後にプレスして高密度化することにより、正極集電体上に正極活物質層を形成する。
【0258】
正極集電体の材質としては、アルミニウム、チタン及びタンタル、並びにこれらのうち一種又は二種以上を含む合金等が挙げられる。中でも、アルミニウム及びその合金が好ましい。
【0259】
正極集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。正極集電体の厚さが厚過ぎると、電池全体の容量が低下し過ぎることになり、逆に薄過ぎると、取り扱いが困難になることがある。
【0260】
なお、表面に形成される正極活物質層との結着効果を向上させるため、これら正極集電体の表面は、予め粗面化処理しておくことが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理、粗面ロールによる圧延、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法等が挙げられる。
【0261】
また、正極集電体の重量を低減させて電池の重量当たりのエネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの正極集電体を使用することもできる。このタイプの正極集電体は、その開口率を変更することで、重量も自在に変更可能である。また、このタイプの正極集電体の両面に正極活物質層を形成させた場合、この穴を通してのリベット効果により、正極活物質層の剥離が更に起こり難くなる。しかし、開口率があまりに高くなった場合には、正極活物質層と正極集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。
【0262】
正極活物質層には、通常、導電性を高めるために導電材を含有させる。導電材の種類に特に制限はないが、具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料や、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料などを挙げることができる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0263】
正極活物質層中の導電材の割合は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、また、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。導電材の割合が低過ぎると導電性が不十分になることがあり、逆に高過ぎると電池容量が低下することがある。
【0264】
正極活物質層の製造に用いる結着剤としては、特に限定されず、塗布法の場合は、電極製造時に用いる液体媒体に対して安定な材料であれば良い。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレンスチレンブロック共重合体及びその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0265】
正極活物質層中の結着剤の割合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。結着剤の割合が低過ぎると、正極活物質を十分保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう場合があり、高過ぎると、電池容量や導電性の低下につながる場合がある。
【0266】
スラリーを形成するための液体媒体としては、正極活物質、導電剤、結着剤、並びに必要に応じて使用される増粘剤を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いてもよい。
【0267】
水系媒体としては、例えば、水、アルコールと水との混合媒等が挙げられる。有機系媒体としては、例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類;キノリン、ピリジン等の複素環化合物;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、アクリル酸メチル等のエステル類;ジエチレントリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン類;ジエチルエーテル、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。
【0268】
特に水系媒体を用いる場合、増粘剤と、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のラテックスを用いてスラリー化するのが好ましい。増粘剤は、通常、スラリーの粘度を調製するために使用される。増粘剤としては、特に制限はないが、具体的には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン及びこれらの塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。更に増粘剤を添加する場合には、活物質に対する増粘剤の割合は、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上であり、また、上限としては5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下の範囲である。この範囲を下回ると、著しく塗布性が低下する場合がある。上回ると、正極活物質層に占める活物質の割合が低下し、電池の容量が低下する課題や正極活物質間の抵抗が増大する課題が生じる場合がある。
【0269】
スラリーの粘度は、集電体上に塗布が可能な粘度であれば特に制限されず、塗布が可能な粘度となるように、スラリーの調製時に溶媒の使用量等を変えて適宜調整すればよい。
【0270】
得られたスラリーを上述の正極集電体上に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより、負極活物質層が形成される。塗布の手法は特に制限されず、それ自体既知の方法を用いることができる。乾燥の手法も特に制限されずないが、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の公知の手法を用いることができる。
【0271】
塗布、乾燥によって得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるために、ハンドプレス、ローラープレス等により圧密化することが好ましい。
【0272】
正極活物質層の密度は、好ましくは1.5g・cm-3以上、より好ましくは2g・cm-3以上、更に好ましくは2.2g・cm-3以上であり、また上限は、好ましくは3.5g・cm-3以下、より好ましくは3g・cm-3以下、更に好ましくは2.8g・cm-3以下の範囲である。この範囲を上回ると集電体/活物質界面付近への非水系電解液の浸透性が低下し、特に高電流密度での充放電特性が低下する場合がある。また下回ると活物質間の導電性が低下し、電池抵抗が増大する場合がある。
【0273】
〔II−5.セパレータ〕
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、本発明の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
【0274】
セパレータの材料や形状については特に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。中でも、本発明の非水系電解液に対し安定な材料で形成された、保液性に優れた多孔性シート又は不織布等を用いるのが好ましい。
【0275】
セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ガラスフィルター等を用いることができる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフィンであり、更に好ましくはポリオレフィンである。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0276】
セパレータの厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。セパレータが薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合があり、厚過ぎるとレート特性等の電池性能が低下する場合があるばかりでなく、非水系電解液二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
【0277】
更に、セパレータとして多孔性シートや不織布等の多孔質のものを用いる場合、セパレータの空孔率は任意であるが、通常20%以上、好ましくは35%以上、より好ましくは45%以上であり、通常90%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは75%以下である。空孔率が小さ過ぎると膜抵抗が大きくなってレート特性が悪化する傾向にある。また、大き過ぎるとセパレータの機械的強度が低下し、絶縁性が低下する傾向にある。
【0278】
また、セパレータの平均孔径も任意であるが、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、通常0.05μm以上である。平均孔径が大き過ぎると短絡が生じ易くなり、小さ過ぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する場合がある。
【0279】
〔II−6.外装体〕
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、上記の非水系電解液、負極、正極、セパレータ等を外装体内に収納して構成される。この外装体に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り公知のものを任意に採用することができる。
【0280】
具体的に、外装体の材質は任意であるが、通常は、例えばニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン等が用いられる。
【0281】
また、外装体の形状も任意であり、例えば円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等の何れであってもよい。
【実施例】
【0282】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0283】
[実施例1〜95及び比較例1〜33]
以下の手順で非水系電解液二次電池を組み立て、その評価を行ない、得られた結果を表1〜15に示した。
【0284】
〔負極の作製〕
〈ケイ素合金負極の作製:実施例1〜95、比較例1〜10〉
負極活物質として、非炭素材料であるケイ素73.2重量部及び銅8.1重量部と、人造黒鉛粉末(ティムカル社製商品名「KS−6」)12.2重量部とを用い、これらにポリフッ化ビニリデン(poly(vinylidene fluoride):以下「PVDF」と略する。)を12重量部含有するN−メチルピロリドン溶液54.2重量部、及び、N−メチルピロリドン50重量部を加え、ディスパーザーで混合してスラリー状とした。得られたスラリーを、負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、一旦自然乾燥した後、最終的には85℃で一昼夜減圧乾燥した。その後、電極密度が1.5g・cm-3程度となるようにプレスし、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて負極(ケイ素合金負極)とした。
【0285】
〈グラファイト負極の作製:比較例11〜33〉
負極活物質として、人造黒鉛粉末(ティムカル社製商品名「KS−6」)100重量部を用い、これにPVDFを12重量部含有するN−メチルピロリドン溶液83.5重量部、及び、N−メチルピロリドン50重量部を加え、ディスパーサーで混合してスラリー状とした。得られたスラリーを、負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、一旦自然乾燥した後、最終的には85℃で一昼夜減圧乾燥した。その後、電極密度が1.5g・cm-3程度となるようにプレスし、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて負極(グラファイト負極)とした。
【0286】
〔正極の作製〕
正極活物質としてLiCoO2(日本化学工業社製「C5」)85重量部を用い、これにカーボンブラック(電気化学工業社製商品名「デンカブラック」)6重量部、ポリフッ化ビニリデンKF−1000(呉羽化学社製商品名「KF−1000」)9重量部を加えて混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散してスラリー状とした。得られたスラリーを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に、用いる負極の理論容量の9割となるように均一に塗布し、100℃で12時間乾燥した後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
【0287】
〔非水系電解液の調製〕
後出の表1〜15の各[実施例]及び[比較例]の列における、[特定カーボネート]、[その他の化合物]、[特定化合物]の欄に記載の化合物を、同欄に記載の割合で混合し、更に、電解質塩としてLiPF6を1mol・dm-3の濃度となるように溶解して、非水系電解液(実施例1〜95及び比較例1〜33の非水系電解液)を調製した。
【0288】
〔コイン型セルの作製〕
上記の正極及び負極と、各実施例及び比較例で調製した非水系電解液とを用いて、以下の手順でコイン型セル(実施例1〜95及び比較例1〜33の非水系電解液二次電池)を作製した。即ち、正極導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に電解液を含浸させたポリエチレン製のセパレータを介して負極を載置した。この缶体と負極導電体を兼ねる封口板とを、絶縁用のガスケットを介してかしめて密封し、コイン型セルを作製した。なお、負極としては、後出の表1〜15の各[実施例]及び[比較例]の列における[負極]の欄の記載に従い、上述のケイ素合金負極又はグラファイト負極を選択して用いた。
【0289】
〔コイン型セルの評価(放電容量及び放電容量維持率)〕
上記手順で得られたコイン型セル(実施例1〜95及び比較例1〜33の非水系電解液二次電池)について、以下の手順で放電容量及び容量維持率の評価を行なった。即ち、各コイン型セルを用いて25℃の条件下、充電終止電圧4.2V−3mA、充電終了電流0.15μAの定電流定電圧充電と、放電終止電圧3.0V−3mAの定電流放電とを1サイクルとして、50サイクル充放電を実施した。この時の、1サイクル目及び10サイクル目の放電容量を測定し、それぞれのサイクルにおける放電容量維持率を下記式で算出した。
【0290】
【数1】
【0291】
各実施例及び比較例のコイン型セルについて得られた、1サイクル目及び10サイクル目の放電容量、並びに放電容量維持率(%)を、下記表1〜表15の[電池評価]の欄に示す。なお、下記表1〜15中、放電容量の値は何れも、負極活物質の単位重量当たりの容量(mAh・g-1)として示した。また、「wt%」は「重量%」を表わす。
【0292】
【表1】
【0293】
【表2】
【0294】
【表3】
【0295】
【表4】
【0296】
【表5】
【0297】
【表6】
【0298】
【表7】
【0299】
【表8】
【0300】
【表9】
【0301】
【表10】
【0302】
【表11】
【0303】
【表12】
【0304】
【表13】
【0305】
【表14】
【0306】
【表15】
上記表1〜15の結果より、次のことが明らかである。
【0307】
特定化合物及び特定カーボネートで示される化合物を含む非水系電解液を使用している実施例1〜95は、特定化合物及び特定カーボネートのいずれも含まない非水系電解液を使用している比較例10と比較して、放電容量維持率が大きく改善されている。
【0308】
これに対し、特定化合物のみを含む非水系電解液を使用している比較例3〜9は、比較例10に対する放電容量維持率の向上が見られない。特定カーボネートのみを含む非水系電解液を使用している比較例1〜2は、放電容量維持率が向上してはいるものの、実施例1〜95には大きく及ばない。
【0309】
一方、比較例11〜33は負極活物質として炭素材料のみを用いたものであり、比較例11の非水系電解液は特定化合物及び特定カーボネートをいずれも含まず、比較例12〜18の非水系電解液は特定化合物のみを、比較例19の非水系電解液は特定カーボネートのみを、比較例20〜33の非水系電解液は特定化合物及び特定カーボネートを含む。
【0310】
負極活物質が炭素材料のみである比較例20〜33に比べ、負極活物質がケイ素合金である実施例1〜95は、放電容量が高い。また、負極活物質が炭素材料のみである場合、比較例12〜18、19及び20〜33の対比から、非水系電解液が特定カーボネートを含むことによる放電容量維持率の改善は認められるものの、特定化合物のみを含むことによる効果、又は、特定化合物及び特定カーボネートを含むことによる相乗効果は認められない。
【産業上の利用可能性】
【0311】
本発明の非水系電解液二次電池は、長期の充放電サイクル特性に優れているため、ノートパソコン、ペン入カパソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、電力のロードレベリング等の電源をはじめ、電気自転車、電気スクーター、電気自動車等に用いることができる。