特許第5772904号(P5772904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772904
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】熱回収型冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 6/02 20060101AFI20150813BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20150813BHJP
   F25B 5/02 20060101ALI20150813BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20150813BHJP
   F24F 1/16 20110101ALI20150813BHJP
【FI】
   F25B6/02 J
   F25B13/00 104
   F25B5/02 B
   F25B39/00 E
   F24F1/16
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-181493(P2013-181493)
(22)【出願日】2013年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-49000(P2015-49000A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2014年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】河野 聡
(72)【発明者】
【氏名】竹内 知久
(72)【発明者】
【氏名】木村 紗弥子
(72)【発明者】
【氏名】松岡 慎也
【審査官】 仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−332637(JP,A)
【文献】 特開2004−286253(JP,A)
【文献】 特開2008−249236(JP,A)
【文献】 特開2001−141379(JP,A)
【文献】 特開2001−304719(JP,A)
【文献】 特開平04−064879(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/025207(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 6/02
F24F 1/16
F25B 5/02
F25B 13/00
F25B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(21)と、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能な複数の熱源側熱交換器(24、25)と、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能な複数の利用側熱交換器(52a、52b、52c、52d)とを含んでおり、前記冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器から前記冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器に冷媒を送ることで前記利用側熱交換器間において熱回収を行うことが可能な熱回収型冷凍装置において、
前記複数の熱源側熱交換器は、第1熱源側熱交換器と、前記第1熱源側熱交換器の1.8倍〜4.0倍の熱交換容量を有する第2熱源側熱交換器とを有しており、
前記第1熱源側熱交換器のガス側に、前記第1熱源側熱交換器を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第1ヘッダ(24a)を設けており、
前記第2熱源側熱交換器のガス側に、前記第2熱源側熱交換器を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第2ヘッダ(25a)を設けており、
前記第2ヘッダは、前記第1ヘッダよりも流路断面積が大きい、
熱回収型冷凍装置(1)。
【請求項2】
前記第1熱源側熱交換器(24)を、前記第2熱源側熱交換器(25)よりも上側に配置している、
請求項1に記載の熱回収型冷凍装置(1)。
【請求項3】
前記第1熱源側熱交換器(24)の液側に、開度調節が可能な第1熱源側流量調節弁(26)を接続しており、
前記第2熱源側熱交換器(25)の液側に、開度調節が可能な第2熱源側流量調節弁(27)を接続しており、
前記第2熱源側流量調節弁は、前記第1熱源側流量調節弁よりも定格Cv値が大きい、
請求項1又は2に記載の熱回収型冷凍装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱回収型冷凍装置、特に、圧縮機と、複数の熱源側熱交換器と、複数の利用側熱交換器とを含んでおり、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器から冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器に冷媒を送ることで利用側熱交換器間において熱回収を行うことが可能な熱回収型冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1(特開平5−332637号公報)に示すように、圧縮機と、2つの熱源側熱交換器としての室外熱交換器と、複数の利用側熱交換器としての室内熱交換器とを含んだ構成の熱回収型冷凍装置の一種である冷暖同時運転型空気調和装置がある。この熱回収型冷凍装置では、各利用側熱交換器が個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっており、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器から冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器に冷媒を送ることで利用側熱交換器間において熱回収を行うこと(ここでは、冷房運転と暖房運転とを同時に行う冷暖同時運転を行うこと)が可能である。しかも、この熱回収型冷凍装置では、2つの熱源側熱交換器が個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっており、上記の熱回収も考慮した複数の利用側熱交換器全体の熱負荷(蒸発負荷や放熱負荷)に応じて、2つの熱源側熱交換器を冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えを行うことが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記従来の熱回収型冷凍装置では、利用側熱交換器間において熱回収が行われる場合に複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さくなることがあるため、これに対応するために、2つの熱源側熱交換器全体の熱負荷を小さくできるようにすることが必要である。
【0004】
これに対して、上記従来の熱回収型冷凍装置では、熱交換容量が異なる2つの熱源側熱交換器(ここでは、3.5馬力のものと5.0馬力のもの)が採用されている。そして、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が大きい場合には、2つの熱源側熱交換器の両方を冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させるようにし、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合には、熱交換容量が小さい熱源側熱交換器だけを冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させるようにしている。
【0005】
しかし、上記従来の2つの熱源側熱交換器は、両者の熱交換容量比が小さいため(熱交換容量が大きい熱源側熱交換器が熱交換容量の小さい熱源側熱交換器の約1.4倍であるため)、熱交換容量が小さい熱源側熱交換器だけを冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させたとしても、熱負荷を小さくできる程度に限界がある。このため、上記従来の熱回収型冷凍装置では、熱交換容量が小さい熱源側熱交換器だけを冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させたとしても、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合に対応することが難しい。
【0006】
これに対して、上記従来の熱回収型冷凍装置では、2つの熱源側熱交換器の一方を冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、他方を冷媒の放熱器として機能させて、両熱交換器の蒸発負荷と放熱負荷とを相殺することで、2つの熱源側熱交換器全体の熱負荷を小さくして、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合に対応することが考えられる。
【0007】
しかし、上記の2つの熱源側熱交換器の蒸発負荷と放熱負荷とを相殺させる対応では、2つの熱源側熱交換器を流れる冷媒の流量が大きくなるため、これに伴って、圧縮機の運転容量を大きくする必要があり、これにより、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合における運転性能が低下するおそれがある。
【0008】
本発明の課題は、圧縮機と、複数の熱源側熱交換器と、複数の利用側熱交換器とを含んでおり、利用側熱交換器間で熱回収を行うことが可能な熱回収型冷凍装置において、運転性能の低下を抑えつつ、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合に対応できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点にかかる熱回収型冷凍装置は、圧縮機と、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能な複数の熱源側熱交換器と、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能な複数の利用側熱交換器とを含んでおり、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器から冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器に冷媒を送ることで利用側熱交換器間において熱回収を行うことが可能である。そして、複数の熱源側熱交換器は、第1熱源側熱交換器と、第1熱源側熱交換器の1.8倍〜4.0倍の熱交換容量を有する第2熱源側熱交換器とを有している。
【0010】
ここでは、上記のように、まず、第2熱源側熱交換器を第1熱源側熱交換器の熱交換容量の1.8倍以上にしている。このため、熱交換容量が小さい第1熱源側熱交換器だけを冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させた場合において、熱負荷を小さくできる範囲を拡大することができる。これにより、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合に対応することができる。しかも、ここでは、上記のように、第2熱源側熱交換器を第1熱源側熱交換器の熱交換容量の4.0倍以下にしている。このため、2つの熱源側熱交換器の一方を冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、他方を冷媒の放熱器として機能させて、2つの熱源側熱交換器の蒸発負荷と放熱負荷とを相殺させる対応を行う場合において、2つの熱源側熱交換器を流れる冷媒の流量、ひいては圧縮機の運転容量をあまり大きくしないで済ませることができる。これにより、運転性能の低下を抑えつつ、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合に対応することができる。
【0011】
このように、ここでは、運転性能の低下を抑えつつ、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合に対応することができる。
【0012】
しかも、ここでは、第1熱源側熱交換器のガス側に、第1熱源側熱交換器を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第1ヘッダを設けており、第2熱源側熱交換器のガス側に、第2熱源側熱交換器を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第2ヘッダを設けている。そして、第2ヘッダは、第1ヘッダよりも流路断面積が大きい。
【0013】
ここでは、上記のように、各熱源側熱交換器のガス側にヘッダを設けるにあたり、第2ヘッダを第1ヘッダの流路断面積よりも大きなものを使用するようにしている。これにより、各熱源側熱交換器の熱交換容量に応じて、各熱源側熱交換器を構成する複数の伝熱管とヘッダとの間で冷媒を適切に合流及び分岐を行うことができる。
【0014】
第2の観点にかかる熱回収型冷凍装置は、第1の観点にかかる熱回収型冷凍装置において、第1熱源側熱交換器を、第2熱源側熱交換器よりも上側に配置している。
【0015】
ここでは、上記のように、まず、2つの熱源側熱交換器を上下に配置するようにしている。このとき、下側に配置された熱源側熱交換器には、上側に配置された熱源側熱交換器に比べて、ヘッド差の関係で液冷媒が溜まりやすい傾向がある。このため、仮に、第1熱源側熱交換器を下側に配置すると、熱交換容量が小さいために、第1熱源側熱交換器全体が液冷媒で満たされた状態(以下、「液没」とする)が発生して所望の熱交換性能が得られなくなるおそれがある。
【0016】
そこで、ここでは、上記のように、熱交換容量が小さい第1熱源側熱交換器を熱交換容量が大きい第2熱源側熱交換器よりも上側に配置するようにしている。このため、熱交換容量が大きい第2熱源側熱交換器が下側に配置されることになり、液没を発生しにくくすることができる。これにより、2つの熱源側熱交換器を上下に配置した場合において、両熱源側熱交換器において所望の熱交換性能を発揮させることができる。
【0017】
第3の観点にかかる熱回収型冷凍装置は、第1又は第2の観点にかかる熱回収型冷凍装置において、第1熱源側熱交換器の液側に、開度調節が可能な第1熱源側流量調節弁を接続しており、第2熱源側熱交換器の液側に、開度調節が可能な第2熱源側流量調節弁を接続している。そして、第2熱源側流量調節弁は、第1熱源側流量調節弁よりも定格Cv値が大きい。
【0018】
ここでは、上記のように、各熱源側熱交換器の液側に熱源側流量調節弁を接続するにあたり、第2熱源側流量調節弁を第1熱源側流量調節弁の定格Cv値よりも大きなものを使用するようにしている。これにより、各熱源側熱交換器の熱交換容量に応じて、各熱源側熱交換器を流れる冷媒の流量を適切に調節することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0020】
第1の観点にかかる熱回収型冷凍装置では、運転性能の低下を抑えつつ、複数の利用側熱交換器全体の熱負荷が小さい場合に対応することができる。しかも、各熱源側熱交換器の熱交換容量に応じて、各熱源側熱交換器を構成する複数の伝熱管とヘッダとの間で冷媒を適切に合流及び分岐を行うことができる。
【0021】
第2の観点にかかる熱回収型冷凍装置では、2つの熱源側熱交換器を上下に配置した場合において、両熱源側熱交換器において所望の熱交換性能を発揮させることができる。
【0022】
第3の観点にかかる熱回収型冷凍装置では、各熱源側熱交換器の熱交換容量に応じて、各熱源側熱交換器を流れる冷媒の流量を適切に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明にかかる熱回収型冷凍装置の一実施形態としての冷暖同時運転型空気調和装置の概略構成図である。
図2】冷暖同時運転型空気調和装置を構成する熱源ユニットの概略の内部構造を示す図である。
図3】熱源側熱交換器の構造を模式的に示す図である。
図4】冷暖同時運転型空気調和装置の冷房運転モード(蒸発負荷大)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
図5】冷暖同時運転型空気調和装置の冷房運転モード(蒸発負荷小)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
図6】冷暖同時運転型空気調和装置の暖房運転モード(放熱負荷大)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
図7】冷暖同時運転型空気調和装置の暖房運転モード(放熱負荷小)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
図8】冷暖同時運転型空気調和装置の冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
図9】冷暖同時運転型空気調和装置の冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
図10】冷暖同時運転型空気調和装置の冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明にかかる熱回収型冷凍装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる熱回収型冷凍装置の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0025】
(1)熱回収型冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の構成
図1は、本発明にかかる熱回収型冷凍装置の一実施形態としての冷暖同時運転型空気調和装置1の概略構成図である。図2は、冷暖同時運転型空気調和装置1を構成する熱源ユニット2の概略の内部構造を示す図である。図3は、熱源側熱交換器24、25の構造を模式的に示す図である。冷暖同時運転型空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。
【0026】
冷暖同時運転型空気調和装置1は、主として、1台の熱源ユニット2と、複数(ここでは、4台)の利用ユニット3a、3b、3c、3dと、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続される接続ユニット4a、4b、4c、4dと、接続ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2と利用ユニット3a、3b、3c、3dとを接続する冷媒連絡管7、8、9とを有している。すなわち、冷暖同時運転型空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット3a、3b、3c、3dと、接続ユニット4a、4b、4c、4dと、冷媒連絡管7、8、9とが接続されることによって構成されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっており、暖房運転を行う利用ユニットから冷房運転を行う利用ユニットに冷媒を送ることで利用ユニット間において熱回収を行うこと(ここでは、冷房運転と暖房運転とを同時に行う冷暖同時運転を行うこと)が可能になるように構成されている。しかも、冷暖同時運転型空気調和装置1では、上記の熱回収(冷暖同時運転)も考慮した複数の利用ユニット3a、3b、3c、3d全体の熱負荷に応じて、熱源ユニット2の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
【0027】
<利用ユニット>
利用ユニット3a、3b、3c、3dは、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット3a、3b、3c、3dは、冷媒連絡管7、8、9及び接続ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
【0028】
次に、利用ユニット3a、3b、3c、3dの構成について説明する。尚、利用ユニット3aと利用ユニット3b、3c、3dとは同様の構成であるため、ここでは、利用ユニット3aの構成のみ説明し、利用ユニット3b、3c、3dの構成については、それぞれ、利用ユニット3aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
【0029】
利用ユニット3aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、利用側冷媒回路13a(利用ユニット3b、3c、3dでは、それぞれ、利用側冷媒回路13b、13c、13d)を有している。利用側冷媒回路13aは、主として、利用側流量調節弁51aと、利用側熱交換器52aとを有している。
【0030】
利用側流量調節弁51aは、利用側熱交換器52aを流れる冷媒の流量の調節等を行うために、利用側熱交換器52aの液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
【0031】
利用側熱交換器52aは、冷媒と室内空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。ここで、利用ユニット3aは、ユニット内に室内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための室内ファン53aを有しており、室内空気と利用側熱交換器32aを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室内ファン53aは、室内ファンモータ54aによって駆動される。
【0032】
また、利用ユニット3aは、利用ユニット3aを構成する各部51a、54aの動作を制御する利用側制御部50aを有している。そして、利用側制御部50aは、利用ユニット3aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
【0033】
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管7、8、9を介して利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続されており、利用ユニット3a、3b、3c、3dとの間で冷媒回路10を構成している。
【0034】
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、熱源側冷媒回路12を有している。熱源側冷媒回路12は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の熱交切換機構22、23と、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25と、複数(ここでは、2つ)の熱源側流量調節弁26、27と、レシーバ28と、ブリッジ回路29と、高低圧切換機構30と、液側閉鎖弁31と、高低圧ガス側閉鎖弁32と、低圧ガス側閉鎖弁33とを有している。
【0035】
圧縮機21は、ここでは、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、圧縮機モータ21aをインバータ制御することで運転容量を可変することが可能なスクロール型等の容積式圧縮機からなる。
【0036】
第1熱交切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続し(図1の第1熱交切換機構22の実線を参照)、第1熱源側熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続するように(図1の第1熱交切換機構22の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。また、第2熱交切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続し(図1の第2熱交切換機構23の実線を参照)、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続するように(図1の第2熱交切換機構23の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。そして、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23の切り換え状態を変更することによって、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25は、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
【0037】
第1熱源側熱交換器24は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第1熱源側熱交換器24は、そのガス側が第1熱交切換機構22に接続され、その液側が第1熱源側流量調節弁26に接続されている。具体的には、第1熱源側熱交換器24のガス側は、第1熱源側熱交換器24を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第1ヘッダ24aが設けられており、第1ヘッダ24aが第1熱交切換機構22に接続されている。第1熱源側熱交換器24の液側は、第1熱源側熱交換器24を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第1分流器24bが設けられており、第1分流器24bが第1熱源側流量調節弁26に接続されている。また、第2熱源側熱交換器25は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第2熱源側熱交換器25は、そのガス側が第2熱交切換機構23に接続され、その液側が第2熱源側流量調節弁27に接続されている。具体的には、第2熱源側熱交換器25のガス側は、第2熱源側熱交換器25を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第2ヘッダ25aが設けられており、第2ヘッダ25aが第2熱交切換機構23に接続されている。第2熱源側熱交換器25の液側は、第2熱源側熱交換器25を構成する複数の伝熱管との間で冷媒の合流及び分岐を行うための第2分流器25bが設けられており、第2分流器25bが第2熱源側流量調節弁27に接続されている。
【0038】
ここで、第1熱源側熱交換器24と第2熱源側熱交換器25とは、熱交換容量が異なっており、第1熱源側熱交換器24よりも第2熱源側熱交換器25の熱交換容量のほうが大きい。具体的には、第2熱源側熱交換器25は、第1熱源側熱交換器の1.8倍〜4.0倍の熱交換容量を有している。また、熱交換容量が小さい第1熱源側熱交換器24は、熱交換容量が大きい第2熱源側熱交換器25の上側に配置されている。具体的には、第1熱源側熱交換器24と第2熱源側熱交換器25とを一体の熱源側熱交換器として構成し、その上部を構成する伝熱管を第1ヘッダ24a及び第1分流器24bに接続することで第1熱源側熱交換器24として機能させ、その下部を構成する伝熱管を第2ヘッダ25a及び第2分流器25bに接続することで第2熱源側熱交換器25として機能させるようにしている。また、第2ヘッダ25aは、第1ヘッダ24aよりも流路断面積が大きい。具体的には、第2ヘッダ25aの内径サイズを第1ヘッダ24aの内径サイズよりも大きくしている。そして、熱源ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に、ユニット外に排出するための室外ファン34を有しており、室外空気と熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室外ファン34は、室外ファンモータ34aによって駆動される。ここで、熱源ユニット2の側面には、室外空気を吸入するための吸入口2aが形成されており、熱源ユニット2の天面には、室外空気を排出するための排出口2bが形成されており、室外ファン34は、熱源ユニット2の上部に配置されている。
【0039】
第1熱源側流量調節弁26は、第1熱源側熱交換器24を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1熱源側熱交換器24の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。また、第2熱源側流量調節弁27は、第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第2熱源側熱交換器25の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。ここで、第1熱源側流量調節弁26と第2熱源側流量調節弁27とは、定格Cv値が異なっており、第1熱源側流量調節弁26よりも第2熱源側流量調節弁27の定格Cv値のほうが大きい。
【0040】
レシーバ28は、熱源側熱交換器24、25と利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dとの間を流れる冷媒を一時的に溜めるための容器である。レシーバ28の上部には、レシーバ入口管28aが設けられており、レシーバ28の下部には、レシーバ出口管28bが設けられている。また、レシーバ入口管28aには、開閉制御が可能なレシーバ入口開閉弁28cが設けられている。そして、レシーバ28の入口管28a及び出口管28bは、ブリッジ回路29を介して、熱源側熱交換器24、25と液側閉鎖弁31との間に接続されている。
【0041】
ブリッジ回路29は、冷媒が熱源側熱交換器24、25側から液側閉鎖弁31側に向かって流れる場合、及び、冷媒が液側閉鎖弁31側から熱源側熱交換器24、25側に向かって流れる場合のいずれにおいても、レシーバ入口管28aを通じてレシーバ28内に冷媒を流入させ、レシーバ出口管28bを通じてレシーバ28内から冷媒を流出させる機能を有する回路である。ブリッジ回路29は、4つの逆止弁29a、29b、29c、29dを有している。そして、入口逆止弁29aは、熱源側熱交換器24、25側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。入口逆止弁29bは、液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。すなわち、入口逆止弁29a、29bは、熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aに冷媒を流通させる機能を有している。出口逆止弁29cは、レシーバ出口管28bから液側閉鎖弁31側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。出口逆止弁29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。すなわち、出口逆止弁29c、29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側に冷媒を流通させる機能を有している。
【0042】
高低圧切換機構30は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送る場合(以下、「放熱負荷主体運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と高低圧ガス側閉鎖弁32とを接続し(図1の高低圧切換機構30の破線を参照)、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送らない場合(以下、「蒸発負荷主体運転状態」とする)には、高低圧ガス側閉鎖弁32と圧縮機21の吸入側とを接続するように(図1の高低圧切換機構30の実線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
【0043】
液側閉鎖弁31、高低圧ガス側閉鎖弁32及び低圧ガス側閉鎖弁33は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡管7、8及び9)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁31は、ブリッジ回路29を介してレシーバ入口管28a又はレシーバ出口管28bに接続されている。高低圧ガス側閉鎖弁32は、高低圧切換機構30に接続されている。低圧ガス側閉鎖弁33は、圧縮機21の吸入側に接続されている。
【0044】
また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部21a、22、23、26、27、28c、30、34aの動作を制御する熱源側制御部20を有している。そして、熱源側制御部20は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側制御部50a、50b、50c、50dとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
【0045】
<接続ユニット>
接続ユニット4a、4b、4c、4dは、ビル等の室内に利用ユニット3a、3b、3c、3dとともに設置されている。接続ユニット4a、4b、4c、4dは、冷媒連絡管9、10、11とともに、利用ユニット3、4、5と熱源ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。
【0046】
次に、接続ユニット4a、4b、4c、4dの構成について説明する。尚、接続ユニット4aと接続ユニット4b、4c、4dとは同様の構成であるため、ここでは、接続ユニット4aの構成のみ説明し、接続ユニット4b、4c、4dの構成については、それぞれ、接続ユニット4aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
【0047】
接続ユニット4aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、接続側冷媒回路14a(接続ユニット4b、4c、4dでは、それぞれ、接続側冷媒回路14b、14c、14d)を有している。接続側冷媒回路14aは、主として、液接続管61aと、ガス接続管62aとを有している。
【0048】
液接続管61aは、液冷媒連絡管7と利用側冷媒回路13aの利用側流量調節弁51aとを接続している。
【0049】
ガス接続管62aは、高低圧ガス冷媒連絡管8に接続された高圧ガス接続管63aと、低圧ガス冷媒連絡管9に接続された低圧ガス接続管64aと、高圧ガス接続管63aと低圧ガス接続管64aとを合流させる合流ガス接続管65aとを有している。合流ガス接続管65aは、利用側冷媒回路13aの利用側熱交換器52aのガス側に接続されている。高圧ガス接続管63aには、開閉制御が可能な高圧ガス開閉弁66aが設けられており、低圧ガス接続管64aには、開閉制御が可能な低圧ガス開閉弁67aが設けられている。
【0050】
そして、接続ユニット4aは、利用ユニット3aが冷房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁67aを開けた状態にして、液冷媒連絡管7を通じて液接続管61aに流入する冷媒を利用側冷媒回路13aの利用側流量調節弁51aを通じて利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって蒸発した冷媒を、合流ガス接続管65a及び低圧ガス接続管64aを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に戻すように機能することができる。また、接続ユニット4aは、利用ユニット3aが暖房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁67aを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁66aを開けた状態にして、高低圧ガス冷媒連絡管8を通じて高圧ガス接続管63a及び合流ガス接続管65aに流入する冷媒を利用側冷媒回路13aの利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって放熱した冷媒を、利用側流量調節弁51a及び液接続管61aを通じて、液冷媒連絡管7に戻すように機能することができる。この機能は、接続ユニット4aだけでなく、接続ユニット4b、4c、4dも同様に有しているため、接続ユニット4a、4b、4c、4dによって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dは、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
【0051】
また、接続ユニット4aは、接続ユニット4aを構成する各部66a、67aの動作を制御する接続側制御部60aを有している。そして、接続側制御部60aは、接続ユニット60aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3aの利用側制御部50aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
【0052】
以上のように、利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dと、熱源側冷媒回路12と、冷媒連絡管7、8、9と、接続側冷媒回路14a、14b、14c、14dとが接続されて、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1では、例えば、利用ユニット3a、3bが冷房運転を行いつつ、利用ユニット3c、3dが暖房運転を行う冷暖同時運転を行うことが可能になっている。このとき、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52a、52bから冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器52c、52dに冷媒を送ることで利用ユニット3a、3b、3c、3d間において熱回収が行われている。すなわち、冷暖同時運転型空気調和装置1は、圧縮機21と、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能な複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25と、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能な複数(ここでは、4つ)の利用側熱交換器52a、52b、52c、52dとを含んでおり、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器から冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器に冷媒を送ることで利用側熱交換器間において熱回収を行うことが可能な熱回収型冷凍装置を構成している。そして、ここでは、上記のように、第2熱源側熱交換器25を第1熱源側熱交換器24の熱交換容量の1.8倍以上にしている。
【0053】
(2)熱回収型冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の動作
次に、冷暖同時運転型空気調和装置1の動作について説明する。
【0054】
冷暖同時運転型空気調和装置1の運転モードは、冷房運転モード(蒸発負荷大)と、冷房運転モード(蒸発負荷小)と、暖房運転モード(放熱負荷大)と、暖房運転モード(放熱負荷小)と、冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)と、冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)と、冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)とに分けることができる。ここで、冷房運転モード(蒸発負荷大)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の放熱器として機能させる運転モードである。冷房運転モード(蒸発負荷小)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の蒸発負荷に対して第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させる運転モードである。暖房運転モード(放熱負荷大)は、暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の蒸発器として機能させる運転モードである。暖房運転モード(放熱負荷小)は、暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の放熱負荷に対して第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させる運転モードである。冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が蒸発負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の蒸発負荷に対して第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させる運転モードである。冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が放熱負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の放熱負荷に対して第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させる運転モードである。冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の蒸発負荷と放熱負荷とが均衡する場合に、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させ、かつ、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる運転モードである。
【0055】
尚、これらの運転モードを含む冷暖同時運転型空気調和装置1の動作は、上記の制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。
【0056】
<冷房運転モード(蒸発負荷大)>
冷房運転モード(蒸発負荷大)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図4に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図4の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
【0057】
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図4の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を放熱運転状態(図4の第2熱交切換機構23の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を蒸発負荷主体運転状態(図4の高低圧切換機構30の実線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67dを開状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
【0058】
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、熱交切換機構22、23を通じて、熱源側熱交換器24、25の両方に送られる。そして、熱源側熱交換器24、25に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、熱源側熱交換器24、25において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、合流して、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管6に送られる。
【0059】
そして、液冷媒連絡管6に送られた冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dに送られる。
【0060】
そして、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4a、4b、4c、4dの合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られる。
【0061】
そして、合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られた低圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d及び高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dを通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られて合流するとともに、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67d及び低圧ガス接続管64a、64b、64c、64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
【0062】
そして、ガス冷媒連絡管8、9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁32、33及び高低圧切換機構30を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0063】
このようにして、冷房運転モード(蒸発負荷大)における動作が行われる。
【0064】
<冷房運転モード(蒸発負荷小)>
冷房運転モード(蒸発負荷小)、例えば、利用ユニット3aだけが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52aだけが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図5に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図5の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
【0065】
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図5の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を蒸発負荷主体運転状態(図5の高低圧切換機構30の実線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、及び、低圧ガス開閉弁67aを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66b、66c、66d、及び、低圧ガス開閉弁67b、67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aだけを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になっている。利用ユニット3aにおいては、利用側流量調節弁51aは、開度調節され、利用ユニット3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51b、51c、51dは、閉状態になっている。
【0066】
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、第1熱交切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24だけに送られる。そして、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管6に送られる。
【0067】
そして、液冷媒連絡管6に送られた冷媒は、接続ユニット4aの液接続管61aだけに送られる。そして、接続ユニット4aの液接続管61aに送られた冷媒は、利用ユニット3aの利用側流量調節弁51aに送られる。
【0068】
そして、利用側流量調節弁51aに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51aにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52aにおいて、室内ファン53aによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3aだけの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4aの合流ガス接続管65aに送られる。
【0069】
そして、合流ガス接続管65aに送られた低圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a及び高圧ガス接続管63aを通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られるとともに、低圧ガス開閉弁67a及び低圧ガス接続管64aを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られる。
【0070】
そして、ガス冷媒連絡管8、9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁32、33及び高低圧切換機構30を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0071】
このようにして、冷房運転モード(蒸発負荷小)における動作が行われる。
【0072】
<暖房運転モード(放熱負荷大)>
暖房運転モード(放熱負荷大)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図6に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図6の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
【0073】
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図6の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図6の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図6の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66dを開状態にし、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
【0074】
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
【0075】
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4c、4dの高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d及び合流ガス接続管65a、65b、65c、65dを通じて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られる。
【0076】
そして、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、接続ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。
【0077】
そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管6に送られて合流する。
【0078】
そして、液冷媒連絡管6に送られた冷媒は、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、出口逆止弁29dを通じて、熱源側流量調節弁26、27の両方に送られる。そして、熱源側流量調節弁26、27に送られた冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交切換機構22、23に送られる。そして、熱交切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0079】
このようにして、暖房運転モード(放熱負荷大)における動作が行われる。
【0080】
<暖房運転モード(放熱負荷小)>
暖房運転モード(放熱負荷小)、例えば、利用ユニット3aだけが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52aだけが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図7に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図7の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
【0081】
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図7の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図7の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66aを開状態にし、高圧ガス開閉弁66b、66c、66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aだけを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3aにおいては、利用側流量調節弁51aは、開度調節され、利用ユニット3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51b、51c、51dは、閉状態になっている。
【0082】
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
【0083】
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット4aの高圧ガス接続管63aだけに送られる。高圧ガス接続管63aに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a及び合流ガス接続管65aを通じて、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aに送られる。
【0084】
そして、利用側熱交換器52aに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52aにおいて、室内ファン53aによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3aだけの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52aにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51aにおいて流量調節された後、接続ユニット4aの液接続管61aに送られる。
【0085】
そして、液接続管61aに送られた冷媒は、液冷媒連絡管6に送られる。
【0086】
そして、液冷媒連絡管6に送られた冷媒は、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、出口逆止弁29dを通じて、第1熱源側流量調節弁26だけに送られる。そして、第1熱源側流量調節弁26に送られた冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1熱交切換機構22に送られる。そして、第1熱交切換機構22に送られた低圧のガス冷媒は、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0087】
このようにして、暖房運転モード(放熱負荷小)における動作が行われる。
【0088】
<冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)>
冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転し、かつ、利用ユニット3dが暖房運転し(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図8に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図8の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
【0089】
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図8の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図8の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67cを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス開閉弁67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
【0090】
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られ、残りが、第1熱交切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24に送られる。
【0091】
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット4dの高圧ガス接続管63dに送られる。高圧ガス接続管63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66d及び合流ガス接続管65dを通じて、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dに送られる。
【0092】
そして、利用側熱交換器52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52dにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51dにおいて流量調節された後、接続ユニット4dの液接続管61dに送られる。
【0093】
また、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管6に送られる。
【0094】
そして、利用側熱交換器52dにおいて放熱して液接続管61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管6に送られて、第1熱源側熱交換器24において放熱して液冷媒連絡管6に送られた冷媒と合流する。
【0095】
そして、液冷媒連絡管6において合流した冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。そして、液接続管61a、61b、61cに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3cの利用側流量調節弁51a、51b、51cに送られる。
【0096】
そして、利用側流量調節弁51a、51b、51cに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4a、4b、4cの合流ガス接続管65a、65b、65cに送られる。
【0097】
そして、合流ガス接続管65a、65b、65cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c及び低圧ガス接続管64a、64b、64cを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
【0098】
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0099】
このようにして、冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)における動作が行われる。そして、冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)では、上記のように、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52dから冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器52a、52b、52cに冷媒を送ることで利用側熱交換器52a、52b、52c、52d間において熱回収が行われるようになっている。
【0100】
<冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)>
冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが暖房運転し、かつ、利用ユニット3dが冷房運転し(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の放熱器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図9に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図9の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
【0101】
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図9の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図9の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス開閉弁67dを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67cを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の放熱器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
【0102】
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
【0103】
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4cの高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c及び合流ガス接続管65a、65b、65cを通じて、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cに送られる。
【0104】
そして、利用側熱交換器52a、52b、52cに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、接続ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。
【0105】
そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管6に送られて合流する。
【0106】
液冷媒連絡管6において合流した冷媒は、その一部が、接続ユニット4dの液接続管61dに送られ、残りが、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。
【0107】
そして、接続ユニット4dの液接続管61dに送られた冷媒は、利用ユニット3dの利用側流量調節弁51dに送られる。
【0108】
そして、利用側流量調節弁51dに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3dの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4dの合流ガス接続管65dに送られる。
【0109】
そして、合流ガス接続管65dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁67d及び低圧ガス接続管64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られる。
【0110】
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0111】
また、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、出口逆止弁29dを通じて、第1熱源側流量調節弁26に送られる。そして、第1熱源側流量調節弁26に送られた冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1熱交切換機構22に送られる。そして、第1熱交切換機構22に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9及びガス側閉鎖弁33を通じて圧縮機21の吸入側に戻される低圧のガス冷媒と合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0112】
このようにして、冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)における動作が行われる。そして、冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)では、上記のように、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52a、52b、52cから冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器52dに冷媒を送ることで利用側熱交換器52a、52b、52c、52d間において熱回収が行われるようになっている。
【0113】
<冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)>
冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)、例えば、利用ユニット3a、3bが冷房運転し、かつ、利用ユニット3c、3dが暖房運転し(すなわち、利用側熱交換器52a、52bが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器52c、52dが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、第2熱源側熱交換器25が冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図10に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図10の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
【0114】
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図10の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換え、かつ、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図10の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させ、かつ、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図10の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節されている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66c、66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67bを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66a、66b、及び、低圧ガス開閉弁67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3bの利用側熱交換器52a、52bを冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、利用ユニット3c、3dの利用側熱交換器52c、52dを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3bの利用側熱交換器52a、52bと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3c、3dの利用側熱交換器52c、52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
【0115】
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られ、残りが、第1熱交切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24に送られる。
【0116】
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット4c、4dの高圧ガス接続管63c、63dに送られる。高圧ガス接続管63c、63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66c、66d及び合流ガス接続管65c、65dを通じて、利用ユニット3c、3dの利用側熱交換器52c、52dに送られる。
【0117】
そして、利用側熱交換器52c、52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52c、52dにおいて、室内ファン53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3c、3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52c、52dにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51c、51dにおいて流量調節された後、接続ユニット4c、4dの液接続管61c、61dに送られる。
【0118】
そして、利用側熱交換器52c、52dにおいて放熱して液接続管61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管6に送られて合流する。
【0119】
そして、液冷媒連絡管6において合流した冷媒は、2つに分岐されて、各接続ユニット4a、4bの液接続管61a、61bに送られる。そして、液接続管61a、61bに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3bの利用側流量調節弁51a、51bに送られる。
【0120】
そして、利用側流量調節弁51a、51bに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51a、51bにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52bにおいて、室内ファン53a、53bによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3bの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4a、4bの合流ガス接続管65a、65bに送られる。
【0121】
そして、合流ガス接続管65a、65bに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁67a、67b及び低圧ガス接続管64a、64bを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
【0122】
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0123】
また、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側流量調節弁26を通過した後、そのほとんどが、第2熱源側流量調節弁27に送られる。このため、第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒が、レシーバ28、ブリッジ回路29及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管6に送られない状態になっている。そして、第2熱源側流量調節弁27に送られた冷媒は、第2熱源側流量調節弁27において流量調節された後、第2熱源側熱交換器25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第2熱交切換機構23に送られる。そして、第2熱交切換機構23に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9及びガス側閉鎖弁33を通じて圧縮機21の吸入側に戻される低圧のガス冷媒と合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
【0124】
このようにして、冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)における動作が行われる。そして、冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)では、上記のように、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52c、52dから冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器52a、52bに冷媒を送ることで利用側熱交換器52a、52b、52c、52d間において熱回収が行われるようになっている。また、冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)では、上記のように、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させ、かつ、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させることで、2つの熱源側熱交換器24、25の蒸発負荷と放熱負荷とを相殺させる対応が行われるようになっている。
【0125】
(3)熱回収型冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の特徴
冷暖同時運転型空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
【0126】
<A>
ここでは、上記のように、まず、第2熱源側熱交換器25を第1熱源側熱交換器24の熱交換容量の1.8倍以上にしている。このため、熱交換容量が小さい第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させた場合、例えば、上記の冷房運転モード(蒸発負荷小)や冷暖同時運転モード(蒸発負荷主体)、暖房運転モード(放熱負荷小)、冷暖同時運転モード(放熱負荷主体)において、従来のような両者の熱交換容量比が小さい場合に比べて、熱負荷を小さくできる範囲を拡大することができる。これにより、複数の利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の熱負荷が小さい場合に対応することができる。しかも、ここでは、上記のように、第2熱源側熱交換器25を第1熱源側熱交換器24の熱交換容量の4.0倍以下にしている。このため、2つの熱源側熱交換器24、25の一方を冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、他方を冷媒の放熱器として機能させて、2つの熱源側熱交換器24、25の蒸発負荷と放熱負荷とを相殺させる対応を行う場合、例えば、上記の冷暖同時運転モード(蒸発・放熱負荷均衡)において、2つの熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒の流量、ひいては圧縮機21の運転容量をあまり大きくしないで済ませることができる。これにより、運転性能の低下を抑えつつ、複数の利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の熱負荷が小さい場合に対応することができる。
【0127】
このように、ここでは、運転性能の低下を抑えつつ、複数の利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の熱負荷が小さい場合に対応することができる。
【0128】
<B>
ここでは、上記のように、まず、2つの熱源側熱交換器24、25を上下に配置するようにしている。このとき、下側に配置された熱源側熱交換器には、上側に配置された熱源側熱交換器に比べて、ヘッド差の関係で液冷媒が溜まりやすい傾向がある。このため、仮に、第1熱源側熱交換器24を下側に配置すると、熱交換容量が小さいために、第1熱源側熱交換器24全体が液冷媒で満たされた状態(以下、「液没」とする)が発生して所望の熱交換性能が得られなくなるおそれがある。
【0129】
そこで、ここでは、上記のように、熱交換容量が小さい第1熱源側熱交換器24を熱交換容量が大きい第2熱源側熱交換器25よりも上側に配置するようにしている。このため、熱交換容量が大きい第2熱源側熱交換器25が下側に配置されることになり、液没を発生しにくくすることができる。これにより、2つの熱源側熱交換器24、25を上下に配置した場合において、両熱源側熱交換器24、25において所望の熱交換性能を発揮させることができる。
【0130】
<C>
ここでは、上記のように、各熱源側熱交換器24、25の液側に熱源側流量調節弁26、27を接続するにあたり、第2熱源側流量調節弁27を第1熱源側流量調節弁26の定格Cv値よりも大きなものを使用するようにしている。これにより、各熱源側熱交換器24、25の熱交換容量に応じて、各熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒の流量を適切に調節することができる。
【0131】
<D>
ここでは、上記のように、各熱源側熱交換器24、25のガス側にヘッダを設けるにあたり、第2ヘッダ25aを第1ヘッダ24aの流路断面積よりも大きなものを使用するようにしている。これにより、各熱源側熱交換器24、25の熱交換容量に応じて、各熱源側熱交換器24、25を構成する複数の伝熱管とヘッダ24a、25aとの間で冷媒を適切に合流及び分岐を行うことができる。
【0132】
(4)変形例
上記の実施形態では、本発明が適用される熱回収型冷凍装置として、冷暖同時運転型空気調和装置1の構成例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。すなわち、圧縮機と、複数の熱源側熱交換器と、複数の利用側熱交換器とを含んでおり、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器から冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器に冷媒を送ることで利用側熱交換器間において熱回収を行うことが可能な構成であれば、本発明を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、圧縮機と、複数の熱源側熱交換器と、複数の利用側熱交換器とを含んでおり、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器から冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器に冷媒を送ることで利用側熱交換器間において熱回収を行うことが可能な熱回収型冷凍装置に対して、広く適用可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 冷暖同時運転型空気調和装置(熱回収型冷凍装置)
21 圧縮機
24 第1熱源側熱交換器
24a 第1ヘッダ
25 第2熱源側熱交換器
25a 第2ヘッダ
26 第1熱源側流量調節弁
27 第2熱源側流量調節弁
52a、52b、52c、52d 利用側熱交換器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0135】
【特許文献1】特開平5−332637号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10