【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ステータ(21)内部に配設され且つ円筒状のスリーブ(24)が中心部に固定されたロータコア(23)を有するモータ(20)と、先端部にスクリューロータ(40)が取り付けられ且つ基端部が該スリーブ(24)の筒内に挿通されたシャフト(31)とを備え、該スリーブ(24)の内周面又は該シャフト(31)の外周面の一方に設けられた嵌合凹部(24a,32a)に対して、他方に設けられた嵌合凸部(37)が嵌め込まれることで、該シャフト(31)が該スリーブ(24)及び該ロータコア(23)とともに一体的に回転して該スクリューロータ(40)を回転駆動させるスクリュー圧縮機を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0014】
すなわち、第1の発明は、前記シャフト(31)は、前記スリーブ(24)の筒内に挿通される挿通部(32)と、該挿通部(32)に連続して軸方向に延び且つ該スリーブ(24)の内径よりも外径の大きな主軸部(33)とを有し、
前記スリーブ(24)の一端側の内周縁部には、該スリーブ(24)の開口側に向かって拡径するように傾斜したスリーブ側テーパー部(25)が形成され、
前記シャフト(31)には、該挿通部(32)の外周面と該主軸部(33)の外周面とが連続するように傾斜して前記スリーブ側テーパー部(25)に当接することで、前記スリーブ(24)の中心と該シャフト(31)の軸心とが同心となるシャフト側テーパー部(35)が形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
第1の発明では、スリーブ(24)の一端側の内周縁部には、スリーブ(24)の開口側に向かって拡径するように傾斜したスリーブ側テーパー部(25)が形成される。シャフト(31)には、スリーブ側テーパー部(25)に当接することで、スリーブ(24)の中心とシャフト(31)の軸心とが同心となるシャフト側テーパー部(35)が形成される。
【0016】
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記スリーブ側テーパー部(25)は、前記スリーブ(24)の中心と拡径側端部の中心とが同心となるように形成され、
前記シャフト側テーパー部(35)は、前記挿通部(32)の軸心と前記主軸部(33)の軸心とが同心となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
第2の発明では、スリーブ(24)の中心と拡径側端部の中心とが同心となるようにスリーブ側テーパー部(25)が形成される。また、挿通部(32)の軸心と主軸部(33)の軸心とが同心となるようにシャフト側テーパー部(35)が形成される。
【0018】
このような構成とすれば、モータ(20)とシャフト(31)との分解組み立て時に、シャフト(31)をテーパー面に沿って移動させると、シャフト(31)の軸心がスリーブ(24)の中心に向かって導かれる。そして、シャフト(31)をスリーブ(24)側に押し込んでスリーブ側テーパー部(25)とシャフト側テーパー部(35)とを当接させると、シャフト(31)の軸心がスリーブ(24)の中心と同心となるように位置付けられる。これにより、ロータコア(23)のスリーブ(24)とシャフト(31)との芯ずれを抑えることができるので、モータ(20)を高速回転させたときに、芯ずれに起因する振動の発生も抑えることができる。
【0019】
また、スリーブ側テーパー部(25)とシャフト側テーパー部(35)とを当接させるだけで芯ずれを抑えることができるので、スリーブ(24)とシャフト(31)との寸法精度を厳しく設定する必要がない。
【0020】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記挿通部(32)の外径は、前記スリーブ(24)の内径に対して所定の隙間を存するように小さく形成され、
前記挿通部(32)における前記スリーブ(24)の他端側寄りの位置には、該スリーブ(24)の内径と略等しい外径の嵌合部(32b)が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
第3の発明では、挿通部(32)におけるスリーブ(24)の他端側寄りの位置に嵌合部(32b)が設けられる。嵌合部(32b)の外径は、スリーブ(24)の内径と略等しくなっている。
【0022】
このような構成とすれば、モータ(20)とシャフト(31)との分解組み立て時に、スリーブ側テーパー部(25)とシャフト側テーパー部(35)とを当接させると、スリーブ(24)の内周面に対して嵌合部(32b)のみが当接することとなる。つまり、挿通部(32)の軸方向全長に亘って寸法精度を確保する必要が無く、嵌合部(32b)の寸法精度のみを確保するだけで、ロータコア(23)のスリーブ(24)とシャフト(31)との芯ずれを抑えることができる。
【0023】
第4の発明は、第3の発明において、
前記ロータコア(23)は、複数の電磁鋼板を軸方向に重ね合わせた積層鋼板(23a)と、該積層鋼板(23a)の軸方向の両端部にそれぞれ配設されて該積層鋼板(23a)を挟持する一対の端板(23b)とを有し、
前記嵌合部(32b)は、前記端板(23b)よりも前記積層鋼板(23a)側に配設されていることを特徴とするものである。
【0024】
第4の発明では、ロータコア(23)は、積層鋼板(23a)と、軸方向の両端部で積層鋼板(23a)を挟持する一対の端板(23b)とを有する。シャフト(31)の嵌合部(32b)は、端板(23b)よりも積層鋼板(23a)側に配設される。
【0025】
このような構成とすれば、モータ(20)とシャフト(31)との分解組み立て時に、嵌合部(32b)をスリーブ(24)の筒内に確実に嵌合させることができる。具体的に、スリーブ(24)と端板(23b)とは、焼き嵌めによって固定される。そのため、スリーブ(24)の外周面には、端板(23b)からの応力が加わり、スリーブ(24)の断面形状が変形してしまうおそれがある。ここで、スリーブ(24)にシャフト(31)を挿通させたときの嵌合部(32b)の位置が、端板(23b)と同じ位置である場合には、スリーブ(24)の断面形状の変形によって嵌合部(32b)が嵌まらなくなってしまう。
【0026】
これに対し、本発明では、嵌合部(32b)を端板(23b)よりも積層鋼板(23a)側に配設しているので、スリーブ(24)の端板(23b)側の断面形状が変形していたとしても、シャフト(31)の挿通部(32)をスムーズに挿通させて、嵌合部(32b)をスリーブ(24)の筒内に嵌合させることができる。
【0027】
第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記シャフト(31)の基端部は、前記スリーブ(24)の他端部から突出して延びるとともにその突出側端部には雄ネジ部(31a)が形成され、
前記スリーブ(24)は、前記雄ネジ部(31a)に締結されたロックナット(36)と、前記スリーブ側テーパー部(25)に当接した前記シャフト側テーパー部(35)とで狭持されていることを特徴とするものである。
【0028】
第5の発明では、シャフト(31)基端部の雄ネジ部(31a)に締結されたロックナット(36)と、スリーブ側テーパー部(25)に当接したシャフト側テーパー部(35)とでスリーブ(24)が狭持される。
【0029】
このような構成とすれば、モータ(20)とシャフト(31)との分解組み立て時に、シャフト(31)をスリーブ(24)側に押し込んでスリーブ側テーパー部(25)とシャフト側テーパー部(35)とを当接させると、テーパー面に沿ってシャフト(31)の軸心がスリーブ(24)の中心と同心となるように位置付けられるとともに、ロックナット(36)によってシャフト(31)の軸方向への移動が規制される。これにより、ロータコア(23)のスリーブ(24)とシャフト(31)との芯ずれを抑えてシャフト(31)をモータ(20)に取り付けることができる。
【0030】
第6の発明は、第2乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記シャフト(31)の基端部は、前記スリーブ(24)の他端部から突出して延びるとともにその突出側端部には雄ネジ部(31a)が形成され、
前記スリーブ(24)の他端側の内周縁部には、該スリーブ(24)の開口側に向かって拡径するように傾斜したスリーブ側テーパー部(25)が、該スリーブ(24)の中心と拡径側端部の中心とが同心となるように形成され、
リング状に形成されて前記シャフト(31)の突出側端部が挿通されるとともに、該スリーブ(24)側の外周縁部に、該スリーブ(24)側に向かって縮径するように傾斜して前記スリーブ側テーパー部(25)に当接することで該スリーブ(24)の中心と該シャフト(31)の軸心とが同心となるリング側テーパー部(45)が形成されたテーパーリング(46)を備え、
前記スリーブ(24)は、前記雄ネジ部(31a)に締結されたロックナット(36)によって共締めされて他端側の前記スリーブ側テーパー部(25)に当接した前記テーパーリング(46)と、一端側の該スリーブ側テーパー部(25)に当接した前記シャフト側テーパー部(35)とで狭持されていることを特徴とするものである。
【0031】
第6の発明では、シャフト(31)基端部の雄ネジ部(31a)に締結されたロックナット(36)によってテーパーリング(46)が共締めされる。そして、他端側のスリーブ側テーパー部(25)に当接したテーパーリング(46)と、一端側のスリーブ側テーパー部(25)に当接したシャフト側テーパー部(35)とでスリーブ(24)が狭持される。
【0032】
このような構成とすれば、モータ(20)とシャフト(31)との分解組み立て時に、スリーブ(24)の一端側ではスリーブ側テーパー部(25)とシャフト側テーパー部(35)とが当接し、他端側ではスリーブ側テーパー部(25)とテーパーリング(46)とが当接するので、ロータコア(23)のスリーブ(24)とシャフト(31)との芯ずれをより確実に抑えることができる。
【0033】
第7の発明は、第6の発明において、
前記テーパーリング(46)には、周方向の一部が切り欠かれてなる切り欠き部(46a)が形成されていることを特徴とするものである。
【0034】
第7の発明では、テーパーリング(46)には、切り欠き部(46a)が形成されているので、テーパーリング(46)がロックナット(36)によって共締めされると、切り欠き部(46a)の隙間が小さくなるようにテーパーリング(46)が縮径される。
【0035】
このような構成とすれば、テーパーリング(46)によってロータコア(23)のスリーブ(24)とシャフト(31)との芯ずれを抑えるとともに、テーパーリング(46)の内周面でシャフト(31)の外周面を締め付けることができる。