特許第5772936号(P5772936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5772936
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】道路灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20150813BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20150813BHJP
【FI】
   F21S8/08 200
   F21V3/00 320
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-261827(P2013-261827)
(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公開番号】特開2015-118814(P2015-118814A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2015年3月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年12月3日、資料「レディオック ストリート[新型]40VA」(岩崎電気株式会社)にて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三島 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】轟 麻起子
(72)【発明者】
【氏名】平岩 かおり
(72)【発明者】
【氏名】福澤 厚
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−123982(JP,A)
【文献】 特開2010−118223(JP,A)
【文献】 特開2012−190717(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を収める箱状の電源収容部と、複数の発光素子を取り付ける取付面とを熱伝導性材料で一体に形成した器具本体と、
前記取付面を覆うグローブとを備え、
前記取付面を、前記電源収容部の外周を囲むように設け、
前記グローブは拡散性を有し、
前記グローブの拡散によって水平より上方に光束を生じさせる部分の一部の拡散性を他の部分よりも低くしたことを特徴とする道路灯。
【請求項2】
電源を収める箱状の電源収容部と、複数の発光素子を取り付ける取付面とを熱伝導性材料で一体に形成した器具本体と、
前記取付面を覆うグローブとを備え、
前記取付面を、前記電源収容部の外周を囲むように設け、
前記発光素子ごとにレンズを有し、前記発光素子の基板を覆うレンズカバーを備え、
前記レンズカバーを回転対称に構成し、2つの前記取付面に回転対称に配置したことを特徴とする道路灯。
【請求項3】
前記レンズは、前記発光素子の光を遠方に配光することを特徴とする請求項に記載の道路灯。
【請求項4】
前記取付面を水平面に対し斜めに配置し、
前記発光素子を、当該複数の発光素子の光が独立して見えるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の道路灯。
【請求項5】
前記取付面の水平面からの取付角度を20°以上としたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の道路灯。
【請求項6】
前記取付面の水平面からの取付角度を40°以下としたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の道路灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を備えた道路灯に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置され路面を照明する道路灯の一つに、街路を照明する防犯灯が知られている。また近年では、LEDを光源とした防犯灯が提案、及び実用化されている(例えば、特許文献1参照)。この防犯灯では、比較的広範囲を照射するために、直射光で直下を照射するとともに、反射鏡により、路面の遠方を照射することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−79599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、道路灯においては、比較的広範囲な照射を実現するとともに、グレアを提言することが望まれている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、比較的広い範囲を照明可能であり、グレアを軽減可能な道路灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の道路灯は、電源を収める箱状の電源収容部と、複数の発光素子を取り付ける取付面とを熱伝導性材料で一体に形成した器具本体と、前記取付面を覆うグローブとを備え、前記取付面を、前記電源収容部の外周を囲むように設け、前記グローブは拡散性を有し、 前記グローブの拡散によって水平より上方に光束を生じさせる部分の一部の拡散性を他の部分よりも低くしたことを特徴とする
【0006】
また、本発明の道路灯は、電源を収める箱状の電源収容部と、複数の発光素子を取り付ける取付面とを熱伝導性材料で一体に形成した器具本体と、前記取付面を覆うグローブとを備え、前記取付面を、前記電源収容部の外周を囲むように設け、前記発光素子ごとにレンズを有し、前記発光素子の基板を覆うレンズカバーを備え、前記レンズカバーを回転対称に構成し、2つの前記取付面に回転対称に配置したことを特徴とする。
【0007】
上述の構成において、前記取付面を水平面に対し斜めに配置し、前記発光素子を、当該複数の発光素子の光が独立して見えるようにしてもよい。
【0008】
上述の構成において、前記取付面の水平面からの取付角度を20°以上としてもよい。
【0009】
上述の構成において、前記取付面の水平面からの取付角度を40°以下としてもよい。
【0010】
上述の構成において、前記レンズは、前記発光素子の光を遠方に配光してもよい。
【発明の効果】
【0011】
出願人は、同一の器具で同じ光束を得られる器具同士の比較において、人が認識する、発光部の面積(以下、見えがかり上の面積と言う。)が大きいほど発光面輝度が低く、グレアを軽減できる、という知見を得た。
また、出願人は、発光素子の光が独立して見えると、グレアを軽減できる、という知見を得た。
本発明によれば、複数の発光素子を取り付ける取付面を水平面に対し斜めに配置したため、取付面を水平に配置する場合に比べ、発光素子モジュールの見えがかり上の面積が広くなり、グレアを軽減できる。また、発光素子を、当該複数の発光素子の光が独立して見えるように配置したため、グレアを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態にかかる防犯灯(道路灯)を示す斜視図である。
図2】防犯灯を後方から示す斜視図である。
図3】防犯灯を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図、(D)は正面図、(E)は背面図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5図3のB−B断面図である。
図6】光源部を分解した防犯灯の分解斜視図である。
図7】電源部を分解した防犯灯の分解斜視図である。
図8】器具本体を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図、(D)は正面図、(E)は背面図である。
図9】光源部を示す斜視図である。
図10】LEDモジュールを示す分解斜視図である。
図11】レンズカバーをLEDとともに示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図、(D)は底面図である。
図12図11のレンズカバーを示す断面図であり、(A)はC−C断面図、(B)はD−D断面図、(C)はE−E断面図である。
図13図12のF−F断面図である。
図14】防犯灯の配光の説明図である。
図15】本発明の変形例に係るグローブを備えた防犯灯を示す斜視図である。
図16図15のF−F断面図である。
図17】本発明の変形例に係る器具本体を備えた防犯灯を示す分解斜視図である。
図18図17を正面下方から示す図である。
図19】本発明のLED基板を示す斜視図である。
図20図19の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、照明器具の一例として防犯灯について説明する。
図1は、本実施形態にかかる防犯灯1を示す斜視図であり、図2は防犯灯1を後方から示す斜視図である。図3は、防犯灯1を示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は側面図、図3(C)は底面図、図3(D)は正面図、図3(E)は背面図である。図4図3のA−A断面図であり、図5図3のB−B断面図である。図6は、光源部6を分解した防犯灯1の分解斜視図である。
【0014】
防犯灯1の構成の説明に先立って、出願人が得たグレアについての知見について説明する。
出願人は、種々の実験を通して、人が認識する、発光部の輝きを均一化するほど、グレアを軽減できる、という知見を得た。また、出願人は、発光部の中央部を発光部の縁部よりも暗くすると、発光部の見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる、という知見を得た。さらに、出願人は、発光素子の光が独立して見えると、グレアを軽減できる、という知見を得た。
【0015】
これに加え、出願人は、灯具の高さをT、灯具からの距離をL、角度の基準を直下方向とすると、人がまぶしさを感じるグレアゾーンφが、arctan(L/(T−1.5))=60〜80°であるという知見を得た。ここで、(T−1.5)は、歩行者の目線の高さ(約1.5m)から見た灯具の高さに相当する。そして、このグレアゾーンφにおいて、眼前照度を8lx以下、等価光幕輝度を0.2cd/m2以下とすることでグレアを低減できるという知見を得た。また、灯具の最大輝度を170,000cd/m2以下とし、灯具の平均輝度を53,000cd/m2以下とすることでグレアを低減できる、という知見を得た。
【0016】
その他、出願人は、同一の器具で同じ光束を得られる器具同士の比較において、人が認識する、発光部の面積(以下、見えがかり上の面積と言う。)が大きいほど発光面輝度が低く、グレアを軽減できる、という知見を得た。さらに、出願人は、発光部の中央部を発光部の縁部よりも暗くすることにより、発光部の見えがかり上の輝度分布が均一と感じられる面積が増え、グレアを低く感じられる、という知見を得た。
防犯灯1は、このような知見に基づいて、グレアを軽減する構成となっている。
【0017】
次いで、防犯灯1の構成について説明する。
防犯灯1は、防犯を目的として街路を既定の明るさで照明するものであり、図1図3に示すように、路面に延出して設置される器具本体2を備えている。本実施形態の器具本体2は、路面側の先端2Aから後端2Bに延びた底面視略矩形の薄板状に形成されている。後端2Bには、例えば電柱P等に固定された締結具Qに器具本体2を固定するための固定金具3が設けられている。
【0018】
器具本体2は、図4図6に示すように、底面の全面が照射開口8として開口し、器具本体2の底面に、照射開口8を覆う樹脂製のグローブ4を備えている。照射開口8には、取付面5が一体に形成されており、取付面5上にLEDモジュール(発光素子モジュール)10が組み付けられて光源部6が構成されている。光源部6は、街路における器具本体2の直下(正面側を含む)とともに、器具本体2の両側方向に相当する街路の交通方向に延びた広いエリアを照明する配光を有して構成されている。具体的には、光源部6は、交通方向の2方向のそれぞれに、その方向を照らす上記LEDモジュール10を有している。LEDモジュール10は、複数(図示例では22個)のLED(発光素子)11を備えている。
【0019】
また、器具本体2は、LEDモジュール10を点灯するための電源部(電源)7を収める電源収容部20を備え、この電源収容部20と取付面5は一体に形成されている。
器具本体2は、屋外使用に十分に耐え得る耐食性があり、なおかつ、熱伝導性が高い材料(例えばアルミニウムやアルミニウム合金)を用いて形成されている。高熱伝導性の材料を用いることで、LEDモジュール10の発熱が器具本体2から放熱され、LEDモジュール10の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。
【0020】
図6に示すように、器具本体2には、取付面5を包囲する平面視矩形枠状の包囲壁31を設け、この包囲壁31の内側の光源室32の中を水密にすることで、光源室32を防水することとしている。すなわち、包囲壁31の全周に亘り、その先端31Aが、グローブ4のパッキン9に密着し、これにより包囲壁31の内部が水密にシールされる。
グローブ4は、光透過性及び拡散性を有する材料(例えば、樹脂)で形成され、このグローブ4によってLED11の光が拡散されて、グレアが軽減されるようになっている。このグローブ4は、取付面5を下側から覆うように、直下方向に膨出して形成されており、グローブ4の下部は平坦に形成された平坦部4Aとなっている。グローブ4の下部を平坦部4Aにすることで、グローブ4の下方への膨出を軽減して、防犯灯1の高さを抑えることができる。
【0021】
グローブ4には、グローブ4を上下方向に貫通する貫通孔4Bが形成され、この貫通孔4Bにはフィルタ36(図17)、が設けられている。このフィルタ36は、塵埃の他、水及び水蒸気を透過しない水蒸気非透過性のフィルタを備えて構成されており、このフィルタ36によって貫通孔4Bを通る空気の塵埃や、水蒸気が除去される。グローブ4に貫通孔4Bを形成し、貫通孔4Bにフィルタ36を設けることで、器具本体2が防水構造であっても、光源室32の空気が貫通孔4Bを介して流通する。すなわち、LEDモジュール10の点灯時には、LEDモジュール10の発熱によって、光源室32内の空気が加熱されて膨張するので、光源室32内の空気は貫通孔4Bから外部に排出される。一方、LEDモジュール10の消灯時には、LEDモジュール10の発熱によって加熱されて膨張した空気が、外部の大気温度等によって冷却されて収縮するので、外部の空気が貫通孔4Bから光源室32に入り込むこととなる。
【0022】
図7は、電源部7を分解した防犯灯1の分解斜視図である。
電源収容部20は、図7に示すように、器具本体2の先端2Aから後端2Bに亘って延在し、後端2Bを収容部開口21として開放する箱状(本実施形態では、角筒状)に形成されている。この電源収容部20の上面20Aは、後端2Bから先端2Aに掛けて高さが小さくなるように、傾斜して設けられている。本実施形態では、器具本体2は鋳造(より、詳細にはアルミダイキャスト)で成型されており、電源収容部20の上面20Aを傾斜させることにより、器具本体2を成型する際に、金型を抜きやすくなるので、器具本体2を容易に形成できる。
【0023】
電源部7は、電子部材7Aを実装した電源基板7Bを電源取付板7Cに取り付けて構成されている。また、電源取付板7Cには、照度センサ7Dが取り付けられている。電子部材7A、照度センサ7D等の電気部品には、それぞれ電源用絶縁シート7E、センサ用絶縁シート7F等の絶縁シートが設けられている。電源部7は、収容部開口21から電源収容部20内に収容される。
【0024】
電源収容部20の上面20Aには、照度センサ7Dに対応する位置に、照度センサ7Dを露出させるセンサ露出孔22が形成され、このセンサ露出孔22にはセンサカバー23が取り付けられる。
なお、本実施形態では、照度センサ7Dを電源収容部20の上面70Aに設けることで、光源部6からの光が照度センサ7Dの検出に影響を与えないようにしていたが、照度センサ7Dの位置はこれに限定されるものではない。照度センサ7Dは、光源部6からの光が照度センサ7Dの検出に影響を与えない位置であれば、例えば、器具本体2の側面等に設けてもよい。
【0025】
収容部開口21には、パッキン24を介して本体部蓋25が固定され、この本体部蓋25には、上述した固定金具3が固定さる。本体部蓋25には、配線引込孔26が開口し、この配線引込孔26を通じて1次側の電気配線(不図示)が外部から電源収容部20内に引き込まれる。このとき配線引込孔26をシールするために、この配線引込孔26にブッシング27を嵌合し、このブッシング27に1次側の電気配線を通して配線される。電源収容部20は、センサカバー23、パッキン24及びブッシング27によって、防水構造に構成されている。
【0026】
次に、取付面5について詳細に説明する。
図8は、グローブ4及びLEDモジュール10を取り外した器具本体2を示す図であり、図8(A)は平面図、図8(B)は側面図、図8(C)は底面図、図8(D)は正面図、図8(E)は背面図である。
取付面5は、前掲図5に示すように、電源収容部20の外周、より詳細には、底面20B及び両側面20C,20Dを囲むように、電源収容部20と一体に形成されている。このように、電源収容部20と取付面5とを熱伝導性材料で一体に形成して器具本体2を構成したため、LEDモジュール10の熱を、電源収容部20を含む器具本体2全体から放熱できるので、防犯灯1の放熱性を向上させることができる。また、電源収容部20と取付面5とを一体に形成して電源収容部20を筐体として用いているため、LEDモジュール10を取り付ける取付金具を必要としないので、防犯灯1を小型化できる。しかも、防犯灯1は、電源収容部20に一体に形成した取付面5をグローブ4で覆っただけの構成であるため、簡略的な構造にできる。
【0027】
取付面5は、水平面Hに対し斜めに配置されている。これにより、取付面5を水平に配置する場合に比べ、グレアゾーンφにおけるLEDモジュール10の見えがかり上の面積が広くなり、上述したように、グレアを軽減できる。
本実施形態では、取付面5の水平面Hからの取付角度θを20°以上、40°以下としている。取付角度θを20°以上にすることで、LEDモジュール10を遠方に向けて配置できるので、遠方を照射できる。また、取付角度θを40°以下にすることで、防犯灯1に不要とされる、上方に向かう上方光束を抑制できる。
【0028】
また、本実施形態では、取付面5は、背中合わせに2つ配置されており、これにより、路面の交通方向の両方向のそれぞれの遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。
2つの取付面は、水平面Hに対し斜めに設けられて谷状に配置され、本実施形態では、2つの取付面5が、下端5Bで連結されて正面視において略V字状に配置されている。2つの取付面5の間の谷部33に、電源収容部20の底面20Bが取付面5の上端5Aよりも低くなるように、電源収容部20が配置されている。このように、2つの取付面5を谷状に配置し、この谷部33に電源収容部20を配置することにより、取付面5の上方に電源収容部20を配置する場合に比べ、器具本体2の高さを抑えることができる。また、取付面5の後方に電源収容部20を配置する場合に比べ、器具本体2の前後方向の長さを抑えることができる。
【0029】
電源収容部20の先端20Eには、図6に示すように、電気配線を引き出す配線引出孔28が形成され、この配線引出孔28を通じて、電源部7から延びる2次側の電気配線(不図示)が電源収容部20の外側であって、光源室32に引き出される。LEDモジュール10は、電源収容部20の先端20E側に、2次側の電気配線を結線するためのコネクタ12が位置するように配置されており、配線引出孔28を通された電気配線は、コネクタ12に接続される。このように、電源収容部20の先端20Eに配線引出孔28を形成し、2次側の電気配線を先端20Eで結線したため、必要最小限の長さで2次側の電気配線を配線できる。電気配線を短くすることで、電源部7近傍を電気配線が通らずに1次、2次側に結線できることから、ノイズを低減できる。また、電気配線を短くすることで、2次側の電気配線の取り回しを簡略化できることから、電源部7を小型化できる。
なお、本実施形態では、電源収容部20の先端20Eが取付面5の先端5Cと同一面上にあるが、電源収容部20の先端20Eは、取付面5の先端5Cと前後方向に一致していなくてもよい。
【0030】
図8に示すように、取付面5の上端5Aと電源収容部20とは、取付面5の上方に位置する器具本体2の上面2Cが平面状になるように連結された形状をなしている。防犯灯1は、図1及び図2に示すように、上面2Cが後ろ下がりに傾斜するように、先端2Aを上を向けた姿勢で取り付けられる。これにより、上面2Cに降り注ぐ雨水や積雪を後側に移動させてスムーズに落下させるようになっている。また、上面2Cが平面状に形成されるため、上面2Cに落ち葉等のゴミが溜まることを防止できる。
【0031】
取付面5の上端5Aを平面上に連結することで、図8に示すように、取付面5の上端5A部分と上面2Cとで囲まれる外縁部34の肉厚が厚くなる。鋳造による成型においては、肉厚が厚いと、成型品の肉厚部の表面に凹みができる不良(ひけ)が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、取付面5の外縁部34に、複数の溝35を形成している。これらの溝35は、取付面5の上端5Aから所定の幅に亘って設けられ、複数のLED11の間に配置されている。この溝35により、外縁部34の肉厚を低減させることができるので、器具本体2にひけが生じることを防止できる。また、溝35を形成することにより、器具本体2の空気に接触する面積が大きくなるので、器具本体2の放熱性を向上させることができる。
【0032】
なお、本実施形態では、取付面5の後端5Dは、取付面5の下端5Bよりも下方に突出しているが、これに限定されず、例えば、後端5Dの下部を下端5Bと一致させてもよい。この後端5Dの下部でグローブ4の後部が支持されている。
また、後端5Dは、電源収容部20の後端2Bよりも先端側に位置しているが、後端2Bと一致していてもよい。
このように構成された2つの取付面5には、それぞれLEDモジュール10が配置されている。
【0033】
次に、LEDモジュール10について詳細に説明する。
図9は光源部6を示す斜視図であり、図10はLEDモジュール10を示す分解斜視図である。図11は、レンズカバー40をLED11とともに示す図であり、図11(A)は平面図、図11(B)は正面図、図11(C)は側面図、図11(D)は底面図である。図12図11のレンズカバー40を示す断面図であり、図12(A)はC−C断面図、図12(B)はD−D断面図、図12(C)はE−E断面図である。図13は、図12のF−F断面図である。なお、図9では、説明のために、2つのLEDモジュール10を同一平面上に配置している。
【0034】
LEDモジュール10は、図9及び図10に示すように、複数のLED11を矩形板状のLED基板(基板)13に配置し、LED11ごとにレンズ41を有するレンズカバー40を、LED基板13を覆うように設けてバー状に構成されている。LEDモジュール10は、複数のLED11に同量の電流が流れるように構成され、LED基板13の長手方向の一端に、電源部7からの電気配線を結線するコネクタ12を備えている。このLEDモジュール10は、LED基板13の略中央にネジ孔14が形成されており、LED基板13の略中央で取付面5にネジ止めして組み付けられる。このネジ止め時のネジ15は、図5に示すように、LED基板13及びレンズカバー40を貫通し、これらを締結して取付面5に固定される。
【0035】
LED11は、白色光を放射するLEDであり、図10に示すように、光軸KをLED基板13の基板面に対して略垂直に向けて実装されている。LED11は、発光点G(最大輝度となる点)(図13)を含む発光部から光を放射する略点光源とみなすことができ、複数のLED11は、発光点Gが独立して見えるように、間隔を空けて配置されている。この間隔は、LED11の光出力に応じて設定されるものである。ここで、発光点Gが独立して見えるとは、隣り合うLED11の発光点G間が、完全に暗くなるという訳ではなく、ある程度の明るさを持っていてもよい。また、発光点Gが独立して見えるかどうかの評価は、歩行者の目線の高さ(約1.5m)、且つ、歩行方向を向いた際の有効視野(上下20°、左右30°)で評価される。このように、LED11を、当該複数のLED11の光が独立して見えるように配置することで、上述したように、グレアを軽減できる。
【0036】
LED11は、LED基板13の縁13Aに沿って配置される複数の外側LED(外側発光素子)11Aと、これら外側LED11Aの内側に配置される内側LED(内側発光素子)11Bとで構成されている。
本実施形態では、LED11は、左右方向に多列(図示例では、3列)に配置されるとともに、配列方向に位置をずらして千鳥状に配置されている。より詳細には、両外側の列の外側LED11Aは前後の位置が同一となるように配置され、内側の列の内側LED11Bは両外側の列の外側LED11Aと左右方向で重ならないように配置されている。このように、LED11を多列、かつ、千鳥状に配置したため、LED11同士の光の干渉を防止でき、照度ムラを防止できる。さらに、レンズカバー40を例えば樹脂等の材料によって射出成型する場合に、レンズ41が千鳥状に配置することで、材料がレンズ41の部分に流れやすくなり、レンズカバー40を容易に形成できる。
【0037】
複数の内側LED11Bの光出力は、複数の外側LED11Aの光出力よりも小さくされている。より具体的には、内側の列の内側LED11Bの個数(6つ)は、両外側の列の外側LED11Aの個数(8つ)よりも少なくされている。これにより、LEDモジュール10の略中央部が縁部よりも暗くなるので、LEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる。また、LEDモジュール10の略中央部が縁部よりも暗くなるので、グレアゾーンφにおけるLEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一と感じられる面積が増え、グレアを低く感じられる。さらに、内側LED11Bの数を少なくすることで、LED11を千鳥状に配置することが容易となる。
【0038】
また、内側LED11Bの少なくとも1つには、外側LED11Aよりも発光効率の高い高効率LED(高効率発光素子)11Cが用いられている。このように、高効率LED11Cを用いることで、十分な光出力を維持したまま、内側LED11Bの数を少なくすることができる。
ここで、高効率でないLEDを低効率LED11Dとする。本実施形態では、内側の列において、高効率LED11C間に低効率LED(低効率発光素子)11Dを配置している。
【0039】
レンズカバー40は、図11に示すように、透明樹脂製の平板部42を有し、その平板部42の表面42Aにレンズ41が一体に樹脂成形されている。平板部42は、略矩形状を成し、その略中央にはネジ孔43が形成されており、このネジ孔43にネジ15(図5)を通して取付面5にレンズカバー40が固定される。
【0040】
この防犯灯1では、上述したように、LED基板13とレンズカバー40とがネジで共締めされており、各レンズ41と、LED基板13のLED11の位置ズレを防止している。これに加え、レンズカバー40の平板部42の裏面42Bには、図11(C)に示すように、その面内に位置決めボス44が立設され、またLED基板13の面内には、図10に示すように、位置決めボス44を受ける位置決め用孔16が形成されている。これら位置決めボス44、及び位置決め用孔16の係合によって、LED基板13とレンズカバー40が、より正確な位置に位置決めされる。特に、レンズカバー40は、LED11ごとのレンズ41を含むことから、これらのレンズ41の正確な位置決めが一度に行われる。なお、LED基板の位置決め用孔16のうち略中央のひとつは、LED基板13のネジ孔14と同一寸法で、対称な位置に配されている。
【0041】
レンズ41のそれぞれは、図12に示すように、対応するLED11に重なる位置に配置されている。高効率LED11Cに対応するレンズ41Aは、同一形状を成し、また同一の配光特性をもって高効率LED11Cの放射光を制御する。また、低効率LED11Dに対応するレンズ41Bは、同一形状を成し、また同一の配光特性をもって低効率LED11Dの放射光を制御する。
具体的には、レンズ41は、図13に示すように、レンズ内面に凸状(すなわち底面視で凹状)に湾曲する入射面45を有し、この入射面45に対してレンズ外面に凸形状の出射面46を有する。この入射面45によってレンズ41の裏面に凹部が形成され、この凹部にはLED11が入り込む。
【0042】
LED11は、光軸Kを中心に放射状に略全周囲に光を放射し、レンズ41は、この放射光を一方向(本実施形態では、横方向)に配光(片側配光)するように構成されている。具体的には、LED11は略半球状に形成された出射面46に対し、左右方向で一方に寄せて配置されており、レンズ41は左右方向で他方の遠方に向かう光を放射する。このように、レンズ41を、LED11の光を遠方に配光する構成としたため、路面の交通方向の遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。
低効率LED11Dに対応するレンズ41Bは、高効率LED11Cに対応するレンズ41Aよりも遠方に光を照射するように構成されている。
【0043】
レンズカバー40には、図10に示すように、複数の内側LED11Bのうちの一部を露出する露出開口47が形成されている。これにより、内側複数の内側LED11Bの光出力を複数の外側LED11Aの光出力よりも小さくした場合であっても、LEDモジュール10の略中央部を十分に明るくすることができる。
露出開口47は、LED基板13の縁13Aに近い側に配置されている。これにより、LEDモジュール10の外側が明るくなるので、LEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる。また、LEDモジュール10の略中央部が縁部よりも暗くなるので、グレアゾーンφにおけるLEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一と感じられる面積が増え、グレアを低く感じられる。さらに、レンズカバー40を例えば樹脂等の材料によって射出成型する場合に、LED基板13の縁13Aに近い側に露出開口47を設けることで、材料がレンズ41の部分に流れやすくなり、レンズカバー40を容易に形成できる。本実施形態では、内側の列において、LED基板13の縁13Aに近い内側LED11Bに高効率LED11Cを用いており、露出開口47は、その高効率の内側LED11Bの位置に設けられている。
【0044】
また、LEDモジュール10は回転対称に構成されている。具体的には、LED基板13に対してレンズカバー40が回転対称に構成されている。レンズカバー40は、LED基板13のコネクタ12を避けるコネクタ溝48を有するが、このコネクタ12に対し、2つのコネクタ溝48を有している。また、LED基板13には、中央部に2つの孔があり、一方はレンズカバー40のネジ孔43に対応するネジ孔14として機能し、他方はレンズカバー40の位置決めボス44に対応する位置決め用孔16として機能する。
このようにLEDモジュール10を回転対称に構成したため、2つの取付面5に対してLEDモジュール10を共通化できるので、部品種類を削減し、製造工程を簡素化できる。また、LEDモジュール10を片側配光に構成し、LEDモジュール10を背中合わせに設けた2つの取付面5に回転対称に配置することで、路面の交通方向の両方向のそれぞれの遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。
【0045】
LEDモジュール10では、主にLED基板13の縁13Aに配置された低効率LED11Dの光がレンズ41Aを介して遠方のエリアに照射される。また、内側に配置されるとともに露出開口47に対応する高効率LED11Cの光が露出開口47を介して直下に近いエリアに照射される。そして、遠方のエリアと直下のエリアとの間に、内側に配置されるとともにレンズ41Bに対応する高効率LED11Cの光がレンズ41Bを介して照射される。
【0046】
図14は、防犯灯1の配光の説明図である。
以上のように構成された防犯灯1は、グレアを軽減しつつ、防犯灯推奨基準「クラスB」(公益社団法人 日本防犯設備協会 技術標準SES E1901-3)を、防犯灯1の設置間隔38mで達成できる。すなわち、防犯灯1は、図14に示すように、5メートル幅の街路の路面Rから高さTが4.5メートルの位置に配置され、1つのLEDモジュール10により、直下から路面Rの交通方向Sの一方向に沿って19m先に亘る路面全体のエリアを照射できる。
また、防犯灯1は、グレアゾーンφにおいて、眼前照度が8lx以下、等価光幕輝度が0.2cd/m2以下、灯具の最大輝度が170,000cd/m2以下、灯具の平均輝度が53,000cd/m2以下となるので、上述したように、グレアを低減できる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のLED11を取り付ける取付面5を水平面Hに対し斜めに配置し、LED11を、当該複数のLED11の光が独立して見えるように配置する構成とした。取付面5を水平面Hに対し斜めに配置したため、取付面5を水平に配置する場合に比べ、グレアゾーンφにおけるLEDモジュール10の見えがかり上の面積が広くなり、グレアを軽減できる。また、LED11を、当該複数のLED11の光が独立して見えるように配置したため、グレアを軽減できる。
【0048】
また、本実施形態によれば、取付面5の水平面Hからの取付角度θを20°以上としたため、LEDモジュール10を遠方に向けて配置できるので、遠方を照射できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、取付面5の水平面Hからの取付角度θを40°以下としたため、防犯灯1に不要とされる、上方に向かう上方光束を抑制できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、LED11ごとにレンズ41を有し、LED11のLED基板13を覆うレンズカバー40を備え、レンズ41は、LED11の光を遠方に配光する構成とした。この構成により、路面の交通方向の遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。
【0051】
また、本実施形態によれば、複数のLED11を備えるLEDモジュール10を回転対称に構成し、2つの取付面5を背中合わせに設け、LEDモジュール10を取付面5に回転対称に配置する構成とした。2つの取付面5を背中合わせに設けたため、路面の交通方向の両方向のそれぞれの遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。また、LEDモジュール10を回転対称に構成したため、2つの取付面5に対してLEDモジュール10を共通化できるので、部品種類を削減し、製造工程を簡素化できる。また、LEDモジュール10を片側配光に構成し、LEDモジュール10を背中合わせに設けた2つの取付面5に回転対称に配置することで、路面の交通方向の両方向のそれぞれの遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。
【0052】
但し、上述の実施形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上述の実施形態では、グローブ4全体を拡散性を有する材料で形成したが、これに限定されるものではない。
グローブ4は、LED11に近接する縁部4C(図6)において、拡散によって上方光束を比較的多く生じさせてしまう。そこで、例えば、図15及び図16に示すグローブ104のように、拡散によって水平より上方に光束を比較的多く生じさせる上方光束拡散部分(部分)104Cの拡散性を他の部分よりも低くしてもよい。これにより、防犯灯1に不要とされる、上方に向かう上方光束を抑制できる。
図16の例では、上方光束拡散部分104Cは、グローブ104に最も近接するレンズ41よりも上方に位置する縁104Dまでの部分としているが、グレアゾーンφの上方であれば、上方光束拡散部分104Cの範囲はこれに限定されるものではない。例えば、グローブ104に最も近接するレンズ41よりも上方全体を上方光束拡散部分104Cとする必要はなく、上方光束拡散部分104Cは、縁104Dを含まないグローブ104の縁部(一部)としてもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、取付面5の上端5Aと電源収容部20とを平面状に連結し、肉厚となる取付面5の外縁部34に、複数の溝35を形成していたが、この構成に限定されない。例えば、図17に示す器具本体202のように、取付面5の上端5Aと電源収容部20とを、器具本体2の上面2Cに凹部202Dを有するように連結してもよい。この場合、取付面5の外縁部34は肉厚にならないため、図18に示すように、取付面5に形成した溝35を省略できる。
【0054】
また、上述の実施形態では、LED11を多列に配置していたが、LED11の配置はこれに限定されるものではない。例えば、図19及び図20に示すように、LED基板313上にLED11を円形に配置してもよい。この場合においても、LED基板113の縁13Aに沿って複数のLED11を配置するとともに、これら複数のLED11の内側にLED11を配置し、内側のLED11の光出力を、LED基板13の縁13Aに沿って配置された外側のLED11の光出力よりも小さくする構成としている。また、内側に発光効率の高い高効率LED11Cを設けている。さらに、LED11を、半径方向に多列(図示例では、3列)に配置するとともに、配列方向である周方向に位置をずらして配置している。
【0055】
また、上述の実施形態では、本発明に係る照明器具として防犯灯1を例示するが、本発明は、屋外或いは屋内で使用される各種の照明器具に適用可能であることは勿論である。また、道路灯は、街路に配置される街路灯や、トンネルに配置されるトンネル灯をふくむものとする。
【符号の説明】
【0056】
1 防犯灯(道路灯)
5 取付面
11 LED(発光素子)
H 水平面
41 レンズ
40 レンズカバー
104C 上方光束拡散部分(部分)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20