(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な各種の実施の形態の例を説明する。
図1は、第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0032】
第1の実施の形態である情報処理装置100は、表示装置識別情報と利用者の興味に関する情報を対応付けるもの、又は広告識別情報と利用者の興味に関する情報を対応付けるものであって、
図1の例に示すように、コンテンツ表示モジュール105、画像検出モジュール110、ユーザ特定モジュール115、プロファイリングモジュール120、コンテンツ表示モジュール125を有している。情報処理装置100は、通信回線を介してコンテンツ記憶装置130、表示装置140、SNS情報記憶装置170と接続されている。なお、情報処理装置100内に、コンテンツ記憶装置130、表示装置140、SNS情報記憶装置170のいずれか、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。閲覧者端末150は、撮影モジュール155、投稿モジュール160を有しており、SNS情報記憶装置170と接続されている。
【0033】
画像検出モジュール110は、コンテンツ表示モジュール105、ユーザ特定モジュール115、SNS情報記憶装置170と接続されている。画像検出モジュール110は、利用者によって投稿された第1の情報から、広告画像を表示する表示装置140を一意に識別する表示装置識別情報を検出する。ここで、利用者とは、閲覧者端末150の所持者であって、閲覧者端末150の撮影モジュール155を用いて、表示装置140(より正確には表示装置140によって表示されている広告画像)を撮影し、その撮影した写真の画像を含む記事をソーシャルネットワークシステム(以下、SNS(Social Networking Service)ともいう)に投稿した者である。なお、利用者は、文脈に応じて、ユーザ、所持者、閲覧者(表示装置140を見る者)、投稿者等となる。
利用者によって投稿された第1の情報として、例えば、ソーシャルネットワークシステムに投稿された情報が該当する。ソーシャルネットワークシステムとして、具体的には、FACEBOOK(登録商標)、TWITTER(登録商標)等があり、利用者が特定できるシステムであれば、ブログ、電子掲示板であってもよい。ここで、「利用者が特定できる」とは、利用者本人の本名まで特定する必要はなく、その利用者によって一連の投稿がなされたことが保証できるものであればよい。例えば、SNSの会員(ユーザID、パスワード等で、そのSNSにログインできる者)が投稿した情報であれば、本実施の形態における「利用者によって投稿された情報」となる。また、「第1の情報」内には、閲覧者端末150の撮影モジュール155によって撮影された画像が含まれる。そして、その画像には、表示装置140が表示している広告画像が含まれている。
「広告画像を表示する表示装置140」とは、一般にデジタル・サイネージ(Digital Signage、電子看板)と言われているものであり、詳細については後述する。
そして、第1の情報は、広告画像を撮影した画像であって、その広告画像には表示装置識別情報が埋め込まれていてもよい。画像検出モジュール110は、その画像から、表示装置識別情報を検出する。「画像に情報が埋め込まれている」とは、撮影した画像内から抽出可能な形態であればよい。例えば、後述する
図4に示す例等が該当する。
【0034】
また、画像検出モジュール110は、利用者によって投稿された第1の情報から、表示装置140に表示されている広告画像を一意に識別する広告識別情報を検出するようにしてもよい。
この場合、第1の情報は、広告画像を撮影した画像であって、その広告画像には広告識別情報が埋め込まれていてもよい。画像検出モジュール110は、その画像から、広告識別情報を検出する。
また、第1の情報は、広告画像を撮影した画像であってもよい。この場合、この広告画像には、広告識別情報は埋め込まれていなくてもよい。画像検出モジュール110は、予め定められた広告画像とその画像の一部を比較し、その広告画像の広告識別情報を検出する。「予め定められた広告画像」は複数あり、最近表示装置に表示された画像に限定してもよい。ここでの最近とは、現在から過去方向への期間であって、その長さは予め定められている。また、ここでの広告識別情報の検出は、広告画像そのもののマッチングを利用するものである。コンテンツ記憶装置130内の広告画像Aと閲覧者端末150の撮影モジュール155によって撮影された画像Bの一部とのマッチングを行い、合致する広告画像Aの広告識別情報が検出結果となる。ここでのマッチングは、画像特徴を抽出し、特徴空間内での距離に基づいて判断してもよいし、広告画像Aとの差分を求める方法であってもよい。また、画像B内の一部を抽出するのに、表示装置140のフレームを抽出してもよい。そして、そのフレーム内の画像と広告画像Aとを比較するようにしてもよい。例えば、フレームの抽出として、表示装置140の表示領域の縦横比を予め測定しておき、画像B内からその縦横比の矩形を抽出するようにしてもよい。また、マッチング処理の前に、撮影時の歪みを補正するために、画像B又は画像B内のフレーム内の画像に対して、アフィン変換処理を施してもよい。
【0035】
ユーザ特定モジュール115は、画像検出モジュール110、プロファイリングモジュール120、SNS情報記憶装置170と接続されている。ユーザ特定モジュール115は、画像検出モジュール110によって、表示装置140の表示装置識別情報が検出された画像を投稿した利用者を特定する。利用者は、閲覧者端末150の撮影モジュール155の機能を用いて、表示装置140を撮影したことになる。したがって、この利用者は、今後も表示装置140を見ている可能性が高いので、利用者の興味ある広告画像を表示装置140に表示する。ここでの、利用者の特定は、その画像を含む投稿を行った者をSNS上の会員として特定することである。したがって、その利用者が過去に投稿した情報、利用者が公開しているプロフィール情報を取得することができる。
【0036】
プロファイリングモジュール120は、ユーザ特定モジュール115、コンテンツ表示モジュール125、SNS情報記憶装置170と接続されている。プロファイリングモジュール120は、利用者によって投稿された第1の情報又はその利用者に関する第2の情報から、その利用者の興味に関する情報を抽出する。そして、画像検出モジュール110によって検出された表示装置識別情報と抽出した利用者の興味に関する情報(以下、ジャンルともいう)を対応付ける。
「第1の情報」は、広告画像が含まれている、SNSへの投稿である。「第2の情報」は、そのSNSによって管理されている利用者に関する情報であり、具体的には、投稿した情報、利用者が公開しているプロフィール情報である。第2の情報が投稿した情報である場合は、一般的には、第1の情報は最新の情報であり、第2の情報は第1の情報よりも以前に投稿された情報である。また、プロフィール情報として、具体的には、その利用者の性別、年齢、趣味、住所、所属団体(学校、会社等)等が該当し、この他に、過去の購買履歴、閲覧履歴等を含めてもよい。なお、利用者の興味に関する情報は、既存のいわゆるプロファイリング手法を用いて抽出する。例えば、単語と興味を対応付けた辞書を用意しておき、投稿内の単語を形態素解析等によって抽出し、その辞書を用いて興味を抽出してもよい。
【0037】
コンテンツ表示モジュール105は、画像検出モジュール110、コンテンツ記憶装置130、表示装置140と接続されている。コンテンツ表示モジュール105は、コンテンツ記憶装置130に記憶されている広告画像(コンテンツ)を表示装置140に表示させるために、表示装置140にその広告画像を送信する。そして、コンテンツ表示モジュール105は、広告画像に、その広告画像を表示する表示装置140の識別情報を埋め込む。また、コンテンツ表示モジュール105は、広告画像に、その広告画像の識別情報を埋め込む。この他に日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)情報を広告画像に埋め込んでもよい。また、これらの組み合わせを広告画像に埋め込んでもよい。情報の埋め込みについては、
図4の例を用いて後述する。
【0038】
コンテンツ表示モジュール125は、プロファイリングモジュール120、コンテンツ記憶装置130、表示装置140と接続されている。コンテンツ表示モジュール125は、利用者(投稿者)の興味に関する情報に基づいて、表示装置140に広告画像を表示させるために、表示装置140にその広告画像を送信する。ここで「利用者の興味に関する情報に基づいて」とは、利用者が興味を持つ可能性が高い広告画像を選択することであり、具体的には、予め興味に関する情報と広告画像を対応付けたテーブルを用意しており、そのテーブルを用いて、利用者の興味に関する情報に対応する広告画像を抽出すればよい。
また、コンテンツ表示モジュール125は、広告画像に、その広告画像を表示する表示装置140の識別情報を埋め込むようにしてもよい。また、コンテンツ表示モジュール125は、広告画像に、その広告画像の識別情報を埋め込むようにしてもよい。この他に日時情報を広告画像に埋め込んでもよい。また、これらの組み合わせを広告画像に埋め込んでもよい。情報の埋め込みについては、
図4の例を用いて後述する。また、コンテンツ表示モジュール125は、デジタルサイネージである表示装置140の他に、閲覧者端末150の表示装置に広告画像を表示するようにしてもよい。例えば、閲覧者端末150の利用者がログインしているSNSの画面に、その広告画像を表示するようにしてもよい。
【0039】
コンテンツ記憶装置130は、情報処理装置100のコンテンツ表示モジュール105、コンテンツ表示モジュール125と接続されている。コンテンツ記憶装置130は、広告画像(コンテンツ)を記憶しており、コンテンツ表示モジュール105、コンテンツ表示モジュール125からアクセスされ、その広告画像は表示装置140に送信され、表示され得るものである。データ形式として、例えば、画像(例えば、JPEG等)、HTML(Hyper Text Markup Language)文書等がある。
【0040】
表示装置140は、情報処理装置100のコンテンツ表示モジュール105、コンテンツ表示モジュール125と接続されている。表示装置140は、コンテンツ表示モジュール105又はコンテンツ表示モジュール125から広告画像を受け取って、その広告画像を表示装置に表示することによって、ユーザに提示するものである。なお、ここでのユーザには、閲覧者端末150の所持者が含まれるが、必ず閲覧者端末150の所持者が見る必要はなく、その可能性があれば足りる。表示装置140は、デジタル・サイネージと呼ばれており、表示と通信にデジタル技術を活用してディスプレイ、プロジェクタ等の表示装置によって映像や情報を表示する広告媒体である。表示装置140は、ユーザが見る可能性のある場所であれば、どのような場所に配置されていてもよい。例えば、売店のレジスタの近辺、駅のプラットフォーム等がある。特に、電車内、美容室等のように、ユーザが表示装置140を比較的長く見る環境であるとよい。具体的には、ユーザが表示装置140を見て、SNSに投稿して、その後も表示装置140を見るような環境であれば、本実施の形態によって、そのユーザの興味に沿った広告画像を表示することができる。なお、必ずしも、そのような環境に表示装置140を設置していなくてもよい。例えば、同じユーザが繰り返し(例えば、平日の同じ時刻に)見る可能性があるので、本実施の形態によって、次回、そのユーザが見る際に、そのユーザの興味に沿った広告画像を表示することができるようになる。
【0041】
閲覧者端末150は、SNS情報記憶装置170と接続されている。閲覧者端末150は、利用者によって利用される端末であって、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、電子タブレット等の携帯情報端末である。
撮影モジュール155は、投稿モジュール160と接続されている。撮影モジュール155は、閲覧者端末150に内蔵されているデジタルカメラであり、利用者の操作に応じて、表示装置140を撮影して、表示装置140の画像(表示装置140に表示されている広告画像が含まれている画像)を生成する。
投稿モジュール160は、撮影モジュール155と接続されている。投稿モジュール160は、利用者の操作に応じて、撮影モジュール155によって撮影された画像をSNSに投稿する。
SNS情報記憶装置170は、情報処理装置100の画像検出モジュール110、ユーザ特定モジュール115、プロファイリングモジュール120及び閲覧者端末150と接続されている。SNS情報記憶装置170は、SNSに投稿された情報(撮影モジュール155によって撮影された画像を含む)、SNSの会員に関する情報(第2の情報)を記憶している。
【0042】
図2は、本実施の形態を実現するシステム構成例を示す説明図である。
通信回線290を介して、情報処理装置100、SNS処理装置270、表示装置140a〜140c、閲覧者端末150a〜150gが接続されている。SNS処理装置270はSNS情報記憶装置170を有しており、閲覧者端末150にSNSのサービスを提供する。情報処理装置100は、コンテンツ記憶装置130内の広告画像を表示装置140a〜140cに送信する。通信回線290は、無線、有線、又はこれらの組み合わせである。
表示装置140aの周囲に閲覧者端末150aを所持している閲覧者がいる。表示装置140bの周囲に閲覧者端末150b、閲覧者端末150c、閲覧者端末150dをそれぞれ所持している閲覧者がいる。表示装置140cの周囲に閲覧者端末150e、閲覧者端末150f、閲覧者端末150gをそれぞれ所持している閲覧者がいる。これらの閲覧者のなかには、表示装置140を撮影して、それをSNS処理装置270が提供しているSNSに投稿する者がいる。そして、情報処理装置100は、その表示装置140の画像を投稿した閲覧者の興味を、その閲覧者のSNSからプロファイルし、興味のある広告画像を、その閲覧者が見ている表示装置140に表示させる。
【0043】
図3は、第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、コンテンツ表示モジュール105が、表示装置140にID(IDentification)を付与した広告画像(コンテンツ)を表示する。ここで、広告画像に付与するIDについて、
図4の例を用いて説明する。
図4は、広告画像に埋め込まれる情報(ID)の例を示す説明図である。
図4(a)の例に示す埋込情報400aは、日時領域410、コンテンツID領域420、表示装置ID領域430によって構成されている。表示装置140に表示した日時(日時領域410)、広告画像の識別情報(コンテンツID領域420)、表示装置140の識別情報(表示装置ID領域430)が判別可能なように、埋込情報400aを、表示装置140に表示する。広告画像を表示した日時が2013年9月1日9時00分、広告画像の識別情報が001、表示装置140の端末番号が001であると、次のような例になる。
「201309010900001001」
なお、広告画像に埋め込む方法として、その情報(英数字等)そのものを表示してもよいし、その情報を示すバーコード(2次元バーコード等を含む)等に変換して表示してもよい。また、画像に識別情報を直接埋め込まず、例えば、広告画像から抽出された特徴量と識別情報の組を情報処理装置100に登録していてもよい。より具体的には、予め広告画像から抽出した特徴量と識別情報の組を情報処理装置100内に登録しておき、閲覧者端末150の撮影モジュール155で撮影された広告画像から抽出した特徴量と照合することで、その特徴量に関連付けられた識別情報を特定するようにしてもよい。
なお、もちろんのことながら識別情報を特定した後の処理は、
図4(a)の例に示したものと同等である。
また、広告画像に埋め込む情報として、
図4(a)の例に示した埋込情報400a以外に、以下のものであってもよい。
図4(b)の例に示す埋込情報400bは、コンテンツID領域420によって構成されている。
図4(c)の例に示す埋込情報400cは、表示装置ID領域430によって構成されている。
図4(d)の例に示す埋込情報400dは、コンテンツID領域420、表示装置ID領域430によって構成されている。
また、埋込情報400b、埋込情報400c、埋込情報400dに、それぞれ日時領域410を付加してもよい。
【0044】
ステップS304では、撮影モジュール155が、利用者の操作にしたがって、その広告画像を表示している表示装置140を撮影する。広告画像内にはIDが埋め込まれているので、撮影した画像内にもIDが含まれていることになる。
ステップS306では、投稿モジュール160が、利用者の操作にしたがって、撮影した表示装置140の画像をSNSに投稿する。
ステップS308では、画像検出モジュール110が、SNSに投稿された画像の中からIDが付与された表示装置140の画像を検出する。ステップS302で付与したIDを示す英数字等をパターンマッチング又は文字認識技術等によって広告画像内から検出してもよいし、バーコードでIDを示している場合は、バーコード検出技術によって広告画像からそのIDを示すバーコードを検出すればよい。
【0045】
ステップS310では、ユーザ特定モジュール115が、ユーザを特定する。つまり、ステップS308で検出された画像を投稿したユーザを特定する。例えば、閲覧者AがSNSにステップS304でID(例:201309010900001001)が付与された画像を投稿する。画像検出モジュール110はSNS上の全ての画像に対して画像検索を行う。その画像検索の際に、IDを抽出する方法として数字の文字認識技術を行うと、数字が埋め込まれている画像から数字(201309010900001001)を抜き出す。そして、対象とする数字を検知すると、その画像を投稿した閲覧者Aを特定することができる。
【0046】
ステップS312では、プロファイリングモジュール120が、そのユーザの過去のSNSへの投稿、プロフィール情報から年齢・性別・趣味・興味等をプロファイリングする。
例えば、SNSへの投稿を投稿情報500のように管理している。
図5は、投稿情報500のデータ構造例を示す説明図である。
投稿情報500は、閲覧者AがSNSに投稿した内容として、(1)「北海道へ行きたい」、(2)「講義めんどう」、(3)「このケーキ美味しい」があり、閲覧者BがSNSに投稿した内容として、(1)「しわが気になる」、(2)「この車かっこいい」、(3)「通勤途中で電車が止まった」があり、閲覧者CがSNSに投稿した内容として、(1)「にきびがいやだ」、(2)「野球したいな〜」、(3)「山登りいいかも」があることを示している。
既存のプロファイリング手法を用いると、閲覧者が「講義」や「通学」などが多くつぶやかれていれば大学生なので18歳〜22歳と推定できる。また、化粧やスイーツの話題が多ければ女性と判断することができ、旅行に関するつぶやきが多ければ最近旅行に関心があることが推定できる。
【0047】
また、その投稿内容から年齢や性別、趣味、興味を推定した例を
図6に示す。
図6は、プロファイルテーブル600のデータ構造例を示す説明図である。プロファイルテーブル600は、閲覧者ID欄610、年齢欄620、性別欄630、趣味欄640、興味欄650を有している。
閲覧者ID欄610は、本実施の形態において、閲覧者を一意に識別するための情報(閲覧者ID)を記憶している。年齢欄620以降は、推定した結果を記憶しており、年齢欄620は、その閲覧者の年齢を記憶している。性別欄630は、その閲覧者の性別を記憶している。趣味欄640は、その閲覧者の趣味を記憶している。興味欄650は、その閲覧者の興味を記憶している。
プロファイルテーブル600は、投稿情報500より、閲覧者Aのプロファイルとして、年齢「18〜22」、性別「女性」、趣味「旅行」、興味「旅行」を推定したことを示しており、閲覧者Bのプロファイルとして、年齢「30代」、性別「男性」、趣味「車」、興味「車」を推定したことを示しており、閲覧者Cのプロファイルとして、年齢「10代」、性別「男性」、趣味「野球」、興味「登山、野球」を推定したことを示している。
【0048】
ステップS314では、コンテンツ表示モジュール125が、閲覧者(ユーザ)の興味のあるコンテンツを選択し、表示装置140に表示する。つまり、プロファイリング結果から閲覧者の興味に沿ったコンテンツを選択して表示する。
表示装置140に配信するコンテンツ(広告画像)のジャンルが複数ある場合、閲覧者の趣向に合わせたものを中心に配信内容を変更するようにしてもよい。ジャンルとして、例えば、男性向け、女性向け、食べ物、旅行等がある。
具体的には、表示装置140に配信するコンテンツをコンテンツテーブル700で管理する。
図7は、コンテンツテーブル700のデータ構造例を示す説明図である。コンテンツテーブル700は、コンテンツ番号欄710、コンテンツ内容欄720、コンテンツファイル欄730を有している。コンテンツ番号欄710は、コンテンツIDを記憶している。コンテンツ内容欄720は、コンテンツのジャンルを示しているコンテンツ内容を記憶している。コンテンツファイル欄730は、コンテンツファイル(広告画像)を記憶している。
例えば、閲覧者Aがコンテンツ001を撮影して投稿し、SNSから最近旅行に興味があることが推定できると、コンテンツ002、コンテンツ003を配信する。
また、表示しているコンテンツと同じジャンルを閲覧者の興味として推定した場合は、既に表示しているコンテンツとは異なるコンテンツを選択して、表示装置140に配信するようにしてもよい。
また、撮影した画像内から広告画像の面積割合を算出し、その面積が予め定められた閾値以上又はより大きい場合は、広告画像のジャンルを閲覧者の興味として含めてもよい。広告画像の面積は、前述したように、表示装置140のフレームを抽出して算出すればよい。
また、閲覧者のプロファイルが判明するのでターゲティング広告を行うようにしてもよい。
さらに、コンテンツ毎に撮影した閲覧者のプロファイルが蓄積されるので、マーケティング情報に活用してもよい。
【0049】
図8は、第2の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
第2の実施の形態では、閲覧者端末150は、表示装置140を撮影することなく、投稿を行う。ただし、投稿には位置検知モジュール855が検知した位置情報(閲覧者端末150の位置を示す位置情報)が含まれている。情報処理装置100は、閲覧者端末150の近辺にある表示装置140に、閲覧者端末150の利用者の興味ある広告画像を表示する。
【0050】
情報処理装置100は、コンテンツ表示モジュール805、対象位置投稿検出モジュール810、ユーザ特定モジュール115、プロファイリングモジュール120、コンテンツ表示モジュール125を有している。
閲覧者端末150は、位置検知モジュール855、投稿モジュール160を有している。ユーザ特定モジュール115は、対象位置投稿検出モジュール810、プロファイリングモジュール120、SNS情報記憶装置170と接続されている。コンテンツ記憶装置130は、情報処理装置100のコンテンツ表示モジュール805、コンテンツ表示モジュール125と接続されている。表示装置140は、情報処理装置100のコンテンツ表示モジュール805、コンテンツ表示モジュール125と接続されている。SNS情報記憶装置170は、情報処理装置100の対象位置投稿検出モジュール810、ユーザ特定モジュール115、プロファイリングモジュール120及び閲覧者端末150と接続されている。
【0051】
位置検知モジュール855は、例えば、GPS(Global Positioning System(汎地球測位システム))、又は携帯電話網に用いられている基地局等を用いて、閲覧者端末150の位置を検知し、位置情報を投稿モジュール160に渡す。そして、投稿モジュール160は、SNSへの投稿に、位置検知モジュール855が検知した位置情報を含ませる。投稿の内容そのものに、位置情報を含ませるようにしてもよいし、投稿の属性として位置情報を含ませるようにしてもよい。投稿の内容そのものに含ませる位置情報としては、例えば、「○○(位置を特定できる名称)で記載された情報」等のようなものがある。位置情報として、例えば、緯度情報と経度情報、位置を特定できる名称等がある。
【0052】
コンテンツ表示モジュール805は、対象位置投稿検出モジュール810、コンテンツ記憶装置130、表示装置140と接続されている。
図1の例に示したコンテンツ表示モジュール105と同等の処理を行うが、広告画像に表示装置識別情報又は広告識別情報を埋め込む必要はない。つまり、コンテンツ記憶装置130内の広告画像そのものを、表示装置140に表示させるために、表示装置140に送信する。
対象位置投稿検出モジュール810は、コンテンツ表示モジュール805、ユーザ特定モジュール115、SNS情報記憶装置170と接続されている。対象位置投稿検出モジュール810は、利用者によって投稿された第1の情報から、広告画像を表示する表示装置140を一意に識別する表示装置識別情報を検出する。第1の情報には、投稿に用いられた投稿装置の位置を示す位置情報が含まれている。対象位置投稿検出モジュール810は、位置情報に対応する表示装置識別情報を検出する。「投稿に用いられた投稿装置」とは、閲覧者端末150である。閲覧者端末150に内蔵されている位置検知モジュール855が検知した位置情報を用いる。そして、閲覧者端末150の位置から予め定められた範囲内にある表示装置140を抽出すればよい。例えば、表示装置140の位置は、表示装置・位置テーブル1000のように管理されている。
図10は、表示装置・位置テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。表示装置・位置テーブル1000は、表示装置ID欄1010、緯度欄1020、経度欄1030を有している。表示装置ID欄1010は、本実施の形態において、表示装置140を一意に識別するための情報(表示装置ID)を記憶している。緯度欄1020は、その表示装置140が設置されている位置の緯度を記憶している。経度欄1030は、その表示装置140が設置されている位置の経度を記憶している。閲覧者端末150の位置から予め定められた範囲内にある表示装置140を、表示装置・位置テーブル1000の緯度欄1020、経度欄1030を用いて検索すればよい。
【0053】
また、対象位置投稿検出モジュール810は、位置情報に対応する表示装置140に表示された広告画像の広告識別情報を検出するようにしてもよい。例えば、表示装置140に表示した広告画像を画像・表示装置テーブル1100を用いて管理する。
図11は、画像・表示装置テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。画像・表示装置テーブル1100は、画像ID欄1110、表示装置ID欄1120、表示日時欄1130を有している。画像ID欄1110は、本実施の形態において、広告画像を一意に識別するための情報(画像ID)を記憶している。表示装置ID欄1120は、表示装置IDを記憶している。表示日時欄1130は、画像ID欄1110の画像を表示装置ID欄1120の表示装置140に表示している日時を記憶している。また、ここでの日時は、期間(例えば、表示開始日時と表示終了日時)であってもよい。前述したように、閲覧者端末150の位置情報から表示装置140を特定する。そして、位置検知モジュール855が位置を検知した日時(又は投稿が行われた日時であってもよい)に、その表示装置140に表示されていた広告画像を、画像・表示装置テーブル1100を用いて特定する。
ユーザ特定モジュール115、プロファイリングモジュール120、コンテンツ表示モジュール125は、対象位置投稿検出モジュール810によって検出された表示装置140(又は表示装置140に表示されている広告画像)に基づいて、第1の実施の形態と同等の処理を行う。
【0054】
図9は、第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS902では、コンテンツ表示モジュール805が、表示装置140にコンテンツ(広告画像)を表示する。
ステップS904では、投稿モジュール160が、利用者の操作にしたがって、SNSに投稿する。なお、この投稿には、位置検知モジュール855が検知した閲覧者端末150の位置情報が含まれている。
ステップS906では、対象位置投稿検出モジュール810が、SNSに投稿された情報の中から表示装置140の位置で投稿されたものを検出する。
ステップS908では、ユーザ特定モジュール115が、ユーザを特定する。
ステップS910では、プロファイリングモジュール120が、そのユーザの過去のSNSへの投稿、プロフィール情報から年齢・性別・趣味・興味等をプロファイリングする。
ステップS912では、コンテンツ表示モジュール125が、閲覧者(ユーザ)の興味のあるコンテンツを選択し、表示装置140に表示する。
【0055】
前述の第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせてもよい。例えば、閲覧者端末150は、表示装置140の撮影を行い、閲覧者端末150の位置を検知し、その画像内に位置情報を埋め込んで、SNSに投稿を行うようにしてもよい。そして、情報処理装置100では、閲覧者端末150の近辺にある表示装置140を特定した後に、画像内から埋め込まれた情報を検出するようにしてもよい。つまり、位置情報で表示装置140に限定をかけて、画像に埋め込まれた情報の検出処理を少なくするようにしてもよい。
【0056】
なお、本実施の形態(情報処理装置100又は閲覧者端末150)としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図12に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバ又は携帯端末となり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1201を用い、記憶装置としてRAM1202、ROM1203、HD1204を用いている。HD1204として、例えばハードディスクを用いてもよい。コンテンツ表示モジュール105、画像検出モジュール110、ユーザ特定モジュール115、プロファイリングモジュール120、コンテンツ表示モジュール125、撮影モジュール155、投稿モジュール160等のプログラムを実行するCPU1201と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1202と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1203と、補助記憶装置(フラッシュメモリ等であってもよい)であるHD1204と、キーボード、マウス、タッチパネル等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付ける受付装置1206と、CRT、液晶ディスプレイ等の出力装置1205と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1207、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1208により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0057】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図12に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図12に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに
図12に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、情報家電、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0058】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。