(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記入用紙のサイズ又は該記入用紙の識別情報に対応付けられた前記記入用紙の種別を示す種別情報と、前記撮像部により撮像された記入用紙の画像と、に基づき前記記入用紙の種別を判断する判断部を更に備え、
前記表示制御部は、前記判断された記入用紙の種別に対応する支援情報を表示させる、請求項7記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、前記支援情報を、前記載置台上の前記決定された表示位置に表示しきれないと判断した場合、前記支援情報の一部又は全部を、前記載置台上の他の領域に表示させる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記無人取引システムでは、顧客の記入動作をオペレータが常に監視していなければならない。また、上記無人取引システムでは、誤りが発見された場合にガイダンスが行なわれるため、誤りを未然に防ぐことは出来ない。
【0006】
このような顧客の誤りを未然に防ぐために、説明書きや記入例を示す見本が記帳台に掲示されている。しかし、掲示されている見本や説明の位置を顧客が任意に移動させることが出来ないため、見やすい位置に見本等を置くことが出来ない。また、記帳台上の透明カバーに見本が挟まれていると、見本と記入用紙を重ねて記入せざるを得ない場合もあり、顧客は見本を参照しながら記入することが出来ない。また、1台の記帳台で数名の顧客が記入する場合もあるが、見本等が人数分用意されておらず、不便であった。また、紙に印字された見本では、印字内容が古いため見本の記載内容が実際の記入用紙と異なる場合があり顧客には不便であった。
【0007】
このように、記帳台において顧客が見本や説明を十分に参照することが出来ず、記入用紙の選択や記入事項の誤りが発生するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、顧客への支援情報を顧客が見やすい位置に表示させ、記帳台(記入用紙が載置される載置台)の利便性を向上させることが可能な、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、記入用紙が載置される載置台と、第1のセンサによる検出値に基づき、前記載置台上の前記記入用紙の位置を出力する用紙位置出力部と、第2のセンサによる検出値に基づき、顧客が把持している筆記具の状態を出力する筆記具状態出力部と、前記記入用紙の位置に対する前記筆記具の状態に基づき、
前記記入用紙の位置に対して前記筆記具の位置とは反対側の載置台の領域に、前記顧客が前記記入用紙に記入する際の支援情報の表示位置を決定する表示制御部と、を備える、表示制御装置が提供される。
【0010】
また、前前記表示制御部は、前記記入用紙の位置に対して前記筆記具の位置とは反対側の載置台の領域に、前記支援情報を表示させてもよい。
【0011】
また、前記筆記具状態出力部は、前記筆記具の状態として、前記筆記具の前記載置台上の位置を出力してもよい。
【0012】
また、前記筆記具状態出力部は、前記筆記具の状態として、前記筆記具の傾きを出力してもよい。
【0013】
また、前記第1のセンサとして前記載置台を撮像する撮像部を有し、前記筆記具状態出力部は、前記撮像部により撮像された画像のうち筆記具のペン先側の画像から、前記筆記具の傾きを出力してもよい。
【0014】
また、前記筆記具状態出力部は、前記筆記具の状態として、前記筆記具の移動軌跡を算出し、前記表示制御部は、前記算出された筆記具の移動軌跡に基づき、支援情報の表示位置を決定してもよい。
【0015】
また、前記第2のセンサは、前記筆記具から発振される超音波又は赤外線の少なくともいずれかを検知してもよい。
【0018】
また、前記第1のセンサとして前記載置台を撮像する撮像部を有し、前記用紙位置出力部は、前記撮像部により撮像された画像に基づき、前記載置台上の前記記入用紙の位置を算出してもよい。
【0019】
また、前記記入用紙のサイズ又は該記入用紙の識別情報に対応付けられた前記記入用紙の種別を示す種別情報と、前記撮像部により撮像された記入用紙の画像と、に基づき前記記入用紙の種別を判断する判断部を更に備え、前記表示制御部は、前記判断された記入用紙の種別に対応する支援情報を表示させてもよい。
【0020】
また、前記用紙位置出力部は、前記記入用紙の位置を繰り返し算出し、前記表示制御部は、前記算出された記入用紙の位置の変化に応じて前記支援情報の表示位置を変更更してもよい。
【0021】
また、前記表示制御部は、更新された支援情報を表示させてもよい。
【0022】
また、前記表示制御部は、縮小、分割又はスクロールの少なくともいずれかの表示方法を用いて前記支援情報を表示させてもよい。
【0023】
また、前記表示制御部は、前記支援情報を、前記載置台上の前記決定された表示位置に表示しきれないと判断した場合、前記支援情報の一部又は全部を、前記載置台上の他の領域に表示させてもよい。
【0024】
また、前記表示制御部は、前記支援情報として、前記顧客が前記記入用紙に記入する際の見本情報又はヘルプ情報の少なくともいずれかを表示させてもよい。
【0025】
また、前記表示制御部は、前記記入用紙内の記入を禁止する欄に、記入を禁止することを示すヘルプ情報を表示させてもよい。
【0026】
また、前記載置台に設けられたスクリーンに情報を投影するプロジェクタを更に備え、前記表示制御部は、前記プロジェクタを用いて前記スクリーンに前記支援情報を表示させてもよい。
【0027】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1のセンサによる検出値に基づき、記入用紙が載置される載置台上の前記記入用紙の位置を出力するステップと、第2のセンサによる検出値に基づき、顧客が把持している筆記具の状態を出力するステップと、前記記入用紙の位置に対する前記筆記具の状態に基づき、
前記記入用紙の位置に対して前記筆記具の位置とは反対側の載置台の領域に、前記顧客が前記記入用紙に記入する際の支援情報の表示位置を決定するステップと、を含む、表示制御方法が提供される。
【0028】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1のセンサによる検出値に基づき、記入用紙が載置される載置台上の前記記入用紙の位置を出力する処理と、第2のセンサによる検出値に基づき、顧客が把持している筆記具の状態を出力する処理と、前記出力された記入用紙の位置に対する前記出力された筆記具の状態に基づき、
前記記入用紙の位置に対して前記筆記具の位置とは反対側の載置台の領域に、前記顧客が前記記入用紙に記入する際の支援情報の表示位置を決定する処理と、をコンピュータに実行させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によれば、顧客への支援情報を顧客が見やすい位置に表示させ、記帳台の利便性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0032】
本明細書において、本発明の表示制御装置の一例として記帳台装置を用いる。また、本発明の筆記具の一例としてデジタルペン200を用いる。また、記入用紙300の一例として金融機関で扱われる帳票である払戻申込用紙を用いる。また、本発明の第1のセンサとして有する撮像部の一例として赤外線カメラ101を用いる。また、本発明の筆記具状態算出部の一例としてペン状態算出部1211を用いる。
【0033】
<1.第1の実施形態>
[1−1.記帳システムの概略]
まず、
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る記帳システムの全体概略について説明する。
図1に示すように、記帳台装置100は、載置台110、赤外線カメラ101、プロジェクタ103、超音波受信部111、制御パソコン120を有する。制御パソコン120は、通信回路400を介して社内情報システム410と接続されている。なお、
図1に示す各構成の配置は一例である。例えば、赤外線カメラ101は、載置台110を撮像できるように配置されていればよい。また、プロジェクタ103は載置台110に情報を投影できるように配置されていればよい。さらに、載置台110には、記入用紙300と、デジタルペン200とが置かれている。以下、
図1に示す各構成について説明する。
【0034】
載置台110は、プロジェクタ103により情報が投影される、載置台110と一体化された(図示しない)スクリーンを有する。赤外線カメラ101は、載置台110の下方から載置台110を透過して撮像する。プロジェクタ103は、載置台110が有するスクリーンに情報を投影する(
図2参照)。デジタルペン200は、筆記可能とする筆記部と、超音波を発振する発振部とを備える。超音波受信部111は、デジタルペン200から発振される超音波を受信する。制御パソコン120は、載置台110に投影する支援情報の表示位置を決定する制御を行なう。制御パソコン120は、顧客が記入用紙300に記入する際の支援情報の表示位置を制御する機器の一例である。社内情報システム410は、載置台110に表示する支援情報や、後述する識別情報などを格納するホストコンピュータを含むシステムである。
【0035】
なお、デジタルペン200の発振部は、超音波に限られず、赤外線を発振してもよい。デジタルペン200の発振部から超音波及び赤外線が発振される場合は、これに応じて、超音波受信部111及び赤外線受光部が必要である。また、デジタルペン200の筆記部は、例えばボールペンであり、インクを吐出して記入用紙300への筆記を可能とする。
【0036】
このような記帳システムにおいて、制御パソコン120は、赤外線カメラ101で撮像した載置台110の画像や、超音波受信部111で検出したデジタルペン200の位置に基づき、載置台110上の顧客が見やすい位置に、プロジェクタ103で支援情報を投影させる。これにより、顧客は、記帳台装置100の載置台110上で記帳する際に、載置台110に投影された支援情報を参照することができる。
【0037】
なお、赤外線カメラ101は、載置台110を撮像する撮像部に相当し、載置台上の記入用紙300の位置を算出するための第1のセンサの一例である。また、超音波受信部111は、筆記具から発振される超音波又は赤外線の少なくともいずれかを検知する第2のセンサの一例である。
【0038】
[1−2.記帳台装置の主要部品の配置の一例]
次に、
図2を参照して記帳台装置100の主要部品の配置の一例を説明する。
図2に示すように、記帳台装置100は箱形状を呈し、上部には超音波受信部111を備えた載置台110が配設されている。載置台110は、光透過性を有する部材から成り、前述したように、情報が投影されるスクリーンを備える。
図2では、これらを一体とした光透過体として載置台110を示す。
【0039】
さらに、記帳台装置100の内部には、載置台110を撮像する赤外線カメラ101と、載置台110に情報を投影するプロジェクタ103が配設されている。また、記帳台装置100の内部の四隅には、赤外線を発光する赤外線発光部102が配設されている。
【0040】
図1に示し、
図2に図示していない構成及びその他の構成については、光学系としての赤外線カメラ101及びプロジェクタ103に影響を及ぼさない箇所に配設されることが好ましい。
【0041】
載置台110の領域500は、プロジェクタ103により支援情報を投影可能な領域であるが、本実施形態はこれに限られない。例えば、プロジェクタ103の配置や性能により、載置台110上の領域であればどこにでも支援情報を投影可能である。
【0042】
以上、
図2を用いて本実施形態に係る記帳台装置の主要部品の配置について説明したが、
図2に示す配置は一例であって、本実施形態はこれに限られない。例えば、超音波受信部111は、デジタルペン200の超音波を受信できる箇所であればどこに配置されてもよい。
【0043】
[1−3.記帳台装置の構成]
次に、
図3を参照して、記帳台装置100の主要な構成について説明する。
図3のブロック図に示すように、記帳台装置100は、載置台110、赤外線カメラ101、赤外線発光部102、プロジェクタ103、超音波受信部111、制御部121、HDD(Hard Disk Drive)122、通信部123を有する。なお、制御部121、HDD122及び通信部123は、記帳台装置100が備える制御パソコン120の構成としてもよい。
【0044】
図4に示したように、制御部121は、用紙位置算出部1210、ペン状態算出部1211、認識部1212、表示制御部1213、判断部1214の各ブロックにて示した機能構成を有する。用紙位置算出部1210は、赤外線カメラ101により載置台110を透過して撮像した画像に基づき、載置台110上の記入用紙300の位置を算出する。具体的な算出方法の一例としては、用紙位置算出部1210は、載置台110の左上を(0.0)、右下を(1024.768)とする座標を基準として、赤外線カメラ101により撮像した画像から、載置台110上の記入用紙300の位置座標を算出する。また、記入用紙300の裏のマーカの種別、大きさ、位置、傾きなどから、記入用紙300の位置を算出してもよい。
【0045】
ペン状態算出部1211は、デジタルペン200から発振される超音波を受信した超音波受信部111による検出値に基づき、デジタルペン200の位置や傾きやペン先の移動軌跡等の、顧客が把持しているデジタルペン200の状態を算出する。なお、ペン状態算出部1211は、第2のセンサによる検出値に基づき、顧客が把持している筆記具の状態を算出する筆記具状態算出部の一例である。筆記具状態算出部は、ペンのみならず、筆など一般的な筆記具の状態を算出可能である。
【0046】
認識部1212は、用紙位置算出部1210で算出された記入用紙の位置に対する、ペン状態算出部1211で算出されたデジタルペン200の状態に基づき、載置台110上の顧客の利き手を認識する。認識部1212による顧客の利き手の認識についての詳細は、[1−4.記帳台装置の動作]で述べる。
【0047】
表示制御部1213は、認識部1212により認識された利き手に基づき、支援情報の表示位置を決定する。表示制御部1213は、決定した表示位置に所定の支援情報を表示させるよう、プロジェクタ103を制御する。ここで、支援情報とは、ヘルプ情報や見本など、顧客が記入用紙に所定事項を記入する際に記入を支援するための情報である。所定の支援情報とは、例えば、後述する判断部1214で判断された記入用紙の種別が複数ある場合には、種別に対応した支援情報である。
【0048】
表示制御部1213は、ヘルプ情報として、ヘルプボタンのみを表示させ、ヘルプ情報表示の指示を検知した場合にヘルプ内容を表示させてもよい。ヘルプ情報表示の指示の検知とは、例えば、超音波受信部111による検出値や赤外線カメラ101で撮像した画像に基づいたデジタルペン200の位置が、ヘルプボタンの表示位置と重複した場合に、ヘルプ情報表示の指示を検知してもよい。
【0049】
また、表示制御部1213は、ヘルプ情報として、記入用紙内の記入を禁止する欄に、記入を禁止することを示す情報を表示してよい。例えば、記入禁止の文字を所定の禁止欄に投影させたり、禁止欄のみ赤く照射(赤い画像を投影)させたりしてもよい。記入用紙内の記入を禁止する欄の判断は、記入用紙の種別に応じた記入禁止欄の情報を社内情報システム410から取得し、撮像した記入用紙の撮像データから該当する欄の位置を判断してもよい。なお、表示制御部1213による表示制御の詳細は、[1−4.記帳台装置の動作]で述べる。
【0050】
判断部1214は、記入用紙のサイズ又は記入用紙の識別情報に対応付けられた記入用紙の種別を示す種別情報と、赤外線カメラ101により撮像された記入用紙の画像と、に基づき、記入用紙の種別を判断する。判断部1214による種別判断の詳細は、[1−4.記帳台装置の動作]で述べる。
【0051】
[1−4.記帳台装置の動作]
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る記帳台装置100の動作処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る記帳台装置100の動作処理を示すタイムチャートである。
【0052】
図5において、まず、顧客が特定の記入用紙300を選び、載置台110に記入用紙300を置く(ステップ1.1)。この際、プロジェクタ103は、載置台110上に予めスタート画像を表示していてもよい。スタート画像の一例を、
図6に示す。
図6に示すスタート画像は載置台上に表示され、記入用紙300の一例である帳票の配置場所を示す矢印及び「帳票」の文字を含んだ表示部分600と、デジタルペン200の配置場所を示す矢印及び「ペン」の文字を含んだ表示部分601と、顧客に動作を促すための文字を含んだ表示部分602を含む。これにより、顧客は、表示部分602の指示(「ペンを取り、記入する帳票を置いてください」)に従い、記入用紙300を載置台110に置き、デジタルペンを把持する(ステップ1.2)。
【0053】
次いで、赤外線カメラ101が記入用紙300の裏面を撮像する(ステップ2.1)。
図2に示したように、赤外線カメラ101は載置台110の下方に配置され、載置台110に載置された記入用紙300の裏面を撮像することができる。赤外線カメラ101で撮像された画像は、制御パソコン120に送られる(ステップ2.2)。
【0054】
次いで、制御パソコン120の判断部1214では、送られた画像に基づき記入用紙の種別を判断する(ステップ2.3)。具体的には、判断部1214は、記入用紙のサイズ又は記入用紙の識別情報に対応付けられた記入用紙の種別を示す種別情報と、赤外線カメラ101により撮像された記入用紙の画像とに基づき、記入用紙の種別を判断する。
【0055】
種別情報が記入用紙のサイズに対応付けられて記憶領域に記憶されている場合には、撮像した画像から記入用紙の大きさを判定し、種別情報から、判定された記入用紙の大きさに対応する記入用紙の種別を判断する。
図7Aに示した記入用紙300の大きさ(サイズ)がA4縦の場合、
図8から、
図7Aに示す記入用紙の種別は「払戻申込用紙」と判断される。
【0056】
種別情報が記入用紙の識別情報に対応付けて記憶領域に記憶されている場合の記入用紙300の種別判断について
図7A、
図7B及び
図8を参照して説明する。なお、記入用紙の識別情報は、マーカ、バーコードなどの図形や、文字であってもよい。
図7Aは、赤外線カメラ101で記入用紙の裏面を撮像した画像の一例である。本実施形態に係る赤外線カメラ101は、上述したように、載置台110を透過して記入用紙300の裏面を撮像する。判断部1214は、記入用紙300の裏面のマーカ710と、
図7Bに示す種別情報に基づき、用紙の種別を判断する。
図7Aに示した記入用紙の識別情報(マーカ710)の場合、
図7Bから
図7Aに示す記入用紙の種別は、「払戻申込用紙」と判断される。
【0057】
種別情報は、HDD122に格納されていてもよいし、社内システム400に含まれるホストコンピュータに格納されていてもよい。種別情報がホストコンピュータに格納されている場合は、判断部1214は、送られた画像から記入用紙のサイズ情報又は識別情報を取得し、取得した情報を通信部123を介してホストコンピュータに送信し、該送信した情報に対応する種別情報をホストコンピュータから受信してもよい。
【0058】
以上に説明したように、記入用紙の裏面情報から記入用紙の種別を判断した後(
図5のステップ2.3)、制御パソコン120は、記入用紙の種別に対応する支援情報を社内情報システム400から取得する(ステップ2.4)。ここで、社内情報システム400では、支援情報が最新の状態に管理されているため(更新管理)、制御パソコン120は、更新された支援情報を社内情報システム400から取得できる。これにより、記帳台装置100は、記入用紙への支援情報を最新の状態で表示することができる。
【0059】
一方、顧客はデジタルペン200を把持して操作する(ステップ3.1)。顧客が把持するデジタルペン200からは、超音波が発振される。超音波センサ111は、デジタルペン200から発振される超音波を検出する(ステップ3.2)。
【0060】
次いで、超音波センサ110は、超音波の検出値を制御パソコン120に送る(ステップ3.3)。制御パソコン120のペン状態算出部1211は、超音波センサ110から受け取った検出値に基づき、載置台110上のデジタルペン200の位置を算出する。
【0061】
なお、本実施形態では、デジタルペン200から発振される超音波の検出値に基づいてデジタルペン200の位置を算出するが、本実施形態はこれに限られない。例えば、デジタルペン200から赤外線(光)と超音波(音)が同時に発振され、記帳台装置が備える距離センサ及び2つの超音波センサを用い、デジタルペン200からの赤外線を距離センサが受取ってから、2つの超音波センサがそれぞれ超音波を受取るまでの時間から、デジタルペン200の位置を算出してもよい。
【0062】
次いで、制御パソコン120の認識部1212は、記入用紙300の位置に対するデジタルペン200の位置に基づき、顧客の利き手を認識する(ステップ3.4)。デジタルペン200の位置は、上述したようにペン状態算出部1211により算出される。また、記入用紙300の位置は、用紙位置算出部1210により算出される。
【0063】
ここで、認識部1212による利き手認識について説明する。例えば、認識部1212は、顧客が把持するデジタルペン200の位置が、記入用紙の位置よりも右側にあれば右利き、左側にあれば左利きと認識する。具体的には、載置台110の左上を(0.0)、右下を(1024.768)とする座標を基準として、載置台110上の記入用紙300のx座標と、デジタルペン200のx座標とを比較し、顧客の利き手を認識する。ここでx軸は、載置台110の横方向の軸をいう。
【0064】
例えば、記入用紙300の左上を起点とし、かかる起点のx座標に記入用紙の横幅を足した数値よりも、デジタルペン200のx座標が大きい場合は、右利きと認識する。また、記入用紙300の左上を起点とし、かかる起点のx座標よりもデジタルペン200のx座標が小さい場合は、左利きと認識する。なお、記入用紙300の起点は任意に設定できる。起点のx座標に足す記入用紙の横幅の数値は、判断部1214で判断された記入用紙の種別に基づいてもよく、用紙位置算出部1210により、記入用紙300の左上の座標と右上の座標とから算出してもよい。
【0065】
次いで、表示制御部1213は、認識部1212により認識された利き手に基づき、支援情報の表示位置を、顧客が見えやすい位置に決定する(ステップ3.5)。例えば、表示制御部1213は、記入用紙300の位置に対して、認識部1212により認識された利き手の位置とは反対側の載置台110の領域に、支援情報を表示する。
【0066】
具体的には、
図9に示すように、顧客の利き手が右利きと認識された場合は、記入用紙300の左側の領域801(少なくとも領域800と記入用紙300が載置された領域以外の領域)の内部に、支援情報(見本情報603、ヘルプ情報604)を表示する。また、
図10に示すように、顧客の利き手が左利きと認識された場合は、記入用紙300の右側の領域811(少なくとも領域810と記入用紙300が載置された領域以外の領域)の内部に支援情報を表示する。
【0067】
次いで、表示制御部1213で決定された表示位置に支援情報を表示するよう、プロジェクタ103に照射指示が送られる(ステップ4.1)。表示制御部1213が命令を受けたプロジェクタ103は、載置台110が有するスクリーンに、支援情報を投影する(ステップ4.2)。
【0068】
次いで、顧客は載置台110上で支援情報を参照しながら記入用紙300へ所定事項を記入する(ステップ5)。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、顧客の利き手を考慮して利き手が位置しないと予測される側に、記入用紙の見本等の支援情報を表示する。この結果、支援情報の表示がペンを持つ利き手により遮られない。このため、顧客は支援情報を見ながら記入例に従い、ミスなく迅速に記入用紙に所定事項を記入することができる。また、表示される支援情報は更新されたものであるため、顧客は最新の支援情報を見ながら記入用紙に所定事項を記入することができる。
【0070】
<2.第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る記帳台装置の表示制御について
図11を参照して説明する。本実施形態では、記帳台装置の用紙位置算出部1210は、記入用紙300の位置を繰り返し算出する。用紙位置算出部1210が繰り返し算出するタイミングは任意の所定の間隔でもよい。
【0071】
用紙位置算出部1210が記入用紙300の位置を繰り返し算出することにより、表示制御部1213は、記入用紙300の位置の経時的変化を把握する。表示制御部1213は、記入用紙300の位置の変化に応じて支援情報の表示位置を変更する。
【0072】
例えば
図11の上側に示した記入用紙300が、下側に示したように右から左へ移動すると、表示制御部1213は、その位置の経時的変化に基づき、見本情報603の表示位置を右から左に変更する。これによって、記入用紙300が移動しても、支援情報を見やすい位置に表示することにより、顧客はミスなく記入用紙300に必要な事項を記入する環境を維持することができる。
【0073】
<3.第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る記帳台装置の表示制御について
図12及び
図13を参照して説明する。
【0074】
本実施形態に係る表示制御部1213は、縮小、分割又はスクロールの少なくともいずれかの表示方法を用いて、支援情報を表示させる。例えば、
図12に示すように、見本を画像606と画像607に分割して表示することができる。
【0075】
このような表示制御部1213による縮小、分割、スクロール表示制御は、利き手と反対側の領域の広さと、表示すべき支援情報の量とに応じて制御される。
【0076】
また、本実施形態に係る表示制御部1213は、利き手と反対側の領域に、表示すべき支援情報が表示しきれない場合は、その支援情報の一部又は全部を、載置台110上の他の領域に表示させることができる。例えば、
図13に示すように、顧客の利き手が右利きと判断された場合は、表示制御部1213は、記入用紙300の左側の領域に支援情報を表示させるよう制御するが、ヘルプ情報604しか表示出来ない場合は、見本情報603のみ、又は、ヘルプ情報604と見本情報603の両方を記入用紙300の右側の領域に表示させることができる。このとき、表示制御部1213は、赤外線カメラ110で撮像した画像に基づき、載置台110を透過して撮像された顧客の利き手を判断し、支援情報を、利き手を避けて利き手側の領域に表示させることもできる。
【0077】
<4.第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について
図14及び
図15を参照して説明する。上述した第1の実施形態では、認識部1212による顧客の利き手の認識を、記入用紙300の位置に対するデジタルペン200の位置で判断しているが、本実施形態では、デジタルペン200の位置以外の同ペン200の状態に基づき、顧客の利き手を認識する。
【0078】
例えば、認識部1212は、
図14に示すように、デジタルペン200の移動軌跡212に基づいて顧客の利き手を認識する。つまり、ペン状態算出部1211により、デジタルペン200の移動軌跡212を算出し、用紙位置算出部1210により算出された記入用紙300の位置に対するデジタルペン200の移動軌跡212に基づき、顧客の利き手が判断される。具体的には、例えば、
図14のようにx軸に対して右側方向から左側方向にデジタルペン200が移動した場合は、右利きと認識し、x軸に対して左側方向から右側方向にデジタルペン200が移動した場合は、左利きと認識する。
【0079】
また、認識部1212は、
図15に示すように、記入用紙300に対するデジタルペン200の傾きに基づいて顧客の利き手を認識することができる。かかるデジタルペン200の傾きは、記入用紙300の任意の所定の軸に対する傾きθである。
図15では、記入用紙300の長手方向(縦方向)を軸Oとしたときのその軸Oとペン200とのなす角を傾きθとしている。
【0080】
上記デジタルペン200の傾きは、ペン状態算出部1211により算出される。ペン状態算出部1211は、顧客が把持するデジタルペン200から発振される超音波を受信する超音波受信部111による検出値に基づき、顧客が把持しているデジタルペン200の状態を算出してもよい。
【0081】
また、ペン状態算出部1211は、赤外線カメラ101が載置台110を透過して撮像したデジタルペン200のペン先側の画像に基づいて、デジタルペン200の傾きを算出してもよい。この場合、ペン状態算出部1211は、赤外線線カメラ101が撮像した画像と、予めシステム400やHDD122に登録されているデジタルペン200のペン先側の画像とを比較して、撮像した画像からペン先側の画像の傾きを算出してもよい。
【0082】
認識部1212は、このように算出した記入用紙300の任意の所定の軸に対するデジタルペン200の傾きθに基づき、顧客の利き手を認識する。例えば、認識部1212は、軸Oとデジタルペン200とのなす角(傾きθ)の符号の正負により、右利き又は左利きを判断してもよい。傾きθと対応する利き手についての情報は、HDDやホストコンピュータから取得してもよいし、算出した傾きθをホストコンピュータに送信し、対応する利き手の情報をホストコンピュータから受信してもよい。
【0083】
<5.第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について
図16を参照して説明する。上述した第1の実施形態では、認識部1212による顧客の利き手の認識を、記入用紙300の位置に対するデジタルペン200の位置で判断しているが、本実施形態では、記入用紙300の傾きθに基づいて、顧客の利き手を認識する。具体的には、認識部1212は、
図16に示すように、載置台110の顧客に対向する載置台110の縁部Rに対する、記入用紙300の傾きθ’に基づいて、顧客の利き手を認識する。
図16に示すように記入用紙300が左に傾いていれば右利きと判断し、右に傾いていれば左利きと判断する。記入用紙300が左右いずれの方向に傾いているかについては、まず、用紙位置算出部1210が、赤外線カメラ101で撮像した画像に基づき、記入用紙の位置を算出し、次いで認識部1212が、用紙位置算出部1210で算出された記入用紙300の位置と、載置台110の縁部のうち顧客に対向する縁部Rとから、傾きθ’の符号の正負により、顧客の利き手を認識する。
【0084】
記入用紙の傾きθ’は、
図16に示すように、記入用紙の長手方向の軸Pと、載置台110の顧客に対向する縁部Rとの角度から求められる。記入用紙のいずれの辺を記入用紙の軸Pとするかについては、撮像された記入用紙に印字されている文字の縦・横や、判断部1214により判断された記入用紙の種別に基づく記入用紙の各辺の長さと縦・横の関係から判断してもよい。
【0085】
<6.第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について
図17を参照して説明する。上述した第1の実施形態では、認識部1212による顧客の利き手の認識を行い、表示制御部1213が、認識された顧客の利き手に基づき、支援情報の表示位置を決定した。一方、本実施形態では、表示制御部1213が、
図17に示すように、載置台110上の記入用紙300の位置に基づき、記入用紙300以外の載置台110上の領域のうち、記入用紙の右側の領域及び左側の領域いずれか広い領域に、支援情報の表示位置を決定する。
【0086】
記入用紙の右側の領域及び左側の領域のうちいずれが広い領域であるかの判断は、例えば、記入用紙300の両端からそれぞれ載置台110上の端までの各距離を比較し、いずれが広い領域であるかを判断してもよい。ここで、
図17では、載置台110上の端までの距離a、bを比較している。
【0087】
比較の結果、
図17では距離bが距離aより長いため、記入用紙300の左側の領域820が右側の領域822より広いと判断され、左側の領域820に見本情報603が表示される。
【0088】
なお、上記第1の実施形態から第6の実施形態までの各実施形態の組み合わせにより、支援情報の表示位置を決定することが可能である。
【0089】
例えば、利き手認識が出来ない場合や、記入用紙の位置に対して利き手の位置とは反対側の領域に表示出来ない場合に、第6の実施形態に係る表示制御を実施してもよい。
【0090】
<7.まとめ>
以上説明したように、本発明の各実施形態に係る記帳台装置は、見本やヘルプ情報などの支援情報を顧客の見やすい位置に表示させるため、顧客は見本やヘルプ情報などを見ながら簡単に記入用紙への記入ができる。これにより、顧客の記入用紙の選択や記入事項の誤りを未然に防ぎ、記帳台の利便性を向上させることができる。
【0091】
また、支援情報を顧客の見やすい位置に表示させるため、記帳台のスペースが狭くても、顧客は支援情報を十分に参照できる。
【0092】
また、本発明の実施形態によれば、記入用紙300の位置の変化に応じて支援情報の表示位置を変更することができる。
【0093】
また、本発明の実施形態によれば、縮小、分割又はスクロールの少なくともいずれかの表示方法を用いて、支援情報を表示させることができる。
【0094】
また、本発明の実施形態によれば、利き手の位置と反対側の領域に表示しきれない支援情報の一部又は全部を、載置台110上の他の領域に表示させることができる。
【0095】
また、本発明の実施形態によれば、デジタルペン200の移動軌跡や、傾きに基づいて顧客の利き手を認識することができる。
【0096】
また、本発明の実施形態によれば、記入用紙300の傾きに基づいて顧客の利き手を認識することができる。
【0097】
また、本発明の実施形態によれば、記入用紙300の位置に基づき、記入用紙300以外の載置台110上の領域のうち、記入用紙の右側の領域及び左側の領域いずれか広い領域に、支援情報の表示位置を決定することができる。
【0098】
なお上記各実施形態では、本発明の第1のセンサとして有する撮像部の一例として、赤外線カメラ101を用いている。これにより以下のような効果がある。
【0099】
(1)プロジェクタ103との併用
本発明の実施形態に係る記帳台装置では、載置台110が備えるスクリーンにプロジェクタ103から支援情報の投影を行なっている。したがって、プロジェクタ103の照射により、記入用紙300が載置される載置台110の輝度は高い。このように輝度が高い環境でも、可視光線より波長が長く、一般光源やプロジェクタ照射の影響を受け難い赤外線を用いる赤外線カメラによれば、撮像した画像から記入用紙の位置や記入用紙裏のマーカなどを確実に読み取ることが出来る。
【0100】
(2)載置台110を透過して撮像
赤外線は可視光に比べて波長が長く、散乱し難い性質がある。例えば、煙や薄い布などを透過して向こう側の物体を撮影するために最適である。本発明の実施形態に係る記帳台装置では、スクリーンの向こう側にある記入用紙(特に記入用紙裏のマーカ)などを確実に撮像するため、赤外線カメラが用いられる。
【0101】
(3)眩しさの防止
撮像のための載置台110への照射が、顧客に眩しくないようにするため、赤外線カメラを用いる。赤外線は目に見えないため、記帳台装置に近赤外線光源を備え、載置台110を照射しても顧客は眩しく感じない。
【0102】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0103】
例えば、上記各実施形態では、金融機関に設置される記帳台装置での帳票記入場面を想定して説明したが、本発明は、病院などの受付場面や、電話会社の契約場面、保険会社の契約場面、交通機関の定期券購入場面にも応用できる。