【実施例】
【0090】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
[塩化マグネシウム水溶液からα線発生物質を取り除く工程]
3リットルビーカーに、396g/Lに調製した塩化マグネシウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1000mlと、200g/Lに調製した含水酸化チタン(堺化学工業社製)を主成分とするチタン化合物のスラリー 570mlと純水 500mlとを混合・撹拌し、pH6〜7になるように水酸化ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液を添加、その後25℃で24時間撹拌した後、濾過により含水酸化チタンを主成分とするチタン化合物とα線発生物質を取り除いた塩化マグネシウム水溶液(濾液)を濾別した。
なお含水酸化チタンを主成分とするチタン化合物を400℃で加熱した際の減量は14.0質量%であり、BET比表面積が224m
2/gであり、X線回折スペクトルにおいて、バックグランドの最低強度(cps)に対するブラッグ角(2θ)25.20〜25.60°におけるピーク強度(cps)の比が19.3であった。
【0091】
[α線発生物質を取り除いた塩化マグネシウム水溶液を中和し塩基性炭酸マグネシウムを製造する工程]
濾液(α線発生物質を除去した塩化マグネシウム水溶液)を撹拌させながら、135g/Lに調製した炭酸ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液 1000mlを16.67ml/分の速度で1時間投入し、塩基性炭酸マグネシウムの沈殿を形成した。この塩基性炭酸マグネシウムの沈殿を濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗し、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。
この白色粉末をICP発光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 SPS 3100−24HV)で分析した結果、Mg含有率は20.2wt%で、X線回折パターンは、塩基性炭酸マグネシウム(Mg
5(CO
3)
4(OH)
2(H
2O)
4)に帰属するピークがメインであった。
【0092】
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
上記方法により得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1000℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.9wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.886℃のピーク強度が35004cpsであり、BET比表面積が15.2m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0093】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA(エチレン―エチルアクリレートコポリマー)樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)10.0gとを投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度、蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製の熱伝導率測定装置HC−110で測定したところ2.41W/mKであった。
【0094】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン(登録商標)棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ2.2W/mKであった。
【0095】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、下記の方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0096】
各種物性の測定方法
[BET比表面積の測定]
BET比表面積は、試料を窒素雰囲気中、200℃で40分間熱処理し、マイクロメリティクス社製GEMINI VII2390を用いて測定した。
【0097】
[X線回折の測定]
(株)リガク社製粉末X線回折装置RINT−TTRIIIを用い、X線源はCuKα線、電圧50kV、電流300mAに設定し、試料回転速度90.000rpm、発散スリット1.00mm、発散縦制限スリット10mm、散乱スリット開放、受光スリット開放、走査モードFT、計数時間0.5秒、ステップ幅0.0400°、走査軸2θ/θ、走査範囲10.0000〜70.0000°、θオフセット0.0000°、積算回数1の条件でX線回折の測定を行った。
【0098】
[α線量の測定]
住化分析センター社製低レベルα線測定装置LACS−4000Mを用い、印加電圧1.90kV、計数ガスPR−10ガス(Ar:90%、CH
4:10%)100ml/min、試料面積1000cm
2、全計数時間99時間、計数効率80%の条件で測定した。
【0099】
(実施例2)
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
実施例1の方法と同様の方法により、塩基性炭酸マグネシウムを製造し、得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1100℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.6wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.888°のピーク強度が55696cpsで、BET比表面積が3.61m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0100】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に、上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)10.0gとを投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ2.68W/mKであった。
【0101】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ2.33W/mKであった。
【0102】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0103】
(実施例3)
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
実施例1の方法と同様の方法により、塩基性炭酸マグネシウムを製造し、得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1250℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.7wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.890°のピーク強度が58294cpsで、BET比表面積が1.69m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0104】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)10.0gとを投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ2.97W/mKであった。
【0105】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ2.64W/mKであった。
【0106】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0107】
(実施例4)
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
実施例1の方法と同様の方法により、塩基性炭酸マグネシウムを製造し、得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.7wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.889°のピーク強度が60593cpsで、BET比表面積が0.92m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0108】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)10.0gとを投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ3.05W/mKであった。
【0109】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ2.8W/mKであった。
【0110】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0111】
(実施例5)
実施例1で得られた濾液(α線発生物質を除去した塩化マグネシウム水溶液)を撹拌させながら、135g/Lに調製した炭酸ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1000mlを16.67ml/分の速度で1時間投入し、塩基性炭酸マグネシウムの沈殿を作製した。これを濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗した後、濾過した沈殿物を再度スラリー化させた。そのスラリーに実施例1で得られた濾液(α線発生物質を除去した塩化マグネシウム水溶液)を10ml添加し、15分間撹拌させた後、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMg含有率は20.1wt%で、X線回折パターンは、塩基性炭酸マグネシウム(Mg
5(CO
3)
4(OH)
2(H
2O)
4)に帰属するピークがメインであった。
【0112】
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.6wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.892°のピーク強度が62791cpsで、BET比表面積が0.18m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0113】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、3.32W/mKであった。
【0114】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ3.02W/mKであった。
【0115】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0116】
(比較例1)
[塩化マグネシウム水溶液を中和し炭酸マグネシウムを作製する工程]
200g/Lに調製した塩化マグネシウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1980mlを撹拌させながら、135g/Lに調製した炭酸ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1000mlを16.67ml/分の速度で1時間投入し、塩基性炭酸マグネシウムの沈殿を作製した。これを濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗し、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMg含有率は20.2wt%で、X線回折パターンは、塩基性炭酸マグネシウム(Mg
5(CO
3)
4(OH)
2(H
2O)
4)に帰属するピークがメインであった。
【0117】
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1000℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.9wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.887°のピーク強度が30491cpsで、BET比表面積が14.5m
2/gで、α線量が0.012±0.001c/cm
2/hであった。
【0118】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)10.0gとを投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.74W/mKであった。
【0119】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.65W/mKであった。
【0120】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0121】
(比較例2)
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
比較例1の方法と同様の方法により、塩基性炭酸マグネシウムを製造し、得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1100℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.8wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.889°のピーク強度が39629cpsで、BET比表面積が3.71m
2/gで、α線量が0.011±0.001c/cm
2/hであった。
【0122】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.78W/mKであった。
【0123】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.68W/mKであった。
【0124】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0125】
(比較例3)
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
比較例1の方法と同様の方法により、塩基性炭酸マグネシウムを製造し、得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1250℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.7wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.888°のピーク強度が44394cpsで、BET比表面積が1.75m
2/gで、α線量が0.012±0.001c/cm
2/hであった。
【0126】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.90W/mKであった。
【0127】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.84W/mKであった。
【0128】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0129】
(比較例4)
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
比較例1の方法と同様の方法により、塩基性炭酸マグネシウムを製造し、得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.8wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.891°のピーク強度が48693cpsで、BET比表面積が0.95m
2/gで、α線量が0.012±0.001c/cm
2/hであった。
【0130】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.93W/mKであった。
【0131】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.85W/mKであった。
【0132】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0133】
(比較例5)
200g/Lに調製した塩化マグネシウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1980mlを撹拌させながら、135g/Lに調製した炭酸ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1000mlを16.67ml/分の速度で1時間投入し、塩基性炭酸マグネシウムの沈殿を作製した。これを濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗した後、再度スラリー化させる。そのスラリーに実施例1で得られた濾液(α線発生物質を除去した塩化マグネシウム水溶液)を10ml添加、15分間撹拌させた後、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMg含有率は20.3wt%で、X線回折パターンは、塩基性炭酸マグネシウム(Mg
5(CO
3)
4(OH)
2(H
2O)
4)に帰属するピークがメインであった。
【0134】
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.8wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.889°のピーク強度が50998cpsで、BET比表面積が0.20m
2/gで、α線量が0.011±0.001c/cm
2/hであった。
【0135】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、2.31W/mKであった。
【0136】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ2.21W/mKであった。
【0137】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0138】
(実施例6)
[α線発生物質を取り除いた塩化マグネシウム水溶液を中和し、水酸化マグネシウムを製造する工程]
実施例1と同様の方法により、塩化マグネシウム水溶液からα線発生物質を取り除く工程を行い、得られた濾液(α線発生物質を取り除いた塩化マグネシウム水溶液)を撹拌させながら、725g/Lに調製した水酸化ナトリウム水溶液 485mlを8.08ml/分の速度で1時間投入し、水酸化マグネシウムの沈殿を作製した。これを濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗し、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMg含有率は41.7wt%で、X線回折パターンは、水酸化マグネシウムに帰属するピークがメインであった。
【0139】
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1000℃で焼成することにより白色の粉末が得られる。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.8wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.885°のピーク強度が22095cpsで、BET比表面積が13.2m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0140】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.36W/mKであった。
【0141】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.29W/mKであった。
【0142】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0143】
(実施例7)
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
実施例6の方法と同様の方法により、水酸化マグネシウムを製造し、得られた水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1100℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.6wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.887°のピーク強度が29976cpsで、BET比表面積が3.59m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった
【0144】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.39W/mKであった。
【0145】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.33W/mKであった。
【0146】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0147】
(実施例8)
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
実施例6の方法と同様の方法により、水酸化マグネシウムを製造し、得られた水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1250℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.7wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.886°のピーク強度が34781cpsで、BET比表面積が1.73m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0148】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.59W/mKであった。
【0149】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.57W/mKであった。
【0150】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0151】
(実施例9)
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
実施例6の方法と同様の方法により、水酸化マグネシウムを製造し、得られた水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.6wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.889°のピーク強度が36293cpsで、BET比表面積が0.81m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0152】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.61W/mKであった。
【0153】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.58W/mKであった。
【0154】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0155】
(実施例10)
実施例1で得られた濾液(α線発生物質を除去した塩化マグネシウム水溶液)を撹拌させながら、725g/Lに調製した水酸化ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液 485mlを8.08ml/分の速度で1時間で投入し、水酸化マグネシウムの沈殿を作製した。これを濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗した後、再度スラリー化させた。そのスラリーに実施例1で得られた濾液(α線発生物質を除去した塩化マグネシウム水溶液)を10ml添加、15分間撹拌させた後、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMg含有率は41.6wt%で、X線回折パターンは、水酸化マグネシウムに帰属するピークがメインであった。
【0156】
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.6wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.889°のピーク強度が37595cpsで、BET比表面積が0.17m
2/gで、α線量が0.001±0.001c/cm
2/hであった。
【0157】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.95W/mKであった。
【0158】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.9W/mKであった。
【0159】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0160】
(比較例6)
[塩化マグネシウム水溶液を中和し水酸化マグネシウムを作製する工程]
200g/Lに調製した塩化マグネシウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1980mlを撹拌させながら、725g/Lに調製した水酸化ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液 485mlを8.08ml/分の速度で1時間で投入し、水酸化マグネシウムの沈殿を作製した。これを濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗し、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMg含有率は41.7wt%で、X線回折パターンは、水酸化マグネシウムに帰属するピークがメインであった。
【0161】
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1000℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.8wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.879°のピーク強度が17291cpsで、BET比表面積が14.7m
2/gで、α線量が0.011±0.001c/cm
2/hであった。
【0162】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、0.89W/mKであった。
【0163】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ0.88W/mKであった。
【0164】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0165】
(比較例7)
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
比較例6と同様の方法により、塩化マグネシウム水溶液を中和し水酸化マグネシウムを作製する工程を行い、得られた水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1100℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.7wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.889°のピーク強度が20034cpsで、BET比表面積が3.65m
2/gで、α線量が0.011±0.001c/cm
2/hであった。
【0166】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、0.92W/mKであった。
【0167】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ0.9W/mKであった。
【0168】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0169】
(比較例8)
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
比較例6と同様の方法により、塩化マグネシウム水溶液を中和し水酸化マグネシウムを作製する工程を行い、得られた水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1250℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.6wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.885°のピーク強度が25855cpsで、BET比表面積が1.76m
2/gで、α線量が0.011±0.001c/cm
2/hであった。
【0170】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、0.99W/mKであった。
【0171】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ0.95W/mKであった。
【0172】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0173】
(比較例9)
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
比較例6と同様の方法により、塩化マグネシウム水溶液を中和し水酸化マグネシウムを作製する工程を行い、得られた水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.7wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.886°のピーク強度が27192cpsで、BET比表面積が0.89m
2/gで、α線量が0.011±0.001c/cm
2/hであった。
【0174】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.03W/mKであった。
【0175】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.03W/mKであった。
【0176】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0177】
(比較例10)
200g/Lに調製した塩化マグネシウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1980mlを撹拌させながら、725g/Lに調製した水酸化ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液 485mlを8.08ml/分の速度で1時間投入し、水酸化マグネシウムの沈殿を作製した。これを濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗した後、再度スラリー化させた。そのスラリーに実施例1で得られた濾液(α線発生物質を取り除いた塩化マグネシウム水溶液)を10ml添加、15分間撹拌させた後、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMg含有率は41.8wt%で、X線回折パターンは、水酸化マグネシウムに帰属するピークがメインであった。
【0178】
[水酸化マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
水酸化マグネシウムを主成分とする白色粉末を1400℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.6wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.887°のピーク強度が28396cpsで、BET比表面積が0.19m
2/gで、α線量が0.012±0.001c/cm
2/hであった。
【0179】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)を10.0g投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製HC−110で測定したところ、1.51W/mKであった。
【0180】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.5W/mKであった。
【0181】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0182】
(参考例1)
[塩化マグネシウム水溶液からα線発生物質を取り除く工程]
3リットルビーカーに、396g/Lに調製した塩化マグネシウム(和光純薬製試薬一級)水溶液1000mlと、200g/Lに調製した含水酸化チタン(堺化学工業社製)を主成分とするチタン化合物のスラリー 570mlと純水 500mlとを混合・撹拌し、pH5になるように水酸化ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液を添加、その後25℃で24時間撹拌した後、濾過により含水酸化チタンを主成分とするチタン化合物とα線発生物質を取り除いた塩化マグネシウム水溶液(濾液)を濾別した。
なお含水酸化チタンを主成分とするチタン化合物を400℃で加熱した際の減量は14.0質量%であり、BET比表面積が224m
2/gであり、X線回折スペクトルにおいて、バックグランドの最低強度(cps)に対するブラッグ角(2θ)25.20〜25.60°におけるピーク強度(cps)の比が19.3であった。
【0183】
[α線発生物質を取り除いた塩化マグネシウム水溶液を中和し炭酸マグネシウムを製造する工程]
濾液(α線発生物質を除去した塩化マグネシウム水溶液)を撹拌させながら、135g/Lに調製した炭酸ナトリウム(和光純薬製試薬一級)水溶液 1000mlを16.67ml/分の速度で1時間投入し、塩基性炭酸マグネシウムの沈殿を形成した。この塩基性炭酸マグネシウムの沈殿を濾過し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になるまで水洗し、130℃で2時間乾燥することにより白色粉末が得られた。
この白色粉末をICP発光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製:SPS 3100−24HV)で分析した結果、Mg含有率は20.0wt%で、X線回折パターンは、塩基性炭酸マグネシウム(Mg
5(CO
3)
4(OH)
2(H
2O)
4)に帰属するピークがメインであった。
【0184】
[塩基性炭酸マグネシウムを焼成し酸化マグネシウムを作製する工程]
上記方法により得られた塩基性炭酸マグネシウムを主成分とする白色粉末を1000℃で焼成することにより白色の粉末が得られた。この白色粉末をICP発光分析装置で分析したMgO純度は99.7wt%で、X線回折パターンは、酸化マグネシウムに帰属するピークがメインで、2θ= 42.888°のピーク強度が30522cpsであり、BET比表面積が14.8m
2/gで、α線量が0.010±0.001c/cm
2/hであった。
【0185】
[EEA樹脂成型体の熱伝導率の測定]
LABO PLASTOMILL(東洋精機製作所社製:10C 100)に上記方法により得られた酸化マグネシウム 59.5gとEEA(エチレン―エチルアクリレートコポリマー)樹脂(A−1150 日本ポリエチレン社製)10.0gとを投入後、装置内温度150℃、ローター回転数40rpmで10分間混練し、EEA樹脂組成物を作製した。作製したEEA樹脂組成物を厚み2mm型枠の中央に流し込み、フェロ板で挟み、蒸気プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて150℃で25MPaの圧力を加え、直径50mmの円形にくり貫いた後、直径50mm×厚み2mmの型枠にはめこみ、フェロ板で挟み込み、再度、蒸気プレス機を用いて150℃で25MPaの圧力を加えEEA樹脂成型体を作製した。作製したEEA樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機社製の熱伝導率測定装置HC−110で測定したところ1.81W/mKであった。
【0186】
[エポキシ樹脂成型体の熱伝導率の測定]
エポキシ樹脂(エピコート828 三菱化学製) 6.52gと硬化剤(リカシッド MH−700 新日本理化製) 5.22gと硬化促進剤(N,N-Dimethylbenzylamine 試薬) 0.50gとを軟膏壺に入れ、テフロン棒でよく混ぜた後、上記方法により得られた酸化マグネシウム59.5gを入れ、自転・公転方式スーパーミキサー あわとり練太郎(ARE−250 シンキー社製)にセットし、2000rpmで5分間混練した後、2100rpmで2分間脱泡した。取り出したサンプルを三本ロール(EXAKT 80S EXAKT社製)を用いてロール間幅 10μm、回転数200rpmで10パスし、エポキシ樹脂組成物を作製した。作製したエポキシ樹脂組成物を直径50mm×厚み2mmの型枠に流し込み、フェロ板で挟み、プレス機(ゴンノ油圧機製作所社製)を用いて常温で25MPaの圧力を10分間加えた後、120℃に設定した乾燥機で12時間保持、硬化させ、エポキシ樹脂成型体を作製した。作製したエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を英弘精機製HC−110で測定したところ1.79W/mKであった。
【0187】
なお、BET比表面積、X線回折の測定、及び、α線量の測定は、実施例1で記載した方法により行った。下記の表1には、上記実施例における焼成温度、X線回折パターンに関し、2θの値とメインピークのピーク強度、BET比表面積、並びに、EEA樹脂成型体及びエポキシ樹脂成型体の熱伝導率を示している。
【0188】
【表1】
【0189】
図2は、実施例及び比較例の結果を示すグラフであり、縦にX線回折スペクトルのピーク強度y(cps)を、横にBET比表面積x(m
2/g)をとっている。
上記実施例の結果から明らかなように、実施例1〜10で得られた酸化マグネシウムは、比較例1〜10で得られた酸化マグネシウムと比較して、α線量が大きく低減している。
【0190】
また、表1及び
図2に記載されているように、実施例1〜10で得られた酸化マグネシウムは、比較例1〜10で得られた酸化マグネシウムと比べて、同じ焼成温度でもピーク強度が高く、EEA樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物の熱伝導率が高くなっている。