(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773162
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】垂直循環型駐輪設備
(51)【国際特許分類】
E04H 6/14 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
E04H6/14 605
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-9744(P2012-9744)
(22)【出願日】2012年1月20日
(65)【公開番号】特開2013-147869(P2013-147869A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(74)【代理人】
【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司
(72)【発明者】
【氏名】清水 清
【審査官】
新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−156314(JP,A)
【文献】
特開2002−255294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 − 6/42
B67D 7/00 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の上歯輪と左右一対の下歯輪との間にそれぞれ掛張された左右一対の無端状チエン間に吊下げ具を介して適当間隔おきに駐輪台を吊り下げ、前記左右一対の下歯輪をモーターに連動連結した駐輪装置を2基並設して成る垂直循環型駐輪設備において、両駐輪装置の駐輪台の垂直循環経路間には、各駐輪装置の互いに隣り合う上歯輪と下歯輪を支承する中央フレームが配設され、この中央フレームの前後には、両駐輪装置の駐輪台の垂直循環経路によって挟まれた空間が形成され、この各空間内に突出するように中央フレームの前後両側辺からそれぞれ架台が突設され、各駐輪装置の前記モーターは、前記中央フレームの前後両側に振り分けられ且つ前記各空間内に位置するように前記架台上にそれぞれ設置され、これらモーターと前記下歯輪との間のチエン伝動機構は、前記中央フレームの左右両側に振り分けられている、垂直循環型駐輪設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐輪台が垂直循環経路を回動するタイプの垂直循環型駐輪装置を2基並設して成る駐輪設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
垂直循環型駐輪装置、即ち、左右一対の上歯輪と左右一対の下歯輪との間にそれぞれ掛張された左右一対の無端状チエン間に吊下げ具を介して適当間隔おきに駐輪台を吊り下げ、前記左右一対の下歯輪をモーターに連動連結した垂直循環型の駐輪装置が、例えば特許文献1によって知られている。この種の垂直循環型駐輪装置では、例えば駐輪台の垂直循環経路の上下両端の円弧経路部の外側前後2か所に形成される略三角形の空間内に前記モーターを設置しない限り、装置全体の平面積を、駐輪台の垂直循環経路を囲む最小限の四角形の面積に抑えることが出来ない。しかしながら、上記のような場所にモーターを設置した場合は、当該モーターと駆動対象の歯輪とを連動連結させるための伝動経路長さが非常に長くなり、伝動機構自体も複雑にならざるを得ないので、従来は、特許文献1にも示されるように、左右一対の下歯輪の内、片側の下歯輪の外側で且つ前後奥行き方向に少し離れた位置にモーターを配置し、当該モーターと下歯輪とを簡単なチエン伝動機構で連動連結させていた。このような構造の垂直循環型駐輪装置を2基並設して1つの駐輪設備を構成する場合、各駐輪装置の入出庫口は同一側に並列させる必要があるので、従来は、特許文献1にも示されるように、平面視において全く同一構造の駐輪装置を2基並設して構成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−156314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の構成では、2基の駐輪装置それぞれの左右同一側にモーターが配置されることになるので、各駐輪装置における駐輪台の垂直循環経路の間に挟まれる位置にあるモーターは、両垂直循環経路の間の中央フレームが設置される空間を利用して設置できるが、他方のモーターは垂直循環経路の外側に突出する状態で設置せざるを得ない。従って、駐輪設備全体の平面積としては、両垂直循環経路の間ではなく外側に突出する片側の駐輪装置のモーターの設置に必要な面積を確保しなければならないので、据付け床面積が大きくなってコスト高になるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる垂直循環型駐輪設備を提案するものであって、請求項1に記載の本発明に係る垂直循環型駐輪設備は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、左右一対の上歯輪(2a,2b)と左右一対の下歯輪(4a,4b)との間にそれぞれ掛張された左右一対の無端状チエン(1a,1b)間に吊下げ具(9a,9b)を介して適当間隔おきに駐輪台(8)を吊り下げ、前記左右一対の下歯輪(4a,4b)をモーター(7)に連動連結した駐輪装置(A,B)を2基並設して成る垂直循環型駐輪設備において、両駐輪装置(A,B)の駐輪台(8)の垂直循環経路間には、各駐輪装置(A,B)の互いに隣り合う上歯輪(2b,2a)と下歯輪(4b,4a)を支承する中央フレーム(19)が配設され、
この中央フレーム(19)の前後には、両駐輪装置(A,B)の駐輪台(8)の垂直循環経路によって挟まれた空間が形成され、この各空間内に突出するように中央フレーム(19)の前後両側辺からそれぞれ架台(20a,20b)が突設され、各駐輪装置(A,B)の前記モーター(7)は、
前記中央フレーム(19)の前後両側に振り分けられ且つ前記各空間内に位置するように前記架台(20a,20b)上にそれぞれ設置され
、これらモーター(7)と前記下歯輪(4b,4a)との間のチエン伝動機構(6)は、前記中央フレーム(19)の左右両側に振り分けられた構成になっている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の構成によれば、並列する2基の駐輪装置それぞれのモーターは、各駐輪装置の下歯輪の横側方で且つ前後奥行き方向に離れて配置されるので、各モーターとその駆動対象の下歯輪との間の伝動機構として、伝動経路の短い簡単なチエン伝動機構を採用することが出来る。しかも、両駐輪装置のモーターとチエン伝動機構は、両駐輪装置の駐輪台の垂直循環経路間に配設される中央フレームの前後に点対称形に配置されることになり、片側の駐輪装置に必要なモーターとチエン伝動機構を、両駐輪装置の駐輪台の垂直循環経路間ではなく片側の垂直循環経路の外側に突出するように設置しなければならない場合と比較して、2基の駐輪装置を含む駐輪設備全体の左右横巾を1つのモーター設置面積分だけ狭めて、コストダウンを図ることが出来る。又、両駐輪装置のモーターへの給電系統を前記中央フレーム付近に集中させることが出来、この点でも安価に実施することが出来る。更に、従来の構成では、各駐輪装置にモーターを支持する頑強なフレームを設けなければならないが、本発明の構成では、両駐輪装置に兼用の中央フレームにのみモーターを支持させるのであるから、この1つの中央フレームさえ頑強に構成すれば良く、この点でも設備全体のコストダウンを図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1Aは、垂直循環経路における駐輪台の吊下げ状態を示す概略側面図、
図1Bは、垂直循環経路において垂直循環移動する駐輪台がガイドレールによって正立姿勢に保持される様子を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、1基の駐輪装置を示す概略正面図である。
【
図3】
図3は、同上駐輪装置のフレーム構造体と、垂直循環経路における駐輪台の駆動手段と、駐輪台を正立姿勢に保持させるガイドレールを示す一部切欠き縦断側面図である。
【
図4】
図4は、2基の駐輪装置を並設して構成した駐輪設備の横断平面図である。
【
図5】
図5は、
図4の要部を、駐輪台、駆動手段、ガイドレール、及びフレーム構造体を水平方向に互いに切離した状態で示す横断平面図である。
【
図6】
図6は、駐輪台のフレーム構造を示す側面図である。
【
図7】
図7は、駐輪台のフレーム構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び
図2に基づいて、使用する駐輪装置の基本構成を説明すると、1a,1bは左右一対の無端状チエンであって、左右一対の互いに同心状に並列軸支された上歯輪2a,2bと、1本の水平連動軸3の両端に取り付けられた左右一対の下歯輪4a,4bとの間に掛張されている。5は無端状チエン1a,1bの駆動手段であって、前記水平連動軸3と、その一端にチエン伝動機構6を介して連動連結された減速機付きモーター7とによって構成されている。8は、左右両側が吊下げ具9a,9bによって前記無端状チエン1a,1bに等間隔おきに吊り下げられた駐輪台であって、
図6及び
図7に示すように、前記吊下げ具9a,9bで吊り下げられる左右一対の側枠10a,10b、両側枠10a,10bの下側辺どうしを連結する自転車支持台部11、及び両側枠10a,10bの上端中央部どうしを互いに連結する連結部材12から構成されている。
【0009】
吊下げ具9a,9bは、
図6及び
図7に示すように、無端状チエン1a,1bから外向きに突出する2本のアーム13a,13bから構成されたもので、両アーム13a,13bの内端は、無端状チエン1a,1b上の一定間隔を隔てた2か所に軸支され、両アーム13a,13bの外端は、駐輪台8における両側枠10a,10bの上端寄り中央の吊下げ位置Pに共通の支軸により軸支されている。従って、無端状チエン1a,1bの回動により、吊下げ具9a,9bで吊り下げられた各駐輪台8が、両無端状チエン1a,1bの間に形成された垂直循環経路を回動することになる。
【0010】
上記構成の駐輪設備は、フレーム構造体14によって据え付けられる。このフレーム構造体14は、駐輪台8の垂直循環経路を左右両側から挟むサイドフレーム15a,15bと、駐輪台8の垂直循環経路の上側で両サイドフレーム15a,15bを互いに連結する上端連結フレーム16から構成されている。このフレーム構造体14の前後奥行き方向の巾、即ち、両サイドフレーム15a,15bの前後奥行き方向の巾は、駐輪台8の垂直循環経路の全体をカバーし得るほどの巾ではなく、側面視において、前記垂直循環経路の前後両垂直昇降経路部FP,RPを昇降する駐輪台8の外側半分程度がフレーム構造体14から前後に突出するように、巾を狭めている。
【0011】
而して、駆動手段5の減速機付きモーター7を稼働させて左右一対の無端状チエン1a,1bを回動させることにより、これら左右一対の無端状チエン1a,1bに吊下げ具9a,9bによって左右両側部が吊り下げられた各駐輪台8は、その吊下げ姿勢において無端状チエン1a,1bに沿った垂直循環経路を回動することになるが、この駐輪台8の垂直循環経路における前側垂直昇降経路部FPの下端近傍位置、即ち、下歯輪4a,4bとほぼ同一高さには、当該前側垂直昇降経路部FPに対して後ろ側垂直昇降経路部RPのある側とは反対側に隣接するように入出庫口17を形成する開閉扉装置18が配設され、任意の1つの駐輪台8を入出庫口17に対応する定停止位置で停止させることが出来るように構成されている。
【0012】
以下、本発明の一実施例に係る具体構造について説明すると、
図4及び
図5に示すように、この実施例では2基の駐輪装置A,Bが、それぞれの上歯輪2a,2b及び下歯輪4a,4bが同心状に並列すると共に、各駐輪装置A,Bのフレーム構造体14の互いに隣接する側のサイドフレーム15b,15aが1つの共通中央フレーム19に置き換えられた状態で、並設されている。そして両駐輪装置A,B間の共通中央フレーム19の前後には、各駐輪装置A,Bが備える駆動手段5の減速機付きモーター7が配置できるだけの空間が確保され、当該空間内に突出するように共通中央フレーム19の前後両側から水平に架台20a,20bが突設され、これら各架台20a,20b上に、両駐輪装置A,Bの駆動手段5の減速機付きモーター7が、前後対称向きに搭載されている。即ち、両駐輪装置A,Bの駆動手段5が、平面視において、共通中央フレーム19と水平連動軸3の軸心とが交差する点に対して点対称に配置されている。
【0013】
各駐輪装置A,Bは、
図3に示すように、その入出庫口17の下辺が地上側床面と同一レベルになるように、地上側に形成されたピット21内に据え付けられている。そして各駐輪装置A,Bの入出庫口17を形成する開閉扉装置18は、
図3及び
図4に示すように、各駐輪装置A,Bのフレーム構造体14のサイドフレーム15a,15bと共通中央フレーム19に上下複数段の長い支持部材22を介して支持された垂直支柱部材18a〜18cに取り付けられると共に、下端はピット21脇の地上側に設けられた受け部材23によって支持されている。
【0014】
次に、垂直循環経路を回動する各駐輪台8を正立姿勢に保持するための手段について説明すると、各駐輪装置A,Bの駐輪台8には、
図6及び
図7に示すように、両側枠10a,10bの内、共通中央フレーム19に近い側の側枠10b,10aの前後両側辺で吊下げ具9a,9bのよる吊下げ位置Pとほぼ同一レベルの前後2か所に水平支軸によって軸支された上前側ガイドローラー24と上後ろ側ガイドローラー25、及び自転車支持台部11の前端(入出庫口17に隣接し得る側)の左右両側に水平支軸によって軸支された左右一対の下前側ガイドローラー26a,26bが設けられている。これら各ガイドローラー24〜26bは、正面視において、駐輪台8を吊り下げる吊下げ具9a,9bの昇降移動軌跡の内側に位置している。
【0015】
図1B及び
図3〜
図5に示すように、駐輪台8の垂直循環経路における前側垂直昇降経路部FPには、上前側ガイドローラー24に係合する内側ガイドレール27と、下前側ガイドローラー26a,26bに係合する左右一対の外側ガイドレール28a,28bとが設けられている。前記外側ガイドレール28a,28bは、入出庫口17に隣接する前記定停止位置を含む垂直な一定区間にのみ架設され、前記内側ガイドレール27は、前記一定区間の上側と下側とに分けて架設されている。
【0016】
即ち、前記内側ガイドレール27は、下歯輪4a,4bの直下位置と入出庫口17に隣接する前記一定区間との間の下側湾曲経路部に沿って架設された下内側湾曲レール部27Aと、上歯輪2a,2bの軸心上方位置と前側垂直昇降経路部FPとの間の上側湾曲経路部に沿って架設された上内側湾曲レール部27Bと、この上内側湾曲レール部27Bに連続して前記一定区間より上方の前側垂直昇降経路部FPに沿って架設された内側垂直レール部27Cから構成されている。そして左右一対の前記外側ガイドレール28は、下内側湾曲レール部27Aから上前側ガイドローラー24が上方に離れる前に下前側ガイドローラー26a,26bを受け入れると共に、下内側湾曲レール部27Aから上方に離れた上前側ガイドローラー24が内側垂直レール部27Cに進入するまでの間、下前側ガイドローラー26a,26bとの係合状態を維持し、上前側ガイドローラー24が内側垂直レール部27Cに進入した後に下前側ガイドローラー26a,26bが上方に離れるように、位置と長さが設定されている。
【0017】
駐輪台8の垂直循環経路における後ろ側垂直昇降経路部RPには、上後ろ側ガイドローラー25に係合する外側ガイドレール29と、左右一対の下前側ガイドローラー26a,26bに係合する左右一対の内側ガイドレール30a,30bとが設けられている。前記外側ガイドレール29は、前記垂直循環経路の上端から上歯輪2a,2bの周囲を経由して後ろ側垂直昇降経路部RPに入り込む上外側湾曲レール部29Aと、前記垂直循環経路の下端から下歯輪4a,4bの周囲を経由して後ろ側垂直昇降経路部RPに入り込む下外側湾曲レール部29Bから成り、前記内側ガイドレール30a,30bは、前記外側ガイドレール29を構成する上下一対の外側湾曲レール部29A,29B間において駐輪台8の下前側ガイドローラー26a,26bに係合するように架設されている。
【0018】
図3〜
図5に示すように、前側垂直昇降経路部FPに併設される外側ガイドレール28a,28bは、各垂直支柱部材18a〜18cを介して開閉扉装置18を支持している長い支持部材22の一部と架台20bなどに取り付けられている。内側ガイドレール27の下内側湾曲レール部27Aは、その下端部が各駐輪装置A,Bのフレーム構造体14の共通中央フレーム19に取り付けられると共に、当該フレーム構造体14から前方に突出する部分が、前記長い支持部材22の一部と架台20bなどに取り付けられている。内側ガイドレール27の上内側湾曲レール部27Bは、その上端部が前記共通中央フレーム19に取り付けられ、当該上内側湾曲レール部27Bと内側垂直レール部27Cとの接続部及び当該内側垂直レール部27Cは、前記共通中央フレーム19から前方に突設された短い支持部材31と前記長い支持部材22の一部に支持されている。
【0019】
後ろ側垂直昇降経路部RPに併設される外側ガイドレール29の上下両外側湾曲レール部29A,29Bは、各駐輪装置A,Bのフレーム構造体14の共通中央フレーム19に取り付けられると共に、当該フレーム構造体14から後方に突出する部分が、前記共通中央フレーム19から後方に突設された短い支持部材32と架台20bなどに支持されている。内側ガイドレール30a,30bは、各駐輪装置A,Bのフレーム構造体14のサイドフレーム15a,15bと共通中央フレーム19に取り付けられている。尚、各駐輪装置A,Bのフレーム構造体14のサイドフレーム15a,15bと共通中央フレーム19には、上下両歯輪2a,4a間及び上下両歯輪2b,4b間において無端状チエン1a,1bを案内するチエンガイドレール33a,33bが取り付けられている。
【0020】
尚、以上のように構成された2基の駐輪装置A,Bを並設して構成された駐輪設備は、各駐輪装置の入出庫口17に配設された開閉扉装置18を除く地上部全体を角筒状の建屋によって取り囲むことが出来るが、この場合、
図4に示すように、当該角筒状の建屋34の左右両側壁部34a,34bは、各駐輪装置A,Bのフレーム構造体14における外側のサイドパネル15a,15bに隣接させると共に、後側壁部34cは、各駐輪装置A,Bにおける駐輪台8の垂直循環経路の後ろ側垂直昇降経路部RPに隣接させるように配設することが出来る。
【0021】
以上のように構成された駐輪設備の各駐輪装置A,Bにおいて、駆動手段5の減速機付きモーター7を稼働させ、チエン伝動機構6を介して左右一対の下歯輪4a,4bを駆動し、左右一対の無端状チエン1a,1bを回動させると、吊下げ具9a,9bにより吊り下げられた各駐輪台8が垂直循環経路を回動することになるが、
図1Bからも明白なように、各駐輪装置A,Bが備える全ての駐輪台8は、吊下げ具9a,9bによる吊下げ位置Pを支点に前後に揺動することを、各ガイドローラー24〜26bとガイドレール27〜30bとの係合により阻止され、正立姿勢を保って垂直循環経路を回動することが出来る。尚、上記実施例では、入出庫口17に向かって右側の駐輪装置Aの駐輪台8を回動させるときは、共通中央フレーム19の後ろ側の架台20a上に設置された減速機付きモーター7を稼働させ、入出庫口17に向かって左側の駐輪装置Bの駐輪台8を回動させるときは、共通中央フレーム19の前側の架台20b上に設置された減速機付きモーター7を稼働させることになる。勿論、両方の駐輪装置A,Bの駐輪台8を同時に回動させることも可能である。
【0022】
各駐輪台8に対する自転車の入出庫作業は、従来のこの種の駐輪設備における入出庫作業と同様に行える。即ち、駆動手段5の稼働により全ての駐輪台8を垂直循環経路上で回動させて、入出庫対象の1つの駐輪台8を、入出庫口17に対応する定停止位置に呼び出して停止させ、
図4に示すように、当該駐輪台8の自転車支持台部11上に並設されている複数の自転車支持部11aの内、入出庫対象の1つの自転車支持部11aに対応する開閉扉装置18の自転車出し入れ口を開いて、自転車の入出庫作業を手作業で行い、作業後に開閉扉装置18の開いた自転車出し入れ口を閉じれば良い。
【0023】
尚、上記実施例では、2基の駐輪装置A,Bを並設して構成した駐輪設備を示したが、3基以上の駐輪装置を並設して、より大型の駐輪設備を構成する場合も、互いに並列する2基の駐輪装置間において本発明の技術思想を適用して実施すれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の垂直循環型駐輪設備は、自転車を乗せる駐輪台が垂直循環経路を回動するタイプの駐輪装置を少なくとも2基並設して構成される大型の駐輪設備として活用出来る。
【符号の説明】
【0025】
1a,1b 無端状チエン
2a,2b 上歯輪
3 水平連動軸
4a,4b 下歯輪
5 駆動手段
6 チエン伝動機構
7 減速機付きモーター
8 駐輪台
9a,9b 吊下げ具
10a,10b 側枠
11 自転車支持台部
12 連結部材
14 フレーム構造体
15a,15b サイドフレーム
16 上端連結フレーム
17 入出庫口
18 開閉扉装置
19 共通中央フレーム
20a,20b 架台
21 ピット
22,31,32 支持部材
24 上前側ガイドローラー
25 上後ろ側ガイドローラー
26a,26b 下前側ガイドローラー
27 前側垂直昇降経路部の内側ガイドレール
27A 下内側湾曲レール部
27B 上内側湾曲レール部
27C 内側垂直レール部
28a,28b 前側垂直昇降経路部の外側ガイドレール
29 後ろ側垂直昇降経路部の外側ガイドレール
29A 上外側湾曲レール部
29B 下外側湾曲レール部
30a,30b 後ろ側垂直昇降経路部の内側ガイドレール
33a,33b チエンガイドレール
34 建屋
A,B 駐輪装置
P 吊下げ位置
FP 前側垂直昇降経路部
RP 後ろ側垂直昇降経路部