(54)【発明の名称】標高信頼度判定システム、データ整備システム、走行支援システム、走行支援プログラム及び方法、データ整備プログラム及び方法、並びに標高信頼度判定プログラム及び方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、道路が整備された領域の属性によらずに、推定標高の信頼度である推定標高信頼度を適切に決定することができる標高信頼度判定システムの実現が望まれる。また、適切に決定された推定標高信頼度に基づいて、地図情報に関連付けて格納される推定標高を適切に補正することができるデータ整備システムの実現が望まれる。また、適切に決定された推定標高信頼度に基づいて、各種の走行支援処理を適切に実行することができる走行支援システムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る
走行支援システムの特徴構成は、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得部と、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得部と、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出部と、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定部と、
前記推定標高に基づいて道路勾配を算出する勾配算出部と、前記道路勾配に基づいて、車両の走行支援に関する複数の支援処理の中から選択される特定支援処理を実行する支援処理実行部と、を備え、前記信頼度決定部は、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定
し、前記支援処理実行部は、前記推定標高信頼度に基づいて当該推定標高信頼度で実行可能な前記支援処理である実行可能支援処理を抽出し、抽出された前記実行可能支援処理の中から前記特定支援処理を選択して実行する点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、複数の基準点毎に算出される推定標高についてのそれぞれの推定標高信頼度を、背景種別データ及び道路幅データの少なくとも一方に基づいて決定する。道路の周辺の環境は、背景情報に含まれる背景種別データと概ね一対一に対応していると考えることができる。そのため、路面の実際の標高(実標高)と標高情報に含まれる標高とが乖離している可能性がある環境に対応する背景種別を予め設定しておくことで、各基準点の位置における背景種別データに基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を適切に決定することができる。また、道路情報に含まれる道路幅データに示される道路幅が標高情報における単位領域の大きさとの関係である程度広い場合には、路面の実標高と標高情報に含まれる標高とが乖離している可能性は低くなる。そのため、そのような乖離の可能性と道路幅との関係性を予め設定しておくことで、各基準点の位置における道路幅データに基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を適切に決定することができる。従って、道路が整備された領域の属性によらずに、推定標高信頼度を適切に決定することができる標高信頼度判定システムが実現できる。
【0008】
また、上記の特徴構成によれば、標高信頼度判定システムによって適切に決定された推定標高信頼度に基づいて、実行可能支援処理を適切に抽出することができる。よって、適切に抽出された前記実行可能支援処理の中から特定支援処理を選択することで、推定標高から算出される勾配情報に基づいて各種の走行支援処理を適切に実行することができる走行支援システムが実現できる。
【0009】
ここで、複数の前記支援処理には、前記道路勾配に応じて車両の挙動を制御するための車両制御用支援処理と、車両の乗員に前記道路勾配に係る情報を提供するための案内用支援処理とが含まれ、前記車両制御用支援処理には、走行制御用の走行制御用支援処理と、安全制御用の安全制御用支援処理とが含まれ、前記案内用支援処理を前記実行可能支援処理と判定するための前記推定標高信頼度のしきい値である第二基準値が、前記走行制御用支援処理を前記実行可能支援処理と判定するための前記推定標高信頼度のしきい値である第三基準値、及び前記安全制御用支援処理を前記実行可能支援処理と判定するための前記推定標高信頼度のしきい値である第四基準値よりも小さい値に設定され、前記第三基準値が、前記第四基準値よりも小さい値に設定されていると好適である。
【0010】
車両制御用支援処理は、車両の挙動を強制的に変化させる支援処理であるため、必要な場合に必要な位置において誤りなく実行すべきことが要求される。推定標高信頼度が相対的に低い場合には、推定標高及びそれから算出される情報の信頼度も相対的に低いものとなるため、車両制御用支援処理が誤実行されるよりは初めから実行されない方が好ましい。一方、案内用支援処理は、車両の乗員の便宜のための支援処理であるため、作動頻度が重要視されて多少の誤実行がある程度許容される。よって、推定標高信頼度がある程度低くても案内用支援処理は積極的に実行される方が好ましい。このような点に鑑み、上記のように第二基準値を第三基準値よりも小さい値に設定することで、それぞれの特定支援処理を、必要とされる正確性及び作動頻度に応じて適切に実行可能とすることができる。
【0011】
ここで、前記走行制御用支援処理には、車両に備えられる変速機の変速比を前記道路勾配に応じて変更させる変速制御処理と、車両の車輪に伝達されるトルクを前記道路勾配に応じて調整する駆動力制御処理と、車両に備えられたバッテリの充電量を前記道路勾配に応じて調整する充電量制御処理と、が含まれ、前記安全制御用支援処理には、前記道路勾配に応じて車輪の制動力を調整する制動力制御処理が含まれると好適である。
【0012】
本発明に係る標高信頼度判定システムの特徴構成は、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得部と、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得部と、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出部と、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定部と、を備え、前記信頼度決定部は、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定するものであり、前記信頼度決定部は、前記基準点の位置における前記背景種別データに示される背景種別が森林に対応する種別である場合には、前記背景種別が前記森林に対応する種別以外の種別である場合に比べて当該基準点の前記推定標高信頼度を相対的に低くする点にある。
【0013】
この特徴構成によれば、複数の基準点毎に算出される推定標高についてのそれぞれの推定標高信頼度を、背景種別データ及び道路幅データの少なくとも一方に基づいて決定する。道路の周辺の環境は、背景情報に含まれる背景種別データと概ね一対一に対応していると考えることができる。そのため、路面の実際の標高(実標高)と標高情報に含まれる標高とが乖離している可能性がある環境に対応する背景種別を予め設定しておくことで、各基準点の位置における背景種別データに基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を適切に決定することができる。また、道路情報に含まれる道路幅データに示される道路幅が標高情報における単位領域の大きさとの関係である程度広い場合には、路面の実標高と標高情報に含まれる標高とが乖離している可能性は低くなる。そのため、そのような乖離の可能性と道路幅との関係性を予め設定しておくことで、各基準点の位置における道路幅データに基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を適切に決定することができる。従って、道路が整備された領域の属性によらずに、推定標高信頼度を適切に決定することができる標高信頼度判定システムが実現できる。
【0014】
背景種別データに示される背景種別が森林に対応する種別である場合には、標高情報に含まれる標高が、路面の実標高ではなく森林に生育する樹木の表面高さとなってしまう場合がある。よって、路面の実標高と標高情報に含まれる標高とが乖離している可能性が高く、そのような標高情報に基づいて算出される推定標高も路面の実標高と乖離している可能性が高いと言える。一方、背景種別データに示される背景種別が森林に対応する種別以外の種別である場合には、そのような乖離はほとんど生じない場合が多い。従って、上記の構成によれば、基準点の位置における背景種別データに示される背景種別が森林に対応する種別であるか否かに基づいて、推定標高信頼度を適切に決定することができる。
【0015】
また、前記信頼度決定部は、前記道路幅データに示される
道路の道路幅が狭くなるに従って、
当該道路上の前記基準点の前記推定標高信頼度を低くすると好適である。
【0016】
道路幅が狭ければ狭いほど、標高情報における単位領域中に占める道路の割合が小さくなると共に、道路以外の領域の割合が大きくなる。よって、道路の周辺の環境が推定標高に与える影響が大きくなる。従って、上記の構成によれば、所定の道路幅を有する道路の周辺の環境が推定標高に与える影響度を考慮して、道路幅データに示される道路幅に基づいて推定標高信頼度を適切に決定することができる。
【0017】
本発明に係る走行支援システムの特徴構成は、上述した各種構成の標高信頼度判定システムと、前記推定標高に基づいて、車両の走行支援に関する複数の支援処理の中から選択される特定支援処理を実行する支援処理実行部と、備え、前記支援処理実行部は、前記推定標高信頼度に基づいてその推定標高信頼度で実行可能な前記支援処理である実行可能支援処理を抽出し、抽出された実行可能支援処理の中から前記特定支援処理を選択して実行する点にある。
【0018】
この特徴構成によれば、標高信頼度判定システムによって適切に決定された推定標高信頼度に基づいて、実行可能支援処理を適切に抽出することができる。よって、適切に抽出された実行可能支援処理の中から特定支援処理を選択することで、推定標高から算出される勾配情報に基づいて各種の走行支援処理を適切に実行することができる走行支援システムが実現できる。
【0019】
また、複数の前記支援処理には、車両の挙動を制御するための車両制御用支援処理と、車両の乗員に各種の情報を提供するための案内用支援処理とが含まれ、前記案内用支援処理を前記実行可能支援処理と判定するための前記推定標高信頼度のしきい値である第二基準値が、前記車両制御用支援処理を前記実行可能支援処理と判定するための前記推定標高信頼度のしきい値である第三基準値よりも小さい値に設定されていると好適である。
【0020】
車両制御用支援処理は、車両の挙動を強制的に変化させる支援処理であるため、必要な場合に必要な位置において誤りなく実行すべきことが要求される。推定標高信頼度が相対的に低い場合には、推定標高及びそれから算出される情報の信頼度も相対的に低いものとなるため、車両制御用支援処理が誤実行されるよりは初めから実行されない方が好ましい。一方、案内用支援処理は、車両の乗員の便宜のための支援処理であるため、作動頻度が重要視されて多少の誤実行がある程度許容される。よって、推定標高信頼度がある程度低くても案内用支援処理は積極的に実行される方が好ましい。このような点に鑑み、上記のように第二基準値を第三基準値よりも小さい値に設定することで、それぞれの特定支援処理を、必要とされる正確性及び作動頻度に応じて適切に実行可能とすることができる。
【0021】
本発明に係るデータ整備システムの特徴構成は、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得部と、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得部と、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出部と、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定部と、前記地図情報と前記基準点毎の前記推定標高とを関連付けて格納する地図データベースと、複数の前記基準点のうち前記推定標高信頼度が予め設定された第一基準値未満である特定基準点について、当該特定基準点に関連付けられる推定標高を、前記推定標高信頼度が前記第一基準値以上である他の前記基準点の前記推定標高に基づいて補正する推定標高補正部と、前記道路に沿った前記基準点の配列順において前記基準点のそれぞれの前記推定標高信頼度が前記第一基準値を跨いで上昇又は低下する部分である境界部を判定する境界判定部と、を備え、前記信頼度決定部は、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定し、前記推定標高補正部は、予め設定された補正判定距離内に前記推定標高信頼度が低下する前記境界部と上昇する前記境界部とが一対存在する場合に、当該一対の境界部におけるそれぞれの前記推定標高の変化量に基づいて、前記一対の境界部の間に位置する全ての前記特定基準点について、前記変化量を打ち消すように前記推定標高を補正する点にある。
【0022】
この特徴構成によれば、複数の基準点毎に算出される推定標高についてのそれぞれの推定標高信頼度を、背景種別データ及び道路幅データの少なくとも一方に基づいて決定する。道路の周辺の環境は、背景情報に含まれる背景種別データと概ね一対一に対応していると考えることができる。そのため、路面の実際の標高(実標高)と標高情報に含まれる標高とが乖離している可能性がある環境に対応する背景種別を予め設定しておくことで、各基準点の位置における背景種別データに基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を適切に決定することができる。また、道路情報に含まれる道路幅データに示される道路幅が標高情報における単位領域の大きさとの関係である程度広い場合には、路面の実標高と標高情報に含まれる標高とが乖離している可能性は低くなる。そのため、そのような乖離の可能性と道路幅との関係性を予め設定しておくことで、各基準点の位置における道路幅データに基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を適切に決定することができる。従って、道路が整備された領域の属性によらずに、推定標高信頼度を適切に決定することができる標高信頼度判定システムが実現できる。
【0023】
また、上記の特徴構成によれば、標高信頼度判定システムによって適切に決定された推定標高信頼度と予め設定された第一基準値とに基づいて、各基準点において路面の実標高と推定標高とが概ね一致しているか否かを適切に判定することができる。そして、概ね一致していると判定された基準点の推定標高に基づいて、一致していないと判定された特定基準点の推定標高を路面の実標高に近づけるように補正することができる。従って、地図情報に関連付けて格納される推定標高を適切に補正することができるデータ整備システムが実現できる。
【0024】
また、上記の特徴構成によれば、予め設定された補正判定距離内に推定標高信頼度が低下及び上昇する一対の境界部が存在することを検知して、当該一対の境界部の間に位置する全ての特定基準点について一括して推定標高を補正することができる。よって、例えば特定基準点のそれぞれについて個別に推定標高を補正する場合と比較して、推定標高の補正のための処理を簡略化することができる。その際、一対の境界部におけるそれぞれの推定標高の変化量に基づいて当該変化量を打ち消すように推定標高を補正するので、各特定基準点の推定標高を路面の実標高に近づけることができる。
【0025】
以上の各構成を備えた本発明に係る
走行支援システム、標高信頼度判定システム
、及びデータ整備システムの技術的特徴は、
走行支援プログラム及び方法、標高信頼度判定プログラム
及び方法
、並びにデータ整備プログラム及び方法にも適用可能であり、そのため、本発明は、そのようなプログラムや方法も権利の対象とすることができる。
【0026】
その場合における、
走行支援プログラムの特徴構成は、
地図情報取得部が、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得機能と、
標高情報取得部が、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得機能と、
標高算出部が、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出機能と、
信頼度決定部が、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定機能と、
勾配算出部が、前記推定標高に基づいて道路勾配を算出する勾配算出機能と、支援処理実行部が、前記道路勾配に基づいて、車両の走行支援に関する複数の支援処理の中から選択される特定支援処理を実行する支援処理実行機能と、をコンピュータに実現させ、
前記信頼度決定部が、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定
し、前記支援処理実行部が、前記推定標高信頼度に基づいて当該推定標高信頼度で実行可能な前記支援処理である実行可能支援処理を抽出し、抽出された前記実行可能支援処理の中から前記特定支援処理を選択して実行する点にある。
【0027】
その場合における、
走行支援方法の特徴構成は、
地図情報取得部が、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
標高情報取得部が、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得ステップと、
標高算出部が、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出ステップと、
信頼度決定部が、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定ステップと、
勾配算出部が、前記推定標高に基づいて道路勾配を算出する勾配算出ステップと、支援処理実行部が、前記道路勾配に基づいて、車両の走行支援に関する複数の支援処理の中から選択される特定支援処理を実行する支援処理実行ステップと、を備え、
前記信頼度決定部が、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定
し、前記支援処理実行部が、前記推定標高信頼度に基づいて当該推定標高信頼度で実行可能な前記支援処理である実行可能支援処理を抽出し、抽出された前記実行可能支援処理の中から前記特定支援処理を選択して実行する点にある。
【0028】
その場合における、標高信頼度判定プログラムの特徴構成は、地図情報取得部が、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得機能と、標高情報取得部が、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得機能と、標高算出部が、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出機能と、信頼度決定部が、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定機能と、をコンピュータに実現させ、前記信頼度決定部が、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定するものであり、前記信頼度決定部が、前記基準点の位置における前記背景種別データに示される背景種別が森林に対応する種別である場合には、前記背景種別が前記森林に対応する種別以外の種別である場合に比べて当該基準点の前記推定標高信頼度を相対的に低くする点にある。
【0029】
その場合における、標高信頼度判定方法の特徴構成は、地図情報取得部が、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得ステップと、標高情報取得部が、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得ステップと、標高算出部が、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出ステップと、信頼度決定部が、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定ステップと、を備え、前記信頼度決定部が、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定するものであり、前記信頼度決定部が、前記基準点の位置における前記背景種別データに示される背景種別が森林に対応する種別である場合には、前記背景種別が前記森林に対応する種別以外の種別である場合に比べて当該基準点の前記推定標高信頼度を相対的に低くする点にある。
【0030】
その場合における、データ整備プログラムの特徴構成は、地図情報取得部が、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得機能と、標高情報取得部が、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得機能と、標高算出部が、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出機能と、信頼度決定部が、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定機能と、データ格納部が、前記地図情報と前記基準点毎の前記推定標高とを関連付けて地図データベースに格納するデータ格納機能と、推定標高補正部が、複数の前記基準点のうち前記推定標高信頼度が予め設定された第一基準値未満である特定基準点について、当該特定基準点に関連付けられる推定標高を、前記推定標高信頼度が前記第一基準値以上である他の前記基準点の前記推定標高に基づいて補正する推定標高補正機能と、境界判定部が、前記道路に沿った前記基準点の配列順において前記基準点のそれぞれの前記推定標高信頼度が前記第一基準値を跨いで上昇又は低下する部分である境界部を判定する境界判定機能と、を備え、前記信頼度決定部が、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定し、前記推定標高補正部が、予め設定された補正判定距離内に前記推定標高信頼度が低下する前記境界部と上昇する前記境界部とが一対存在する場合に、当該一対の境界部におけるそれぞれの前記推定標高の変化量に基づいて、前記一対の境界部の間に位置する全ての前記特定基準点について、前記変化量を打ち消すように前記推定標高を補正する点にある。
【0031】
その場合における、データ整備方法の特徴構成は、地図情報取得部が、道路情報と背景情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得ステップと、標高情報取得部が、前記地図情報に示される地図を予め定められた広さの複数の単位領域に区分して当該単位領域毎の標高を表した標高情報を取得する標高情報取得ステップと、標高算出部が、前記道路情報と前記標高情報とに基づいて、道路に沿って設定される複数の基準点毎の推定標高を算出する標高算出ステップと、信頼度決定部が、前記推定標高の信頼度である推定標高信頼度を決定する信頼度決定ステップと、データ格納部が、前記地図情報と前記基準点毎の前記推定標高とを関連付けて地図データベースに格納するデータ格納ステップと、推定標高補正部が、複数の前記基準点のうち前記推定標高信頼度が予め設定された第一基準値未満である特定基準点について、当該特定基準点に関連付けられる推定標高を、前記推定標高信頼度が前記第一基準値以上である他の前記基準点の前記推定標高に基づいて補正する推定標高補正ステップと、境界判定部が、前記道路に沿った前記基準点の配列順において前記基準点のそれぞれの前記推定標高信頼度が前記第一基準値を跨いで上昇又は低下する部分である境界部を判定する境界判定ステップと、を備え、前記信頼度決定部が、それぞれの前記基準点の位置における前記背景情報に含まれる背景種別データ及び前記道路情報に含まれる道路幅データの少なくとも一方に基づいて、当該基準点毎の前記推定標高信頼度を決定し、前記推定標高補正部が、予め設定された補正判定距離内に前記推定標高信頼度が低下する前記境界部と上昇する前記境界部とが一対存在する場合に、当該一対の境界部におけるそれぞれの前記推定標高の変化量に基づいて、前記一対の境界部の間に位置する全ての前記特定基準点について、前記変化量を打ち消すように前記推定標高を補正する点にある。
【0032】
当然ながら、これらの
走行支援プログラム及び方法、標高信頼度判定プログラム
及び方法
、並びにデータ整備プログラム及び方法も、上述した
走行支援システム、標高信頼度判定システム
、及びデータ整備システムに係る作用効果を得ることができる。更に、これらの
走行支援プログラム及び方法、標高信頼度判定プログラム
及び方法
、並びにデータ整備プログラム及び方法に、上述した
走行支援システム、標高信頼度判定システム
、及びデータ整備システムの好適な構成の例として挙げたいくつかの付加的技術を組み込むことも可能であり、その場合、それぞれの付加的技術に対応する作用効果も得ることができる
。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に係る標高信頼度判定システムの実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る標高信頼度判定システム1は、道路情報Rと標高情報Hとに基づいて算出される推定標高hの信頼度である推定標高信頼度Cを判定するためのシステムである。本実施形態では、この標高信頼度判定システム1を、推定標高hを補正して地図データベース6に格納するデータ整備システム2、及び車両の走行に関する各種の支援処理APを実行する走行支援システム3に適用した場合を例として説明する。なお、本実施形態では、各システムはそれぞれナビゲーションシステムの一部を構成している。また、各システムは複数の機能部を有して構成されるが、各機能部が複数のシステムに共有されても良いものとする。
【0035】
標高信頼度判定システム1、データ整備システム2、及び走行支援システム3の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。また、各機能部は、通信線を介して互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。
【0036】
なお、以下では説明の簡略化のため、標高信頼度判定システム1、データ整備システム2、及び走行支援システム3の全てが単一の車両に搭載された構成を想定して説明する。しかし、そのような構成に限定される訳ではなく、これらのうちの1つ以上について当該システムを構成する各機能部が、互いに情報通信可能な管理装置と車載端末装置とに分かれて備えられても良い。すなわち、管理装置と情報通信可能に設けられた複数の車載端末装置とにより、いわゆるプローブカーシステムが構築されても良い。この場合、各車載端末装置は、プローブ情報として推定標高信頼度Cや補正後の推定標高h’の情報を提供する構成とすることができる。また、標高信頼度判定システム1及びデータ整備システム2が管理装置に設けられると共に、標高信頼度判定システム1及び走行支援システム3が車載端末装置に設けられた構成等としても良い。
【0037】
1.標高信頼度判定システム
図1に示すように、標高信頼度判定システム1は、地図情報取得部11と、基準点設定部12と、標高情報取得部13と、標高算出部14と、信頼度決定部15とを備えている。なお、これらの各機能部により実現される機能が、本発明に係る標高信頼度判定プログラムにおける各「機能」に相当する。また、各機能部により実行される処理が、本発明に係る標高信頼度判定方法における各「ステップ」に相当する。また、標高信頼度判定システム1は、地図データベース6からの情報を取得可能に構成されている。
【0038】
標高信頼度判定システム1からデータを抽出可能に構成される地図データベース6は、地図情報Mが格納されたデータベースである。
図1に示すように、地図情報Mには、道路ネットワークを示す道路情報Rと、地図背景を示す背景情報Gとが少なくとも含まれる。道路情報Rには、ノードとリンクとによって表される道路間の接続情報(道路ネットワークデータ)と、自動車専用道路、国道、県道等の道路種別の情報(道路種別データ)、道路長の情報(道路長データ)、道路形状の情報(道路形状データ)、道路幅の情報(道路幅データRw)等の各道路の属性情報とが含まれる。背景情報Gには、河川、鉄道、緑地、山間地等の背景種別の情報(背景種別データGc)、それぞれのエリアの外形を示す背景形状の情報(背景形状データ)等の属性情報が含まれる。本実施形態では、実世界において樹木が生い茂ったエリアには、当該エリアにおける標高分布に応じて「緑地」又は「山間地」の背景種別が割り当てられるものとする。従って、本実施形態では、これらの背景種別が本発明における「森林に対応する背景種別」に相当する。なお、地図情報Mには、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物(例えば、道路標示、道路標識、信号機等)を示す地物情報等も含まれていても良い。
【0039】
地図データベース6には、標高情報Hも格納されている。標高情報Hは、本実施形態では、国土地理院から提供されるメッシュ標高データである。この標高情報Hとしてのメッシュ標高データは、全国の地図を予め定められた広さの複数の単位領域U(
図3を参照)に区分して、各単位領域Uの標高整備点V(例えば中心)の標高をそれぞれ表した情報である。単位領域Uは、例えば正方形領域とすることができ、この場合における1辺の長さは10m,50m等であって良い。標高情報Hを格納するのに必要な地図データベース6の容量を節減するため、複数(例えば4つ,9つ等)を統合して新たな単位領域Uとしても良い。
【0040】
また、地図データベース6には、詳しくは後述するように地図情報Mと基準点F毎の推定標高hとが関連付けて格納されている。具体的には、地図情報Mを構成する道路情報Rに含まれる複数のノード及び複数のリンクのうち、特定のノード及びリンクに関連付けて推定標高hが格納されている。例えば、後述する基準点Fが設定された道路に対応するリンク上の、両端のノードのいずれか一方から所定長さだけ離れた地点に関連付けて、推定標高hが格納されている。基準点Fの推定標高hが推定標高補正部23により補正される場合には、当該補正後の推定標高h’が地図情報Mに関連付けて格納される。これらの点に関しては、後述する。
【0041】
地図情報取得部11は、地図データベース6から地図情報Mを取得する機能部である。地図情報取得部11は、基準点設定部12からの要求に従って、地図データベース6から道路情報R(具体的には道路ネットワークデータ及び道路形状データ等)を抽出して取得する。また、地図情報取得部11は、背景種別判定部16からの要求に従って、地図データベース6から背景情報G(具体的には背景種別データGc)を抽出して取得する。また、地図情報取得部11は、道路幅判定部17からの要求に従って、地図データベース6から道路情報R(具体的には道路幅データRw)を抽出して取得する。なお、地図情報取得部11は、自車位置の特定や地図表示等、ナビゲーション機能の実現に必要な各種の情報を地図データベース6から取得するための機能も担う。
【0042】
基準点設定部12は、道路に沿って複数の基準点F(
図3を参照)を設定する機能部である。ここで、基準点Fは、道路情報Rと標高情報Hとに基づいて推定標高hを算出するに際して基準となる点である。この基準点Fは、後述する道路勾配を算出する際や、走行支援処理を実行する際の基準ともなる。基準点設定部12は、地図情報取得部11により取得される道路情報R(道路ネットワークデータ、道路形状データ等)に基づいて複数の基準点Fを設定する。基準点設定部12は、道路に沿って互いに隣接するものどうしの間隔が一定間隔となるように、複数の基準点Fを設定する。
【0043】
標高情報取得部13は、地図データベース6から標高情報Hを取得する機能部である。標高情報取得部13は、基準点設定部12からの要求に従って、地図データベース6から標高情報Hを取得する。標高情報取得部13は、設定された複数の基準点Fの位置情報に基づいて、各基準点Fを包含する複数の単位領域U及びそれらに隣接する単位領域Uについての標高情報Hを抽出して取得する。ここで、「隣接する」とは、例えば
図3の単位領域U4と単位領域U5との関係のように1辺を共有する態様以外にも、例えば単位領域U1と単位領域U5との関係のように1頂点のみを共有する態様も含む。
【0044】
標高算出部14は、道路情報Rと標高情報Hとに基づいて、基準点F毎の推定標高hを算出する機能部である。標高算出部14は、道路情報Rに基づいて基準点設定部12により設定された複数の基準点Fに係る情報(位置情報)と、標高情報取得部13により取得された所定領域についての標高情報Hとに基づいて、基準点F毎の推定標高hを算出する。標高算出部14は、各基準点Fについて、当該基準点Fからの距離が短い方から4番目までの標高整備点Vについて定められた標高データに基づいて、当該基準点Fの推定標高hを算出する。例えば
図3においてハッチングを付して他と区別して示している基準点Faに関しては、単位領域U4,U5,U7,U8の各標高整備点V4,V5,V7,V8についての標高データに基づいて、これらの荷重平均値として基準点Faの推定標高hが算出される。この場合、例えば基準点Fから対応する各標高整備点Vまでの距離に応じて、当該距離が短くなるに従って重み付けを大きくする(前記距離に反比例する重み付けを行う)構成とすることができる。
【0045】
信頼度決定部15は、標高算出部14により算出された推定標高hの信頼度である推定標高信頼度Cを決定する機能部である。ここで、推定標高信頼度Cは、道路表面(路面)の実際の標高(実標高)と推定標高hとが一致している度合いを表す指標である。すなわち、推定標高信頼度Cは、路面の実標高(実路面標高)を基準とする推定標高hの確からしさを表す指標である。このような推定標高信頼度Cは、例えば0〔%〕以上100〔%〕以下の値、又はそれに相当する値として決定される。信頼度決定部15は、それぞれの基準点Fの位置における背景情報Gに含まれる背景種別データGc及び道路情報Rに含まれる道路幅データRwの少なくとも一方に基づいて、基準点F毎の推定標高信頼度Cを決定する。そのため、信頼度決定部15は、背景種別判定部16と道路幅判定部17とを備えている。
【0046】
背景種別判定部16は、基準点設定部12により設定された複数の基準点Fに係る情報(位置情報)と、地図情報取得部11により取得された背景種別データGcとに基づいて、基準点F毎の背景種別データGcに示される背景種別を判定する機能部である。上述したように、背景情報Gにはそれぞれのエリアの外形を示す背景形状の情報が含まれているので、背景種別判定部16は、各基準点Fの位置を包含するエリアを判定することで基準点F毎の背景種別を判定する。本実施形態では特に、背景種別判定部16は、基準点F毎の背景種別が「森林」に対応するものであるか否か、すなわち本例では「緑地」又は「山間地」であるか否かを判定する。
【0047】
信頼度決定部15は、背景種別判定部16の判定結果に基づいて、基準点Fの位置における背景種別が「森林」に対応する種別である場合に、背景種別がそれ以外の種別である場合に比べて当該基準点Fの推定標高信頼度Cを相対的に低くする。信頼度決定部15は、基準点Fの位置における背景種別が「森林」に対応する種別以外である場合には、当該基準点Fの推定標高信頼度Cを予め定められた標準値C1に一律に決定する。一方、信頼度決定部15は、基準点Fの位置における背景種別が「森林」に対応する種別である場合には、当該基準点Fの推定標高信頼度Cを標準値C1未満の予め定められた設定値C2に一律に決定する。本実施形態では、標準値C1は後述する第一基準値A1よりも大きい値として定められ、設定値C2は第一基準値A1よりも小さい値として定められる。
【0048】
国土地理院から提供される標高情報Hでは、森林地帯(樹木が生い茂ったエリア)における各単位領域Uの標高整備点Vの標高が、実路面標高ではなく樹木の表面高さとなってしまう場合がある。よって、実路面標高と標高情報Hに含まれる標高とが乖離している(一致していない)可能性が高く、そのような標高情報Hに基づいて算出される推定標高hも実路面標高と乖離している可能性が高いと言える。一方、森林地帯以外の例えば平地等では、そのような乖離はほとんど生じない場合が多い。このような点に鑑み、信頼度決定部15は、基準点Fの位置における背景種別データGcに示される背景種別が「森林」に対応する種別であるか否かに基づいて、推定標高信頼度Cを上記のように決定する。
【0049】
道路幅判定部17は、基準点設定部12により複数の基準点Fが設定された道路について地図情報取得部11により取得される道路幅データRwに基づいて、基準点F毎の道路幅データRwに示される道路幅を判定する機能部である。上述したように、本実施形態では自車両の現在位置から所定範囲内の単一の道路上に複数の基準点Fが設定されるので、基準点F毎の道路幅も単一のものとして判定可能である。なお、複数の道路上に跨って複数の基準点Fが設定される場合には、基準点F毎に、当該基準点Fが設定された道路に応じた道路幅が判定される。
【0050】
信頼度決定部15は、道路幅判定部17の判定結果に基づいて、各基準点Fが設定された道路の道路幅データRwに示される道路幅に応じた推定標高信頼度Cを決定する。
図7に示すように、信頼度決定部15は、道路幅が基準幅W1以上である場合には、その道路上の基準点Fの推定標高信頼度Cを一律に100〔%〕とする。このような基準幅W1は、標高情報Hにおける単位領域U(
図3を参照)の対角線の長さに基づいて決定することができる。当該対角線の長さを「D」とすると、基準幅W1を例えば「2×D」以上の値とすることができる。なお、単位領域Uの1辺の長さに基づいて基準幅W1を決定しても良い。一方、信頼度決定部15は、道路幅が基準幅W1未満である場合には、
図7に示すように道路幅が狭くなるに従ってその道路上の基準点Fの推定標高信頼度Cを相対的に低くする。本実施形態では、道路幅が狭くなるに従って推定標高信頼度Cを徐々に(連続的に)低くする。本実施形態では、信頼度決定部15は、道路幅データRwに示される道路幅と、
図7に示す道路幅と推定標高信頼度Cとの関係を規定した信頼度マップとに基づいて、推定標高信頼度Cを決定する。
【0051】
道路幅が狭ければ狭いほど、単位領域U中に占める道路の割合が小さくなると共に道路以外の領域の割合が大きくなり、道路の周辺の環境が推定標高hに与える影響が大きくなる。これとは逆に、道路幅が広ければ広いほど、単位領域U中に占める道路の割合が大きくなると共に道路以外の領域の割合が小さくなり、道路の周辺の環境が推定標高hに与える影響が小さくなる。そして、道路幅が基準幅W1以上となると、道路の周辺の環境によらずに推定標高hは常に実路面標高に一致する。このような点に鑑み、信頼度決定部15は、所定の道路幅を有する道路の周辺の環境が推定標高hに与える影響度を考慮して、道路幅データRwに示される道路幅に基づいて推定標高信頼度Cを上記のように決定する。
【0052】
このように信頼度決定部15は、背景種別判定部16の判定結果と道路幅判定部17の判定結果とに基づいて推定標高信頼度Cを決定する。このとき、信頼度決定部15は、上記2つの判定結果のうち、いずれか一方のみに基づいて推定標高信頼度Cを決定しても良いし、双方に基づいて推定標高信頼度Cを決定しても良い。本実施形態では、信頼度決定部15は、その後の推定標高信頼度Cの利用態様に応じて異なる単一の情報源に基づいて推定標高信頼度Cを決定するように構成されている。具体的には、推定標高信頼度Cがその後、推定標高hの補正のために利用される場合には、信頼度決定部15は、背景種別判定部16の判定結果に基づいて(すなわち背景種別データGcに基づいて)推定標高信頼度Cを決定する。一方、推定標高信頼度Cがその後、車両の走行に関する各種の支援処理APの実行のために利用される場合には、信頼度決定部15は、道路幅判定部17の判定結果に基づいて(すなわち道路幅データRwに基づいて)推定標高信頼度Cを決定する。以下では、これらの各処理を特に区別する必要がある場合には、前者を第一標高信頼度判定処理と呼び、後者を第二標高信頼度判定処理と呼ぶ。
【0053】
2.データ整備システム
図1に示すように、データ整備システム2は、上述した標高信頼度判定システム1と、地図データベース6と、データ格納部21と、境界判定部22と、推定標高補正部23とを備えている。なお、本データ整備システム2で利用する推定標高信頼度Cは、本例では、標高信頼度判定システム1において第一標高信頼度判定処理により決定された推定標高信頼度Cとされている。
【0054】
データ格納部21は、地図情報Mと基準点F毎の推定標高hとを関連付けて地図データベース6に格納する機能部である。データ格納部21は、基準点設定部12により設定された各基準点Fに係る情報(位置情報)と、標高算出部14により算出された各基準点Fの推定標高hの情報を受け取り、これらを地図情報Mに関連付けて地図データベース6に格納する。具体的には、データ格納部21は、地図情報Mを構成する道路情報Rに含まれる特定のノード及びリンクに関連付けて推定標高hの情報を格納する。例えば、データ格納部21は、基準点Fが設定された道路に対応するリンク上の、両端のノードのいずれか一方から所定長さだけ離れた地点に関連付けて、推定標高hを格納する。本実施形態では、この処理を、標高信頼度判定システム1(信頼度決定部15)により決定される推定標高信頼度Cによらずに、全ての基準点Fについて行う。
【0055】
但し、上述したように国土地理院から提供される標高情報Hでは実路面標高と標高情報Hに含まれる標高とが乖離している場合があり、その結果、標高算出部14により算出される推定標高hも実路面標高と乖離している場合がある。一方、推定標高信頼度Cは実路面標高と推定標高hとが一致している度合いを表す指標であるので、この推定標高信頼度Cに基づいて、実路面標高と推定標高hとが乖離しているエリアを推定することは可能である。すなわち、推定標高信頼度Cを予め定められたしきい値と比較し、推定標高信頼度Cが当該しきい値未満であることを判定することで、そのようなエリアを推定することができる。
【0056】
そのための機能の一部を担うのが境界判定部22である。境界判定部22は、推定標高信頼度Cに基づいて、道路に沿った基準点Fの配列順において基準点Fのそれぞれの推定標高信頼度Cが第一基準値A1を跨いで上昇又は低下する部分である境界部Bを判定する機能部である。ここで、第一基準値A1は、実路面標高と推定標高hとが有意差を有していると判定するための推定標高信頼度Cのしきい値である。第一基準値A1は、上述した設定値C2よりも大きく、かつ、標準値C1未満の値に設定されている。
【0057】
ここで一例として、
図4に示される地域において矢印で示す順に車両が走行した場合を想定する。なお、
図4において、黒く塗りつぶしたエリア(A)は河川を表し、ハッチングを付したエリア(B)は森林地帯(緑地)を表し、その他のエリア(C)は平地を表している。また、
図4では、車両の走行経路を便宜上(a)〜(e)の5つの区間に区切っている。そして、この場合における推定標高h及び推定標高信頼度Cの、経路に沿った推移について考える。
【0058】
区間(a)は平地であり、背景種別は「森林」に対応する種別ではないので、当該区間に設定される基準点Fの推定標高信頼度Cは標準値C1に決定される。このとき、国土地理院から提供される標高情報Hに基づいて算出される推定標高hは、実路面標高にほぼ一致していると考えられる。一方、区間(b)は森林地帯(緑地)であり、背景種別は「森林」に対応する種別であるので、当該区間に設定される基準点Fの推定標高信頼度Cは設定値C2に決定される。このとき、国土地理院から提供される標高情報Hに基づいて算出される推定標高hは、実路面標高とは一致せずそれよりも高い値になっていると考えられる。すなわち、区間(a)から区間(b)に進入する前後で、推定標高信頼度Cが標準値C1から第一基準値A1を跨いで設定値C2に低下し、このとき推定標高hは所定量(Δh1)だけ変化(上昇)する。本例では、境界判定部22は、この区間(a)と区間(b)との間の境界部分を、境界部Bと判定する。
【0059】
区間(c),区間(d)も森林地帯(緑地)であり、標高情報Hに示される標高分布に応じて推定標高hは多少変化するものの、推定標高信頼度Cは設定値C2に維持される。区間(e)は平地であり、当該区間に設定される基準点Fの推定標高信頼度Cは標準値C1に決定され、推定標高hは実路面標高にほぼ一致していると考えられる。すなわち、区間(d)から区間(e)に進入する前後で、推定標高信頼度Cが設定値C2から第一基準値A1を跨いで標準値C1に上昇し、このとき推定標高hは所定量(Δh2)だけ変化(低下)する。本例では、境界判定部22は、この区間(d)と区間(e)との間の境界部分も、境界部Bと判定する。これらの様子を示したのが
図5である。なお、
図5における各黒丸は、
図4には示されていない各基準点Fに対応している。
【0060】
推定標高補正部23は、複数の基準点Fのうち推定標高信頼度Cが第一基準値A1未満である特定基準点Fsについて、当該特定基準点Fsに関連付けられる推定標高hを補正する機能部である。これは、推定標高信頼度Cが第一基準値A1未満である特定基準点Fsでは推定標高hが実路面標高に対して有意差を有しているとみなすことができることによる。推定標高補正部23は、推定標高信頼度Cが第一基準値A1以上である他の基準点Fの推定標高hに基づいて、特定基準点Fsに関連付けられる推定標高hを補正する。これは、推定標高信頼度Cが第一基準値A1以上である基準点Fでは推定標高hが実路面標高に概ね一致しているとみなすことができることによる。
【0061】
本実施形態では、推定標高補正部23は、予め設定された補正判定距離X内に推定標高信頼度Cが低下する境界部Bと推定標高信頼度Cが上昇する境界部Bとが一対存在する場合に、推定標高hを補正する。ここで、補正判定距離Xは、例えば一対の境界部Bにおけるそれぞれの推定標高hの差が所定範囲内に抑えられるような値として、経験に基づいて設定することができる。推定標高補正部23は、一対の境界部Bにおけるそれぞれの推定標高hの変化量Δh1,Δh2に基づいて、一対の境界部Bの間に位置する全ての特定基準点Fsについて、変化量Δh1,Δh2を打ち消すように推定標高hを補正する。具体的には、推定標高補正部23は、上記変化量Δh1,Δh2に基づいて、これらの平均値として推定標高補正量Δh’を算出する(Δh’=(Δh1+Δh2)/2)。そして、推定標高補正部23は、全ての特定基準点Fsについて、
図6に示すように補正前のそれぞれの推定標高hから推定標高補正量Δh’を一律に差し引くことにより、推定標高hを一括して補正して補正後の推定標高h’とする。
【0062】
推定標高補正部23により特定基準点Fsの推定標高hが補正された場合、データ格納部21は、地図情報Mを構成する道路情報Rに含まれる特定のノード及びリンクに関連付けて、補正後の推定標高h’の情報を格納する。この場合、補正前の推定標高hの情報に置換しても良いし、両者を識別可能な情報を付した上で並存させても良い。
【0063】
3.走行支援システム
図2に示すように、走行支援システム3は、上述した標高信頼度判定システム1と、自車位置特定部31と、勾配算出部32と、支援処理実行部33とを備えている。本例では、支援処理実行部33は、実行可能支援処理抽出部34と、支援処理管理部35と、車両制御部36と、ナビゲーション用演算部37とにより構成されている。また、走行支援システム3は、地図データベース6からの情報を取得可能に構成されている。なお、本走行支援システム3で利用する推定標高信頼度Cは、本例では、標高信頼度判定システム1において第二標高信頼度判定処理により決定された推定標高信頼度Cとされている。
【0064】
自車位置特定部31は、自車両の現在位置である自車位置を特定する機能部である。自車位置特定部31は、GPS受信機41、方位センサ42、及び距離センサ43により取得される情報に基づいて、公知の演算を行なって地図上の座標(緯度及び経度)で表される自車位置を特定する。また、自車位置特定部31は、地図データベース6に格納された地図情報M(道路情報R)に基づいて、自車位置をいずれかの道路上に合わせるマップマッチングを行うことで自車位置を補正する。なお、車両に撮像手段が搭載されている場合には、自車位置特定部31は、路面に設けられた道路標示等の地物の画像認識結果に基づいて自車位置を更に高精度に補正する構成としても良い。特定された自車位置の情報は、自車位置情報として用いられる。
【0065】
勾配算出部32は、道路に沿って所定間隔で道路勾配を算出する機能部である。本実施形態では、勾配算出部32は、例えば自車位置特定部31により取得される自車位置情報に示される自車両の現在位置から見て、自車両の進行方向前方の予め定められた範囲内の単一の道路上に位置する基準点Fを抽出し、抽出された基準点F毎の道路勾配を算出する。なお、このような形態に限らず、所定範囲を定めずに道路単位(リンク単位)で複数の基準点Fを抽出する構成や、複数の道路に跨って複数の基準点Fを抽出する構成等としても良い。勾配算出部32は、各基準点Fに関連付けられた推定標高h(補正後の推定標高h’を含む)を地図データベース6から読み出し、それらに基づいて道路勾配を算出する。具体的には、所定間隔離れた2つの基準点Fの間の推定標高hの差の、それらの間の道なり距離(道路に沿った距離)に対する割合として道路勾配を算出する。算出された道路勾配の情報は、勾配情報として用いられる。なお、この勾配算出部32をデータ整備システム2に設け、算出される勾配情報を地図データベース6に格納する構成としても良い。
【0066】
支援処理実行部33は、推定標高hに基づいて、車両の走行支援に関する複数の支援処理APの中から選択される特定支援処理APsを実行する機能部である。本実施形態では、支援処理実行部33は、勾配算出部32により推定標高hから算出される勾配情報に基づいて、車両の走行支援に関する複数の支援処理APの中から選択される特定支援処理APsを実行する。なお、地図データベース6に勾配情報が格納されている場合には、支援処理実行部33は、地図データベース6から勾配情報を抽出し、当該抽出された勾配情報に基づいて特定支援処理APsを実行する構成としても良い。
【0067】
ここで、本実施形態では、複数の支援処理APには、案内用支援処理AP1と車両制御用支援処理AP2とが含まれる。案内用支援処理AP1は、車両の乗員に各種の情報を提供するための支援処理である。案内用支援処理AP1には、例えば情報提供処理及び注意喚起処理等が含まれる。情報提供処理は、車両の周辺の道路状態等に関する情報(例えば、前方に上り坂又は下り坂があること等)を乗員に提供する処理である。注意喚起処理は、車両の状況から見て予測される危険(例えば、前方に長い下り坂があるので車速に注意すべきこと等)を乗員に通知して注意喚起を行う処理である。
【0068】
車両制御用支援処理AP2は、車両の挙動を制御するための支援処理である。車両制御用支援処理AP2には、例えば変速制御処理、駆動力制御処理、充電量制御処理、制動力制御処理等が含まれる。これらのうち、変速制御処理、駆動力制御処理、及び充電量制御処理が走行制御用の支援処理AP(走行制御用支援処理AP2a)であり、残りの制動力制御処理が安全制御用の支援処理AP(安全制御用支援処理AP2b)である。変速制御処理は、車両に備えられる変速機の変速比を道路勾配に応じて変更させる処理である。駆動力制御処理は、車両の車輪に伝達されるトルクを道路勾配に応じて調整する処理である。充電量制御処理は、例えば車両に回転電機及び当該回転電機駆動用のバッテリが備えられている場合に、バッテリの充電量を道路勾配に応じて調整する処理である。制動力制御処理は、電子制御ブレーキ等により道路勾配に応じて制動力を調整する処理である。本実施形態においては、これらのそれぞれの処理が本発明における「支援処理」に相当する。
【0069】
本実施形態では、支援処理実行部33は、推定標高信頼度Cに基づいてその推定標高信頼度Cで実行可能な支援処理APである実行可能支援処理APcを抽出し、抽出された実行可能支援処理APcの中から特定支援処理APsを選択して実行する。このような機能は、実行可能支援処理抽出部34、支援処理管理部35、車両制御部36、及びナビゲーション用演算部37が互いに協調して実現される。
【0070】
実行可能支援処理抽出部34は、推定標高信頼度Cに基づいて、その推定標高信頼度Cで実行可能な支援処理APである実行可能支援処理APcを抽出する機能部である。実行可能支援処理抽出部34は、予め定められた複数のしきい値(基準値)に基づいて実行可能支援処理APcを抽出する。実行可能支援処理抽出部34は、
図8に「○」として示すように、推定標高信頼度Cが予め定められた第二基準値A2以上である場合に、案内用支援処理AP1を実行可能支援処理APcと判定してこれを抽出する。また、実行可能支援処理抽出部34は、推定標高信頼度Cが予め定められた第三基準値A3以上である場合に、車両制御用支援処理AP2を実行可能支援処理APcと判定してこれを抽出する。このとき、本実施形態では、車両制御用支援処理AP2のうち走行制御用支援処理AP2aのみが実行可能支援処理APcとして抽出される。そして、実行可能支援処理抽出部34は、推定標高信頼度Cが予め定められた第四基準値A4以上である場合に、安全制御用支援処理AP2bを実行可能支援処理APcと判定してこれを抽出する。
【0071】
すなわち、本実施形態では、案内用支援処理AP1を実行可能支援処理APcと判定するための推定標高信頼度Cのしきい値である第二基準値A2が、車両制御用支援処理AP2を実行可能支援処理APcと判定するための推定標高信頼度Cのしきい値である第三基準値A3,第四基準値A4よりも小さい値に設定されている。また、走行制御用支援処理AP2aを実行可能支援処理APcと判定するための推定標高信頼度Cのしきい値である第三基準値A3が、安全制御用支援処理AP2bを実行可能支援処理APcと判定するための推定標高信頼度Cのしきい値である第四基準値A4よりも小さい値に設定されている。
【0072】
安全制御用支援処理AP2bは、車両の挙動を強制的に大きく変化させる支援処理APであるため、必要な場合に必要な位置において誤りなく実行すべきことが要求される。推定標高信頼度Cが相対的に低い場合には、推定標高hから算出される勾配情報の信頼度も相対的に低いものとなるため、安全制御用支援処理AP2bが誤実行されるよりは初めから実行されない方が好ましい。一方、案内用支援処理AP1は、車両の乗員の便宜のための支援処理APであるため、作動頻度が重要視されて多少の誤実行はある程度許容される。よって、推定標高信頼度Cがある程度低くても案内用支援処理AP1は積極的に実行される方が好ましい。走行制御用支援処理AP2aは、正確性及び作動頻度の双方がそれぞれ適度に要求される。そのため、このような点を考慮して、上記のように各基準値A2〜A4の大小関係が定められている。
【0073】
支援処理管理部35は、自車位置情報と勾配情報とに基づいて、実行可能支援処理抽出部34により抽出された実行可能支援処理APcの中から特定支援処理APsを選択する。支援処理管理部35は、自車位置情報に示される自車位置が接近中の基準点Fについての勾配情報に示される道路勾配に応じて、当該基準点Fの位置で実行するべき一又は二以上の支援処理APを特定支援処理APsとして選択する。そして、支援処理管理部35は、その制御指令を、選択した特定支援処理APsの内容に応じて車両制御部36及びナビゲーション用演算部37の一方又は双方に出力する。
【0074】
車両制御部36は、車両制御用支援処理AP2(走行制御用支援処理AP2a及び安全制御用支援処理AP2b)を実行する機能部である。車両制御部36は、支援処理管理部35からの制御指令に基づいて、車両の各部(エンジン51、ブレーキ52、変速装置53、・・・)の挙動を制御する。ナビゲーション用演算部37は、案内用支援処理AP1を実行する機能部である。ナビゲーション用演算部37は、支援処理管理部35からの制御指令に基づいて、タッチパネルディスプレイ等の表示入力装置44及びスピーカ等の音声出力装置45等を介して各種の情報提供や注意喚起を行う。
【0075】
4.標高信頼度判定処理、地図データ整備処理、及び走行支援処理の手順
本実施形態に係るナビゲーションシステム(標高信頼度判定システム1、データ整備システム2、及び走行支援システム3を含む)において実行される標高信頼度判定処理、地図データ整備処理、及び走行支援処理について説明する。以下に説明する各処理の手順は、各システムの各機能部を構成するハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実行される。上記の各機能部がプログラムにより構成される場合には、各システムが有する演算処理装置が、上記の各機能部を構成するプログラムを実行するコンピュータとして動作する。
【0076】
4−1.標高信頼度判定処理
図9のフローチャートに示すように、標高信頼度判定処理(ここでは、第一標高信頼度判定処理)では、地図データベース6から道路情報R及び標高情報Hが取得される(ステップ#01)。取得された道路情報Rに基づいて、複数の基準点Fが取得される(#02)。道路情報Rと標高情報Hとに基づいて、各基準点Fの位置における推定標高hが算出される(#03)。なお、図示はしていないが、各基準点Fの位置情報と推定標高hとが、関連付けられて地図データベース6に格納される。また、本実施形態では、各基準点Fの推定標高信頼度Cが標準値C1に仮設定される(#04)。また、地図データベース6から各基準点Fの位置における背景情報G(背景種別データGc)が取得される(#05)。
【0077】
次に、各基準点Fについて、取得された背景種別データGcに示される背景種別が「森林」に対応する「緑地」又は「山間地」であるか否かが判定される(#06)。「森林」に対応している場合には(#06:Yes)、その基準点Fの推定標高信頼度Cを標準値C1未満の設定値C2に変更する(#07)。一方、対応していない場合には(#06:No)、その基準点Fの推定標高信頼度Cを標準値C1に正式決定する(#08)。#06〜#08の処理を、設定されている全ての基準点Fについての判定が終了するまで繰り返す(#09)。以上で、第一標高信頼度判定処理を終了する。
【0078】
4−2.地図データ整備処理
図10のフローチャートに示すように、地図データ整備処理では、上述した第一標高信頼度判定処理によって得られた各基準点Fの推定標高信頼度Cが取得される(#21)。取得された推定標高信頼度Cと予め定められた第一基準値A1とに基づいて、境界部Bが判定される(#22)。また、推定標高信頼度Cが第一基準値A1を跨いで低下及び上昇する一対の境界部Bが判定される(#23)。そして、一対の境界部Bどうしの間の離間距離が補正判定距離X以内であるか否かが判定される(#24)。補正判定距離Xを超えて離間している場合には(#24:No)、そのまま地図データ整備処理を終了する。この場合、各基準点Fの位置情報と補正されていない推定標高hとが関連付けられて地図データベース6に格納される。
【0079】
一方、補正判定距離X以内である場合には(#24:Yes)、一対の境界部Bのそれぞれにおける推定標高hの変化量Δh1,Δh2が算出される(#25)。算出された変化量Δh1,Δh2に基づいて、これらの平均値として推定標高補正量Δh’が算出される(#26)。そして、一対の境界部Bの間に位置する全ての基準点F(特定基準点Fs)について、補正前のそれぞれの推定標高hから推定標高補正量Δh’が一律に差し引かれて推定標高hが補正される(#27)。補正後の推定標高h’は、各特定基準点Fsの位置情報と関連付けられて地図データベース6に格納される(#28)。以上で、地図データ整備処理を終了する。
【0080】
4−3.走行支援処理
図11のフローチャートに示すように、走行支援処理に先立って、まず第二標高信頼度判定処理(#41〜#43)が実行される。この第二標高信頼度判定処理では、自車位置情報が取得され(#41)、自車位置に対して進行方向前方の所定範囲に含まれる各基準点Fの位置における道路幅データRwが、地図データベース6から取得される(#42)。取得された道路幅データRwと
図7の信頼度マップとに基づいて、各基準点Fの推定標高信頼度Cが決定される(#43)。
【0081】
走行支援処理では、第二標高信頼度判定処理によって得られた各基準点Fの推定標高信頼度Cが第二基準値A2以上であるか否かが判定される(#44)。第二基準値A2未満の場合には(#44:No)、どの支援処理APも実行可能とはならないので、そのまま走行支援処理を終了する。第二基準値A2以上の場合には(#44:Yes)、次に、第三基準値A3以上であるか否か(#45)、第四基準値A4以上であるか否かが順次判定される(#46)。
【0082】
そして、第二基準値A2以上第三基準値A3未満の場合には(#45:No)、案内用支援処理AP1のみが実行可能支援処理APcとして抽出される(#47)。第三基準値A3以上第四基準値A4未満の場合には(#46:No)、案内用支援処理AP1と走行制御用支援処理AP2aとが実行可能支援処理APcとして抽出される(#48)。第四基準値A4以上の場合には(#46:Yes)、案内用支援処理AP1、走行制御用支援処理AP2a、及び安全制御用支援処理AP2bの全てが実行可能支援処理APcとして抽出される(#49)。そして、接近中の基準点Fについての道路勾配に応じて、実行可能支援処理APcの中から特定支援処理APsが選択されて実行される(#50)。以上で、第二標高信頼度判定処理及び走行支援処理を終了する。
【0083】
なお、以上の各処理は、車両の走行中、逐次繰り返して実行されるものとすることができる。
【0084】
5.その他の実施形態
最後に、本発明に係る標高信頼度判定システム等の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0085】
(1)上記の実施形態では、信頼度決定部15が、その後の推定標高信頼度Cの利用態様に応じて異なる単一の情報源(背景種別データGc又は道路幅データRw)に基づいて推定標高信頼度Cを決定する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、信頼度決定部15が、その後の推定標高信頼度Cの利用態様によらずに同一の情報源に基づいて推定標高信頼度Cを決定する構成としても良い。この場合、信頼度決定部15は、背景種別データGc及び道路幅データRwの双方に基づいて推定標高信頼度Cを決定する構成とすることができる。例えば、信頼度決定部15は、背景種別データGcに基づいて決まる候補値と道路幅データRwに基づいて決まる候補値とのうちのいずれか高い方又は高い方を、推定標高信頼度Cとして決定しても良い。或いは、信頼度決定部15は、背景種別データGcに基づいて決まる候補値と道路幅データRwに基づいて決まる候補値との乗算値を、推定標高信頼度Cとして決定しても良い。
【0086】
(2)上記の実施形態では、第一標高信頼度判定処理において、信頼度決定部15が、基準点F毎の背景種別が「森林」に対応する「緑地」又は「山間地」であるか否かに基づいて推定標高信頼度Cを決定する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、「森林」に対応する背景種別は、設計者が任意に設定することができる。また、設計者は、「森林」に対応する背景種別以外にも、推定標高hと実路面標高とが乖離している可能性が高いと考えられるエリアに対応する背景種別を、第一標高信頼度判定処理における判定対象として設定することができる。
【0087】
(3)上記の実施形態では、第二標高信頼度判定処理において、信頼度決定部15が、道路幅が基準幅W1未満で狭くなるに従って、推定標高信頼度Cを徐々に低くする構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、信頼度決定部15が、道路幅が狭くなるに従って推定標高信頼度Cを段階的に低くする構成としても良い。この場合、例えば車線数等によって示される道路規模に応じて推定標高信頼度Cを決定する構成とすることができる。なお、車線数の情報(車線数データ)は、地図データベース6に格納された道路情報Rに含ませておけば良い。
【0088】
(4)上記の実施形態では、推定標高補正部23が、算出される推定標高補正量Δh’に基づいて、一対の境界部Bの間に位置する全ての特定基準点Fsの推定標高hを一括して補正する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、推定標高補正部23が、一対の境界部Bの間に位置する各特定基準点Fsの推定標高hを個別に補正する構成としても良い。
【0089】
(5)上記の実施形態では、支援処理実行部33が、勾配算出部32により算出される勾配情報に基づいて特定支援処理APsを実行する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、支援処理実行部33が、推定標高hそれ自体、又は当該推定標高hから算出される勾配情報以外の他の情報に基づいて、特定支援処理APsを実行する構成としても良い。
【0090】
(6)上記の実施形態では、勾配算出部32が、基準点F毎の道路勾配を算出する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、勾配算出部32が、道路に沿って基準点Fとは無関係に所定間隔で道路勾配を算出する構成としても良い。例えば、道路情報Rが道路形状を表現するための形状補完点の情報を有している場合には、当該形状補完点毎の道路勾配を算出する構成としても良い。或いは、基準点Fとは別に道路に沿って一定間隔で設定される地点毎の道路勾配を算出する構成としても良い。
【0091】
(7)上記の実施形態では、複数の支援処理APが、案内用支援処理AP1と走行制御用支援処理AP2aと安全制御用支援処理AP2bとに区別された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、走行制御用支援処理AP2aと安全制御用支援処理AP2bとを区別することなく、案内用支援処理AP1と車両制御用支援処理AP2とが区別されただけの構成としても良い。この場合、推定標高信頼度Cが予め定められた第三基準値A3以上である場合には、走行制御用支援処理AP2aと安全制御用支援処理AP2bとの双方が実行可能支援処理APcとして抽出されることになる。
【0092】
(8)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。