(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物品を収納する収納部を複数並べて備える収納棚と、前記物品を前記収納部に搬送自在な物品搬送装置と、前記物品搬送装置に関する情報を表示する表示手段とが設けられた物品収納設備であって、
前記複数の収納部の夫々に対応する状態情報取得手段が前記収納部に設けられ、
前記表示手段が、前記状態情報取得手段が取得した前記収納部に対応する状態情報を表示自在に構成され、
前記収納部に、前記物品に対する処理を行う処理装置が設けられ、
前記状態情報取得手段が、前記処理装置の状態情報を取得自在に構成され、
前記表示手段が、前記収納部に対応する状態情報として、前記収納部に設けられた前記処理装置の状態情報を表示するように構成されている物品収納設備。
前記物品搬送装置が搬送対象とする物品の搬送元及び搬送先を管理する管理手段が、搬送対象の前記物品を識別する識別情報を記憶し、前記物品搬送装置にて搬送され前記収納部に収納される前記物品について、その物品の前記識別情報と、当該物品が前記収納部に収納されてから取り出されるまでの状態情報とを関連付けて記憶し、前記表示手段が、前記識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている前記状態情報とを対応付けた形態で表示自在に構成されている請求項1記載の物品収納設備。
前記表示手段が、前記状態情報を、前記複数の収納部のうち所定の群として設定された収納部群単位に表示自在に構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品収納設備。
物品を収納する収納部を複数並べて備える収納棚と、前記物品を前記収納部に搬送自在な物品搬送装置と、前記物品搬送装置に関する情報を表示する表示手段とが設けられた物品収納設備であって、
前記複数の収納部の夫々に対応する状態情報取得手段が前記収納部に設けられ、
前記表示手段が、前記状態情報取得手段が取得した前記収納部に対応する状態情報を表示自在に構成され、
前記物品搬送装置が搬送対象とする物品の搬送元及び搬送先を管理する管理手段が、搬送対象の前記物品を識別する識別情報を記憶し、前記物品搬送装置にて搬送され前記収納部に収納される前記物品について、その物品の前記識別情報と、当該物品が前記収納部に収納されてから取り出されるまでの状態情報とを関連付けて記憶し、前記表示手段が、前記識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている前記状態情報とを対応付けた形態で表示自在に構成され、
前記収納部に、前記物品に対する処理を行う処理装置が設けられ、
前記処理装置として、前記物品に対して行う処理が異なる複数種の処理装置が設けられ、
前記状態情報取得手段が、前記処理装置の状態情報を取得自在に構成され、
前記表示手段が、前記識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている複数種の前記処理装置の夫々に対応する状態情報とを対応付けた形態で表示自在に構成されている物品収納設備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の物品収納設備では、コントローラが収集及び蓄積可能な情報は、自己の制御対象である搬送装置としてのスタッカークレーンの作動に係る情報に限られているので、スタッカークレーンについては収集及び蓄積した情報に基づいて適正に管理できるものの、例えば物品に対する処理を行う処理装置が収納部に設けられている場合におけるその処理装置の稼動状態等の情報や、物品が収納される収納部の温度・湿度等の環境情報は得ることができない。
そのため、収納部に収納している物品がどのような状態で収納されているか把握できず、物品収納設備に収納されている物品を適切に管理するに当たって、必要な措置をとることができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、物品搬送装置により搬送されて収納部に収納される物品がどのような状態で収納されているか把握することが可能な物品収納設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明に係る物品収納設備の第1特徴構成は、物品を収納する収納部を複数並べて備える収納棚と、前記物品を前記収納部に搬送自在な物品搬送装置と、前記物品搬送装置に関する情報を表示する表示手段とが設けられたものであって、
前記複数の収納部の夫々に対応する状態情報取得手段が前記収納部に設けられ、前記表示手段が、前記状態情報取得手段が取得した前記収納部に対応する状態情報を表示自在に構成され
、
前記収納部に、前記物品に対する処理を行う処理装置が設けられ、前記状態情報取得手段が、前記処理装置の状態情報を取得自在に構成され、前記表示手段が、前記収納部に対応する状態情報として、前記収納部に設けられた前記処理装置の状態情報を表示するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、表示手段には、物品搬送装置に関する情報に加えて、複数の収納部の夫々に対応する状態情報を表示することができる。収納部に対応する状態情報としては、例えば、その収納部おける温度情報、収納部に設けられる処理装置等の温度情報、又は、その収納部に収納される物品が発火の可能性のある物品である場合において、その収納部において煙が検知されたか否かに関する情報等がある。
このように、表示手段にて複数の収納部の夫々に対応する状態情報を表示できるものであるから、物品搬送装置により搬送されて収納部に収納される物品がどのような状態で収納されているか把握することが可能な物品収納設備を提供することができる。
また、表示手段にて収納部に備えられる処理装置の状態情報を表示できるから、物品に対する処理を行う処理装置が収納部に設けられている場合に、その処理装置の状態を知得することができる。
処理装置に対応する状態情報としては、例えば、その処理装置の温度情報や、その処理装置における発煙の有無や、処理装置の稼動状態に係る情報等がある。
このように、表示手段にて収納部に設けられる複数の処理装置の夫々に対応する状態情報を表示できるものであるから、設備の適正な運用のために必要な処理装置の状態情報を得ることが可能な物品収納設備を提供することができる。
【0008】
本発明に係る物品収納設備の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記物品搬送装置が搬送対象とする物品の搬送元及び搬送先を管理する管理手段が、搬送対象の前記物品を識別する識別情報を記憶し、前記物品搬送装置にて搬送され前記収納部に収納される前記物品について、その物品の前記識別情報と、当該物品が前記収納部に収納されてから取り出されるまでの状態情報とを関連付けて記憶し、前記表示手段が、前記識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている前記状態情報とを対応付けた形態で表示自在に構成されている点にある。
【0009】
すなわち、管理手段が搬送対象の物品を識別する識別情報と物品が収納部に収納されてから取り出されるまでの状態情報とを関連付けて記憶し、識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている状態情報とを対応付けた形態で表示手段にて表示できるから、物品に対応付けてその物品が収納部に収納されてから取り出されるまでの間の状態情報を履歴として表示することができる。したがって、物品を出庫した後に、当該物品が収納されていた収納部についての状態情報の履歴を検査して、当該物品が、収納期間中に異常な収納状態となった収納部に収納されていた物品であるかどうかを検査することができる。これにより、収納期間中に異常な収納環境が発生した収納部に収納されていた物品を抽出して、正常な収納環境で収納されていた他の物品と区別して取り扱うことで、物品の品質管理を適切に行うことができる。
【0010】
本発明に係る物品収納設備の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、前記状態情報取得手段として、前記収納部に対応する状態情報としての当該収納部の温度を計測する温度センサが設けられ、前記表示手段が、前記温度センサで計測した温度情報を前記状態情報として表示自在に構成されている点にある。
【0011】
すなわち、表示手段にて収納部の温度情報を表示できるので、作業者は、例えば、収納部に収納されている物品がどのような温度環境下に置かれているか(収納部に収納される物品の発熱により、収納部の温度が上昇している等)に関する情報を知得することができる。従って、収納部が許容温度以上に高温となる等の異常状態を検知することが可能となり、物品収納設備の保全又は収納される物品の品質向上を図ることができる。
【0012】
本発明に係る物品収納設備の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記状態情報取得手段として、前記収納部に対応する状態情報としての当該収納部における発煙の有無を検知する煙検知センサが設けられ、前記表示手段が、前記煙検知センサで検知した煙の有無に係る情報を前記状態情報として表示自在に構成されている点にある。
【0013】
すなわち、表示手段にて収納部における煙の有無を表示できるので、作業者は、例えば収納部に収納されている物品や処理装置が発火して煙が発生したか否か、又は物品が他所で発生した煙を浴びる状態となったか否かを知得することができる。従って、収納部やそれに収納されている物品又は処理装置等が発火する等の異常状態や、収納部に収納される物品が他所で発生した煙を浴びることによって品質が劣化する虞のある環境に曝されたことを検知することが可能となり、物品収納設備の保全又は収納される物品の品質向上を図ることができる。
【0014】
本発明に係る物品収納設備の第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記表示手段が、前記状態情報を、前記複数の収納部のうち所定の群として設定された収納部群単位に表示自在に構成されている点にある。
【0015】
すなわち、複数の収納部のうち所定の群として設定された収納部群単位に状態情報を表示できるので、例えば一の収納棚に備えられる収納部を収納部群としたり、収納する物品に対して行う処理が異なる複数種の収納部が備えられる場合に同じ処理を行う収納部の群を収納部群として、その収納部群単位で状態情報を表示することができる。このため、属性が共通する収納部を一群として、その一群の収納部毎の状態情報を作業者が知りたい場合に、適切に設定された一群の収納部の状態情報をまとめて表示することで、一群の収納部毎の状態情報を一括して知ることができるので、作業効率の向上を図ることができる。
【0016】
本発明に係る物品収納設備の第6特徴構成は、
物品を収納する収納部を複数並べて備える収納棚と、前記物品を前記収納部に搬送自在な物品搬送装置と、前記物品搬送装置に関する情報を表示する表示手段とが設けられたものであって、
前記複数の収納部の夫々に対応する状態情報取得手段が前記収納部に設けられ、前記表示手段が、前記状態情報取得手段が取得した前記収納部に対応する状態情報を表示自在に構成され、
前記物品搬送装置が搬送対象とする物品の搬送元及び搬送先を管理する管理手段が、搬送対象の前記物品を識別する識別情報を記憶し、前記物品搬送装置にて搬送され前記収納部に収納される前記物品について、その物品の前記識別情報と、当該物品が前記収納部に収納されてから取り出されるまでの状態情報とを関連付けて記憶し、前記表示手段が、前記識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている前記状態情報とを対応付けた形態で表示自在に構成され、
前記収納部に、前記物品に対する処理を行う処理装置が設けられ、前記処理装置として、前記物品に対して行う処理が異なる複数種の処理装置が設けられ、前記状態情報取得手段が、前記処理装置の状態情報を取得自在に構成され、前記表示手段が、前記識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている複数種の前記処理装置の夫々に対応する状態情報とを対応付けた形態で表示自在に構成されている点にある。
【0017】
すなわち、表示手段には、物品搬送装置に関する情報に加えて、複数の収納部の夫々に対応する状態情報を表示することができる。収納部に対応する状態情報としては、例えば、その収納部おける温度情報、収納部に設けられる処理装置等の温度情報、又は、その収
納部に収納される物品が発火の可能性のある物品である場合において、その収納部において煙が検知されたか否かに関する情報等がある。
このように、表示手段にて複数の収納部の夫々に対応する状態情報を表示できるものであるから、物品搬送装置により搬送されて収納部に収納される物品がどのような状態で収納されているか把握することが可能な物品収納設備を提供することができる。
また、管理手段が搬送対象の物品を識別する識別情報と物品が収納部に収納されてから取り出されるまでの状態情報とを関連付けて記憶し、識別情報にて識別される物品を示す情報と当該識別情報に関連付けて記憶されている状態情報とを対応付けた形態で表示手段にて表示できるから、物品に対応付けてその物品が収納部に収納されてから取り出されるまでの間の状態情報を履歴として表示することができる。したがって、物品を出庫した後に、当該物品が収納されていた収納部についての状態情報の履歴を検査して、当該物品が、収納期間中に異常な収納状態となった収納部に収納されていた物品であるかどうかを検査することができる。これにより、収納期間中に異常な収納環境が発生した収納部に収納されていた物品を抽出して、正常な収納環境で収納されていた他の物品と区別して取り扱うことで、物品の品質管理を適切に行うことができる。
【0019】
さらに、収納部に設けられる処理装置として物品に対して行う処理が異なる複数種の処理装置がある場合に、表示手段にて、識別情報にて識別される物品を示す情報と識別情報に関連付けて記憶されている複数種の処理装置の夫々に対応する状態情報とを対応付けた形態で表示できる。
したがって、複数種の処理装置についての各収納部間に亘って転々と物品を移動させる形態で、物品に対して複数種の処理を実行する場合において、物品が複数種の処理を実行されている間の各処理装置の状態情報を履歴として表示することができる。従って、物品を出庫した後に、その物品を処理した処理装置についての状態情報の履歴を検査して、当該物品が、収納期間中に異常な状態となった処理装置にて処理された物品であるかどうかを検査することができる。これにより、複数の処理装置で処理されている間に異常な状態となった処理装置で処理された物品を抽出して、正常な処理装置で処理された他の物品と区別して取り扱うことで、物品の品質管理を適切に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の物品収納設備を、収納部において製品としての二次電池に充電等の処理を行う二次電池処理設備に適用した場合について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品収納設備には、板状の二次電池Bsが物品としてのマガジンBに保持された状態(
図3参照)で収納棚1の収納部Sに収納されている。
収納棚1は、収納部Sを棚横幅方向及び棚高さ方向に複数並べて構成され、前面を対向させる状態で一対設けられている。また、その一対の収納棚1の間の床面に走行レールRが設けられ、物品搬送装置としてのスタッカークレーンSCが走行レールR上を走行するように設けられている。
【0022】
スタッカークレーンSCは、
図1及び
図2に示すように、走行レールRに案内されて走行自在な走行台車61と、走行台車61に立設された前後一対の昇降案内マスト62と、一対の昇降案内マスト62に案内されて昇降移動自在な昇降台63とを備え、昇降台63に、マガジンBを収納部S又は入出庫コンベヤ26との間で移載自在な移載装置64が設けられている。
移載装置64は、マガジンBの入出庫口としての入出庫コンベヤ26と収納部Sとの間、又は複数の収納部Sの夫々の間でマガジンBを搬送自在に構成されている。
すなわち、マガジンBを収納する収納部Sを複数並べて備える収納棚1と、マガジンBを収納部Sに搬送自在なスタッカークレーンSCが設けられている。
又、スタッカークレーンSCは、マガジンBが発火した場合には、消火設備として設けられている消化用水槽34に発火したマガジンBを水没させるべく、当該マガジンBを収納部Sから取り出して消化用水槽34に搬送することができるように構成されている。尚、詳細な記載は省略するが、スタッカークレーンSCの昇降台には初期消火を行うために二酸化炭素ガスを噴出する消火ガス噴出部が設けられており、マガジンBの出火が確認されると、まずスタッカークレーンSCをその位置まで走行させて初期消火を行うようになっている。
【0023】
図1及び
図2に示すように、収納棚1には、収納部Sとして、マガジンBに収容されている複数の二次電池Bsに対して初期充電を行う初期充電用収納部21、マガジンBに収容されている複数の二次電池Bsに対して初期充電後の充放電を行う充放電用収納部22、マガジンBに収容されている複数の二次電池Bsの開路電圧を測定する開路電圧測定用収納部23、及び、充電が完了したマガジンBを保管して二次電池Bsのエイジングを行うエイジング用収納部24が備えられている。
そして、初期充電用収納部21には、処理装置Pとしての初期充電装置31が設けられ、充放電用収納部22には、処理装置Pとしての充放電装置32が設けられ、開路電圧測定用収納部23には、処理装置Pとしての開路電圧計測装置33が設けられている。
すなわち、収納部Sに、マガジンBに対する処理を行う処理装置Pが設けられ、処理装置Pとして、マガジンBに対して行う処理が異なる複数種の処理装置、すなわち初期充電装置31、充放電装置32、及び、開路電圧計測装置33が設けられている。
【0024】
また、初期充電用収納部21、充放電用収納部22、及び開路電圧測定用収納部23における各処理装置Pに隣接する位置には、マガジンBに収容される複数の二次電池Bs夫々の電極端子に対して接触する複数の端子(図示なし)を備えて処理対象のマガジンBを収容するプローブユニットWが設けられ、プローブユニットWの収納空間Sjに、その空間の温度を計測する温度センサ51と、その空間における煙の有無を感知する煙検知センサ52とが設けられている(
図3参照)。なお、図示はしないが、エイジング用収納部24の夫々に対しても、その収納部内の温度を計測する温度センサ51と、その空間における煙の有無を感知する煙検知センサ52とが設けられている。
すなわち、複数の収納部の夫々に対応する状態情報を取得する状態情報取得手段として、当該収納部の温度を計測する温度センサと、当該収納部における煙の有無を検知する煙検知センサが設けられている。
【0025】
尚、
図1には、収納棚1における上記複数種の収納部Sの夫々を、平面視にて初期充電用収納部21、充放電用収納部22、充放電用収納部22、開路電圧測定用収納部23、そして複数のエイジング用収納部24を並べて構成する例を示しているが、複数種の収納部Sの夫々の並び順は、各工程の手順や効率を考慮して自由に変更可能である。
【0026】
次に、
図4の制御ブロック図に基づいて、本物品収納設備の各部の制御を説明する。
物品収納設備には、スタッカークレーンSCの作動を制御する搬送制御手段としてのクレーンコントローラC1と、入出庫コンベヤ26の作動を制御するコンベヤコントローラC2と、処理装置Pとしての初期充電装置31、充放電装置32、及び、開路電圧計測装置33夫々の作動を制御する充電部コントローラC3と、処理スケジュールを管理し、その処理スケジュールに基づく搬送指令データを作成するMES(ManufacturingExecutionSystem)としての外部管理装置CEと、が接続された管理手段としての管理コンピュータKが設けられている。さらに、管理コンピュータKには、収納部Sの夫々に設けられる状態情報取得手段Qとしての温度センサ51と煙検知センサ52とが電気的に接続されている。管理コンピュータKは、例えば中央処理装置とハードディスク等の記憶装置とを備えたパーソナルコンピュータやPCサーバ等の汎用コンピュータにて構成され、入力される情報に基づいて情報処理を実行できるように構成されている。
尚、図示はしないが、管理コンピュータKには、インタフェースとしてのモニタ、マウス装置、キーボード装置等が設けられ、また、イーサネット等のネットワークで他のコンピュータと相互に通信自在に構成されている。また、温度センサ51及び煙検知センサ52からの情報は、一旦センサ情報集約装置に集約されてデータ化され、その後、管理コンピュータKにそれらセンサ情報のデータが送信される。
【0027】
管理コンピュータKは、具体的には、外部管理装置CEが処理スケジュールに基づいて作成した搬送指令に基づいて、クレーンコントローラC1に作動指令を指令する。クレーンコントローラC1は、当該作動指令を指令に従ってスタッカークレーンSCを作動させ、その作動結果に関するデータを管理コンピュータKに送信する。管理コンピュータKは、受け取ったスタッカークレーンSCの作動結果に関するデータ(詳細には、識別情報としての物品IDと搬送元及び搬送先に関するデータとを対応付けたデータ)を自己が管理するデータベースに記憶する。
すなわち、管理コンピュータKが、スタッカークレーンSCが搬送対象とするマガジンBの搬送元及び搬送先を管理するように構成され、且つ、搬送対象のマガジンBを識別する識別情報を記憶するように構成されている。
【0028】
また、管理コンピュータKは、スタッカークレーンSCに故障などの異常が発生した場合、その異常情報をスタッカークレーンSCの物品搬送装置の状態情報としてデータベースに記憶する。
加えて、管理コンピュータKは、各収納部Sに対応する温度センサ51からの温度情報、及び、煙検知センサ52からの煙検知情報を、設定された時間間隔毎に取得し、収納部S毎に付与された収納部識別情報と関連付ける形態でデータベースに記憶する。
さらに、管理コンピュータKは、処理装置Pとしての初期充電装置31、充放電装置32、及び、開路電圧計測装置33夫々の作動状態に係る状態情報(故障等の異常情報等)を設定された時間間隔毎に取得し、その処理装置Pが設けられる収納部Sに付与された収納部識別情報と関連付ける形態でデータベースに記憶する。
すなわち、状態情報取得手段Qが、処理装置Pの状態情報を取得自在に構成されている。
【0029】
また、管理コンピュータKには、表示管理部H1とディスプレイ装置H2とを備えた表示手段としての表示用コンピュータHが接続されている。表示用コンピュータHは、例えば中央処理装置と記憶装置とを備えた汎用コンピュータにて構成され、管理コンピュータKから送信される情報をグラフィック表示が可能なディスプレイ装置H2に表示させる。また、表示用コンピュータHには、ディスプレイ装置H2にて表示される情報に対して操作を行うポインティングデバイス(マウス)が接続され、マウスポインタをディスプレイ装置H2に表示されている画像の所定領域に位置させてクリックすることで、管理コンピュータKに対して、表示すべき情報に関連するデータを要求することができる。
【0030】
表示用コンピュータHから管理コンピュータKに対して物品搬送装置としてのスタッカークレーンSCの作動に関する状態情報のデータが要求されると、管理コンピュータKは、データベースから当該要求に対応するデータを抽出して表示用コンピュータHに送信する。表示用コンピュータHは、送信されたデータに基づいて、ディスプレイ装置H2に、物品搬送装置に関する情報を表示することができる。
さらに、表示用コンピュータHから管理コンピュータKに対して収納部Sに対応する状態情報に係るデータが要求されると、管理コンピュータKは、データベースから当該要求に対応するデータを抽出して表示用コンピュータHに送信する。表示用コンピュータHは、送信されたデータに基づいて、ディスプレイ装置H2に、収納部Sに対応する情報を表示することができる。
さらに、表示用コンピュータHから管理コンピュータKに対して処理装置Pに対応する状態情報に係るデータが要求されると、管理コンピュータKは、データベースから当該要求に対応するデータを抽出して表示用コンピュータHに送信する。表示用コンピュータHは、送信されたデータに基づいて、ディスプレイ装置H2に、処理装置Pの状態情報を表示することができる。
【0031】
〔設備の使用態様〕
本実施形態の物品収納設備は、物品として入庫したマガジンBに収容された二次電池Bsに対して、初期充電装置31による初期充電処理工程、エイジング用収納部24におけるエイジング工程、開路電圧計測装置33による開路電圧の計測処理工程、充放電装置32による充放電処理工程を設定された順序で実行する処理設備として構成される。
【0032】
外部管理装置CEは、マガジンBに収容された二次電池Bsに対して上記の各処理を実行すべく、処理スケジュールを作成する。この処理スケジュールとしては、例えば、マガジンBの入庫タイミング、初期充電処理の開始タイミング及び終了タイミング、エイジング処理の開始タイミング及び終了タイミング、充放電処理の開始タイミング及び終了タイミング、開路電圧測定処理の開始タイミング及び終了タイミング等が含まれる。そして、各処理に対応する収納部SにてマガジンBに対して処理を実行するために、搬送指令を管理コンピュータKに指令し、管理コンピュータKは、その搬送指令に基づいて、スタッカークレーンSCの作動を制御するクレーンコントローラC1に対して作動を指令することになる。これにより、マガジンBは、異なる処理を行う処理装置Pが設けられた収納部Sを転々と移動することになる。
【0033】
上記のように、マガジンBが複数の収納部Sを転々と移動されながら処理される場合において、従来の構成では、マガジンBがどの収納部に収納されていたかについては、管理コンピュータKがクレーンコントローラC1に指令した作動指令のデータに基づいて追跡することができる。しかしながら、マガジンBがどのような環境で処理されたか、又は、どのような環境の収納部Sに収納されていたかを知ることは、従来の構成ではできなかった。
本実施形態によれば、上述のように収納部Sを転々と移動するマガジンBがどのような環境で処理されたか、又は、どのような環境の収納部Sに収納されていたかに関する情報を表示用コンピュータHにて表示することができる。
【0034】
〔表示手段による表示の内容〕
次に、表示用コンピュータHによってディスプレイ装置H2に表示される情報表示画面の内容について、
図5〜
図9に基づいて説明する。
図5に、収納部群としての収納棚1単位に、温度センサ51にて取得された温度情報を、収納部Sに対応付ける形態で表示する棚単位温度情報表示画面を示す。
画面には、複数の倉庫が備えられる場合におけるプルダウン式の対象倉庫選択メニューが設けられている。倉庫を指定すると、その倉庫に設けられるバンク(棚列)を選択するバンク選択タブが表示される。このタブは、設けられる棚列の数だけ表示されることになる。バンク選択タブにてバンクを選択すると、指定したバンクに対応する収納棚1に備えられる収納部S夫々の温度情報が、収納部Sの位置に対応して温度に対応する色(又はパターン)のアイコンが表示される形態で、一覧表示される。
図5の表示画面においては、18℃以下、19〜22℃、23〜26℃、27℃以上の4つの温度区分に分けて表示する場合を示す。
【0035】
図6に、収納部群としての収納棚1単位に、煙検知センサ52にて取得された煙の有無に係る情報を、各収納部Sに対応付ける形態で表示する棚単位煙検知情報表示画面を示す。
画面には、複数の倉庫が備えられる場合におけるプルダウン式の対象倉庫選択メニューが設けられている。倉庫を指定すると、その倉庫に設けられるバンク(棚列)を選択するバンク選択タブが表示される。このタブは、設けられる棚列の数だけ表示されることになる。バンク選択タブにてバンクを選択すると、指定したバンクに対応する収納棚1に備えられる収納部S夫々の煙検知情報が、収納部Sの位置に対応して検知又は非検知に対応する色(又はパターン)のアイコンが表示される形態で、一覧表示される。
図6の表示画面においては、煙を検知したときを白丸で、煙を検知しなかったときを黒丸で示しているが、作業者が目視で判別し易い表示形態であればこれに限定されない。
【0036】
なお、
図5又は
図6の場合において、1つの収納棚1において、収納部Sが棚横幅方向又は高さ方向に多数配置されているために、1画面で収納棚1の全ての収納部Sを表示することができない場合は、表示開始ベイ選択用プルダウンメニューにより表示を開始するベイを指定することができる。なお、図示はしていないが、スクロールバーやスクロールボタンによるスクロール機能で収納部をスクロール表示可能に構成してもよい。
すなわち、表示用コンピュータHは、状態情報を、複数の収納部Sのうち所定の群として設定された収納部群単位に表示自在に構成されている。
【0037】
図7は、収納部Sに設けられる温度センサ51単位の温度履歴を表示する収納部単位温度履歴表示画面を示す。
画面には、温度計ID及び表示したい日付を指定する指定部が設けられている。温度計IDと日付とを指定すると、指定された温度計ID及び日付に対応する温度遷移情報が、縦軸に温度(℃)をとり、横軸に0時から24時までの時刻をとった座標平面に、いわゆるローソクチャート(すなわち、計測区間の開始時と終了時とにおける温度変化幅を矩形領域で表し、計測区間の間における温度変化幅を細い実線で表したチャート)として表示される。また、夫々のローソクチャートの上にマウスポインタを位置させると、マウスオーバー時にのみ現れるバルーンウィンドウ式の矩形領域内に、その時刻スパンにおける開始温度、終了温度、最高温度、最低温度が文字表示される。
【0038】
図8は、識別情報としての物品ID単位に、その物品IDにて識別されるマガジンBが収納部Sに収納されてから取り出されるまでの温度情報を、収納部Sの状態情報毎に表示する物品単位温度履歴表示画面を示す。
画面には、表示したい物品IDと日付とを指定する指定部が設けられている。物品IDと日付とを指定すると、指定された物品ID及び日付に対応する温度遷移情報が、縦軸に温度(℃)をとり横軸に0時から24時までの時刻をとった座標平面にローソクチャートとして表示される。なお、横軸の時刻表示の下部に、そのときに処理装置Pにて実行されていた処理の名称が表示され、その処理がいずれの収納部で実行されていたかを示す収納部ID(収納部を識別する識別情報)で表示される。また、夫々のローソクチャートの上にマウスポインタを位置させると、マウスオーバー時にのみ現れるバルーンウィンドウ式の矩形領域内に、その時刻スパンにおける開始温度、終了温度、最高温度、最低温度が文字表示される。
【0039】
すなわち、スタッカークレーンSCにて搬送され収納部Sに収納されるマガジンBについて、そのマガジンBの物品IDと、マガジンBが収納部Sに収納されてから取り出されるまでの複数の処理装置Pの夫々に対応する状態情報とを関連付けて記憶し、表示用コンピュータHにて、識別情報としての物品IDにて識別されるマガジンBを示す情報と、当該物品IDに関連付けて記憶されている複数種の処理装置Pの夫々に対応する状態情報とを対応付けた形態で表示することができる。
【0040】
図9は、処理装置P単位に、その処理装置Pがいかなる状態であったかを示す状態情報を、時間帯毎の時間割合で示した装置毎状態表示画面を示す。
画面には、表示したい処理装置Pの装置IDを選択するプルダウンメニューと日付を指定する日付指定部が設けられている。装置IDと日付とを指定すると、縦軸に割合(%)をとり横軸に0時から24時までの時刻をとった座標平面が表示され、その座標平面における時間帯に対応して、その処理装置Pの稼動状態(使用中、待機中、搬送中、メンテナンス中)が、全高を100%とする積み上げグラフにて表示される。また、この画面においては、表示されている処理装置Pの稼動状態に係るデータを、カンマ区切りテキスト(CSV)形式にて出力することができる。
【0041】
〔別実施形態〕
次に、本発明の別実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、外部管理装置CEが物品処理スケジュールを管理するとともに、その物品処理スケジュールに基づいて搬送指令データを作成するように構成され、管理コンピュータKが、その搬送指令データに基づいて、クレーンコントローラC1に作動指令を指令するように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、物品処理スケジュールの管理及び搬送指令データの作成を管理コンピュータKで行うように構成することもできる。また、搬送指令データに基づくクレーンコントローラC1への作動指令を、外部管理装置CEが指令するように構成し、管理コンピュータKは、クレーンコントローラC1等の搬送管理手段や状態情報取得手段Qからの状態情報を管理するのみの構成としてもよい。
また、上記実施形態では、管理コンピュータKと表示用コンピュータHとの夫々を個別に設ける構成としたが、1台のコンピュータにて管理コンピュータKと表示用コンピュータHとを兼用させるように構成してもよい。
【0042】
(2)上記実施形態では、棚単位温度情報表示画面において、18℃以下、19〜22℃、23〜26℃、27℃以上の4つの温度区分に分けて表示する場合を示したが
、この表示における温度区分の設定は、上述のものに限定されるものではなく、例えば1℃毎に区分したり、4つ以下(例えば、閾値以上であるかそれ以下であるか)の温度区分とするなど様々に設定可能である。
【0043】
(3)上記実施形態では、管理コンピュータKが、状態情報として、物品搬送装置としてのスタッカークレーンSCの作動に係る状態情報に加えて、温度センサ51にて取得した収納部S夫々の温度情報、煙検知センサ52にて取得した煙の有無に係る情報、及び、処理装置Pとしての初期充電装置31、充放電装置32、及び、開路電圧計測装置33夫々の作動状態に係る状態情報を管理し、表示用コンピュータHにて表示自在に構成したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、温度センサ51にて取得した収納部S夫々の温度情報、煙検知センサ52にて取得した煙の有無に係る情報を、当該温度センサ51及び煙検知センサ52が備えられる収納部Sに設けられた処理装置Pに関する状態情報として管理して、表示用コンピュータHにて表示するように構成してもよい。
【0044】
(4)上記実施形態では、表示用コンピュータHが、状態情報を、収納部群としての収納棚1単位に表示自在に構成される構成を説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、複数の収納部Sのうち所定の群として、収納部Sに設けられる処理装置Pの種別が同一のものを一群として表示させたり、マガジンBが収納されている収納部Sと収納されていない収納部Sとを区分し、マガジンBが収納されている収納部Sを一群として表示する等、収納部群の構成は種々変更可能である。
【0045】
(5)上記実施形態では、温度センサ51及び煙検知センサ52、或いはそれらに加えて、処理装置Pとしての初期充電装置31、充放電装置32、及び、開路電圧計測装置33夫々の作動状態に係る状態情報を、設定された時間間隔毎に取得する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、上記設定された時間間隔の間であっても、マガジンBが別の収納部Sに移動された場合や、作業者によって情報取得指令が指令された場合には、その時点においても状態情報を取得する構成としてもよい。
【0046】
(6)上記実施形態では、処理装置Pとして、マガジンBに対して行う処理が異なる複数種の処理装置が設けられる構成を説明したが、このような構成に限定されるものではなく、マガジンBに対して行う処理が全ての収納部Sで同一であるように構成してもよい。
【0047】
(7)上記実施形態では、物品単位温度履歴表示画面等において使用する、物品を識別するための識別情報を、付与された物品IDそのものとする構成を例示した。しかしながら、このような構成に限定されるものではなく、例えば、識別情報として、識別情報と対応付けて定義された物品の名称等を使用する構成とすることも可能である。
【0048】
(8)上記実施形態において、
図5〜
図9にて例示した表示画面は一例であり、画面構成、配置、及び、表示する情報の数量や種類等は、上記説明及び図面で説明したパターンに限定されるものではない。上記実施形態では、状態情報を画像化して表示する例を示したが、状態情報を文字情報のみによって表示させたり、文字情報と画像情報とを組み合せて表示させることも可能である。