【実施例】
【0022】
図1はビニールハウスにおいて、ビニール2をハウスバンド1で抑え込み、ハウスバンド1の両端を谷直管パイプ3に固く結び付けるという、従来行われてきたハウスバンド固定法の図で、
図2はその斜視図である。
【0023】
従来法は、ビニールを被せるもしくは剥がすという場合において、谷直管パイプに結び付けられたハウスバンドをほどくときに、長い時間と多くの労力を必要とする。
【0024】
図3はハウスバンド固定金具で、直径約1mmの鋼鉄製針金からなり、フック部4、円形部5、ハウスバンド止め部6から構成される。
【0025】
図4はハウスバンド固定金具を谷直管パイプ3に取り付けた状況であるが。ハウスバンド固定金具は、円弧状に形成された2つの円形部5と、円形部5の一方の端部を連結するハウスバンド止め部6と、円形部5の他方の端部に設けられたフック部4を有し、フック部4は谷直管パイプに設けられた穴に差し込まれるものであり、谷直管パイプに取り付けた時に、円形部5の長さが谷直管の円周の半分より長くなっている。フック部4は、谷直管パイプにあらかじめ空けた穴に差し込むことができ、ハウスバンド固定金具を固定することができる。
【0026】
円形部5の長さは、谷直管パイプ3の円周の半分より長くしているため、ハウスバンド固定金具が谷直管パイプ3を抱き込むことになり、しっかりと固定される。
【0027】
図5のAはハウスバンド固定金具のハウスバンド止め部6に、ハウスバンド5cmくらいを通して引っ掛けた状況である。
【0028】
図5のBはハウスバンド固定金具にハウスバンドを通して、2回程度巻きつけた状況であるが、
図5のAで示したように5cm分通してから2回程度巻き付けて抑え込んでいるので、ハウスバンドがゆるんで外れることはなく、従来の結び付けるのに対して簡単に確実にハウスバンドを取り付けることができ、また2回程度巻きつけた分だけ緩めしろとなり緩めることができる。
【0029】
図6はハウスバンド締め緩め装置の一部で、直管パイプ7に歯車状棒8を取り付けた金具であるが、直管パイプ7は谷直管パイプより少し径が小さくて谷直管パイプに差し込めるようになっている。
【0030】
歯車状棒8は直径約1cm長さ約5cmの鉄の棒で、直管パイプ7の周囲を等間隔に配置されている。
【0031】
図7はハウスバンド締め緩め装置の一部で、ピン9は直径約1cmの鉄の棒からなり、ピン支持フック10はピン9に対して垂直に立ち上がり、谷直管パイプを抱き込む径を有して湾曲しており、鍵状フック11はピン9中央部から水平方向に立ち上がり、谷金具13を抱き込む形状になっている。
【0032】
図8はハウスバンド締め緩め装置を、連棟ビニールハウスの谷先端部に取り付けた状況である。
【0033】
谷直管パイプ3に歯車状棒8を取り付けた直管パイプ7を差し込み、鉄鋼ビス12で固定しているので、歯車状棒8を回転させると谷直管パイプ3も連動して回転する。
【0034】
ピン支持フック10を谷直管パイプ3にかけることで、ピン9及び鍵状フック11の水平移動が自由にでき、方向15にピン9を動かすと歯車状棒8を固定することができ、方向14にピン9を動かすと歯車状棒8が自由に回転できる。
【0035】
歯車状棒8を固定するときは、ピン9を方向15に差し込むが、同時に鍵状フック11を谷金具13にかけることで、ピン9を固定するので歯車状棒8の逆回転を防ぐことができる。
【0036】
図9はピン9を方向14に水平移動させ、歯車状棒8を自由に回転させる状態にした図であるが、歯車状棒8に軽く差し込める回転補助パイプ17を使用することで、歯車状棒8は容易に回転させることができ、それに連動して谷直管パイプ3も回転させることができ、ハウスバンドを締めるもしくは緩めるが容易に行うことができる。
【0037】
図10は本発明であるハウスバンド固定金具及びハウスバンド締め緩め装置を使用して、ハウスバンドを絞った全体図であるが、谷直管パイプ3aにハウスバンド固定金具15及びハウスバンド締め緩め装置16を取り付けている。
【0038】
谷直管パイプ3bは回転させる必要がないので、ハウスバンド端部14を固く結び付けている。
【0039】
ハウスバンド締め緩め装置16を回転させることで、ハウスバンドを締めることも緩めることも自由に行うことができ、ビニールを被せるもしくは剥がすという作業が短時間・少労力で行うことができる。
【0040】
図11は
図10全体図の正面図である。
【0041】
図12はハウスバンド締め緩め装置及び谷金具の正面拡大図であるが、歯車状棒8を回転させハウスバンド1を絞り、歯車状棒8にピン9を掛けて鍵状フック11を谷金具に掛けることで、逆回転を防ぎ絞りが緩まないよう固定している。
このように、歯車状棒8を回転させてハウスバンド1を絞った状態において、歯車状棒8をピン9に接触させ、鍵状フック11を谷金具13に掛ける構成は、谷直管パイプ3の逆回転防止手段として機能する。
【0042】
図13は歯車状棒8を取り付けた直管パイプ7を谷直管パイプ3aに取り付けて、谷直管パイプ3aとは逆側に谷直管パイプ3bを差し込んだ状態である。
【0043】
この時、谷直管パイプ3bは直管パイプ7とは固定してないので、歯車状棒8が回転しても谷直管パイプ3bは回転しない。
【0044】
図13はハウスバンド締め緩め装置を、谷直管パイプの中間に取り付けることができる方法で、棟の短いビニールハウスにおいてハウスバンド締め緩め装置はビニールハウスの先端部に取り付けるが、延長40mを越えるような棟の長いビニールハウスの場合、先端部だけのハウスバンド締め緩め装置ですべてのハウスバンドを均等に絞ることが難しくなるため、中間部にハウスバンド締め緩め装置を付けハウスバンドを前半と後半に分割することで、均等にハウスバンドを絞ることができる。
【0045】
図14は3連棟のビニールハウスを真上から見た図で、例えば下の棟Cのハウスバンドを絞る際には、先端部のハウスバンド締め緩め装置16aを使って谷直管パイプ3aを回転させて前半分のハウスバンド1aを絞り込む。
【0046】
次に中間部のハウスバンド締め緩め装置16bを使って、谷直管パイプ3bを回転させて後ろ半分のハウスバンド1bを絞り込むことで、C棟はハウスバンド全体を無理なく絞り込むことができる。
【0047】
このように、直管パイプ7の他方の開口端側が、他の谷直管パイプに差し込まれて、ビニールハウスの中間部にハウスバンド締め緩め装置を設置することにより、長いビニールハウスの場合であっても、均等にハウスバンドを絞ることができる。なお、
図14においては、ビニールハウスの中間位置にハウスバンド締め緩め装置を1つ配置した状況を示しているが、ビニールハウスの長さに応じてその途中にハウスバンド締め緩め装置を複数配置してもよい。