特許第5773375号(P5773375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5773375自動車内装材用多層構造物およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773375
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】自動車内装材用多層構造物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/12 20060101AFI20150813BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20150813BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20150813BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   B32B27/12
   B32B5/18
   B32B27/32 Z
   B60R13/02 Z
   B60R13/02 B
【請求項の数】23
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-534787(P2013-534787)
(86)(22)【出願日】2010年10月22日
(65)【公表番号】特表2013-545632(P2013-545632A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】KR2010007261
(87)【国際公開番号】WO2012053682
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2013年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】507276520
【氏名又は名称】韓一理化株式会社
【氏名又は名称原語表記】HANIL E−HWA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
(72)【発明者】
【氏名】キム・ドンウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム・キサン
【審査官】 深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0118878(KR,A)
【文献】 国際公開第2008/004431(WO,A1)
【文献】 特開平07−241948(JP,A)
【文献】 特開2003−246013(JP,A)
【文献】 特開2009−023634(JP,A)
【文献】 特開2001−122986(JP,A)
【文献】 特開2009−023636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B60R 13/00−13/04,13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン発泡シート(120);
前記ポリプロピレン発泡シート(120)の少なくとも一面に積層され、天然繊維および合成繊維を含んでニードルパンチングした後、熱ローラー工程によって製造された、密度が0.3〜1.0g/cmである補強シート(140);および
前記補強シート(140)の外側面に形成される、紫外線硬化樹脂または熱硬化型バイオゲルで形成され、前記補強シート(140)以外の部材と接触しない状態で硬化されたコーティング膜(160)を含む自動車内装材用多層構造物。
【請求項2】
前記コーティング膜(160)の外側面に積層され、ポリオレフィン系またはポリエステル系からなる不織布形態の表皮層(180)をさらに含む、請求項1に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項3】
前記ポリプロピレン発泡シート(120)は、ポリプロピレン50〜80重量部に線形低密度ポリエチレンまたはエラストマー20〜50重量部を混合して構成される、請求項1に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項4】
前記ポリプロピレン発泡シート(120)の発泡倍率は3〜40倍である、請求項1に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項5】
前記ポリプロピレン発泡シート(120)は、一重または二重でラミネーションして形成される、請求項1に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項6】
前記補強シート(140)は、天然繊維および合成繊維が1:9〜9:1の比率で混合される、請求項1に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項7】
前記天然繊維および前記合成繊維の長さは40〜120mmである、請求項1に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項8】
前記天然繊維は、黄麻、洋麻(KENAF)、サイザル麻または竹のうち少なくとも一つである、請求項1または6に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項9】
前記合成繊維は、低融点ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンまたは生分解性樹脂繊維のうち少なくとも一つである、請求項1または6に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項10】
前記生分解性樹脂繊維は、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)またはセルロースアセテート(cellulose acetate;CA)である、請求項に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項11】
前記紫外線硬化樹脂は、光開始剤、光重合オリゴマー、光重合モノマーおよび添加剤を含み、
前記光重合オリゴマーは、一液型ウレタンアクリル系オリゴマー、二液型ウレタンアクリル系オリゴマー、エポキシアクリル系オリゴマー、ポリエステルアクリル系オリゴマーまたは混合型アクリル系オリゴマーのうち少なくとも一つである、請求項に記載の自動車内装材用多層構造物。
【請求項12】
ポリプロピレン発泡シート(120)を形成する第1ステップ(S100);
天然繊維および合成繊維を含んでニードルパンチングした後、熱ローラー工程によって、密度が0.3〜1.0g/cmである補強シート(140)を製造する第2ステップ(S200);
前記補強シート(140)の外側面に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射すること、または前記補強シート(140)の外側面に熱硬化型バイオゲルを塗布し、熱を加えて硬化させることで、前記補強シート(140)の外側面にコーティング膜(160)を形成させる第3ステップ(S300);および
前記ポリプロピレン発泡シート(120)の少なくとも一面に前記補強シート(140)を積層させる第4ステップ(S400)を含む自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項13】
前記第4ステップ後に、
前記コーティング膜(160)の外側面にポリオレフィン系またはポリエステル系からなる不織布形態の表皮層(180)を積層させる第5ステップ(S500)をさらに含む、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項14】
前記ポリプロピレン発泡シート(120)は、ポリプロピレン50〜80重量部に線形低密度ポリエチレンまたはエラストマー20〜50重量部を混合して構成される、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項15】
前記ポリプロピレン発泡シート(120)の発泡倍率は3〜40倍である、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項16】
前記ポリプロピレン発泡シート(120)は、一重または二重でラミネーションして形成される、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項17】
前記補強シート(140)は、天然繊維および合成繊維が1:9〜9:1の比率で混合される、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項18】
前記天然繊維および前記合成繊維の長さは40〜120mmである、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項19】
前記天然繊維は、黄麻、洋麻(KENAF)、サイザル麻または竹のうち少なくとも一つである、請求項12または17に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項20】
前記合成繊維は、低融点ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンまたは生分解性樹脂繊維のうち少なくとも一つである、請求項12または17に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項21】
前記生分解性樹脂繊維は、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)またはセルロースアセテート(cellulose acetate;CA)である、請求項20に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項22】
前記紫外線硬化樹脂は、光開始剤、光重合オリゴマー、光重合モノマーおよび添加剤を含み、
前記光重合オリゴマーは、一液型ウレタンアクリル系オリゴマー、二液型ウレタンアクリル系オリゴマー、エポキシアクリル系オリゴマー、ポリエステルアクリル系オリゴマーまたは混合型アクリル系オリゴマーのうち少なくとも一つである、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【請求項23】
前記第2ステップおよび前記第3ステップは連続工程によってなされる、請求項12に記載の自動車内装材用多層構造物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層構造物に関し、より詳しくは、自動車内装材用多層構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内装材は、乗車時の快適性を左右する主要部品であり、一般的に柔らかなイメージを有した樹脂や繊維などが主に用いられている。
【0003】
このような自動車内装材は、自動車に適用される面積が相対的に広く、複雑な構造をなしているため、素材の形態安定性(または寸法安定性)が必須に求められている。すなわち、様々な温度および湿度などの外部環境下においても形態変形および層間剥離が生じてはいけない。
【0004】
また、最近では、環境に優しいことが求められることにより、耐熱性および剛性に優れつつ、エネルギー効率を高めることができる軽量素材が求められている現状である。
【0005】
一般的に、自動車内装材用構造物は、形態および装着性を維持させる心材層と意匠性、吸音性およびクッション感を付与する補強層および表皮層が積層される構造からなっている。
【0006】
一方、補強層と関連し、従来の天然繊維および合成繊維のニードルパンチングによる方法だけで補強層(補強シート)を製造する場合は、表面張力が弱いため、自動車内装材に求められる曲げ強度および曲げ弾性率を満足させ難いという問題がある。
【0007】
また、前記補強層を発泡体の両面に結束する方法がニードルパンチングによってのみなされる場合、発泡体がニードルによって損傷するだけでなく、補強層の密度減少による物性低下によって適用性に制限を受けるという問題がある。
【0008】
したがって、上述したような問題点を解決することができる方案が摸索されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施例は、曲げ特性に優れた自動車内装材用多層構造物を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によれば、ポリプロピレン発泡シート;前記ポリプロピレン発泡シートの少なくとも一面に積層され、天然繊維および合成繊維を含んでニードルパンチングした後、熱ローラー工程によって製造された補強シート;および前記補強シートの外側面に形成されるコーティング膜を含む自動車内装材用多層構造物が提供されてもよい。
【0011】
また、前記コーティング膜の外側面に積層され、ポリオレフィン系またはポリエステル系からなる不織布形態の表皮層をさらに含んでもよい。
【0012】
なお、前記ポリプロピレン発泡シートは、ポリプロピレン50〜80重量部に線形低密度ポリエチレンまたはエラストマー20〜50重量部を混合して構成されてもよい。
【0013】
また、前記ポリプロピレン発泡シートの発泡倍率は3〜40倍であってもよい。
【0014】
なお、前記ポリプロピレン発泡シートは、一重または二重でラミネーションして形成されてもよい。
【0015】
また、前記補強シートは、天然繊維および合成繊維が1:9〜9:1の比率で混合されてもよい。
【0016】
なお、前記天然繊維および前記合成繊維の長さは40〜120mmであってもよい。
【0017】
また、前記補強シートは、密度が0.3〜1.0g/cm3であってもよい。
【0018】
なお、前記天然繊維は、黄麻、洋麻(KENAF)、サイザル麻または竹のうち少なくとも一つであってもよい。
【0019】
また、前記合成繊維は、低融点ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンまたは生分解性樹脂繊維のうち少なくとも一つであってもよい。
【0020】
なお、前記生分解性樹脂繊維は、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)またはセルロースアセテート(cellulose acetate;CA)であってもよい。
【0021】
また、前記コーティング膜は、紫外線硬化樹脂または熱硬化型バイオゲルで形成されてもよい。
【0022】
なお、前記紫外線硬化樹脂は、光開始剤、光重合オリゴマー、光重合モノマーおよび添加剤を含み、前記光重合オリゴマーは、一液型ウレタンアクリル系オリゴマー、二液型ウレタンアクリル系オリゴマー、ポリエステルアクリル系オリゴマーまたは混合型アクリル系オリゴマーのうち少なくとも一つであってもよい。
【0023】
本発明の他の側面によれば、ポリプロピレン発泡シートを形成する第1ステップ;天然繊維および合成繊維を含んでニードルパンチングした後、熱ローラー工程によって補強シートを製造する第2ステップ;前記補強シートの外側面にコーティング膜を形成させる第3ステップ;および前記ポリプロピレン発泡シートの少なくとも一面に前記補強シートを積層させる第4ステップを含む自動車内装材用多層構造物の製造方法が提供されてもよい。
【0024】
また、前記第4ステップ後に、前記コーティング膜の外側面にポリオレフィン系またはポリエステル系からなる不織布形態の表皮層を積層させる第5ステップをさらに含んでもよい。
【0025】
なお、前記第3ステップは、前記補強シートの外側面に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射してコーティング膜を形成させるステップであってもよい。
【0026】
また、前記第3ステップは、前記補強シートの外側面に熱硬化型バイオゲルを塗布し、熱を加えて硬化させてコーティング膜を形成させるステップであってもよい。
【0027】
なお、前記第2ステップおよび前記第3ステップは連続工程によってなされてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施例は、自動車内装材用多層構造物において、補強シートに紫外線硬化樹脂または熱硬化型バイオゲルでコーティング膜を形成することにより、曲げ特性を向上させるという効果がある。
【0029】
また、天然繊維および合成繊維をニードルパンチングした後、熱ローラーを利用して補強シートを製造することにより、補強シートの密度減少による物性低下を防止するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例による自動車内装材用多層構造物の断面図である。
図2】本発明の実施例による自動車内装材用多層構造物の製造方法のフローチャートである。
図3図2のコーティング膜形成方法のフローチャートである。 <図面に主要部分に対する符号の説明>
【0031】
100 自動車内装材用多層構造物
120 ポリプロピレン発泡シート
140 補強シート
160 コーティング膜
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明の実施例による自動車内装材用多層構造物100の断面図である。
【0033】
図1を参照すれば、自動車内装材用多層構造物100は、ポリプロピレン発泡シート120と、ポリプロピレン発泡シート120の一面または両面に積層される補強シート140、および補強シート140の外側面に形成されるコーティング膜160を含む。
【0034】
ポリプロピレン発泡シート120は、ポリオレフィン系の1種類であるポリプロピレンを主要成分にした発泡シートである。前記ポリプロピレンは、構成分子が炭化水素だけからなっており、極性がなく、疏水性が大きいため、極性汚染物質に対する抵抗性が高いという特徴を有する。
【0035】
ポリプロピレン発泡シート120は、例えば、ポリプロピレン50〜80重量部に線形低密度ポリエチレンまたはエラストマー20〜50重量部を混合して構成されることができる。
【0036】
ポリプロピレン発泡シート120の発泡倍率(expansion ratio)は3倍〜40倍であってもよい。ポリプロピレン発泡シート120の発泡倍率が3倍未満である場合は、ポリプロピレン発泡シート120の吸音性の向上に影響を及ぼさないだけでなく、重量が比較的に高く形成されるという問題がある。また、ポリプロピレン発泡シート120の発泡倍率が40倍を超過する場合は、強度および形態安定性が低下するという問題がある。
【0037】
ポリプロピレン発泡シート120の大きさは特に限定されない。例えば、ポリプロピレン発泡シート120は、300mm〜2000mmの幅および1mm〜15mmの厚さで形成することができる。
【0038】
また、ポリプロピレン発泡シート120は、一重または二重でラミネーションして形成することもできる。例えば、ポリプロピレン発泡シート120を1000mm〜1700mmの幅および3mm〜5mmの厚さで製造した後、ポリプロピレン発泡シート120を二重でラミネーションすることができる。
【0039】
ポリプロピレン発泡シート120を二重でラミネーションする場合は、形態安定性が向上するという効果がある。
【0040】
補強シート140は、ポリプロピレン発泡シート120の一面または両面に積層して形成される。補強シート140は、自動車内装材の外部衝撃に対する吸水性を高め、強度および形態安定性を補強する役割を果たす。
【0041】
補強シート140は、天然繊維および合成繊維を含む。前記天然繊維および合成繊維は、補強シート140に耐久性、耐水性、耐腐食性および強度を向上させる役割を果たす。
【0042】
補強シート140において、天然繊維および合成繊維の配合比率は特に限定されない。例えば、補強シート140は、天然繊維および合成繊維が1:9〜9:1の比率で混合されてもよい。
【0043】
また、補強シート140の厚さは特に限定されない。例えば、補強シート140は、0.5mm〜1mmの厚さを有する薄膜シートに製作することができる。
【0044】
なお、補強シート140の密度は0.3〜1.0g/cm3であってもよい。それ以外の密度を有することもできるが、補強シート140の密度が0.3g/cm3未満である場合は、剛性が多少弱いという問題がある。その反面、補強シート140の密度が1.0g/cm3を超過する場合は、軽量化に不利であるという問題点がある。
【0045】
一方、前記天然繊維の種類または大きさのうち少なくとも一つは限定されない。例えば、前記天然繊維は、黄麻、洋麻(KENAF)、サイザル麻、竹のうち少なくとも一つであってもよい。一方、前記天然繊維は、太さが40〜120μm、長さが40〜80mmであるものを用いることができる。
【0046】
補強シート140において、前記天然繊維および前記合成繊維の長さは40〜120mmであってもよい。前記天然繊維および前記合成繊維の長さが各々40mm以下である場合は、補強シート140の物性および表面張力が弱まるという問題がある。その反面、前記天然繊維および前記合成繊維の長さが120mm以上である場合は、補強シート140を製造するためのカーディング工程(carding)において各々の繊維が絡まるだけでなく、自動車内装材の成形時に天然繊維の切れ現象が発生して自動車内装材の曲げ強度および曲げ弾性率が低下するという問題点がある。
【0047】
前記合成繊維は、低融点ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンまたは生分解性樹脂繊維のうち少なくとも一つであってもよい。
【0048】
ここで、前記生分解性樹脂繊維は、微生物が分泌する酵素によって分解される繊維を意味する。前記生分解性樹脂繊維の種類は特に限定されない。例えば、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)またはセルロースアセテート(cellulose acetate;CA)であってもよい。
【0049】
コーティング膜160は、補強シート140の外側面に形成され、補強シート140の曲げ特性を向上させる役割を果たす。
【0050】
コーティング膜160は、紫外線硬化樹脂または熱硬化型バイオゲルで形成することができる。
【0051】
前記紫外線硬化樹脂は、紫外線(200nm〜400nm)の光を受けることによって硬化する樹脂を意味する。前記紫外線硬化樹脂は、光開始剤、光重合オリゴマー、光重合モノマーおよび添加剤を含む。一方、前記光重合オリゴマーは、一液型ウレタンアクリル系オリゴマー、二液型ウレタンアクリル系オリゴマー、エポキシアクリル系オリゴマー、ポリエステルアクリル系オリゴマーまたはアクリル系オリゴマーのうち少なくとも一つであってもよい。
【0052】
前記熱硬化型バイオゲル(バイオレジン)は、バイオ(動物または植物)に基づき、熱によって硬化する物質を意味する。前記熱硬化型バイオゲルは、公知の物質を用いることができるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0053】
自動車内装材用多層構造物100は、コーティング膜160の外側面に積層される表皮層180をさらに含むことができる。表皮層180は、ポリオレフィン系またはポリエステル系からなる不織布形態に製造することができる。
【0054】
表皮層180を不織布形態に製造する場合、溶剤型接着剤やホットメルト型接着剤を用いることがなくてもコーティング膜160と熱接着が可能であるため、工程が簡素化されるという長所がある。また、接着剤を用いなくてもよいため、接着剤による悪臭問題が発生しないという長所がある。
【0055】
以下では、本発明の実施例による自動車内装材用多層構造物100の製造方法について説明する。同一符号は同一部材を示す。一方、ポリプロピレン発泡シート120、補強シート140、コーティング膜160、表皮層180の構成については上述した通りであるので、以下では説明の便宜のために製造方法についてのみ記述する。
【0056】
図2は、本発明の実施例による自動車内装材用多層構造物100製造方法のフローチャートである。図3は、図2のコーティング膜形成方法のフローチャートである。
【0057】
図2および図3を参照すれば、自動車内装材用多層構造物の製造方法は、先ず、ポリプロピレン発泡シート120を形成する。ポリプロピレン発泡シート120は通常の方法によって形成することができる。例えば、ポリプロピレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を含む2種の樹脂を混合し、架橋助剤および発泡剤などの添加剤を混合して押出成形装置を介して一定厚さのシート形態に押出することができる。
【0058】
また、電子線を照射し、前記電子線が照射されたシートを熱オーブンに通過させて連続相の発泡シートを形成することができる。また、押出機ダイで直接押出発泡することにより、ポリプロピレン発泡シートを形成することもできる(以上、S100ステップ)。
【0059】
その次に補強シート140を製造する。補強シート140は、天然繊維および合成繊維をニードルパンチング方法によって混合し、熱ローラー工程によって薄膜シートの形態に製造することができる。一方、前記合成繊維は、熱ローラー工程において、前記熱ローラー温度によって溶けられる合成繊維である。前記合成繊維の例は前述したものと同じである。
【0060】
補強シート140をニードルパンチング方法だけを使って製造する場合は、表面張力が弱くなるので曲げ特性を満足させ難いという問題がある。したがって、補強シート140をニードルパンチングした後に熱ローラー工程によって製造することにより、上述した問題点を解決することができる(以上、S200ステップ)。
【0061】
その次、補強シート140の外側面にコーティング膜160を形成する。コーティング膜160は、紫外線硬化樹脂または熱硬化型バイオゲルで形成することができる。
【0062】
前記紫外線硬化樹脂を用いてコーティング膜160を形成する場合は、補強シート140の外側面に前記紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射してコーティング膜160を形成させることができる。
【0063】
例えば、補強シート140の外側面にウレタンアクリル系紫外線硬化型樹脂を5〜30μmの厚さで塗布し、800〜1200mJ/cm2(50〜60℃)の紫外線を照射して硬化させることにより、コーティング膜160を形成させることができる。
【0064】
前記熱硬化型バイオゲルを用いてコーティング膜160を形成する場合は、補強シート140の外側面に前記熱硬化型バイオゲルを塗布し、熱を加えて硬化させることにより、コーティング膜160を形成させることができる。
【0065】
また、コーティング膜160が形成された補強シート140は連続工程によって製造されることもできる。例えば、補強シート140の製造ステップを、ニードルパンチング工程、熱ローラー工程、紫外線硬化樹脂の塗布工程および紫外線照射工程で構成して連続的に製造することができる。また、補強シート140の製造ステップを、ニードルパンチング工程、熱ローラー工程、バイオゲルの塗布工程および熱硬化工程で構成することもできる(以上、S300ステップ)。
【0066】
その次、ポリプロピレン発泡シート120の少なくとも一面にコーティング膜160が形成された補強シート140を積層させる。前記積層方法は、ポリプロピレン発泡シート120および補強シート140を連続的に熱によってラミネーションすることができる。また、ポリプロピレン発泡シート120を二重にして補強シート140とラミネーションすることもできる。
【0067】
一方、ポリプロピレン発泡シート120および補強シート140を熱によってラミネーションする時、ポリプロピレン発泡シート120と補強シート140とを互いに異なる温度で予熱してラミネーションすることもできる。この場合は、ラミネーション後に発生可能なシワおよび重なり現象を抑制することができる(以上、S400ステップ)。
【0068】
自動車内装材用多層構造物の製造方法は、コーティング膜160の外側面にポリオレフィン系またはポリエステル系からなる不織布形態の表皮層180を積層させるステップをさらに含むことができる。表皮層160は、コーティング膜160と熱による溶融接着方式で積層させることができる(以上、S500ステップ)。
【0069】
上述したように、本発明の実施例は、自動車内装材用多層構造物において、補強シートに紫外線硬化樹脂または熱硬化型バイオゲルでコーティング膜を形成することによって曲げ特性を向上させることができる。
【0070】
また、天然繊維および合成繊維をニードルパンチングした後、熱ローラーを利用して補強シートを製造することにより、補強シートの密度減少による物性低下を防止することができる。以上、本発明の実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有した者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を様々に修正および変更させることができ、また、これも本発明の権利範囲内に含まれると言える。
図1
図2
図3