特許第5773402号(P5773402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5773402一体型ホットメルト接着剤包装フィルムおよびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773402
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】一体型ホットメルト接着剤包装フィルムおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20150813BHJP
   C09J 5/06 20060101ALI20150813BHJP
   B65B 63/08 20060101ALI20150813BHJP
   B65B 3/00 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   C08J5/18CES
   C09J5/06
   B65B63/08
   B65B3/00
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-512674(P2015-512674)
(86)(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公表番号】特表2015-524008(P2015-524008A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】US2013039232
(87)【国際公開番号】WO2013173072
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2015年2月2日
(31)【優先権主張番号】61/648,290
(32)【優先日】2012年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/800,445
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(74)【代理人】
【識別番号】100129610
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 暁子
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ジンユウ
(72)【発明者】
【氏名】フ、 ユホン
(72)【発明者】
【氏名】デサイ、 ダルシャク
【審査官】 佐藤 玲奈
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0118689(US,A1)
【文献】 特開2007−302896(JP,A)
【文献】 特表平11−507899(JP,A)
【文献】 特開2010−247386(JP,A)
【文献】 米国特許第5373682(US,A)
【文献】 国際公開第96/07522(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第0557573(EP,A2)
【文献】 特表平07−508956(JP,A)
【文献】 特表2004−518789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/18
B65B 3/00
B65B 63/08
C09J 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーブレンドを含むホットメルト包装フィルムであって、
ポリマーブレンドは、少なくとも70wt%のプロピレン含量を有し、
包装フィルムは、(a)200℃における粘度範囲が200,000〜3,000,000cpsであり、(b)ピーク溶融温度範囲が90〜140℃であり、(c)Tmオフセット温度が149℃未満であり、(d)100℃における貯蔵弾性率(G’)の範囲が1×10〜1×10パスカルである、ホットメルト包装フィルム。
【請求項2】
抗ブロッキング剤、抗酸化剤、流れ調整剤、充填剤、染料およびそれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項1に記載の包装フィルム。
【請求項3】
ポリマーブレンド中の少なくとも1種のポリマーが、メタロセン触媒によるポリプロピレンポリマーである、請求項1に記載の包装フィルム。
【請求項4】
請求項1に記載の包装フィルムを含む物品。
【請求項5】
一体型ホットメルト接着剤パッケージであって、
(a)ポリ−α−オレフィン、ゴム、スチレン系ブロック−コポリマー、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−酢酸ブチル、およびそれらの混合物からなる群から選択されるホットメルト接着剤と、
(b)少なくとも70wt%のプロピレンを含むポリマーブレンドを含み、(a)200℃における粘度範囲が200,000〜3,000,000cpsであり、(b)ピーク溶融温度範囲が90〜140℃であり、(c)Tmオフセット温度が149℃未満であり、(d)100℃における貯蔵弾性率(G’)の範囲が1×10〜1×10パスカルである、包装フィルムと、
を含み、
包装フィルムが、ホットメルト接着剤パッケージ中に、ホットメルト接着剤パッケージの全重量に対して0.2〜2%存在し、
包装フィルムが、149℃以上の温度で、全く撹拌せずに、ホットメルト接着剤と100%混和性である、一体型ホットメルト接着剤パッケージ。
【請求項6】
包装フィルムが抗ブロッキング剤、抗酸化剤、流れ調整剤、充填剤、染料およびそれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項に記載の一体型ホットメルト接着剤パッケージ。
【請求項7】
ポリマーブレンド中の少なくとも1種のポリマーが、メタロセン触媒によるポリプロピレンポリマーである、請求項に記載の一体型ホットメルト接着剤パッケージ。
【請求項8】
ポリマーブレンドが、
.7〜99wt%のプロピレン含量、
.1〜30wt%のエチレンおよび/またはブテン含量
を有する、請求項に記載の一体型ホットメルト接着剤パッケージ。
【請求項9】
ホットメルト接着剤が、ポリ−α−オレフィン、オレフィンブロックコポリマーまたはスチレン系ブロック−コポリマーをベースとする接着剤である、請求項に記載の一体型ホットメルト接着剤パッケージ。
【請求項10】
一体型ホットメルト接着剤パッケージを形成する方法であって、
1.包装フィルムをカプセル化容器として用意するステップと、
2.溶融状態のホットメルト接着剤を包装フィルムにポンプ注入し、または注ぐステップであって、包装フィルムが150℃以下の温度でヒートシンクと直接接触するステップと、
3.包装フィルムをシールするステップと、
4.シールパッケージを冷却するステップと、
を含み、
包装フィルムは、少なくとも70wt%のプロピレンを含むポリマーブレンドを含み、包装フィルムは、(a)200℃における粘度範囲が200,000〜3,000,000cpsであり、(b)ピーク溶融温度範囲が90〜140℃であり、(c)Tmオフセット温度が149℃未満であり、(d)100℃における貯蔵弾性率(G’)の範囲が1×10ら1×10パスカルであり、
ホットメルト接着剤がポリ−α−オレフィン、ゴム、スチレン系ブロックコ−ポリマー、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−酢酸ブチル、およびそれらの混合物からなる群から選択され、
冷却されたシールパッケージが非粘着性である、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト接着剤をカプセル化するための包装フィルムに関する。包装フィルムは、接着剤の溶融段階において、接着特性に悪影響を及ぼすことなくホットメルト接着剤と容易に混和し、それにより、包装フィルムは、ホットメルト接着剤を枕、円筒、パウチ、ブロック、カートリッジ状等に包装するのに特に好適なものとなる。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は室温で固体であるが、一般には溶融状態または液状で塗布される。典型的には、これらの接着剤はブロックの形態で供給され、固体の接着剤ブロックはその粘着性のために互いに粘着し、または機械的取扱用具に付着するだけでなく、輸送中に汚れやその他の汚染物を捕捉する。さらに、高粘着性の配合物が必要とされるある種の用途では、輸送中にブロックを支えておかないと、ブロックが変形し、またはコールドフローを起こすことになる。
【0003】
上記の懸念に対処するため、ホットメルト接着剤を包装する種々の方法が開発されてきた。1つの方法では、ホットメルト接着剤上に非粘着性粉末を付け、内容物を包装フィルムの袋に入れる。いくつかの用途では、ホットメルト接着剤を溶融する前に、包装フィルムを除去する必要がある。他の方法としては、米国特許第5373682号および米国特許第7350644号に教示されているように、包装フィルムはホットメルト接着剤の一部であり、包装フィルムは溶融段階の間に接着剤とともに溶解する。これらのフィルムは、量が少ない(典型的には、全重量の5wt%未満)ので接着特性に悪影響を及ぼさないかもしれないが、加熱および塗布段階の間にフィルムが溶融したホットメルト接着剤に容易に溶け込まない場合がある。包装フィルムの非混和性部分は、溶融物の表面上に浮遊することおよび/または溶融タンク壁に付着することによって、異なる分離した層としてホットメルト接着剤から分離し、時間が経つと接着剤の溶融タンクに機械的な問題を生じる可能性がある。種々の化学構造に基づく多くの種類のホットメルト接着剤が存在するため、選択したホットメルト接着剤との良好な混合性を確実にするように包装フィルムを選択する必要がある。
【0004】
ホットメルト接着剤の適用性の拡大を可能にするホットメルト接着剤包装フィルムの技術には継続したニーズがある。本発明はこのニーズを満たすものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は種々のホットメルト接着剤のための一体型包装フィルムを提供する。一体型包装フィルムは接着剤の溶融段階の間に、接着特性に悪影響を及ぼすことなくホットメルト接着剤と容易に混和するので、一体型包装フィルムを除去する必要がない。
【0006】
本出願人らは、種々のホットメルト接着剤の化学構造に適した一体型ホットメルト接着剤パッケージにおいて、包装フィルムの化学構造、溶融粘度、溶融強度、ピーク溶融温度、オフセット溶融温度、および貯蔵弾性率の特定の組み合わせが、化学的に相溶性で混和性のフィルムの形成に重要であることを発見した。
【0007】
一実施形態において、一体型包装フィルムは少なくとも70wt%のプロピレン含量を有するポリマーブレンドを含み、包装フィルムは(a)200℃における粘度範囲が約200,000〜3,000,000cpsであり、(b)溶融ピーク温度範囲が約90〜140℃であり、(c)Tmオフセット温度が149℃未満であり、(d)100℃における貯蔵弾性率(G’)が約1×10〜1×10パスカルである。
【0008】
別の実施形態は、一体型包装フィルムによってカプセル化(capsulated)されたホットメルト接着剤である物品を対象としている。一体型包装フィルムは、包装フィルムが物品の全重量の2%までの量で存在する場合、149℃以上において、撹拌せずにホットメルト接着剤と完全に混和する。ホットメルト接着剤としては、ポリ−α−オレフィン、ゴム、スチレン系ブロック−コポリマー、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−酢酸ブチル、および/またはそれらの混合物が挙げられる。一体型包装フィルムは少なくとも70wt%のプロピレン含量を有するポリマーブレンドを含み、包装フィルムは(a)200℃における粘度範囲が約200,000〜3,000,000cpsであり、(b)溶融ピーク温度範囲が約90〜140℃であり、(c)Tmオフセット温度が149℃未満であり、(d)100℃における貯蔵弾性率(G’)が約1×10〜1×10パスカルである。
【0009】
さらに別の実施形態は、ホットメルト接着剤を包装フィルムによって包装し、一体型ホットメルト接着剤パッケージを形成する方法を対象としている。この方法は、(1)一体型包装フィルムをカプセル化容器として用意するステップと、(2)溶融状態のホットメルト接着剤を一体型包装フィルムにポンプ注入し、または注ぐステップであって、一体型包装フィルムはヒートシンクと直接接触する、ステップと、(3)一体型包装フィルムをシールするステップと、(4)シールされたパッケージを冷却するステップとを含む。一体型包装フィルムは、(a)約70〜約99wt%のプロピレン含量および(b)約1〜約30wt%のブテンおよび/またはエチレン含量を有するポリマーブレンドを含む。一体型ホットメルト接着剤パッケージは輸送中の汚れ、およびその他の汚染物に対して耐性を有する、シールされた非粘着性のパッケージである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、用語「オレフィンホットメルト接着剤」は、一般的に全てのポリオレフィン系のホットメルト接着剤を意味し、非晶質オレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンおよびそれらのコポリマーから製造されるホットメルト接着剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0011】
本明細書において、用語「包まれた」、「カプセル化された」および「包装された」は互換的に用いられ、ホットメルト接着剤のブロックがフィルムの層の中に包み込まれていることを意味する。フィルムは非粘着性または非ブロッキング性(non−blocking)の層であり、さらに、接着剤を汚染から保護し、輸送および取扱いを容易にするように機能する。
【0012】
本明細書において、用語「一体型包装フィルム」は、ホットメルト接着剤のブロックを取り囲む包装フィルムであって、接着剤を加熱して塗布する間にフィルムを除去せずに処理する(溶融して基材に塗布する)ことができる包装フィルムに用いられる。包装されたフィルムと同様、一体型包装フィルムも非ブロッキング性で、接着剤を汚染から保護する。
【0013】
一体型包装フィルムはポリマーブレンドを含む。ポリマーブレンドは少なくとも2種の熱可塑性ポリマーを含み、ブレンドはポリマーブレンドの全重量に対して少なくとも約70wt%、及び、約99wt%までのプロピレン含量を有する。プロピレンリッチなコポリマーの例としては、出光興産(株)のLMPP400、LMPPS600;ExxonMobile社のLinxar 127、Vistamaxx 6202、Vistamaxx 6102、Vistamaxx 3980、Vistamaxx 3020、Vistamaxx 3000等がある。
【0014】
一実施形態において、その他の熱可塑性ポリマーはブテンおよび/またはエチレンのコモノマーである。その他の熱可塑性ポリマーは、ポリマーブレンドの全重量に対して約1wt%〜約30wt%を占めてもよい。エチレンはポリマーブレンドの全重量に対して15wt%まで、好ましくは10wt%未満を占めてよい。好適な市販のブテンリッチなポリマーとしてはEvonik Industries社のVestoplast 308、Vestoplast 408、Vestoplast 508、Vestoplast 520、Vestoplast 608、Vestoplast 703等が挙げられる。好適な市販のエチレンリッチなポリマーとしてはDow Chemicals社のAffinity GA1950等が挙げられる。
【0015】
少なくとも1種の熱可塑性ポリマーはメタロセン触媒による(metallocene catalyzed)ポリマーである。好適なポリマーとしては、メタロセン触媒によるポリエチレン、エチレン−ブテンおよびエチレン−オクタンエラストマー、プラストマー、プロピレン−ブテン、プロピレン−エチレンコポリマーが挙げられる。
【0016】
フィルムは所望であれば安定性向上のための酸化防止剤、および他の任意の成分、例えば滑剤、例えば、エルカミド、抗ブロッキング剤、例えば、珪藻土、脂肪酸アミド、またはその他の加工助剤、静電防止剤、安定剤、可塑剤、染料、香料、充填剤、例えば、タルクまたは炭酸カルシウム等を含んでもよい。
【0017】
ポリマーブレンドは当技術分野で既知の任意の手段によってブレンドすることができる。一実施形態において、ポリマーブレンドは混合および溶融用の二軸押出機で加工される。溶融したブレンドは次に当技術分野で既知の任意の手段によって流延(cast)される。フィルムの厚みは一般に約0.5ミル(mil)〜約5ミル、好ましくは約1ミル〜約3ミルの間で変動する。特定のフィルムの厚みは組成および適用温度によっても変動する。フィルムは単層フィルムでも多層フィルムでもよい。
【0018】
ホットメルト接着剤の包装フィルムとしての一体性を維持しながら、種々のホットメルト接着剤の化学構造と化学的に相溶性である一体型ホットメルト接着剤パッケージを形成するために、包装フィルムは特定の特性の組み合わせを有しなければならないことが見出された。そのような包装フィルムは、(a)200℃における粘度範囲が約200,000〜3,000,000cpsであり、(b)ピーク溶融温度(Tm)の範囲が約90〜140℃であり、(c)溶融温度(Tm)オフセット温度が149℃未満であり、(d)100℃における貯蔵弾性率(G’)の範囲が約1×10〜約1×10パスカルである必要がある。
【0019】
ピーク融点およびオフセットは当技術分野で既知の種々の方法によって測定することができる。報告したピーク融点および本明細書中で報告したTmオフセット値は、DSC(示差走査熱量測定法)によって測定した。他に記載しない限り、約5mgのフィルム試料をクリンプしたアルミナパン内にシールし、試料を−40℃に冷却し、2920DSC TA装置によって10℃/分の速度で180℃まで再加熱した。第2の加熱サイクルにおける吸熱溶融ピークを用いてピーク融点および融解熱を評価し、溶融ピークの終点をTmオフセット温度とした。
【0020】
包装フィルムは、包装フィルムを形成し、溶融した接着剤をカプセル化しながらフィルムの一体性を維持し、溶融接着剤のための非粘着性バリアシールをもたらし、溶融時に撹拌することなしにホットメルト接着剤に完全に溶解するために、上記の特性の全てを包含しなければならない。包装フィルムは高温、即ちワゴン車の条件を想定した温度(35〜45℃)で非ブロッキング性である。包装フィルムは約149℃を超える温度で、撹拌も追加エネルギーもせずに5時間以内に溶融する。包装フィルムは種々のおよび多種のホットメルト接着剤とともに溶融することができ、接着剤の特性に悪影響を及ぼすことなく、溶融したホットメルト接着剤中に溶け込む(blend)ことができる。
【0021】
別の実施形態は、包装フィルムに包み込まれたホットメルト接着剤を含む物品を対象としている。物品は枕、円筒(cylinder)、パウチ(pouch)、ブロック、カートリッジまたはチャブ(chub)として形成された一体型ホットメルト接着剤パッケージである。
【0022】
一体型ホットメルト接着剤パッケージのホットメルト接着剤は、種々の熱可塑性ポリマーを含む。ホットメルト接着剤は主としてポリマーからなり、ポリマーとしてはポリ−α−オレフィン、ゴム、スチレン系ブロックコポリマー、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−酢酸ブチル、および/またはそれらの混合物等が挙げられる。ホットメルト接着剤は任意に粘着付与剤、可塑剤、オイル、ワックスおよび添加剤を含んでもよい。
【0023】
一実施形態において、包装フィルムは、接着特性が過度に弱まることを防ぐために、一体型ホットメルト接着剤パッケージの重量の約2%まで、好ましくは約0.1〜約1.5%を占める。典型的には、それぞれの包装フィルムの厚み範囲は約0.5ミル〜約5ミル、好ましくは約1ミル〜約3ミルである。
【0024】
一体型ホットメルト接着剤パッケージの包装フィルムは、フィルムのいかなる部分も高温溶融物の表面上に浮遊することまたは溶融タンクの壁に付着することによって溶融したホットメルト接着剤から分離することなしに、種々のホットメルト接着剤と混和できる。
【0025】
混和性で、化学的に相溶性であり、非分離性の接着剤を形成するために、包装フィルムは、典型的には、ホットメルト接着剤中で使用される主たるポリマーに基づいて選択される。相溶性のホットメルト接着剤と包装フィルムを選択しないと、フィルムの一部が高温溶融物の表面上に浮遊し、または溶融タンクの壁に付着することになる。本発明の包装フィルムは、非粘着性の外側保護を形成しながら、多種のホットメルト接着剤の化学構造、例えばポリオレフィン、ゴム、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等と混和性を有することが見出された。
【0026】
ホットメルト接着剤を包装フィルムによって包装するため、ホットメルト接着剤を溶融して円筒状の熱可塑性フィルムにポンプ注入し、または注ぐ。ここで円筒状チューブはヒートシンク、例えば冷水または冷却された液体もしくはガス環境と直接接触する。フィルムの包装およびシールは、手動で、またはより好ましくは自動化された手順で行なうことができる。注がれ、またはポンプ注入されるホットメルト接着剤は包装フィルムの融点以上の温度であり、包装フィルムの内側は溶融したホットメルト接着剤とともに溶融し、接着剤の特性に悪影響を及ぼすことなしに溶融した接着剤と混合される。溶融したホットメルト接着剤が充填された円筒はシールされ、固化する。任意に、シーリングプロセスの間に真空によって空気を除去する。その結果としてフィルムとホットメルト接着剤との間の間隙が無くなる。得られる個々の一体型ホットメルト接着剤パッケージは、高圧および/または高温に曝されたとしても、個々のパッケージが互いに粘着したり、他の物品に付着したり、または汚染されることなく、保存し、取扱い、および使用することができる。
【0027】
一体型ホットメルト接着剤パッケージを最終的に接着剤として使用するため、パッケージを、フィルムを除去せずに、溶融タンクに置く。ホットメルト接着剤と一体型包装フィルムとの間の接触面または相間は強固であり、フィルムを溶融して接着剤自体に混ぜ合わせるために必要な付加的エネルギーは極めて少ない。
【実施例】
【0028】
実施例1
包装フィルムとして試料1〜7を形成した。プロピレン(PP)およびブテン/エチレンコモノマー含量を表1に示す。粘度はレオメータを用い、せん断をほぼゼロとして200℃で測定した。フィルムは二軸押出機でポリマー成分を溶融させ、次いでそれを冷ロールで厚み1.5ミル(mil)に流延することにより形成した。フィルムの混和性は約10,000グラムの非晶質ポリα−オレフィン接着剤(Henkel社のDISPOMELT(登録商標)LITE 300)を(接着剤に対し)約0.5wt%のフィルム試料と溶融タンク中で160℃で溶融することによって評価した。撹拌せずにフィルム試料を接着剤中に溶融するために必要な時間を記録した。試料8では、さらに、酢酸ビニル含量3%EVAフィルムのブローフィルムを本検討のために用いた。
【0029】
【表1】
【0030】
200℃において200,000未満の低い溶融粘度を有するフィルム試料1は、フィルムに変換できなかった。その他の全ての試料、即ちフィルム試料2〜8はフィルムに流延された。
【0031】
フィルム試料2〜6はDISPOMELT(登録商標)LITE 300中に溶融し、3時間未満で均一な塊となった。フィルム試料7も均一な塊となったが、この非メタロセン系ポリプロピレンコポリマーフィルムは非晶質ポリ−α−オレフィン型ホットメルト接着剤と混和するまでに5時間超を要した。EVAフィルムであるフィルム試料8は接着剤中に溶融するまで24時間超を要した。さらに、EVAフィルムはゲル化して硬いクラスターを形成し、硬いクラスターの一部は熱溶融タンクの表面上に浮遊した。このような硬いクラスターは噴霧またはスロットのノズルを閉塞する傾向があるので望ましくない。
【0032】
実施例2
試料フィルムの溶融強度を評価するため、試料フィルムの溶融温度および溶融弾性率の特性を評価した。その結果を表2に示す。融点は2920DSC(示差走査熱量測定法)TA装置によって測定した。約5〜10mgの試料をクリンプしたアルミナパン内にシールし、−40℃に冷却し、2920 DSC TA装置によって10℃/分の速度で180℃まで再加熱した。第2の加熱サイクルを用いて、ピーク融点およびTmオフセット値を評価した。
【0033】
100℃におけるフィルムの貯蔵弾性率(G’)はRheometric Dynamic Analyzer(RDA III)およびTA Orchestratorソフトウェアバージョン7.2.0.2によって測定した。約2mmの間隔をもって離れた直径7.9mmのパラレルプレートに接着剤試料をロードする。次いで試料を約−30℃に冷却し、時間プログラムを開始した。プログラム試験は、温度を5℃間隔で上昇させ、続いてそれぞれの温度でのソーク時間を10秒とした。試料を入れた対流オーブンには連続的に窒素を流した。周波数は10rad/sに保つ。試験開始時の初期歪みは(プレートの外縁において)0.05%であった。ソフトウェアの自動歪みオプションを用いて、試験を通して正確に測定可能なトルクを維持した。ソフトウェアによって許容される最大の印加歪みが30%になるようにオプションを構成した。それぞれの温度上昇分ごとに自動歪みプログラムによって歪みを調節した。トルクおよび歪みのデータからソフトウェアによってせん断貯蔵、または弾性率(G’)を計算した。
【0034】
溶融したDISPOMELT(登録商標)LITE Lite 300をフィルム試料でカプセル化してパッケージを形成することによって、フィルム試料のフィルム強度を評価した。冷却後のパッケージの品質および強度を目視で評価した。フィルム試料が一体性を維持してホットメルト接着剤の包装を形成していた場合には、フィルムに「強」という評価を与えた。何らかの穴またはホットメルト接着剤がフィルム試料の一体性を損なっていた場合には、フィルムに「弱」という評価を与えた。
【0035】
【表2】
【0036】
試料1〜3は充填プロセスの間に破裂し、パッケージは許容できないものとなった。試料4〜8は試料フィルムに破裂を生じずに許容できるパッケージは形成するのに充分な強度があった。約90〜140℃のピークTm範囲および100℃における約1×10〜約1×10パスカルの貯蔵弾性率によってフィルムは充填プロセスに耐えることができるようになり、パッケージに許容できる品質をもたらすことが見出された。
【0037】
実施例3
試料4〜8について、その噴霧性を分析した。約10,000gのDISPOMELT LITE(登録商標)Lite 300接着剤の試料を厚み約1.5ミルの試料フィルムでカプセル化した。160℃に設定した熱溶融タンクに、試料4〜6については3時間(試料7については10時間、試料8については24時間)、パッケージを装填した。次いで溶融した接着剤を4ポートのITWスプレーヘッド(Nordson)から噴霧し、1分あたりの迷走(stray)滴数を表3に記録した。それぞれの試料フィルムのTmオフセットも表3に記録する。
【0038】
【表3】
【0039】
試料7の迷走滴数は10滴/分を超えていた。対照的に試料4〜6の迷走滴数はわずかに2滴/分であった。試料7と異なり、試料4〜6のTmオフセット値は149℃未満であった。包装フィルムが149℃未満のTmオフセット値を有することが噴霧性において迷走を最小化するための重要な因子であることが見出された。試料8のTmオフセット値も149℃未満であるが、EVAフィルムが、カプセル化された接着剤に対して非混和性であることは、迷走を増加させる制約となる。
【0040】
実施例4
種々のホットメルト接着剤(1,000g)および包装フィルム(ホットメルト接着剤に対して0.5wt%)を用いたホットメルト接着剤パッケージを形成した。これらを、表4に列挙する。それぞれのパッケージを熱溶融タンクに装填し、撹拌せずに、表示した温度に加熱した。ホットメルト接着剤中のフィルムの混和性を目視により観察した。また、フィルム試料が完全に溶解し、接着剤中に混和するために必要な時間を記録した。
【0041】
【表4】
【0042】
上記のとおり観察されるように、(1)少なくとも70wt%のプロピレン含量を有するポリプロピレンコポリマーから作られ、(2)200℃における粘度範囲が約200,000〜3,000,000cpsであり、(3)溶融ピーク温度範囲が約90〜140℃であり、(4)Tmオフセット温度が149℃未満であり、(5)100℃における貯蔵弾性率(G’)が約1×10〜1×10パスカルである包装フィルムは、種々のポリマーから製造された種々のおよび多種のホットメルト接着剤に対して混和性を有し、一体型ホットメルト接着剤パッケージのための万能包装接着剤として用いることができる。