特許第5773407号(P5773407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773407
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】有機発光表示パネルセル移送装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20150813BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20150813BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20150813BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20150813BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   G09F9/00 338
   B23Q7/04 K
   B65G49/06 A
   H05B33/10
   H05B33/14 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-227475(P2010-227475)
(22)【出願日】2010年10月7日
(65)【公開番号】特開2011-164576(P2011-164576A)
(43)【公開日】2011年8月25日
【審査請求日】2013年9月20日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0013535
(32)【優先日】2010年2月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】李 在弼
【審査官】 請園 信博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−257480(JP,A)
【文献】 特開2000−033444(JP,A)
【文献】 特開平09−234580(JP,A)
【文献】 特開昭63−016895(JP,A)
【文献】 特開平09−108882(JP,A)
【文献】 特開2009−208964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
H01L 51/50
H05B 33/00 − 33/28
B23Q 7/00 − 7/18
B65G 49/00 − 49/08
G02F 1/13
1/137 − 1/141
G02F 1/1343− 1/1345
1/135
G01M 11/00 − 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面を形成するベースと、
前記ベースの上側で離隔されて前記ベースと平行な状態で往復し、上下方向に昇降しながら切断された有機発光表示パネルセルをスクライブテーブルから吸着して、前記ベース上のローディング位置に移送するセル吸着移送部と、
前記ローディング位置と前記ベースの検査位置との間を往復して、前記セル吸着移送部によって前記ローディング位置からローディングされた前記有機発光表示パネルセルを前記検査位置に移送する第1シャトル検査台移送部と、
前記第1シャトル検査台移送部と少なくとも同じ高さまで上昇するとともに前記第1シャトル検査台移送部よりも低い位置で前記ローディング位置と前記検査位置との間を往復するために前記ローディング位置と前記検査位置で各々昇降し、前記ローディング位置からローディングされた前記有機発光表示パネルセルを前記検査位置に移送する第2シャトル検査台移送部と、
を含み、
前記第1シャトル検査台移送部は、
前記有機発光表示パネルセルをローディングする第1シャトル検査台と、
前記第1シャトル検査台を垂直方向に支持する一対の支持台と、
第1リニアモータと、
一対の第1リニアガイドであって、前記一対の第1リニアガイドの一方が前記第1リニアモータを装着して前記ローディング位置と前記検査位置の間の前記ベース上に設けられる、第1リニアガイドと、
を含み、
前記一対の支持台は、
そのうちの一方が前記第1リニアモータに設けられ、
他方が前記一対の第1リニアガイドの他方に設けられ、
前記第2シャトル検査台移送部は、
前記有機発光表示パネルセルをローディングする第2シャトル検査台と、
前記第2シャトル検査台を垂直方向に支持するシリンダーと、
前記シリンダーを装着する第2リニアモータと、
前記第2リニアモータを装着して前記ローディング位置と前記検査位置との間の前記ベース上に設けられる第2リニアガイドと、
を含み、
前記第1リニアガイド及び前記第2リニアガイドが、前記ベースの同じ平面の上に設置されていることを特徴とする、有機発光表示パネルセル移送装置
【請求項2】
記支持台は、前記第1シャトル検査台の長さに対応するように間隔を有して形成されることを特徴とする、請求項に記載の有機発光表示パネルセル移送装置
【請求項3】
記支持台は、前記第1シャトル検査台の長さに対応するように間隔を有して形成され、
前記シリンダーおよび前記第2シャトル検査台は、
前記支持台の間に挿入されることを特徴とする、請求項に記載の有機発光表示パネルセル移送装置。
【請求項4】
前記一対の第1リニアガイドは前記ベースに第1幅を維持して設けられ、
前記第2リニアガイドは前記第1リニアガイドの間に第1幅より小さい第2幅を維持して一対設けられることを特徴とする、請求項に記載の有機発光表示パネルセル移送装置。
【請求項5】
前記セル吸着移送部は、
前記有機発光表示パネルセルを負圧で吸着する吸着部と、
前記吸着部の上側に連結されるシリンダーと、
前記シリンダーを装着する第3リニアモータと、
前記スクライブテーブルの上側で前記ローディング位置の間に設けられ、前記第3リニアモータを装着して水平方向に案内する第3リニアガイドと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示パネルセル移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スティック状に切断された有機発光表示パネルセルを安定的に移送する有機発光表示パネルセル移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、大型の原張基板を一方向に切断することによって複数のスティックが形成され、各スティックを幅方向に切断することによって複数のセル、即ち、複数の有機発光表示パネルセルが形成される。完成された原張基板をスティック状に切断するために、切断されたスティックをセル状に切断するために、または切断されたセルを検査するために、原張基板、スティックまたはセルを関連工程装置へ移送する際に各々の移送装置が使用される。
【0003】
有機発光表示パネルセルを検査位置に移送する前に、複数のスティックはカセットに挿入された状態で作業者に伝達され、スクライブテーブルに移送された後、各スティックは複数のセルに切断される。このように切断されたセルはスクライブテーブルから検査工程位置に移送されて、不良品または合格品に選別される。この時、有機発光表示パネルセル移送装置を用いてスクライブテーブルから検査工程位置にセルを移送する。
【0004】
有機発光表示パネルセル移送装置はコンベヤーを用いるため、セル移送装置の構造を簡単に構成するが、コンベヤー上でセルが互いに隣接して密着された状態、即ち、切断前のスティックと同じ配列形態で移送されるため、コンベヤー上部表面の低い平坦度およびコンベヤーの駆動衝撃がセルに伝達される。そのため、セルはスクライブテーブルから検査工程位置に移送される過程において、セルガラスの側面または角部が互いにぶつかるようになる。これによって、セルガラスが部分的に破損し、品質が低下するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、有機発光表示パネルセルを安定的に移送して、セルガラスの破損を防止し、品質を向上させる有機発光表示パネルセル移送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の実施形態による有機発光表示パネルセル移送装置は、水平面を形成するベースと、前記ベースの上側で離隔されて前記ベースと平行な状態で往復し、上下方向に昇降しながら切断された有機発光表示パネルセルをスクライブテーブルから吸着して、前記ベース上のローディング位置に移送するセル吸着移送部と、前記ローディング位置と前記ベースの検査位置との間を往復し、前記セル吸着移送部によって前記ローディング位置にローディングされた前記有機発光表示パネルセルを前記検査位置に移送する第1シャトル検査台移送部と、前記ローディング位置と前記検査位置で各々昇降し、前記ローディング位置と前記検査位置との間を往復して、前記ローディング位置からローディングされた前記有機発光表示パネルセルを前記検査位置に移送する第2シャトル検査台移送部と、を含む。
【0007】
前記第1シャトル検査台移送部は、前記有機発光表示パネルセルをローディングする第1シャトル検査台と、前記第1シャトル検査台を垂直方向に支持する支持台と、前記支持台を装着する第1リニアモータと、前記第1リニアモータを装着して前記ローディング位置と前記検査位置の間の前記ベース上に設けられる第1リニアガイドと、を含むことができる。
【0008】
前記支持台は、前記第1シャトル検査台の長さに対応するように間隔をおいて一対で形成され、そのうちの一方を前記第1リニアモータに設け、他方を前記第1リニアガイドに設けることができる。
【0009】
前記第2シャトル検査台移送部は、前記有機発光表示パネルセルをローディングする第2シャトル検査台と、前記第2シャトル検査台を垂直方向に支持するシリンダーと、前記シリンダーを装着する第2リニアモータと、前記第2リニアモータを装着して前記ローディング位置と前記検査位置との間の前記ベース上に設けられる第2リニアガイドと、を含むことができる。
【0010】
前記支持台は、前記第1シャトル検査台の長さに対応するように間隔をおいて一対で形成され、そのうちの一方が前記第1リニアモータに設けられ、他方が前記第1リニアガイドに設けられ、前記シリンダーおよび前記第2シャトル検査台は、前記支持台の間に挿入することができる。
【0011】
前記第1リニアガイドは前記ベースに第1幅を維持して設けられ、前記第2リニアガイドは前記第1リニアガイドの間に第1幅より小さい第2幅を維持して設けられることができる。
【0012】
前記セル吸着移送部は、前記有機発光表示パネルセルを負圧で吸着する吸着部と、前記吸着部の上側に連結されるシリンダーと、前記シリンダーを装着する第3リニアモータと、前記スクライブテーブルの上側で前記ローディング位置の間に設けられ、前記第3リニアモータを装着して水平方向に案内する第3リニアガイドと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の実施形態によると、セル吸着部を作動させて、切断された有機発光表示パネルセルをスクライブテーブルからローディング位置の第1、第2シャトル検査台にローディングし、第1、第2シャトル検査台移送部をローディング位置と検査位置との間で往復させ、また、第2シャトル検査台移送部をローディング位置と検査位置で各々昇降させることによって、セルをローディング位置から検査位置に安定的に移送する効果がある。従って、移送されるセルにおいて、セルガラスの破損が防止され、品質の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる有機発光表示パネルセル移送装置とスティック切断装置の構成図である。
図2図1における有機発光表示パネルセル移送装置の斜視図である。
図3図2に示されている有機発光表示パネルセルの副画素回路構造を示す概略図である。
図4図2に示されている有機発光表示パネルセルの部分拡大断面図である。
図5】ローディング位置で第1シャトル検査台にセルをローディングし、第2シャトル検査台を待機した状態図である。
図6】第1シャトル検査台をローディング位置から検査位置に移送し、第2シャトル検査台を待機した状態図である。
図7】第1シャトル検査台で検査を進行し、第2シャトル検査台をローディング位置に上昇させてセルをローディンした状態図である。
図8】第1シャトル検査台で検査を完了し、第2シャトル検査台をローディング位置から下降させた状態図である。
図9】第1シャトル検査台で検査を完了し、第2シャトル検査台をローディング位置から検査位置に移送した状態図である。
図10】第1シャトル検査台を検査位置からローディング位置に移送し、第2シャトル検査台を検査位置に上昇させた状態図である。
図11】ローディング位置で第1シャトル検査台にセルをローディングし、検査位置で検査完了した第2シャトル検査台を下降させた状態図である。
図12】ローディング位置で第1シャトル検査台にセルローディングを完了し、第2シャトル検査台を検査位置からローディング位置に移送して待機させた状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な形態において実現され、ここで説明する実施形態に限定されない。図面において本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付けた。
【0016】
図1は本発明の第1の実施形態による有機発光表示パネルセル移送装置とスティック切断装置の構成図である。図1を参照すると、第1の実施形態の有機発光表示パネルセル移送装置(以下、「セル移送装置」という)2は、スティック切断装置1に連続して具備され、スティック切断装置1とベース3を共有することができる。
【0017】
スティック切断装置1は、ベース3上のガイドレール11に設けられるスクライブテーブル12を往復作動(x軸方向)させ、スクライブテーブル12の上側にシリンダー13を介在して設けられるカッター14を下降(z軸方向)させて移動(y軸方向)させることによって、スクライブテーブル12にローディングされたスティック15を複数の有機発光表示パネルセル(以下、「セル」という)16状に切断する。
【0018】
また、スティック切断装置1は、スクライブテーブル12をガイドレール11上でカッター14を通るようにさらに移動させて、スティック15から切断されたセル16をセル移送装置2まで移送する。この時、セル16は切断されているが互いに密着して切断前のスティック15のような配列形態で移送される。1枚の原張基板を切断することによって複数のスティック15が形成され、各スティック15を切断することによって複数のセル16が形成される。
【0019】
セル移送装置2は、スティック切断装置1で切断されてスクライブテーブル12を通じて移送されたセル16を第一次にベース3のローディング位置に移送して、第2次にローディング位置から検査位置に移送して、最終的にセル16の検査を可能にする。例えば、セル移送装置2は、ベース3上に設けられるセル吸着移送部20、第1シャトル検査台移送部30および第2シャトル検査台移送部40を含む。ローディング位置は、スクライブテーブル12から移送されたセル16を第1、第2シャトル検査台移送部30、40にローディングする際に、ベース3上に設定される位置である。検査位置は、ローディング位置から移送されたセル16を検査するために、第1、第2シャトル検査台移送部30、40から1つずつアンローディングする際にベース3上に設定される位置である。ベース3は水平面で形成されており、スティック15をセル16に切断する切断工程空間および切断されたセル16を検査位置に移送する移送空間を水平状態に形成するために、安定した工程空間を提供する。
【0020】
図2図1の有機発光表示パネルセル移送装置の斜視図である。図2を参照すると、セル吸着移送部20は、ベース3の上側で垂直方向に離隔されてベース3と平行な状態で往復し、上下方向に昇降しながら、切断されたセル16をスクライブテーブル12で吸着して、ベース3上のローディング位置に移送する。即ち、セル吸着移送部20は、スクライブテーブル12上から下降してセル16を吸着して上昇し、ローディング位置に移送して下降してセル16をローディング位置にローディングする。例えば、セル吸着移送部20は、セル16を負圧で吸着する吸着部21、吸着部21の上側と連結されるシリンダー22、シリンダー22を装着する第3リニアモータ23および第3リニアガイド24を含む。
【0021】
吸着部21は、多様な面積のスティック15をカバーして、スティック15より小さいながらも多様な面積のセル16を負圧で吸着できるよう、微細孔で連結される差圧バルブ(図示せず)を備える。公知されたように、差圧バルブは、微細孔の前側にセル16がある場合には負圧を作用させて吸着作用をし、セル16がない場合には負圧を遮断して非吸着作用をすることによって、セル16がある部分で吸着作用ができるようにする。吸着部21は、適用可能なスティック15の最大面積より大きい面積で形成され、ベース3の上側でスティック15の幅方向に対応するx軸方向に狭く、y軸方向に長く形成されて配置される。
【0022】
シリンダー22は吸着部21の上側に提供され、ベース3に垂直なz軸方向に設けられて吸着部21と連結される。従って、シリンダー22の昇降作動により、吸着部21はz軸方向に昇降作動するようになる。シリンダー22は、スクライブテーブル12とローディング位置で各々昇降作動する。第3リニアモータ23は、シリンダー22の上端を装着して第3リニアガイド24に装着されて、シリンダー22を第3リニアガイド24に沿って移送する。第3リニアガイド24は、スクライブテーブル12の上側でローディング位置の間に水平状態で設けられて、第3リニアモータ23を水平方向に案内する。例えば、第3リニアガイド24はx軸方向に設けられて、スクライブテーブル12を通して移送されたセル16をx軸方向に位置させて、ローディング位置に移送できるようにする。この時、シリンダー22は上昇した状態を維持して、吸着部21が上昇した状態でセル16を移送できるようにする。本実施形態において、シリンダー22と第3リニアモータ23および第3リニアガイド24は各々1つのものが例示されているが、吸着部21のy軸方向の長さが大きい場合、垂れを防止するために、吸着部21のy軸方向の両端またはy軸方向に沿って間隔を維持して配置される複数個のものを備えてもよい。
【0023】
第1シャトル検査台移送部30と第2シャトル検査台移送部40は、セル16の検査が中止される時間を最少化して、セル16の検査の効率を上げるために備えられ、各々ローディング位置にセル16をローディングし、検査位置にセル16をアンローディングする。従って、第1、第2シャトル検査台移送部30、40は、ローディング位置と検査位置との間でx軸方向に設定される距離を経由し、互いに干渉しないように構成される。
【0024】
例えば、第1シャトル検査台移送部30は、ローディング位置から検査位置の間を往復するように構成され、第2シャトル検査台移送部40は、ローディング位置と検査位置で各々昇降し、またローディング位置と検査位置との間を往復するように構成される。この時、第1、第2シャトル検査台移送部30、40の干渉を防止するために、第1シャトル検査台移送部30はz軸方向の高い位置で往復し、第2シャトル検査台移送部40は第1シャトル検査台移送部30、即ち、第1シャトル検査台31よりz軸方向の低い位置で下降状態で往復する。
【0025】
これを、より具体的に説明すると、第1シャトル検査台移送部30は、セル16をローディングする第1シャトル検査台31、第1シャトル検査台31を垂直方向に支持する支持台32、支持台32を装着する第1リニアモータ33および第1リニアガイド34を含む。支持台32は一対で形成され、第1シャトル検査台31の長さ(y軸方向)に対応するように間隔を有して、一対のうちの1つが第1リニアモータ33に設けられる。第1リニアガイド34は、1つの支持台32と1つの第1リニアモータ33を装着するように一対で形成されて、ローディング位置と検査位置との間のベース3上に設けられる。
【0026】
第2シャトル検査台移送部40は、セル16をローディングする第2シャトル検査台41、第2シャトル検査台41を垂直方向に支持してz軸方向に昇降作動するシリンダー43、シリンダー43を装着する第2リニアモータ44、および第2リニアガイド45を含む。第2リニアガイド45は、1つのシリンダー43と1つの第2リニアモータ44を装着して、ローディング位置と検査位置との間のベース3上に設けられる。この時、シリンダー43および第2シャトル検査台41は、一対の支持台32の間に挿入されたり通過できるように形成される。従って、第1リニアガイド34は、ベース3にy軸方向に設定される第1幅(W1)を維持して設けられ、第2リニアガイド45は、第1リニアガイド34の間に第1幅(W1)より小さい第2幅(W2)を維持して設けられる。
【0027】
図3図2に示されている有機発光表示パネルセルの副画素回路構造を示す概略図であり、図4図2に示されている有機発光表示パネルセルの部分拡大断面図である。図3および図4を参照して、移送されるセル16の副画素について説明する。セル16において副画素は、有機発光素子(L1)と駆動回路部で構成される。有機発光素子(L1)は、アノード電極54と有機発光層55およびカソード電極56を含む。駆動回路部は少なくとも2つの薄膜トランジスターと少なくとも1つの保存キャパシター(C1)を含む。薄膜トランジスターは、基本的にスイッチングトランジスター(T1)と駆動トランジスター(T2)を含む。スイッチングトランジスター(T1)は、スキャンライン(SL1)とデータライン(DL1)と連結され、スキャンライン(SL1)に入力されるスイッチング電圧によりデータライン(DL1)から入力されるデータ電圧を駆動トランジスター(T2)に伝送する。保存キャパシター(C1)は、スイッチングトランジスター(T1)と電源ライン(VDD)と連結され、スイッチングトランジスター(T1)から伝送される電圧と電源ライン(VDD)から供給される電圧との差に相当する電圧を保存する。
【0028】
駆動トランジスター(T2)は、電源ライン(VDD)と保存キャパシター(C1)と連結され、保存キャパシター(C1)に保存された電圧としきい電圧との差の自乗に比例する出力電流(IOLED)を有機発光素子(L1)に供給する。有機発光素子(L1)は出力電流(IOLED)によって発光する。駆動トランジスター(T2)は、ソース電極57とドレイン電極58およびゲート電極59を含み、有機発光素子(L1)のアノード電極54が駆動トランジスター(T2)のドレイン電極58と連結される。副画素の構成は前述した例に限定されず多様に変形可能である。前面に備えられるセルガラス52はシーラントによって、背面に備えられるセルガラス51と間隔をおいてシーリングされており、セルガラス51に形成された複数の駆動回路部と有機発光素子を外部から保護する。
【0029】
以下に図5図12を参照して、切断されたセル16をスクライブテーブル12からローディング位置に移送して、セル16をローディング位置から検査位置に移送する過程を説明する。
【0030】
図5はローディング位置から第1シャトル検査台にセルをローディングして第2シャトル検査台を待機した状態図である。図5を参照すると、第1、第2シャトル検査台31、41はローディング位置にある。この状態でシリンダー22の伸張によって吸着部21は下降して、スクライブテーブル12から移送されたセル16を第1シャトル検査台31にローディングする。第2シャトル検査台41は、ローディング位置から下降した待機状態にある。この時、第2シャトル検査台41は、シリンダー43の収縮作動によって第1シャトル検査台31の下側に位置するため、第1シャトル検査台31の移動を干渉しない。
【0031】
図6は第1シャトル検査台31をローディング位置から検査位置に移送して第2シャトル検査台41を待機した状態図である。図6を参照すると、シリンダー22の収縮によって吸着部21は上昇して、第1シャトル検査台31にセル16のローディングを完了する。この状態で第1シャトル検査台31は、セル16をローディングした状態でローディング位置から検査位置に移送完了し、第2シャトル検査台41はローディング位置で下降状態を維持する。
【0032】
図7は第1シャトル検査台31で検査を進行し、第2シャトル検査台41をローディング位置から上昇させてセルをローディンした状態図である。図7を参照すると、検査位置の第1シャトル検査台31でセル16の検査が行われ、ローディング位置でシリンダー43の伸張によって第2シャトル検査台41が上昇し、シリンダー22の伸張によって吸着部21が下降して、セル16を、上昇された第2シャトル検査台41にローディングする。
【0033】
図8は第1シャトル検査台31で検査を完了して、第2シャトル検査台41をローディング位置から下降させた状態図である。図8を参照すると、検査位置の第1シャトル検査台31でセル16の検査が完了し、シリンダー43の収縮によって第2シャトル検査台41がローディング位置から下降し、シリンダー22の収縮によって吸着部21はセル16のローディング完了後に上昇する。
【0034】
図9は第1シャトル検査台31で検査を完了して、第2シャトル検査台41をローディング位置から検査位置に移送した状態図である。図9を参照すると、検査位置でセル16の検査完了後、第1シャトル検査台31は検査位置で待機し、第2シャトル検査台41がローディング位置から検査位置に移送される。この時、第2シャトル検査台41は、第1シャトル検査台31の下側に位置するため、互いに干渉しない。
【0035】
図10は第1シャトル検査台31を検査位置からローディング位置に移送し、第2シャトル検査台41を検査位置から上昇させた状態図である。図10を参照すると、第1シャトル検査台31は検査位置からローディング位置に移送されて、シリンダー43の伸張によって第2シャトル検査台41が検査位置から上昇する。
【0036】
図11はローディング位置から第1シャトル検査台31にセル16をローディングし、検査位置での検査を完了した第2シャトル検査台41を下降させた状態図である。シリンダー22の伸張によって吸着部21が下降して、第1シャトル検査台31でセル16をローディングし、第2シャトル検査台41でセル16の検査完了後にシリンダー43の収縮によって第2シャトル検査台41が下降する。
【0037】
図12はローディング位置から第1シャトル検査台31にセル16のローディングを完了し、第2シャトル検査台41を検査位置からローディング位置に移送して待機させた状態図である。図12を参照すると、シリンダー22の収縮によって吸着部21は上昇して、セル16のローディングを完了する。この状態で第1シャトル検査台31はセル16をローディング完了した状態でローディング位置で待機し、第2シャトル検査台41は下降状態で検査位置からローディング位置に移送される。この時、第2シャトル検査台41は、第1シャトル検査台31の下側に位置するため、互いに干渉しない。
【0038】
このように、第1の実施形態のセル移送装置2は、第3リニアガイド24、第3リニアモータ23、シリンダー22および吸着部21を利用して、切断されたセル16をスクライブテーブル12からローディング位置に移送するため、切断されたセル16を安定的に第1、第2シャトル検査台31、41にローディングすることができる。
【0039】
また、第1の実施形態のセル移送装置2は、第1、第2リニアガイド34、45、第1、第2リニアモータ33、44および第1、第2シャトル検査台31、41を利用して、ローディング位置から検査位置に移動するため、切断されたセル16を安定的に移送することができる。即ち、移送されるセル16はコンベヤー駆動に比べて、第1、第2シャトル検査台31、41を通して駆動衝撃から保護できる。従って、セル16の前面および背面に備えられるセルガラス51、52が破損することが防止され、セル16の品質が向上する。
【0040】
以上で、本発明の望ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0041】
1 スティック切断装置
2 有機発光表示パネルセル移送装置(セル移送装置)
3 ベース
11 ガイドレール
12 スクライブテーブル
13 シリンダー
14 カッター
15 スティック
16 有機発光表示パネルセル(セル)
20 セル吸着移送部
21 吸着部
22、43 シリンダー
23、 第3リニアモータ
24、 第3リニアガイド
30、40 第1、第2シャトル検査台移送部
31、41 第1、第2シャトル検査台
32 支持台
33、44 第1、第2リニアモーター
34、45 第1、第2リニアガイド
51、52 セルガラス
W1、W2 第1、第2幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12