(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773441
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】タンタル粉末およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 9/04 20060101AFI20150813BHJP
B22F 1/00 20060101ALI20150813BHJP
B22F 9/04 20060101ALI20150813BHJP
H01G 9/052 20060101ALI20150813BHJP
H01G 9/00 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
H01G9/04 334
B22F1/00 R
B22F9/04 C
H01G9/05 K
H01G9/24 B
H01G9/24 C
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-34356(P2012-34356)
(22)【出願日】2012年2月20日
(62)【分割の表示】特願2006-533642(P2006-533642)の分割
【原出願日】2004年6月9日
(65)【公開番号】特開2012-169631(P2012-169631A)
(43)【公開日】2012年9月6日
【審査請求日】2012年3月21日
【審判番号】不服2014-15167(P2014-15167/J1)
【審判請求日】2014年8月1日
(31)【優先権主張番号】60/477,418
(32)【優先日】2003年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512189233
【氏名又は名称】グローバル アドバンスト メタルズ,ユー.エス.エー.,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100088214
【弁理士】
【氏名又は名称】生田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100100402
【弁理士】
【氏名又は名称】名越 秀夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134588
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(72)【発明者】
【氏名】ウン,ドゥアン−ファン
【合議体】
【審判長】
水野 恵雄
【審判官】
酒井 朋広
【審判官】
井上 信一
(56)【参考文献】
【文献】
特表平06−511517(JP,A)
【文献】
特表2002−544677(JP,A)
【文献】
特表2000−509103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G9/00
H01G9/052
B22F1/00
B22F9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンタル出発原料粉末を流体中で、粉砕媒体により、高エネルギー粉砕機(但し、攪拌ボールミル、磨砕ボールミル及びVortec M1衝撃ミルを除く)を用いて、10時間以下の時間、粉砕して少なくとも1.5m2/gのBET表面積及び1〜50のアスペクト比を有するタンタル粉末を生成させることを含むタンタル粉末の製造方法であり、
該タンタル出発原料粉末が、非水素化タンタル粉末であり、
上記製造方法により得られたタンタル粉末を1400℃で10分間焼結して電解キャパシターアノードに形成され、該アノードが20Vの化成電圧で化成される場合のキャパシタンスが少なくとも190,000 CV/gである
ことを特徴とするタンタル粉末の製造方法。
【請求項2】
前記タンタル出発原料粉末が、インゴット由来及び/又はナトリウム還元粉末であることを特徴とする請求項1記載のタンタル粉末の製造方法。
【請求項3】
前記高エネルギー粉砕機が、遊星形ボールミル、回転空気流ジェットミル、もしくは対向ジェット流体エネルギーミルのグループから選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載のタンタル粉末の製造方法。
【請求項4】
上記高エネルギー粉砕機が遊星形ボールミルのときに、上記粉砕媒体に0.3G〜25Gの力を与えることを特徴とする請求項3に記載のタンタル粉末の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ金属粉末およびそのバルブ金属粉末を用いた電解キャパシターならびにその粉末およびキャパシターの製造方法に関する。特に、本発明は高表面積バルブ金属粉末および高キャパシタンスを有するキャパシターに関する。
【背景技術】
【0002】
タンタル粉末から製造されるタンタルキャパシターは、電子回路の小型化に大きな貢献をしており、極端な環境下の回路適用を可能にしてきた。タンタルキャパシターはタンタル粉末を圧縮してペレットを形成し、炉内でペレットを
焼結し、多孔質タンタル体(電極)を形成し、ついでその多孔質体を適切な電解質中で陽極化して
焼結体上に連続した絶縁酸化物膜を
化成することにより製造されるのが通常である。
【0003】
タンタルキャパシターを製造するのに適切な粉末の開発は、高品質キャパシターの製造に最も役立ちうるタンタル粉末の要求特性を得るためにキャパシター製造者およびタンタル加工者双方の努力から生じたものである。そのような特性は比表面積、純度、収縮、加圧成形性等を含む。
【0004】
第一に、粉末は多孔質体に形成され
焼結されるときに、適切な電極表面積を与えなければならない。タンタルキャパシターのμFV/gはタンタル粉末ペレットを
焼結することにより製造される
焼結多孔質体の比表面積に関連しうる。タンタル粉末の比表面積は
焼結多孔質体において達成しうる最大μFV/gに関連しうる。
【0005】
さらに、粉末の純度が考慮されることも重要でありうる。金属および非金属の混入物はタンタルキャパシターにおける絶縁酸化物膜を劣化させ易い。高
焼結温度は揮発性混入物を除去するのに役立つが、高温は多孔質体を収縮させ、その正味の比表面積、そして得られるキャパシターのキャパシタンスを低下させ易い。
焼結条件下で、比表面積の損失、すなわち収縮、を最小化することは、高いFV/gのタンタルキャパシターを製造するために必要である。
【0006】
上述のように、タンタルペレットのμFV/gは、
焼結粉末の比表面積の関数でありうる。もちろん、比較的大きな正味表面積は、ペレット当たりの粉末の量(g)を増加させることにより得られうるが、コストやサイズを考慮すると、開発はタンタル粉末の比表面積を増加させる手段に焦点を当てられざるを得ない。
【0007】
タンタル粉末の比表面積を増加させるために提案された方法の一つは、粉末粒子をフレーク形状に平たくすることである。しかしながら、比較的薄いタンタルフレークを製造することによって比表面積を増加させる努力は、たとえば加工特性の付随的喪失により妨げられてきた。たとえば、非常に薄いタンタルフレークは加圧成形性に乏しく、
化成電圧が低いと予測される。さらに、高表面積粉末を製造するプロセスにおいて、粉砕は多くの時間を要することがあり得、時間がかかり高価であり、そして長い粉砕時間は粉末が破壊する時点に達するのが通常である。このように、本発明に至るまで、高キャパシタンス粉末を妨げるしきいがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の1つの特徴は、フレーク状、こぶのあるおよび角張った形状を有する湿式粉砕されたタンタル粉末を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの特徴は、タンタル粉末およびその他のバルブ金属を提供することであり、好適には高表面積、ならびにタンタル粉末を比較的高いキャパシタンスを有するキャパシターに形成しうる、他の特性、を有するものである。
【0010】
本発明のさらなる特徴は、キャパシターに形成されたときに、比較的低いDC漏れを有するタンタル粉末および他のバルブ金属を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる特徴および利点は、部分的には以下の説明において述べられるが、部分的にはその記述から明らかであり、または本発明の実施により学びうる。本発明の目的および他の利点は、詳細な説明および請求項で特に記載される要素および組み合わせにより認識し、得られるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらおよび他の利点を達成するために、そして本発明の目的にしたがって、ここに具体化され、広範に記載されているように、本発明は、少なくとも1.5m
2/gのBET表面積を有し、そして電解キャパシターアノードに形成される場合に、20VのV
f(化成電圧)で
化成され、かつ1400℃の温度で10分間
焼結されるとき、該アノードは好ましくは少なくとも約190,000CV/gのキャパシタンスを有する、タンタル粉末に関する。
【0013】
さらに、本発明は少なくとも約1.5m
2/gのBET表面積を有するタンタル粉末の製造方法に関し、その方法は原料粉末を流体中で、任意には粉砕媒体により、高エネルギー粉砕機を用いて粉砕することを含む。さらに、その方法はタンタル粉末からその流体を除去することを含むのが好適である。
【0014】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の双方は典型的、説明的なものにすぎず、請求項に記載されるような本発明をさらに説明しようとするものであることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付の図面は、本出願に組み入れられ、その一部を構成し、本発明のいくつかの態様を示すものであり、詳細な説明とともに本発明の原理を説明する役割を担うものである。
【
図1】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図2】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図3】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図4】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図5】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図6】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図7】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図8】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図9】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図10】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図11】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図12】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【
図13】本発明の高キャパシタンスタンタル粉末のSEM写真。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、部分的には、高いキャパシタンスおよび/または低いDC漏れを有するのが好的なタンタル粉末および他のバルブ金属を製造する方法に関する。
【0017】
本発明の目的で、バルブ金属はタンタル、二オブおよびそれらの合金を含むのが通常であり、さらにIVB,VBおよびVIB族の金属、ならびにアルミニウムおよび銅およびそれらの合金を含みうる。バルブ金属はたとえばDiggleによる「Oxides and Oxide Films」Vol.1,pp.94−95,1972(Marcel Dekker, Inc., New York)に記載されており、引用によりすべてここに組み入れられる。バルブ金属は鉱石から抽出されるのが通常であり、たとえば米国特許第6,348,113号明細書に記載されるように、一次金属加工者により、化学還元を含むプロセスで粉末に形成される。一次金属加工者により通常実施される、さらなる金属精錬法は、金属粉末を熱凝集させること、ゲッター材料の存在下に凝集金属粉末を脱酸素すること、そしてたとえば米国特許第6,312,642号明細書に記載されるように、酸浸出溶液中で脱酸素金属粉末を浸出することを含む。
【0018】
フレークを含むタンタル粉末の例は、米国特許第6,348,113;5,580,367;5,580,516;5,448,447;5,261,942;5,242,481;5,211,741;4,940,490;および4,441,927号明細書に記載されており、これらは引用によりここにすべて組み込まれる。二オブ粉末の例は、米国特許第6,420,043;6,402,066;6,375,704;および6,165,623号明細書に記載されており、これらは引用によりここにすべて組み込まれる。他の金属フレーク、金属フレークの製造法および金属フレークの用途は次の米国特許に記載されており、それぞれは引用によりここにすべて組み込まれる:米国特許第4,684,399;5,261,942;5,211,741;4,940,490;5,448,447;5,580,516;5,580,367;3,779,717;4,441,927;4,555,268;5,217,526;5,306,462;5,242,481および5,245,514号明細書。
【0019】
タンタル粉末は好適には少なくとも1.5m
2/g、もっと好適には少なくとも1.7m
2/g、そしてさらに好適には少なくとも約5m
2/g、さらにもっと好適には約5〜約8m
2/g、そして最も好適には少なくとも7.5m
2/gのBET表面積を有する。BETの範囲は凝集前タンタル粉末に基づくのが好ましい。タンタル粉末は水素化されてもされなくてもよい。さらに、タンタル粉末は凝集されてもされなくてもよい。
【0020】
さらに本発明は、部分的には、バルブ金属フレークならびにバルブ金属フレークを製造するための湿式粉砕もしくは湿式磨砕方法に関する。特に、本発明はタンタルフレークおよび二オブフレークに関する。本発明はバルブ金属フレーク、たとえばタンタルフレークを製造するために湿式粉砕に有用である。さらに、フレーク形状にされたタンタル粉末は約1〜約50のアスペクト比(厚さに対する直径の比)を有しうる。フレーク形状にされたタンタル粉末はその形態により向上した表面積を可能にする。
【0021】
通常、タンタル粉末は流体媒体および任意には粉砕媒体中に分散された原料粉末を、高エネルギー粉砕機を用いて高衝撃粉砕することにより調製されうる。粉砕後に、流体媒体はタンタル粉末から除去されうる。原料粉末はたとえばインゴット由来および/またはナトリウム還元粉末であり得、たとえば米国特許第6,348,113号明細書に記載されている。流体媒体は気体および/または液体でありうる。流体媒体(水性もしくは非水性)はたとえば界面活性剤であり得、そして流体はステアリン酸等の潤滑剤を含みうる。粉砕媒体は、たとえばステンレス鋼ボールでありうる。高エネルギー粉砕機は、たとえば遊星形ボールミル粉砕機であり得る。タンタル粉末からの流体媒体の除去は、たとえば蒸発によることができる。
【0022】
さらに詳しくは、種々のBET表面積が原料粉末を高エネルギー粉砕もしくは高衝撃粉砕することにより達成されうる。原料粉末はたとえばインゴット由来および/または化学還元粉末であり得、好ましくはフレーク状、角張った、もしくはこぶのあるタンタル粉末、またはそれらの組み合わせである。原料粉末は流体媒体、好ましくはメタノール、中に分散され、スラリーを形成しうる。流体媒体はたとえば界面活性剤もしくは有機表面活性剤であり得、そして流体はステアリン酸等の潤滑剤を含みうる。スラリーおよび粉砕媒体、好ましくは金属製ボール、が一緒にされる。金属ボールはコーティングを含みうる。金属ボールは粉末が粉砕されるのと同一の金属で製造されうる。金属ボールは同一金属で被覆もしくはめっきされうる。好適には、粉砕媒体は3/16インチの440Cステンレス鋼ボールであるが、3/8インチのような他のボールサイズ、ならびに炭化タングステンのような他の材料も使用されうる。如何なる数のボールも使用され得、粉砕機のサイズに依存する。たとえば、約100〜約2000である。好適には、少なくとも約600以上のボールが使用される。スラリーおよび任意の粉砕媒体が、高エネルギー粉砕機、たとえば遊星形ボールミル、回転空気流ジェットミル、もしくは対向ジェット流体エネルギーミル、の粉砕チャンバーにおいて一緒にされうる。遊星形ミルが使用されるならば、粉砕媒体が好適である。対向ジェット流体エネルギーミルのような粉砕機が使用されるならば、粉砕媒体がないのが好適である。原料粉末、流体媒体、および任意には粉砕媒体が所定の割合で一緒にされる。粉砕質量に対する原料粉末の比はたとえば約1:5〜約1:50でありうる。原料粉末および粉砕媒体の合計容積に対する流体の容積の比は約0.5:1〜約3:1であり得、好ましくは約0.5:1〜約2:1、そしてもっと好ましくは約0.5:1〜約1:1である。
【0023】
高エネルギー粉砕機はいかなる高エネルギー粉砕機であってもよく、たとえば遠心粉砕機、そして好ましくはたとえばGlen Mills,Inc.もしくはRetsch(たとえばPM400)から商業的に入手しうる遊星形ボールミルである。他の例は回転空気流ジェットミルのようなジェットミル、もしくは対向ジェット流体エネルギーミル(たとえばCCE Technologies, Inc.から入手しうる)のような流体エネルギーミルを含む。さらに、粉砕機の例は、米国特許第5,522,558;5,232,169;6,126,097;および6,145,765号明細書に記載されており、これらは引用によりここにすべて組み込まれる。好適には、高エネルギー粉砕機は粉砕媒体および/または粉末に約0.3G〜約25Gの高衝撃力を与えるように十分な速度で回転される。もっと好ましくは、高エネルギー粉砕機は粉砕媒体および/または粉末に少なくとも約0.5Gの力を与える。たとえば、高エネルギー粉砕機は約100rpm〜約400rpm以上、そして好ましくは少なくとも約300rpmで回転されうる。
【0024】
たとえば、粉砕は粉砕媒体を回転させるために用いられる回転軸を含む粉砕チャンバーを有する遊星形ボールミルを用いて達成されうる。その粉砕チャンバーは好ましくはタンタル製である内張りもしくはコーティングを備えるのが好適である。さらに、高エネルギー粉砕機は、G.Le Caer, S.Bein−Colin およびP.Delcroixによる「Mechanical Alloying and High−Energy Ball−Milling: Technical Simplicity and Physical Complexity for the Synthesis of New Materials」(www.ademe.fr/recherche/manifestations/materiau02/Site/file/pdf%5CCM01109.PDFでみることができる)、ならびにH.Zoz およびH.Renによる「Processing of ceramic Powder Using High Energy Milling」(www.zoz.de/de/veroeff/19.htm)に記載されており、これらの両方は引用によりここにすべて組み込まれる。粉砕ボールは回転するローターにより加速され得、14m/s以上までの相対速度で互いに衝突しうる。
【0025】
高エネルギー粉砕機による粉砕は所定時間行なうことができ、好適には約30分〜約10時間のような約10時間以下、たとえば約2〜約3時間である。製造される粉末のBET表面積は粉砕時間に関連するのが通常である。
【0026】
粉砕後に、流体は空気乾燥、加熱、ろ過、蒸発、もしくはそれらの組合わせのような方法により、タンタル粉末から分離もしくは除去されうる。流体は、通常凝集を生じさせるのに十分な時間加熱し、好適には表面積を減少させないで、除去される。使用されうる熱処理温度の例は、約1100で、約30分間である。しかし、加熱温度および加熱時間は高BET表面積が減少しないことを確実にするために変更されうる。BET分析は、実質的に、米国特許第6,402,066;6,165,623;5,011,742;4,960,471;および4,964,906号明細書に記載されるように測定され得、これらは引用によりここにすべて組み込まれる。
【0027】
上述の種々のタンタル粉末は、本発明のタンタル粉末を用いるキャパシターの形成から生じる電気的特性により特徴づけられうる。通常、本発明のタンタル粉末は、タンタル粉末をプレスしてアノードとし、プレスされたタンタル粉末を適切な温度で
焼結し、ついでそのアノードを陽極化して、つぎに電気的特性を試験されうる電解キャパシターアノードを製造することにより、電気的特性を試験されうる。
【0028】
したがって、さらに本発明は電解キャパシターアノードに形成される場合に、アノードは少なくとも約190,000CV/g、もっと好ましくは少なくとも約200,000CV/g、のキャパシタンスを有する、タンタル粉末に関する。好適には、タンタル粉末が電解キャパシターアノードに形成される場合に、アノードは約190,000〜約285,000CV/g、もっと好適には約200,000〜約285,000CV/g、そして最も好適には約250,000〜約285,000CV/gのキャパシタンスを有する。これらのキャパシタンスは20Vの
化成電圧(V
f)に基づくのが好適であり、そこでは粉末は約1400℃で10分間
焼結される。タンタル粉末はアノードに形成され、キャパシタンスは実質的に次のように測定されうる。
【0029】
アノードはタンタル製の
焼結容器を用いて製造されうる。使用される
焼結容器は径0.201インチ、長さ0.446インチであり得、一端が開放され、外側に溶接されたタンタルワイアを有しうる。
焼結容器は低スコット密度タンタル粉末を自由充填され、計量され、そして
焼結されうる。本発明のキャパシターアノード形成において、
焼結温度は所望の特性を有するキャパシターアノードの形成を可能にするように用いられる。好適には、
焼結温度は約1200〜約1750℃、もっと好適には約1200〜約1500℃、そして最も好適には約1350〜約1400℃である。ついで、
焼結タンタル充填容器は約10〜約50V、そして好ましくは約20〜約35V、のV
fを用いて陽極化される。陽極化され、
焼結されたタンタル充填容器は、ついでキャパシタンス(μF)を試験される。空の
焼結容器のキャパシタンスがタンタル充填容器のキャパシタンスから引かれ、真のキャパシタンス測定値を得る。得られた電気的分析はμFV/gで報告される。
【0030】
本発明のタンタル粉末から形成されるアノードは、好ましくは約60V未満、さらに好ましくは約10〜約50V、そしてもっと好ましくは約40V、の電圧で
化成される。好適には、本発明のタンタル粉末から形成されるアノードの作動電圧は、約4〜約16V、そしてもっと好ましくは約4〜約10Vである。さらに、本発明のタンタル粉末から形成されるアノードは、好適には約5.0nA/CV未満のDC 漏れを有する。本発明の一態様において、本発明のあるタンタル粉末から形成されるアノードは、約5〜約0.5nA/CV、または約2〜約0.5nA/CVのDC 漏れを有する。
【0031】
高キャパシタンスタンタル粉末を用いて、比較的高い
化成電圧と比較的高い作動電圧が使用され得、たとえば約50〜約80V以上の
化成電圧ならびに約10〜約20V以上の作動電圧である。さらに、本発明の付加的な利点はDC 漏れの向上、たとえばタンタルのBETが増加するにつれて安定なもしくは比較的低いDC 漏れ、でありうる。
【0032】
タンタルの他に、本発明は粉砕しうるいかなるバルブ金属、たとえば二オブを含むバルブ金属、にも適用し得る。得られる利点、たとえば比較的高いBET、バルブ金属粉末から形成されるアノードの比較的高いキャパシタンスおよび/または関連する
化成電圧、作動電圧ならびに改良された、もしくは安定なDC漏れ、も本発明の一部である。
【0033】
本発明の一態様によれば、製造されるタンタル粉末はキャパシターを形成するのに用いられる。キャパシターは、たとえば米国特許第6,527,937;6,462,934;6,420,043;6,375,704;6,338,816;6,322,912;6,616,623;6,051,044;5,580,367;5,448,447;5,412,533;5,306,462;5,245,514;5,217,526;5,211,741;4,805,704および4,940,490号明細書に記載されるような、いかなる方法によっても形成され得、これらは引用によりここにすべて組み込まれる。本発明により製造されるタンタル粉末から製造されるキャパシターは改良された電気的漏れ特性を有すると考えられる。本発明のキャパシターは、自動車の電子機器;携帯電話;コンピューター、たとえばモニターおよびマザーボード等;コンシューマー電子機器、たとえばTVおよびCRT;プリンター/コピー機;電源;モデム;ノート型コンピューター;ならびにディスクドライブ、のような種々の用途で使用されうる。
【0034】
本発明は次の例によりさらに明らかにされるが、これらは本発明の典型例を示そうとするものにすぎない。
【実施例】
【0035】
例1
脱気したKDELタンタル出発原料粉末が遊星形ボールミル(Glen Mills, Inc.より入手)で処理された。そこでは、出発原料粉末はメタノール媒体に分散され(粉末および粉砕媒体に対する液体の比は1:1であった)、3/16インチのステンレス鋼ボール(試料3および5で、それぞれ600および1998個のボール)を用い、300rpmで8時間であった。タンタル粉末は粉砕チャンバーとローター軸の間で作り出される相対的回転運動の作用により推進されるステンレス鋼ボールの衝撃により生成された。ついで、流体が除去され、タンタル粉末は洗浄され、乾燥された。試料3および5〜製造された、いくつかの粉末は
図2から0に示される。ついで、タンタル粉末はアノード容器内で密度3.5g/ccにプレスされた。プレスされたタンタル粉末は約1400℃で10分間、真空中(10
−3Pa未満)で
焼結され、ついで
化成電圧V
f20Vで100mA/gの定電流で、0.1%リン酸に浸漬したアノードを陽極化して電解キャパシターアノードを
化成し、洗浄、乾燥した。キャパシター性能が18wt%硫酸に浸漬されたアノードについて評価され、表1に示される。120ヘルツの周波数で測定されたキャパシタンスはグラムあたりのマイクロファラドボルト単位(CV/g)で示される。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示されるように、高表面積タンタル粉末が高エネルギーボールミルを用いる高衝撃粉砕により比較的短い粉砕時間で達成されうる。
図1〜9は異なる倍率での試料3もしくは5の粉末のSEM写真である。タンタル粉末から形成されたアノードは表1に示されるように比較的高いキャパシタンスを生じさせた。表1に示されるように、粉砕媒体、すなわちステンレス鋼ボール、の割合を増加させると、粉末の表面積が増加し、それから形成されるアノードのキャパシタンスを増加させる。さらに、短縮された粉砕時間は粉砕プロセスにおける粉末の望ましくない酸化量を制限するように働く。
例2
KDELタンタル出発原料粉末(Cabot Corporation から商業的に入手しうるC275を製造するのに用いられる、ナトリウム還元Ta基本ロット粉末)が対向ジェットミル(CCE Technologies,Inc.より入手)で処理された。そこでは、出発原料粉末は2000rpmで作動する分級機に導入された。2μmより小さい粒子は上方へ移動する分級空気によりローターを通過した。オーバーサイズ粒子はローターにより拒絶され、微粉砕帯域に向かって下方に移動した。この時点で、粒子は圧縮流体の制御された膨張により高速に加速され、ついで対向流と衝突した。粒子同士の衝突後に、材料は循環を繰り返すために分級機にもどされる。製造された粉末は
図10および13に示される。ついで、タンタル粉末(238mg)は密度4.5g/ccにプレスされアノードとされた。プレスされたタンタル粉末試料は1250℃で10分間、真空中(10
−3Pa未満)で
焼結され、ついで
化成電圧V
f20V、
化成温度83℃で100mA/gの定電流で、0.06%リン酸に浸漬したアノードを陽極化して電解キャパシターアノードを形成し、洗浄、乾燥した。アノード径は0.15インチであった。キャパシター性能が18wt%硫酸に浸漬されたアノードについて評価され、表2に示される。120ヘルツの周波数で測定されたキャパシタンスはグラムあたりのマイクロファラドボルト単位(CV/g)で示される。
【0038】
【表2】
【0039】
表2に示されるように、高表面積タンタル粉末が高エネルギー流体ミルを用いる高衝撃粉砕により比較的短い粉砕時間で達成されうる。
図10〜13は異なる倍率での粉末のSEM写真である。タンタル粉末から形成されたアノードは表1に示されるように比較的高いキャパシタンスを生じさせた。表2に示されるように、タンタル粉末から形成されたアノードは比較的高いキャパシタンスを生じさせた。
【0040】
他の本発明の態様は、本発明の明細書を考慮し、さらにはここに開示された本発明の実施から、当業者に明らかであろう。本発明の詳細な説明および例は典型的なものであるにすぎず、本発明の真の範囲および精神は請求項およびその均等物に示されるとおりである。